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【発明の名称】 車椅子の大車輪の角度調節機構
【発明者】 【氏名】竹内 竜也
【住所又は居所】岐阜県養老郡養老町大場484 株式会社松永製作所内

【氏名】松永 紀之
【住所又は居所】岐阜県養老郡養老町大場484 株式会社松永製作所内

【氏名】松永 茂之
【住所又は居所】岐阜県養老郡養老町大場484 株式会社松永製作所内

【要約】 【課題】本発明は、車椅子の大車輪の傾きを簡単に調節できる車椅子の大車輪の傾きを調節する機構を提供する。

【解決手段】車椅子の大車輪の傾きを調節する機構100は、大車輪の車軸を挿入するキャンパーシャフト20と大車輪の車軸が挿入されたキャンパーシャフト20を支持して車椅子に取着するキャンパーブロック21とよりなっている。まず、キャンパーシャフト20に大車輪の車軸を取り付けて挿入した反対側からナットで締め付けて固定する。タイヤが装着されたキャンパーシャフト20をキャンパーブロック21に着設してボルト22で車椅子のフレームに装着固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主車輪を車椅子に固定するために車軸を支持するキャンパーシャフトと、該キャンパーシャフトを支持するキャンパーブロックとよりなることを特徴とする車椅子の大車輪の角度調節機構。
【請求項2】
キャンパーシャフトの車軸の接する内面が長手方向に一定の角度を有することを特徴とする請求項1に記載の車椅子の大車輪の角度調節機構。
【請求項3】
車軸の接する内面の長手方向に少なくとも1度の角度を有するキャンパーシャフトよりなることを特徴とする請求項2に記載の車椅子の大車輪の角度調節機構。
【請求項4】
キャンパーシャフトの接する内面が長手方向に一定の角度を有するキャンパーブロックよりなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車椅子の大車輪の角度調節機構。
【請求項5】
車軸の接する内面の長手方向の角度が少なくとも1度の角度を有するキャンパーシャフトと該キャンパーシャフトの接する内面の長手方向の角度が少なくとも1度の角度を有するキャンパーブロックとよりなることを特徴とする請求項1に記載の車椅子の大車輪の角度調節機構。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子の大車輪の傾きを調節する機構に関わる。より詳しくは、車椅子の大車輪の幅を上下に広げたり、狭くしたりすることができる車椅子の大車輪の傾きを調節する機構に関わる。
【背景技術】
【0002】
車椅子の大車輪の幅を接地面側を広げ、上部を狭くして車輪の取着状態が、車椅子の前方から見るとハの字型に外側に開いた状態にすることがある。このような状態にする場合は、通常、競技用の車椅子で多く適用されており、車輪の外側への開く角度は高速使用のもの、低速使用のもの等、あるいは球技用、競技用等によってそれぞれ異なっている。
【0003】
特許文献1の請求項1には、「車椅子の本体に固定され、内部に球座を設けた連結装置本体と、表面に前記球座に対応する球面を設けて、前記球座に沿って回転可能に構成した支持体と、前記支持体に車軸を固定する車軸固定手段と、前記連結装置本体に対する前記支持体の回転位置をロックするロック手段とを具え、前記支持体を前記球座に沿って回転させることによって、前記車椅子の本体に対する車軸の取付け角度を2軸方向に調整できるようにしたことを特徴とする車椅子の本体と車軸との連結装置。」が開示されている。特許文献1の発明は、トウイン、トウアウトのトウ角に応じて支持体を球座に沿って回転させることによって、車椅子本体に対する車軸の取付け角度を調整してトウ角を0にすることができるものである。
【0004】
特許文献2には、段落[0011]第16行目より、「大車輪2は、その中心に、ベアリング機構(図示せず)を介して回転自在となった車軸22を備えている。車軸22は、ハンドリム21とは反対側に突出している。大車輪2は、車軸22の突出部分22aが車軸受け部32に螺着されることにより、シャフト3の端部に支持されている。即ち、大車輪2は、車軸受け部32に片持ち支持されている。車軸受け部32は、一方の端面がテーパ面32aとなっている円柱体であり、2個の車軸受け部32は全く同一のものである。テーパ面32aの、シャフト3の直交面Pに対する傾斜角度βは、大車輪2の傾斜角度αと同じに設定されている。」車輪を備えた車椅子が開示されている。特許文献2の車椅子は、トウイン・トウアウトを正常に戻すための調整を容易に行うことができることを特徴としている。
