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【発明の名称】 マッサージ機
【発明者】 【氏名】武部 正也
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】画像データによって被施療者の患部の位置や大きさを特定し、マッサージ手段を制御して、効果の高いマッサージを施すことのできるマッサージ機を提供する。

【解決手段】被施療者の全身又は身体の一部が当たる患部支持部12と、該患部支持部12に沿って移動可能に配置され、被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段20と、を具えたマッサージ機において、患部支持部12の画像を撮影する撮像手段30と、マッサージ手段20と撮像手段30に電気的に接続され、撮像手段30にて撮影された画像データに基づいてマッサージ手段20の動作を制御する制御手段と、を具える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の全身又は身体の一部が当たる患部支持部(12)と、該患部支持部(12)に沿って移動可能に配置され、被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段(20)と、を具えたマッサージ機において、
患部支持部(12)の画像を撮影する撮像手段(30)と、
マッサージ手段(20)と撮像手段(30)に電気的に接続され、撮像手段(30)にて撮影された画像データに基づいてマッサージ手段(20)の動作を制御する制御手段(40)と、
を具えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
制御手段(40)は、撮像手段(30)にて撮影された画像データからエッジ情報を取得し、該エッジ情報に基づいて患部支持部(12)と被施療者の患部の輪郭を特定し、特定された患部と患部支持部(12)の輪郭に基づいてマッサージ手段(20)を動作させる請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
制御手段(40)は、予め撮像手段(30)にて撮影された患部支持部(12)の画像データからカラーデータを取得して記憶しておき、被施療者が患部を患部支持部(12)に載せた状態で再度画像データを撮影し、カラーデータと撮影された画像データとをパターンマッチングして、患部の輪郭を特定し、特定された患部の輪郭に基づいてマッサージ手段(20)を動作させる請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
制御手段(40)は、予め撮像手段(30)にて撮影された患部支持部(12)の画像データからテキスチャ情報を取得して記憶しておき、被施療者が患部を患部支持部(12)に当てた状態で再度画像データを撮影し、テキスチャ情報と撮影された画像データとをパターンマッチングして、患部の輪郭を特定し、特定された患部の輪郭に基づいてマッサージ手段(20)を動作させる請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項5】
画像データは、2次元データであり、制御手段(40)は、2次元データから患部の3次元データを復元する請求項1乃至請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
患部支持部(12)は、被施療者の腰掛ける椅子の座部(15)に傾動可能且つ位置決め可能に配置された背凭れ(13)であって、
撮像手段(30)は、背凭れ(13)と一体に傾動するよう配置されている請求項1乃至請求項5に記載のマッサージ機。
【請求項7】
患部は、足先である請求項1乃至請求項5に記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データから被施療者の患部の位置や大きさ等を特定し、マッサージ手段を制御するマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子型マッサージ機は、背凭れにマッサージ手段を移動可能に具え、マッサージ手段によって被施療者の肩、背中、腰等の患部をマッサージする。このとき、マッサージ手段のマッサージプログラムは、予め制御手段に記憶されているが、被施療者の体型や座り方の違い等により、被施療者が肩のマッサージを所望しているときでも、肩ではなく肩よりも上方の位置でマッサージ手段が作動したり、肩よりも下方の位置でマッサージ手段が作動することがあり、所望の部位にマッサージ手段が届かず、マッサージ効果が低減したり、所望の部位以外の部位にマッサージが施されて、不快感を感ずることがあった。
