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【発明の名称】 血行促進装置
【発明者】 【氏名】内田 聡
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【氏名】長田 光司
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【氏名】氏家 良彦
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【要約】 【課題】血行促進装置において、簡易な構成でもって、スチーム発生槽内のヒータ部にスケールの付着がなく、温浴槽内にスチームと炭酸ガスとを噴出させて身体を部分加温するとともに炭酸ガスを生体に作用させ、高い血行促進効果を実現する。

【解決手段】水を加熱して蒸気化するためのヒータ31を有するスチーム生成部3と、炭酸塩と酸からなる剤を化学反応させ炭酸ガスを発生させる炭酸ガス生成部4とを備え、スチーム生成部3を形成するスチーム発生槽32と、炭酸ガス生成部4を形成する剤反応槽42とがそれぞれ別の槽から構成される。これにより、血行促進効果を高めることができる。しかも、ヒータ部に剤のスケールが付着することがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部が挿入される温浴槽内に、水を蒸気化したスチームと炭酸ガスとを噴出させて身体を部分加温するとともに炭酸ガスを生体に作用させる血行促進装置であって、
水を加熱して蒸気化するためのヒータを有するスチーム生成部と、
炭酸塩と酸からなる剤を化学反応させ炭酸ガスを発生させる炭酸ガス生成部とを備え、
前記スチーム生成部を形成する槽(以下、スチーム発生槽という)と前記炭酸ガス生成部を形成する槽(以下、剤反応槽という)とがそれぞれ別の槽から成り、前記スチーム発生槽と前記剤反応槽とが接していることを特徴とする血行促進装置。
【請求項2】
前記スチーム発生槽と前記剤反応槽の接部が熱良導体であること特徴とする請求項1に記載の血行促進装置。
【請求項3】
前記スチーム発生槽からのスチームの流路が分岐し、前記剤反応槽に流れ込む構造を有することを特徴とする請求項1に記載の血行促進装置。
【請求項4】
前記スチームの流路の分岐後にスチームの流入を制御する弁を有することを特徴とする請求項3に記載の血行促進装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の一部を暖めることにより、血行促進及び冷えの改善に有効な血行促進装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血行促進や冷えの改善を目的としたサウナ浴があるが、より手軽に身体を部分的に暖めることができる機器として、手や足を湯に浸して加温することにより血行を良くする足浴器、手足風呂等がある。このような機器では、衣服を捲って使用するため、身体の加温しない部分まで露出させるので、使用中に湯のぬるさ、肌寒さなどを感じることがあった。更に、これらは加温することのできる身体範囲が湯量の関係で制限されており、加温効果を高めようとすると、加温部位を広げるために多量の湯量を必要とする。この場合には、湯の準備、湯の入れ・棄ての作業が面倒になる。
【0003】
このような問題を解消するために、多量の湯を必要としないものとして、例えば、特許文献1に示されているような温浴器が提案されている。しかし、このような温浴器においても、温熱付与のみでは保温効果が持続しないため、さらに温浴効果を高めたいという課題がある。
【0004】
また、炭酸泉に入浴することにより、炭酸ガスを経皮吸収させて毛細血管を拡張させ、血行促進効果や保温効果を高めることが知られている。しかしながら、炭酸泉に入浴するには、全身入浴となるため、炭酸ガスを大量に供給する必要がある。
【0005】
また、特許文献2に示されるように、炭酸ガス生成手段として、炭酸ガスボンベや、燃焼器の排ガスから炭酸ガスを回収し分離濃縮する装置や、空気中の炭酸ガスを炭酸ガス選択透過膜により分離濃縮する装置が知られている。炭酸ガスボンベを使用する場合、高圧容器の取り扱いが煩わしく、また、その他のいずれも複雑な構成を有していて装置が大型になってしまう。
【0006】
そこで、特許文献3に示されるように、炭酸塩と酸からなる剤を、ヒータを有する槽内で化学反応(吸熱反応)させて、炭酸ガスを発生させる装置が知られている。
【特許文献1】特開2003−310699号公報
【特許文献2】特開2002−282316号公報
