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【発明の名称】 薬剤収容ユニット
【発明者】 【氏名】羽柴 智彦

【氏名】緒方 洋一

【要約】 【課題】微粒子薬剤を収容した薬剤収容ユニットを提供する。

【解決手段】薬剤収容ユニット100は注射器200に装着される。ユニット100内には、入口111から出口112に至る流路を遮るようにしてフィルタ120が設けられている。フィルタ120には微粒子状の薬剤が付着している。注射針230をバイアルやアンプル内の溶剤液300中に挿入し、ピストン220を引くと、溶剤液300が注射針230および薬剤収容ユニット100を通して注射器本体210内に吸入される。その際フィルタ120に付着している薬剤が溶剤液300中に溶け込むため、注射器本体210内には薬剤溶液301が導入される。薬剤は、溶剤液300の流路に配置されたフィルタ120に保持されているので、速やかに且つ確実に溶解する。薬剤は、薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕することにより発生させた微粒子である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器の注射液ノズルに接続される入口と、注射針の基部に接続される出口とを有するハウジングと、前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体とを有するユニットの前記薬剤担体に薬剤を付着させることにより薬剤収容ユニットを製造する装置であって、
流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕して薬剤溶液の微粒子を発生させるとともに、前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御する微粒子発生系と、
前記薬剤微粒子発生装置にて発生した前記微粒子を搬送気流に乗せて前記ユニット内に導入して前記薬剤担体に付着させる微粒子搬送系と、を備えたことを特徴とする薬剤収容ユニットの製造装置。
【請求項2】
前記微粒子搬送系は、前記微粒子発生系にて発生した前記微粒子を複数の前記ユニット内に同時に導入するべく複数に分岐した流路を有することを特徴とする請求項1の製造装置。
【請求項3】
前記微粒子搬送系は、前記ユニットを通過した前記微粒子を前記微粒子発生系に帰還させることを特徴とする請求項1または2の製造装置。
【請求項4】
注射器の注射液ノズルに接続される入口と、注射針の基部に接続される出口とを有するハウジングと、前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体とを有するユニットの前記薬剤担体に薬剤を付着させることにより、薬剤を収容した薬剤収容ユニットを製造する方法であって、
流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕して薬剤溶液の微粒子を発生させる微粒子発生ステップと、
前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御する粒子径制御ステップと、
前記微粒子発生ステップにて発生した前記微粒子を搬送気流に乗せて前記ユニット内に導入して前記薬剤担体に付着させる微粒子搬送ステップと、を有することを特徴とする薬剤を収容した薬剤収容ユニットの製造方法。
【請求項5】
前記微粒子搬送ステップにおいて、前記微粒子発生ステップにて発生した前記微粒子を複数に分岐した流路を通して複数の前記ユニット内に同時に導入することを特徴とする請求項4の製造方法。
【請求項6】
注射器の注射液ノズルに接続される入口と、注射針の基部に接続される出口とを有するハウジングと、
前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体と、
前記薬剤担体に付着した薬剤と、
前記入口および前記出口を密閉しているキャップと、を有することを特徴とする薬剤を収容した薬剤収容ユニット。
【請求項7】
前記薬剤は、流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕するとともに、前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御しつつ発生させた薬剤溶液の微粒子又はその乾燥物であることを特徴とする請求項6の薬剤収容ユニット。
【請求項8】
前記薬剤担体は、前記入口から前記出口へ流れる溶液中の異物を除去するためのフィルタであることを特徴とする請求項7の薬剤収容ユニット。
【請求項9】
前記フィルタの孔径は0.2μm〜0.22μmであることを特徴とする請求項8の薬剤収容ユニット。
【請求項10】
注射器本体と注射針との間に薬剤収容ユニットを備えた注射器であって、
前記薬剤収容ユニットは、
注射器本体の注射液ノズルに接続された入口と、注射針の基部に接続された出口とを有するハウジングと、
前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体と、
前記薬剤担体に付着した薬剤と、を有することを特徴とする薬剤を収容した注射器。
【請求項11】
前記薬剤は、
流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕するとともに、前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御しつつ発生させた薬剤溶液の微粒子又はその乾燥物であることを特徴とする請求項10の注射器。