そこで、マッサージ手段が被施療者に接触したことによる角度変化や圧力変化を、予め測定されたパターンと比較して、被施療者の肩位置を検知するようにしたマッサージ機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平06−190012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のような接触型の位置検知では、例えば、肩位置を検知させるために、マッサージ手段を一旦上下に移動させる必要があり、時間が掛かるため煩わしさを感じることがあった。
また、マッサージ中に被施療者が姿勢を変化させたり、座り方を変えたりすることがあるため、マッサージプログラム中に位置検知を再度行なうものもあるが、位置検知のために、揉みや叩き等のマッサージを一旦中断する必要があった。
【0005】
本発明の目的は、画像データによって被施療者の患部の位置や大きさを特定し、マッサージ手段を制御して、効果の高いマッサージを施すことのできるマッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のマッサージ機は、
被施療者の全身又は身体の一部が当たる患部支持部と、該患部支持部に沿って移動可能に配置され、被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段と、を具えたマッサージ機において、
患部支持部の画像を撮影する撮像手段と、
マッサージ手段と撮像手段に電気的に接続され、撮像手段にて撮影された画像データに基づいてマッサージ手段の動作を制御する制御手段と、
を具える。
【発明の効果】
【0007】
本発明のマッサージ機は、撮像手段によって撮影された画像データから被施療者の患部の位置、輪郭、形状等を特定し、特定された患部の位置等の情報に基づいてマッサージ手段の動作を制御できる。
患部の位置等の情報を取得するために、従来のようにマッサージ手段を上下に動かしたり、マッサージ手段を患部に接触させる必要がないため、時間が掛かったり、被施療者が不快感を感ずることはない。
また、マッサージ手段によるマッサージを実行している最中にでも、マッサージ手段によるマッサージを中断することなく、患部の位置等を再特定できるから、被施療者がマッサージ中に姿勢を変えたり、座り方を変えても正確な患部位置にマッサージを施すことができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、被施療者の患部が当たる患部支持部(12)の画像をカメラ等の撮像手段(30)により撮影し、制御手段(40)にて得られた画像データから被施療者の患部の形状等に関する患部データを特定し、患部データに基づいてマッサージ手段(20)の動作を制御するものである。
本願発明が適用できるマッサージ機として、椅子型のマッサージ機(10)、腕、足先やふくらはぎ用のマッサージ機、ベッド型のマッサージ機を例示できる。
【0009】
以下では、本発明を椅子型のマッサージ機(10)に適用し、撮影される患部として肩及びその近傍、また、患部支持部(12)として背凭れ(13)を例示して説明を行なう。
【0010】
図1及び図2は、椅子型マッサージ機(10)の側面図を示している。椅子型マッサージ機(10)は、被施療者(70)の腰掛ける座部(15)の後端に傾動可能且つ位置決め可能に取り付けられた背凭れ(13)と、座部(15)の両側に肘掛け(16)を具える。
背凭れ(13)の内部には、図1に示すように、施療指等の公知のマッサージ手段(20)が背凭れ(13)に沿って上下動可能に配備されている。マッサージ手段(20)を昇降させる昇降機構(22)として、ネジ推力を利用したものを例示できる。
背凭れ(13)の傾動は、座部(15)の下方に配備されたリクライニング機構(18)によって行なうことができる(図1参照)。
肘掛け(16)には、被施療者(70)が操作する操作部(50)が配備されており、操作部(50)によって、マッサージ機(10)の動作をコントロールすることができる。
座部(15)の前端には、被施療者(70)のふくらはぎをマッサージするマッサージユニット(60)と、足先をマッサージするマッサージユニット(62)が配備されている。これらマッサージユニット(60)(62)は、図2に示すように、背凭れ(13)を倒すと、座部(15)とほぼ平行な状態になるまで上昇し、被施療者(70)は、寝転んだ状態でマッサージを受けることができる。
マッサージ手段(20)、マッサージユニット(60)(62)は、施療指や指圧子を駆動するモータ、エアバックを膨張、収縮させるエアポンプを内蔵している。
