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【発明の名称】 視力回復訓練装置
【発明者】 【氏名】大川 栄一
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】江本 文昭
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】山田 佐保
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】萩原 尚
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】可動部をなくし、小型化を図り、耐久性を向上させた視力回復訓練装置を提供する。

【解決手段】回復訓練装置は、複数の板状表示部材1(1a、1b、1c)、複数の光放射部2(2a、2b、2c)、基台3、筐体4を含む。板状表示部材1(1a、1b、1c)は、訓練用画像の表示を行うものであり、訓練者5の視軸51に対して略垂直に交差するように基台3に固定される。訓練用画像の表示は、図示しない表示制御装置によって制御され、訓練用画像が表示されない状態では、板状表示部材1(1a、1b、1c)は実質的に透明である。表示制御装置は、光放射部2(2a、2b、2c)を選択的に動作させることによって、訓練用画像を板状表示部材1(1a、1b、1c)に選択的に表示させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目の結像調節機能の訓練を行う視力回復訓練装置であって、
訓練者の視軸に対して略垂直に交差して配置される複数の板状表示部材と、
前記板状表示部材への訓練用画像の表示を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記訓練用画像を、前記板状表示部材に選択的に表示させるものであり、
前記板状表示部材は、前記訓練用画像が表示されない状態では、実質的に透明である視力回復訓練装置。
【請求項2】
請求項1記載の視力回復訓練装置であって、
前記板状表示部材は、透明な蛍光塗料を表面に塗布した透明基板であり、
前記蛍光塗料を発光させる励起光を放射する光放射部を備え、
前記光放射部は、前記透明基板それぞれの端部に配置され、前記透明基板の端面から前記透明基板の内部に励起光を照射するものであり、
前記表示制御部は、前記光放射部を選択的に動作させて前記蛍光塗料を発光させることによって、前記訓練用画像を表示させる視力回復訓練装置。
【請求項3】
請求項2記載の視力回復訓練装置であって、
前記蛍光塗料は、近紫外光の照射によって発光するものであり、
前記光放射部は、可視光をカットした紫外光を放射するものである視力回復訓練装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の視力回復訓練装置であって、
前記透明基板は、前記蛍光塗料塗布部に微細な凹凸を有する視力回復訓練装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項記載の視力回復訓練装置であって、
前記光放射部は、略並行光を前記透明基板の表面に対して所定の角度で放射するものである視力回復訓練装置。
【請求項6】
請求項5記載の視力回復訓練装置であって、
前記透明基板は、前記励起光が照射される端面と対向する端面に光吸収部を備える視力回復訓練装置。
【請求項7】
請求項1記載の視力回復訓練装置であって、
前記板状表示部材は、液晶表示パネルである視力回復訓練装置。
【請求項8】
請求項7記載の視力回復訓練装置であって、
前記透過型液晶表示パネルを照明する照明手段を備え、
前記照明手段は、前記訓練者から最も遠い前記液晶パネルの遠方に配置される視力回復訓練装置。
【請求項9】
請求項1記載の視力回復訓練装置であって、
前記板状表示部材は、透明基板上に透明有機EL素子を形成した透明有機EL表示パネルである視力回復訓練装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項記載の視力回復訓練装置であって、
前記板状表示部材は、前記訓練者の目位置からの距離に比例した大きさの前記訓練用画像を表示する視力回復訓練装置。
【請求項11】
請求項10記載の視力回復訓練装置であって、
前記板状表示部材は、前記訓練者の目位置からの距離に比例した大きさで、互いに相似の前記訓練用画像を表示する視力回復訓練装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、目の結像調節機能の訓練を行う視力回復訓練装置に関する。
【背景技術】
【0002】