【請求項12】
前記薬剤担体は、前記入口から前記出口へ流れる溶液中の異物を除去するためのフィルタであることを特徴とする請求項11の注射器。
【請求項13】
前記フィルタの孔径は0.2μm〜0.22μmであることを特徴とする請求項12の注射器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子状の薬剤を収容した薬剤収容ユニットの製造装置及び製造方法、更には、薬剤収容ユニットそれ自体及び薬剤を収容した注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
注射器用薬剤とその溶剤とを予め注射器内に隔離して収容した注射器が知られている。
【0003】
この種の注射器は、使用時に注射器の内部で注射器用薬剤を溶解させてそのまま使用できるので、衛生的であるとともに、緊急時にすぐに使用できるという利点を有している(たとえば、特許文献1、特許文献2等参照)。
【0004】
しかし、従来のこの種の注射器に収容される薬剤は凍結乾燥製剤である場合が多い。このため、大がかりな凍結乾燥設備が必要となるし、微小な粒子からなる薬剤を極少量ずつ注射器内の所定のスペースに供給して凍結乾燥させることは非常に困難である。このような理由から、この種の注射器は製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】
また、凍結乾燥製剤では、薬剤の粒子径を均一に制御することが難しいため、注射器によって薬剤の溶け易さにばらつきが生じる場合がある。
【特許文献1】特開2001−17545
【特許文献2】特開2003−164509
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、凍結乾燥設備など大がかりな薬剤製造設備を必要とせず、薬剤をその粒子径を所望の値に且つ均一に制御しつつ効率良く製造すると同時に、得られた薬剤を極少量ずつであっても確実に一定量ずつ薬剤収容ユニット内に収容させることができる製造装置及び製造方法を提供し、更には、この製造方法により製造された薬剤収容ユニット、及びこの薬剤収容ユニットを備えた注射器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の製造装置は、注射器の注射液ノズルに接続される入口と、注射針の基部に接続される出口とを有するハウジングと、前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体とを有するユニットの前記薬剤担体に薬剤を付着させることにより薬剤収容ユニットを製造する装置であって、流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕して薬剤溶液の微粒子を発生させるとともに、前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御する微粒子発生系と、前記薬剤微粒子発生装置にて発生した前記微粒子を搬送気流に乗せて前記ユニット内に導入して前記薬剤担体に付着させる微粒子搬送系とを備えた。
【0008】
この製造装置によれば、流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕して薬剤溶液の微粒子を発生させるとともに、原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより、薬剤をその粒子径を所望の値に且つ均一に制御しつつ効率良く発生させることができ、発生した薬剤微粒子をユニット内に導入して薬剤担体に付着させることにより、薬剤を極少量ずつであっても確実に一定量ずつユニット内に収容させることができる。ユニット内に収容する薬剤の量は、薬剤の粒径や搬送量、供給時間、薬剤担体のサイズや孔径、搬送ガスの流量や温・湿度、等を調節することにより、正確に制御できる。
【0009】
本発明の製造装置において、前記微粒子搬送系は、前記微粒子発生系にて発生した前記微粒子を複数の前記ユニット内に同時に導入するべく複数に分岐した流路を有することが望ましい。また、前記微粒子搬送系は、前記ユニットを通過した前記微粒子を前記薬剤微粒子発生装置内に帰還させるように構成されていることが望ましい。
【0010】
また、本発明の製造方法は、注射器の注射液ノズルに接続される入口と、注射針の基部に接続される出口とを有するハウジングと、前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体とを有するユニットの前記薬剤担体に薬剤を付着させることにより薬剤収容ユニットを製造する方法であって、流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕して薬剤溶液の微粒子を発生させる微粒子発生ステップと、前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御する粒子径制御ステップと、前記微粒子発生ステップにて発生した前記微粒子を搬送気流に乗せて前記ユニット内に導入して前記薬剤担体に付着させる微粒子搬送ステップとを有する。
【0011】
