| 【発明の名称】 |
体重免荷アシスト装置および体重免荷アシストプログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】芦原 淳 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】遠藤 洋介 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】池内 康 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】日木 豊 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】竹中 透 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】利用者の脚の拘束を軽減しつつ、軽量で脚への負担を低減させることが可能な体重免荷アシスト装置および体重免荷アシストプログラムを提供する。
【解決手段】体重免荷アシスト装置1Aは、利用者Pの体に装着される体装着部10と、利用者Pの足に、接地可能に装着される足装着部30Lと、体装着部10と足装着部30Lとを複数の関節部21L,23L,25Lを介して連結する脚リンク部20Lと、関節部21L,23Lを駆動するアクチュエータ21aL,23aLと、アクチュエータ21aL,23aLの駆動を制御する制御部と、体装着部10を介して脚リンク部20L,にかかる利用者Pの荷重を検出する荷重センサと、を備えており、制御部は、脚リンク部20Lが体装着部10を介して利用者Pに体重免荷アシスト力を付与するようにアクチュエータ21aL,23aLを駆動する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 利用者の体に装着される体装着部と、 床面に接地可能に設けられた床面接地部と、 前記体装着部と前記床面接地部とを関節部を介して連結する脚リンク部と、 前記関節部を駆動するアクチュエータと、 前記アクチュエータの駆動を制御する制御部と、 を備えている体重免荷アシスト装置であって、 前記制御部は、前記脚リンク部が前記体装着部を介して前記利用者に体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする体重免荷アシスト装置。 【請求項2】 前記利用者の足の接地を検出する接地検出手段をさらに備え、 前記接地検出手段が接地を検出した場合には、前記制御部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項3】 前記接地検出手段が接地を検出しない場合には、前記制御部は、前記アクチュエータの駆動を解除し、前記関節部を回動自在とすることを特徴とする請求項2に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項4】 前記アクチュエータは、前記脚リンク部に設けられた股関節部を駆動する股関節部アクチュエータを備え、 前記接地検出手段が接地を検出しない場合には、前記制御部は、前記股関節部アクチュエータを、前記利用者の大腿の振り出しをアシストするように駆動することを特徴とする請求項2に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項5】 前記制御部は、所定値の目標体重免荷アシスト力が設定されており、 前記接地検出手段が接地を検出した場合には、前記制御部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項6】 前記制御部は、前記利用者の体重の所定割合である目標体重免荷アシスト力が設定されており、 前記接地検出手段が接地を検出した場合には、前記制御部は、前記利用者の体重の所定割合の前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項7】 前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備え、 前記制御部は、前記目標体重免荷アシスト力の下限値および上限値が設定されており、 前記制御部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記脚リンク部による体重免荷アシスト力が前記目標体重免荷アシスト力の下限値および上限値の間に入るように、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項8】 前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備え、 前記制御部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項9】 前記アクチュエータは、前記脚リンク部に設けられた膝関節部を駆動する膝関節部アクチュエータを備え、 前記脚リンク部および前記膝関節部アクチュエータは、前記利用者の脚に沿って設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項10】 前記脚リンク部を介して前記体重免荷アシスト力が前記利用者に付与される部分と、前記体装着部における前記利用者の荷重がかけられる部分とは、ほぼ同一の垂直平面内に位置していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項11】 前記脚リンク部の挙動を検出する脚リンク部挙動検出手段をさらに備え、 前記制御部は、前記脚リンク部挙動検出手段によって検出された挙動に基づいて前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項12】 前記床面接地部は、前記利用者の足に装着される足装着部であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置。 【請求項13】 利用者の体に装着される体装着部と、 床面に接地可能に設けられた床面接地部と、 前記体装着部と前記床面接地部とを関節部を介して連結する脚リンク部と、 前記関節部を駆動するアクチュエータと、 を備えている体重免荷アシスト装置を制御するためにコンピュータを、 前記脚リンク部が前記体装着部を介して前記利用者に体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動する出力指令部として機能させることを特徴とする体重免荷アシストプログラム。 【請求項14】 前記体重免荷アシスト装置は、前記利用者の足の接地を検出する接地検出手段をさらに備えており、 さらに前記コンピュータを、前記接地検出手段の検出結果に基づいて前記利用者の足の接地を判定する接地判定部として機能させ、 前記接地判定部が前記利用者の足が接地していると判定した場合には、前記出力指令部は、前記利用者に体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項13に記載の体重免荷アシストプログラム。 【請求項15】 前記接地判定部が前記利用者の足が接地していないと判定した場合には、前記出力指令部は、前記アクチュエータの駆動を解除し、前記関節部を回動自在とすることを特徴とする請求項14に記載の体重免荷アシストプログラム。 【請求項16】 前記体重免荷アシスト装置は、前記アクチュエータとして前記脚リンク部に設けられた股関節部を駆動する股関節部アクチュエータをさらに備えており、 前記接地判定部が前記利用者の足が接地していないと判定した場合には、前記出力指令部は、前記股関節部アクチュエータを、前記利用者の大腿の振り出しをアシストするように駆動することを特徴とする請求項14に記載の体重免荷アシストプログラム。 【請求項17】 さらに前記コンピュータを、 所定値の目標体重免荷アシスト力を記憶する目標アシスト力記憶部として機能させ、 前記接地判定部が前記利用者の足が接地していると判定した場合には、前記出力指令部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラム。 【請求項18】 さらに前記コンピュータを、 前記利用者の体重を記憶する体重記憶部、 前記体重に基づいて前記利用者の体重の所定割合である目標体重免荷アシスト力を算出する目標アシスト力算出部、 として機能させ、 前記接地判定部が前記利用者の足が接地していると判定した場合には、前記出力指令部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラム。 【請求項19】 前記体重免荷アシスト装置は、前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備えており、 前記目標体重免荷アシスト力は、下限値および上限値を有し、 前記出力指令部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記脚リンク部による体重免荷アシスト力が前記目標体重免荷アシスト力の下限値および上限値の間に入るように、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の体重免荷アシストプログラム。 