トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 介護用シャワー浴槽
【発明者】 【氏名】村田 喜郎

【氏名】村田 多喜男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が舟形に形成され、底面が中央に向かって下り勾配に傾斜して形成された湯受け槽を備えた介護用シャワー浴槽であって、
前記湯受け槽は、被介護者が横たわる本体部と、本体部に溜まった湯を外部に排水する排水部とに分割されて構成され、前記本体部と排水部とが接合レバーによって接合されることを特徴とする介護用シャワー浴槽。
【請求項2】
前記本体部に設けられた第1の掛止部材と、前記排水部に設けられ、突起部を備えた第2の掛止部材とを有し、
前記接合レバーは、前記第2の掛止部材の突起部に摺動可能に嵌入される嵌入孔が斜めに形成された平板部と、前記平板部の先端に設けられ、前記第1の掛止部材に引掛ける引掛け部と、前記平板部に取り付けられたハンドル部と有し、前記ハンドル部を用いて前記接合レバーを水平方向に移動させることにより、前記本体部を排水部側に引き寄せて接合させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護用シャワー浴槽。
【請求項3】
前記本体部と排水部との間に、可撓性の材料で作られた水漏防止用パッキンが取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の介護用シャワー浴槽。
【請求項4】
前記排水部の側面方向の両端部に、それぞれ第1の排水ノズル及び第2の排水ノズルが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つの項に記載の介護用シャワー浴槽。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、寝たきり者、高齢者、身体障害者等の被介護者の体や髪をシャワーで洗浄するために用いられる介護用シャワー浴槽に関し、特に、装着を簡単かつ迅速に行うことができる介護用シャワー浴槽に関する。
【背景技術】
【0002】
近年における高齢化社会に伴い、介護を必要とする寝たきり者、高齢者、身体障害者等の被介護者の数は急速に増加している。通常、被介護者は、体を動かすことが不自由なため、自ら入浴したり、シャワーで体や髪を洗浄することは非常に困難である。
【0003】
そこで、介護支援サービスの一つとして、訪問入浴サービスが利用されている。この訪問入浴サービスは、介護ヘルパーが被介護者の自宅まで入浴車で訪問し、部屋の中へバスタブを設置し、被介護者の体や髪を洗浄するサービスである(以下、従来例1という)。
【0004】
また、被介護者の入浴やシャワーによる洗浄を支援するための種々の装置が従来から提案されている。例えば、ベット上でシャワー浴とスチーム温浴を行うことができるカプセル型のシャワー洗浄装置が東陶機器株式会社等により製造され販売されている(以下、従来例2という)。
【0005】
さらに、特開2000−210362号公報には、簡易移動により、血圧の変化を少なくできる浴槽付き便器水槽が提案されている(以下、この技術を従来例3という)。
【0006】
なお、本発明者は、凹状に形成された湯受け槽を備えた湯受け部材と、底面が中央に向かって下り勾配に傾斜して形成され、湯受け部材を収納する収納部を備えた床部材とを有する介護用シャワー浴槽を開発し、平成15年11月7日付けで特許出願を行った(特願2003−378556号)(以下、関連技術という))。この介護用シャワー浴槽によれば、簡易な構成で製造コスト及びランニングコストを低減でき、施設や病院だけでなく家庭向けとしても利用でき、清潔に作業を行うことができる。
【0007】
【特許文献1】特開2000−210362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来例1では、設備の運搬、設置、操作等のために時間や労力がかかり、また、多人数の介護ヘルパーによって作業が行われ、人件費がかかるため、サービス料金が非常に高くなる。その結果、利用者の経済的負担が重くなり、頻繁に利用することができないという課題がある。
【0009】
従来例2では、大変高価で大掛かりな装置であるため、主に老人ホーム等の施設や病院によって利用され、家庭向けに利用されることはまれであるという課題がある。
【0010】
従来例3では、浴槽に溜まった水(シャワー水や入浴水)と被介護者から出される便や尿とを同一の排出穴から排出するので、不潔になりやすいという課題がある。
【0011】
関連技術では、シート状の湯受け部材を用いているので、何回も使用していると破損しやすいという課題がある。また、床部材の排水ノズル内に湯受け部材の排水ノズルを嵌入した場合、床部材を中央を支点として上下にローリングした際に、逆流した水が湯受け部材の湯受け槽に戻らず、床部材と湯受け部材との隙間に流れ込むおそれがある。そのため、このような逆流を防止するために、止め金具等を用いなければならないという課題がある。さらに、床部材の外周部上に外枠部材を取り付ける等、組み立て作業が面倒であり、時間と手間を要するという課題がある。
