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【発明の名称】 薬剤管理用ラベル
【発明者】 【氏名】山口 義治
【住所又は居所】愛知県一宮市三ツ井五丁目15番18号 株式会社岩田レーベル内

【要約】 【課題】医療現場において薬剤名などが印刷された部分を分離して、注射器や輸液装置などに貼付でき、かつラベル製造工程において全ての表示内容が検査可能な薬剤管理用ラベルを提供する。

【解決手段】ラベル基材と、そのラベル基材の裏面に形成された粘着剤層と、薬剤名や内容量などの情報を表示するために、ラベル基材に印刷形成された第一及び第二表示部と、第一表示部を分離するために形成された分離部とを備える。ラベル基材は薬剤の容器を周回するように貼付されるとともに、第一表示部は第二表示部の上に重なり、かつ、その第一表示部が第二表示部に対して剥離自在に接着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の容器に貼付して用いる薬剤管理用ラベルにおいて、
ラベル基材と、
そのラベル基材の裏面に形成された粘着剤層と、
薬剤名や内容量などの情報を表示するために、前記ラベル基材に印刷形成された第一及び第二表示部と、
前記第一表示部を分離するために形成された分離部とを備え、
前記ラベル基材は前記薬剤の容器を周回するように貼付されるとともに、前記第一表示部は前記第二表示部の上に重なり、かつ、その第一表示部が前記第二表示部に対して剥離自在に接着されることを特徴とする薬剤管理用ラベル。
【請求項2】
前記ラベル基材には、前記容器内の薬剤を視認するための領域が形成されている請求項1記載の薬剤管理用ラベル。
【請求項3】
薬剤の容器に貼付して用いる薬剤管理用ラベルにおいて、
透明樹脂製のラベル基材と、
薬剤名や内容量などの情報を表示するために、前記ラベル基材に印刷形成された第一及び第二表示部と、
前記第一表示部を分離するために形成された分離部と、
前記ラベル基材の裏面に形成された粘着剤層と、
前記透明樹脂を通して背景色を与える着色層とを備え、
前記ラベル基材は前記着色層とともに前記薬剤の容器を周回するように貼付され、前記第一表示部は前記第二表示部の上に重なり、かつ、その第一表示部が前記第二表示部に対して剥離自在に接着され、
前記ラベル基材には、前記着色層が非形成とされることにより前記背景色が与えられない透明領域が形成されて、前記容器内の薬剤が視認可能にされたことを特徴とする薬剤管理用ラベル。
【請求項4】
前記第二表示部の表面には、前記第一表示部との剥離性を向上させるための剥離層が形成されている請求項1または請求項3記載の薬剤管理用ラベル。
【請求項5】
前記第一表示部には、分離する際に指をかける突部が形成されている請求項1または3記載の薬剤管理用ラベル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤管理用ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
アンプルやバイアルなどの薬剤用容器には、内容物を識別するためにラベルが貼付されている。このようなラベルは、紙や合成樹脂などから成るラベル基材の裏面に粘着剤層が塗布され、表面には薬剤名や内容量などの情報が印刷されたものが用いられる。
【0003】
医療現場において、薬剤容器に入れられた薬剤は、薬剤名の表記がない注射器に移し替えられて患者に投与されたり、点滴の輸液容器に混注して使用されたりする。この場合、薬剤師や看護師などの医療従事者が薬剤を注射器などに移し替えた後、直ぐに患者に投与すればよいが、席を離れたりすると、後で薬剤を取り違えて誤使用することがある。
【0004】
このような誤使用を防止するために、薬剤名などが印刷された部分がシールになっており、このシール部をめくり取って注射器などに貼付する薬剤管理用ラベルが知られている。例えば下記特許文献1には薬剤情報が印刷された2枚のラベル(上層ラベル及び下層ラベル)が剥離可能に接着され、上層ラベルを剥離する際に指をかける突部を形成した薬剤管理用多層ラベルが開示されている。上層ラベルをめくり取って注射器などに貼付することで、簡単に薬剤情報を表示できるとともに、薬剤容器に残った下層ラベルにも同様の薬剤情報が記載されているので、容器の内容確認も容易にできる。また、下記特許文献2にも同様の薬剤管理用ラベルが開示されている。