【請求項20】 前記体重免荷アシスト装置は、前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備えており、 前記出力指令部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項13から請求項18のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラム。 【請求項21】 前記体重免荷アシスト装置は、前記脚リンク部の挙動を検出する脚リンク部挙動検出手段をさらに備えており、 前記出力指令部は、前記脚リンク部挙動検出手段によって検出された挙動に基づいて前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項13から請求項20のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、利用者自身の脚による体重支持をアシストする体重免荷アシスト装置および体重免荷アシストプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、利用者に対して歩行のためのアシスト推進力を付与する歩行アシスト装置が開示されている。歩行アシスト装置は、脚の筋力が落ちた人、脚を怪我した人など、自力歩行が困難な人の歩行を助けるために利用される。また、歩行アシスト装置は、筋力や歩行姿勢の向上を狙ったエクササイズ用やアミューズメント用などとしても期待されている。 【0003】 特許文献1に記載の歩行介助装置は、利用者の脚に装着され、関節駆動装置によって股、膝、足首の関節を回転させることによって、一定の推進力を利用者に付与する装置である。 【特許文献1】特開平5−329186号公報(段落0034〜0036、図15、図16) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 特許文献1に記載の歩行介助装置は、歩行方向への推進力を付与することによって、移動に伴う利用者の疲労は軽減できるが、利用者の体重は利用者自身の脚によって支えられており、体重を支えることによる脚への負担は残ったままである。また、この歩行介助装置は利用者の脚全体を支持部材でしっかりと拘束するため、利用者が不快な拘束感および痛みを感じやすい。さらに、このような脚全体を支持部材で拘束する構成では、体型や歩行時の癖に応じて利用者それぞれに良くフィットする支持部材を作成する必要がある。 【0005】 本発明は、前記した問題を解決すべく創案されたものであり、利用者の脚の拘束を軽減しつつ、軽量で脚への負担を低減させることが可能な体重免荷アシスト装置および体重免荷アシストプログラムを提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 前記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、利用者の体に装着される体装着部と、床面に接地可能に設けられた床面接地部と、前記体装着部と前記床面接地部とを関節部を介して連結する脚リンク部と、前記関節部を駆動するアクチュエータと、 前記アクチュエータの駆動を制御する制御部と、を備えている体重免荷アシスト装置であって、前記制御部は、前記脚リンク部が前記体装着部を介して前記利用者に体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0007】 ここでいう「体重免荷アシスト力」とは、利用者の体重の一部を支持する力である。このようにすることで、利用者の脚にかかる体重による負担を低減させることができる。また、ここでいう「体重」とは、利用者の体重、衣服および持ち物の重量を足し合わせた重さであり、本発明の体重免荷アシスト装置を利用しなければ、利用者が自身の脚で支えなければならない重さである。 また、関節部は、体装着部と脚リンク部との連結部分、床面接地部と脚リンク部との連結部分、および、脚リンク部の中間部分の少なくとも一箇所に設けられていれば良く、利用者の脚の関節と同軸に設けられていることが望ましい。 このようにすることで、利用者の脚の拘束を軽減しつつ、軽量で脚への負担を低減させることが可能な体重免荷アシスト装置を提供することができる。 【0008】 また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記利用者の足の接地を検出する接地検出手段をさらに備え、前記接地検出手段が接地を検出した場合には、前記制御部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0009】 ここでいう「利用者の足の接地」とは、利用者の足に床反力が入力される状態をさす。すなわち、利用者の足が直接床面に接触する場合だけでなく、利用者がはいた靴などが床面に接触する場合も含んでいる。このようにすることで、必要なときのみに体重免荷アシスト力を生成することが可能となる。 【0010】 また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記接地検出手段が接地を検出しない場合には、前記制御部は、前記アクチュエータの駆動を解除し、前記関節部を回動自在とすることを特徴とする。 【0011】 このようにすることで、利用者の遊脚の動作を妨げることが無くなる。 【0012】 また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記アクチュエータは、前記脚リンク部に設けられた股関節部を駆動する股関節部アクチュエータを備え、前記接地検出手段が接地を検出しない場合には、前記制御部は、前記股関節部アクチュエータを、前記利用者の大腿の振り出しをアシストするように駆動することを特徴とする。 【0013】 このようにすることで、利用者の遊脚の動作をもアシストすることができる。 【0014】 また、請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記制御部は、所定値の目標体重免荷アシスト力が設定されており、前記接地検出手段が接地を検出した場合には、前記制御部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0015】 このようにすることで、利用者の姿勢が変化しても所定の体重免荷アシスト力を付与することが可能となる。 【0016】 また、請求項6に記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記制御部は、前記利用者の体重の所定割合である目標体重免荷アシスト力が設定されており、前記接地検出手段が接地を検出した場合には、前記制御部は、前記利用者の体重の所定割合の前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0017】 このようにすることで、利用者の体重に応じたアクチュエータの制御が可能となる。 【0018】 また、請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備え、前記制御部は、前記目標体重免荷アシスト力の下限値および上限値が設定されており、前記制御部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記脚リンク部による体重免荷アシスト力が前記目標体重免荷アシスト力の下限値および上限値の間に入るように、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0019】 制御部は、荷重検出手段によって検出された荷重が目標体重免荷アシスト力の下限値よりも小さい場合には、この荷重が大きくなるようにアクチュエータを駆動する。また、制御部は、荷重検出手段によって検出された荷重が目標体重免荷アシスト力の上限値よりも大きい場合には、この荷重が小さくなるようにアクチュエータを駆動する。 このようにすることで、体重免荷アシスト力が大きくなりすぎたり、小さくなりすぎたりすることを防ぎ、適正範囲の体重免荷アシスト力を付与するようにアクチュエータの駆動を制御することが可能となる。 【0020】 また、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備え、前記制御部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0021】 荷重検出手段が検出する荷重は、脚リンク部による体重免荷アシスト力に対応している。このようにすることで、現時点での体重免荷アシスト力を用いたフィードバック制御が可能となる。 【0022】 また、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記アクチュエータは、前記脚リンク部に設けられた膝関節部を駆動する膝関節部アクチュエータを備え、前記脚リンク部および前記膝関節部アクチュエータは、前記利用者の脚に沿って設けられていることを特徴とする。 【0023】 このようにすることで、人間の歩行動作と同調しやすく体重免荷アシスト力の伝達効率も良くなる。 