視力の低下は、目の調節筋(毛様体筋)の調節緊張や衰弱によって目の結像調節機能が低下することが一因と考えられ、この筋肉を訓練することによって、視力の回復が期待できる。この方法は、毛様体筋を訓練によって活性化し、遠近調節機能を活発にすることで視力回復をはかるものである。
【0003】
特許文献1には、この調節筋の働きを活発にすることにより視力回復効果を向上させようとする視力回復装置が記載されている。この視力回復装置は、マークが表示された注視板を往復移動させて、マークを使用者に対して近接・離間させるものである。この装置の使用者がこのマークを注視すると、目の焦点が、近距離と遠距離の間を連続して移動するので調節筋が効率よく訓練される。
【0004】
しかし、この視力回復装置は、使用者とマークの距離を変化させるため、マークが表示された注視板を移動させるものであるため、機構が複雑で大規模となる。また、可動部を有するため、耐久性及び保守性に欠ける。
【0005】
また、注視板に表示されるマークの大きさが一定であるため、使用者がマークに焦点を合わせ難くなる場合がある。すなわち、使用者とマークとの距離が近くなると、マークの像が使用者の網膜に形成される領域が大きくなり、脳に入力する情報量が増加して、使用者が目の結像調節を簡単に行えなくなる。
【0006】
【特許文献1】特開平6−339501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、可動部をなくし、小型化を図り、耐久性を向上させた視力回復訓練装置を提供することを目的とするものである。また、訓練者が、訓練時に眼の結像調節を簡単に行うことができる視力回復訓練装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の視力回復訓練装置は、目の結像調節機能の訓練を行うものであって、訓練者の視軸に対して略垂直に交差して配置される複数の板状表示部材と、前記板状表示部材への訓練用画像の表示を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記訓練用画像を、前記板状表示部材に選択的に表示させるものであり、前記板状表示部材は、前記訓練用画像が表示されない状態では、実質的に透明であるものである。
【0009】
本発明によれば、可動部を設けることなく、訓練者と訓練用画像の表示位置との間の光学的距離を変化させることができ、小型で、耐久性を向上させた視力回復訓練装置を提供することができる。そして、訓練用画像の表示位置の変化に対応して、目の焦点を合わせるべく努力することにより、毛様体筋等の目の結像調節機能を稼動することになり、結像調節機能の向上が期待できる。
【0010】
本発明の視力回復訓練装置は、前記板状表示部材が、透明な蛍光塗料を表面に塗布した透明基板であり、前記蛍光塗料を発光させる励起光を放射する光放射部を備え、前記光放射部が、前記透明基板それぞれの端部に配置され、前記透明基板の端面から前記透明基板の内部に励起光を照射するものであり、前記表示制御部が、前記光放射部を選択的に動作させて前記蛍光塗料を発光させることによって、前記訓練用画像を表示させるものを含む。本発明によれば、訓練用画像を表示させる板状表示部材の選択を、光放射部のオンオフのみで行うことができ、表示制御部を簡単に構成することができる。
【0011】
本発明の視力回復訓練装置は、前記蛍光塗料が、近紫外光の照射によって発光するものであり、前記光放射部が、可視光をカットした紫外光を放射するものであるものを含む。本発明によれば、可視光が蛍光塗料の塗布部分のみから発生するので、鮮明な訓練用画像を表示させることができる。
【0012】
本発明の視力回復訓練装置は、前記透明基板が、前記蛍光塗料塗布部に微細な凹凸を有するものを含む。本発明によれば、光放射部からの励起光を効率よく蛍光塗料に照射することができ、鮮明な訓練用画像を表示させることができる。
【0013】
本発明の視力回復訓練装置は、前記光放射部が、略並行光を前記透明基板の表面に対して所定の角度で放射するものであるものを含む。本発明によれば、光放射部からの励起光を透明基板表面で全反射させながら伝播させることができる。したがって、光放射部からの励起光が他の透明基板に照射されることがなくなり、選択された透明基板上の訓練用画像のみを表示させることができる。
【0014】
本発明の視力回復訓練装置は、前記透明基板が、前記励起光が照射される端面と対向する端面に光吸収部を備えるものを含む。本発明によれば、光放射部からの励起光が外部に漏れることがなくなり、さらに確実に、選択された透明基板上の訓練用画像のみを表示させることができる。
【0015】
本発明の視力回復訓練装置は、前記板状表示部材が、液晶表示パネルであるものを含む。本発明によれば、低消費電力で訓練用画像を表示させることができる。また、画素分割された液晶表示パネルを用いる場合は、訓練用画像を任意に変化させることができる。
【0016】
