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【発明の名称】 介護入浴用可搬型浴槽装置
【発明者】 【氏名】水嶋 寛二

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起居動作に他者の介護が必要な身体不自由者などの被入浴者の介護入浴に用いる可搬型浴槽装置であって、
少なくとも、被入浴者の身体部分を受入れて浴槽内の温湯中に浸漬入浴可能にさせ、かつ該被入浴者での肩部該当側に対応して結合端面を形成させた主体部となる浴槽本体部材と、
前記浴槽本体部材の結合端面に着脱可能に結合させて一体的に組み上げ得る洗髪槽部材とを組み合わせて構成され、
前記浴槽本体部材の結合端面から前記洗髪槽部材を引き離して離脱させた状態で、該浴槽本体部材の浴槽内部に対し、該洗髪槽部材を重ね合わせて収装可能にしたことを特徴とする介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項2】
起居動作に他者の介護が必要な身体不自由者などの被入浴者の介護入浴に用いる可搬型浴槽装置であって、
前記被入浴者の身体部分を受入れて浴槽内の温湯中に浸漬入浴可能にさせ、かつ該被入浴者の肩部該当側に対応する前端側に結合端面を形成させた主体部となる浴槽本体部材、および該浴槽本体部材の上部開口側を覆って着脱可能に支架させた上で、被入浴者の身体部分を受入れて支承するための、好ましくは湯水透過性の入浴シート、ならびに該入浴シートでの被入浴者の足部該当側に対応する後端部側を浴槽内で昇降浮沈させて、被入浴者の身体部分を浴槽内の温湯中に浸漬入浴可能にさせる昇降操作機構と、
前記浴槽本体部材の前端側に形成した結合端面に対し、前方側から一体的に組み上げ結合させる着脱可能な洗髪槽部材と、
前記洗髪槽部材を一体化結合した浴槽本体部材を入浴場所の所要高さ位置に仮据え付け維持させる高さ調整可能な脚座機構とのそれぞれを備え、
前記浴槽本体部材の結合端面から前記洗髪槽部材を引き離して離脱させた状態で、該浴槽本体部材の浴槽内部側に対し、該洗髪槽部材を重ね合わせて収装させ得るようにすると共に、該収装形態のままで搬送移動可能にしたことを特徴とする介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項3】
前記浴槽本体部材の結合端面に対する前記洗髪槽部材の着脱可能な一体化組み上げ結合手段には、該結合端面への洗髪槽部材の結合フックを対応する結合鉤に押付けて自動的にロック結合させ、かつ解放レバーの操作で該ロック結合を解除するワンタッチ自動ロッキング機構手段を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項4】
前記浴槽本体部材の結合端面に対する前記洗髪槽部材の着脱可能な一体化組み上げ結合が、この浴槽本体部材と洗髪槽部材との両者の結合面間で可及的かつ効果的に水密封止してなされ、該水密封止によって結合面からの漏水防止をなし得るように構成したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項5】
前記浴槽本体部材での結合端面側の対応部分を除く浴槽の上周縁面にあっては、主体フランジ部を周設し、かつ該主体フランジ部の外側周縁に主体エプロン部を垂下させ、
また、前記洗髪槽部材での結合該当面の対応部分を除く洗髪槽の上周縁面にあっては、浴槽本体部材の浴槽内への洗髪槽部材の収装形態を妨げない態様で、前記主体フランジ部に重ね合わせて嵌挿させる被嵌フランジ部と、前記主体エプロン部の外面を覆う被覆エプロン部とを周設させたことを特徴とする請求項2ないし4の何れか1項に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項6】
前記被入浴者の身体部分を受入れて支承する入浴シートの昇降作動機構が、該入浴シート上に支承する被入浴者の体重負荷などの影響を受け得ない不還性の出力形態、例えば、ウォームホィールと、該ウォームホィールに可及的緩やかなリード角で噛合するウォームギアとによる不還性の出力形態に構成されていることを特徴とする請求項2ないし6の何れか1項に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項7】
前記浴槽本体部材の上方開口側を覆って支架させる入浴シートが、被入浴者の肩部該当側に対応するシート前端部を、該浴槽本体部材の前方部分へ着脱可能に係止保持させると共に、被入浴者の足部該当側に対応するシート後端部を、該浴槽本体部材の後部側に設けた前記昇降操作機構の回動操作軸へ巻取り巻戻し可能に係着支持させたことを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項8】
前記入浴シートのシート前端部を着脱可能に係止保持させる手段が、前記浴槽本体部材の前方左右両端部にそれぞれ基端部を可揺動的に枢支させて、該シート前端部左右から延出される各吊り環を挿通保持する各ハンギングレバーと、該各ハンギングレバーの先端部を入浴シートの支架引張力に抗して突当てる各ストッパピンとの組合せであることを特徴とする請求項7に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項9】
前記各ハンギングレバーが、前記各ストッパピンに突当てる先端部に近付けて引留め突起を突出させ、該引留め突起の先端部側にあって前記入浴シートの各前方吊り環を挿通保持する主引留め部を、また、基端部側にあってその他の入浴シートの各前方吊り環を挿通保持する補助引留め部をそれぞれに形成させたことを特徴とする請求項8に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項10】
前記入浴シートのシート後端部を前記浴槽本体部材の後部側昇降操作機構の回動操作軸へ巻取り巻戻し可能に係着支持させる手段が、前記回動操作軸の左右両端該当部に可揺動的に枢支させた左右の各押止レバーを設けると共に、前記シート後端部の左右からは各昇降ベルトを延出させた状態で、
前記回動操作軸の左右両端該当部分に対し、前記左右の各昇降ベルトのベルト末端部分を或る程度までそれぞれに巻付けた後、前記各押止レバーによって該巻付けられたベルト末端部分を回動操作軸面に抑止保持させた上で、該抑止保持させたベルト部分を基準にして、
