| 【発明の名称】 |
薬剤収納容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】今井 正臣 【住所又は居所】山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1727番地の1 テルモ株式会社内
【氏名】島崎 貴裕 【住所又は居所】山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1727番地の1 テルモ株式会社内
【氏名】平沼 隆明 【住所又は居所】山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1727番地の1 テルモ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】内部に収納された薬剤に液体を混合する際に、これらを容易かつ短時間で均質化(均一化)することができる薬剤収納容器を提供すること。
【解決手段】薬剤収納容器1は、筒状の容器本体2と、容器本体2内を先端側の第1の空間20aと基端側の第2の空間20bとに区画し、気密的に摺動可能に設けられたガスケット3と、第1の空間20a内に収納された薬剤5と、先端開口部21を塞ぐように設けられ、開閉口42を有する弾性材料で構成された弁体4とを有し、開閉口42を開いた状態とし、先端開口部21から第1の空間20a内に液体を注入して使用するものであり、使用前の第2の空間20bの容積をV1[mL]とし、使用時に第1の空間20a内に注入する液体の容量をV2[mL]としたとき、使用前の状態において、V1≧V2となるように、ガスケット3が容器本体2内の所定位置に配置されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端開口部と基端開口部とを有する筒状の容器本体と、 該容器本体内の空間を、先端側の第1の空間と基端側の第2の空間とに区画し、前記容器本体内に気密的に摺動可能に設けられた隔壁部と、 前記第1の空間内に収納された薬剤と、 前記先端開口部を塞ぐように設けられ、必要時に開く開閉口を有する弾性材料で構成された弁体とを有し、 前記開閉口を開いた状態とし、前記先端開口部から前記第1の空間内に液体を注入して使用する薬剤収納容器であって、 使用前の前記第2の空間の容積をV1[mL]とし、使用時に前記第1の空間内に注入する液体の容量をV2[mL]としたとき、使用前の状態において、V1≧V2(ただし、V2は0〜50mLである。)となるように、前記隔壁部が前記容器本体内の所定位置に配置されていることを特徴とする薬剤収納容器。 【請求項2】 前記容器本体内の少なくとも一部に、前記液体を前記第1の空間内に注入する際に、前記液体に乱流を生じさせる乱流発生手段が設けられている請求項1に記載の薬剤収納容器。 【請求項3】 前記乱流発生手段は、前記容器本体の内周面に沿って形成された凸部で構成されている請求項2に記載の薬剤収納容器。 【請求項4】 前記乱流発生手段は、前記第1の空間を先端側の空間と基端側の空間とに仕切るように設けられたメッシュ部材で構成されている請求項2に記載の薬剤収納容器。 【請求項5】 前記乱流発生手段は、前記容器本体の内面に形成された凹凸で構成されている請求項2に記載の薬剤収納容器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、薬剤収納容器に関するものである。 【背景技術】 【0002】 通常、多くの薬剤は、ゴム栓で封止されたバイアル容器(薬剤収納容器)内に収納されている。 【0003】 このようなバイアル容器から、例えば粉末状の薬剤を取り出す場合、溶解用液を取り分けたシリンジの先端に注射針を取り付け、注射針でバイアル容器のゴム栓を刺通して溶解用液を注入する。 【0004】 その後、注射針をゴム栓に刺通した状態で、ポンピング操作を行ったり、注射針を取り外して容器を振盪したり等することにより、溶解用液に薬剤を均一に溶解する。そして、薬剤が溶解された溶解用液(以下、「液剤」と言う。)をシリンジ内に吸引して取り出す。 【0005】 しかし、この一連の操作は非常に煩雑である。また、薬剤の形状、性質、溶解後の濃度等によっては、溶解が必ずしも容易ではなく、薬剤が溶解用液に完全に溶解するまでに、時間や手間がかかってしまう場合もある。 【0006】 そこで、このような課題を解決するものとして、薬剤を収納する空間を減圧状態に保持した器具(薬剤収納容器)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。 【0007】 この特許文献1に記載の器具では、減圧力を利用することにより、溶解用液を前記空間内に吸引して薬剤を溶解用液により溶解する。 【0008】 この器具によれば、溶解用液が急速に容器内に流入するため撹拌効果が高く、薬剤を溶解用液に容易に溶解することができ、また、操作も簡易であるという利点がある。 【0009】 しかし、この器具では、運搬や保管状況によっては、振動や熱膨張等によって器具が変形し、前記空間内に空気が流入してしまうことがある。このような状況が生じると、器具内の真空度が低下するため、器具内に目的とする量の液体を注入することができず、液剤中の薬剤の濃度を適正なものとすることができなくなる。 【0010】 さらに、この器具では、導液初期においては、器具内の減圧度が高いため、溶解用液に薬剤を容易に溶解できるが、導液量が多くなるにつれて、器具内の減圧度が低下する。このため、溶解度の小さい薬剤や粘度が高い薬剤については、溶解液を均一にするために、別途、振盪やポンピング操作を行うことが必要となる。 【0011】 この他、先端が逆テーパ形状に形成され、ガスケットにより内部が密閉されるように構成された容器兼用注入器と、先端がテーパ形状に形成された容器兼用注射器とを有する容器兼用注入装置(薬剤収納容器)が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。 【0012】 この容器兼用注入装置では、容器兼用注射器内に薬剤を収納し、容器兼用注入器内に溶解用液を収納する。