本発明の視力回復訓練装置は、前記透過型液晶表示パネルを照明する照明手段を備え、前記照明手段が、前記訓練者から最も遠い前記液晶パネルの遠方に配置されるものを含む。本発明によれば、訓練用画像を確実に視認することができる。
【0017】
本発明の視力回復訓練装置は、前記板状表示部材が、透明基板上に透明有機EL素子を形成した透明有機EL表示パネルであるものを含む。本発明によれば、さらに、小形軽量化が可能となる。すなわち、透明有機EL表示パネルは、自ら発光するものであるので、照明も不要であり、より小形化が可能となる。
【0018】
本発明の視力回復訓練装置は、前記板状表示部材が、前記訓練者の目位置からの距離に比例した大きさの前記訓練用画像を表示するものを含む。本発明によれば、訓練者の視野に占める訓練用画像の大きさが実質的に変化しないので、目の結像調節機能の制御が簡単になる。
【0019】
本発明の視力回復訓練装置は、前記板状表示部材が、前記訓練者の目位置からの距離に比例した大きさで、互いに相似の前記訓練用画像を表示するものを含む。本発明によれば、訓練者からみえる訓練用画像の大きさ及び形状が実質的に変化しないので、目の結像調節機能の制御が簡単になる。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、可動部をなくし、小型化を図り、耐久性を向上させた視力回復訓練装置を提供することができる。また、訓練者が、訓練時に眼の結像調節を簡単に行うことができる視力回復訓練装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明の第1の実施の形態の視力回復訓練装置の概略構成を示す。図1の視力回復訓練装置は、複数の板状表示部材1(1a、1b、1c)、複数の光放射部2(2a、2b、2c)、基台3、筐体4を含んで構成される。
【0023】
板状表示部材1(1a、1b、1c)は、訓練用画像の表示を行うものであり、訓練者5の視軸51に対して略垂直に交差するように基台3に固定される。訓練用画像の表示は、図示しない表示制御装置によって制御され、訓練用画像が表示されない状態では、板状表示部材1(1a、1b、1c)は実質的に透明である。表示制御装置は、光放射部2(2a、2b、2c)を選択的に動作させることによって、訓練用画像を板状表示部材1(1a、1b、1c)に選択的に表示させる。図1では、3枚の板状表示部材1(1a、1b、1c)が設けられているが、さらに多くの板状表示部材1を設けてもよい。
【0024】
基台3は、筐体4内部に配置される。筐体4は、窓部41を除いて板状表示部材1全体を覆って外光が入らない様になっており、訓練者5は窓部41から内部を覗けるようになっている。また、窓部41にレンズを設け、訓練者と板状表示部材1と間の光学的距離を変更してもよい。また、窓部41は、1つであってもよいし、2つ出会ってもよい。2つ設ける場合は、それぞれ内部を視認を遮断する遮断手段を設け、一方の目だけで内部を除くことにより、片目ずつ訓練を可能としてもよい。
【0025】
図2に、板状表示部材1及び光放射部2の詳細な構成を示す。図2(a)は、板状表示部材1及び光放射部2の正面を模式的に示す図であり、図2(b)は、板状表示部材1及び光放射部2の側面を模式的に示す図である。また、図2(c)は、板状表示部材の部分拡大図である。
【0026】
板状表示部材1は、ガラス板やアクリル板等の透明基板11、透明基板11表面に塗布された透明蛍光塗料12、透明基板11表面の透明蛍光塗料塗布部に形成された微細な凹凸部13、光吸収剤14を含む。
【0027】
透明蛍光塗料12は、通常の可視光の下では透明であるが、所定の励起光が照射されると発光する蛍光物質を含む塗料であり、表示すべき訓練用画像に対応する形状に塗布される。透明蛍光塗料12は、近紫外光(波長300〜400mm)の照射によって発光する塗料であり、例えば、シンロイヒ株式会社より「マジックルミノペイント」という商品名(URL<https://www.diyna.com/webshop/sinloihi/pdf/magiclumino.pdf>参照)で販売されている蛍光塗料である。
【0028】
凹凸部13は、透明蛍光塗料12に励起光が確実に照射されるように設けられるもので、その凹部に蛍光塗料12が入り込んでいる。光吸収剤14は、透明基板11の内部を透過する励起光を吸収する物質である。
【0029】
光放射部2は、板状表示部材1の下側端部に配置され、透明基板11の下側端面から透明基板11の内部にほぼ並行な近紫外光を照射するものである。ほぼ並行光になった近紫外光は透明基板11表面に特定の入射角で入射するので透明基板11と空気の境界面で全反射する。凹凸部13では入射角が小さくなるため、光が透過するが透過した所には蛍光塗料12が塗布してあるため、発光し肉眼で見ることができる。
【0030】