【特許文献3】特開2002−143867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、本件出願人は、上記特許文献1に示されるような温浴器はスチーム発生槽にヒータを有しているので、このスチーム発生槽を、特許文献3に示されるような炭酸ガスを発生させる反応槽として兼用して血行促進装置を具体化することを検討した。この場合、スチーム発生槽内に炭酸塩と酸からなる剤を投入することになる。しかし、この方法によると、スチーム発生槽内のヒータ部などに剤のスケールが付着して、ヒータの加熱能力が低下するという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でもって、スチーム発生槽内のヒータ部にスケールの付着がなく、高い血行促進効果を実現できる血行促進装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、身体の一部が挿入される温浴槽内に、水を蒸気化したスチームと炭酸ガスとを噴出させて身体を部分加温するとともに炭酸ガスを生体に作用させる血行促進装置であって、水を加熱して蒸気化するためのヒータを有するスチーム生成部と、炭酸塩と酸からなる剤を化学反応させ炭酸ガスを発生させる炭酸ガス生成部とを備え、前記スチーム生成部を形成する槽(以下、スチーム発生槽という)と前記炭酸ガス生成部を形成する槽(以下、剤反応槽という)とがそれぞれ別の槽から成り、前記スチーム発生槽と前記剤反応槽とが接しているものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の血行促進装置において、前記スチーム発生槽と前記剤反応槽の接部が熱良導体であるものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載の血行促進装置において、前記スチーム発生槽からのスチームの流路が分岐し、前記剤反応槽に流れ込む構造を有するものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の血行促進装置において、前記スチームの流路の分岐後にスチームの流入を制御する弁を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、温浴槽内に手や足などの身体の一部を挿入した状態でスチームと共に炭酸ガスを供給することにより、スチームにより身体の一部を加温することができ、また、炭酸ガスの経皮吸収による「ボア効果(ヘモグロビンから組織への酸素の移動)」にて血行促進効果を高めることができ、しかも、スチーム発生槽内のヒータ部にスケールが付着することがない。
また、スチーム発生槽のヒータから生じた熱が剤反応槽へ伝達し、剤反応溶液が加温されることから、剤反応が促進される。
請求項2の発明によれば、熱の伝達量が増し、剤反応溶液がより加温されることから、剤反応がさらに促進される。
請求項3の発明によれば、簡便な構造で反応溶液へ熱供給が行うことができ、炭酸ガス発生反応を促進でき、またスチーム発生槽と剤反応槽の設置位置についての制約がなくなる。
請求項4の発明によれば、剤反応槽への過剰なスチーム流入を抑制でき、その分、温浴槽へのスチームの流量を増すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る血行促進装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る血行促進装置の全体の概略構成を示す。血行促進装置1は、使用者の身体の一部、ここでは足Fを挿入する挿入口を持つ足浴槽(温浴槽)2と、足浴槽2内にスチームを供給するスチーム生成部3と、足浴槽2内に炭酸ガスを供給する炭酸ガス生成部4から構成されている。スチーム生成部3は、水を加熱して蒸気化するためのヒータ31を備えたスチーム発生槽32と、水供給口33と、足浴槽2へのスチーム噴出し口34とより構成される。
【0012】
炭酸ガス生成部4は、炭酸塩と酸からなる剤を化学反応させ炭酸ガスを発生させる剤反応槽42と、剤供給口43と、炭酸ガス噴出し口44とより構成される。また、図示していないが、ヒータ31の稼動を制御するヒータ制御部、電源等を備えている。なお、ここでは足を対象にした血行促進装置について説明しているが、温める部分は、身体の一部であれば、手でも半身でもよく、足に限定されるものではない。
【0013】
上記血行促進装置1におけるスチーム生成部3と炭酸ガス生成部4の各種実施形態を以下に説明する。足浴槽2は図示を省いているが、図1に示したものと同等である(以下同じ)。
【0014】
図2は第1実施形態を示す。本実施形態においては、スチーム発生槽32と剤反応槽42とが接するように設置されていて、槽同士の槽接部5は熱良導体であるアルミニウムから成っている。炭酸ガス生成部4は、水供給口45と、水タンク46と、この水タンク46から剤反応槽42への水の流入を制御する弁47と、この弁47の開閉を制御する弁制御部(図示なし)とを備えている。剤供給口43は図示を省いている。水タンク46は剤反応槽42の上に設置されている。