この製造方法によれば、流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕して薬剤溶液の微粒子を発生させるとともに、原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより、薬剤をその粒子径を所望の値に且つ均一に制御しつつ効率良く発生させることができ、発生した薬剤微粒子をユニット内に導入して薬剤担体に付着させることにより、薬剤を極少量ずつであっても確実に一定量ずつ薬剤収容ユニット内に収容させることができる。ユニット内に収容する薬剤の量は、薬剤の粒径や搬送量、供給時間、薬剤担体のサイズや孔径、搬送ガスの流量や温・湿度、などを調節することにより、正確に制御できる。
【0012】
本発明の製造方法において、前記微粒子搬送ステップでは、前記微粒子発生ステップにて発生した前記微粒子を複数に分岐した流路を通して複数の前記ユニット内に同時に導入することが望ましい。
【0013】
また、本発明の薬剤収容ユニットは、注射器の注射液ノズルに接続される入口と、注射針の基部に接続される出口とを有するハウジングと、前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体と、前記薬剤担体に付着した薬剤と、前記入口および前記出口を密閉しているキャップとを有する物である。
【0014】
この薬剤収容ユニットは、キャップを取り外した後、入口を注射器の注射液ノズルに接続することにより注射器に取り付けられる。また、出口には注射針が取り付けられる。この注射針の先端をバイアルやアンプル内の溶剤液中に挿入し、注射器のピストンを引くと、溶剤液が吸引され、注射針および薬剤収容ユニットを通して注射器内に導入される。その際、薬剤担体に付着している薬剤が溶剤液中に溶け込むため、注射器内には薬剤溶液(注射液)が導入されることになる。注射器内への1回の吸引操作のみでは薬剤の溶け残りが心配される場合、注射器のピストンを複数回前後させて溶液を撹拌することにより、薬剤を完全に溶解させることができる。
【0015】
本発明の薬剤収容ユニットにおいて、前記薬剤は、流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕するとともに、前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御しつつ発生させた薬剤溶液の微粒子又はその乾燥物であることが望ましい。
【0016】
また、前記薬剤担体は、前記入口から前記出口へ流れる溶液中の異物を除去するためのフィルタであることが望ましい。前記フィルタの孔径は0.2μm〜0.22μmであることが望ましい。
【0017】
また、本発明の注射器は、注射器本体と注射針との間に薬剤収容ユニットを備えた注射器であって、前記薬剤収容ユニットは、注射器本体の注射液ノズルに接続された入口と、注射針の基部に接続された出口とを有するハウジングと、前記入口から前記出口に至る流路を遮るようにして前記ハウジング内に設けられた通気性を有する薬剤担体と、前記薬剤担体に付着した薬剤とを有する物である。
【0018】
この注射器は、使用時に注射器の内部で薬剤を溶解させてそのまま使用できるので、衛生的であるとともに、緊急時にすぐに使用できる。すなわち、この注射器の注射針の先端をバイアルやアンプル内の溶剤液中に挿入し、そのピストンを引くと、溶剤液が吸引され注射針および薬剤収容ユニットを通して注射器内に導入される。その際、薬剤担体に付着している薬剤が溶剤液中に溶け込むため、注射器内には薬剤溶液が導入されることになる。注射器内への1回の吸引操作のみでは薬剤の溶け残りが心配される場合、注射器のピストンを複数回前後させて溶液を撹拌することにより、薬剤を完全に溶解させることができる。
【0019】
本発明の注射器において、前記薬剤は、流動性を有する薬剤溶液を原料ノズルから吐出させつつ気流により破砕するとともに、前記原料ノズルからの薬剤溶液の吐出量を制御することにより前記微粒子の粒子径を制御しつつ発生させた薬剤溶液の微粒子又はその乾燥物であることが望ましい。
【0020】
また、前記薬剤担体は、前記入口から前記出口へ流れる溶液中の異物を除去するためのフィルタであることが望ましい。前記フィルタの孔径は0.2μm〜0.22μmであることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の製造装置および製造方法によれば、凍結乾燥設備など大がかりな薬剤製造設備を必要とせずに、薬剤を収容した薬剤収容ユニットを製造できる。薬剤収容ユニット内に収容させる薬剤の量が極少量であっても確実に一定量の薬剤を収容させることができる。薬剤収容ユニット内に収容されている薬剤の平均粒子径が所望の値であり且つ極めて均一であるため、薬剤の溶け易さにばらつきが生じない。
【0022】
本発明の薬剤収容ユニットは、その内部の薬剤担体に薬剤を付着させてあるので、これを注射器に接続し、注射針を取り付けた後、注射針から溶剤液を吸引して薬剤を溶解させることにより直ぐに使用できる。薬剤収容ユニットの入口および出口を閉塞しているキャップは使用する直前に取り外されるので、長期間保管した場合でもユニット内は使用時まで清潔に保たれる。溶剤液の流路に配置された薬剤担体に薬剤が保持されているので、薬剤を溶剤液に確実に溶解させることができる。
【0023】
本発明の注射器は、その内部の薬剤担体に薬剤を付着させてあるので、使用時に注射器の内部で薬剤を溶解させてそのまま使用できるので、衛生的であるとともに、緊急時にすぐに使用できる。溶剤液の流路に配置された薬剤担体に薬剤が保持されているので、薬剤を溶剤液に確実に溶解させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