前記回動操作軸の巻取り回動操作により、前記各昇降ベルトを巻取って該シート後端部を引き揚げ得るようにし、かつ該回動操作軸の巻戻し回動操作により、前記各昇降ベルトを巻戻して該シート後端部を引き降ろし得るようにしたことを特徴とする請求項7に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項11】
前記高さ調整可能な脚座機構が、前記浴槽本体部材の底部前後を支承する前方および後方の各管状脚を有し、該各管状脚に可回動的に枢支され、かつ所定の各回動角位置毎に固止可能にさせると共に、該各管状脚からの据え付け距離を各回動角位置毎に異ならせた複数の据え付け面をそれぞれにもつ左右1対づつの前方および後方の各脚座部材、好ましくは相互に連動可能な左右1対づつの前方および後方の各脚座部材によって構成されていることを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項12】
前記脚座機構での前後各管状脚の上端部が、前記浴槽本体部材の底部前後に設けられる左右1対づつの固定プレートに取付け止着されていることを特徴とする請求項11に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項13】
前記洗髪槽部材での該当する対応部分に対し、被入浴者の頭部を受支するピロー部を配置させたことを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【請求項14】
前記洗髪槽部材での所要部に対し、ハンドシャワーノズルを着脱可能に係着保持する係合支持部を配置させたことを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、身体不自由者などの介護入浴に用いる可搬型浴槽装置に関し、さらに詳しくは、入浴場所への搬入・搬出を極めて容易になし得ると共に、これに合わせて入浴介護者にとっても介護のための良好な作業性、ひいては、その使い勝手を向上させるべく全体的に改善して構成した介護入浴用可搬型浴槽装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、通常的に身体動作の円滑さを欠く身体不自由者など、例えば、老齢化によって身体動作に支障をきたしている寝たきり老人や、身体動作を円滑にはなし得ない障害者などにあっては、その起居動作を介助する介護者が常に必要とされており、これは日常的に行なわれる入浴に関しても決して例外ではなく、基本的に入浴介護者による安全でかつ効果的な入浴介護が必須である。
【0003】
さらに付言すると、この身体不自由者などが、自身の入浴介護を適切な入浴介護者(以下、単に「介護者」という)に託して依頼するためには、入浴介護に伴う種々相等をあらかじめ想定して法制化された介護保険などを利用する場合が多く、この場合の介護保険制度の利用では、所要各部にそれぞれの入浴介助手段を適切に配した浴槽設備、それも、比較的大型化の避けられない可搬型の浴槽本体などを用い、該浴槽本体を介護入浴の必要な身体不自由者などの住いする居宅内での浴室等の入浴場所へ搬入・搬出し、これを介護補助サービスと共々に供与するようにしている。すなわち、定期的に行なわれる巡回訪問形式の介護入浴サービスである。
【0004】
また、この種の身体不自由者などの入浴介護に適用する可搬型の入浴設備、殊に、その主体部となる浴槽本体については、一般的に使用されている健常者用の浴槽本体をそのままでは転用し難いことから、身体不自由者などを効果的に入浴させるのに不可避な各種形態を備えた上で、これに合わせて入浴行為を介助する介護者にとっても、使い勝手に優れて利便性に富む形態に構成する必要がある。
【0005】
従って、これらの各点をそれぞれに考慮するときは、浴槽本体のそれ自体についてだけでも、例えば、身体不自由者などの頭部以下の身体全体を浴槽内へ余裕をもって良好に浸漬して入浴させることができ、これによって入浴介護を快適に受け得べく配慮し、その温浴効果を有意義に活用できるように構成させることにより、一方では、身体不自由者などの入浴意欲を助長させ、かつ同時に衛生観念などの向上を図るのもまた目的に適うものとされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
而して、上記介護入浴用の可搬型浴槽装置においては、浴槽本体のそれ自体が、身体不自由者などに適用する必要上、比較的大型化するのをどうしても避けられないばかりか、全体重量も重くなって無視できず、この結果、前記身体不自由者などの居宅への浴槽装置全体の搬送が極めて困難であるほかに、居宅内での浴室等の入浴場所への搬入・搬出作業にも種々の支障を生ずることが明らかである。
【0007】
このため、従来においては、一般的に浴槽本体を中間部から2分割し、不使用時の分解と使用時の組立てとを可能にした態様にあらためて小型化すると共に、これらを強靭な合成樹脂材料で賦形成型して軽量化することにより、居宅への分解しての搬送、ならびに入浴場所への搬入とその組立て・再度分解しての搬出における利便性と取扱い易さを図るようにしている。
【0008】
しかしながら、浴槽自体には本来的に洗髪槽が不可分のものとして付随するので、たとえ、このように浴槽を中間部から2分割したとしても、極めて当然のことながら、その小型化には限界があり、かつ付随する洗髪槽もまた狭くされて使い難くなる。
【0009】
まして、浴槽自体は本来的に槽内に温湯を貯留して使用するものであるから、分割面からの漏水も完全に防止しなければならず、該分割面での組立て構造が極めて煩雑化するのを免れず、却って分解・組立ての際の作業性が阻害される惧れすらあった。
【0010】
従って、本発明の第1の目的とするところは、洗髪槽付きの浴槽自体を合理的な立場で浴槽本体部材と洗髪槽部材とに個別分割可能にして可及的に小型化すると共に、搬送時などには浴槽本体部材に対して洗髪槽部材を収装できるようにした、この種の介護入浴用可搬型浴槽装置を提供することである。
【0011】
また、本発明の第2の目的とするところは、前記第1の目的に加えて、浴槽本体部材と洗髪槽部材との各使い勝手をより一層効果的に改善した、この種の介護入浴用可搬型浴槽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記第1の目的を達成するため、本発明に係る請求項1に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、