【特許文献1】特開2002−126041号公報
【特許文献2】特開2003−108002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、薬剤管理用ラベルを製造する工程においては、表示内容に印刷ミスなどが無いよう、特に厳重に検査が行われる。印刷ミスなどがあると、誤使用に繋がる危険性が生じるためである。しかしながら上述のような、2枚のラベルが接着された積層ラベルを検査しようとしても、上層ラベルについては確認できるが下層ラベルは隠れてしまって十分な検査ができないという問題がある。また、2枚のラベルを接着する前に別々に検査すると検査工程が2回必要になり、手間がかかる。
【0006】
本発明は上述のような事情を背景になされたもので、特に、医療現場において薬剤名などが印刷された部分を分離して、注射器や輸液装置などに貼付でき、かつラベル製造工程において全ての表示内容が検査可能な薬剤管理用ラベルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、薬剤の容器に貼付して用いる薬剤管理用ラベルにおいて、
ラベル基材と、
そのラベル基材の裏面に形成された粘着剤層と、
薬剤名や内容量などの情報を表示するために、前記ラベル基材に印刷形成された第一及び第二表示部と、
前記第一表示部を分離するために形成された分離部とを備え、
前記ラベル基材は前記薬剤の容器を周回するように貼付されるとともに、前記第一表示部は前記第二表示部の上に重なり、かつ、その第一表示部が前記第二表示部に対して剥離自在に接着されることを主要な特徴とする。
【0008】
また、本発明は、薬剤の容器に貼付して用いる薬剤管理用ラベルにおいて、
透明樹脂製のラベル基材と、
薬剤名や内容量などの情報を表示するために、前記ラベル基材に印刷形成された第一及び第二表示部と、
前記第一表示部を分離するために形成された分離部と、
前記ラベル基材の裏面に形成された粘着剤層と、
前記透明樹脂を通して背景色を与える着色層とを備え、
前記ラベル基材は前記着色層とともに前記薬剤の容器を周回するように貼付され、前記第一表示部は前記第二表示部の上に重なり、かつ、その第一表示部が前記第二表示部に対して剥離自在に接着され、
前記ラベル基材には、前記着色層が非形成とされることにより前記背景色が与えられない透明領域が形成されて、前記容器内の薬剤が視認可能にされたことを主要な特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に、本発明に係る薬剤管理用ラベルの一実施形態を示す。薬剤管理用ラベル1は(b)の断面図に示すように、透明樹脂製のラベル基材6と、その裏面に塗布または印刷された粘着剤層7と、着色層8とにより構成される。着色層8は具体的には紙やインクなどを指す。薬剤管理用ラベルでは不透明ラベル又はこれに相当する高い視認性のあることが望まれており、このような理由から、透明樹脂製のラベル基材6を通して背景色(特に白色)を与えるように着色層8が用いられる。また、この着色層8はラベル基材6の全面に設けられておらず、一部に設けられていない領域が存在する。
【0010】
一方、図1(a)の表面図に示すようにラベル基材6の表面には薬剤情報を表示するための第一表示部D1及び第二表示部D2が印刷層10によって印刷形成されている。ここで薬剤情報とは、例えば薬剤名、製造番号、使用期限、内容量などの情報や、コード(これらの情報をバーコードなどで表示したもの)を指す。第一表示部D1及び第二表示部D2には略同一の内容が表示されている。また、ラベル基材6の表面には、各表示部D1,D2に表示されていない情報を印刷するための領域5が形成されている。第一表示部D1の両端には分離部2(切り取り線など)が形成されて、第一表示部D1を分離できるようにされている。さらに、第一表示部D1を分離する際に指をかける突部3が形成されている。この突部3の裏面には指をかけた時に粘着しないように、例えばインクなどからなる非粘着層(図示しない)が形成されている。
【0011】
また、薬剤管理用ラベル1には透明領域4と、接着部12が形成されている。透明領域4は着色層8が形成されていないので、透明領域を通して容器内の薬剤を視認できる。
【0012】