【0005】
特許文献3の請求項1において、「ラックを左回りで走行するレース用車椅子であって、フレームに固定された二又状のホークに両端を支持される操舵用前輪のハブ内の車輪が、前記ハブ内周面に回動自在に配設される円筒状の軸本体と、該軸本体の両端から突出するように回動可能に配設されて前記ホークに支持される支持軸と、から構成されるとともに、前記軸本体に設けられた前記支持軸を配設する貫通孔が、前記軸本体の左端面では、下部側に開口し、前記軸本体の右端面では上部側に開口するように貫通され、前記軸本体に連結固定された操舵レバーを回転させて、前記軸本体を回転させることにより、前記軸本体の左端面側の支持軸端部を前記軸本体の軸心の前方側に配置させ、前記軸本体の右端面部の支持軸端部を前記軸本体の軸心の後方側に配置させて、前記操舵用前輪を左向きに操舵可能としたことを特徴とするレース用車椅子。」で、左回りのレース用の車椅子が開示されている。
【0006】
トウインとは車椅子の前後方向に沿って大車輪の前部が内側に位置する状態をいい、トウアウトとは外側に位置する状態を云う。上記の特許文献は大車輪がトウイン・トウアウトして走行性能が落ちたときに調整できる車椅子や、左回りのレース用の車椅子を提供するものであって、大車輪の上下の角度を変更するためのものではない。車椅子の正面からみて、タイヤの上部が外側に出ているのをポジキャン、下部が外に出ているのをネガキャンといい、ネガキャンを意識的に付けてコーナーリング性能を高めるチューニングもある。ネガキャンを付けすぎれば逆にコーナーが遅くなったり、バーストしやすくなったり、直進性が悪くなったり編磨耗がでたりの悪影響ばかり、スタイル中心のチューニングになってきている。このような場合に、簡単に大車輪の角度が調節できる車椅子の出現が望まれている
【特許文献1】特開平07−67917号公報
【特許文献2】特開平07−156849号公報
【特許文献3】特開平09−84833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、車椅子の大車輪の傾きを簡単に調節できる車椅子の大車輪の傾きを調節する機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、車椅子の大車輪の車軸に着設するキャンパーシャフトとキャンパーシャフトを支持するキャンパーブロックの内面に角度を付けることによって、大車輪に簡単に角度を付けることができる。また、その組み合わせによって、いろいろな角度の調整が簡単に行えるようになった。
【0009】
請求項1に記載の発明は、主車輪を車椅子に固定するために車軸を支持するキャンパーシャフトと、該キャンパーシャフトを支持するキャンパーブロックとよりなることを特徴とする車椅子の大車輪の角度調節機構である。大車輪の車軸に着設するキャンパーシャフトとキャンパーシャフトを支持するキャンパーブロックからなる車椅子の大車輪の角度調節機構で、車椅子の角度を簡単に調節することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、キャンパーシャフトの車軸の接する内面が長手方向に一定の角度を有することを特徴とする請求項1に記載の車椅子の大車輪の角度調節機構である。キャンパーシャフトの車軸が接する面に角度を付けることによって、車輪の角度を簡単に変えることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、車軸の接する内面の長手方向に少なくとも1度の角度を有するキャンパーシャフトよりなることを特徴とする請求項2に記載の車椅子の大車輪の角度調節機構である。車軸の接する内面の長手方向の角度が1度の角度を有するキャンパーシャフトよりなることを特徴とする車椅子の大車輪の角度調節機構である。大車輪の車軸に着設するキャンパーシャフトに一度の角度を持たせて大車輪に取り付け、キャンパーブロックに取り付けると大車輪に簡単に1度の角度を持たせることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、キャンパーシャフトの接する内面が長手方向に一定の角度を有するキャンパーブロックとよりなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車椅子の大車輪の角度調節機構である。