1. 薬剤収容ユニット
1.1 薬剤収容ユニットの構成
図1は本発明の薬剤収容ユニットの一形態例を示す斜視図である。図2は図1に示す薬剤収容ユニットの側面図である。図3は図1に示す薬剤収容ユニットの断面図である。図4は図1に示す薬剤収容ユニットを注射器に装着した状態を例示する側面図である。
【0026】
この薬剤収容ユニット100は、注射器本体(シリンダ)210の注射液ノズル211に接続される入口111と、注射針230の基部230aに接続される出口112とを有するハウジング110と、入口111から出口112に至る注射液中の異物を除去するべくハウジング110内に設けられたフィルタ(薬剤担体)120と、入口111および出口112を密閉している合成樹脂製のキャップ131、132とを有する。図1はキャップ131、132を取り外した状態を示している。ハウジング110内は滅菌処理されている。
【0027】
ハウジング110およびキャップ131、132の材質は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、変性アクリル、塩化ビニル樹脂、等である。
【0028】
フィルタ120には、ポリスルホンメンブレン、ナイロンメンブレン、ポリエーテルスルホンメンブレン、セルロース混合エステルメンブレン、ホウケイ酸グラスファイバ、ガラス繊維ろ紙、等が用いられる。図示の例ではディスク状のフィルタ120が示されているが、フィルタ120の形状はこれに限定されない。
【0029】
フィルタ120の孔径は、0.2μm以上である。用途に応じて適切な孔径のフィルタ120が使用される。たとえば、注射液等の場合には、孔径が0.2μm〜0.45μmのものが用いられる。また、粒径の大きい薬剤の場合には、孔径が0.45μm以上のものも用いられる。
【0030】
フィルタ120には、薬剤が付着している。この薬剤の例として、ヒト並びに動物用ワクチンや、免疫グロブリン、抗体ペプチドなど、生物製剤全般を挙げることができる。この薬剤は、球形の微粒子薬剤であり、その平均粒子系は0.1〜数10μmであり、用途に応じて所望の値に選定される。また、粒子径の標準偏差は0.085以下である。この薬剤の製造並びにフィルタ120への薬剤の付着処理は、後述する製造装置を使用して行われる。
【0031】
1.2 薬剤収容ユニットの作用・効果
この薬剤収容ユニット100は、キャップ131、132を取り外した後、入口111を注射器本体210の注射液ノズル211に接続することにより注射器本体210に取り付けられる。また、出口112には注射針230が取り付けられる。図5に示すように、注射針230の先端をバイアルやアンプル内の溶剤液300中に挿入し、注射器200のピストン220を引くと、溶剤液300が吸引され、注射針230および薬剤収容ユニット100を通して注射器本体210内に導入される。その際、フィルタ120に付着している薬剤が溶剤液300中に溶け込むため、注射器本体210内には薬剤溶液(注射液)301が導入されることになる。1回の吸引操作のみでは薬剤の溶け残りが生じる可能性がある場合、注射器のピストン220を複数回前後させて溶剤液300を撹拌することにより、薬剤を完全に溶解させることができる。
【0032】
薬剤収容ユニット100の入口111および出口112を閉塞しているキャップ131、132は、薬剤収容ユニット100を使用する直前に取り外されるので、長期間保管した場合でも薬剤収容ユニット100内は使用時まで清潔に保たれる。また、薬剤が溶剤液300の流路に配置されたフィルタ120に保持されているので、薬剤を速やかに且つ確実に溶解させることができる。さらに、フィルタ120に付着している薬剤の平均粒子径が所望の値であり且つ極めて均一であるため、薬剤の溶け易さにばらつきが生じない。また、注射器本体210内に菌や汚れなど異物が入っていた場合でも、フィルタ120の孔径よりも大きな異物は注射の際にフィルタ120によってトラップされるので、極めて衛生的である。たとえば、孔径が0.2μmのフィルタ120を使用すれば、バクテリア等の微小な異物までほぼ完全にトラップできる。
【0033】
2. 注射器
2.1 注射器の構成
図6は本発明の注射器の一形態例を示す側面図である。
【0034】
この注射器400は、注射器本体210と注射針230との間に薬剤収容ユニット100を備えて構成される。薬剤収容ユニット100の構成は、先に説明した物と同じである。注射針230には樹脂製のキャップ231が被せられており、このキャップ231によって注射針230全体が封止されている。この注射器400は、滅菌処理後、気密性の高い樹脂シートからなる袋状のパッケージ(図示省略)内に完全収容された状態で保管される。
【0035】
2.2 注射器の作用・効果
この注射器400は、パッケージから取出して注射針230のキャップ231を外した後、図4の場合と同様にして、溶剤液300を注射器本体210内に吸入し攪拌することにより、フィルタ120に付着している薬剤を溶剤液300中に溶け込ませて、注射器本体210内に薬剤溶液(注射液)301を導入することができる。注射器400の内部で薬剤を溶解させてそのまま使用できるので、衛生的であるとともに、緊急時にすぐに使用できる。
【0036】
注射器400を収容しているパッケージおよび注射針230のキャップ231は、注射器400を使用する直前に取り外されるので、長期間保管した場合でも注射器400は使用時まで清潔に保たれる。また、薬剤が溶剤液300の流路に配置されたフィルタ120に保持されているので、薬剤を速やかに且つ確実に溶解させることができる。さらに、フィルタ120に付着している薬剤の平均粒子径が所望の値であり且つ極めて均一であるため、薬剤の溶け易さにばらつきが生じない。