起居動作に他者の介護が必要な身体不自由者などの被入浴者の介護入浴に用いる可搬型浴槽装置であって、
少なくとも、被入浴者の身体部分を受入れて浴槽内の温湯中に浸漬入浴可能にさせ、かつ該被入浴者での肩部該当側に対応して結合端面を形成させた主体部となる浴槽本体部材と、
前記浴槽本体部材の結合端面に着脱可能に結合させて一体的に組み上げ得る洗髪槽部材とを組み合わせて構成され、
前記浴槽本体部材の結合端面から前記洗髪槽部材を引き離して離脱させた状態で、該浴槽本体部材の浴槽内部に対し、該洗髪槽部材を重ね合わせて収装可能にしたことを特徴としている。
【0013】
前記第2の目的を達成するため、本発明に係る請求項2に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、
起居動作に他者の介護が必要な身体不自由者などの被入浴者の介護入浴に用いる可搬型浴槽装置であって、
前記被入浴者の身体部分を受入れて浴槽内の温湯中に浸漬入浴可能にさせ、かつ該被入浴者の肩部該当側に対応する前端側に結合端面を形成させた主体部となる浴槽本体部材、および該浴槽本体部材の上部開口側を覆って着脱可能に支架させた上で、被入浴者の身体部分を受入れて支承するための、好ましくは湯水透過性の入浴シート、ならびに該入浴シートでの被入浴者の足部該当側に対応する後端部側を浴槽内で昇降浮沈させて、被入浴者の身体部分を浴槽内の温湯中に浸漬入浴可能にさせる昇降操作機構と、
前記浴槽本体部材の前端側に形成した結合端面に対し、前方側から一体的に組み上げ結合させる着脱可能な洗髪槽部材と、
前記洗髪槽部材を一体化結合した浴槽本体部材を入浴場所の所要高さ位置に仮据え付け維持させる高さ調整可能な脚座機構とのそれぞれを備え、
前記浴槽本体部材の結合端面から前記洗髪槽部材を引き離して離脱させた状態で、該浴槽本体部材の浴槽内部に対し、該洗髪槽部材を重ね合わせて収装させ得るようにすると共に、該収装形態のままで搬送移動可能にしたことを特徴としている。
【0014】
本発明に係る請求項3に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項1または2の介護入浴用可搬型浴槽装置の構成において、
前記浴槽本体部材の結合端面に対する前記洗髪槽部材の着脱可能な一体化組み上げ結合手段には、該結合端面への洗髪槽部材の結合フックを対応する結合鉤に押付けて自動的にロック結合させ、かつ解放レバーの操作で該ロック結合を解除するワンタッチ自動ロッキング機構手段を用いることを特徴としている。
【0015】
本発明に係る請求項4に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項1ないし3の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記浴槽本体部材の結合端面に対する前記洗髪槽部材の着脱可能な一体化組み上げ結合が、この浴槽本体部材と洗髪槽部材との両者の結合面間で可及的かつ効果的に水密封止してなされ、該水密封止によって結合面からの漏水防止をなし得るように構成したことを特徴としている。
【0016】
本発明に係る請求項5に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項2ないし4の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記浴槽本体部材での結合端面側の対応部分を除く浴槽の上周縁面にあっては、主体フランジ部を周設し、かつ該主体フランジ部の外側周縁に主体エプロン部を垂下させ、
また、前記洗髪槽部材での結合該当面の対応部分を除く洗髪槽の上周縁面にあっては、浴槽本体部材の浴槽内への洗髪槽部材の収装形態を妨げない態様で、前記主体フランジ部に重ね合わせて嵌挿させる被嵌フランジ部と、前記主体エプロン部の外面を覆う被覆エプロン部とを周設させたことを特徴としている。
【0017】
本発明に係る請求項6に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記被入浴者の身体部分を受入れて支承する入浴シートの昇降作動機構が、該入浴シート上に支承する被入浴者の体重負荷などの影響を受け得ない不還性の出力形態、例えば、ウォームホィールと、該ウォームホィールに可及的緩やかなリード角で噛合するウォームギアとによる不還性の出力形態に構成されていることを特徴としている。
【0018】
本発明に係る請求項7に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記浴槽本体部材の上方開口側を覆って支架させる入浴シートが、被入浴者の肩部該当側に対応するシート前端部を、該浴槽本体部材の前方部分へ着脱可能に係止保持させると共に、被入浴者の足部該当側に対応するシート後端部を、該浴槽本体部材の後部側に設けた前記昇降操作機構の回動操作軸へ巻取り巻戻し可能に係着支持させたことを特徴としている。
【0019】
本発明に係る請求項8に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項7の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記入浴シートのシート前端部を着脱可能に係止保持させる手段が、前記浴槽本体部材の前方左右両端部にそれぞれ基端部を可揺動的に枢支させて、該シート前端部左右から延出される各吊り環を挿通保持する各ハンギングレバーと、該各ハンギングレバーの先端部を入浴シートの支架引張力に抗して突当てる各ストッパピンとの組合せであることを特徴としている。
【0020】
本発明に係る請求項9に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項8の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記各ハンギングレバーが、前記各ストッパピンに突当てる先端部に近付けて引留め突起を突出させ、該引留め突起の先端部側にあって前記入浴シートの各前方吊り環を挿通保持する主引留め部を、また、基端部側にあってその他の入浴シートの各前方吊り環を挿通保持する補助引留め部をそれぞれに形成させたことを特徴としている。
【0021】