【0012】
また、被介護者を浴槽に着床させる際、ベットから抱きかかえたり、持ち上げる等の移動行為を必要とするため、重労働となり、介護ヘルパーの負担増加につながるという課題がある。また、浴槽を横に傾けるため、浴槽の強度を高める材質を使用する必要があり、コストアップにつながるという課題がある。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成で製造コスト及びランニングコストを低減でき、施設や病院だけでなく家庭向けとしても利用でき、清潔に作業を行うことができるとともに、組み立ての作業性を向上させ、被介護者を浴槽に着床させる際、ベットから抱きかかえたり、持ち上げる等の移動行為を必要とせず、浴槽を横に傾ける必要がない介護用シャワー浴槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の介護用シャワー浴槽は、全体が舟形に形成され、底面が中央に向かって下り勾配に傾斜して形成された湯受け槽を備えた介護用シャワー浴槽であって、前記湯受け槽は、被介護者が横たわる本体部と、本体部に溜まった湯を外部に排水する排水部とに分割されて構成され、前記本体部と排水部とが接合レバーによって接合されることを特徴とするものである。
【0015】
前記本体部に設けられた第1の掛止部材と、前記排水部に設けられ、突起部を備えた第2の掛止部材とを有し、前記接合レバーは、前記第2の掛止部材の突起部に摺動可能に嵌入される嵌入孔が斜めに形成された平板部と、前記平板部の先端に設けられ、前記第1の掛止部材に引掛ける引掛け部と、前記平板部に取り付けられたハンドル部と有し、前記ハンドル部を用いて前記接合レバーを水平方向に移動させることにより、前記本体部を排水部側に引き寄せて接合させるのが好ましい。
【0016】
前記本体部と排水部との間に、可撓性の材料で作られた水漏防止用パッキンが取り付けられているのが好ましい。
【0017】
前記排水部の側面方向の両端部に、それぞれ第1の排水ノズル及び第2の排水ノズルが設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の介護用シャワー浴槽によれば、次のような効果を奏する。
【0019】
(1)接合レバーの操作により、本体部と排水部とからなる湯受け槽を迅速かつ簡単に接合して組み立てることができるので、組み立ての作業性を著しく向上させることができる。
【0020】
(2)被介護者を湯受け槽に着床させる際、ベットから抱きかかえたり、持ち上げる等の移動行為を必要としないため、作業が容易になり、介護ヘルパーに負担をかけることはない。また、湯受け槽を横に傾ける必要がないため、浴槽の強度をそれ程高める必要がなく、製品のコストダウンにつながる。
【0021】
(3)簡易な構成であるので、運搬、設置、操作等に時間や労力がかかることはなく、少人数の介護ヘルパーによって作業を行うことができ、人件費がかからず、訪問入浴サービスの料金を低減できる。その結果、利用者の経済的負担が軽くなり、頻繁に利用することが可能となる。
【0022】
(4)安価で製造できるため、施設や病院だけでなく家庭向けとしても利用できる。
【0023】
(5)湯受け槽の底面が中央に向かって下り勾配に傾斜して形成されており、中央を支点として上下に回動することにより、湯受け槽に溜まった水と被介護者から出される便や尿とをそれぞれ別個の排水ノズルから排水できるので、湯受け槽内を清潔に保つことができる。
【0024】
(6)シャワー水で被介護者を洗浄するので、使用する湯量を少なくでき、ランニングコストを低減できる。
【0025】
(7)シャワー水を低い位置から流出することにより、湯気の発生を防止でき、室内の汚れを低減できる。
【0026】
(8)被介護者をベットから全く移動させることなく、横向きに寝返るだけで、本発明の介護用シャワー浴槽の設置が可能となるので、被介護者の負担を著しく低減できるとともに、介護者にとっても作業時間の短縮や作業労力を著しく低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0028】
図1(A)は本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽を示す平面図、(B)はその側面図、図2(A)は本体部と排水部とが接合される前の状態を示す側面図、(B)は本体部と排水部とを接合レバーによって接合している状態を示す側面図、図3(A)は第1の掛止部材を示す斜視図、(B)は(A)のIII−III線断面図、図4(A)は第2の掛止部材を示す斜視図、(B)は(A)のIVーIV線断面図、図5は、接合レバーの構成及び動作を説明するための説明図、図6(A)は本体部と排水部の端面側を示す正面図、(B)はその平面図である。
【0029】
図1(A)及び(B)に示すように、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽は、全体が舟形に形成された湯受け槽1を備えている。