【0037】
3. 製造装置
3.1 製造装置の構成
図7は本発明にかかる製造装置の構成図である。この製造装置1は、薬剤微粒子発生装置(微粒子発生系)2と、この薬剤微粒子発生装置2で発生した薬剤微粒子を薬剤収容ユニット100内に供給する薬剤微粒子供給装置(微粒子搬送系)3とを備えて構成されている。
【0038】
図8は薬剤微粒子発生装置2の構成を示す図である。この図に示すように、薬剤微粒子発生装置2は、下端部が閉じ上端部に蓋部10aを有する円筒形状の微粒子分別容器10を備えている。この微粒子分別容器10の蓋部10aには、流動性を有する薬剤溶液を気体により破砕微細化する二流体ノズル(微粒子発生ノズル)12が設けられている。二流体ノズル12は、ノズルの先端部に設けられた液体噴出口(原料ノズル)から噴出された薬剤溶液の外周部に気体噴出口から気体を噴出させ、薬剤溶液を気体により破砕微細化することにより薬剤溶液の微粒子を噴出させるものである。
【0039】
微粒子分別容器10内には、二流体ノズル12により発生された微粒子を微粒子分別容器10の下部まで整流して導く整流コーン(整流部材)14が設けられている。ここで整流コーン14の上部の開口部には、二流体ノズル12の先端部が配置されている。また、微粒子分別容器10内には、二次気体用コンプレッサ16から延びる二次気体供給管18が配置されており、二次気体用コンプレッサ16からの二次気体は、整流コーン14の下部の開口部付近に供給される。また、微粒子分別容器10内には、整流コーン14により微粒子分別容器10の下部まで導かれた微粒子の浮上を抑制し、微粒子の選別を行う3枚の微粒子選別プレート20,22,24が設けられている。
【0040】
図9に示すように、微粒子選別プレート20は、中央部に整流コーン14が貫通する開口部20aが設けられた円板形状のプレート状部材であり、多数の貫通孔20bが設けられている。また、図10に示すように、微粒子選別プレート22は、中央部に整流コーン14が貫通する開口部22aが設けられた円板形状のプレート状部材であり、多数の貫通孔22bが設けられている。貫通孔22bは、微粒子選別プレート20の貫通孔20bの大きさよりも大きく形成されている。更に図11に示すように、微粒子選別プレート24は、中央部に整流コーン14が貫通する開口部24aが設けられた円板形状のプレート状部材であり、多数の貫通孔24bが設けられている。なお、貫通孔24bは、微粒子選別プレート22の貫通孔22bの大きさよりも大きく形成されている。
【0041】
微粒子分別容器10の底部には、液体貯留容器26に連通する液体排出口10bが設けられている。微粒子分別容器10の底部にたまった薬剤溶液は、液体排出口10bから排出され液体貯留容器26内に貯留される。液体貯留容器26には、薬剤微粒子供給装置3の薬液回収管4Bが接続されており、薬剤微粒子供給装置3で使用されなかった薬剤溶液が薬液回収管4Bを通して液体貯留容器26内に戻されるようになっている。
【0042】
また、微粒子分別容器10の蓋部10aには、微粒子分別容器10内において微粒子から分別された超微粒子を吐出する吐出部28が設けられている。ここで、吐出部28は、微粒子分別容器10の蓋部10a取付けられた取付部28a、取付部28aに接続された誘導管28bにより構成されている。誘導管28bには、吐出部28から吐出される超微粒子に電荷を供給する電源装置40が接続されている。
【0043】
この電源装置40により所望の直流高電圧を吐出部28の誘導管28bに給電し、吐出部28から吐出される超微粒子に電荷を供給して帯電させる。このようにして超微粒子を帯電させ帯電量を制御することにより、吐出される超微粒子が装置の内壁等に付着したり粒子同士が再付着したりするのを防止することができる。
【0044】
また、液体貯留容器26と二流体ノズル12との間には、薬剤溶液を二流体ノズル12へ供給するための液体供給管30が設けられている。この液体供給管30には、二流体ノズル12への液体供給量を調整するための電磁弁32が設けられている。なお、二流体ノズル12へは、液体貯留容器26以外からも分岐供給管30aを介して溶液を供給することができる。また、ノズル供給用コンプレッサ34と二流体ノズル12との間には、ノズル用気体を二流体ノズル12へ供給するための気体供給管36が設けられている。
【0045】
上述の二次気体用コンプレッサ16により微粒子分別容器10内に供給される二次気体の圧力、ノズル供給用コンプレッサ34により二流体ノズル12に供給されるノズル用気体の圧力及び電磁弁32を介して二流体ノズル12に供給される薬剤溶液の量は、制御装置42によって制御される。また、制御装置42により、電源装置40によって吐出部28の誘導管28bに供給される電荷量が制御される。
【0046】
また、制御装置42には、吐出部28から吐出される微粒子の粒子径の分布を検出する粒子径検出部S1及び微粒子の粒子量を検出する粒子量検出部S2が接続され、粒子径検出部S1及び粒子量検出部S2から検出値が入力される。なお、粒子径検出部S1及び粒子量検出部S2は、誘導管28bに設けられている微粒子取出口(図示せず)から取出された微粒子の粒子径の分布及び超微粒子の粒子量を検出する。
【0047】