【0024】 また、請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記脚リンク部を介して前記体重免荷アシスト力が前記利用者に付与される部分と、前記体装着部における前記利用者の荷重がかけられる部分とは、ほぼ同一の垂直平面内に位置していることを特徴とする。 【0025】 ここでいう「垂直平面」とは、床面に対して垂直な平面のことである。 このようにすることで、利用者Pにピッチ方向(Y軸まわり)の不要なモーメントが発生することを防止することができる。 【0026】 また、請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記脚リンク部の挙動を検出する脚リンク部挙動検出手段をさらに備え、前記制御部は、前記脚リンク部挙動検出手段によって検出された挙動に基づいて前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0027】 脚リンク部挙動検出手段の例として、アクチュエータの回転角度を検出するロータリーエンコーダが挙げられる。このようにすることで、脚リンク部の状態に応じてアクチュエータの駆動量を制御することができ、利用者の姿勢に悪影響を与えない体重免荷アシストが可能となる。 【0028】 また、請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の体重免荷アシスト装置であって、前記床面接地部は、前記利用者の足に装着される足装着部であることを特徴とする。 【0029】 このようにすることで、床面接地部の床面への接地を容易にすることができる。 【0030】 また、請求項13に記載の発明は、体重免荷アシストプログラムであって、利用者の体に装着される体装着部と、床面に接地可能に設けられた床面接地部と、前記体装着部と前記床面接地部とを関節部を介して連結する脚リンク部と、前記関節部を駆動するアクチュエータと、を備えている体重免荷アシスト装置を制御するためにコンピュータを、前記脚リンク部が前記体装着部を介して前記利用者に体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動する出力指令部として機能させることを特徴とする。 【0031】 また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の体重免荷アシストプログラムであって、前記体重免荷アシスト装置は、前記利用者の足の接地を検出する接地検出手段をさらに備えており、さらに前記コンピュータを、前記接地検出手段の検出結果に基づいて前記利用者の足の接地を判定する接地判定部として機能させ、前記接地判定部が前記利用者の足が接地していると判定した場合には、前記出力指令部は、前記利用者に体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0032】 また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の体重免荷アシストプログラムであって、前記接地判定部が前記利用者の足が接地していないと判定した場合には、前記出力指令部は、前記アクチュエータの駆動を解除し、前記関節部を回動自在とすることを特徴とする。 【0033】 また、請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の体重免荷アシストプログラムであって、前記体重免荷アシスト装置は、前記アクチュエータとして前記脚リンク部に設けられた股関節部を駆動する股関節部アクチュエータをさらに備えており、前記接地判定部が前記利用者の足が接地していないと判定した場合には、前記出力指令部は、前記股関節部アクチュエータを、前記利用者の大腿の振り出しをアシストするように駆動することを特徴とする。 【0034】 また、請求項17に記載の発明は、請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラムであって、さらに前記コンピュータを、所定値の目標体重免荷アシスト力を記憶する目標アシスト力記憶部として機能させ、前記接地判定部が前記利用者の足が接地していると判定した場合には、前記出力指令部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0035】 また、請求項18に記載の発明は、請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラムであって、さらに前記コンピュータを、前記利用者の体重を記憶する体重記憶部、前記体重に基づいて前記利用者の体重の所定割合である目標体重免荷アシスト力を算出する目標アシスト力算出部、として機能させ、前記接地判定部が前記利用者の足が接地していると判定した場合には、前記出力指令部は、前記脚リンク部が前記利用者に前記目標体重免荷アシスト力を付与するように前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0036】 また、請求項19に記載の発明は、請求項17または請求項18に記載の体重免荷アシストプログラムであって、前記体重免荷アシスト装置は、前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備えており、前記目標体重免荷アシスト力は、下限値および上限値を有し、前記出力指令部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記脚リンク部による体重免荷アシスト力が前記目標体重免荷アシスト力の下限値および上限値の間に入るように、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0037】 また、請求項20に記載の発明は、請求項13から請求項18のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラムであって、前記体重免荷アシスト装置は、前記体装着部を介して前記脚リンク部にかかる前記利用者の荷重を検出する荷重検出手段をさらに備えており、前記出力指令部は、前記荷重検出手段によって検出された荷重に基づいて、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【0038】 また、請求項21に記載の発明は、請求項13から請求項20のいずれか一項に記載の体重免荷アシストプログラムであって、前記体重免荷アシスト装置は、前記脚リンク部の挙動を検出する脚リンク部挙動検出手段をさらに備えており、前記出力指令部は、前記脚リンク部挙動検出手段によって検出された挙動に基づいて前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。 【発明の効果】 【0039】 本発明によれば、利用者の脚の拘束を軽減しつつ、軽量で脚への負担を低減させることが可能な体重免荷アシスト装置および体重免荷アシストプログラムを提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0040】 本発明の原理は、利用者の歩行に応じて体重免荷アシスト装置の接地側が重力方向とは逆方向に所定の支持力を発生させ、その支持力を利用者と接した部分を介して利用者に付与することで、利用者自身の脚による体重支持量を軽減させる点にある。 本発明の体重免荷アシスト装置が発生した支持力は、例えば利用者の股、大腿、腰、脇の下、顎などに与えられる。 以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、位置、方向等に関する表現については、利用者の前後方向にX軸、左右方向にY軸、上下方向にZ軸をとり、利用者が起立姿勢をとった状態を基準として説明する。また、脚リンク部など、左右一対となるように設けられた部材において、左右の部材を区別する場合には符号の末尾にL(左),R(右)を付し、左右の部材を区別しない場合には、L,Rを付さずに説明する。 【0041】 まず、本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置の構造について説明する。図1ないし図4は、本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置の外観を示す図であり、図1は正面図、図2は背面図、図3は右側面図、図4は左側面図である。図5は、体装着部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図である。図6は、足装着部を示す図であり、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。図1ないし図4には、利用者Pが体重免荷アシスト装置1Aを装着した状態が示されている。なお、説明の便宜上、これらの図面において各アクチュエータ、各センサ、制御部、バッテリなどを接続する配線は省略されている。 図1ないし図4に示すように、本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置1Aは、体装着部10、脚リンク部20(左脚リンク部20L、右脚リンク部20R)、足装着部30(左足装着部30L、右足装着部30R)およびバックパック40を備えている。 