そして、薬剤を溶解用液に溶解するに際して、容器兼用注射器の先端を容器兼用注入器の先端に嵌合し、容器兼用注入器に取り付けられたガスケットを所定の位置に移動させる。これにより、容器兼用注入器内の溶解用液が容器兼用注射器内に導入される。この後、容器兼用注入装置を振盪することにより、薬剤を溶解用液に溶解する。 【0013】 この容器兼用注入装置では、注射針を溶解用液の注入路として使用しないため、溶解用液の通過抵抗を低くすることができる。このため、注射針を使用するバイアル容器等の薬剤収納容器に比べて、薬剤と溶解用液を比較的容易に混合することができる。 【0014】 しかし、この容器兼用注入装置では、容器兼用注入器の逆テーパ形状となされた部分の内面に溶解用液等が付着すると、この付着した溶解用液等を除去するのが困難であり、これが原因で雑菌が繁殖する可能性が高い。 【0015】 また、容器兼用注入器および容器兼用注射器は、いずれも、先端側および基端側に2つのガスケットを備えており、溶解用液を容器兼用注射器内に押し出す際に、先端側のガスケットが妨げとなり、溶解用液の流動速度が低下する。このため、薬剤と溶解用液とを完全に溶解するためには、多数回の振盪やポンピング操作が必要となり、使い勝手が十分に良いとは言い難い。 【0016】 【特許文献1】特表2001−505072号公報 【特許文献2】特開平11−319087号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0017】 本発明の目的は、内部に収納された薬剤に液体を混合する際に、これらを容易かつ短時間で均質化(均一化)することができる薬剤収納容器を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0018】 このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。 (1) 先端開口部と基端開口部とを有する筒状の容器本体と、 該容器本体内の空間を、先端側の第1の空間と基端側の第2の空間とに区画し、前記容器本体内に気密的に摺動可能に設けられた隔壁部と、 前記第1の空間内に収納された薬剤と、 前記先端開口部を塞ぐように設けられ、必要時に開く開閉口を有する弾性材料で構成された弁体とを有し、 前記開閉口を開いた状態とし、前記先端開口部から前記第1の空間内に液体を注入して使用する薬剤収納容器であって、 使用前の前記第2の空間の容積をV1[mL]とし、使用時に前記第1の空間内に注入する液体の容量をV2[mL]としたとき、使用前の状態において、V1≧V2(ただし、V2は0〜50mLである。)となるように、前記隔壁部が前記容器本体内の所定位置に配置されていることを特徴とする薬剤収納容器。 【0019】 (2) 前記容器本体内の少なくとも一部に、前記液体を前記第1の空間内に注入する際に、前記液体に乱流を生じさせる乱流発生手段が設けられている上記(1)に記載の薬剤収納容器。 【0020】 (3) 前記乱流発生手段は、前記容器本体の内周面に沿って形成された凸部で構成されている上記(2)に記載の薬剤収納容器。 【0021】 (4) 前記容器本体は、その先端部に、少なくとも内径が縮径した縮径部を有し、 前記凸部は、前記縮径部の内周面に形成されている上記(3)に記載の薬剤収納容器。 【0022】 (5) 前記凸部の高さをH[mm]とし、前記容器本体の前記凸部が形成された部分の内径をD[mm]としたとき、H/Dが1×10−4〜0.2なる関係を満足する上記(3)または(4)に記載の薬剤収納容器。 【0023】 (6) 前記乱流発生手段は、前記第1の空間を先端側の空間と基端側の空間とに仕切るように設けられたメッシュ部材で構成されている上記(2)に記載の薬剤収納容器。 【0024】 (7) 前記乱流発生手段は、前記容器本体の内面に形成された凹凸で構成されている上記(2)に記載の薬剤収納容器。 【0025】 (8) 前記隔壁部は、その少なくとも前記容器本体の内面と接触する部分が弾性材料で構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の薬剤収納容器。 【0026】 (9) 前記隔壁部が前記容器本体の前記基端開口部から離脱するのを防止する離脱防止手段を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の薬剤収納容器。 【0027】 (10) 使用前の状態で、前記容器本体内の気密性を保持する気密性保持手段を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の薬剤収納容器。 【0028】 (11) 前記気密性保持手段は、前記弁体の前記開閉口を気密的に封止する第1の封止部材と、前記基端開口部を気密的に封止する第2の封止部材とで構成されている上記(10)に記載の薬剤収納容器。 【0029】 (12) 前記第2の封止部材は、シート材で構成され、 その少なくとも一部を前記容器本体から剥離することにより、前記容器本体内の気密性を解除するように構成されている上記(11)に記載の薬剤収納容器。 【0030】 (13) 前記第2の封止部材は、その一部が前記容器本体と一体化されている上記(12)に記載の薬剤収納容器。 【0031】 (14) 前記第1の封止部材と前記第2の封止部材とは、一体的に形成されたものである上記(11)ないし(13)のいずれかに記載の薬剤収納容器。 【0032】 (15) 前記気密性保持手段は、前記容器本体を収納する袋体で構成されている上記(10)に記載の薬剤収納容器。 【発明の効果】 【0033】 本発明によれば、隔壁部を移動可能とし、液体の注入や吸引に際して、薬剤を収納する空間の容積が変化するように構成したので、薬剤と液体とを容易かつ短時間で均質化(均一化)することができる。 【0034】 また、使用前の隔壁部の位置を設定したり、液体を注入する際に、液体に乱流を生じさせる乱流発生手段を設けたりすることにより、前記効果をより向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0035】 以下、本発明の薬剤収納容器を添付図面に示す好適実施形態に基づいて説明する。 <第1実施形態> まず、本発明の薬剤収納容器の第1実施形態について説明する。 