本発明に係る請求項10に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項7の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記入浴シートのシート後端部を前記浴槽本体部材の後部側昇降操作機構の回動操作軸へ巻取り巻戻し可能に係着支持させる手段が、前記回動操作軸の左右両端該当部に可揺動的に枢支させた左右の各抑止レバーを設けると共に、前記シート後端部の左右からは各昇降ベルトを延出させた状態で、
前記回動操作軸の左右両端該当部分に対し、前記左右の各昇降ベルトのベルト末端部分を或る程度までそれぞれに巻付けた後、前記各抑止レバーによって該巻付けられたベルト末端部分を回動操作軸面に押止保持させた上で、該押止保持させたベルト部分を基準にして、
前記回動操作軸の巻取り回動操作により、前記各昇降ベルトを巻取って該シート後端部を引き揚げ得るようにし、かつ該回動操作軸の巻戻し回動操作により、前記各昇降ベルトを巻戻して該シート後端部を引き降ろし得るようにしたことを特徴としている。
【0022】
本発明に係る請求項11に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記高さ調整可能な脚座機構が、前記浴槽本体部材の底部前後を支承する前方および後方の各管状脚を有し、該各管状脚に可回動的に枢支され、かつ所定の各回動角位置毎に固止可能にさせると共に、該各管状脚からの据え付け距離を各回動角位置毎に異ならせた複数の据え付け面をそれぞれにもつ左右1対づつの前方および後方の各脚座部材、好ましくは相互に連動可能な左右1対づつの前方および後方の各脚座部材によって構成されていることを特徴としている。
【0023】
本発明に係る請求項12に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項11の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記脚座機構での前後各管状脚の上端部が、前記浴槽本体部材の底部前後に設けられる左右1対づつの固定プレートに取付け止着されていることを特徴としている。
【0024】
本発明に係る請求項13に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記洗髪槽部材での該当する対応部分に対し、被入浴者の頭部を受支するピロー部を配置させたことを特徴としている。
【0025】
本発明に係る請求項14に記載の介護入浴用可搬型浴槽装置は、前記請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、
前記洗髪槽部材での所要部に対し、ハンドシャワーノズルを着脱可能に係着保持する係合支持部を配置させたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る請求項1の発明では、浴槽本体部材と洗髪槽部材との両者を分割させ得るようにしたので、浴槽本体部材の浴槽内部に対し、洗髪槽部材を重ね合わせてコンパクトに収装させることができ、これによって浴槽装置における搬送時および搬入・搬出時の利便性が著しく向上し、かつ装置収納時の納まりも格段に改善される。
【0027】
本発明に係る請求項2の発明では、主体部となる浴槽本体部材での被入浴者の肩部該当側に対応する前端側に結合端面を形成させ、かつ該結合端面に対して洗髪槽部材を着脱可能に一体化組み上げ結合させるようにしたから、結合操作の容易かつ簡略化に加え、請求項1の場合と同様に、浴槽本体部材の浴槽内部に対し、洗髪槽部材を重ね合わせてコンパクトに収装させることができ、これによって浴槽装置での搬送時と搬入・搬出時との利便性が著しく向上し、かつ装置収納時の納まりも格段に改善される。
【0028】
また、浴槽本体部材の上部開口側を覆って被入浴者の身体部分を支承する入浴シートを着脱可能に支架させ、かつ該入浴シートでの被入浴者の足部該当側に対応する後端部側を昇降操作機構によって浴槽内に昇降浮沈させるようにしたので、結果的に被入浴者の身体部分を該浴槽内の温湯中に安全かつ効果的に浸漬させて快適な入浴が可能になり、かつ介護者による良好な入浴介護を容易に果たし得るのである。
【0029】
さらに、高さ調整可能な脚座機構により、洗髪槽部材を一体化結合した浴槽本体部材につき、これを入浴場所における所要高さ位置の床面上に仮据え付け設置して維持させるようにしたので、該浴槽本体部材の使い勝手、ひいては介護者による入浴介護の作業性が良好になる。
【0030】
本発明に係る請求項3の発明では、請求項1または2の介護入浴用可搬型浴槽装置の構成において、浴槽本体部材への洗髪槽部材の着脱可能な一体化組み上げ結合にワンタッチ自動ロッキング機構手段を用いたから、浴槽本体部材の結合端面に設けられる結合鉤に対して洗髪槽部材の結合フックを押し込むだけの簡単な操作で自動的にロック結合できるのであり、また、解放レバーの操作で該ロック結合を容易に解除させ得て再分離可能になるのである。
【0031】
本発明に係る請求項4の発明では、請求項1ないし3の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、浴槽本体部材への洗髪槽部材の着脱可能な一体化組み上げ結合が、これらの両者の結合面間で可及的かつ効果的に水密封止されるので、この水密封止によって該結合面からの漏水を効果的に阻止し得るのである。
【0032】
本発明に係る請求項5の発明では、請求項2ないし4の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、浴槽本体部材での結合端面側の対応部分を除く浴槽の上周縁面に対して主体フランジ部と主体エプロン部とを形成させ、また、洗髪槽部材での結合該当面の対応部分を除く洗髪槽の上周縁面に対して、浴槽本体部材の浴槽内への洗髪槽部材の収装形態を妨げない態様で、該主体フランジ部に重ね合わせて嵌挿させる被嵌フランジ部と、該主体エプロン部の外面を覆う被覆エプロン部とを形成させたので、浴槽本体部材の浴槽内への洗髪槽部材の重ね合わせ収装が容易かつ簡単になり、合わせて該洗髪槽部材での洗髪介護の作業範囲を広く取り得るのである。
【0033】
本発明に係る請求項6の発明では、請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、被入浴者の身体部分を支承する入浴シートの昇降操作に不還性出力形態の昇降作動機構を用いたから、該入浴シートの昇降をシート上に支承する被入浴者の体重負荷などに影響されずに確実かつ容易に操作し得るのである。
