| 【発明の名称】 |
車椅子 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 猛
【氏名】櫻井 英雄
【氏名】西口 和秀
|
| 【要約】 |
【課題】片手が不自由な着座者であっても、容易に進行方向を変えることができる車椅子を提供する。
【解決手段】フレーム12に支持された座部14の両側に、前記フレーム12に対して回動自在な複数の主車輪16,18が、それぞれ、配置されている。各主車輪16,18の前方には第1副車輪22および第2副車輪32が配置されている。L方向およびR方向に、フレーム12に対して第1副車輪22と伴に回動可能な第1支持部材24と、フレーム12に対して第2副車輪32と伴に回動可能な第2支持部材34とを備えている。着座者が把持可能なハンドル64aを備えている。第1支持部材24および第2支持部材34とハンドル64aとの間には、第1支持部材24および第2支持部材34を、L方向およびR方向に、フレーム12に対して連動して回動させる連結機構40が設けられている。【選択図】 図1 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレームに支持された座部の両側に少なくとも一つずつ配置され、前記フレームに対してX方向およびY方向に回動自在な複数の主車輪と、 前記座部に着座した着座者から見た場合において、前記各主車輪よりも前方に配置された第1副車輪および第2副車輪と、 前記座部に着座した着座者から見た場合において、左回りをL方向、右回りをR方向としたとき、前記第1副車輪を支持し、L方向およびR方向に、前記フレームに対して当該第1副車輪と伴に回動可能な第1支持部材と、 前記第2副車輪を支持し、L方向およびR方向に、前記フレームに対して当該第2副車輪と伴に回動可能な第2支持部材と、 着座者が把持可能なハンドルと、 前記第1支持部材および前記第2支持部材と前記ハンドルとの間に設けられ、前記フレームに対してハンドルを回動させたとき、当該第1支持部材および当該第2支持部材を、L方向およびR方向に、前記フレームに対して連動して回動させる連結機構と、を含む車椅子。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、車椅子に関し、とくに着座者の片手が不自由であっても、着座者が自ら容易に車椅子の進行方向を変えることができる車椅子に関する。 【背景技術】 【0002】 この種の車椅子の従来例を図3に示す。なお、これとほぼ同様の構造をした車椅子が、特許文献1および特許文献2に記載されている。 【0003】 図3に示される車椅子10は、車椅子10の骨格をなすフレーム12に支持された座部14の両側に主車輪16,18を備えている。 【0004】 この明細書において、座部14に着座した着座者から見て、右側の主車輪を第1主車輪16、左側の主車輪を第2主車輪18と称する。 【0005】 第1主車輪16および第2主車輪18は、それぞれ、各主車輪16,18の実質的な中心部O1を回動中心として、X方向およびY方向に、フレーム12に対して回動自在に構成されている。 【0006】 各主車輪16,18には、それぞれ、リム20が一体的に設けられており、着座者がこのリム20を回すことによって、車椅子10が前進または後退する。なお、介護者が手で押すことによって車椅子10を前進または後退させる場合もある。 【0007】 ここで、X方向は、車椅子10が前進する場合における各主車輪16,18の回動方向であり、Y方向は、車椅子10が後退する場合における各主車輪16,18の回動方向である。 【0008】 着座者から見た場合において、第1主車輪16の前方のF方向側には第1副車輪22が、第2主車輪18のF方向側には第2副車輪32が、それぞれ、配置されている。 【0009】 第1副車輪22および第2副車輪32は、それぞれ、各副車輪22,32の実質的な中心部O2において、第1支持部材24および第2支持部材34が軸支されている。 【0010】 第1支持部材24および第2支持部材34は、Z方向に実質的に平行な方向に長い軸部25,35を有している。ここで、Z方向は、鉛直方向である。 【0011】 第1支持部材24の軸部25および第2支持部材34の軸部35は、それぞれ、第1筒部材26および第2筒部材36に内挿されている。第1筒部材26および第2筒部材36は、それぞれ、Z方向に実質的に平行な方向に長い筒状の部材であって、いずれも、フレーム12に固定して取り付けられている。 【0012】 各支持部材24,34の軸部25,35と各筒状部材26,36との間には、それぞれ、軸受(図示せず)が内挿されている。これにより、第1支持部材24および第2支持部材34は、それぞれ、これらの軸部25,35の長手方向の軸心72,74を回動中心として、第1筒部材26および第2筒部材36ひいてはフレーム12に対して回動可能となっている。 