【0036】 図1は、本発明の薬剤収納容器の第1実施形態を示す縦断面図(使用前の状態を示す)、図2は、図1に示す薬剤収納容器から気密性保持手段を取り外した状態を示す(使用時の状態を示す)縦断面図、図3は、図1および図2に示す薬剤収納容器の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。 【0037】 なお、以下では、便宜上、図1〜図3中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0038】 図1および図2に示す薬剤収納容器1は、先端開口部21および基端開口部22を備える容器本体2と、容器本体2内に設けられたガスケット(隔壁部)3と、容器本体2の先端開口部21を塞ぐように設けられた弁体4と、容器本体2内に収納された薬剤5と、弁体4を容器本体2に固定するための固定部材6とを有している。 【0039】 この薬剤収納容器1では、例えば溶解用液、希釈用液や薬液等の液体を、先端開口部21を介して容器本体2内に注入して、薬剤5と液体とを混合する操作等が行われる。 【0040】 また、図1に示すように、薬剤収納容器1は、使用前(保管時)の状態で、気密性保持手段7により容器本体2内の気密性が保持されている。 【0041】 以下、各部の構成について順次説明する。 容器本体2は、筒状をなし、その先端側に先端開口部21および基端側に基端開口部22がそれぞれ形成されている。 【0042】 この容器本体2は、その先端部に内径および外径が縮径した縮径部23を有している。この縮径部23の先端が先端開口部21を構成している。 【0043】 また、容器本体2の先端部には、縮径部23の外周側に、縮径部23と同心的に外筒部24が形成されている。 【0044】 縮径部23と外筒部24との間に形成される間隙に、後述する弁体4の基端部が挿入される。 【0045】 容器本体2内には、ガスケット3が摺動可能に設けられ、このガスケット3により容器本体2内の空間20が、先端側の第1の空間20aと基端側の第2の空間20bとに区画されている。第1の空間20a内には、例えば、粉末状、液体状等の薬剤5が収納されている。 【0046】 本実施形態のガスケット3は、その全体が弾性材料で構成され、容器本体2内を摺動する際の気密性が確保されている。 【0047】 このような弾性材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム等の各種ゴムや、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。 【0048】 なお、ガスケット3は、少なくとも容器本体2の内面と接触する部分が弾性材料で構成されていればよく、本実施形態のように全体が弾性材料で構成されたものの他、例えば、硬質の芯部と、この芯部の表面を被覆し、弾性材料で構成される被覆層とを有する構成とすることもできる。 【0049】 このように、ガスケット3を容器本体2内において、気密的に摺動可能に設けることにより、従来のバイアル容器で必要な、液体の注入や吸引の際に、内部圧力を調整するためのエアー抜きやエアー入れの操作を不要とすることができる。これにより、液体の注入や吸引の際の操作がより容易となる。 【0050】 容器本体2内(第1の空間20a内)に、例えば溶解用液等の液体を注入すると、ガスケット3は、基端方向に移動し、一方、薬剤5が溶解した後の溶解用液(液剤)を第1の空間20a内から吸引するとき、ガスケット3が先端方向へ移動する。これにより、第1の空間20aの内部圧力が外気圧と等しくなるように維持される。 【0051】 このガスケット3と容器本体2との間の摺動抵抗は、気密性が維持される範囲で小さいほどよく、特に限定されないが、400gf以下であることが好ましく、50〜200gf程度であるのがより好ましい。摺動抵抗が大き過ぎると、例えばシリンジ等を用いて第1の空間20a内へ液体を注入する際や、内部の液体を吸引する際に、ガスケット3が円滑に追従して移動せず、使い勝手が低下するおそれがある。 【0052】 なお、ガスケット3と容器本体2との間の摺動抵抗は、例えばシリコーンオイル等の潤滑剤をガスケット3の表面に付与(塗布)することにより低下させるようにしてもよい。 【0053】 このようなガスケット3は、薬剤収納容器1の使用前の状態で、容器本体2内の所定位置に配置される。すなわち、ガスケット3は、使用前の第2の空間20bの容積をV1[mL]とし、使用時に第1の空間20a内に注入する液体の容量をV2[mL]としたとき、使用前の状態において、好ましくはV1≧V2(ただし、V2は0〜50mLである。)、より好ましくはV1≧1.1V2となるように、容器本体2内の所定位置に配置される。これにより、第1の空間20a内に目的とする量の液体を確実に注入することができるとともに、ガスケット3が容器本体2の基端開口部22から離脱するのを防止することができる。 【0054】 また、容器本体2には、液体を第1の空間20a内に注入する際に、液体に乱流を生じさせる乱流発生手段が設けられている。 【0055】 本実施形態の乱流発生手段は、縮径部23の内周面に沿って螺旋状に形成された凸部231により構成されている。この凸部231(乱流発生手段)により、液体が縮径部23を通過する際に、この液体に旋回流(乱流)が生じる。これにより、液体と第1の空間2内に収納された薬剤5とが効率よく混合され、薬剤5が液体に均一(均質)に溶解または分散される。 【0056】 なお、凸部231は、容器本体2内の縮径部23以外の他の部分に設けるようにしてもよい。また、凸部231は、リング状のものを、所定間隔をあけて複数設けるようにしてもよい。 【0057】 ここで、この凸部231は、その高さをH[mm]とし、縮径部23(容器本体2の凸部231が形成された部分)の内径をD[mm]としたとき、H/Dが1×10−4〜0.2なる関係を満足するのが好ましく、1×10−3〜0.1なる関係を満足するのがより好ましい。凸部231の高さが大き過ぎると、液体を注入または吸引する際に、凸部231により縮径部23において液体の通過抵抗が増大し、液体を効率よく注入または吸引するのが困難となるおそれがあり、一方、凸部231の高さが小さ過ぎると、液体に乱流が生じ難くなり、凸部231による前述したような効果が十分に発揮されないおそれがある。 