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【発明の名称】 肢位矯正ボード
【発明者】 【氏名】西村 久代

【要約】 【課題】座位及び立位での良肢位をより正確に且つ再現性良く保持する肢位矯正ボードを提供する。

【解決手段】両足の足底を配置することにより、人体の肢位を矯正する肢位矯正ボード100であって、各足の親指を水平に配置可能な平坦部101と、平坦部101の両端から連続して設けられ、各足の親指以外の4指を傾斜させて配置可能な一対の傾斜部102とを備え、平坦部101の上面を含む水平面に対して傾斜部102の上面が傾斜している角度aは、5°以上であって且つ10°以下である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両足の足底を配置することにより、人体の肢位を矯正する肢位矯正ボードであって、
各足の親指を水平に配置可能な平坦部と、
前記平坦部の両端から連続して設けられ、前記各足の親指以外の4指を傾斜させて配置可能な一対の傾斜部とを備え、
前記平坦部の上面を含む水平面に対して前記傾斜部の上面が傾斜している角度は、5°以上であって且つ10°以下であることを特徴とする肢位矯正ボード。
【請求項2】
一方の前記傾斜部と他方の前記傾斜部との間隔は、12cm以上であって且つ17cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の肢位矯正ボード。
【請求項3】
前記平坦部における両端に位置する一対の領域以外の領域の上には、凸部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の肢位矯正ボード。
【請求項4】
前記凸部の高さは、2cm以上であって且つ3cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の肢位矯正ボード。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に固定矯正させる肢位矯正ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
老化、病気及び事故等が原因となって身体に問題を抱えた人々(以下、被介護者と記す)は、一時的な筋力の低下又は麻痺的症状等により、介護者の補助なくして、基本的な動作(すなわち、座位、立位、及び歩行等)を正しい肢位で行うことが困難な場合がある。また、このように、被介護者が基本的な動作を正しい肢位で行えない状況が継続すると、筋力が一層低下することにより、自律神経の働きの低下、血行不良、気力の喪失、及び体力の消耗等を招くことになる。したがって、被介護者が基本的な動作を正しい肢位で行えるようになることは重要である。
【0003】
ここで、被介護者が基本的な動作を正しい肢位で実現するための基本について説明する。
【0004】
まず重要であることは、被介護者が正しい座位を習得することである。正しい座位は、自身の体重の負荷が身体に左右バランス良く分配されるので、被介護者は正しい座位姿勢を容易に保持することができる。
【0005】
更には、被介護者が正しい座位を習得することで、座位での良肢位を保持しながら立位へ移行すれば、立位での良肢位を保持することができる。
【0006】
このように、被介護者が、座位での良肢位、更には立位での良肢位を保持することができれば、これらを繰り返し行うことにより、低下した筋力の回復を図ることができるので、自らの力で歩行することが可能になる。
【0007】
以上のように、被介護者が基本的な動作を正しい肢位で実現するためには、被介護者が座位での良肢位を保持することが極めて重要である。
【0008】
そこで、被介護者が座位での良肢位を保持することができるように、これまでは、介護者が補助することによって実現してきた。
【0009】
以下に、座位での良肢位を保持する従来の方法について、図7(a) 及び(b) を参照しながら説明する。
【0010】
図7(a) は、座位での良肢位を保持する従来の方法を示す斜視図であって、図7(b) は、立位での良肢位を保持する従来の方法を示す正面図である。
【0011】
図7(a) に示すように、被介護者は、介護者(図示せず)の補助によって、およそ拳1つ分に相当する間隔wを空けて足を開くと共に各足の中指が真正面に向くようにして座る。
【0012】
これにより、被介護者は、座位の際に、地面の上に、右足の大腿骨と左足の大腿骨とが互いに平行になるようにして各足底を配置することができる。このため、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保つことができるので、座位での良肢位を保持することができる。
【0013】
更には、図7(b) に示すように、被介護者は、座位での良肢位を保持しながら立位へ移行する。
【0014】
これにより、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保つと共に、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、地面からの抗力の作用を利用して自身の体重を容易に支えることができる。このため、被介護者は、立位での良肢位を保持することができる。
【0015】
以上のようにして、被介護者は、座位での良肢位、更には立位での良肢位を実現していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、座位での良肢位を保持する従来の方法では、被介護者は、介護者の補助によって、両足を拡げる間隔w及び各足の中指を配置する位置を調整する必要がある。