【0015】
このような血行促進装置において、身体の一部として、足の血行促進を行う際には、まず、準備として、剤供給口43から剤反応槽42に剤を入れ、水供給口33,45からスチーム発生槽32及び水タンク46のそれぞれに所定量の水を入れる。ここで用いる剤の形態としては、炭酸塩と酸が、共に粉末状叉は顆粒状であることが望ましい。そして、使用者は足を足浴槽2内に挿入する。それから、スチーム生成部3のヒータ31の制御部及び炭酸ガス生成部4の弁47の制御部を使用者は操作する。
【0016】
それにより、スチーム生成部3は、ヒータ31が稼動し、スチーム発生槽32に供給された水がヒータ31により加熱されて蒸発し、スチームになり、スチーム噴出し口34を通じて足浴槽2内に流入する。また、炭酸ガス生成部4では、弁47が開かれ、水タンク46内の水が剤反応槽42に注水される。水タンク46内には予め所定量の水が供給されているので、全量を流しきることで剤反応槽42には所定水量が注水される。そのため、剤反応槽42において剤が化学反応を開始し、発生した炭酸ガスが炭酸ガス噴出し口44を通じて足浴槽2内に流入する。また、ヒータ31の熱の一部が槽接部5を通じて剤反応槽42に伝達し、剤反応溶液が加温される。足浴槽2内では、炭酸ガスがスチームに溶解し、そのスチームが足に付着して足の血行促進を行う。
【0017】
本実施形態においては、剤溶液がヒータ31に触れることがないので、ヒータ31部でのスケール発生等の問題は起こらなくなる。また、粉末叉は顆粒状の剤を用いることで、錠状に成型された剤と比較し溶解しやすく、速やかな炭酸ガス発生反応が得られる。さらに、スチーム発生槽32のヒータ31による熱の一部が、槽接部5を経て剤反応槽42へ伝達し、反応溶液の加温を行うことから、剤反応促進の効果が得られる。
【0018】
次に、図3は第2実施形態を示す。本実施形態においては、スチーム発生槽32の下の位置に剤反応槽42が設置されており、これら2つの槽32,42を繋ぐ送水管48と、その送水管48の途中には送水を制御するための弁47と、弁47の開閉を制御する制御部(図示なし)と、スチーム発生槽32内の水温を検知する水温検知部35とを備えている。また、弁47を開いたとき、水は高低差によって送水されるため、スチーム発生槽32の水面は送水管48が取り付けられている高さまで下がる。このことから、送水管48の取り付け高さにより送水される量を決めることができ、例えば、50mLといった既定量が剤反応槽42に送水される位置に送水管48は設置されている。
【0019】
この血行促進装置において、足の血行促進を行う際には、まず、準備として、剤供給口から剤反応槽42に剤を入れ、水供給口33からスチーム発生槽32へ所定量の水を入れ、使用者は足を足浴槽2内に挿入する。それから、スチーム生成部3のヒータ31の制御部を操作する。それにより、スチーム生成部32ではヒータ31が稼動し、スチーム発生槽32内の水を、例えば40℃といった所定温度まで予備加熱する。水温検知部35で所定温度到達が検知されると、弁47の制御部及びスチーム生成部3のヒータ31の制御部が動作する。このとき、炭酸ガス生成部4では、弁47が開かれ、スチーム発生槽32から所定量の温水が送水管48を通じて剤反応槽42に注水される。そして、剤反応槽42においては、剤が化学反応を開始し、発生した炭酸ガスが炭酸ガス噴出し口44を通じて足浴槽2内に流入する。
【0020】
また、スチーム生成部3では、スチーム発生槽32の水がヒータ31により本加熱されて蒸発し、スチームになり、スチーム噴出し口34を通じて足浴槽2内に流入する。足浴槽2内での足の血行促進の効果は、上述と同等である。
【0021】
本実施形態においては、熱を加温した水に持たせ、剤反応溶液に送るため、スチーム発生槽32と剤反応槽42とを離れた場所に設置しても、効率的に熱を供給することができる。
【0022】
次に、図4は第3実施形態を示す。本実施形態においては、スチーム発生槽32と剤反応槽42を繋ぐ送水管48と、その送水管48の途中に送水を制御するためのポンプ49と、ポンプ49の稼動を制御するためのポンプ制御部(図示なし)とを備えている。
【0023】