【0058】 なお、生じる乱流の程度は、例えば、凸部231の高さ、凸部231の本数やピッチ等を設定することにより適宜調整することができる。また、この乱流の程度は、収納する薬剤5の粘度や溶解度等に応じて、前記条件を適宜設定するのが好ましい。 【0059】 容器本体2の先端部には、先端開口部21を塞ぐように、弁体4が設けられている。この弁体4は、薬剤5が第1の空間20a内から散逸するのを防止するものである。 【0060】 弁体4は、円盤状の頭部4aと、頭部4aの基端側に、この頭部4aと一体的に形成された胴部4bとを有し、その全体が弾性材料により構成されている。 【0061】 頭部4aには、必要時に開く開閉口42が形成されている。この開閉口42は、頭部4aの中央部に、頭部4aを貫通して形成された一文字状のスリット(切込み)で構成されている。 【0062】 開閉口42は、弁体4が自然状態(例えはシリンジ等の先端部により押圧されていない状態)にあるときは、弁体4自体の弾性により閉塞されており、一方、例えはシリンジ等の先端部により軸方向に押圧されたとき、頭部4aおよびその近傍が変形することにより開くようになっている(図3参照)。 【0063】 なお、開閉口42は、図示の構成に限られるものではなく、例えば、一方の面にのみ到達するスリットと、他方の面にのみ到達するスリットとが形成され、かつ、これらが内部において部分的に交差している構成のものであってもよい。 【0064】 弁体4の胴部(筒状部)4bの外周面には、軸方向に沿って複数のリング状の凹部43が形成されており、この凹部43において弁体4の胴部4bは薄肉となっている。これにより、弁体4は、その全体が変形し易くなっており、開閉口42をより確実に開かせることができる。 【0065】 また、弁体4の頂面41は平滑な面とされている。これにより、消毒剤を浸した綿球等によって、頂面41に付着した汚れを容易に拭き取ることができ、薬剤収納容器1を衛生的に維持、管理することが可能となる。 【0066】 弁体4の構成材料としては、前記ガスケット3で挙げた材料と同様の弾性材料を用いることができる。 【0067】 この弁体4は、その基端部を縮径部23と外筒部24との間に形成された間隙に挿入した状態とし、固定部材6を容器本体2に装着することにより、容器本体2に対して固定されている。 【0068】 固定部材6は、開口部611が形成された天板部61と、外筒部24の外周を囲む壁部62と、壁部62の基端部に内側に向かって突出して形成された爪部63とを有している。 【0069】 爪部63は、外筒部24の外周面に沿って形成されたリング状の溝241に係合しており、これにより、固定部材6が容器本体2に固定されている。そして、この状態で、天板部61の開口部611から弁体4の頂面41が露出している。 【0070】 このような薬剤収納容器1は、使用前まで、気密性保持手段7により、容器本体2内の気密性が保持されている。これにより、容器本体2内に収納された薬剤5の酸化や吸湿等が防止される。 【0071】 図1に示すように、本実施形態の気密性保持手段7は、容器本体2の先端側(固定部材6)に着脱自在に設けられ、弁体4の開閉口42を気密的に封止するキャップ(第1の封止部材)71と、容器本体2の基端に着脱自在に設けられ、基端開口部22を気密的に封止するシート材(第2の封止部材)72とで構成されている。 【0072】 キャップ71は、固定部材6の外形形状とほぼ等しい平面形状の天板部711と、この天板部711の縁部に沿って、天板部711に対してほぼ垂直に立設された壁部712とで構成されている。このキャップ71は、固定部材6の先端に、例えば嵌合等により固定されている。 【0073】 一方、シート材72は、容器本体2の基端面に、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着)、接着剤による接着等により固定されている。 【0074】 このようなキャップ71、シート材72、容器本体2および固定部材6は、それぞれ、ガスバリア性を有するのが好ましく、その構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂や、その他の熱可塑性樹脂のような樹脂材料、アルミニウムのような金属材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。 【0075】 また、シート材72としては、前記材料(金属材料は除く)やエラストマーで構成された単層フィルムの他、例えば、単層フィルムにアルミニウム、シリカ等を蒸着したもの、アルミニウムフィルム、アルミニウムラミネートフィルム等の金属箔または金属箔を含むフィルムを使用することができる。さらには、これら各フィルムを2層以上積層したものを用いることもできる。 【0076】 次に、薬剤収納容器1の使用方法について、図3を参照しつつ、薬剤5を溶解用液104を用いて溶解または分散(懸濁)する場合を一例に説明する。 【0077】 [1] まず、薬剤収納容器1からキャップ71およびシート材72を取り外す(除去する)。これにより、図1に示すように、容器本体2内の気密性が解除されるとともに、弁体4の頂面41が外部に露出する。 【0078】 [2] 次に、溶解用液104を収納したシリンジ10を用意する。 このシリンジ10は、先端口部100を有するシリンジ外筒101と、シリンジ外筒101内に摺動可能に設けられたガスケット102と、ガスケット102を移動操作する押し子103とを有し、シリンジ外筒101とガスケット102とで画成される空間内に、溶解用液104が収納されている。 【0079】 [3] 次に、図3(a)に示すように、このシリンジ10の先端口部100を、弁体4の頂面41に当接させ、弁体4を基端方向に押圧する。これにより、図3(b)に示すように、弁体4の頭部4aおよびその近傍が変形し、開閉口42が開き、シリンジ外筒101内と容器本体2の第1の空間20a内とが連通する。 【0080】 [4] 次に、前記[3]の状態で、シリンジ10の押し子103を、先端口部100側に移動させる。