【0017】
このため、介護者の経験レベル等によって、両足を拡げる間隔w及び各足の中指を配置する位置にバラツキが生じるので、被介護者は、座位での良肢位を実現することが困難な場合が多々生じていた。
【0018】
また、被介護者の中には、両足を拡げる間隔w及び各足の中指を配置する位置を維持することが困難な者もおり、このような被介護者は、座位での良肢位を実現することが非常に困難であった。
【0019】
このように、被介護者が座位での良肢位を実現することができない場合には、被介護者は、必然的に、立位での良肢位を実現することができない。
【0020】
更に、座位での良肢位を保持する従来の方法では、地面、すなわち、平坦面の上に各足底が配置されているため、被介護者は、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることが困難であった。
【0021】
特に、立位での良肢位を保持する従来の方法では、被介護者は、各足の中指が真正面に向くようにして起立するだけでは、地面、すなわち、平坦面の上に各足底が配置されているため、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることが非常に困難であった。
【0022】
このように、被介護者が各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることが困難な場合では、被介護者は、地面からの抗力の作用を充分に利用して自身の体重を容易に支えることができないので、座位及び立位での良肢位を保持することが困難であった。
【0023】
以上のように、座位での良肢位を保持する従来の方法では、被介護者が、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保つことが充分にできないので、座位での良肢位を実現することが困難であった。
【0024】
前記に鑑み、本発明は前記の問題を一挙に解決可能とするものであり、その目的とするところは、被介護者がより正確に且つ再現性良く座位での良肢位を保持することができる肢位矯正ボードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記の目的を達成するために、本件発明者は種々の検討を重ねた結果、以下の点を見出した。すなわち、被介護者の各足の親指を平坦面に配置させると共に各足の親指以外の4指を傾斜面に配置させることにより、被介護者が座位での良肢位を容易に実現することができることを見出した。
【0026】
加えて、本件発明者は、各足の親指以外の4指を傾斜面に配置させるときの傾斜角度の大きさについて試行錯誤を繰り返したところ、平坦面に対して傾斜面の傾斜角度が5°〜10°であれば、被介護者が座位での良肢位を容易に実現することができる一方、傾斜角度が5°〜10°の範囲よりも大きい角度又は小さい角度であれば、被介護者が座位での良肢位を実現することが困難であることを見出した。更には、平坦面に対して傾斜面の傾斜角度が6.5°±1°であれば、被介護者が座位での良肢位を最も容易に実現することが分かった。
【0027】
本発明は、前記の知見に基づいて成されたものであり、具体的には、本発明に係る良肢位矯正ボードは、両足の足底を配置することにより、人体の肢位を矯正する肢位矯正ボードであって、各足の親指を水平に配置可能な平坦部と、平坦部の両端から連続して設けられ、各足の親指以外の4指を傾斜させて配置可能な一対の傾斜部とを備え、平坦部の上面を含む水平面に対して傾斜部の上面が傾斜している角度は、5°以上であって且つ10°以下であることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る肢位矯正ボードによると、被介護者は、座位及び立位の際に、平坦部の上に各足の親指を配置すると共に傾斜部の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0029】
すなわち、被介護者は、座位及び立位の際に、地面に対して水平な面の上に各足の親指を配置すると共に、地面に対して水平な面から5°〜10°の角度が付された面の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0030】
これにより、被介護者は、座位及び立位の際に、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、地面からの抗力の作用を利用して自身の体重を容易に支えることができる。このため、被介護者は、座位及び立位での良肢位を保持することができる。
【0031】
また、被介護者は、座位及び立位の際に、足の親指の筋肉である長母指筋と、足の親指以外の4指の筋肉である長指筋とが互いに拮抗した状態を維持することができるため、長母指筋及び長指筋に対して過剰な負荷を与えることがないので、各足底に対して正しい体重の負荷をかけることができる。
【0032】
ここで、平坦部の上面に対して傾斜部の上面の傾斜角度が10°よりも大きい角度である場合、被介護者は、座位及び立位の際に、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができないので、抗力の作用を充分に利用して自身の体重を容易に支えることが困難である。
【0033】
一方、平坦部の上面に対して傾斜部の上面の傾斜角度が5°よりも小さい角度である場合、被介護者は、座位及び立位の際に、膝関節及び股関節に対して余分な負荷がかかるので、転倒等の2次的傷害を引き起こす可能性がある。
【0034】