光放射部2は、光源21、スリット22、棒状レンズ23を含み、光放射部筐体24内に配置される。光源21は、ブラックライトであり、可視光をカットした近紫外光を放射する。光源21からでた近紫外光はスリット22を通ることで、光路が限定され、さらに棒状レンズ23を透過することでほぼ並行光となる。スリット22のみで所望の並行光が得られる場合、棒状レンズ23は不要である。
【0031】
透明基板11内部に照射された近紫外光が、透明基板11表面で全反射するための条件を、図3を用いて説明する。図3に示すように、透明基板11の屈折率をn、空気の屈折率を1としたときに、透明基板11表面での入射角θがsinθ>1/nを満たすように、近紫外光が照射されると、透明基板11表面で全反射する。したがって、凹凸部13で通過する近紫外光以外は、上側端面に到達し、透明基板11から出射するが、図2に示すように、透明基板11の上側端面には光吸収剤が設けられるので、透明基板11から出射する近紫外光は吸収され、外部に出ることはない。
【0032】
なお、スリット23、棒状レンズ23を省略すると、透明基板11内部に照射される近紫外光は並行光とはならず、一部外部に漏れるが、厳密性を要求しない場合は、問題ない。この場合は、蛍光塗料12塗布部の凹凸も省略可能である。
【0033】
図1に示す視力回復訓練装置を用いて視力回復訓練を行う場合、訓練者5は、筐体4の窓部41から内部を覗き、板状表示部材1a、1b、1cに表示される訓練用画像を注視する。訓練用画像は、光放射部2a、2b、2cの光源21を選択的に点灯することにより、対応する板状表示部材1a、1b、1cに表示される。
【0034】
訓練者5の目の位置と、訓練者に最も近い板状表示部材1aとの光学的距離は、正常視力者の近点距離程度の距離とするのが好ましい。また、訓練者5の目の位置と、訓練者に最も遠い板状表示部材1cとの光学的距離は、正常視力者の遠点距離程度の距離とするのが好ましい。
【0035】
図示しない表示制御部は、光放射部2の光源21を所定の順序で選択して点灯させるので、訓練者5は、表示位置が変化する訓練用画像を見ることになる。したがって、表示位置の変化に対応して、目の焦点を合わせるべく努力することにより、毛様体筋等の目の結像調節機能を稼動することになり、結像調節機能の向上が期待できる。
【0036】
板状表示部材1a、1b、1cに訓練用画像を表示する順序は、例えば、板状表示部材1a、1b、1c、1b、1a、1b、・・のように近点と遠点間を往復移動させる順序が採用できるが、これに限らずランダムに表示させるようにしてもよい。また、表示間隔も任意であり、訓練者が適宜設定可能としてもよい。
【0037】
板状表示部材1a、1b、1cに表示させる訓練用画像の形状、すなわち、透明基板に対する蛍光塗料の塗布形状は、同じであってもよいし、訓練者5の目位置との光学的距離に応じて大きさを変化させてもよい。大きさを変化させる場合、訓練用画像を、訓練者5の目位置からの距離に比例した大きさで、互いに相似の形状とする。
【0038】
図4に、板状表示部材1a、1b、1cに表示させる訓練用画像の一例を示す。図4(a)は板状表示部材1aに表示させる画像であり、図4(b)は板状表示部材1bに表示させる画像であり、図4(c)は板状表示部材1cに表示させる画像である。このように、訓練者5の目位置からの距離に比例した大きさで、互いに相似の形状とすると、訓練者からみえる訓練用画像の大きさ及び形状が実質的に変化しないので、目の結像調節機能の制御が簡単になる。
【0039】
図4の例では、板状表示部材1に表示させる訓練用画像の形状を、互いに相似形状としたが、異なる形状としてもよい。この場合でも、訓練者の視野に占める訓練用画像の大きさが実質的に変化しないので、目の結像調節機能の制御が簡単になる。また、表示される画像が変化するので、訓練者が飽きずに訓練を行うことができる。
【0040】
以上、説明したように、第1の実施の形態の視力回復訓練装置は、可動部が設けられていないので、耐久性、保守性が向上する。また、訓練用画像の表示位置の切り換えを、光放射部2に設けられた光源21のオンオフによって制御することができる。なお、表示制御部は、簡単なシーケンス制御回路、あるいはシーケンス制御プログラムを記憶したプロセッサを用いて実現できるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
(第2の実施の形態)
図5に、本発明の第2の実施の形態の視力回復訓練装置の概略構成を示す。図5の視力回復訓練装置は、複数の液晶表示パネル6(6a、6b、6c)、偏向板7、照明部材8、基台3、筐体4を含んで構成される。
【0042】