【0034】
本発明に係る請求項7の発明では、請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、浴槽本体部材の上方開口側を覆って支架させる入浴シートにあって、被入浴者の肩部該当側に対応するシート前端部を浴槽本体部材の前方部分へ着脱可能に係止保持させ、かつ被入浴者の足部該当側に対応するシート後端部を浴槽本体部材の後部側に設けた昇降操作機構の回動操作軸面に巻取り巻戻し可能に支持させるので、該昇降操作機構の巻取り巻戻し操作によって入浴シートの後端部側を浴槽内で効果的に昇降浮沈作動させ得るのである。
【0035】
本発明に係る請求項8の発明では、請求項7の介護入浴用浴槽装置の構成において、浴槽本体部材の前方左右両端部に可揺動的に枢支されて入浴シートの前端部左右から延出する各吊り環を着脱可能に挿通保持させる各ハンギングレバー、および該各ハンギングレバーの先端部を突当て保持する各ストッパピンとの組合せ構造を用いるようにしたから、該シート前端部の係止保持を容易に行ない得るのである。
【0036】
本発明に係る請求項9の発明では、請求項8の介護入浴用浴槽装置において、各ハンギングレバーでの各ストッパピンに突当てる先端部に近付けて引留め突起を突出させることにより、該引留め突起の先端部側に形成される主引留め部には、入浴シートの各前方吊り環を挿通して容易に保持させ得るのであり、また、基端部側に形成される補助引留め部には、その他の入浴シートの各前方吊り環を挿通して容易に保持させ得るのである。
【0037】
本発明に係る請求項10の発明では、請求項7の介護入浴用浴槽装置の構成において、入浴シートのシート後端部を浴槽本体部材での後部側昇降操作機構の回動操作軸へ巻取り巻戻し可能に支持させるため、該回動操作軸の左右両端該当部に可揺動的に枢支される各抑止レバーを用い、該各抑止レバーによってシート後端部左右から延出される各昇降ベルトの末端部分を回動操作軸面に押止保持させるようにしたから、回動操作軸の巻取り操作でシート後端部を容易に引き揚げ、かつ巻戻し操作で該シート後端部を容易に引き降ろし得るのである。
【0038】
本発明に係る請求項11の発明では、請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、浴槽本体部材の底部前後を各管状脚で支承させ、かつ該各管状脚に対し、据え付け距離を各回動角位置毎に異ならせた複数の据え付け面をもつ各脚座部材を可回動的に枢支させると共に、その所定回動角位置毎に固止可能にしたので、個々の各据え付け面を選択することにより、浴槽本体部材の据え付け高さ位置を予め所望通りに設定できるのである。
【0039】
本発明に係る請求項12の発明では、請求項11の介護入浴用浴槽装置において、浴槽本体部材の底部前後に設けられる左右1対づつの固定プレートに対し、脚座機構での前後各管状脚の上端部を取付け止着させるので、浴槽本体部材への脚座機構の固設を容易になし得るのである。
【0040】
本発明に係る請求項13の発明では、請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、洗髪槽部材の対応部分にピロー部を配置させるので、被入浴者の入浴介護に際し、該被入浴者の頭部を本人の望む適切な位置部分でピロー部によって容易に支えることができ、被入浴者にとっては快適な介護入浴を受けられ、かつ介護者にしてみれば、その入浴介護作業を良好かつ効果的に行ない得るのである。
【0041】
本発明に係る請求項14の発明では、請求項2ないし5の何れか1項の介護入浴用浴槽装置の構成において、洗髪槽部材での所要部にあってハンドシャワーノズルを着脱可能に係着保持させるようにしたから、比較的広目にされる洗髪槽で該ハンドシャワーノズルを併用することにより、洗髪介護作業自体を円滑かつ効果的に行ない得るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明に係る介護入浴用可搬型浴槽装置の代表的な実施形態例につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0043】
添付各図は、本実施形態例(以下、単に「本実施形態」、または単に「実施形態」という)を適用した可搬型浴槽装置の概要構成を模式的に表わしており、図1は、本実施形態による可搬型浴槽装置(以下、単に「浴槽装置」ともいう)としての浴槽本体部材と洗髪槽部材との全体を使用態様に組み上げた状態で示す斜視説明図、図2は、同上使用態様において浴槽本体部材に組み付けられる洗髪槽部材部分を示す斜視説明図である。
【0044】
また、図3は、同上実施形態での使用状態に組み上げてなる浴槽装置としての結合させた浴槽本体部材および洗髪槽部材を取り出して概念的に示す左側立面説明図、図4は、同上図3における平面説明図、図5は、同上洗髪槽部材を取り外した状態での浴槽本体部材の端面説明図であって、これらの図3ないし図5においては浴槽本体部材および洗髪槽部材に付帯される主要な各構成部材の配置態様をも概念的に示してある。
【0045】
また、図6は、同上実施形態での浴槽本体部材に対して洗髪槽部材を重ね合わせ収装させた搬入・搬出時における平置き態様を示す斜視説明図、図7は、同上搬入・搬出時における横置き態様を示す斜視説明図、図8は、同上搬入・搬出時における縦置き態様を示す斜視説明図である。
【0046】
そして、図9ないし図11は、同上実施形態での浴槽装置における使用状態から搬入・搬出状態への変化の態様を表わすもので、図9は、同上使用状態での図4に対応させた浴槽装置全体の平面略図であり、図10は、同上搬入・搬出状態での図6に対応させた浴槽装置全体の平面略図、図11は、同上搬入・搬出状態での図6に対応させた浴槽装置全体の立面略図である。
【0047】
さらに、図12は、同上実施形態での浴槽装置において被介護入浴者を浴槽本体部材内に受入れて支承させるための入浴シートでの前方保持止着部の形態例を示す拡大した部分斜視説明図、図13は、同上入浴シートでの後方巻き取り・巻き戻し止着部の形態例を示す拡大した部分斜視説明図であり、図14(a),(b) は、同上浴槽本体部材に対する洗髪槽部材での係着結合の形態例を段階的に示す各斜視説明図、図15は、同上入浴シートでの昇降操作機構の形態例を示す部分略図である。
【0048】