このため、本発明に係る肢位矯正ボードでは、平坦部の上面に対して傾斜部の上面の傾斜角度が5°〜10°の範囲となるように設計されており、これにより、被介護者は、座位及び立位での良肢位を安全且つ容易に実現することができる。
【0035】
本発明に係る肢位矯正ボードにおいて、一方の傾斜部と他方の傾斜部との間隔は、12cm以上であって且つ17cm以下であることが好ましい。
【0036】
このようにすると、被介護者は、座位及び立位の際に、平坦部及び傾斜部の上に、右足の大腿骨と左足の大腿骨とが互いに平行になるようにして各足底を配置することができるため、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保つことができるので、座位及び立位での良肢位を安全且つ確実に実現することができる。
【0037】
本発明に係る肢位矯正ボードにおいて、平坦部における両端に位置する一対の領域以外の領域の上には、凸部が形成されていることが好ましい。
【0038】
このようにすると、被介護者は、座位及び立位の際に、平坦部に設けられた凸部を用いて各足底を固定しながら、平坦部及び傾斜部の上に、右足の大腿骨と左足の大腿骨とが互いに平行になるようにして各足底を容易に配置することができる。
【0039】
また、被介護者は、凸部を用いて各足底を正しい位置に固定しながら、座位から立位へ移行することができる。
【0040】
これにより、被介護者は、座位から立位への移行の際に、各足底の配置位置がずれることを防止することができるので、立位での良肢位を確実に実現することができる。
【0041】
本発明に係る肢位矯正ボードにおいて、凸部の高さは、2cm以上であって且つ3cm以下であることが好ましい。
【0042】
このようにすると、被介護者は、座位及び立位の際に、凸部によって各足の踝等を摩擦することなく、平坦部に設けられた凸部を用いて各足底を固定しながら、平坦部及び傾斜部の上に、右足の大腿骨と左足の大腿骨とが互いに平行になるようにして各足底を容易に配置することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る肢位矯正ボードを用いることにより、被介護者は、座位及び立位の際に、地面に対して水平な面の上に各足の親指を間隔を空けて配置すると共に、地面に対して水平な面から5°〜10°の角度が付された面の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0044】
これにより、被介護者は、座位及び立位の際に、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、抗力の作用を充分に利用して自身の体重を容易に支えることができる。
【0045】
このため、被介護者は、転倒等の2次的傷害を引き起こすことなく、座位及び立位での良肢位を安全且つ確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0047】
(第1の実施形態)
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードについて、図1(a) 及び(b) を参照しながら説明する。
【0048】
図1(a) は、本発明に係る肢位矯正ボードの構造を示す斜視図であって、図1(b) は、本発明に係る肢位矯正ボードの構造を示す断面図である。
【0049】
図1(a) 及び(b) に示すように、本発明に係る肢位矯正ボード100は、平坦部101、傾斜部102及び凸部103から構成されている。
【0050】
図1(a) 及び(b) に示すように、本発明に係る肢位矯正ボード100は、各足の親指を水平に配置可能な平坦部101と、平坦部101の両端から連続して設けられ、各足の親指以外の4指を傾斜させて配置可能な一対の傾斜部102とを備える。
【0051】
また、平坦部101における両端に位置する一対の領域、すなわち、各足の親指を配置可能な領域以外の領域の上には、凸部103が形成されている。
【0052】
具体的には、傾斜部102は、平坦部101の上面を含む水平面に対して傾斜部102の上面が傾斜している角度aが6.5°となるように設計されている。また、平坦部101の両端から連続するようにして、一対の傾斜部102が左右対称に設けられており、一対の傾斜部102は、一方の傾斜部102と他方の傾斜部102との間隔bが15cmとなるように設計されている。
【0053】
また、凸部103は、幅cが約12cmであって且つ高さdが約2cmとなるように設計されている。このように、平坦部101における両端に位置する一対の領域は、各々の幅eが約2cmとなるように設計されており、該領域の幅eは、平坦部101の上に各足の親指を安定に配置することができるように設計されている。
【0054】
更に詳しくは、図1(a) 及び(b) に示すように、幅fは約30cm、及び幅gは約15cmであり、いずれも傾斜部102の上に各足の親指以外の4指を安定に配置することができるように設計されている。また、平坦部101の高さhは約2cmであり、この高さは必要に応じて適宜選択して設計される。
【0055】
また、本発明に係る肢位矯正ボード100は、プラスチックを用いて構成されており、これにより、肢位矯正ボード100の軽量化を図ることができる。
【0056】
但し、本発明に係る肢位矯正ボードを構成する材料は、プラスチックに限定されることはなく、例えば、木材等を用いても良い。
【0057】
このように、本発明に係る肢位矯正ボード100では、平坦部101の両端から連続するようにして、角度aが6.5°となるように設計された傾斜部102が設けられている。
【0058】