また、体重免荷アシスト装置1Aのアクチュエータは、股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)および膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)を備えている。 【0042】 (体装着部10) 図1ないし図4に示すように、体装着部10は、利用者Pの体幹に装着される部分である。図5に示すように、体装着部10は、腰ベルト部11、大腿ベルト部12(左大腿ベルト部12L、右大腿ベルト部12R)、アクチュエータ取付部13(左アクチュエータ取付部13L、右アクチュエータ取付部13R)、補強部材14(左補強部材14L、右補強部材14R)および弛み防止ベルト部15,16(左弛み防止ベルト部16L、右弛み防止ベルト部16R)を備えている。 【0043】 腰ベルト部11は、利用者Pの腰まわりに装着される帯状の布製部材であり、バックルBUによって係止位置を設定し、装着時の長さを調節することが可能である。 【0044】 大腿ベルト部12(12L,12R)は、利用者Pの大腿まわりに装着される布製部材であり、その上端部が腰ベルト部11に固定されている。 【0045】 アクチュエータ取付部13(13L,13R)は、後記する股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)(図1参照)を取り付けるための樹脂製部材であり、腰ベルト部11の左右両端に一つずつ設けられている。 【0046】 補強部材14(14L,14R)は、大腿ベルト部12(12L,12R)とアクチュエータ取付部13(13L,13R)とを連結する樹脂製部材であり、アクチュエータ取付部13が股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)のトルク反動でねじれないように補強している。 【0047】 弛み防止ベルト部15は、利用者Pの前側において腰ベルト部11と大腿ベルト部12(12L,12R)とを連結する布製部材であり、大腿ベルト部12(12L,12R)の下方への弛みを防止している。 弛み防止ベルト部16(16L,16R)は、利用者Pの後側において腰ベルト部11と大腿ベルト部12(12L,12R)とを連結する布製部材であり、大腿ベルト部12(12L,12R)の下方への弛みを防止している。 なお、腰ベルト部11および大腿ベルト部12(12L,12R)は、樹脂製であっても良い。また、アクチュエータ取付部13(13L,13R)および補強部材14(14L,14R)は、金属製であっても良い。さらに、弛み防止ベルト部15,16(16L,16R)は、樹脂製または金属製であっても良い。 【0048】 また、弛み防止ベルト部16(16L,16R)には、荷重センサ71a(71aL,71aR)が設けられている。 荷重センサ71a(71aL,71aR)は、体装着部10を介して脚リンク部20(20L,20R)にかかる利用者Pの荷重を検出するセンサであり、特許請求の範囲における「荷重検出手段」の一例である。体重免荷アシスト装置1Aが利用者Pの体重の一部を支持しているとき、腰ベルト部11が脚リンク部20(20L,20R)および足装着部30(30L,30R)によって支持される一方、大腿ベルト部12(12L,12R)には利用者Pの体重の一部がかかっているため、弛み防止ベルト部16(16L,16R)には、腰ベルト部11および大腿ベルト部12(12L,12R)によるZ軸方向の引張力が生じる。荷重センサ71a(71aL,71aR)は、この引張力を検出することによって、脚リンク部20にかかる利用者Pの荷重を検出する。 荷重センサ71a(71aL,71aR)としては、ロードセル、歪みゲージ、圧電素子などを利用したものが好適である。なお、本実施形態では、1軸(Z軸)検出用の荷重センサ71a(71aL,71aR)を用いたが、2軸以上検出可能な荷重センサを利用して、より高精度に脚リンク部20に預けられる利用者Pの荷重を検出するようにしても良い。また、荷重センサ71aを前側の弛み防止ベルト部15に取り付けても良く、荷重センサ71aを利用者Pの股下に取り付け、利用者Pによる押圧力を検出しても良い。 【0049】 (脚リンク部20) 脚リンク部20(20L,20R)は、体装着部10と足装着部30(30L,30R)とを複数の関節部を介して連結しており、利用者Pの脚の外側部に沿うように設けられている。 脚リンク部20(左脚リンク部20L、右脚リンク部20R)は、股関節部21(左股関節部21L、右股関節部21R)、大腿リンク部22(左大腿リンク部22L、右大腿リンク部22R)、膝関節部23(左膝関節部23L、右膝関節部23R)、下腿リンク部24(左下腿リンク部24L、右下腿リンク部24R)および足首関節部25(左足首関節部25L、右足首関節部25R)を備えている。 【0050】 股関節部21(21L,21R)は、利用者Pの股関節の外側に位置している。股関節部21(21L,21R)は、腰ベルト部11と大腿リンク22(22L,22R)とをY軸まわりに回動可能に連結する節である。 股関節部21(21L,21R)は、股関節部アクチュエータ21a(左股関節部アクチュエータ21aL、右股関節部アクチュエータ21aR)およびエンコーダ21b(左股関節部エンコーダ21bL、右股関節部エンコーダ21bR)を備えている。 【0051】 股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)は、電動モータおよび減速機を備えており、股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)の基部は、腰ベルト部11の左右側部に固定されており、股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)の出力軸は、大腿リンク部22(22L,22R)の上端に固定されている。この股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)の出力軸がY軸まわりに回動することによって、大腿リンク部22(22L,22R)が腰ベルト部11に対して股関節部21(21L,21R)を軸としてY軸まわりに回動する。したがって、股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)は、体装着部10および大腿リンク部22(22L,22R)間にトルクを発生させることができる。股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)がトルクを発生していない状態では、股関節部21(21L,21R)は、その回転抵抗は非常に小さく回動自在な状態となり、装着者Pの脚の振り出しに支障を来たさないようになっている。なお、股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)の取付関係は、前記したものに限定されない。 【0052】 エンコーダ(ロータリーエンコーダ)21b(21bL,21bR)は、特許請求の範囲における「脚リンク部挙動検出手段」の一例であり、脚リンク部20(20L,20R)の挙動に関するデータとして、股関節アクチュエータ21a(21aL,21aR)の回転角度を検出する。検出された回転角度は、制御部50に出力される。 【0053】 大腿リンク部22(22L,22R)は、利用者Pの大腿の外側部に沿って延びるリンクである。大腿リンク部22(22L,22R)の上端は、股関節部21(21L,21R)に連結されている。また、大腿リンク22(22L,22R)の下端は、膝関節部23(23L,23R)に連結されている。 【0054】 膝関節部23(23L,23R)は、利用者Pの膝関節の外側に位置している。膝関節部23(23L,23R)は、大腿リンク部22(22L,22R)と下腿リンク部(24L,24R)とをY軸まわりに回動可能に連結する節である。 膝関節部23は、膝関節部アクチュエータ23a(左膝関節部アクチュエータ23aL、右膝関節部アクチュエータ23aR)およびエンコーダ23b(左膝関節部エンコーダ23bL、右膝関節部エンコーダ23bR)を備えている。 【0055】 膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)は、電動モータおよび減速機を備えており、膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)の基部は、大腿リンク部22(22L,22R)の下端に固定されており、膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)の出力軸は、下腿リンク部24(24L,24R)の上端に固定されている。この膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)の出力軸がY軸まわりに回動することによって、下腿リンク部24(24L,24R)が大腿リンク部(22L,22R)に対して膝関節部23(23L,23R)を軸としてY軸まわりに回動する。