これにより、図3(b)に示すように、シリンジ10の先端口部100から溶解用液104が排出され、開閉口42を介して第1の空間20a内に注入される。 【0081】 このとき、容器本体2内のガスケット3は、基端方向に移動する。これにより、第1の空間20aの内部圧力が外気圧と等しくなるように維持され、溶解用液104を第1の空間20a内に、大きな抵抗力を感じることなく注入することができる。 【0082】 また、注入された溶解用液104には、縮径部23の内面に形成された乱流発生手段(凸部231)により乱流が生じ、その作用により溶解用液104と薬剤5とが効率よく混合される。 【0083】 [5] 次に、シリンジ10の押し子103を往復移動させることにより、ポンピング操作を行う。これにより、溶解用液104にさらに乱流が発生し、溶解用液104と薬剤5とが均一に溶解または分散される。 【0084】 なお、このポンピング操作に際しても、ガスケット3が先端方向または基端方向に往復移動し、第1の空間20aの内部圧力が外気圧と等しくなるように維持されるので、ポンピング操作を容易かつ確実に行うことができる。 【0085】 [6] 次に、シリンジ10の押し子103を、先端口部100と反対側に移動させる。これにより、液剤105(薬剤5が溶解または分散された溶解用液104)を、シリンジ外筒101内に吸引し、シリンジ10の先端口部100を弁体4から離間させる。 【0086】 ここで、第1の空間20a内から液剤105を吸引すると、ガスケット3が、先端方向に移動する。これにより、第1の空間20aの内部圧力が外気圧と等しくなるように維持されるので、液剤105を第1の空間20a内から、大きな抵抗力を感じることなく取り出す(吸引する)ことができる。 【0087】 以上のように、この薬剤収納容器1では、液体の注入または吸引に伴ってガスケット3が基端側または先端側に移動することにより、第1の空間20aの内部圧力が外気圧と等しくなるように維持される。 【0088】 したがって、従来のバイアル容器で必要な、液体の注入や吸引の際に、内部圧力を調整するためのエアー抜きやエアー入れの操作を不要とすることができる。これにより、液体の注入や吸引の際の操作がより容易となる。 【0089】 また、第1の空間20aの容積を、ガスケット3の位置調整により設定可能であるため、同一サイズの容器本体2を用いつつも、異なる容量の薬剤収納容器1を作製することができ、かかる薬剤収納容器1を複数種用意しておくことにより、液剤105中の薬剤5の濃度設定(目的とする濃度に希釈する操作)等を容易に行うことができる。 【0090】 また、乱流発生手段を設けることにより、第1の空間20a内に注入された液体に乱流が生じるので、液体と薬剤5とが効率よく混合され、薬剤5を均一に溶解または分散させることができる。 【0091】 また、容器本体2の先端開口部21を、前述したような弁体4で塞ぐので、液体の注入や吸引に際して、注射針等の導液針や導液用の専用デバイスを用いる必要がなく、また、例えばシリンジの先端形状(スリップ形状、ロック形状)によらず、第1の空間20a内への液体の注入や吸引の操作を確実に行うことができる。 【0092】 また、ゴム栓により密閉されたバイアル容器のように、ゴム栓に注射針を穿刺する操作を行わないので、ゴム切片(ゴム屑)の薬剤5への混入、医療従事者の針刺し事故等を回避することができる。 【0093】 このようなことから、薬剤収納容器1としては、例えば、抗がん剤、免疫抑制剤等、医療従事者が誤って触れると危険な薬剤や、抗生剤、止血剤等の使用にあたって溶解が必要な薬剤、小児用の薬剤等の希釈が必要な薬剤、ワクチン、ヘパリン、小児用の薬剤等の複数回取り分ける薬剤等の薬剤5を収納する容器への適用が好適である。 【0094】 <第2実施形態> 次に、本発明の薬剤収納容器の第2実施形態について説明する。 【0095】 図4は、本発明の薬剤収納容器の第2実施形態の縦断面図である。 なお、以下では、便宜上、図4中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0096】 以下、第2実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0097】 第2実施形態の薬剤収納容器1は、気密性保持手段7の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。 【0098】 すなわち、図4に示すように、第2実施形態の気密性保持手段7は、容器本体2の先端側(固定部材6)に着脱自在に装着され、弁体4の開閉口42を気密的に封止するシート材(第1の封止部材)73と、容器本体2の基端に着脱自在に装着され、基端開口部22を気密的に封止する第2のシート材(第2の封止部材)72とで構成されている。 シート材73には、シート材72と同様のものを用いることができる。 【0099】 このような気密性保持手段7は、構成が簡易であり、薬剤収納容器1の製造工程の簡易化および製造コストの削減を図ることができる。 【0100】 <第3実施形態> 次に、本発明の薬剤収納容器の第3実施形態について説明する。 【0101】 図5は、本発明の薬剤収納容器の第3実施形態の縦断面図である。 なお、以下では、便宜上、図5中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0102】 以下、第3実施形態の薬剤収納容器について、前記第1および第2実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0103】 第3実施形態の薬剤収納容器1は、気密性保持手段7の構成が異なり、それ以外は、前記第2実施形態の薬剤収納容器1と同様である。 【0104】 すなわち、図5に示すように、第3実施形態の気密性保持手段7は、容器本体2の先端側(固定部材6)に着脱自在に装着され、弁体4の開閉口42を気密的に封止するシート材(第1の封止部材)73と、容器本体2の基端に着脱自在に装着され、基端開口部22を気密的に封止するシート材(第2の封止部材)72と、これらを連結する連結シート材74とが一体的に形成されたシート材で構成されている。 