薬剤管理用ラベル1は図2(a)アンプルや(b)バイアルを周回するように貼付して使用する。すなわち図2(c)の概略断面図に示すように、ラベルを薬剤容器11に対して、第二表示部D2を含む一端から巻き始め、一周するとともに第一表示部D1を第二表示部D2の上に重ねて接着するのである。より詳しくは、例えば図5(a)の裏面図に示すように両端に粘着剤層7が露出するようにしておき、この露出部分を使って薬剤容器に貼付する。また、第一表示部D1は第二表示部D2に対して剥離自在に接着されている。具体的には、例えば第二表示部D2の表面で、特に接着される部分に、ニスなどの剥離層(図示しない)を塗布することで第一表示部D1と第二表示部D2の剥離性を向上するようにされている。また、粘着剤層に剥離性のある粘着剤を使用することで、剥離性を向上する方法を採用してもよい。
【0013】
図2(c)に示すように、透明領域4においてはラベル基材6と薬剤容器11の間に着色層8が存在せず、ラベル越しに薬剤容器11の内容物(薬剤)を視認できるようにされている。すなわち薬剤容器11は通常、ガラス製なので、透明領域4とガラスを通して薬剤を視認できるのである。
【0014】
なお、上記透明樹脂としては例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどが好適に用いられる。
【0015】
以上説明した薬剤管理用ラベル1は、薬剤容器11に貼付された状態で病院へ出荷される。図3(a),(b)に示すように、医療現場には薬剤名が表示されていない注射器13が用意されており、薬剤容器11内の薬剤はこの注射器13に移し替えられた後に患者に投与される。その際、突部3を指でつまんで、分離部2に沿って第一表示部D1を分離し、図3(b)に示すように注射器13に貼付する。これにより、たとえ医療従事者が一旦、席を外したとしても、その内容が注射器13に貼付されているので、その後で内容を間違えて注射する事故を防止できる。また、第一表示部D1を分離すると第二表示部D2が現れるので、アンプル11側に残った薬剤の内容を確認することもできる。
【0016】
次に図2(c)の要部を、図4の拡大図を用いて説明する。薬剤管理用ラベル1は上述したように透明樹脂製のラベル基材6、粘着剤層7、着色層8からなり、この薬剤管理用ラベル1は、第二表示部D2が印刷形成された一端から薬剤容器11に対して貼付される。例えば図5(a)に示すようにラベルの両端に粘着剤層7が露出する部分があり、この露出部分を使って薬剤容器11へ接着する。そして薬剤容器11を周回するとともに第一表示部D1が第二表示部D2の上に重ねられ、かつ剥離自在に接着される。第一表示部D1と第二表示部D2との剥離性を向上させるために、第二表示部D2の表面にニスなどの剥離層が、特に接着される部分に塗布される。または第一接着層7に剥離性の良い粘着剤を用いてもよい。一方、透明領域4には薬剤容器11とラベル基材6との間に着色層8が存在しないので、薬剤容器11内の薬剤を視認するための領域として用いられる。
【0017】
従来の薬剤管理用ラベルでは、ラベル製造工程において2枚のラベルが重ねられた状態での、下層側ラベルの検査が困難だった。また、検査するとしても、重ねる前に個々に検査しなければならず、手間がかかる問題もあった。しかしながら本発明では、図1(a)に示すように、第一表示部D1及び第二表示部D2がそれぞれ1枚のラベル上の別の位置に形成されているので、各表示部の検査を一回で、確実に行うことができる。
【0018】
なお、仮に図9(a)に示すように、第一表示部D1と第二表示部D2を重ねず、分けて表示したとすると、これら2つの表示部の占める面積が大きくなってしまい、薬剤名以外の情報を表示する領域5が小さくなる問題が生じる。それに対して本発明では第二表示部D2の上に第一表示部D1を重ねているので、これら表示部D1、D2の占める面積を最小限に留め、その他の表示領域を最大限に活用することができる。
【0019】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。本発明の薬剤管理用ラベルは、例えば図6(a)に示すように、着色層8の裏面に第二の粘着剤層9を塗布してもよい。すなわち、この薬剤管理用ラベルは、透明樹脂製のラベル基材6と、薬剤名や内容量などの情報を表示するためにラベル基材6に印刷形成された第一表示部D1および第二表示部D2と、第一表示部を分離するために形成された分離部2(切り取り線)と、ラベル基材6の裏面に形成された第一粘着剤層7と、その第一粘着剤層7を介して接着された着色層8と、その着色層8の裏面に形成された第二粘着剤層9を備える。