また、制御装置42には、吐出部28から吐出させる微粒子の粒子径を設定する粒子径設定部44a、微粒子の粒子量を設定する粒子量設定部44b及び微粒子の帯電量(供給電荷量)を設定する帯電量設定部44cが接続されている。
【0048】
図12は薬剤微粒子供給装置3の構成を示す概念図である。薬剤微粒子供給装置3は、薬剤供給管4Aと薬剤回収管4Bとを有している。
【0049】
薬剤供給管4Aの上流端は、薬剤微粒子発生装置2の誘導管28bに接続されている。薬剤供給管4Aの下流側は複数に分岐しており、各分岐流路4Aaの下流端に薬剤収容ユニット100の入口111が着脱自在に接続されるようになっている。薬剤供給管4Aの中間部には、搬送ポンプ5が設けられている。搬送ポンプ5には搬送ガスである乾燥窒素(N)の供給源(図示省略)が接続されている。搬送ポンプ5は、薬剤微粒子発生装置2から送られてくる微粒子を含む空気を、乾燥窒素と共に薬剤供給管4Aの下流側に強制的に送り出すことにより微粒子を搬送する。
【0050】
薬剤回収管4Bの上流側は、複数(薬剤供給管4Aの分岐数と同数)に分岐しており、各分岐流路4Baの上流端に薬剤収容ユニット100の出口112が着脱自在に接続されるようになっている。薬剤回収管4Bの下流端は、液体貯留容器26に接続されている。
【0051】
3.2 製造装置の作用・効果(薬剤収容ユニットの製造方法)
製造装置1を作動させるに際し、薬剤未収用の薬剤収容ユニット100を、薬剤微粒子供給装置3の各分岐流路4Aa、4Ba間に装着する。製造装置1への薬剤収容ユニット100の供給および回収は、図示しない薬剤収容ユニット供給・回収装置によって自動的になされる。
【0052】
製造装置1のオペレータは、吐出部28から吐出させる微粒子の粒子径および粒子量を、粒子径設定部44aおよび粒子量設定部44bを操作することにより設定する。微粒子の粒子径の設定値は、製造すべき薬剤微粒子の平均粒子径に応じて設定される。また、オペレータは、帯電量設定部44cを操作することにより、吐出部28から吐出させる微粒子の帯電量を設定する。帯電量の設定は、吐出部28の誘導管28bや薬剤供給管4A等、不要な部分に微粒子が付着せず、好ましくは発生した微粒子同士が再結合しないような値を適宜設定する。微粒子同士が再結合しないようにするには、微粒子を電気的に中性にすることが好ましい。
【0053】
薬剤収容ユニット100の装着、微粒子の粒子径、粒子量及び帯電量の設定が終了した後、薬剤微粒子発生装置2を作動させて、薬剤溶液の超微粒子を発生させる。
【0054】
薬剤微粒子発生装置2においては、ノズル供給用コンプレッサ34から気体供給管36を介して二流体ノズル12に空気(ノズル用気体)が供給されると、この空気が二流体ノズル12の先端部の気体噴出口から噴出され、この噴出力により液体貯留容器26内の薬剤溶液が吸上げられ、液体供給管30を介して二流体ノズル12に供給される。
【0055】
二流体ノズル12においては、液体噴出口から噴出される溶液が気体噴出口から噴出される空気により破砕微細化されて、薬剤溶液の微粒子が噴出される。この二流体ノズル12から噴出された薬剤溶液の微粒子は、整流コーン14内を通って微粒子分別容器10の下部まで導かれる。一方、二次気体用コンプレッサ16からの空気(二次気体)が二次気体供給管18を介して整流コーン14の下部の開口部付近に供給される。
【0056】
微粒子分別容器10の下部まで導かれた薬剤溶液の微粒子は、二流体ノズル12から噴出した空気及び二次気体による上昇流により、微粒子選別プレート20,22,24により急速な上昇を抑制されつつ、微粒子選別プレート20,22,24に設けられた貫通孔20b,22b,24bを通って、徐々に微粒子分別容器10内を上昇する。すなわち、まず微粒子選別プレート24を通過した微粒子は、微粒子選別プレート22により上昇が抑制され、微粒子選別プレート24と微粒子選別プレート22の間に所定の粒子径分布を有する微粒子が滞留する。ここで粒子径の大きい微粒子は、自重により微粒子分別容器10の底部に落下する。また、微粒子選別プレート22を通過した微粒子は、微粒子選別プレート20により上昇が抑制され、微粒子選別プレート22と微粒子選別プレート20の間に所定の粒子径分布を有する微粒子が滞留する。ここで粒子径の大きい微粒子は、重力により微粒子分別容器10の底部に落下する。微粒子選別プレート22と微粒子選別プレート20の間に滞留する微粒子の粒子径は、微粒子選別プレート24と微粒子選別プレート22の間に滞留する微粒子の粒子径よりも小さくなっている。
【0057】
このようにして微粒子が微粒子分別容器10内を浮上するにしたがい、粒子径の大きい微粒子は、微粒子分別容器10の底部に落下し、粒子径が所定値以下の微粒子のみが微粒子分別容器10の吐出部28から吐出される。ここで吐出部28から吐出される微粒子は、帯電量設定部44cにより設定した帯電量に対応する電荷を有している。すなわち、制御装置42は、帯電量設定部44cにより設定した値に基づいて、電源装置40に対して制御信号を出力し、電源装置40により吐出部28の誘導管28bに供給される電荷量の制御を行う。なお、微粒子分別容器10の底部にたまった薬剤溶液は、液体排出口10bから排出され液体貯留容器26に貯留され再利用される。
【0058】