大車輪の車軸に着設するキャンパーシャフトとキャンパーシャフトを嵌着するキャンパーブロックに一定の角度を持たせて、それを組合せることによって、大車輪に簡単に様々な角度を持たせることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、車軸の接する内面の長手方向の角度が少なくとも1度の角度を有するキャンパーシャフトと該キャンパーシャフトの接する内面の長手方向の角度が少なくとも1度の角度を有するキャンパーブロックとよりなることを特徴とする請求項1に記載の車椅子の大車輪の角度調節機構である。大車輪の車軸に着設するキャンパーシャフトとキャンパーシャフトを嵌着するキャンパーブロックに少なくとも1度の角度を持たせて大車輪に取り付けるとその組合せによって、大車輪に簡単に0度〜少なくとも2度の角度を持たせることができる。例えば、少なくとも1度のキャンパーシャフトと少なくとも1度のキャンパーブロックとを組み合わせれば、少なくとも2度の角度を有する車椅子となる。あるいは、長手方向に逆1度の角度を設けたキャンパーシャフトと長手方向に正1度の角度を設けたキャンパーブロックとを組み合わせれば、車輪の取付け角度は0度にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
車椅子の大車輪の車軸に嵌挿するキャンパーシャフトの内面に一定の角度を設けて、キャンパーシャフトをキャンパーブロックに着設して大車輪に一定の角度を設けることができる。さらに、キャンパーシャフトを支持するキャンパーブロックの内面にも一定の角度を設けて、内面に角度を有するキャンパーシャフトとキャンパーブロックを組合せることによって、大車輪の角度を様々な角度に簡単に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の大車輪の車軸に嵌挿するキャンパーシャフトとキャンパーシャフトを嵌着するキャンパーブロックを用いた車椅子の大車輪の傾きを調節する機構について説明するが、本発明の車椅子の大車輪の傾きを調節する機構は以下の実施例に限定されるものではない。
【0016】
図1は、車椅子10の大車輪15の傾きを調節する機構100を着設した車椅子を例示している。大車輪15の傾きを調節する機構100を着設する車椅子は、主に競技用の車椅子であるが、特に、競技用の車椅子に限定されるものではない。車椅子の前方で前部フレーム18の下側にフットレスト17と回動可能なキャスター14が着設されている。車椅子の大車輪15の傾きを調節する機構100は背もたれフレーム11の下方と垂直フレーム19の間に着設される。
【0017】
図2に示すように、車椅子の大車輪の傾きを調節する機構100は、大車輪15の車軸を挿入するキャンパーシャフト20と大車輪の車軸が挿入されたキャンパーシャフト20を支持して車椅子に取着するキャンパーブロック21とよりなっている。まず、キャンパーシャフト20に大車輪14の車軸を取り付けて挿入した反対側からナットで締め付けて固定する。タイヤが装着されたキャンパーシャフト20をキャンパーブロック21に着設してボルト22で車椅子のフレームに装着固定する。
【0018】
図3はキャンパーシャフト20の側面図と正面図を示している。キャンパーシャフト20の筒の内面、すなわち、車輪の車軸が当接する面に外側20bから内側20aに向けて斜面を設けることによって、車輪を取り付けた際に、車輪に角度を持たせることができる。図(3−1)及び図(3−2)は斜面のないキャンパーシャフト20を例示している。図(3−3)及び図(3−4)はキャンパーシャフト20の内面の20bから20aにかけて1度の傾斜を持たせたキャンパーシャフト20を例示している。
【0019】