【0105】 このような気密性保持手段7は、シート材72、73が連結シート材74を介して一体化されているので、薬剤収納容器1からシート材72、73を一括して取り外す(剥離する)ことができ、取り外し操作が容易である。 【0106】 また、シート材72、73、薬剤収納容器1から取り外された状態で、別々に散乱することがないので、使い勝手がよい。 【0107】 <第4実施形態> 次に、本発明の薬剤収納容器の第4実施形態について説明する。 【0108】 図6は、本発明の薬剤収納容器の第4実施形態の縦断面図である。 なお、以下では、便宜上、図6中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0109】 以下、第4実施形態の薬剤収納容器について、前記第1および第3実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0110】 第4実施形態の薬剤収納容器1は、気密性保持手段7の構成が異なり、それ以外は、前記第3実施形態の薬剤収納容器1と同様である。 【0111】 すなわち、図6に示すように、容器本体2の基端には、基端開口部22を塞ぐように円盤状シート材72aが、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着)、接着剤による接着等により固着されている。 【0112】 また、円盤状シート材72aの中央部には、ガスケット3の外径より十分に小さく、かつ、固定部材6の外径より小さい径の開口部721が形成されている。そして、この開口部721がシート材72bで封止されている。 【0113】 本実施形態では、円盤状シート材72aとシート材72bとにより、基端開口部22を気密的に封止する第2の封止部材が構成されている。 【0114】 また、このような薬剤収納容器1では、ガスケット3が必要以上に基端方向に移動した場合でも、円盤状シート材72aに当接して、それ以上の基端方向への移動が規制される。これにより、ガスケット3が容器本体2の基端開口部22から離脱するのが防止される。すなわち、この円盤状シート材72aは、ガスケット3が容器本体2の基端開口部22からの離脱を防止する離脱防止手段としても機能する。 【0115】 特に、この場合、円盤状シート材72a(第2の封止部材の一部)は、容器本体2と一体化されているのが好ましい。これにより、円盤状シート材72aに対して、ガスケット3による基端方向への比較的大きい押圧力が作用した場合でも、円盤状シート材72aが容器本体2から剥離するのを防止することができ、その離脱防止手段としての機能がより好適に発揮される。 【0116】 このような薬剤収納容器1では、円盤状シート材72aからシート材72b(第2の封止部材の一部)を剥離して、開口部721を開放することにより容器本体2内の気密性が解除される。 【0117】 各シート材には、それぞれ、シート材72と同様のものを用いることができる。 また、本実施形態では、シート材(第1の封止部材)73とシート材(第2の封止部材の一部)72bとが連結シート材74により連結され、それらの幅が、固定部材6の外径とほぼ等しく設定されている。すなわち、各シート材72a、73、74の幅が、最小限の幅とされているので、廃棄物の量を抑えることができる。 【0118】 また、開口部721を塞ぐように細菌不透過性フィルターを取り付けてもよい。これにより、ポンピング操作の際に、外気中の細菌を容器本体2内に取り込んでしまうのを防止することができる。 【0119】 <第5実施形態> 次に、本発明の薬剤収納容器の第5実施形態について説明する。 【0120】 図7は、本発明の薬剤収納容器の第5実施形態の縦断面図である。 なお、以下では、便宜上、図7中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0121】 以下、第5実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0122】 第5実施形態の薬剤収納容器1は、気密性保持手段7の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。 【0123】 すなわち、図7に示すように、第5実施形態の気密性保持手段7は、容器本体2の先端側(固定部材6)に着脱自在に装着され、弁体4の開閉口42を気密的に封止するキャップ(第1の封止部材)71と、容器本体2の基端に着脱自在に装着され、基端開口部22を気密的に封止するキャップ(第2の封止部材)75とで構成されている。 【0124】 キャップ75は、容器本体2の基端外形形状とほぼ等しい平面形状の底板部751と、この底板部751の縁部に沿って、底板部751に対してほぼ垂直に立設された壁部752とで構成されている。 【0125】 また、壁部752の内周面には、ネジ溝753が形成され、一方、容器本体2の基端部外周面には、ネジ溝753に螺合するネジ山25が形成されている。 【0126】 キャップ75は、ネジ溝753とネジ山25とを螺合させることにより、容器本体2の基端に固定される。これにより、基端開口部22が気密的に封止される。一方、キャップ75を容器本体2から取り外こと、または、緩めることにより、容器本体2内の気密性を解除することができる。 【0127】 このような気密性保持手段7は、キャップ71の天板部711の外径を、固定部材6の外径より若干大きい程度に、また、キャップ75の底板部751の外径を、容器本体2の外径より若干大きい程度に、それぞれ、設定することにより、薬剤収納容器1の小型化を図ることができ、その占有スペースを小さく抑えることができる。 【0128】 <第6実施形態> 次に、本発明の薬剤収納容器の第6実施形態について説明する。 【0129】 図8は、本発明の薬剤収納容器の第6実施形態の縦断面図である。 なお、以下では、便宜上、図8中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0130】 以下、第5実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0131】 第6実施形態の薬剤収納容器1は、気密性保持手段7の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。 