吐出部28から吐出される微粒子の粒子径の分布は、粒子径検出部S1により検出され、微粒子の粒子量は、粒子量検出部S2により検出される。粒子径検出部S1及び粒子量検出部S2により検出された検出値は、制御装置42に入力される。制御装置42においては、吐出部28から吐出される微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定された値になるように、また微粒子の粒子量が粒子量設定部44bにより設定された値になるように、二次気体用コンプレッサ16、電磁弁32及びノズル供給用コンプレッサ34に対して制御信号を出力し、二流体ノズル12に供給される空気の圧力及び二流体ノズル12に供給される溶液の量を制御すると共に、微粒子分別容器10内に供給される二次気体の圧力を制御する。
【0059】
すなわち、制御装置42においては、粒子径検出部S1により検出された微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定された大きさよりも大きい場合には、ノズル供給用コンプレッサ34を制御して、二流体ノズル12に供給される空気の圧力を高くする。また、二次気体用コンプレッサ16を制御して微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力を高くする。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子径を小さくする。
【0060】
一方、粒子径検出部S1により検出された微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定された大きさよりも小さい場合には、ノズル供給用コンプレッサ34を制御して、二流体ノズル12に供給される空気の圧力を低くする。また、二次気体用コンプレッサ16を制御して微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力を低くする。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子径を大きくする。
【0061】
吐出部28から吐出される微粒子の粒子径は、二流体ノズル12に供給される空気の圧力を制御するだけでなく、微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力を制御することによっても制御可能である。二流体ノズル12に供給される空気の圧力と微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力の両方を制御することにより、より精度良く微粒子の粒子径を制御することができる。
【0062】
また、粒子量検出部S2により検出された微粒子量が粒子量設定部44bにより設定された量よりも少ない場合には、電磁弁32に対して制御信号を出力して、二流体ノズル12に供給される溶液の量を増加させる。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子量が多くなる。一方、粒子量検出部S2により検出された微粒子量が粒子量設定部44bにより設定された量よりも多い場合には、電磁弁32に対して制御信号を出力して、二流体ノズル12に供給される溶液の量を減少させる。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子量が少なくなる。
【0063】
この薬剤微粒子発生装置2においては、粒子径検出部S1により検出された微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定され粒子径となり、粒子量検出部S2により検出された粒子量が粒子量設定部44bにより設定された粒子量となるまで上述の制御が繰り返される。
【0064】
超薬剤微粒子発生装置2で発生した薬剤微粒子は誘導管28bを通して薬剤微粒子供給装置3に供給される。薬剤微粒子供給装置3に供給された微粒子は、薬剤供給管4Aを通して搬送される。その間に微粒子は搬送ガス(乾燥窒素)によって乾燥処理される。そして、乾燥した薬剤微粒子が搬送ガスと共に分岐流路4Aaを経て複数の薬剤収容ユニット100内に同時に導入される。
【0065】
薬剤収容ユニット100内に導入された搬送ガスはフィルタ120を通過してそのまま薬剤回収管4Bへと流れるが、搬送ガス中の薬剤微粒子は、フィルタ120にトラップされる。フィルタ120にトラップされなかった薬剤微粒子(すなわち、フィルタ120に付着せずにそのまま通過した微粒子)は、薬剤回収管4Bを通して薬剤微粒子発生装置2の液体貯留容器26に戻される。
【0066】
薬剤収容ユニット100内への薬剤微粒子の導入処理を所定時間実施した後、製造装置1は駆動を停止する。製造装置1に装着されている薬剤収容ユニット100は、図示しない薬剤収容ユニット供給・回収装置によって回収され、後処理工程へ送られる。後処理工程では、薬剤収容ユニット100へのキャップ131、132の装着、検査、パッケージングなどが行われる。
【0067】
上記のように、この製造装置1は、二流体ノズル12の液体噴出口から薬剤溶液を噴出させつつ、二流体ノズル12の気体噴出口から気体を噴出させることにより、薬剤溶液を気流により破砕微細化して薬剤溶液の微粒子を発生させる微粒子発生ステップと、この微粒子発生ステップにて発生させた微粒子の中から微粒子選別プレート24、22、20を使用して粒子径が小さい微粒子を優先的に取り出す選別ステップと、この選別ステップにて取り出された微粒子を薬剤微粒子供給装置3の薬剤供給管4A内にて搬送ガスにより搬送しつつ乾燥させる乾燥ステップと、この乾燥ステップを実行するに際し、微粒子に電荷を供給する電荷供給ステップと、ノズル12からの薬剤溶液の吐出量を制御する粒子径制御ステップと、を経ることにより乾燥した薬剤微粒子を発生させる。
【0068】