これらの添付各図において、本実施形態による浴槽装置10は、装置自体の主体部となる浴槽本体部材11、および該浴槽本体部材11での浴槽部分11aの上方開口表面ほぼ全域を覆って支架され、被入浴者(この場合、身体不自由者などに該当、以下の記載においても全く同様である)の頸部以下の身体部分を受入れて支承するための、好ましくは湯水透過性の入浴シート31、および該入浴シート31での被入浴者の足部該当側に対応する後端部側を浴槽部分11a内で昇降浮沈させて、該被入浴者の身体部分を浴槽部分11a内の温湯中に浸漬入浴可能にさせる昇降操作機構部41と、前記浴槽本体部材11の前端部側(各図での左方側に該当、以下の記載においても全く同様である)に対し、ワンタッチ自動ロッキング機構部71を用いて着脱可能に一体化結合される洗髪槽部材51、および該洗髪槽部材51での適所に配置されて被入浴者の頭部を支承するピロー部81と、前記浴槽本体部材11を所要高さ位置に選択して仮据え付け設置維持する脚座機構部91とのそれぞれで全体構成されている。
【0049】
先ず、前記浴槽本体部材11は、図1、図3ないし図5に示す如く、上方が開口された浴槽部分11aを有し、前記入浴シート31のシート面上に支承する被入浴者の頸部以下の身体部分を上方からシートごと浴槽12内へ受入れることで、該被入浴者を該浴槽部分11a内の温湯中に浸漬して入浴させ得るのに足るだけの比較的余裕のある所要寸法、すなわち、所要程度による左右方向の幅と前後方向の長さ、それに所要程度による上下方向の深さからなる全体形状に設定されており、この浴槽部分11aでの前端側、ひいては浴槽本体部材11の前端側には、前記洗髪槽部材51を前記ワンタッチ自動ロッキング機構71で着脱可能に一体化結合させるための結合端面12が形成されている。
【0050】
また、前記浴槽本体部材11での結合端面12側の対応部分を除いた浴槽部分11aの上周縁面にあっては、図3ないし図5に示す如く、主体フランジ部13を周設させ、該主体フランジ部13の外側周縁に主体エプロン部14を垂下させてあり、一方、前記浴槽部分11aの前端側に該当する結合端面12の上縁には、左右に各前方係止段部16,16を残した上で、前記洗髪槽部材51の結合時に双方の槽内上部相互間の連繋を円滑にとるための連繋フランジ部15を形成させてある。
【0051】
そして、前記連繋フランジ部15と前記上縁左右に残した前方係止段部16,16とに共通する連繋エプロン部17に対しては、その水平方向の全幅範囲に亘って防水シール18を施してある。なお、符号19は浴槽部分11a内の温湯などを排除するための水抜き穴である。
【0052】
また、前記浴槽本体部材11の左右各前端下面側には、図14(a),(b) に示す如く、前記洗髪槽部材51のそれ自体、ひいては該洗髪槽部材51の左右各後端下面側から突出される結合フック57を受入れて結合させるためのロック結合用の結合鉤72を設けると共に、該ロック解除用の解放レバー73を配した前記ワンタッチ自動ロッキング機構部71を垂設させてある。
【0053】
さらに、前記浴槽本体部材11の左右各後端面側には、図3および図4に示す如く、前記昇降操作機構部41の回動操作軸42の両端を可回動的に枢支する枢支支持板43,43を着脱可能に挿着させ、かつ前記入浴シート31の利用補助のために前記主体フランジ部13の左右挿着穴に挿着し直して用いる補助バー20を同様に挿着させてある。
【0054】
そして、前記浴槽本体部材11の前後各底面には、あらためて後述するように、前後1組からなる高さ調整可能な前記各脚座機構91を固定して用いる。
【0055】
一方、前記浴槽本体部材11における左右各前方係止段部16,16に対しては、前記入浴シート31での被入浴者の肩部該当側に対応するシート前端部の左右を係止保持させる手段の一例として、図12に示す如く、左右各基端部を内側にとって可揺動的に枢支される各ハンギングレバー21,21、および該各ハンギングレバー21,21の各先端部を突当てて保持する各ストッパピン23,23の組合せをそれぞれに設けてある。
【0056】
また、前記各ハンギングレバー21,21での各先端部に近付けて引留め突起22,22をそれぞれに突出させることで、該各引留め突起22,22の先端部側にあって、前記入浴シート31での後述する各前方吊り環32,32を挿通保持するための各主引留め部21a,21aをそれぞれに形成させてあり、かつ基端部側にあっては、その他の入浴シート、例えば、純正以外でやや幅狭にされた他社製の入浴シート31aなどであっても、そのの各前方吊り環32a,32aを挿通保持するための各補助引留め部21b,21bをそれぞれに形成させてある。
【0057】
また同様に、前記昇降操作機構部41における回動操作軸42の左右端部に対しては、前記入浴シート31での被入浴者の足部該当側に対応するシート後端部の左右を係着支持させる手段の一例として、図13に示す如く、該回動操作軸42の軸面上で、左右各基端部側を内側にとって可揺動的に枢支される各抑止レバー25,25をそれぞれに設けてあり、該各抑止レバー25,25によって回動操作軸42の軸面に巻き付けられる前記入浴シート31での後述する各昇降ベルト37,37を抑止支持する。
【0058】
さらに、前記昇降操作機構部41としては、図15に示す如く、前記入浴シート31におけるシート後端部の昇降操作に際して、該入浴シート31上に支承する被入浴者の体重負荷などの影響を効果的に排除し得るところの、不還性の出力形態、例えば、回動操作軸42をもつウォームホィール44と、該ウォームホィール44に可及的緩やかなリード角で噛合して回動操作ハンドル46で回動操作させるウォームギア45とによる不還性の出力形態に構成したものであって良い。
【0059】
続いて、前記入浴シート31のシート前端部側の左右にあっては、図1に見られるように、前記各ハンギングレバー21,21に係止保持させるための各前方吊り環32,32をそれぞれに延出させると共に、そのシート後端部側の左右には、この場合、同様に各後方吊り環36,36を引き出した上で、該各後方吊り環36,36に対し、連結環38,38を介することで前記回動操作軸42の左右該当端部に係着支持させるための各昇降ベルト37,37をそれぞれに延出させてある。
【0060】
