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【発明の名称】 歩行補助具
【発明者】 【氏名】河田 一弘

【要約】 【課題】身体の足部側面に装着することにより、歩行時の体重を支持して足腰への負担を軽減することができ、足腰に負担がかかると通常の歩行が思うようにいかない人が、両手を開放した状態で通常に近い歩行が可能となる歩行補助具を提供する。

【解決手段】腰部ベルト2に取付ける腰部材3に上部脚部材5を第一の関節4で接続し、この上部脚部材5の下端に下部脚部材8を第二の関節6で接続し、腰部材3と上部脚部材5及び下部脚部材8の伸直状態で足腰に負担がかからないように体重を支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部を腰部ベルトに取付ける腰部材と、この腰部材の下端部に第一の関節を介して取付けた上部脚部材と、この上部脚部材の下端部に第二の関節を介して取付けられ、その下端が接地部となる下部脚部材とからなり、伸直状態の前記腰部材と上部脚部材及び下部脚部材によって体重を支持するようにした歩行補助具。
【請求項2】
上記下部脚部材が、長さ方向に伸縮調整可能になっている請求項1に記載の歩行補助具。
【請求項3】
上記腰部材の上端部に、脇を支えるための補助具を取付けた請求項1又は2に記載の歩行補助具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、足腰の疾病等により歩行が困難な人の足腰にかかる体重を軽減し、足腰に負担をかけないようにすることで円滑な歩行を可能にする歩行補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、関節痛、足腰が弱る老化現象、怪我等が原因のため、足に負担がかかると通常の円滑な歩行が思うようにいかない人は、歩行時に杖や松葉杖を補助具として用い、歩行時に足腰にかかる体重をこれら杖や松葉杖で支持することによって足腰の負担を軽減するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の杖は手に持って歩行するので、体重の支持には不十分であり、どうしても足腰に負担がかかり、立っている時には全体重が足腰に加わり、通常の円滑な歩行が思うようにいかない人に対してはあまり効果がないと共に、少なくとも片手がふさがってしまうことになり、とっさの時に両手が使えないことは不便である。
【0004】
また、松葉杖は、両側の脇や両手で体重を支持するので足腰への負担軽減に有効ではあるが、使用時には必然的に両手がふさがってしまい、とっさの時に両手が使えない不便があるだけでなく、杖を前及び後ろに動かした場合、自分の全体重は自分の足腰で支えることになり、このため、松葉杖の使用は比較的体力を必要とし、膝、腰の悪い人には使いにくいという問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、身体の足部側面に装着することにより、歩行時の体重を支持して足腰への負担を軽減することができ、足腰に負担がかかると通常の円滑な歩行が思うようにいかない人が、両手を開放した状態で通常に近い歩行が可能となる歩行補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決するため、この発明は、上端部を腰部ベルトに取付ける腰部材と、この腰部材の下端部に第一の関節を介して取付けた上部脚部材と、この上部脚部材の下端部に第二の関節を介して取付けられ、その下端が接地部となる下部脚部材とからなり、伸直状態の前記腰部材と上部脚部材及び下部脚部材によって体重を支持するようにした構成を採用したものである。
【0007】
上記下部脚部材は、長さ方向に伸縮調整可能になっている構造とし、使用する人の身長に対応する上下長さにセットできるようにしたり、上記腰部材の上端部に、脇を支えるための補助具を取付け、体重の大きい人、また、腰、膝の特に悪い人の体重支持が行えるようにするのが好ましい。
【0008】
ここで、体重の大きな人、足腰の特に悪い人には、腰部ベルトに両側から股間にかける股間ベルトを設け、体重の支持が効果的に行えるようにすると共に、上記腰部材と上部脚部材、下部脚部材及び補助具は、体重を支持できる強度のある硬質材料の板材やパイプを用いて形成されている。
【0009】
上記第一の関節と第二の関節は、球体とこれを回転可能に包持する外包体からなる球形ヒンジを用いて伸直状態から折れ曲がりが可能となるよう形成され、必要に応じてこの関節にはばねによって伸直状態を維持する方向の弾性が付与された構造にしてもよい。
【0010】
また、足に装着した状態で、上部脚部材は大腿部に、下部脚部材は脛部にそれぞれベルトで固定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によると、身体の足部側面に装着することにより、歩行時の直立状態において、腰部ベルトと接地部の間で腰部材と上部脚部材及び下部脚部材が伸直し、歩行時の足にかかる体重を有効に支持することができ、かつ、腰部材と上部脚部材及び下部脚部材は、第一の関節と第二の関節によって歩行時の足の屈伸に追従するようになっているので、足への体重の負担を軽減すると同時に足の動きを阻害することがなく、立っている時にも体重を支持することができるので、足腰に体重がかからないようにすることができ、足に負担がかかると通常の円滑な歩行が思うようにいかない人が、両手を開放した状態で通常に近い歩行が可能となる。
【0012】
また、下部脚部材を長さ方向に伸縮調整可能にすることによって、使用する人の身長に対応する上下長さにセットでき、更に、腰部材の上端部に脇を支えるための補助具を取付けることにより、体重の大きい人、腰、膝の特に悪い人の体重支持が確実に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0014】