【0013】 第1支持部材24が、フレーム12に対してL方向に回動したとき、第1副車輪22が、第1支持部材24の回動に伴ってフレーム12に対して回動する。 【0014】 第2副車輪32は、第1副車輪22と同様に、第2支持部材34がL方向またはR方向に回動したとき、これに伴ってL方向またはR方向に回動する。 【0015】 ここで、座部14に着座した着座者から見た場合において、左回りがL方向、右回りがR方向である。 【0016】 各支持部材24,34の軸部25,35には、それぞれ、これらの各支持部材24,34を回動させるためのハンドル64が取り付けられている。なお、図3では、一つのハンドル64のみ図示されているが、実際には、二つのハンドル64が設けられている。 【0017】 着座者が、L方向またはR方向にハンドル64を回すと、各支持部材24,34が、各筒部材26,36ひいてはフレーム12に対して回動する。そして、フレーム12に対する各支持部材24,34の回動に伴って、各副車輪22が、互いに独立してフレーム12に対して回動する。 【0018】 着座者が、第1副車輪22および第2副車輪32の両方を、L方向またはR方向に、フレーム12に対して回動させることによって、車椅子10の進行方向を変えることができる。 【0019】 ここで、第1副車輪22および第2副車輪32のうちいずれか一方のみを、フレーム12に対して回動させた場合には、第1副車輪22の進行方向と第2副車輪32の進行方向とが異なる場合があり、このとき、車椅子10の進行方向を変えることが困難になる。 【0020】 なお、車椅子10には、一般的に、背もたれ部76および肘掛部78も備えられている。 【0021】 【特許文献1】特開平9−28736号公報 【特許文献2】実開昭61−21521号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0022】 しかし、特許文献1および特許文献2に記載の車椅子によれば、第1副車輪22および第2副車輪32の両方を、フレーム12に対して回動させることは、片手が不自由な着座者にとって極めて操作性が悪いといった課題がある。 【0023】 しかも、介護者がいない場合には、着座者が自ら各主車輪16,18を回さなければならず、不便極まりない。 【0024】 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、片手が不自由な着座者であっても、容易に進行方向を変えることができる車椅子を提供することを主たる目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0025】 前記課題を解決するための本発明に係る車椅子は、フレームに支持された座部の両側に少なくとも一つずつ配置され、前記フレームに対してX方向およびY方向に回動自在な複数の主車輪と、前記座部に着座した着座者から見た場合において、前記各主車輪よりも前方に配置された第1副車輪および第2副車輪と、前記座部に着座した着座者から見た場合において、左回りをL方向、右回りをR方向としたとき、前記第1副車輪を支持し、L方向およびR方向に、前記フレームに対して当該第1副車輪と伴に回動可能な第1支持部材と、前記第2副車輪を支持し、L方向およびR方向に、前記フレームに対して当該第2副車輪と伴に回動可能な第2支持部材と、着座者が把持可能なハンドルと、前記第支持部材および前記第2支持部材と前記ハンドルとの間に設けられ、前記フレームに対してハンドルを回動させたとき、当該第1支持部材および当該第2支持部材を、L方向およびR方向に、前記フレームに対して連動して回動させる連結機構と、を含むことを特徴とする。 【0026】 上記構成によれば、フレームに対してハンドルを回動させると、第1支持部材および第2支持部材が連動して、L方向またはR方向に、フレームに対して回動する。そして、第1支持部材および第2支持部材のこの回動に伴って、第1副車輪および第2副車輪が連動して、L方向またはR方向に、フレームに対して回動する。 【発明の効果】 【0027】 この発明によれば、着座者がハンドルをL方向またはR方向に移動させるのみで、第1支持部材および第2支持部材ひいては第1副車輪および第2副車輪の両方が連動して、L方向またはR方向に、フレームに対して回動する。したがって、片手が不自由な着座者であっても、第1副車輪および第2副車輪の両方を容易に回動させることが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0028】 以下、本発明に係る車椅子の好適な実施形態の一例について、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、図3に示した従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。 