【0011】
図1に示すように、椅子型マッサージ機(10)には、被施療者の患部、即ち、本実施例では、被施療者の肩及びその近傍を撮影する撮像手段(30)が配備されている。撮像手段(30)として、CCDカメラを例示することができ、撮像手段(30)は、図1に示すように、背凭れ(13)から前方に向けて突設された取付杆(32)の先端に配備されており、撮像手段(30)のレンズは患部支持部(12)となる背凭れ(13)の中央よりもやや上部を撮影可能となっている。
【0012】
撮像手段(30)を背凭れ(13)と一体に傾動可能に配備したことにより、リクライニング機構(18)を作動させて、背凭れ(13)を倒しても、図2に示すように、撮像手段(30)は、背凭れ(13)と一体に傾動し、撮影対象である背凭れ(13)の上部を捉えることができる。
図3に示すように、撮像手段(30)を肘掛け(16)等のように、背凭れ(13)の傾動とは無関係な箇所に配置したとき、図4に示すように、背凭れ(13)を傾動させたときに、撮影対象である背凭れ(13)を捉えることができないため、背凭れ(13)が所定の角度に起立している状態でのみしか後述する肩位置の検知は行えない。なお、この場合でも、撮像手段(30)の角度を背凭れ(13)に合わせて変えるようにすれば、背凭れ(13)を倒した状態でも撮影可能である。
【0013】
図5は、マッサージ機(10)の全ての制御手段(40)のブロック図である。図に示すように、制御手段(40)には、マッサージ手段(20)、マッサージ手段(20)の昇降機構(22)、リクライニング機構(18)、ふくらはぎ用マッサージユニット(60)、足先用マッサージユニット(62)、操作部(50)、撮像手段(30)が電気的に接続されおり、操作部(50)からの操作によって、マッサージ手段(20)やマッサージユニット(60)(62)のモータやエアポンプが制御される。
また、制御手段(40)には、各種マッサージプログラムが記憶されており、マッサージ手段(20)、マッサージユニット(60)(62)を一定の手順に沿って駆動し、被施療者(70)に快適なマッサージを提供できる。
【0014】
例えば、マッサージプログラムには、マッサージ手段(20)を被施療者(70)の肩(72)から背中、腰にかけて往復移動させつつ、マッサージ手段(20)によって叩きや揉みマッサージを施すプログラムや、肩(72)のみに叩きや揉みマッサージを施すプログラム等がある。
【0015】
上記のようなマッサージプログラムにおいて、マッサージ手段(20)の昇降動作は、被施療者(70)の患部、即ち肩位置を特定することによって実施される。本願発明では、被施療者の肩位置を特定するために、撮像手段(30)を用いている。
図6は、制御手段(40)が、肩位置を特定するためのフローチャートを示している。
被施療者(70)が、操作部(50)を操作して、上記のようなマッサージプログラムを選択すると、肩位置を特定するためのフローチャート(図6)が実行される(ステップ1)。
【0016】
まず、制御手段(40)は、撮像手段(30)に画像の撮影命令を発し、撮像手段(30)は、背凭れ(13)の中央よりやや上側を撮影する(ステップ2)。画像には、図7に示すように、被施療者(70)及び背凭れ(13)が撮影されている(以下、図7の画像を「元画像」と称する)。
制御手段(40)は、元画像の画像データを受信すると、画像データからエッジ情報を取得する(ステップ3)。エッジ情報は、元画像データを閾値処理により二値化して得ることができる。
取得されたエッジ情報に基づいて、制御手段(40)は、図8に示すように、エッジ画像を作成し(ステップ4)、作成されたエッジ画像から、患部支持部(12)の輪郭、即ち、背凭れ(13)の上端位置と、被施療者の患部の輪郭、即ち、肩位置を特定する(ステップ6)。
【0017】
次に、特定された背凭れ(13)の上部位置と肩位置から、画像座標における肩位置距離を算出し(ステップ7)、算出された画像座標における肩位置距離(図8参照)を、実際の肩位置距離(以下「実肩位置距離」と称する)に変換する(ステップ8)。
【0018】
制御手段(40)は、得られた実肩位置距離に基づいて、マッサージ手段(20)を昇降させて、肩(72)のマッサージや、肩(72)から腰にかけてのマッサージ等の基準位置とし、マッサージを開始する(ステップ9)。
【0019】
本発明によれば、被施療者の肩位置をマッサージ手段(20)等を用いることなく検知でき、検知にマッサージ手段(20)の昇降動作は不要であるため、短時間で検知を行なうことができ、また、マッサージ手段(20)によるマッサージを行なっている最中に上記フローチャートを実行することで、マッサージを中断することなく肩位置を検知できる利点がある。
