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【発明の名称】 電磁弁
【発明者】 【氏名】中尾 春樹
【住所又は居所】東京都大田区仲池上2丁目9番4号 日東工器株式会社内

【要約】 【課題】電磁弁における通路開閉を確実にすると共に、電磁ソレノイドの冷却、作動音低減、小型化をはかる。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状壁、該筒状壁の両端を閉じる第1及び第2端壁、該第1端壁を貫通する第1開口、第2端壁を貫通する第2開口、該第1及び第2端壁の間の位置で該筒状壁を貫通する第3開口を有するハウジングと、
該ハウジング内に該ハウジングと同軸状にして設けられた電磁ソレノイドと、
アーマチュア、及び、第1弁体及び第2弁体を有し、該電磁ソレノイドの作動により該アーマチュアが吸引されて該筒状壁の軸線方向で変位される可動弁であって、該第1弁体が該第1開口を開くと共に該第2弁体が該第2開口を閉じて該第1開口と該第3開口とを連通状態とする第1位置と、該第1弁体が該第1開口を閉じると共に該第2弁体が該第2開口を開いて該第2及び該第3開口を連通状態とする第2位置との間で変位可能とされた可動弁と、
を有し、
第2弁体が、該可動弁の変位方向において該第2開口に向うに従い半径方向外側に広がる形状となされた可撓性弁座係合部を有し、該可動弁が該第2位置になるときに、該可動性弁座係合部が該第2開口の周りの弁座と係合することにより半径方向に拡がるように弾性変形しながら該弁座に対する所定の位置まで近づくようにした
ことを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
該可動弁を該第2位置に向けて付勢するバネ部材を有し、
該可動弁が、該電磁ソレノイドの軸線に沿う貫通孔を貫通して延びるロッドを有し、
該アーマチュアが、該電磁ソレノイドよりも該第1弁体側に固定され、該電磁ソレノイドが通電されたときに、該電磁ソレノイドの端面に吸着係合されて、該可動弁を該第1位置とする
ことを特徴とする請求項2に記載の電磁弁。
【請求項3】
弁座に対して係合・係合解除することにより弁座によって囲まれた流路の開閉を行う弁体を備える可動弁と、
該弁体が弁座と係合・係合解除するように該可動弁を変位させるための電磁ソレノイドと、
を有する電磁弁であって、
該弁体が、該可動弁の変位方向において該弁座に向うに従い半径方向外側に広がる形状となされた可撓性弁座係合部を有し、該弁体が弁座に近づき係合する際に、該弁座係合部が弁座と係合することにより半径方向に拡がるように弾性変形しながら弁座に対する所定の位置まで近づくようにした
ことを特徴とする電磁弁。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁に関し、特に、人間の上肢や下肢などの周りに取り付けられ、加圧空気を供給排出されることにより膨張収縮してマッサージ作用を行う空圧式マッサージ具と、該空圧式マッサージ具への加圧空気源(エアポンプ)を備え、空圧式マッサージ具装着者の近くに置かれるマッサージ器本体と、を有する空圧式マッサージ器などに用いるのに適した小型の電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
空圧式マッサージ器は、通常、人体に装着する空圧式マッサージ具が、それぞれ加圧空気を供給排出されて膨張収縮する複数の気密室を有し、マッサージ器本体が気密室の数に応じた数の三方電磁弁を備え、各電磁弁とそれに対応する気密室とがそれぞれ別のホースによって連通され、該電磁弁を介して該気密室への加圧空気供給、気密室から加圧空気排出が行われるようになっている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2000−189477号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、使用者が装着する空気式マッサージ具と、マッサージ器本体との間には、気密室の数に応じたホースが設けられることになり、取り扱いが面倒になる。また、気密室から排気する場合に該気密室から排気される空気は、マッサージ器本体の電磁弁を通して行われるので、電磁弁までのホースにおける流路抵抗のために迅速な排気が難しい。従って、電磁弁はマッサージ器本体ではなく、人体に装着する空気式マッサージ具に設ければ、流路抵抗を解消することができ、また、ホースも多数本ではなく1本のホースとすることが可能となる。