【0132】 すなわち、図8に示すように、第6実施形態の気密性保持手段7は、容器本体2を収納する袋体76で構成されている。 【0133】 この袋体76は、2枚のシート材を重ね合わせ、その外周部を、例えば融着(熱融着、超音波融着)等によりシールしてなるものである。 【0134】 各シート材には、それぞれ、シート材72と同様のものを用いることができる。 また、袋体76の縁部の一部に、切欠き761が形成されている。この切欠き761から袋体76を破断(開封)することにより、容器本体2内の気密性を解除することができる。 【0135】 このような気密性保持手段7は、構成が簡易であり、薬剤収納容器1の製造工程の簡易化および製造コストの削減を図ることができる。 【0136】 <第7実施形態> 次に、本発明の薬剤収納容器の第7実施形態について説明する。 【0137】 図9は、本発明の薬剤収納容器の第7実施形態の縦断面図である。 なお、以下では、便宜上、図9中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0138】 以下、第7実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0139】 第7実施形態の薬剤収納容器1は、乱流発生手段の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。 【0140】 すなわち、図9に示すように、第7実施形態の乱流発生手段は、容器本体2の内面(第1の空間20aに臨む面)の一部に形成された複数の凸部232(凹凸)で構成されている。 【0141】 なお、生じる乱流の程度は、例えば、凸部232の高さ、凸部232のピッチ等を設定することにより適宜調整することができる。 【0142】 <第8実施形態> 次に、本発明の薬剤収納容器の第8実施形態について説明する。 【0143】 図10は、本発明の薬剤収納容器の第8実施形態の縦断面図である。 なお、以下では、便宜上、図10中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。 【0144】 以下、第8実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0145】 第8実施形態の薬剤収納容器1は、乱流発生手段の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。 【0146】 すなわち、図10に示すように、第8実施形態の乱流発生手段は、第1の空間20aを先端側の空間と基端側の空間とに仕切るように、容器本体2内に設けられたメッシュ部材233で構成されている。 【0147】 メッシュ部材233を設けることにより、第1の空間20a内に注入された液体が、メッシュ部材233を通過する際に、シャワー状となることにより、液体に乱流が生じる。 【0148】 なお、生じる乱流の程度は、例えば、メッシュ部材233の開口径等を設定することにより適宜調整することができる。 【0149】 以上、本発明の薬剤収納容器を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。 【0150】 例えば、本発明では、前記第1〜第8実施形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせることもできる。 【実施例】 【0151】 次に、本発明の具体的実施例について説明する。 (実施例1) まず、図6に示す薬剤収納容器を用意した。 【0152】 この薬剤収納容器(容量:5mL)の第1の空間内には、粉末状の薬剤として、レンチナン(抗悪性腫瘍剤)を1mg収納した。 また、ガスケットは、第2の空間の体積V1が5mLとなるように設置した。 【0153】 次に、円盤状シート材以外のシート材を取り外し、容器本体内の気密性を解除した。 次に、生理食塩液(溶解用液)5mLを収納したシリンジ(容量:10mL)の先端口部を、弁体の頂面に当接させて押圧した。 【0154】 次に、シリンジの押し子を先端口部側に移動させて、生理食塩液を第1の空間内に注入した。 【0155】 このとき、生理食塩液の注入に連動して、第1の空間の内部圧力が外気圧と等しくなるようにガスケットが基端方向に移動した。 【0156】 次に、シリンジの押し子を3往復移動させてポンピング操作を行った。この場合にも、この押し子の往復移動に追従して、ガスケットが先端方向および基端方向に往復移動した。 【0157】 次に、シリンジの押し子を先端口部と反対側に移動させて、第1の空間内に収納された液剤(レンチナンが溶解した生理食塩液)を吸引し、シリンジの先端口部を弁体から離間させた。 【0158】 このシリンジ内に吸引された液剤を目視にて観察したところ、レンチナンが生理食塩液に均一に溶解していることが確認された。 【0159】 (実施例2) まず、図7に示す薬剤収納容器を用意した。 【0160】 この薬剤収納容器(容量:10mL)の第1の空間内には、液体状の薬剤として、2%リドカイン(局所麻酔剤)を5mL収納した。 また、ガスケットは、第2の空間の体積V1が5mLとなるように設置した。 【0161】 次に、上側のキャップを取り外し、下側のキャップを緩め、容器本体内の気密性を解除した。 【0162】 次に、生理食塩液(希釈用液)5mLを収納したシリンジ(容量:10mL)の先端口部を、弁体の頂面に当接させて押圧した。 【0163】 次に、シリンジの押し子を先端開口側に移動させて、生理食塩液を第1の空間内に注入した。 【0164】 このとき、生理食塩液の注入に連動して、第1の空間の内部圧力が外気圧と等しくなるようにガスケットが基端方向に移動した。 【0165】 次に、シリンジの押し子を1往復移動させてポンピング操作を行った。この場合にも、この押し子の往復移動に追従して、ガスケットが先端方向および基端方向に往復移動した。 【0166】 次に、シリンジの押し子を先端口部と反対側に移動させて、第1の空間内に収納された液剤(リドカインが混合された生理食塩液)を吸引し、シリンジの先端口部を弁体から離させた。 【0167】 このシリンジ内に吸引された液剤を目視にて観察したところ、リドカインが生理食塩液に均一に混合されていることが確認された。 