【0020】
なお、検知された実肩位置と、座部(15)の位置に基づいて、被施療者の肩から腰までの距離を算出し、肩(72)の位置だけでなく、背中、腰の位置を特定して、マッサージプログラムに反映するようにしてもよい。
【0021】
フローチャート図6では、撮像手段(30)によって撮影された元画像からエッジ情報を取得して、エッジ画像から肩位置の特定を行なったが(図6のステップ2〜6)、ステップ2〜6に代えて、被施療者(70)が腰掛ける前に、患部支持部(12)の画像を撮影し、画像データのカラーデータを制御手段(40)に記憶しておいて、被施療者(70)が腰掛けた後、撮像手段(30)によって再度画像を撮影し、得られた画像データのカラーデータと、記憶されているカラーデータとをパターンマッチングして、肩位置を特定するようにしてもよい。元画像の画像データと撮影された画像データは、パターンマッチングのために、必要に応じてキャリブレーション処理を施してもよい。
【0022】
また、予め被施療者(70)が腰掛ける前の患部支持部(12)の画像を撮影しておき、該画像のテキスチャ情報(画像模様情報)を制御手段(40)に記憶しておいて、被施療者(70)が腰掛けた後、撮像手段(30)によって再度画像を撮影し、得られた画像データのテキスチャ情報と、記憶されているテキスチャ情報とをパターンマッチングして、肩位置を特定するようにしてもよい。
【0023】
上記では、図1や図2に示すX軸方向の距離、患部、即ち、肩(72)の上端を検知するようにしているが、Z軸方向の患部の幅を画像データから取得して、肩(72)の上端だけでなく、肩幅も特定して、マッサージ手段(20)の施療指の幅を変えるようにしてもよい。
【0024】
患部の上端や幅を特定するだけであれば、上記画像データは、2次元データで構わないが、患部の厚みを特定し(図1のY軸方向)、マッサージに応用する必要がある場合には、撮影された画像データから3次元データを復元すればよい。このような3次元データを必要とする例として、肩幅、肩の厚み等の患部の大きさに基づいて、マッサージ手段(20)の施療強さを変えるマッサージを施す場合を例示できる。具体的には、肩幅や肩の厚みが大きいときに、マッサージ手段(20)による施療力が強くなる制御を行ない、肩幅や肩の厚みが小さいときに、マッサージ手段(20)による施療力が弱くなる制御が挙げられる。
【0025】
なお、非接触による患部の検知方法として、サーモグラフィを用いて患部の温度分布を検出し、温度分布の差から患部を検知することもできる。この場合、サーモグラフィが撮像手段(30)となり、温度分布データを画像データとして処理すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、被施療者の患部の位置を画像データから特定することができるマッサージ機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】撮像手段を具えたマッサージ機の側面図である。
【図2】図1のマッサージ機の背凭れを倒した状態を示す側面図である。
【図3】撮像手段を肘掛けに取り付けたマッサージ機の側面図である。
【図4】図3のマッサージ機の背凭れを倒した状態を示す側面図である。
【図5】制御手段を示すブロック図である。
【図6】肩位置特定のためのフローチャート図である。
【図7】撮像手段により撮影された元画像を示す図である。
【図8】エッジ画像を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
(10) マッサージ機
(12) 患部支持部
(13) 背凭れ
(20) マッサージ手段
(30) 撮像手段
(40) 制御手段
(70) 被施療者
(72) 肩
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成17年3月23日(2005.3.23)
【代理人】 【識別番号】100066728
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 敏之

【識別番号】100100099
【弁理士】
【氏名又は名称】宮野 孝雄

【識別番号】100111017
【弁理士】
【氏名又は名称】北住 公一

【識別番号】100119596
【弁理士】
【氏名又は名称】長塚 俊也

【公開番号】 特開2006−263039(P2006−263039A)
【公開日】 平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願番号】 特願2005−83336(P2005−83336)