液晶表示パネル6(6a、6b、6c)は、訓練用画像の表示を行うものであり、訓練者5の視軸51に対して略垂直に交差するように基台3に固定される。訓練用画像の表示は、図示しない表示制御装置によって制御され、訓練用画像が表示されない状態では、液晶表示パネル6(6a、6b、6c)は実質的に透明な透過型液晶パネルである。表示制御装置は、液晶表示パネル6(6a、6b、6c)を選択的に動作させることによって、訓練用画像を液晶表示パネル6(6a、6b、6c)に選択的に表示させる。図5では、3枚の液晶表示パネル6(6a、6b、6c)が設けられているが、さらに多くの液晶表示パネル6を設けてもよい。
【0043】
基台3は、筐体4内部に配置される。筐体4は、窓部41を除いて板状表示部材1全体を覆って外光が入らない様になっており、訓練者5は窓部41から内部を覗けるようになっている。また、窓部41にレンズを設け、訓練者と板状表示部材1と間の光学的距離を変更してもよい。
【0044】
偏向板7は、光の透過方向を制限するものであり、照明部材8は、液晶表示パネル6(6a、6b、6c)の背面から照明するいわゆるバックライトである。
【0045】
図6に、液晶表示パネル6の概略断面構造を示す。液晶表示パネル6は、ガラス板やアクリル板等からなる2枚の透明基板61、透明基板61の内側に設けられる2つの透明電極層62、透明電極層62に挟まれる液晶層63を含む。
【0046】
液晶層63に配置される液晶は、2つの透明電極層62電極間に電圧が印加されていないときは透過する光が偏向せず、電圧が印加されているときは所定の方向に偏向する。偏向した光は偏向板7を透過することができないのでその部分だけ黒く見える。したがって、液晶表示パネル6の透明電極62間に、選択的に電圧を印加することにより、訓練用画像を選択的に表示させることができる。このとき、電圧が印加されない液晶表示パネル6を透過する光は偏向板7を透過するので、実質的に透明である。
【0047】
液晶表示パネル6に表示する訓練用画像の形状は、透明電極層62で形成される電極の形状、又は液晶層63に配置される液晶パターン、又はその両方によって定めることができる。この場合、選択された液晶パネル6の透明電極層62の電極全体に電圧印加するだけで、訓練用画像を表示させることができる。
【0048】
液晶表示パネル6としては、多数のマトリックス状の画素に分割されたものを利用してもよい。この場合、図示しない表示制御部を、所定のプログラムを実行するプロセッサを用いて実現し、表示すべき訓練用画像情報に基づいて、選択された液晶表示パネル6を駆動する。このような液晶表示パネルを用いると、訓練用画像を任意のものとすることができ、訓練者が飽きずに訓練を行うことができる。
【0049】
図5に示す視力回復訓練装置を用いて視力回復訓練を行う場合、訓練者5は、筐体4の窓部41から内部を覗き液晶表示パネル6に表示される訓練用画像を注視する。訓練用画像は、液晶表示パネル6を選択的に駆動することにより、対応する液晶表示パネル6に表示される。なお、図5の視力回復訓練装置に設けられる照明部材8は、省略可能である。この場合、筐体4の窓部41と対向する面に光取り入れ孔を設ける。
【0050】
液晶表示パネル6に訓練用画像を表示する順序、及び表示間隔は、第1の実施の形態と同様、表示制御部によって任意に設定できる。また、各液晶表示パネル6に表示する訓練用画像の大きさや形状についても、第1の実施の形態同様である。すなわち、訓練用画像の大きさは同じであってもよいし、訓練者5の目位置との光学的距離に応じて大きさを変化させてもよい。大きさを変化させる場合、訓練用画像を、訓練者5の目位置からの距離に比例した大きさとすることも同様である。訓練用画像の形状は互いに相似の形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
【0051】
なお、表示制御部は、簡単なシーケンス制御回路、あるいは表示画像データに基づく駆動プログラムを記憶したプロセッサを用いて実現できるので、詳細な説明は省略する。
【0052】
(第3の実施の形態)
訓練用画像を表示する板状表示部材としては、透明有機EL表示パネルを利用することもできる。図7に、本発明の第3の実施の形態の視力回復訓練装置に用いる透明有機EL表示パネル9の概略断面構造を示す。
【0053】
透明有機EL表示パネル9は、透明基板91上に形成された透明有機EL表示素子を含み、透明有機EL表示素子は、ITO等からなる2つの透明電極層92と透明電極層92間に配置される透明有機EL発光層92を含む。この透明有機EL素子は、透明有機EL発光層92に電流が流れていないときは透明であり、電流を流すとその部分が発光するものである。このような構成の透明有機EL表示パネル9としては、例えば、株式会社デンソーが提供している「透明ELディスプレイ」が利用可能である(URL<http://www.denso.co.jp/EL/index.html>参照)。
【0054】