また、前記洗髪槽部材51は、図1ないし図5に示す如く、前端相当側が円弧状をなして比較的広目に設定され、かつ後端面側に前記浴槽本体部材11での防水シール18を施した連繋エプロン部17に当接される被結合壁面52を配した上で、上方が開口された洗髪槽部分51aを有しており、該洗髪槽部分51aには、上縁から幾分か下がった左右両側壁部分にあって、各ピロー配置段部51b,51bを対向してそれぞれに形成させてある。
【0061】
そして、前記洗髪槽部材51には、前記浴槽本体部材11での結合端面に対向する結合面部分を除いた上周縁面にあって、該浴槽本体部材11の主体フランジ部13に上方から着脱可能に嵌着させ得る被嵌フランジ部53を周設させ、かつ該被嵌フランジ部53の外側周縁にあって、該浴槽本体部材11の主体エプロンブ部14の外面を覆う被覆エプロン部54を垂下させると共に、該被嵌フランジ部53の外縁辺から被覆エプロン部54にかけて、浴槽本体部材11への洗髪槽部材51の重ね合わせ収装を妨げない該当範囲内(主体エプロンブ部14に対して、嵌着される被嵌フランジ部53および被覆エプロン部54が、該主体エプロンブ部14と衝接しない範囲内)に亘って受入れ切欠部55を切り欠いてある。なお、符号56は洗髪槽部分51a内の温湯などを排除するための水抜き穴である。
【0062】
また、前記洗髪槽部材51の左右各後端下面側には、図14(a),(b) に示す如く、前記浴槽本体部材11の左右各前端下面側に垂設されるワンタッチ自動ロッキング機構部71の結合鉤72に結合させるための結合フック57を突出させてある。さらに、前記円弧状先端部にあっては、図1に見られるように、ハンドシャワーノズル101を着脱可能に係着保持するための係合支持部102を設けてある。
【0063】
さらに、前記浴槽本体部材11を所要高さ位置に選択した上で、該選択された高さ位置に仮据え付け設置して維持する脚座機構91は、本願の出願人が先に提案した特願2003−187346で開示した発明の名称「介護入浴用可搬型浴槽の脚座装置」とほぼ同等の内容のもであって良く、その形態としては、例えば、図1、図3ないし図5に示す如く、前記浴槽本体部材11での底部の左右前方支承面に固定される前方管状脚92、および底部の左右後方支承面に固定されて前方管状脚92と同一水平面を占める後方管状脚93をそれぞれに設けてあり、前記前方管状脚92に対しては、左右1対づつの前方脚座部材94,94を回動的に枢支させた上で、続いて述べる如く、所定の各回動角位置毎に止めネジ92aなどで固止可能にさせ、一方、前記後方管状脚93に対しても全く同様に、左右1対づつの後方脚座部材95,95を回動的に枢支させた上で、所定の各回動角位置毎に止めネジ93aなどで固止可能にさせてある。
【0064】
而して、前記前方脚座部材94,94および後方脚座部材95,95は、それぞれに同一形状からなる枠組み部材として形成されるもので、前記各管状脚92,92と93,93からの据え付け距離を各回動角位置毎に異ならせた複数段階の各据え付け面として、この場合には、
(a) 最大据え付け距離A(据え付け設置床面A’に該当する)の第1段据え付け枠面94a,94aおよび95a,95aと、
(b) 中間据え付け距離B(据え付け設置床面B’に該当する)の第2段据え付け枠面94b,94bおよび95b,95bと、
(c) 最小据え付け距離C(据え付け設置床面C’に該当する)の第3段据え付け枠面94c,94cおよび95c,95cと
による合計3段階にそれぞれ設定してあり、これらの各段階、ひいては各該当脚座部材94,94および95,95の回動角位置を選択することで、結果的には、前記浴槽本体部材11を設置該当床面上での選択された高さ位置に仮据え付けして、その状態を安定的に継続して維持し得るのである。
【0065】
ここで、前記高さ調整可能な脚座機構91の前方管状脚92と後方管状脚93との各左右上端部は、前記浴槽本体部材11の底部前後に設けられる左右1対づつの固定プレート11b,11bに取付け止着させることで固設されている。
【0066】
また、前記ピロー部81は、図1に示す如く、被入浴者の頭部を支承するピロー管82を左右端部の支持板83.83で支持させたものであって良く、該ピロー管82は前記洗髪槽部材51の各ピロー配置段部51b,51b上での被入浴者が所望する位置部分に配置して用いるのである。そして、前記ピロー管82上には、僅かに弾褥性のあるピロークッション58を介装させるのも好ましい。
【0067】
次に、上記各構成での本実施形態による浴槽装置10の作用および効果について、前記浴槽本体部材11に洗髪槽部材51を組み上げ結合させた使用状態の場合(この場合、浴槽装置10は、仮に距離Aの設置床面A’上に据え付けられているものとする)と、前記浴槽本体部材11の浴槽部分11a内に洗髪槽部材51を重ね合わせた収装状態の場合とで各別に項分けして説明する。
【0068】
〔使用状態の場合〕
この使用状態の場合、前記浴槽本体部材11に前記洗髪槽部材51を組み上げ結合させるのには、主に図1と、それに図3、図4および図6、図9によって明らかな如く、浴槽本体部材11の結合端面12でのワンタッチ自動ロッキング機構部71の結合鉤72に対して洗髪槽部材51の結合フック57を押し込むようにすることで、これらの両者相互を全一体的に結合させる。このとき、洗髪槽部材51の被結合壁面52は、ワンタッチ自動ロッキング機構部71の内部機構で付勢されて結合端面12に施された防水シール18に圧接されるために、該両者間での防水処置が自動的に講じられることになり、この状態では、浴槽部分11aと洗髪槽部分51aとが連繋フランジ部15の上面側を通してのみ連接可能にされる。
【0069】
また、前記のようにして浴槽本体部材11に洗髪槽部材51を結合させた後、浴槽部分11aの上方開口に対しては、入浴シート31を張設して支架させる。すなわち、図1に見られるように、先ず、前方側にあっては、入浴シート31でのシート前端部の左右にある各前方吊り環32,32を該当する各ハンギングレバー21,21の各主引留め部21a,21aに挿通係止させた上で、該各ハンギングレバー21,21の先端部を各ストッパピン23,23に突当て保持させておき、後方側にあっては、入浴シート31でのシート後端部の左右から延びる各昇降ベルト37,37の末端部分を、昇降操作機構部41での回動操作軸42の該当各軸面に少々巻付けて係着させた上で、各抑止レバー25,25によって押止支持させる。
【0070】