したがって、膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)は、大腿リンク部22(22L,22R)および下腿リンク部24(24L,24R)間にトルクを発生させることができる。膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)がトルクを発生していない状態では、膝関節部23(23L,23R)は、その回転抵抗は非常に小さく回動自在な状態となり、装着者Pの脚の振り出しに支障を来たさないようになっている。なお、膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)の取付関係は、前記したものに限定されない。 【0056】 エンコーダ(ロータリーエンコーダ)23b(23bL,23bR)は、特許請求の範囲における「脚リンク部挙動検出手段」の一例であり、脚リンク部20(20L,20R)の挙動に関するデータとして、膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)の回転角度を検出する。検出された回転角度は、制御部50に出力される。 【0057】 下腿リンク部24(24L,24R)は、利用者Pの下腿の外側部に沿って延びるリンクである。下腿リンク部24(24L,24R)の上端は、膝関節部23(23L,23R)に連結されている。また、下腿リンク部24(24L,24R)の下端は、足首関節部25(25L,25R)に連結されている。 【0058】 足首関節部25(25L,25R)は、下腿リンク部24(24L,24R)と足装着部30(30L,30R)とをY軸まわりに回動可能に連結する節である。この足首関節部25は、利用者Pの歩行動作を阻害しないように、利用者Pの足首関節の動作に追従して動く。 【0059】 (足装着部30) 図1ないし図4に示すように、足装着部30(30L,30R)は、利用者Pの足(肢端)に装着される部分である。図6に示すように、足装着部30は、靴部31、補強プレート32および支持部材33を備えている。なお、図6には、利用者Pの右足に装着される右足装着部30Rが描かれている。 なお、この足装着部30が、特許請求の範囲における「床面接地部」の一例である。 【0060】 靴部31は、利用者Pの足に、床面に接地可能に装着される靴である。 【0061】 補強プレート32は、利用者Pの足の外側部に沿って設けられた樹脂製部材であり、靴部31が受ける床反力を脚リンク部20に伝達可能な構造となっている。 【0062】 支持部材33は、補強プレート32と協働して足首関節部25を支持する樹脂製部材である。 なお、補強プレート32および支持部材33は、金属製であっても良い。 【0063】 本実施形態において、脚リンク部20および足装着部30は、体装着部10を介して伝達された利用者Pの体重の一部を支持可能な構造を有している。 【0064】 また、靴部31の底部には、接地センサ31a(左足接地センサ31aL,右足接地センサ31aR)が設けられている。接地センサ31a(31aL,31aR)は、接地している間オン信号を制御部50(図7参照)に出力する。 接地センサ31a(31aL,31aR)は、足装着部30(30L,30R)が接地しているか否かを検出するためのものであり、本実施形態では、足装着部30(30L,30R)の足底部31(31L,31R)に設けられている。この接地センサ31a(31aL,31aR)が、特許請求の範囲における「接地検出手段」の一例である。 また、「床面」は、建物の床に限定されず、地面など、体重免荷アシスト装置1Aを装着した利用者Pが移動(歩行)する際に、足装着部30が接地する面であれば良い。 接地センサ31a(31aL,31aR)としては、導電性ゴムスイッチ、圧電素子、歪みゲージなどを利用したものが好適である。本実施形態では、1軸検出用の接地センサ31a(31aL,31aR)を用いたが、2軸以上検出可能な接地センサを利用しても良い。 また、本実施形態では、接地センサ31a(31aL,31aR)を靴部31の底部の中央部分に設ける構成としたが、踵部分に設ける構成であっても良い。また、一方の靴部31に複数の接地センサ31aを設ける構成であっても良い。 【0065】 本実施形態において、大腿リンク部22および下腿リンク部24はアルミ製部材としたが、カーボンなど、軽量かつ十分な強度を有する他の材料から形成されていても良い。 すなわち、これら体装着部10、脚リンク部20(20L,20R)および足装着部30(30L,30R)は、左右いずれかの脚リンク部20および足装着部30によって利用者Pに体重免荷アシスト力を付与可能な強度を有していれば良く、その材料は適宜選択可能である。 【0066】 バックパック40は、利用者Pが背負うものであり、制御部50(図7参照)、入出力インターフェース60(図7参照)およびバッテリ(図示せず)を備えている。制御部50については、後に詳細に説明する。 入出力インターフェース60は、制御部50に外部のコンピュータなどを接続するためのものである。例えば、外部のコンピュータからは、制御部50に利用者Pの体重などの個人データが制御部50に与えられる。 バッテリは、荷重センサ71a(71aL,71aR)、股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)、膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)、エンコーダ21b(21bL,21bR),23b(23bL,23bR)、接地センサ31a(31aL,31aR)および制御部50に電力を供給する。バッテリによる電力供給は、制御部50によって制御される。 【0067】 なお、バックパック40および入出力インターフェース60は、本発明の必須構成要件ではない。すなわち、制御部50、入出力インターフェース60およびバッテリの利用者Pへの装着態様は、前記したバックパック40によるものに限定されず、体装着部10に直接取り付ける態様などであっても良い。 【0068】 続いて、制御部50について詳細に説明する。図7は、本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置の機能を示すブロック図である。 【0069】 図7に示すように、制御部50は、体重記憶部51、目標アシスト力算出部52、初期トルク値算出部53、比較部54、アクチュエータ状態検出部55、接地足判定部56および出力指令部57を備えている。 【0070】 体重記憶部51は、利用者Pの体重(体重データ)を取得し、記憶(一時記憶)する。体重は、利用者Pが直接制御部50に入力しても良いし、利用者Pを認識した制御部50が予め記憶しておいた利用者Pの体重を体重記憶部51から読み出してきても良い。また、外部のコンピュータから、入出力インターフェース60を介して体重記憶部51に入力されるように構成しても良い。また、体重記憶部51が、体重として、利用者Pの体重のみの値を記憶する構成であっても良い。 【0071】 目標アシスト力算出部52は、体重記憶部51に記憶された体重データを読み出し、この体重データに基づいて目標体重免荷アシスト力を算出する。 この「目標体重免荷アシスト力」は、体重免荷アシスト装置1Aによって利用者Pに付与される力(水平床面起立状態でZ軸正方向)の目標値であり、利用者Pの体重の所定割合(例えば、体重の30%)が設定される。本実施形態では、目標体重免荷アシスト力Faと共に、最小体重免荷アシスト力Fa1と、最大体重免荷アシスト力Fa2と、が算出される。ここでいう最小体重免荷アシスト力Fa1が、特許請求の範囲における「目標体重免荷アシスト力の下限値」に相当し、最大体重免荷アシスト力Fa2が、特許請求の範囲における「目標体重免荷アシスト力の上限値」に相当する。 例えば、目標体重免荷アシスト力Faとして、体重の30%を支持する力を設定した場合、最小体重免荷アシスト力Fa1として体重の28%の値が算出され、最大体重免荷アシスト力Fa2として体重の32%の値が算出される。これらアシスト力Fa,Fa1,Fa2は、利用者Pに付与したい体重免荷アシスト力、制御部50の演算能力、各アクチュエータ21a,23aの特性、各センサ11a,31aの特性などに応じて適宜設定される。 これら目標体重免荷アシスト力Fa、最小体重免荷アシスト力Fa1および最大体重免荷アシスト力Fa2の割合設定は適宜変更可能であり、例えば、外部のコンピュータから、入出力インターフェース60を介して任意の値を設定可能である。 【0072】 初期トルク値算出部53は、目標体重免荷アシスト力Faに基づいて、左股関節部アクチュエータ21aL、右股関節部アクチュエータ21aR、左膝関節部アクチュエータ23aLおよび右膝関節部アクチュエータ23aRに付与されるべき初期トルク値を算出する。 この初期トルク値は、(1)両足接地、(2)左足接地(右足遊脚)、(3)右足接地(左足遊脚)の3つの場合ごとに算出される。 すなわち、(1)両足接地の場合として、左股関節部アクチュエータ21aL、右股関節部アクチュエータ21aR、左膝関節部アクチュエータ23aLおよび右膝関節部アクチュエータ23aRに付与される初期トルク値が算出される。 また、(2)左足接地の場合として、左股関節部アクチュエータ21aLおよび左膝関節部アクチュエータ23aLに付与される初期トルク値が算出される。