このため、被介護者は、平坦部101の上に各足の親指を間隔を空けて配置すると共に、傾斜部102の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0059】
すなわち、被介護者は、地面に対して水平な面の上に各足の親指を間隔を空けて配置すると共に、地面に対して水平な面から6.5°の角度が付された面の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0060】
ここで、平坦部101の上面に対して傾斜部102の上面が傾斜している角度が、6.5°であればより好ましい理由について考察を加えてみた結果、以下の理由が大きく関係していると考えられる。
【0061】
図2に示すように、全ての筋肉が全く伸縮せずに互いに拮抗した状態、すなわち、解剖学的肢位の(ストレスフリーな)状態において、右目と左足の重心とを結ぶと共に左目と右足の重心とを結ぶ(直線A参照)。続いて、直線Aに対して垂線を引くことにより、直線Bを得る。これにより、地面に対して水平な線である直線Cと直線Bとが成す角度Dを計測する。
【0062】
このとき、角度Dは6.5°と計測され、このように、角度Dの大きさは角度aの大きさに大きく関係していると考えられる。
【0063】
更に、平坦部101の上面に対して傾斜部102の上面の傾斜角度が10°よりも大きい角度である場合、被介護者は、座位及び立位の際に、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができないので、抗力の作用を充分に利用して自身の体重を容易に支えることが困難である。
【0064】
一方、平坦部101の上面に対して傾斜部102の上面の傾斜角度が5°よりも小さい角度である場合、被介護者は、座位及び立位の際に、膝関節及び股関節に対して余分な負荷がかかるので、転倒等の2次的傷害を引き起こす可能性がある。
【0065】
このため、本発明に係る肢位矯正ボード100では、平坦部101の上面に対して傾斜部102の上面の傾斜角度を5°〜10°の範囲となるように設計されている。
【0066】
これにより、被介護者は、座位及び立位の際に、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、地面からの抗力の作用を利用して自身の体重を容易に支えることができる。このため、被介護者は、座位及び立位での良肢位を安全且つ容易に保持することができる。
【0067】
また、被介護者は、座位及び立位の際に、足の親指の筋肉である長母指筋と、足の親指以外の4指の筋肉である長指筋とが互いに拮抗した状態を維持することができるため、長母指筋及び長指筋に対して過剰な負荷を与えることがないので、各足底に対して正しい体重の負荷をかけることができる。
【0068】
また、本発明に係る肢位矯正ボード100では、一対の左右対称に形成された傾斜部102が、一方の傾斜部102と他方の傾斜部102との間隔bが15cmとなるように設計されている。
【0069】
このため、被介護者は、座位及び立位の際に、平坦部101及び傾斜部102の上に、右足の大腿骨と左足の大腿骨とが互いに平行になるようにして各足底を配置することができるため、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保つことができるので、座位及び立位での良肢位を確実に保持することができる。
【0070】
また、本発明に係る肢位矯正ボード100では、凸部103が、凸部103の幅cが12cmとなるように設計されている。
【0071】
このため、被介護者は、座位及び立位の際に、平坦部101に設けられた凸部103を用いて各足底を固定しながら、平坦部101及び傾斜部102の上に、右足の大腿骨と左足の大腿骨とが互いに平行になるようにして各足底を容易に配置することができる。
【0072】
また、被介護者は、凸部103を用いて各足底を正しい位置に固定しながら、座位から立位へ移行することができる。
【0073】
これにより、被介護者は、座位から立位への移行の際に、各足底の配置位置がずれることを防止することができるので、立位での良肢位を確実に実現することができる。
【0074】
また、本発明に係る肢位矯正ボード100では、凸部103は、凸部103の高さdが2cmとなるように設計されている。
【0075】
このため、被介護者は、座位及び立位の際に、凸部103によって各足の踝等を摩擦することなく、平坦部101に設けられた凸部103を用いて各足底を固定しながら、平坦部101及び傾斜部102の上に、右足の大腿骨と左足の大腿骨とが互いに平行になるようにして各足底を容易に配置することができる。
【0076】
以上のように、被介護者は、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いることにより、介護者の手助け又は自らの力によって、地面に対して水平な面の上に各足の親指を間隔を空けて配置すると共に地面に対して水平な面から6.5°の角度が付された面の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0077】
これにより、被介護者は、座位及び立位の際に、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、抗力の作用を充分に利用して自身の体重を容易に支えることができる。
【0078】
このため、被介護者は、転倒等の2次的傷害を引き起こすことなく、座位及び立位での良肢位を安全且つ確実に保持することができる。
【0079】