透明有機EL表示パネル9を板状表示部材として用いる視力回復訓練装置は、図5に示す第2の実施の形態の視力回復装置と同様の構成を有する。すなわち、図7に示すような透明有機EL表示パネル9を、基台3に固定する。ただし、偏向板7と照明部材8は不要である。
【0055】
このように構成した視力回復訓練装置は、図示しない表示制御装置によって選択的に透明有機EL表示パネル9に電流を流すことにより、いずれかの透明有機EL表示パネル9に訓練用画像を表示することができる。
【0056】
透明有機EL表示パネル9に表示する訓練用画像の形状は、液晶表示パネル6と同様、透明電極層92で形成される電極の形状、又は透明有機EL発光層92に配置される透明有機EL物質のパターン、又はその両方によって定めることができる。この場合、選択された透明有機EL表示パネル9の透明電極層92の電極全体に電圧印加するだけで、訓練用画像を表示させることができる。
【0057】
また、透明有機EL表示パネル9としては、多数のマトリックス状の画素に分割されたものを利用してもよい。この場合、図示しない表示制御部を、所定のプログラムを実行するプロセッサを用いて実現し、表示すべき訓練用画像情報に基づいて、選択された透明有機EL表示パネル9を駆動する。このような透明有機EL表示パネルを用いると、訓練用画像を任意のものとすることができ、訓練者が飽きずに訓練を行うことができる。
【0058】
透明有機EL表示パネル9を利用する視力回復訓練装置の駆動方法等は、第2の実施の形態の液晶表示パネル6を使用する視力回復装置の駆動方法等と同様であるので、説明を省略する。
【0059】
以上説明したように、透明有機EL表示パネルは、自ら発光するものであるので、照明も不要であり、小形軽量化が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の視力回復訓練装置は、複数の板状表示部材に選択的に訓練用を表示しており、可動部をなくし、小型化を図り、耐久性を向上させた視力回復訓練装置等として有用である。また、板状表示部材は、訓練者の目位置からの距離に比例した大きさで、互いに相似の前記訓練用画像を表示しており、訓練者が、訓練時に眼の結像調節を簡単に行うことができる視力回復訓練装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態の視力回復訓練装置の概略構成を示す図
【図2】本発明の第1の実施の形態の視力回復訓練装置に用いる板状表示部材及び光放射部の詳細な構成を示す図
【図3】本発明の第1の実施の形態の視力回復訓練装置に用いる透明基板内部に照射された近紫外光が、透明基板表面で全反射するための条件を説明する図
【図4】本発明の第1の実施の形態の視力回復訓練装置に用いる板状表示部材に表示させる訓練用画像の一例を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態の視力回復訓練装置の概略構成を示す図
【図6】本発明の第2の実施の形態の視力回復訓練装置に用いる液晶表示パネルの概略断面構造を示す図
【図7】本発明の第3の実施の形態の視力回復訓練装置に用いる透明有機EL表示パネルの概略断面構造を示す図
【符号の説明】
【0062】
1、1a、1b、1c・・・板状表示部材
11・・・透明基板
12・・・透明蛍光塗料
13・・・凹凸部
14・・・光吸収剤
2、2a、2b、2c・・・光放射部
21・・・光源(ブラックライト)
22・・・スリット
23・・・棒状レンズ
24・・・光放射部筐体
3・・・基台
4・・・筐体
41・・・窓部
5・・・訓練者
51・・・視軸
6、6a、6b、6c・・・液晶表示パネル
61・・・透明基板
62・・・透明電極層
63・・・液晶層
7・・・偏向板
8・・・照明部材
9・・・透明有機EL表示パネル
91・・・透明基板
92・・・透明電極層
93・・・透明有機EL発光層
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【識別番号】505044462
【氏名又は名称】株式会社テクノマスター
【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区六浦南三丁目2番12
【出願日】 平成16年7月14日(2004.7.14)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光

【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛

【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子

【公開番号】 特開2006−25974(P2006−25974A)
【公開日】 平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願番号】 特願2004−207093(P2004−207093)