【0020】
さらに本発明は図6(b)のように、第一表示部D1および接着部12に着色層8を形成しない形態とすることも可能である。このようにすると第一表示部D1は透明になるが、第二表示部D2への位置合わせを確実に行えば、下側(第二表示部D2)の印字と、上側(第一表示部D1)の印字がずれて見えることは無い。
【0021】
なお、図6(c)の裏面図に示すように、分離部2の周囲に、インクなどの非粘着層を塗布してもよい。このようにすると、分離部2に沿って第一表示部D1を分離する際に、分離部2の周囲の粘着力が低減しているので、より少ない力で分離できる。
【0022】
さらには、図7(a)に示すように、着色された樹脂または紙からなるラベル基材を用い、一部のラベル基材を切り取ってスリットを形成してもよい。このスリットは、上述した透明領域の替わりになるもので、容器内の薬剤を視認するのに用いられる。一方、ラベル基材の表面には第一表示部D1、第二表示部D2が印刷形成され、裏面には粘着剤層が形成される。このようにすると、着色樹脂製のラベル基材、印刷層、粘着剤層からなる簡単な構造ながら、図1の実施形態とほぼ同じ効果を奏することができる。なお、図7(a)の実施形態では突部3が形成されておらず、第一表示部D1を分離する際には、指で引っ掛けるようにして剥がして用いる。
【0023】
図1の実施形態では第一表示部D1のすぐ隣に透明領域4を形成したが、図7(b)のように、第一表示部D1から離して形成してもよい。また、図7(c)のように、接着部12を設けない形態を採用することもできる。さらには、図示しないが、接着部12を設けず、第一表示部D1の側面に突部3を形成するようにしてもよい。
【0024】
さらに、図8の(a)表面図および(b)断面図に示す形態とすることも可能である。図8では透明樹脂製のラベル基材6の裏面に粘着剤層14が塗布されており、表面には印刷層10’によって背景色が印刷され、その上に別の印刷層10によって薬剤情報が印字されている。また、この第一表示部D1を他の部分から分離するための分離部2が形成されている。ラベル基材6には裏側が透明樹脂越しに見える透明領域4が形成されており、容器に入れられた薬剤を視認するのに用いられる。
【0025】
さらには、図8(c)に示す形態とすることもできる。図8(c)では、透明樹脂製のラベル基材6の裏面に印刷層10’が印刷され、透明樹脂を通して背景色を与えるようにされている。そしてその印刷層10’の裏面には粘着剤層14が塗布される。一方、ラベル基材6の表面には印刷層10によって薬剤情報が印字されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る薬剤管理用ラベルの一実施形態。
【図2】薬剤管理用ラベルを(a)アンプル(b)バイアルに貼付した状態。(c)その概略断面図。
【図3】薬剤管理用ラベルの使用方法。
【図4】図2(c)の要部拡大図。
【図5】裏面の一形態。
【図6】(a),(b)図1とは別の実施形態。(c)裏面の一形態。
【図7】図1及び図6とは別の実施形態。
【図8】図1、図6、図7とは別の実施形態。
【図9】仮に第一表示部D1と第二表示部D2が積層しなかった場合の概略断面図。
【符号の説明】
【0027】
1 薬剤管理用ラベル
2 分離部
3 突部
4 透明領域
5 第一表示部D1、第二表示部D2以外の情報を表示する部分
6 ラベル基材
7 粘着剤層(第一粘着剤層)
8 着色層
9 第二粘着剤層
D1 第一表示部
D2 第二表示部
【出願人】 【識別番号】591037476
【氏名又は名称】株式会社岩田レーベル
【住所又は居所】愛知県一宮市三ッ井5丁目15番18号
【出願日】 平成16年8月20日(2004.8.20)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫

【公開番号】 特開2006−55392(P2006−55392A)
【公開日】 平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願番号】 特願2004−240672(P2004−240672)