このとき、右股関節部アクチュエータ21aRおよび右膝関節部アクチュエータ23aRに付与される初期トルク値は「0」である。 また、(3)右足接地の場合として、左股関節部アクチュエータ21aL、右股関節部アクチュエータ21aR、左膝関節部アクチュエータ23aLおよび右膝関節部アクチュエータ23aRに付与される初期トルク値が算出される。このとき、左股関節部アクチュエータ21aLおよび左膝関節部アクチュエータ23aLに付与される初期トルク値は「0」である。 【0073】 この初期トルク値は、体重免荷アシスト装置1Aの初動応答性を向上させるためのものであり、体重免荷アシスト装置1Aが初期状態からスムーズかつ早期に目標アシスト力Faを発揮できるような状態へ移行できるような値とすることが好ましい。初期状態の各アクチュエータに初期トルク値に応じたトルクを発生させることで、利用者Pが急に体重免荷アシスト装置1Aに体重を預けた場合などであっても体重免荷アシスト装置1Aは利用者Pの転倒やバランスの崩れを確実に防ぎ、利用者Pの起立状態を安定的に確立させることができる。ここでいう初期状態としては、体重免荷アシスト装置1Aを起動したときや、体重免荷アシスト装置1Aの接地状態が変化したとき(両足接地→片足接地、片足接地→両足接地)が挙げられる。 また、初期トルク値の付与は、体重免荷アシスト装置1Aの故障の防止にも貢献する。 なお、アシスト力Fa,Fa1,Fa2およびアクチュエータ21a,23aの回転角度に応じてアクチュエータ21a,23aが出力すべきトルク値も変わるので、初期トルク値は、各アクチュエータの現回転角度をも利用して設定される構成であっても良い。 【0074】 比較部54は、荷重センサ71aの検出荷重に基づく現時点での体重免荷アシスト力Fb(以下、単に「荷重Fb」と記載する。)と、目標アシスト力算出部52の算出結果と、を比較する。比較部54は、荷重センサ71aによる実際の検出値と、その検出値における脚リンク部20による体重免荷アシスト力との関係を予め記憶している。したがって、比較部54は、荷重センサ71の検出結果に基づいて、実際に作用している体重免荷アシスト力を得ることができる。 比較結果としては、(11)Fb<Fa1、(12)Fa1≦Fb≦Fa2、(13)Fb>Fa2の3つがある。 比較結果は、出力指令部57に出力される。 【0075】 アクチュエータ状態検出部55は、左股関節部エンコーダ21bL、右股関節部エンコーダ21bR、左膝関節部エンコーダ23bLおよび右膝関節部エンコーダ23bRからの出力に基づいて、各関節部の状態を検出する。検出結果は、出力指令部57に出力される。 【0076】 接地足判定部56は、左接地センサ31aLおよび右接地センサ31aRの出力に基づいて、接地足が、(1)両足接地、(2)左足接地、(3)右足接地のいずれの状態であるかを判定する。 すなわち、接地足判定部56は、左接地センサ31aLおよび右接地センサ31aRの両方からの出力がある場合には、(1)両足接地の状態であると判定する。 また、接地足判定部56は、左接地センサ31aLからのみの出力がある場合には、(2)左足接地(右足遊脚)の状態であると判定する。 また、接地足判定部56は、右接地センサ31aRからのみの出力がある場合には、(3)右足接地(左足遊脚)の状態であると判定する。 判定結果は、出力指令部57に出力される。 【0077】 出力指令部57は、初期トルク値算出部53の算出結果と、比較部54の比較結果と、アクチュエータ状態検出部55の検出結果と、接地足判定部56の判定結果と、に基づいて、各アクチュエータ21aL,21aR,23aL,23aRの出力を決定し、指令する。 【0078】 この出力指令部57は、アクチュエータ状態検出部55の検出結果およびこれらの変化量に基づいて、脚リンク部20(20L、20R)の挙動を予測し、この予測結果に基づいて、各アクチュエータ21aL,21aR,23aL,23aRの出力を決定する。 例えば、後記する図13(a)において、角θ1Rが十分に大きくなって所定値(例えば、前回右足が床面から離間した時点での角度に設定)に近づいた場合には、もうすぐ右足が床面から離間することが予測される。すなわち、制御部50は、接地センサ31aの出力とエンコーダ21bの出力とに基づいて、前回、足が床面から離間した時点での角θ1(床面離間角度:股関節部アクチュエータ21aの回転角度に相当)を取得し、記憶している。そして、制御部50は、この床面離間角度θ1を利用して、利用者Pの脚の挙動を予測している。 このときには、体重免荷アシスト力の比重を左脚リンク部20L側に移していくことで、右足が遊脚となって左側のシステム(体装着部10、左脚リンク部20Lおよび左足装着部30L)のみで支持しなければならない状態に備えることができ(アクチュエータのトルク出力変動のスムーズな移動)、より安定した体重免荷アシストが実現する。 【0079】 (トルク発生方向) 続いて、股関節部アクチュエータ21(21L,21R)および膝関節部アクチュエータ23(23L,23R)によるトルク発生方向について説明する。図8は、股関節部アクチュエータおよび膝関節部アクチュエータによるトルク発生方向を説明するための図であり、(a)は十分なトルクが発生している状態を示す模式図、(b)はトルクが不十分であり、利用者が腰砕けのような状態になりつつある状態を示す模式図である。なお、以下の図面において、図中の「ON」はその足装着部30(30L,30R)が接地していることを示し、「OFF」は足装着部30(30L,30R)が接地していないことを示す。 【0080】 図8において、直線L1は、腰ベルト部11に沿った水平線である。直線L2は、大腿リンク部22(22L,22R)の長手方向に延びる直線である。角θ1(θ1L,θ1R)は、直線L1と大腿リンク部22とがなす角であり、角θ2(θ2L,θ2R)は、直線L2と下腿リンク部24(24L,24R)とがなす角である。 図8(a)に示すように、体重免荷アシスト装置1Aが十分な体重免荷アシスト力を発揮した場合には、利用者Pは全体重を自身の脚で支えなくても起立状態を維持することができる。 しかし、図8(b)に示すように、利用者Pの脚力が不十分であり、かつ、体重免荷アシスト装置1Aが十分な体重免荷アシスト力を発揮しない場合には、体重免荷アシスト装置1Aは、角θ1(θ1L,θ1R)が小さくなるように、そして、角θ2(θ2L,θ2R)が大きくなるように、姿勢を変えてしまう。 すなわち、体重免荷アシスト装置1Aが体重免荷アシスト力を発揮するためには、股関節部アクチュエータ21a(21aL,21aR)が角θ1(θ1L,θ1R)を大きくする方向に、そして、膝関節部アクチュエータ23a(23aL,23aR)が角θ2(θ2L,θ2R)を小さくする方向に、それぞれトルクを発生させれば良い。 なお、各関節部21,23の可動範囲が、少なくとも一般的な人間の関節の可動範囲を超えないように、それぞれのアクチュエータ21a,23aが制御される。このため、安全性がより向上している。また、大腿リンク部22、膝関節部23(膝関節部アクチュエータ23a)および下腿リンク部24は、利用者Pが起立姿勢であっても大腿リンク部22および下腿リンク部24が一直線とならないよう(伸びきらないよう)、膝関節部23が常に屈折した状態となるように長さが調整されている(特異点回避。図3および図4参照)。すなわち、大腿リンク部22および下腿リンク部24が一直線となったり(特異点状態)、これらが逆側に屈折したりすることを確実に防ぐ構造となっている。これによって利用者Pの装着部(体装着部10、足装着部30)への衝撃が緩和され、かつ、アクチュエータ21,23による体重免荷量の制御性が向上する。なお、これらアクチュエータ21,23の可動範囲を確実に制限するために、各アクチュエータ21,23や各リンク部22,24に機械的なストッパを設けても良い。 【0081】 (発生トルクと体重免荷アシスト力との関係) 続いて、各アクチュエータの発生トルクと体重免荷アシスト力との関係について説明する。 図9および図10は、発生トルクと体重免荷アシスト力との関係を説明するための図であり、図9は膝関節部アクチュエータの発生トルクと体重免荷アシスト力との関係を説明する図、図10は股関節部アクチュエータの発生トルクと体重免荷アシスト力との関係を説明する図である。 まず、図9を参照し、右膝関節部アクチュエータ23aRの発生トルクと体重免荷アシスト力との関係について説明する。ここで、右股関節部アクチュエータ21aRは回動不能に固定されているものとする。 右足装着部30Rが接地し、右膝関節部アクチュエータ23aRが角θ2Rを小さくする方向にトルクを発生させると、右股関節部アクチュエータ21aRには右膝関節部アクチュエータ23aRを中心とした円の接線方向に回転力が与えられる。この回転力の抗重力方向(Z軸方向)成分が、右膝関節部アクチュエータ21aRによる体重免荷アシスト力Fa1Rである。 【0082】 続いて、図10を参照し、右股関節部アクチュエータ21aRの発生トルクとアシスト力との関係について説明する。ここで、膝関節部アクチュエータ23aRは回動不能に固定されているものとする。 右足装着部30Rが接地し、右股関節部アクチュエータ21aRが角θ1Rを大きくする方向にトルクを発生させると、体装着部10には右股関節部アクチュエータ21aRを中心とする円の接線方向に回転力が与えられる。