【0029】 図1は、この発明に係る車椅子の実施形態の一例を示す斜視図である。 【0030】 この車椅子10aの座部14の下方には、固定部材38が設けられている。この固定部材38は、H方向に伸びた板状の部材であって、座部14の両側のフレーム12に固定して取り付けられている。 【0031】 ここで、H方向は、着座者から見た場合における幅方向(左右方向)である。 【0032】 固定部材38のH方向の実質的な中央部には、L方向およびR方向に、この固定部材38に対して回動可能な回動金具68が、支持ピン62によって支持されている。これにより、回動金具68は、支持ピン62を支点として、L方向およびR方向に、固定部材38ひいてはフレーム12に対して回動可能となる。 【0033】 また、この車椅子10aは、従来例に示したハンドル64に代えて、一つのハンドル64aを備えている。 【0034】 ハンドル64aは、H方向に長いピン66によって回動金具68に軸支されていると共に、X方向およびY方向への回動が制限されている。このハンドル64aは、着座者が左右いずれの手でも把持できるように、座部14のH方向の実質的な中央部であって且つ着座者の前方に配置されている。 【0035】 なお、ハンドル64aは、着座者が、この車椅子10aに容易に乗り降りできるように、ピン66を支点としてX方向およびY方向に回動自在に構成されていても良い。また、伸縮可能に構成されていても良い。 【0036】 第1支持部材24および第2支持部材34と回動金具68との間には、L方向またはR方向に、第1支持部材24および第2支持部材34を連動して、フレーム12に対して回動させる連結機構40が設けられている。 【0037】 連結機構40は、第1支持部材24に固定して取り付けられた第1金具42および第2支持部材34に固定して取り付けられた第2金具46と、これらの各金具42,46を互いに連結するレバー50とを備えている。 【0038】 第1金具42および第2金具46は、それぞれ、第1筒部材26および第2筒部材36ひいてはフレーム12に対して回動可能となっている。 【0039】 また、第1筒部材26と反対側の第1金具42の端部および第2筒部材36と反対側の第2金具46の端部には、それぞれ、孔52,54が形成されている。 【0040】 レバー50は、H方向に長い平板状の部材であって、一方の端部が、孔52を貫通するピン44によって第1金具42に回動自在に連結されており、他方の端部が、孔54を貫通するピン48によって第2金具46に回動自在に連結されている。 【0041】 また、レバー50のH方向の実質的な中央部には、回動金具68が、このレバー50に対して回動自在に連結されている。この回動金具68のレバー50との連結部には長穴70が形成されており、この長穴70を貫通するボルト60によってレバー50と回動金具68とが連結されている。 【0042】 次に、回動金具68および連結機構40の作用について、図2を参照しつつ説明する。なお、図2は、連結機構40、各支持部材24,34および回動金具68の平面図である。 【0043】 着座者が、支持ピン62(図1参照)を支点としてハンドル64a(図1参照)をL方向に回動させると、回動金具68が、支持ピン62(図1参照)を支点としてL方向に回動する。 【0044】 回動金具68が支持ピン62(図1参照)を支点としてL方向に回動すると、回動金具68に形成された長穴70を貫通するボルト60には、支持ピン62(図1参照)を支点とするL方向の負荷が作用する。 【0045】 ボルト60はレバー50に固定されているので、レバー50は、F方向に移動しつつH方向(より具体的には着座者から見て右方向)に移動する。 【0046】 なお、このとき、ボルト60もF方向に移動しつつH方向に移動するが、ボルト60の動きが長穴70によって制限されることはない。 【0047】 レバー50がF方向に移動しつつH方向にも移動すると、第1金具42および第2金具46が、それぞれ、第1支持部材24および第2支持部材34、より具体的には軸心72,74を支点としてL方向に回動する。これは、レバー50が、ピン44,48によって、第1金具42および第2金具46に対して回動可能に構成されているからである。 【0048】 ここで、第1金具42は第1支持部材24に固定され、第2金具46は第2支持部材34に固定されているので、第1金具42および第2金具46の回動に伴って、第1支持部材24および第2支持部材34が互いに連動して回動する。これにより、第1副車輪22および第2副車輪32が、それぞれ、軸心25および軸心35を支点として互いに連動して回動する。 【0049】 以上より、着座者が、L方向またはR方向に、固定部材38ひいてはフレーム12に対してハンドル64aを移動させると、第1支持部材24および第2支持部材34が、L方向またはR方向に、フレーム12に対して連動して回動する。