【0030】
湯受け槽1は、軽量で丈夫な材質で作られるのが好ましく、例えばサーフボードのように、プラスチック発泡材を成形加工し、その表面をグラスファイバ等の強化プラスチックでラミネート補強して製造される。
【0031】
湯受け槽1の底面は、中央を支点として上下にローリング(回動)できるように中央に向かって下り勾配に傾斜して形成されている(図1(B)参照)。傾斜角度θは、8°〜10°程度が好ましい。
【0032】
湯受け槽1は、シャワーによって洗浄しようとする被介護者が横たわって入浴するための本体部2と、本体部2に溜まった湯を外部に排水する排水部3とに分割されて構成されている。本体部2と排水部3とは、後述する2つの接合レバー4の操作によって接合される。
【0033】
図1(B)に示すように、排水部3の側面側の両端部には、それぞれ第1の排水ノズル5及び第2の排水ノズル6が設けられている。第1の排水ノズル5は、被介護者の体や頭髪を洗浄した際に排水するために用いられ、第2の排水ノズル6は、被介護者が失禁した際に排水するために用いられる。第1の排水ノズル5及び第2の排水ノズル6は、例えばゴム等のような可撓性のある材料で作られている。
【0034】
第1の排水ノズル5及び第2の排水ノズル6の先端部は、排水ホース8を介してポンプ装置7に連結されている(図1(B)参照)。
【0035】
図2(A)及び(B)に示すように、本体部2と排水部3との間にはゴム等の可撓性の材料で作られた水漏防止用パッキン9が取り付けられている。
【0036】
また、本体部2の排水部対向側の端面にはピン穴10が形成され、排水部3の本体部対向側の端面にはピン穴10に嵌合されるノックピン11が設けられ、排水部3のロックピン11を本体部2のピン穴10に挿入することにより、本体部2と排水部3とを接合する際の位置決めを行うことができる。
【0037】
図1(A)及び図2に示すように、本体部2の底面には第1の凹部2aが所定間隔を隔てて2箇所形成され、第1の凹部2aに第1の掛止部材12が埋め込まれて固定されている。また、排水部3の底面には第2の凹部3aが間隔を隔てて2箇所形成され、第2の凹部3aに第2の掛止部材13が埋め込まれている。
【0038】
第1の掛止部材12は、図3(A)及び(B)に示すように、略円盤状に形成され硬質発泡材等で作られた基台12aと、基台12aの上面に取り付けられ、略C字状に形成されたステンレス等の金属製の引掛け板12bとを有する。
【0039】
基台12aの上面には、平面視U字状の切り欠き部12cが形成されており、引掛け板12bは、切り欠き部12cの外縁に沿って取り付けられている。
【0040】
基台12a及び引掛け板12bには、それぞれ複数(図4の例では4つ)の取付孔12dが対応する位置に形成されている。基台12a及び引掛け板12bの取付孔12dにはボルト等の締結具12eが挿入され、基台12aと引掛け板12bとを締結している。
【0041】
基台12aの内部には、締結具12eと螺着されるナット部12fが各取付孔12dの下部に設けられている。
【0042】
第2の掛止部材13は、図4(A)に示すように、略円盤状に形成され、硬質発泡材等で作られた基台13aと、基台13aの上面に取り付けられ、略長方形に形成された基板13bと、基板13bの上部に設けられ、上面に長手方向に延びて形成された開口部13cが形成された中空箱形の支持部13dと、支持部13dの上面に支持される突起部(ボス)13eとを有する。
【0043】
図4(B)に示すように、突起部13eの下部では、支持部13d内において、取付ボルト13fによって角座ナット13gを取り付けている。これによって、突起部13eは、開口部13cに沿って、位置の変動が可能となり(矢印方向)、湯受け槽1の接合圧を調整することができる。支持部13dには滑り止め用ネジ13hが取り付けられている。滑り止め用ネジ13hの先端に角座ナット13gが当接するので、突起部13eの滑りを防止できる。
【0044】
基台13a及び基板13bには、それぞれ複数(図5の例では4つ)の取付孔13iが対応する位置に形成されている。基台13a及び基板13bの取付孔13iにはボルト等の締結具13jが挿入され、基台13aと基板13bとを締結している。
【0045】
基台13aの内部には、締結具13jと螺着されるナット部13kが、各取付孔13iの下部に設けられている。
【0046】
図5に示すように、接合レバー4は、略楕円状に形成され、第2の掛止部材13の突起部13eに摺動可能に嵌入される嵌入孔4aが斜めに形成された平板部4bと、平板部4bから突出して長手方向に延びて形成され、先端に第1の掛止部材12の引掛け板12bに引掛けるフック4cを備えた引掛け部4dと、平板部4bに取り付けられたハンドル部4eと有する。
【0047】