また、介護者の経験レベル等に対応して、各足底の配置位置にバラツキが生じることがないので、被介護者は、座位及び立位での良肢位を再現性良く実現することができる。
【0080】
(第2の実施形態)
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードについて、具体的な使用方法、すなわち、座位での使用方法を例にして、図3、図4、及び前述した図1を参照しながら説明する。
【0081】
図3は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた座位を示す真横図である。
【0082】
図4は、本発明に係る肢位矯正ボードにおける、各足底の配置位置を示す平面図である。
【0083】
図3に示すように、被介護者は、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いて、座位での良肢位を実現する。
【0084】
具体的には、図4に示すように、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いて、被介護者は、平坦部101における凸部103が存在していない部分の上に各足の親指を配置すると共に、傾斜部102の上に各足の親指以外の4指を配置する。このように、被介護者は、平坦部101及び傾斜部102の上に、凸部103に沿うようにして各足底を配置する。
【0085】
これにより、被介護者は、座位の際に、介護者の手助け又は自らの力によって、地面に対して水平な面の上に各足の親指を間隔を空けて配置すると共に地面に対して水平な面から6.5°の角度が付された面の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0086】
このように、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いた座位では、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、座位の際に、抗力の作用を充分に利用することができる。
【0087】
このため、被介護者は、自身の体重を容易に支えることができるので、転倒等の2次的傷害を引き起こすことなく、座位での良肢位を安全且つ確実に保持することができる。
【0088】
また、介護者の経験レベル等に対応して、各足底の配置位置にバラツキが生じることがないので、被介護者は、座位での良肢位を再現性良く実現することができる。
【0089】
尚、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いた座位では、被介護者のみを対象とするのではなく、骨盤矯正を目的とする全ての人々を対象とする。例えば、子供の座位姿勢の矯正を目的として、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いても良い。
【0090】
(第3の実施形態)
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードについて、具体的な使用方法、すなわち、立位での使用方法を例にして、図5(a) 及び(b) を参照しながら説明する。
【0091】
図5(a) 及び(b) は、座位から立位への移行を示し、図5(a) は本発明に係る肢位矯正ボードを用いた座位を示す真横図であって、図5(b) は本発明に係る肢位矯正ボードを用いた立位を示す真横図である。
【0092】
図5(a) に示すように、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いて、被介護者は、平坦部101における凸部103が存在していない部分の上に各足の親指を配置すると共に、傾斜部102の上に各足の親指以外の4指を配置する。このように、被介護者は、平坦部101及び傾斜部102の上に、凸部103に沿うようにして各足底を配置する(前述した図4参照)。
【0093】
これにより、被介護者は、座位の際に、介護者の手助け又は自らの力によって、地面に対して水平な面の上に各足の親指を間隔を空けて配置すると共に地面に対して水平な面から6.5°の角度が付された面の上に各足の親指以外の4指を配置することができる。
【0094】
このようにして、被介護者は、座位での良肢位を実現する。
【0095】
次に、図5(b) に示すように、被介護者は、座位での良肢位を保持しながら立位へ移行する。
【0096】
このとき、被介護者は、平坦部101に設けられた凸部103を用いて、両足底を正しい位置に固定しながら、座位から立位へ移行することができる。
【0097】
このように、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いた座位から立位への移行では、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置、すなわち、足関節、膝関節、股関節の角度を正しい角度に固定矯正しながら、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができる。
【0098】
このため、被介護者は、座位から立位へ移行する際に、抗力の作用を充分に利用して自身の体重を容易に支えることができると共に下肢筋等に対して余分な負荷を与えることがないので、転倒等の2次的傷害を引き起こすことなく安全且つ確実に立位へ移行することができる。
【0099】
更には、被介護者は、座位から立位へ移行する際に、自身の体重の負荷を利用して下肢筋の強化を安全且つ確実に図ることができる。
【0100】