図示のように、歩行補助具1は、腰部ベルト2と、上端部をこの腰部ベルト2に取付ける腰部材3と、この腰部材3の下端部に第一の関節4を介して取付けた上部脚部材5と、この上部脚部材5の下端部に第二の関節6を介して取付けられ、その下端部に接地部7を有する下部脚部材8とによって形成され、体重の大きい人、また、腰、膝の特に悪い人の体重支持がより確実に行えるよう、腰部材3の上端部に、脇を支えるための補助具9をビス止め等によって取付けることができるようになっている。
【0015】
上記腰部ベルト2は、腰部に着脱自在に巻着するものであり、体重の大きな人、足腰の特に悪い人のために、厨子のように両側から股間にかける股間ベルトを設け、体重の支持が効果的に行えるようにすることができる。
【0016】
上記腰部材3と上部脚部材5、下部脚部材8及び補助具9は、体重を支持できる強度のある硬質材料の合成樹脂やセラミック、金属、木材等のパイプや板材を用い、人の足Aにおける前後の幅に納まる程度の幅で上下に長く形成され、腰部材3の上端は腰部ベルト2に、ベルト挿通環を用いたり鋲止め等の手段で固定されている。
【0017】
上記腰部材3は、人の腰部から腰部と大腿部の関節部間に見合う程度の上下長さを有し、上部脚部材5は、腰部と大腿部の関節部と膝の関節部間に見合う上下長さを有し、下部脚部材8は、膝の関節部から足裏間に見合う上下長さを有し、その下端部に、履物Bの土踏まずの部分に位置させた状態で下面を接地させることのできる接地部7が内方に屈曲するよう設けられて、また、補助具9は腰部材3に下端を取付けた状態で上端の受け部が脇の下に当接する程度の高さ寸法になっている。
【0018】
上記下部脚部材8は、上下の長さが調整可能となり、歩行補助具1の上下長さ寸法を使用する人の下半身の寸法条件に合わせてセットすることができるようになっている。
【0019】
この上下の調整は、下部脚部材8を上下に分割し、上側の下部脚部材8aと下側の下部脚部材8bの重なり部分をボルト10で結合し、この結合位置を上下に選ぶことにより、下部脚部材8の上下の長さを調整することができるようになっている。
【0020】
上記第一及び第二の関節4と6は、図4に例示するように、球体11とこれを回転可能に包持する外包体12からなる球型ヒンジを用い、腰部材3と上部脚部材5及び上部脚部材5と下部脚部材8を上下伸直状態から全方への折れ曲がりと360°の回転を許容するように結合した構造になっている。
【0021】
上記第一及び第二の関節4と6は、ねじ込みによる取付け部分の回動によって、歩行補助具1の上下長さの調節が可能になり、また、必要に応じてこの関節4と6にはばねによって伸直状態を維持する方向の弾性を付与するようにしてもよい。
【0022】
なお、歩行補助具1の足に対する装着状態を安定化させるため、上部脚部材5は足Aの大腿部に、下部脚部材8は足Aの脛部にそれぞれベルト13で固定するようにしてもよい。
【0023】
また、図1と図3のように、歩行補助具1は両側の足Aに装着するものであるが、足腰の状態によっては片側の足に装着するようにしてもよい。
【0024】
この発明の歩行補助具1は、上記のような構成であり、足に負担がかかると通常の円滑な歩行が思うようにいかない人の両側の足Aの外側面に装着する。
【0025】
歩行補助具1は使用する人の条件に合わせて上下の長さを調整してセットし、腰部材3の上端を取付けたベルト2を腰部に巻着し、歩行補助具1を両側の足Aの外側面に沿わすように配置し、上部脚部材5を足Aの大腿部に、下部脚部材8を足Aの脛部にそれぞれベルト13で固定する。
【0026】
また、図3のように、体重の大きい人、腰、膝の特に悪い人の体重支持がより確実に行えるように、腰部材3の上端部に、脇を支えるための補助具9を取付けるようにするのが好ましい。
【0027】
図1と図3のように、装着した人が直立するとき、歩行補助具1は、接地部7が地面に接地することになり、図2のように、腰部ベルト2と接地部7の間で腰部材3と上部脚部材5、下部脚部材8及び補助具9が伸直して一本の杖状となり、腰部ベルト2や補助具9に加わった体重を伸直した歩行補助具1で支持することができ、足腰にかかる体重を軽減することができる。
【0028】
この状態で歩行すると、足Aの屈伸に合わせて腰部材3と上部脚部材5及び下部脚部材8が、図4で例示するように、第一の関節4と第二の関節6の部分で屈伸することになり、体重の加わる足Aの伸直時には歩行補助具1も伸直状態となるので、体重を支えることで足腰への負担を軽減することができ、足腰に痛みを生じさせることがない。
【0029】
足Aの屈伸時において、第一の関節4は腰と大腿部の関節に、第二の関節6は大腿部と脛部の膝関節に見合う位置にあるので、腰部材3と上部脚部材5及び下部脚部材8は足Aの屈伸に違和感なく追従し、これによって通常と変わりなく歩行することができる。
【0030】
上記歩行補助具1は、腰部材3と上部脚部材5及び下部脚部材8が、第一の関節4と第二の関節6の部分で屈伸するので、足Aの折り曲げ時に足Aの折り曲げ状態に沿うことになり、従って、歩行補助具1を装着した状態のままで椅子等に腰をかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】歩行補助具の足に装着した使用状態の正面図
【図2】同上の側面図
【図3】補助具を取付けた歩行補助具を足に装着した使用状態の正面図
【図4】歩行補助具の関節部分の構造を示す折り曲げ状態の拡大した一部切り欠き側面図
【符号の説明】
【0032】
1 歩行補助具
2 腰部ベルト
3 腰部材
4 第一の関節
5 上部脚部材
6 第二の関節
7 接地部
8 下部脚部材
9 補助具
10 ボルト
11 球体
12 外包体
13 ベルト
【出願人】 【識別番号】594010973
【氏名又は名称】河田 一弘
【出願日】 平成17年5月2日(2005.5.2)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由

【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博

【公開番号】 特開2006−305225(P2006−305225A)
【公開日】 平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願番号】 特願2005−134270(P2005−134270)