図5において、接合レバー4をフック4cを支点として矢印方向(図5では時計方向)に水平に回動させることにより、第2の掛止部材13の突起部13eに対して嵌入孔4aが摺動しながら、接合レバー4が移動する。接合レバー4の移動前における突起部13eが嵌入される嵌入孔4aの第1端部P1と、接合レバー4の移動後における突起部13eが嵌入される嵌入孔4aの第2端部P2とで形成される軌跡C1は、フック4c(支点)と第1端部P1とで形成される円弧C2よりも内側(フック4c側)に位置する。これによって、接合レバー4の移動によって、本体部2を排水部3側に引き寄せることができ、本体部2と排水部3とが接合される。なお、第2端部P2の嵌入孔4aには、突起部13eを係止する凹部4fが形成され、移動して接合した後の接合レバー4が元に戻らないように係止できるようになっている。
【0048】
図1(A)、図6(A)及び(B)に示すように、排水部3の正面側及び背面側には、それぞれブラケット14aが固定され、そのブラケット14aには、フレーム部材15が取り付けられたロック部材14が枢着されている。一方、本体部2の正面側及び背面側には、フレーム部材15を係止するためのフック部材16がそれぞれ設けられている。
【0049】
ブラケット14a及びフック部材16は、ネジ等の締結具17によって、それぞれ排水部3及び本体部2に取り付けられている。フック部材16には、ずれ止め用のラック部16aが形成されている。
【0050】
なお、図6中、18は帯状に形成された水漏れ防止用パッキン、19は水漏れ防止用パッキンの膨張を抑えるためのスポンジである。
【0051】
次に、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽の組み立て方法及び被介護者を着床させるまでの工程について説明する。図7(A)及び(B)は本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽に被介護者を着床させている状態を示す斜視図、図8(A)〜(E)は、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽に被介護者を着床させるまでの工程を概略的に示す説明図である。
【0052】
まず、介護者K側に約20cmほど、浴者である被介護者Hを引き寄せて、本体部2を設置するスペースをベットB上に設ける(図8(A)参照)。
【0053】
次いで、被介護者Hを横向きに寝返し、本体部2の先端を被介護者Hの背中側に引き寄せる(図7(A)及び図8(B)参照)。
【0054】
次いで、横向きの被介護者Hの体位を元の位置に戻すことにより、被介護者Hは本体部2に着床する(図7(B)及び図8(C)参照)。
【0055】
次いで、本体部2と排水部3とを接合レバー4を用いて接合する(図8(D)及び(E)参照)。すなわち、排水部3のノックピン11を本体部2のピン穴10に挿入することにより、本体部2と排水部3とを接合する際の位置決めを行う。
【0056】
次いで、排水部3の正面側及び背面側のフレーム部材15を、本体部2の正面側及び背面側のフック部材16に引掛けて、ロック部材14を回動させて、ロックする(図6(B)参照)。
【0057】
次いで、2つの接合レバー4のフック4cを第1の掛止部材12の引掛け板12bに引掛けるとともに、嵌入孔4a内に第2の掛止部材13の突起部13eを嵌入する。
【0058】
そして、2つの接合レバー4をフック4cを支点として互いに接近する方向(図1参照)に水平方向に回動させることにより、第2の掛止部材13の突起部13eに対して嵌入孔4aが摺動しながら、接合レバー4が移動する。この接合レバー4の移動によって、本体部2は排水部3側に引き寄せられ、本体部2と排水部3とが接合される。
【0059】
最後に、被介護者Hを本体部2の中心に位置するように動かし、次のシャワー洗浄に備える。
【0060】
次に、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽を用いた被介護者の洗浄について説明する。
【0061】
まず、図9(A)に示すように、湯受け槽1の底面の頭側及び足側にそれぞれ第1の保持枕20及び第2の保持枕21を設置して上下のバランスを保つ。この状態で、被介護者Hをシャワー水で素洗いする。その際、排水は行わず、湯受け槽1内の湯溜めをする。
【0062】
次いで、図9(B)に示すように、被介護者Hの頭側に設置されている第1の保持枕20を第2の保持枕21上に載せることにより、湯受け槽1を被介護者Hの頭側に向かって下り勾配に傾斜させた状態にする。この状態で、シャワー水により被介護者Hの体を仕上げ洗浄するとともに、頭髪を洗う。その際、ポンプ装置7を作動させて、第1の排水ノズル5から排水ホース8を介して排水が行われる。
【0063】
被介護者Hが失禁した場合には、図9(C)に示すように、被介護者Hの足側に設置されている第2の保持枕21を第1の保持枕20上に載せることにより、湯受け槽1を被介護者Hの足側に向かって下り勾配に傾斜させた状態にする。この状態で、シャワー水により汚水を足側に流すとともに、ポンプ装置7を作動させて、第2の排水ノズル6から排水ホース8を介して排水が行われる。
【0064】
なお、第1の保持枕20及び第2の保持枕21は、例えば軽量な硬質発泡材で作られている。
【0065】
