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【発明の名称】 マッサージ機構
【発明者】 【氏名】八木 徹
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【氏名】根本 賢良
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】製造コストの増大および質量の増大を招くことのないマッサージ機構を提供する。

【解決手段】本発明に係るマッサージ機構は、左右振動を抑制するダイナミックダンパ6を具えたシートにおいて、前記ダイナミックダンパ6の振動抑制機能を解除するマス固定手段10を設けるとともに、前記シートの背もたれ部に、着席者の背面部を押圧する突起13を設けることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右振動を抑制するダイナミックダンパを具えたシートにおいて、前記ダイナミックダンパの振動抑制機能を解除するマス固定手段を設けるとともに、前記シートの背もたれ部に、着席者の背面部を押圧する突起を設けることを特徴とするマッサージ機構。
【請求項2】
前記突起を前記シートの左右方向に延びて回転自在に支持されたシャフトの外周面上に設け、前記突起をシートの背もたれ部の前方に対して突出自在とすることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機構。
【請求項3】
前記マス固定手段と、前記シャフトとを、ベルト機構により連動させることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機構。
【請求項4】
前記シートを車体床面に対して遮断可能に連結する振動伝達機構を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマッサージ機構。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のシートに用いられるマッサージ機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のシートに、マッサージ機構を設けて、当該マッサージ機構により、着席者の要部や背中を押圧して、着席者の疲労の軽減を図る技術は従来から存在し、例えば、特許文献1に記載されているように、シートのベースフレームの両端部に上下動自在に支持された一対のブラケットと、当該ブラケットに対し回転自在に配されたロッドと、ロッドの回転軸心に対して偏心した位置で回転自在にロッドに支持された押し玉と、当該ロッドを回転させる駆動機構によりマッサージ機構を構成することが提案されている。
【特許文献1】特開2004−57674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところがこのような構成のマッサージ機構においては、前記ロッドを回転させるための駆動機構が、モータ等の原動機とその原動機の動力をロッドに伝達する動力伝達機構を含むものであるため、構造が複雑になるとともに、製造コストが高くなり、かつマッサージ機構全体の質量が増大して、車両全体の製造コストの増大および質量の増大を招くという問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、上述した課題を解決することであり、製造コストの増大および質量の増大を招くことのないマッサージ機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るマッサージ機構は、左右振動を抑制するダイナミックダンパを具えたシートにおいて、前記ダイナミックダンパの振動抑制機能を解除するマス固定手段を設けるとともに、前記シートの背もたれ部に、着席者の背面部を押圧する突起を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
これによれば、左右振動を抑制するダイナミックダンパを具えたシートにおいて、前記マス固定手段によりダイナミックダンパのマスを固定して、ダイナミックダンパの振動抑制機能を解除することにより、前記シートの背もたれ部に設けた突起が、路面からの車体に対する左右逆相の入力に起因して、シートの背もたれ部とともに左右に振動するので、これにより、当該突起が着席者の背中および腰部を含めた背面部を押圧して、着席者の疲労の軽減を図ることができる。加えて、従来技術のマッサージ機構に比して、モータ等の原動機とその原動機の動力をロッドに伝達する動力伝達機構を省略することができるので、製造コストが高くなり、かつマッサージ機構全体の質量が増大して、車両全体の製造コストの増大および質量の増大を招くという問題点を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るマッサージ機構の原理を示す模式図である。
図1に示す車両用のシートは、腰掛部1と背もたれ部2とを具え、基部3を介して、車体の床面に取り付けられている。そこに路面から左右逆相の力Fが入力されると、車体はロール方向に振動し、それに起因して、シートの背もたれ部2は図1中の矢印に示すように左右方向に振動する。
【0008】
図2は本発明に係るマッサージ機構の前提となるシートの構造を示す模式図である。
図2中、4はシートの背もたれ部を構成するベースフレームを、5は、腰掛部を構成するベースフレームを示し、ベースフレーム4とベースフレーム5とは相互にヒンジ連結されている。上述したような、車両用シートの背もたれ部の左右振動を低減するために、図2に示すようにダイナミックダンパ6が、シートの背もたれ部を構成するベースフレーム5の車幅方向外側の上部に設けられている。
【0009】
図3は本発明に係るマッサージ機構の前提となるダイナミックダンパの構造を示す模式図である。
ダイナミックダンパ6は、箱状のケーシング7の上面と下面に、上下一対のゴム等よりなる弾性部材8を介してマス9を連結することにより構成され、図3中に示すように、左右方向の振動が加わった場合に、マス9が左右に振動して、ダイナミックダンパ6を取り付けた対象、ここではシートの背もたれ部の左右振動を抑制する。
【0010】
図4は本発明に係るマッサージ機構の一実施形態を示す模式図である。
以上述べたような左右振動を抑制するダイナミックダンパ6を具えたシートにおいて、前記ダイナミックダンパ6の振動抑制機能を解除するマス固定手段10を設ける。(請求項1の前段に相当)
【0011】