次いで、昇降操作機構部41の回動操作ハンドル46を巻取り方向に回動操作することにより、各昇降ベルト37,37をより一層巻締めて入浴シート31を張設させる。また別に、洗髪槽部材51の係合支持部102に対しては、予めハンドシャワーノズル101を着脱可能に係着保持させると共に、その各ピロー配置段部51b,51b上にピロー部81およびピロークッション58などを配置させておき、かつ浴槽本体部材11の洗髪槽部分51aに温湯を満たして貯留させる。
【0071】
以上のようにして、被入浴者に対する入浴介護のための準備の一切が整えられることになる。
【0072】
一方、被入浴者の入浴介護については、浴槽本体部材11での浴槽部分11aの開口上部に支架されている入浴シート31上に該被入浴者の頸部から下の身体部分を受入れて支承させ、かつ洗髪槽部材51での洗髪槽部分51aに配置させたピロー部81およびピロークッション58で該被入浴者の頭部を支承させた状態で、昇降操作機構部41の回動操作ハンドル46を巻戻し方向に回動操作することにより、入浴シート31のシート後端部側、つまりは被入浴者の足さき部から腰部にかけた部分を洗髪槽部分51a内の温湯中に沈降浸漬させ得るのであり、また、該回動操作ハンドル46を巻取り方向に回動操作することにより、これとは逆に被入浴者の身体部分を温湯中から引き揚げ得るのである。そして、この状態では、洗髪槽部分51aにおいて、被入浴者の頭髪洗浄をも行ない得ることは勿論である。
【0073】
〔収装状態の場合〕
続いて、上記入浴介護の終了後における前記浴槽本体部材11からの前記洗髪槽部材51の離脱処置について、図6〜図8および図10、図11を参照して述べる。すなわち、浴槽本体部材11の浴槽部分11a内と洗髪槽部材51の洗髪槽部分51a内に残されている温湯などを抜き取り、かつ入浴シート31やピロー部81を取り除いてから、各要部全体を清拭した上で、ワンタッチ自動ロッキング機構部71の解放レバー73を操作することにより、浴槽本体部材11にロック結合されていた洗髪槽部材51自体を容易に離脱させ得るのである。
【0074】
また、浴槽本体部材11からの洗髪槽部材51を離脱させたのちは、図6によって明らかな如く、浴槽本体部材11の浴槽部分11a内に対して、洗髪槽部材51を上方から重ね合わせて収装させることでコンパクトに取り纏め得るもので、一方、この収装状態においては、コンパクト化された装置全体を図7に示すように横向きにしての移動とか、図8に示すように上下方向に立てての移動などを容易に行ない得るのである。
【0075】
すなわち、以上のようにして、本発明による介護入浴用可搬型浴槽装置では、所期通りの各目的を比較的簡単な構成で容易に達成できるのである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態による浴槽装置としての浴槽本体部材と洗髪槽部材との全体を使用態様に組み上げた状態で示す斜視説明図である。
【図2】同上使用態様において浴槽本体部材に組み付けられる洗髪槽部材部分を示す斜視説明図である。
【図3】同上実施形態での使用状態に組み上げてなる浴槽装置としての結合させた浴槽本体部材および洗髪槽部材を取り出して概念的に示す左側立面説明図である。
【図4】同上図3における平面説明図である。
【図5】同上洗髪槽部材を取り外した状態での浴槽本体部材の端面説明図である。
【図6】同上実施形態での浴槽本体部材に対して洗髪槽部材を重ね合わせ収装させた搬入・搬出時における平置き態様を示す斜視説明図である。
【図7】同上搬入・搬出時における横置き態様を示す斜視説明図である。
【図8】同上搬入・搬出時における縦置き態様を示す斜視説明図である。
【図9】同上実施形態での浴槽装置における使用状態での図4に対応させた浴槽装置全体の平面略図である。
【図10】同上搬入・搬出状態での図6に対応させた浴槽装置全体の平面略図である。
【図11】同上搬入・搬出状態での図6に対応させた浴槽装置全体の立面略図である。
【図12】同上実施形態での浴槽装置において被介護入浴者を浴槽本体部材内に受入れて支承させるための入浴シートでの前方保持止着部の形態例を示す部分拡大斜視説明図である。
【図13】同上入浴シートでの後方巻き取り・巻き戻し止着部の形態例を示す部分拡大斜視説明図である。
【図14】(a),(b)は、同上浴槽本体部材に対する洗髪槽部材での係着結合の形態例を段階的に示す各斜視説明図である。
【図15】同上入浴シートでの昇降操作機構の形態例を示す部分略図である。
【符号の説明】
【0077】
10 浴槽装置
11 浴槽本体部材
11a 浴槽部分
11b 固定プレート
12 結合端面
13 主体フランジ部
14 主体エプロン部
15 連繋フランジ部
16 前方係止段部
17 連繋エプロン部
18 防水シール
19 水抜き穴
20 補助バー
21 ハンギングレバー
21a 主引留め部
21b 補助引留め部
22 引留め突起
23 ストッパピン
25 抑止レバー
31 入浴シート
32 前方吊り環
36 後方吊り環
37 昇降ベルト
38 連結環
41 昇降操作機構部
42 回動操作軸
43 枢支支持板
44 ウォームホィール
45 ウォームギア
46 回動操作ハンドル
51 洗髪槽部材
51a 洗髪槽部分
51b ピロー配置段部
52 被結合壁面
53 被嵌フランジ部
54 被覆エプロン部
55 受入れ切欠部
56 水抜き穴
57 結合フック
58 ピロークッション
71 ワンタッチ自動ロッキング機構部
72 結合鉤
73 解放レバー
81 ピロー部
91 脚座機構
92 前方管状脚
92a 止めネジ
93 後方管状脚
93a 止めネジ
94 前方脚座部材
94a 第1段据え付け枠面
94b 第2段据え付け枠面
94c 第3段据え付け枠面
95 後方脚座部材
95a 第1段据え付け枠面
95b 第2段据え付け枠面
95c 第3段据え付け枠面
A 最大据え付け距離(据え付け設置床面A’に該当)
B 中間据え付け距離(据え付け設置床面B’に該当)
C 最小据え付け距離(据え付け設置床面C’に該当)
101 ハンドシャワーノズル
102 係合支持部
【出願人】 【識別番号】502088962
【氏名又は名称】有限会社日本移動車輌
【出願日】 平成17年1月7日(2005.1.7)
【代理人】 【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫

【公開番号】 特開2006−187505(P2006−187505A)
【公開日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願番号】 特願2005−2318(P2005−2318)