本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽によれば、接合レバー4の操作により、本体部2と排水部3とからなる湯受け槽1を迅速かつ簡単に接合して組み立てることができるので、組み立ての作業性を著しく向上させることができる。
【0066】
また、被介護者Hを湯受け槽1に着床させる際、ベットBから抱きかかえたり、持ち上げる等の移動行為を必要としないため、作業が容易になり、介護ヘルパーに負担をかけることはない。また、湯受け槽1を横に傾ける必要がないため、浴槽の強度をそれ程高める必要がなく、製品のコストダウンにつながる。
【0067】
また、簡易な構成であるので、運搬、設置、操作等に時間や労力がかかることはなく、少人数の介護ヘルパーによって作業を行うことができ、人件費がかからず、訪問入浴サービスの料金を低減できる。その結果、利用者の経済的負担が軽くなり、頻繁に利用することが可能となる。
【0068】
また、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽は、安価で製造できるため、施設や病院だけでなく家庭向けとしても利用できる。
【0069】
また、湯受け槽1の底面が中央に向かって下り勾配に傾斜して形成されており、中央を支点として上下に回動することにより、湯受け槽1に溜まった水と被介護者Hから出される便や尿とをそれぞれ別個の排水ノズルから排水できるので、湯受け槽1内を清潔に保つことができる。
【0070】
また、シャワー水で被介護者Hを洗浄するので、使用する湯量を少なくでき、ランニングコストを低減できる。
【0071】
また、シャワー水を低い位置から流出することにより、湯気の発生を防止でき、室内の汚れを低減できる。
【0072】
さらに、被介護者HをベットBから全く移動させることなく、横向きに寝返るだけで、本発明の介護用シャワー浴槽の設置が可能となるので、被介護者Hの負担を著しく低減できるとともに、介護者にとっても作業時間の短縮や作業労力を著しく低減できる。
【0073】
本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能である。例えば、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽の構成要素となる各部材について開示されている形状及び材料は例示であり、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】(A)は本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽を示す平面図、(B)はその側面図である。
【0075】
【図2】(A)は本体部と排水部とが接合される前の状態を示す側面図、(B)は本体部と排水部とを接合レバーによって接合している状態を示す側面図である。
【0076】
【図3】(A)は第1の掛止部材を示す斜視図、(B)は(A)のIII−III線断面図である。
【0077】
【図4】(A)は第2の掛止部材を示す斜視図、(B)は(A)のIVーIV線断面図である。
【0078】
【図5】接合レバーの構成及び動作を説明するための説明図である。
【0079】
【図6】(A)は本体部と排水部の端面側を示す正面図、(B)はその平面図である。
【0080】
【図7】(A)及び(B)は本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽に被介護者を着床させている状態を示す斜視図である。
【0081】
【図8】(A)〜(E)は、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽に被介護者を着床させるまでの工程を概略的に示す説明図である。
【0082】
【図9】(A)〜(C)は、本発明の実施例に係る介護用シャワー浴槽を用いて被介護者Hを洗浄する際における湯受け槽の動作を概略的に説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1:湯受け槽
2:本体部
3:排水部
4:接合レバー
5:第1の排水ノズル
6:第2の排水ノズル
7:ポンプ装置
8:排水ホース
9:水漏防止用パッキン
10:ピン穴
11:ノックピン
12:第1の掛止部材
13:第2の掛止部材
14:ロック部材
15:フレーム部材
16:フック部材
17:締結具
18:水漏れ防止用パッキン
19:スポンジ
20:第1の保持枕
21:第2の保持枕
【出願人】 【識別番号】503410683
【氏名又は名称】村田 喜郎
【識別番号】503410694
【氏名又は名称】村田 多喜男
【出願日】 平成17年3月7日(2005.3.7)
【代理人】 【識別番号】100096035
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 昭彦

【公開番号】 特開2006−246909(P2006−246909A)
【公開日】 平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願番号】 特願2005−63184(P2005−63184)