この回転力の抗重力方向(Z軸方向)成分が、右股関節部アクチュエータ21aRによる体重免荷アシスト力Fa2Rである。 【0083】 なお、図示しないが、左膝関節部アクチュエータ23aLによる体重免荷アシスト力Fa1Lと、左股関節部アクチュエータ21aLによる体重免荷アシスト力Fa2Lも適宜発生しており、体重免荷アシスト装置1Aによる体重免荷アシスト力(全体アシスト力)Faは、以下の式で示される。 (1)両足接地 Fa=Fa1R+Fa2R+Fa1L+Fa2L (2)左足接地 Fa=Fa1L+Fa2L (3)右足接地 Fa=Fa1R+Fa2R 【0084】 (足装着部の荷重) 続いて、足装着部30(30L,30R)にかかる荷重について説明する。図11は、歩行時に足装着部にかかる圧力を計測した結果を示すグラフである。この図によって、歩行時の圧力の推移と体重免荷アシスト装置1Aの効果とが説明される。 体重免荷アシスト装置1Aの足装着部30(30L,30R)の裏側の2箇所(踵部分、中足趾節関節部分(MP))に圧力センサを取り付けた状態で、利用者Pが体重免荷アシスト装置1Aを装着し、歩行を行った。圧力センサの出力は電圧で示されている。利用者Pが歩行を行うと、左足装着部30Lおよび右足装着部30Rに交互に踵から足先に荷重が推移している様子が分かる。体重免荷アシスト装置1Aは、体重免荷アシスト力Faを利用者Pに与えることによって、利用者Pの足にかかる最大荷重を低減(Fc→Fc’)させ、歩行を容易にする。 【0085】 (体重免荷アシスト装置の動作例) 続いて、体重免荷アシスト装置1Aの動作例について説明する。図12は、本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置1Aの動作例を示すフローチャートである。 【0086】 まず、利用者Pが体重免荷アシスト装置1Aを装着した状態で、利用者Pの体重が入力される。入力された体重は、体重記憶部51に記憶される(ステップS1)。 【0087】 続いて、目標アシスト力算出部52が、体重記憶部51に記憶された利用者Pの体重に基づいて、目標体重免荷アシスト力Fa(Fa1,Fa2)を算出する(ステップS2)。 【0088】 続いて、初期トルク値算出部53が、目標体重免荷アシスト力Faに基づいて、初期トルク値を算出する(ステップS3)。 【0089】 続いて、接地足判定部56が、接地センサからの出力に基づいて、接地足の特定を行う(ステップS4)。 【0090】 接地足が左足のみであると判定された場合には、出力指令部57は、左股関節部アクチュエータ21aLおよび左膝関節部アクチュエータ23aLを、初期トルク値に応じたトルクを生じるように駆動する(ステップS5a)。 接地足が両足であると判定された場合には、出力指令部57は、左股関節部アクチュエータ21aL、右股関節部アクチュエータ21aR、左膝関節部アクチュエータ23aLおよび右膝関節部アクチュエータ23aRを、初期トルク値に応じたトルクを生じるように駆動する(ステップS5b)。 接地足が右足のみであると判定された場合には、出力指令部57は、右股関節部アクチュエータ21aRおよび右膝関節部アクチュエータ23aRを、初期トルク値に応じたトルクを生じるように駆動する(ステップS5c)。 【0091】 続いて、荷重センサ71aが荷重Fbを検出し(ステップS6)、比較部54が、検出された荷重と、算出された目標体重免荷アシスト力Fa(Fa1,Fa2)と、を比較する(ステップS7)。 【0092】 荷重FbがFa1未満である場合には、出力指令部57は、接地足側のアクチュエータへの電流量を予め定められた所定量増加させ、発生トルクを所定量増加させる(ステップS8a)。 荷重FbがFa1以上Fa2以下である場合には、出力指令部57は、接地足側のアクチュエータのトルクを維持させる(ステップS8b)。 荷重FbがFa2を超えている場合には、出力指令部57は、接地足側のアクチュエータへの電流量を予め定められた所定量低減させ、発生トルクを所定量低減させる(ステップS8c)。 なお、電流の増加/低減のための所定量は、制御部50の演算能力、各アクチュエータ21a,23aの特性、各センサ71a,31aの特性などに応じて適宜設定される。 【0093】 続いて、制御部50にOFF信号が入力された場合には(ステップS9でYes)、足動作アシスト装置1Aは本処理を終了する。制御部50にOFF信号が入力されない場合には(ステップS9でNo)、接地足判定部56が接地足の変更があったか否かを判定する(ステップS10)。 【0094】 接地足の変更があったと判定された場合(両足接地→片足接地、片足接地→両足接地)には(ステップS10でYes)、ステップS4に移行する。また、接地足の変更がなかったと判定された場合には(ステップS10でNo)、ステップS6に移行する。 【0095】 (脚リンク部の状態遷移およびトルク発生) 続いて、利用者Pの歩行に伴う体重免荷アシスト装置1Aの状態の遷移について、特に右脚リンク部20Rの状態の遷移に注目して説明する。図13および図14は、利用者の歩行時における右脚リンク部の角θ1Rおよび角θ2Rの遷移を説明するための図である。 なお、歩行態様は利用者Pごとに異なり、歩行時の膝の角度なども利用者ごとに異なる。図13および図14には、その一例が示されている。 【0096】 利用者Pの右脚が最後部にあるとき(図13(a);状態1)、右大腿リンク部22Rと右下腿リンク部22Rとは一直線に近くなる。このとき、角θ1Rは最大となり(θ1R=θ1Rmax)、角θ2Rは最小(θ2R=θ2Rmin)となる。ここで、右足装着部30Rが接地しているので、右股関節部アクチュエータ21aRは角θ1Rを大きくする方向にトルクを発生させ、右膝関節部アクチュエータ23aRは角θ2Rを小さくする方向にトルクを発生させる。 【0097】 状態1から利用者Pが右脚を前方(X軸正方向)に振り出すと、右足(右足装着部30R)が床面から離隔する。ここで、右股関節部アクチュエータ21aRおよび右膝関節部アクチュエータ23aRの発生トルクは「0」となる。右足離隔後、角θ1Rは徐々に小さくなると共に、足装着部30Rは膝関節部23Rに遅れて追従するので、角θ2Rは暫くの間大きくなり、最大(θ2R=θ2Rmax)となった状態で膝関節部23Rが前に出され続ける(図13(b);状態2)。 【0098】 状態2から利用者Pが右脚を振り出し続けると、角θ1Rが最小(θ1R=θ1Rmin)となる(図13(c);状態3)。その後、角θ1Rは徐々に大きくなるが、足装着部30Rは膝関節部23Rに遅れて前に出てくるため角θ2Rは徐々に小さくなり、右足装着部30Rが接地する(図13(d);状態4)。その後、左脚が前記した右脚と同様の動作を行っている間(図14(a);状態5、図14(b);状態6、図14(c);状態7(=状態1))、すなわち右足の接地時には、股関節部アクチュエータ21aRは角θ1Rを常に大きくする方向にトルクを発生させ、膝関節部アクチュエータ23aRは角θ2Rを常に小さくする方向にトルクを発生させる。 なお、遊脚時に、股関節部アクチュエータ21aが図13における反時計回りにトルクを発生させて、利用者Pの大腿に振り出し動作用のアシスト力を付与するように構成しても良い。 【0099】 前記した体重免荷アシスト装置1Aによれば、以下の効果を得ることができる。 (1) 体重免荷アシスト装置1Aは、利用者Pの体重の一部を支持するので、利用者の体重支持に伴う脚への負担を低減させることができる。 (2) 体重免荷アシスト装置1Aは、自身にかかる荷重を検出し、この荷重に基づいて、利用者Pの体重の一定割合を支持するので、利用者の姿勢の変化などに対応した支持が可能である。 (3) 体重免荷アシスト装置1Aは、接地足側のみに体重免荷アシスト力を与えるので、歩行姿勢の変化に伴い好適な体重免荷アシスト力の付与が可能であると共に、遊脚の動作を妨げない。 (4) 体重免荷アシスト装置1Aは、杖(松葉杖、四点支持杖など)と異なり、利用者Pの手による操作が不要であるので、利用者Pは、歩行アシスト中であっても手を使うことができる。また、長時間の使用にともなう腕、上体の疲労のおそれがない。 (5) 体重免荷アシスト装置1Aは、利用者Pの脚に沿ったコンパクトな構成であるので、狭い通路、階段などを移動する場合であっても障害とならない。また、各アクチュエータ21a,23aおよび各リンク部22,24の構成は人間の下肢の機構に類似しており、これらが利用者Pの下肢(脚)に沿って配置されるため、直動アクチュエータを利用した構成や、利用者Pの下肢から離れた構成としたアシスト装置よりも、人間の歩行動作と同調しやすく体重免荷アシスト力の伝達効率も良い。 (6) 車輪を必要としないので、床面状況によらず使用可能である。 (7) 利用者の拘束部位が少なく、長時間の使用に向いている。すなわち、従来の歩行介助装置とは異なり、本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置1Aは、膝、大腿などの拘束が不要なため、利用者Pの脚の拘束をほとんどなくすことができ、利用者Pが不快な拘束感や痛みを感じることがない。