この場合、電磁弁は、小型軽量なものが求められる。また、作動中に生じる電磁ソレノイドの温度上昇や、作動音を抑えることも望まれる。
本発明は、このような要求に適合した電磁弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明は、
筒状壁、該筒状壁の両端を閉じる第1及び第2端壁、該第1端壁を貫通する第1開口、第2端壁を貫通する第2開口、該第1及び第2端壁の間の位置で該筒状壁を貫通する第3開口を有するハウジングと、
該ハウジング内に該ハウジングと同軸状にして設けられた電磁ソレノイドと、
アーマチュア、及び、第1弁体及び第2弁体を有し、該電磁ソレノイドの作動により該アーマチュアが吸引されて該筒状壁の軸線方向で変位される可動弁であって、該第1弁体が該第1開口を開くと共に第2弁体が該第2開口を閉じて第1開口と第3開口とを連通状態とする第1位置と、該第1弁体が該第1開口を閉じると共に第2弁体が該第2開口を開いて第2及び第3開口を連通状態とする第2位置との間で変位可能とされた可動弁と、
を有し、
第2弁体が、該可動弁の変位方向において該第2開口に向うに従い半径方向外側に広がる形状となされた可撓性弁座係合部を有し、該可動弁が該第2位置になるときに、該可撓性弁座係合部が該第2開口の周りの弁座と係合することにより半径方向に拡がるように弾性変形しながら該弁座に対する所定の位置まで近づくようにした
ことを特徴とする電磁弁を提供する。
【0005】
この電磁弁を、例えば前述の如き空圧式マッサージ器に用いる場合には、第1開口を加圧空気源としての空気ポンプに接続し、第2開口を大気に連通した排気口とし、第3開口を、人間の上肢や下肢などに装着され、加圧空気を供給排出されることにより膨張収縮してマッサージ作用を行う空圧式マッサージ具の気密室に接続する。
【0006】
可動弁が第1位置とされたときには、加圧空気が第1開口及び第3開口を通して気密室に供給されて、空圧式マッサージ具を膨張させ、同可動弁が第2位置とされたときには、加圧空気の供給は遮断されて、気密室から加圧空気が第3及び第2開口を通して外部へ排出され、空気式マッサージ具が収縮する。
【0007】
この電磁弁においては、第2弁体が上記の如き可撓性弁座係合部を有するので、弁座係合部の弁座に対する圧縮代を大きくすることが出来る。
【0008】
すなわち、弁座係合部は、弁座に係合するように全体として環状とされ、その半径方向での断面は、通常は、半円状としたものが多い。その様なものでは、弁座係合部が弁座と係合するときには、弁座に対する押圧力によりある程度は弾性変形するが、圧縮代すなわち、弁座に押圧されて弾性変形する大きさを余り大きくすることが出来ない。
【0009】
マッサージ器の気密室への加圧空気の供給を確実適正に行うためには、排気口としての第2開口を確実に閉止する必要があり、このため、弁座に対する弁座係合部の押圧力与えるための電磁ソレノイドをそれなりに大きなものとする必要があり、前述した空圧式マッサージ具などへの装着のために小型化を計るには支障となる。
【0010】
これに対して、本発明においては弁座係合部の圧縮代を大きくすることが出来る、換言すれば、小さな押圧力で弁座係合部の弁座に対する圧縮変形を伴う係合を可能とすることができ、弁座との適正な密封係合が可能となる。このため、電磁ソレノイドを小型軽量のものとすることができ、従って、前述の所期の目的を達成することが可能となる。
【0011】
また、電磁ソレノイドをハウジング内に収納したので、この点でも、当該電磁弁のサイズを小型化することができる。
【0012】
更に、この電磁弁においては、それが作動されるときに、電磁ソレノイド及び可動弁が収納されているハウジング内を加圧空気が流れるので、該電磁弁の強制冷却が行われ、また、アーマチュアの衝突音の外部への漏れを抑えることができる。
【0013】
本発明に係る電磁弁は、より具体的には、
可動弁を第2位置に向けて付勢するバネ部材を有し、
可動弁が、電磁ソレノイドの軸線に沿う貫通孔を貫通して延びるロッドを有し、
アーマチュアが、電磁ソレノイドよりも第1弁体側に固定され、該電磁ソレノイドが通電されたときに、電磁ソレノイドの端面に吸着係合されて、可動弁を該第1位置とする
ようにすることができる。
【0014】