また、被介護者は、平坦部101に設けられた凸部103を用いて、各足底を正しい位置に固定しながら、すなわち、座位での良肢位を保持しながら、座位から立位へ移行することができる。
【0101】
これにより、被介護者は、座位から立位への移行の際に、各足底の配置位置がずれることを防止することができるので、立位での良肢位を確実に実現することができる。
【0102】
また、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いた立位では、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、自身の体重を他(例えば、各足の親指以外の4指)に分散させることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、立位の際に、抗力の作用を充分に利用することができる。
【0103】
このため、被介護者は、立位の際に、自身の体重を容易に支えることができると共に下肢筋等に対して余分な負荷を与えることがないので、転倒等の2次的傷害を引き起こすことなく、立位での良肢位を安全且つ確実に保持することができる。
【0104】
更には、被介護者は、立位での良肢位を保持することにより、下肢筋に対して余分な負荷を与えることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、自身の体重の負荷を利用して下肢筋の強化を安全且つ確実に図ることができる。
【0105】
また、介護者の経験レベル等に対応して、各足底の配置位置にバラツキが生じることがないので、被介護者は、立位での良肢位を再現性良く実現することができる。
【0106】
また、被介護者は、立位での良肢位を保持することにより、自身の全ての組織に対して正しい刺激を与えることができるので、全ての組織の活性化を促すことができる。
【0107】
(第4の実施形態)
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードについて、具体的な使用方法、すなわち、筋力の回復、維持及び増強を図る運動方法を例にして、図6(a) 〜(d) を参照しながら説明する。
【0108】
但し、本実施形態の説明では、前述した第1及び第2の実施形態と同様の説明は繰り返し行わない。
<実施例1>
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第1の運動について、図6(a) を参照しながら説明する。
【0109】
図6(a) は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第1の運動の流れを示す真横図である。
【0110】
図6(a) に示すように、被介護者は、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いて、座位での良肢位を実現する。
【0111】
次に、図6(a) に示すように、被介護者は、座位での良肢位を保持しながら、上体を体の前方へ倒す。続いて、被介護者は、上体を起こして座位での良肢位を保持しながら、上体を体の後方へ倒す。
【0112】
これにより、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、骨盤を前後に動かすことができる。このため、被介護者は、第1の運動の際に、下肢筋に対して余分な負荷を与えることがないため、下肢伸筋及び下肢屈筋を効率良く動かすことができるので、2次的傷害を引き起こすことなく、下肢筋の強化を安全且つ確実に図ることができる。
<実施例2>
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第2の運動について、図6(b) を参照しながら説明する。
【0113】
図6(b) は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第2の運動の流れを示す真横図である。
【0114】
図6(b) に示すように、被介護者は、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いて、座位での良肢位を実現する。
【0115】
次に、図6(b) に示すように、被介護者は、座位での良肢位を保持しながら、両足を用いて凸部103を挟んで持ち上げるように力を加える。
【0116】
このように、被介護者は、両足を用いて凸部103を挟んで持ち上げるように力を加えることにより、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、下肢筋及び腹筋に対して負荷を与えることができる。このため、被介護者は、第2の運動の際に、下肢筋及び腹筋に対して余分な負荷を与えることがないので、2次的傷害を引き起こすことなく、下肢筋及び腹筋の強化を安全且つ確実に図ることができる。
<実施例3>
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第3の運動について、図6(c) を参照しながら説明する。
【0117】
図6(c) は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第3の運動の流れを示す真横図である。
【0118】
図6(c) に示すように、被介護者は、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いて、座位での良肢位を実現する。
【0119】
次に、図6(c) に示すように、被介護者は、座位での良肢位を保持しながら立位へ移行することにより、立位での良肢位を実現する。
【0120】