したがって、この製造装置1によれば、微粒子選別プレート20、22、24の貫通孔20b、22b、24bの径およびプレート同士の間隔を適切に選定し、且つノズル12からの薬剤溶液の吐出量および気流の噴射量を適切に制御することにより、平均粒子径が所定の値以下の均一な粒子径を有する薬剤溶液の微粒子群を発生させることができる。したがって、最終的に乾燥されて製造される微粒子郡からなる微小粉体は、平均粒子径が所定の値以下で粒子径の揃ったものとすることができる。
【0069】
また、薬剤溶液の微粒子群を搬送ガスにより搬送しつつ乾燥させるに際し、微粒子に電荷を供給して微粒子の帯電状態を制御するようにしたので、微粒子同士または装置の内壁に対する微粒子の付着を抑制して、粒子径および形状が均一である薬剤微粒子を効率良く製造することができる。すなわち、乾燥処理中における微粒子の損傷を防止して、形状の揃った薬剤微粒子を製造することができる。
【0070】
そして、この製造装置1では、発生させた薬剤微粒子を搬送ガスに乗せて薬剤収容ユニット100内に導入し、ユニット100内のフィルタ120にトラップさせることにより、薬剤微粒子をユニット100内に収容させるようにしたので、薬剤を極少量ずつであっても確実に一定量ずつユニット100内に収容させることができる。ユニット100内に収容する薬剤の量は、薬剤の粒径や搬送量、供給時間、薬剤担体のサイズや孔径、搬送ガスの流量や温・湿度、等を調節することにより、正確に制御できる。
【0071】
また、この製造装置1によれば、同時に複数の薬剤収容ユニット100内に薬剤を供給することができるので、薬剤を収容した薬剤収容ユニット100を極めて効率良く製造することができる。
【0072】
なお、本発明の薬剤収容ユニットおよび注射器は、上述した形態例に限定されない。たとえば、図13に示すように、薬剤収容ユニット100を注射器本体210のノズル211と一体に構成してもよい。つまり、注射器本体210のノズル211内に、薬剤微粒子を保持したフィルタ120を配置しておくのである。
【0073】
また、薬剤担体はフィルタである必要はなく、フィルタ機能を持たない網や繊維、チップ、シートなどでもよい。
【0074】
また、本発明の製造装置も、上述した形態例に限定されない。たとえば、上記の形態例では、薬剤溶液の微粒子群を乾燥窒素により搬送することとしたが、搬送ガスとして単なる乾燥空気を用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、ヒト並びに動物用ワクチンや、免疫グロブリン、抗体ペプチドなど、生物製剤全般におよぶ様々な薬剤を収容した薬剤収容ユニットの製造技術として広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の薬剤収容ユニットの一形態例を示す斜視図
【図2】図1に示す薬剤収容ユニットの側面図
【図3】図1に示す薬剤収容ユニットの断面図
【図4】図1に示す薬剤収容ユニットを注射器に装着した状態を例示する側面図
【図5】本発明の薬剤収容ユニットおよび注射器の使用時の状態を示す側面図
【図6】本発明の注射器の一形態例を示す斜視図
【図7】本発明の製造装置の構成例を示すブロック図
【図8】図7中の薬剤微粒子発生装置の構成例を示す概略構成図
【図9】図8中の微粒子選別プレートの構成例を示す平面図
【図10】図8中の微粒子選別プレートの構成例を示す平面図
【図11】図8中の微粒子選別プレートの構成例を示す平面図
【図12】図7中の薬剤微粒子供給装置の構成例を示す概略構成図
【図13】本発明の薬剤収容ユニットおよび注射器の別の形態例を示す要部側面図
【符号の説明】
【0077】
1 製造装置
2 薬剤微粒子発生装置(微粒子発生系)
3 薬剤微粒子供給装置(微粒子搬送系)
4A 薬剤供給管
4Aa 分岐流路
4B 薬剤回収管
4Ba 分岐流路
12 二流体ノズル
44a 粒子径設定部
44b 粒子量設定部
44c 帯電量設定部
100 薬剤収容ユニット
110 ハウジング
111 入口
112 出口
120 フィルタ(薬剤担体)
131、132 キャップ
210 注射器本体(シリンダ)
211 注射液ノズル
230 注射針
230a 基部
231 キャップ
300 溶剤液
301 薬剤溶液
400 注射器
【出願人】 【識別番号】598018959
【氏名又は名称】株式会社バイオメディア
【識別番号】000173555
【氏名又は名称】財団法人化学及血清療法研究所
【出願日】 平成16年8月26日(2004.8.26)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄

【識別番号】100094798
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 利臣

【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也

【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト

【識別番号】100110593
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 博司

【公開番号】 特開2006−61421(P2006−61421A)
【公開日】 平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願番号】 特願2004−247485(P2004−247485)