すなわち、電磁ソレノイドが作動してアーマチュアが吸引された場合、該アーマチュアが電磁ソレノイドの端面に係合されないで、隙間の開いた状態で止まった場合、アーマチュアに対する電磁ソレノイドの磁気吸着力は最大とはならず、このため、可動弁が反力により押し戻される可能性がある。すなわち、アーマチュアは、可動弁が第1位置にされて第2弁体が弁座と係合する状態となった状態で、電磁ソレノイドの端面に係合するようになることが望まれる。しかし、アーマチュアや可動弁体などの組立による製造誤差の集積などで、アーマチュアをその様な状態にすることは難しい。このような場合、通常の方法では、電磁ソレノイドを大型のものとしてアーマチュアへの磁気吸引力を大きくし、第2弁体の弁座係合部の弁座への圧縮代を大きくすることにより製作誤差の集積を吸収するようにせざるを得ない。
【0015】
これに対し、本発明では、第2弁体の弁座係合部を前述の如くしたので、電磁ソレノイドを大きくせずに、可動弁が第1位置となったときにアーマチュアが電磁ソレノイドの端面に係合するようにすることが出来る。
【0016】
また、本発明は、基本的には、
弁座に対して係合・係合解除することにより弁座によって囲まれた流路の開閉を行う弁体を備える可動弁と、
該弁体が弁座と係合・係合解除するように該可動弁を変位させるための電磁ソレノイドと、
を有する電磁弁であって、
該弁体が、該可動弁の変位方向において該弁座に向うに従い、半径方向外側に広がる形状となされた可撓性弁座係合部を有し、該弁体が弁座に近づき係合する際に、該弁座係合部が弁座と係合することにより半径方向に拡がるように弾性変形しながら弁座に対する所定の位置まで近づくようにした
ことを特徴とする電磁弁を提供する。
【0017】
すなわち、電磁弁における可動弁の弁座への確実な密封係合は、前述の、空圧式マッサージ装置に限らず、必要とされるものである。本発明では、弁体を前述の如くすることにより、それを可能としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る電磁弁は、以上のように、電磁ソレノイドを大きなものとすることなしに、可動弁体の弁座係合部の形態を改良することにより、当該可動弁体の弁座への係合を適正確実なものとすることができる。従って、また、小型軽量で、前述したような人体へ装着される空圧式マッサージ器などでの使用に適した電磁弁を提供することが出来る。
【0019】
更に、可動弁及び電磁ソレノイドをハウジング内部に設定する構成としたことによっても、小型の電磁弁を可能とし、また、操作音の遮音、当該ハウジング内部を流れる空気による電磁ソレノイドの強制冷却等の効果も奏することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る電磁弁の実施形態につき添付図面に基づき説明する。
【0021】
図示の電磁弁10は、筒状のハウジング12と、該ハウジングに設けられた電磁ソレノイド14と、ハウジング12内に設けられ該電磁ソレノイドの作動によってハウジングの軸線方向で変位する可動弁16とを有している。
【0022】
ハウジング12は、筒状壁18、第1端壁20、及び、第2端壁22を有している。第1端壁20には第1開口24、第2端壁には第2開口26、筒状壁18には第3開口28が、それぞれを貫通するように設けられている。
【0023】
この電磁弁は、例えば空気圧式マッサージ器(図示せず)に使用されるものであり、第1開口24は、マッサージ器のポンプに連通され、第3開口28はポンプからの加圧空気の供給排出を受けてマッサージ器の膨張収縮を行うための気密室に連通されており、第2開口26は大気に連通されている。
【0024】
図示の例では、ハウジング12の第1端壁20に逆止弁30が取り付けられており、第1開口24は該逆止弁30を介してポンプに連通されるようになされている。すなわち、該逆止弁30は、ハウジング12に同軸状に連結された筒状ハウジング32と、該筒状ハウジング32の端壁に設けられたポンプ連通開口34に同軸状にして取り付けられた円錐状逆止弁部材36(図2)とを有している。逆止弁部材36は、ゴムなどの可撓性部材によって形成されており、図2に示す状態で、気密室よりポンプ側の圧力が低い場合は、先端部分が閉じて、内部を通る通気路を遮断し、図1に示す状態で、ポンプからの加圧空気を通すときには該通気路を開放するようになっている。
【0025】
ハウジング12には、筒状壁18の内面に環状のコイル支持壁40が形成されており、電磁ソレノイド14がハウジング12に対して同軸状にして固定されている。図3に示すように、コイル支持壁40には、一対の通気口41が貫通するように設けられている。
【0026】