図4はキャンパーブロック21の斜視図を示す。図(4−1)は側面斜視図でキャンパーシャフト20をキャンパーブロック21に挿入固定した状態を示している。キャンパーシャフト20の一方端は六角20cになっている。この六角20cの部分がキャンパーブロック21の固定部21aに当接してキャンパーシャフト20がキャンパーブロック21内で回転しないように固定される。このように固定された状態は、キャンパーブロック21にキャンパーシャフト20を挿入した上面からの斜視図を図(4−2)に示す。図(4−2)に示すように、一方端に六角20cの片縁部を設けることによって、キャンパーブロック21の内側でキャンパーシャフト20が回転するのを防ぐとともに、キャンパーシャフト20の内面に角度を設けた部分を定位置に保持することができる。
【0020】
図5はキャンパーシャフト20の内面に角度を設けたキャンパーシャフト20とキャンパーブロック21の側面図を示している。図(5−1)はキャンパーブロック21の側面図と、図(5−2)にキャンパーブロック21の正面図を示している。このキャンパーブロックに着設するキャンパーシャフト20の内面の長手方向に逆の角度を設けた例、すなわち20bから20aに向けて斜面を設けた例を図(5−3)に示している。また、図(5−4)はキャンパーシャフト20の内面の長手方向に正の角度を設けた例、すなわち20aから20bの方向に斜面を設けた例を示している。図(5−5)は図(5−3)の逆角度を有するキャンパーシャフト20をキャンパーブロック21に着設した例を示している。図(5−6)は内面に角度を有しないキャンパーシャフト20をキャンパーブロック21に着設した例を示している。図(5−7)は図(5−4)の内面に正の角度を有するキャンパーシャフト20をキャンパーブロック21に着設した例を示している。
【0021】
図6は大車輪15に本発明のキャンパーシャフト20とキャンパーブロック21を組み合わせて大車輪に角度を持たせた場合の大車輪15の傾きを示す線図である。図中点線Aは角度を有しない垂直状態で前図(5−6)を示している。図中点線Bは前図(5−7)を着設した場合の状態を示す。これに角度を有するキャンパーシャフト20とキャンパーブロック21を組合せることによりCに示すように車輪の角度をさらに傾けることができる。
【0022】
図7は自走用の車椅子にキャンパーシャフト20とキャンパーブロック21よりなる車椅子の大車輪の傾きを調節する機構を着設して、大車輪15の角度を持たせた例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、車椅子の側面図を示す。
【図2】図2はキャンパーブロックとキャンパーシャフトの斜視図である。
【図3】図3はキャンパーシャフトの側面図と正面図を示している。
【図4】図4はキャンパーブロックにキャンパーシャフトを挿入した斜視図である。
【図5】図5は内面に角度を設けたキャンパーシャフトとキャンパーブロックの側面図である。
【図6】図6は大車輪にキャンパーシャフトとキャンパーブロックで角度を持たせた場合の大車輪の傾き形を示す図である。
【図7】図7は自走用の車椅子にキャンパーシャフトとキャンパーブロックで大車輪の角度を持たせた例を示している。
【符号の説明】
【0024】
100:車椅子の大車輪の傾きを調節する機構
10:車椅子
11:背もたれフレーム
12:サイドフレーム
13:アームレスト
14:前部キャスター
15:大車輪
16:リム
17:フットレスト
18:前部フレーム
19:垂直フレーム
20:キャンパーシャフト
21:キャンパーブロック
22:ボルト
【出願人】 【識別番号】000146113
【氏名又は名称】株式会社松永製作所
【住所又は居所】岐阜県養老郡養老町大場484
【出願日】 平成17年6月7日(2005.6.7)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典

【識別番号】100129698
【弁理士】
【氏名又は名称】武川 隆宣

【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一

【識別番号】100130074
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 繁元

【識別番号】100135585
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 務

【公開番号】 特開2006−340753(P2006−340753A)
【公開日】 平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願番号】 特願2005−166578(P2005−166578)