また、体重免荷アシスト装置1Aは、拘束部位が少なくて済むため、一層の軽量化が可能であり、様々な利用者に一つの型の体重免荷アシスト装置1Aを利用することができ、非常に汎用性の高いものとなっている。 (8) また、本実施形態に係る体重免荷アシスト装置1Aは、体重免荷アシスト装置1Aから利用者Pに体重免荷アシスト力が付与される部分(股関節部アクチュエータ21aの取付部分)と利用者Pが体重を預ける部分(体装着部10の大腿部分および股間部分)とが略同一の垂直平面(図3および図4のY−Z平面)内に位置する点にも特徴を有する。このような構成とすることで、体重免荷アシスト時に利用者Pにピッチ方向(Y軸まわり)の不要なモーメントが発生することが防止されている。 【0100】 (変形例) 続いて、体装着部の変形例について、前記した体重免荷アシスト装置1Aとの相違点を中心に説明する。図15(a)、(b)、(c)は、体装着部の変形例を示す図である。なお、図15において、バックパック40は省略されている。 図15(a)に示す体重免荷アシスト装置1Bの体装着部110は、腰ベルト部11、アクチュエータ取付部13L,13Rおよび股ベルト部112L,112Rを備えている。股ベルト部112L,112Rは、利用者Pの股まわりに装着される布製の部材であり、アクチュエータ取付部13L,13Rに連結されている。 この体重免荷アシスト装置1Bは、図1に示す体重免荷アシスト装置1Aよりも体装着部10のベルトをシンプル化することで、軽量化を図っている。 図15(b)に示す体重免荷アシスト装置1Cの体装着部210は、腰ベルト部11、アクチュエータ取付部13L,13Rおよび大腿ベルト部212L,212Rを備えている。大腿ベルト部212L,212Rは、利用者Pの大腿まわりに装着される布製の部材であり、アクチュエータ取付部13L,13Rに連結されている。 この体重免荷アシスト装置1Cは、体重免荷アシスト装置1Bよりも利用者Pの大腿における支持機能を高め、その代わりに利用者Pの股間部分における応力を緩和させた例である。 図15(c)に示す体重免荷アシスト装置1Dの体装着部310は、腰ベルト部11、アクチュエータ取付部13L,13Rおよび脇支持部312L,312Rを備えている。脇支持部312L,312Rは、利用者Pの脇を支持する部材であり、アクチュエータ取付部13L,13Rに連結されている。脇支持部312L,312R、アクチュエータ取付部13L,13R、脚リンク部20L,20Rおよび足装着部30L,30Rは、脇支持部312L,312Rにかかる利用者Pからの荷重を支持可能な構造を有している。 この体重免荷アシスト装置1Dは、疾病、怪我などで大腿や股間部分における拘束が困難な利用者Pに好適な例である。 これらの他、体重免荷アシスト装置による体重免荷アシスト力が利用者の顎部において付与されるような装置構成としても良い。 【0101】 続いて、制御部の変形例について、前記した体重免荷アシスト装置1Aとの相違点を中心に説明する。図16は、制御部の変形例を示すブロック図である。 図16に示す体重免荷アシスト装置1Eの制御部450は、体重記憶部51および目標アシスト力算出部52の代わりに目標アシスト力記憶部451を備えている。 目標アシスト力記憶部451は、予め設定された所定値(例えば、10kg)の目標体重免荷アシスト力Faを記憶している。また、目標アシスト力記憶部451は、この目標体重免荷アシスト力Faに対応した最小体重免荷アシスト力Fa1(例えば、9kg)および最大体重免荷アシスト力Fa2(例えば、11kg)を記憶している。このような体重免荷アシスト装置1Eによる動作フローにおいては、これらの値を用いた初期トルク値の算出や、アクチュエータのトルクの制御が行われることになる。 【0102】 以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。 (1) 前記した体重免荷アシスト装置は、関節部とアクチュエータとを一体化した構成としたが、関節部とアクチュエータとを別体とし、リンク機構、ベルトなどを備えた駆動力伝達手段を介してアクチュエータの駆動力を関節部に伝達する構成であっても良い。 (2) 体重免荷アシスト装置は、股関節部アクチュエータを省略し、膝関節部アクチュエータのみで関節部を駆動する構成であっても良い。この場合には、体重免荷アシスト装置の軽量化と制御のシンプル化が実現する。 (3) 前記した体重免荷アシスト装置は、各アクチュエータおよび各リンク部を利用者の下肢の外側に沿うように配置する構成としたが、各アクチュエータおよび各リンク部の全て、または少なくとも一つを利用者の下肢の内側に配置する構成としても良い。 (4) 体重免荷アシスト装置は、足装着部を省略し、下腿リンク部の下端が床面に接地するような構成であっても良い。この場合には、足装着部による利用者の足の拘束の代わりに、脚リンク部に連結され、かつ、足首、下腿、膝および大腿のいずれかに装着される下肢装着部を設けることによって体重免荷アシスト装置を利用者の歩行動作に同調させつつ、利用者の足底または下腿リンク部の下端に設けられた接地センサで接地足を検出することで、体重免荷アシスト制御が可能となる。 (5) 図12の制御フローは、予め格納されたプログラム(体重免荷アシストプログラム)にしたがって制御部50が処理を行う場合を例にとって説明したが、このプログラムは、記録媒体やネットワークによって体重免荷アシスト装置に外部から提供されるような構成としても良い。 (6) 前記した体重免荷アシスト装置は、利用者の両下肢に設けられているが、左右いずれか一方の下肢に設けられる構成であっても良い。例えば、利用者の下肢の一方のみの機能が低下している場合には、機能が低下した下肢のみに体重免荷アシスト装置を設け、体重免荷アシスト力を付与することができる。 【図面の簡単な説明】 【0103】 【図1】本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置を示す正面図である。 【図2】同背面図である。 【図3】同右側面図である。 【図4】同左側面図である。 【図5】体装着部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図である。 【図6】足装着部を示す図であり、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。 【図7】本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置の機能を示すブロック図である。 【図8】股関節部アクチュエータおよび膝関節部アクチュエータによるトルク発生方向を説明するための図であり、(a)は十分なトルクが発生している状態を示す模式図、(b)はトルクが不十分であり、利用者が腰砕けのような状態になりつつある状態を示す模式図である。 【図9】発生トルクと体重免荷アシスト力との関係を説明するための図であり、膝関節部アクチュエータの発生トルクと体重免荷アシスト力との関係を説明する図である。 【図10】発生トルクと体重免荷アシスト力との関係を説明するための図であり、股関節部アクチュエータの発生トルクと体重免荷アシスト力との関係を説明する図である。 【図11】歩行時に足装着部にかかる圧力を計測した結果を示すグラフである。 【図12】本発明の実施形態に係る体重免荷アシスト装置1Aの動作例を示すフローチャートである。 【図13】利用者の歩行時における右脚リンク部の状態の遷移を説明するための図である。 【図14】利用者の歩行時における右脚リンク部の状態の遷移を説明するための図である。 【図15】(a)、(b)、(c)は、体装着部の変形例を示す図である。 【図16】制御部の変形例を示すブロック図である。 【符号の説明】 【0104】 1A,1B,1C,1D,1E 体重免荷アシスト装置 10 体装着部 20(20L,20R) 脚リンク部 21(21L,21R) 股関節部 21a(21aL,21aR) 股関節部アクチュエータ 21b(21bL,21bR) エンコーダ(脚リンク部挙動検出手段) 23(23L,23R) 膝関節部 23a(23aL,23aR) 膝関節部アクチュエータ 23b(23bL,23bR) エンコーダ(脚リンク部挙動検出手段) 30(30L,30R) 足装着部 31a(31aL,31aR) 接地センサ(接地検出手段) 50,450 制御部 51 体重記憶部 52 目標アシスト力算出部 451 目標アシスト力記憶部 71a(71aL,71aR) 荷重センサ(荷重検出手段)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成16年12月28日(2004.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064414 【弁理士】 【氏名又は名称】磯野 道造
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| 【公開番号】 |
特開2006−187348(P2006−187348A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2004−382093(P2004−382093) |
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