可動弁16は、該電磁ソレノイドの軸線に沿う貫通孔を貫通して延びるロッド42と、電磁ソレノイド14よりも第1開口24側で該ロッド42に固定された円盤状で鉄などの磁性材料から形成されるアーマチュア44と、ロッド42の両端に設けられた第1弁体46及び第2弁体48とから構成されている。第1弁体46は、ロッド42の端部に嵌合されて左端にフランジ50を有する筒状の弁体保持材52と、フランジ50の周りに嵌合されたゴムなどの可撓性材料からなる全体として円盤状の弁部材54とからなる。弁部材54は、第1開口24に対向する面に環状に突出した、半径方向断面がほぼ半円形の弁座係合部56を有している。第2弁体48は、第1弁体46の弁体保持材52と同様の弁体保持体58を備えるが、バネ受け部59が設けられており、第2端壁22との間に圧縮バネ60を保持し、可動弁16を第1端壁に向けて付勢している。第2弁体48は、また、第1弁体46と同様の弁部材62を備えるが、第2端壁22に対向する面に設けられる弁座係合部64が、第2端壁22に向うに従い半径方向外側に広がる円錐形状とされている。
【0027】
電磁弁10は、以上のような構成を有しており、電磁ソレノイド14が通電されていないときには、可動弁16が圧縮バネ60により図2に示す位置とされ、第1弁体46の環状突起56が第1端壁20に押圧されて第1開口24を閉じ、第2弁体48が第2端壁22から離れて第2開口26を開いた状態とされる。従って、このときはポンプからの加圧空気の供給は停止され、マッサージ器の気密室にあった加圧空気は第3開口28及び第2開口26を介して排気される状態にある。
【0028】
これに対して電磁ソレノイド14が通電されると、それにより発生する磁力によりアーマチュア44は電磁ソレノイド14の端面に吸着され、可動弁16を第2端壁に向けて動かし、図1に示す状態とする。この状態では、第2弁体48の環状の弁座係合部64が第2開口26の周りの第2端壁22内面(すなわち弁座)に弾性変形しながら押圧されて第2開口26を閉じ、第1弁体46が第1端壁20から離れて第1開口24が開いた状態とされる。従って、このときはポンプからの加圧空気の供給は第1開口24及び第3開口28を介してマッサージ器の気密室に供給される。
【0029】
電磁ソレノイド14への通電を周期的に行うことにより、可動弁16は往復動され、マッサージ器の気密室への加圧空気の供給排気が周期的に行われる。逆止弁部材36は気密室から加圧空気がポンプ側に逆流するのを防止する。
【0030】
以上から分るように、図示の電磁弁では、第2弁体48の弁部材がゴムなどの可撓性材により形成され、第2開口26の周りの弁座(すなわち、第2端壁内面)と係合・係合解除して第2開口26の開閉を行う第2弁体の弁座係合部64が、第2端壁に向うに従って半径方向に広がる円錐形状とされているので、図1に示す第2開口閉止位置とされるときの当該弁座係合部64の圧縮代が大きく、従って、アーマチュア44が電磁ソレノイド14に完全に吸引密着されるように設定すると共に、第2弁体が第2開口26を適正に閉止するように設定することが容易となる。

【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る電磁弁の一実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】図1の電磁弁において、可動弁が変位された状態を示す縦断側面図である。
【図3】図2のIII―III線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0032】
10 電磁弁
12 ハウジング
14 電磁ソレノイド
16 可動弁
18 筒状壁
20 第1端壁
22 第2端壁
24 第1開口
26 第2開口
28 第3開口
30 逆止弁部材
32 筒状ハウジング
34 ポンプ連通開口
36 円錐状逆止弁部材
40 コイル支持壁
41 通気口
42 ロッド
44 アーマチュア
46 第1弁体
48 第2弁体
50 フランジ
52 弁体保持材
54 弁部材
56 弁座係合部
58 弁体保持体
59 バネ受け部
60 圧縮バネ
62 弁部材
64 弁座係合部
【出願人】 【識別番号】000227386
【氏名又は名称】日東工器株式会社
【住所又は居所】東京都大田区仲池上2丁目9番4号
【出願日】 平成17年7月1日(2005.7.1)
【代理人】 【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂

【公開番号】 特開2006−305294(P2006−305294A)
【公開日】 平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願番号】 特願2005−193760(P2005−193760)