この血行促進装置において、足の血行促進を行う際には、まず、準備として、剤反応槽42に剤を入れ、水供給口33からスチーム発生槽32へ所定量の水を入れる。そして、使用者は足を足浴槽2内に挿入する。それから、スチーム生成部3のヒータ31の制御部を操作する。それにより、スチーム生成部32ではヒータ31が稼動し、スチーム発生槽32内の水を、例えば40℃といった所定温度まで予備加熱する。水温検知部35で所定温度到達が検知されると、ポンプ49のポンプ制御部及びスチーム生成部3のヒータ31の制御部が動作する。このとき、炭酸ガス生成部4では、ポンプ49を稼動させ、スチーム発生槽32から送水管48を通じて剤反応槽42に注水される。このとき、スチーム発生槽32からの送水は、ポンプ49の流量叉は稼働時間を調節することで、所定量が送られるように制御を行う。そして、剤反応槽42においては、剤が化学反応を開始し、発生した炭酸ガスが炭酸ガス噴出し口を通じて足浴槽内に流入する。
【0024】
また、スチーム生成部3では、スチーム発生槽32の水がヒータ31により本加熱されて蒸発し、スチームになり、スチーム噴出し口34を通じて足浴槽2内に流入する。足浴槽2内での足の血行促進の効果は、上述と同等である。
【0025】
本実施形態においては、送水をポンプ49により行うため、スチーム発生槽32と剤反応槽42の設置位置について制約を受けず自由な配置が可能になる。
【0026】
次に、図5は第4実施形態を示す。本実施形態においては、発生させたスチームの流路6に、スチームの一部を分岐させて剤反応槽42内に導入する分岐流路61と、その流路61のスチームの流れを制御する弁62と、弁62の制御を行う弁制御部(図示なし)と、剤反応槽42内の温度検知部64とを備えている。
【0027】
この血行促進装置は、第1実施形態と同様の方法で用いるが、以下に異なる点を挙げる。使用開始時には、弁62は閉じているが、剤反応槽42内の反応溶液の温度が例えば10℃といった所定温度以下になったことを温度検知部64が検知すると、弁動作部の動作により弁62が開き、剤反応槽42へのスチームの流入が起こる。これにより、剤反応溶液が加温される。そして、反応溶液の温度が所定温度以上になったことを温度検知部64が検知すると、弁動作部の動作により弁62が閉められ、剤反応槽42へのスチームの流入が止まる。本実施形態によれば、剤反応促進のための熱を簡便な構造で伝達することができる。
【0028】
次に、図6は第5実施形態を示す。本実施形態においては、炭酸ガス生成部4に、水供給口45と、水タンク46と、水タンク46から剤反応槽42への水の流入を制御する弁47と、剤反応槽42内に設けられた攪拌翼7と、攪拌翼7を動かすモータ部71と、弁47の開閉を制御する弁制御部(図示なし)と、モータ部71を制御するモータ制御部及びタイマー部(図示なし)とを備えている。また、水タンク46は剤反応槽42の上に設置されている。
【0029】
この血行促進装置は、第1の実施形態と同様の方法で用いるが、弁制御部及びタイマー部が操作されることで、例えば10秒後にモータ制御部が動作し、モータ71の稼動とともに、攪拌翼7が回転し、剤反応溶液を攪拌する。この方法によれば、剤の溶解や混和が促進され、このため、炭酸ガス発生反応が促進される。
【0030】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られることなく、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る血行促進装置の全体の概略構成図。
【図2】同血行促進装置における第1実施例のスチーム生成部及び炭酸ガス生成部の概略図。
【図3】同血行促進装置における第2実施例のスチーム生成部及び炭酸ガス生成部の概略図。
【図4】同血行促進装置における第3実施例のスチーム生成部及び炭酸ガス生成部の概略図。
【図5】同血行促進装置における第4実施例のスチーム生成部及び炭酸ガス生成部の概略図。
【図6】同血行促進装置における第5実施例のスチーム生成部及び炭酸ガス生成部の概略図。
【符号の説明】
【0032】
1 血行促進装置
2 足浴槽(温浴槽)
3 スチーム生成部
31 ヒータ
32 スチーム発生槽
35 水温検知部
4 炭酸ガス生成部
42 剤反応槽
47 弁
48 送水管
49 ポンプ
5 槽接部
6 スチームの流路
61 分岐流路
62 弁
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地
【出願日】 平成17年3月25日(2005.3.25)
【代理人】 【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫

【識別番号】100121692
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 勝美

【識別番号】100125221
【弁理士】
【氏名又は名称】水田 愼一

【公開番号】 特開2006−263253(P2006−263253A)
【公開日】 平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願番号】 特願2005−87460(P2005−87460)