ここでは、マス固定手段10は左右方向に延びて回転自在に支持されるマスシャフト11に、楕円状の左右一対の止め板12を前記マス9の左右方向の幅だけ離隔させながら接合して構成され、このマスシャフト11を回転させることにより、止め板12をマス9の左右端面に左右方向にオーバーラップさせて、ダイナミックダンパ6の振動抑制機能を解除することと、逆方向にシャフトを回転させることにより、止め板12をマス9の左右端面に左右方向にオーバーラップさせないで、ダイナミックダンパ6の振動抑制機能を生かすこととを選択することができる。
【0012】
これととともに、前記シートの背もたれ部に、着席者の背面部を押圧する突起13を設ける。(請求項1の後段に相当)
【0013】
請求項1に相当する構成によれば、左右振動を抑制するダイナミックダンパ6を具えたシートにおいて、前記マス固定手段10によりダイナミックダンパ6のマス9を固定して、ダイナミックダンパ6の振動抑制機能を解除することにより、前記シートの背もたれ部に設けた突起13が、路面からの車体に対する左右逆相の入力に起因して、シートの背もたれ部とともに左右に振動するので、これにより、当該突起13が着席者の背中および腰部を含めた背面部を押圧して、着席者の疲労の軽減を図ることができる。
加えて、従来技術のマッサージ機構に比して、モータ等の原動機とその原動機の動力をロッドに伝達する動力伝達機構を省略することができるので、製造コストが高くなり、かつマッサージ機構全体の質量が増大して、車両全体の製造コストの増大および質量の増大を招くという問題点を解消することができる。
【0014】
さらに、前記突起13は前記シートの左右方向に延びて回転自在に支持されたシャフト14の外周面上に設け、前記突起13をシートの背もたれ部の前方に対して突出自在とする。(請求項2に相当)
【0015】
請求項2に相当する構成によれば、シャフト14を両方向に回転させることにより、突起13を背もたれ部の前方に対して突出させることと、突出させないことを選択可能とすることができ、マッサージ機能が不要な場合に、着席者が突起13により違和感を覚えることを防止することができる。
【0016】
加えて、前記マス固定手段7と、前記シャフト14とを、ベルト機構15により連動させる。(請求項3に相当)
【0017】
請求項3に相当する構成によれば、ダイナミックダンパ6の振動抑制機能を解除し、前記突起13をシートの背もたれ部の前方に突出させることを、同時に行うことができ、当該マッサージ機構の使い勝手を向上することができる。
【0018】
ここでは、当該ベルト機構15は、シートの背もたれ部を構成するベースフレーム4と、シートの腰掛部を構成するベースフレーム5とのヒンジ連結部分と同軸に回転自在に設けられた操作プーリ16と、前記シャフト14の車幅方向端に固定された突起プーリ17と、前記シャフト9の車幅方向外側端に固定されたマスプーリ18とを、ベルト19により相互に駆動連結することにより構成される。操作プーリ16には操作レバー20が設けられる。
【0019】
図4に示す構成では、当該マッサージ機構を動作させない状態において、操作レバー20は、車両後方に指向する位置とし、突起13は、シートの背もたれ部を構成するベースフレーム4の平面に平行な方向に指向する位置とし、さらに、楕円状の止め板12は下方に指向する向きとしている。
【0020】
ここから、操作レバー2を上方に指向するように着席者が操作すると、操作プーリ16は車幅方向外側から見て反時計回りに略90度回転し、突起プーリ17とマスプーリ18はベルト19により連動されてこれも車幅方向外側から見て反時計回りに略90度回転する。これにともない、突起13は背もたれ部の前方に指向する位置に移動されて、背もたれ部の内方から外方に向けて突出するとともに、止め板12は、マス9の左右端面に左右方向にオーバーラップする位置に移動されて、マス9を左右方向に固定して、ダイナミックダンパ7の振動抑制機能を解除して、当該マッサージ機構を動作させる。
【0021】
図5は、本発明に係るマッサージ機構の他の実施形態を示す模式図である。
シートおよびマッサージ機構の主要な構成は、図4に示したものと同様であるので、適宜図示は省略している。ここでは、前記操作プーリ16に、操作レバー20により、当該マッサージ機構を動作させる場合に、車体床面に接触する振動伝達バー21を設ける。この振動伝達バー21は、前記シートを車体床面に対して遮断可能に連結する振動伝達機構に相当するものである。(請求項4に相当)
【0022】
請求項4に相当する構成によれば、本発明に係るマッサージ機構を動作させる場合に、操作レバー20の操作により、当該振動伝達バー21の先端を図示しない車体床面に接触させて、車体床面からの振動をシートに積極的に伝達することができるため、当該マッサージ機構のマッサージ機能を高めることができる。
【0023】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のマッサージ機構は、乗用車に用いて好適なものであり、モータ等の原動機や駆動力の伝達機構を設けることなく、構成できて、車両全体の重量増大やコスト増大を招くことを防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本発明に係るマッサージ機構の原理を示す模式図である。
【図2】本発明に係るマッサージ機構の前提となるシートの構造を示す模式図である。
【図3】本発明に係るマッサージ機構の前提となるダイナミックダンパの構造を示す模式図である。
【図4】本発明に係るマッサージ機構の一実施形態を示す模式図である。
【図5】本発明に係るマッサージ機構の他の実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0026】
1 背もたれ部
2 腰掛部
3 基部
4 ベースフレーム(背もたれ部)
5 ベースフレーム(腰掛部)
6 ダイナミックダンパ
7 ケーシング
8 弾性手段
9 マス
10 マス固定手段
11 マスシャフト
12 止め板
13 突起
14 シャフト
15 ベルト機構
16 操作プーリ
17 突起プーリ
18 マスプーリ
19 ベルト
20 操作レバー
21 振動伝達バー
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100101096
【弁理士】
【氏名又は名称】徳永 博

【識別番号】100086645
【弁理士】
【氏名又は名称】岩佐 義幸

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100119530
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 和幸

【公開番号】 特開2006−320534(P2006−320534A)
【公開日】 平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願番号】 特願2005−146620(P2005−146620)