次に、図6(c) に示すように、被介護者は、立位での良肢位を保持しながら、上体を体の前方へ倒す。続いて、被介護者は、上体を起こして立位での良肢位を保持しながら、上体を体の後方へ倒す。
【0121】
これにより、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、骨盤を前後に動かすことができる。このため、被介護者は、第3の運動の際に、下肢筋に対して余分な負荷を与えることがないため、下肢伸筋及び下肢屈筋を効率良く動かすことができるので、転倒等の2次的傷害を引き起こすことなく、下肢筋の強化を安全且つ確実に図ることができる。
【0122】
更には、被介護者は、第3の運動の際に、立位での良肢位を保持することにより、下肢筋に対して余分な負荷を与えることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、自身の体重の負荷を利用して下肢筋の強化をより一層安全且つ確実に図ることができる。
<第4の実施例>
以下に、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第4の運動について、図6(d) を参照しながら説明する。
【0123】
図6(d) は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第4の運動の流れを示す真横図である。
【0124】
図6(d) に示すように、被介護者は、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いて、座位での良肢位を実現する。
【0125】
次に、図6(d) に示すように、被介護者は、座位での良肢位を保持しながら立位へ移行することにより、立位での良肢位を実現する。
【0126】
次に、図6(d) に示すように、被介護者は、立位での良肢位を保持しながら、両膝を曲げて屈伸運動を行う。
【0127】
これにより、被介護者は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保ちながら、屈伸運動を行うことができる。このため、被介護者は、第4の運動の際に、下肢筋に対して余分な負荷を与えることがないため、下肢屈筋及び下肢伸筋を効率良く動かすことができるので、転倒等の2次的傷害を引き起こすことなく、下肢筋の強化を安全且つ確実に図ることができる。
【0128】
更には、被介護者は、第4の運動の際に、立位での良肢位を保持することにより、下肢筋に対して余分な負荷を与えることなく、各足底(特に、各足の親指)に対して体重の負荷を充分にかけることができるので、自身の体重の負荷を利用して下肢筋の強化をより一層安全且つ確実に図ることができる。
【0129】
尚、本発明に係る肢位矯正ボード100を用いた運動方法では、第1〜第4の運動について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、様々な運動に用いることが可能である。
【0130】
例えば、立位での良肢位を保持しながら、上半身に位置する筋肉に対して適度な負荷をかけることにより、2次的傷害を引き起こすことなく、上半身に位置する筋肉の強化を安全且つ確実に図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、脛骨、大腿骨及び骨盤を正しい位置に保つことができるので、座位及び立位での良肢位の実現に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】(a) は、本発明に係る肢位矯正ボードの構造を示す斜視図であって、(b) は、本発明に係る肢位矯正ボードの構造を示す断面図である。
【図2】解剖学的肢位の状態を示す平面図である。
【図3】本発明に係る肢位矯正ボードを用いた座位を示す真横図である。
【図4】本発明に係る肢位矯正ボードにおける、各足の配置位置を示す平面図である。
【図5】(a) は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた座位を示す真横図であって、(b) は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた立位を示す真横図である。
【図6】(a) 〜(d) は、本発明に係る肢位矯正ボードを用いた第1〜第4の運動の流れを示す真横図である。
【図7】(a) は、座位での良肢位を保持する従来の方法を示す斜視図であって、(b) は、立位での良肢位を保持する従来の方法を示す正面図である。
【符号の説明】
【0133】
100 肢位矯正ボード
101 平坦部
102 傾斜部
103 凸部
a 角度
b 間隔
c 幅
d 高さ
e 幅
f 幅
g 幅
h 高さ
w 間隔

















【出願人】 【識別番号】505070405
【氏名又は名称】有限会社訪問リハビリ研究センター
【出願日】 平成17年2月25日(2005.2.25)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100094134
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 廣毅

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【公開番号】 特開2006−230732(P2006−230732A)
【公開日】 平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願番号】 特願2005−50245(P2005−50245)