そして、第1支持部材24および第2支持部材34の回動に伴って、第1副車輪22および第2副車輪32が連動して、L方向またはR方向に、フレーム12に対して回動する。 【0050】 その結果、着座者が、片手でハンドル64aをL方向またはR方向に移動させるのみで、第1支持部材24および第2支持部材34の両方が、ひいては、第1副車輪22および第2副車輪32の両方が連動して、L方向またはR方向に、フレーム12に対して回動する。したがって、片手が不自由な着座者であっても、第1副車輪22および第2副車輪32の両方を容易に回動させることが可能となる。 【0051】 しかも、第1支持部材24および第2支持部材34の両方を容易に回動させることができるので、小さな回転半径で車椅子10aを回転させることが可能となる。したがって、狭い場所等においても、車椅子10aを、容易に小回りさせることができる。 【0052】 なお、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。 【0053】 例えば、上述の実施形態において、車椅子10aは、座部14の両側に一つずつ(計2つ)の主車輪16,18が配置されているが、これに限られず、例えば車椅子10の両側に2つずつの車輪が一対となって配置されていても良い。 【0054】 また、上述の実施形態において、第1主車輪16および第2主車輪18の前方に、それぞれ、第1副車輪22および第2副車輪32が配置されているが、数はこれに限られず、例えば3つまたは4つの副車輪が配置されていても良い。このとき、全ての副車輪が連動して、フレーム12に対して回動可能であることが好ましい。 【0055】 また、上述の実施形態において、第1支持部材24および第2支持部材34は、それぞれ、Z方向に実質的に平行な方向に長い軸部25,35を有しているが、これに限られない。例えば、各副車輪22,32を、L方向およびR方向に、フレーム12に対して回動可能であれば、Z方向に対して所定の角度を有する方向を長手方向として配置されていても良い。 【0056】 また、上述の実施形態において、車椅子10aは、ハンドル64に代えて一つのハンドル64aを備えているが、これに限られない。例えば、第1支持部材24に固定された側の第1金具42の端部の内側に角穴43(例えば六角穴)を形成し、この角穴43に係合する角柱部を、ハンドル64の端部に形成しても良い。このとき、第1金具42に形成された角穴43とハンドル64に形成された角柱部とを係合させてハンドル64を回すと、第1金具42がフレーム12に対して回動する。なお、ハンドル64aおよび回動金具68はとくに必要ではなくなるが、両方を併用するようにしても良い。さらに、第1金具42に代えて第2金具46を回すようにしても良い。 【0057】 また、第1副車輪22および第2副車輪32を連動して、L方向およびR方向に、フレーム12に対して回動できれば、連結機構40の構成は、上述の実施形態で説明した構成に限られない。 【0058】 また、各主車輪16,18を、X方向またはY方向に、小さな負荷でフレーム12に対して回動できるよう、当該各主車輪16,18を回動させるためのアームが設けられていても良い。 【0059】 また、上述の実施形態において、「回動」は、「回転」と称することもできる。さらに、「実質的な中心部」、「実質的な中央部」および「Z軸に実質的に平行な方向」は、それぞれ、「略中心部および真の中心部」、「略中央部および真の中央部」および「Z軸に略平行な方向および真に平行な方向」を意味する。 【図面の簡単な説明】 【0060】 【図1】この発明に係る車椅子の実施形態の一例を示す斜視図である。 【図2】連結機構、各支持部材および回動金具の平面図である。 【図3】従来例の車椅子を示す斜視図である。 【符号の説明】 【0061】 10 車椅子 12 フレーム 14 座部 16 第1主車輪 18 第2主車輪 22 第1副車輪 24 第1支持部材 32 第2副車輪 34 第2支持部材 40 連結機構 64a ハンドル
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000111085 【氏名又は名称】ニッタ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年5月20日(2005.5.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100128923 【弁理士】 【氏名又は名称】納谷 洋弘
|
| 【公開番号】 |
特開2006−320589(P2006−320589A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月30日(2006.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2005−147461(P2005−147461) |
|