【0168】 (比較例1) ゴム栓で密閉したバイアル容器(容量:5mL)を用意した。 【0169】 このバイアル容器内には、粉末状の薬剤として、レンチナン(抗悪性腫瘍剤)を1mg収納した。 【0170】 次に、生理食塩液(溶解用液)5mLを収納したシリンジ(容量:10mL)の先端口部に注射針を装着した。そして、この注射針でバイアル容器のゴム栓を刺通し、押し子を先端口部側に移動させて、生理食塩液をバイアル容器内に注入した。 【0171】 このとき、生理食塩液の注入に伴ってバイアル容器の内部圧力が上昇し、押し子の操作に際して抵抗が生じた。 【0172】 次に、シリンジの押し子を5往復移動させてポンピング操作を行った。 次に、シリンジの押し子を先端口部と反対側に移動させて、バイアル容器内に収納された液剤(レンチナンが溶解した生理食塩液)を吸引し、注射針をゴム栓から抜き取った。 【0173】 このシリンジ内に吸引された液剤を目視にて観察したところ、レンチナンの生理食塩液への溶解状態が不完全であることが確認された。 【0174】 (比較例2) ゴム栓で密閉したバイアル容器(容量:10mL)を用意した。 【0175】 このバイアル容器内には、液体状の薬剤として、2%リドカイン(局所麻酔剤)を5mL収納した。 【0176】 次に、生理食塩液(希釈用液)5mLを収納したシリンジ(容量:10mL)の先端口部に注射針を装着した。そして、この注射針でバイアル容器のゴム栓を刺通し、押し子を先端口部側に移動させて、生理食塩液をバイアル容器内に注入した。 【0177】 このとき、生理食塩液の注入に伴ってバイアル容器の内部圧力が上昇し、押し子の操作に際して抵抗が生じた。 【0178】 次に、シリンジの押し子を2往復移動させてポンピング操作を行った。 このときバイアル容器内を観察したところ、薬剤の混合状態が不完全であることが確認された。 さらに、シリンジの押し子を1往復移動させてポンピング操作を行った。 【0179】 次に、シリンジの押し子を先端口部と反対側に移動させて、第1の空間内に収納された液剤(リドカインが混合された生理食塩液)を吸引し、シリンジの先端口部を弁体から離させた。 【0180】 このシリンジ内に吸引された液剤を目視にて観察したところ、リドカインが生理食塩液に均一に混合されていることが確認された。 【0181】 以上に示すように、実施例1および実施例2では、いずれも、液体の注入操作、吸引操作およびポンピング操作を容易に行うことができ、また短時間のポンピング操作により薬剤を容易に溶解または混合することができた。 【0182】 これに対して、比較例1および比較例2では、いずれも、液体の注入操作、吸引操作に際して、注入量や吸引量に応じて抵抗が生じ、これらの操作をスムースに行うことができなかった。また、粉末状の薬剤の場合には、ポンピング操作を複数回行っても完全に溶解させることができず、液体状の薬剤の場合にも、希釈用液に均一に混合するには複数回のポンピング操作を要した。 【0183】 このことから、本発明の薬剤収納容器は、ゴム栓を使用するバイアル容器に比べて、取り扱いが容易であることがわかった。 【図面の簡単な説明】 【0184】 【図1】本発明の薬剤収納容器の第1実施形態を示す縦断面図(使用前の状態を示す)である。 【図2】図1に示す薬剤収納容器から気密性保持手段を取り外した状態を示す(使用時の状態を示す)縦断面図である。 【図3】図1および図2に示す薬剤収納容器の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。 【図4】本発明の薬剤収納容器の第2実施形態の縦断面図である。 【図5】本発明の薬剤収納容器の第3実施形態の縦断面図である。 【図6】本発明の薬剤収納容器の第4実施形態の縦断面図である。 【図7】本発明の薬剤収納容器の第5実施形態の縦断面図である。 【図8】本発明の薬剤収納容器の第6実施形態の縦断面図である。 【図9】本発明の薬剤収納容器の第7実施形態の縦断面図である。 【図10】本発明の薬剤収納容器の第8実施形態の縦断面図である。 【符号の説明】 【0185】 1 薬剤収納容器 2 容器本体 20 空間 20a 第1の空間 20b 第2の空間 21 先端開口部 22 基端開口部 23 縮径部 231 凸部 24 外筒部 241 溝 25 ネジ山 3 ガスケット 4 弁体 4a 頭部 4b 胴部 41 頂面 42 開閉口 43 凹部 5 薬剤 6 固定部材 61 天板部 611 開口部 62 壁部 63 爪部 7 気密性保持手段 71 キャップ 711 天板部 712 壁部 72 シート材 72a 円盤状シート材 721 開口部 72b シート材 73 シート材 74 連結シート材 75 キャップ 751 底板部 752 壁部 753 ネジ溝 76 袋体 761 切欠き 232 凸部 233 メッシュ部材 10 シリンジ 100 先端口部 101 シリンジ外筒 102 ガスケット 103 押し子 104 溶解用液 105 液剤
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| 【出願人】 |
【識別番号】000109543 【氏名又は名称】テルモ株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号
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| 【出願日】 |
平成16年8月20日(2004.8.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091292 【弁理士】 【氏名又は名称】増田 達哉
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| 【公開番号】 |
特開2006−55452(P2006−55452A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−241658(P2004−241658) |
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