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【発明の名称】 無菌パック中の冷却効果を持つ罨法パッド
【発明者】 【氏名】パトリック、カセレ

【氏名】フランク、カセレ

【要約】 【課題】吸水性ポリマー粒子に基づく寒冷療法のための罨法パッドを提供する。

【解決手段】水密性外袋(3)内部に、水を満たしそして破り得る区域(10)を含む壁により水密にシールされた内袋(4)と、水に対し少なくとも部分的に透過性でそして乾燥状態の高吸水性ポリマー粒子(6)を収容する包装(5)の形に製造された罨法パッド(1)を含んでいる物品(2)が提供される。外袋(3)は内袋(4)および罨法パッド(1)を無菌に保つことができる性質の材料でつくられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い吸水能を有するポリマー粒子に基づく冷却効果を有する罨法パッドであって、該パッドは活性化するための水の貯えと共に水密性外袋の内側に封入されており、そして水で満たされ、かつ破り得る区域を含んでいる壁によって水密にシールされた内袋を含み、前記罨法パッドは少なくとも部分的に水に対して透過性でそして乾燥状態にある前記ポリマー粒子を収容している包装の形に製造されており、前記外袋は前記内袋および前記罨法パッドを無菌に保つことができる性質の材料でつくられていることを特徴とする罨法パッド。
【請求項2】
前記内袋は、前記粒子が吸水により膨潤するのを許容するために提供し得る前記包装の体積と等しいかまたは僅かに小さい体積の水を収容している請求項1の罨法パッド。
【請求項3】
前記ポリマー粒子は、前記粒子が吸水により完全に膨潤した時前記包装を満たすのに丁度足りる量と比較して、約600%を中心として400%ないし800%過剰に存在する請求項1または2の罨法パッド。
【請求項4】
前記粒子はそれらの体積の約60倍の吸水能を有し、前記包装の内容積100mlに対し、該包装に収容された乾燥状態のポリマー粒子の量が約10mlを中心とする6mlないし13mlであり、前記内袋は前記粒子の体積を吸水により99mlとするに足りる量の水を収容している請求項1ないし3のいずれかの罨法パッド。
【請求項5】
前記外袋は気密であり、前記水の内袋および前記パッドはその内に真空パックされている請求項1ないし4のいずれかの罨法パッド。
【請求項6】
罨法パッドの前記包装の対向面は、複数の細長いコンパートメントを形成するように縦方向の線に沿って互いに接続されており、該コンパートメントの中に前記ポリマー粒子が均等に分布している請求項1ないし5のいずれかの罨法パッド。
【請求項7】
前記線は連続線または十字線に超音波溶接によって形成される請求項6の罨法パッド。
【請求項8】
前記包装は水透過性不織布製である請求項1ないし7のいずれかの罨法パッド。
【請求項9】
前記外袋、前記内袋および前記罨法パッドは、20ないし50kGyのガンマ線および/またはベータ線を用いる滅菌処理に対して適合性である請求項1ないし8のいずれかの罨法パッド。
【請求項10】
前記ポリマー粒子を収容している包装の形の罨法パッドを用意し;
前記罨法パッドおよび水で満たした前記内袋を前記外袋中に導入し;
前記外袋の内部へ真空を適用しそして気密にシールし;そして
全体を20ないし50kGyにおいてガンマ線で、またはベータ線で処理することにより滅菌する;
ステップを含んでいる請求項1ないし9のいずれかの罨法パッドを製造する方法。
【請求項11】
前記外袋を開くことなく前記内袋へ圧力を加え、その破り得る区域を破り;
前記内袋から放出される水が前記罨法パッドに浸透することを許容し;
場合により全体を好ましくはフリーザーである冷所に15分ないし30分間置き;そして
前記外袋を使用時に開き、無菌の冷罨法パッドをそこから取出す;
ステップを含んでいる請求項1ないし9のいずれかの罨法パッドの使用方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、活性化後冷却効果を持つ無菌パック中の罨法パッドに関する。罨法パッドとは、医学的処置または他の作業のため身体へ適用されることが意図された包帯、または類似の物体の種々のタイプのものを意味するとして理解すべきである。
【背景技術】
【0002】
本発明の罨法パッドは寒冷療法のために使用することが意図される。寒冷はある種の身体上の悩みの処置、特に痛みの緩和または腫脹の縮小に非常に効果的であることは長年知られている。ある場合には、寒冷は処置を必要とする体の部分へ無菌状態を保って適用することが必要である。このことは、微生物作因との接触により感染し得る創傷または皮膚が刺激される部位の場合は特に真理である。そのような創傷を処置する時、創傷と接触するどのような物も無菌であることが絶対的に必須である。
【0003】
本発明の罨法パッドは、ヒトであろうと動物であろうと身体へ無菌条件下で寒冷を伝達することが望まれる部位に使用することができる。それは病院環境において特に有益である。何故ならばそのような環境においては感染、特に院内感染の拡がりを最小にするため、無菌器具だけを使用することが厳格であるからである。
【0004】
身体へ適用することを意図した冷却効果を持つ罨法パッドは先行技術から既知である。寒冷伝達の見地およびそれらの使用快適性から完全に有利であるそのような罨法パッドは、吸収した水の蒸発および脱離によって寒冷をつくり出す、高吸水能力を有するポリマーに基づいて設計されている。例えば、米国特許No.5,597,577に記載された罨法パッドを挙げることができる。このパッドは織物外被内に収容した吸水性ポリマーの粒子でつくられている。それらの冷却作用を発揮させるためには、それらは最初に活性化、すなわち水に浸漬し、ポリマー粒子を吸収した水によって膨潤させることを要する。次にそれらはポリマーが吸収した水の蒸発および脱離によってそれらの冷却効果を発揮する。そのような罨法パッドは、例えば筋または靭帯損傷によって生ずる痛み、または偏頭痛を緩和するために、個人が個人的に日常使用するのには完全に適している。しかしながらそれらは無菌の形で提供されず、その上満足な無菌状態下でそれらを活性化することが不可能であるため、それらは病院環境において使用するのに適さない。
【0005】
米国特許No.5,447,532は、吸水性ポリマーに基づく冷罨法パッドを活性化するためそれをプラスチックバッグに入れ、そして活性化するのに必要な水をこのバッグへ注ぐことを提供する。バッグは次に水を罨法パッドが吸収するために必要な時間閉じられる。この活性化方法は無菌の罨法パッドを得ることを許容しない。この文献は罨法パッドの無菌性の問題に取組んでいない。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、吸水性ポリマーに基づく罨法パッドを構成するエレメントの無菌性を保存する該パッドの製造のためのシステムを提案することにより、これらの欠点を救済することを目的とする。このためこの罨法パッドは、特に病院環境において完全に安全に使用することができる。緩和すべき体の部分へ適用する時、それはその部分へ比較的長時間寒冷を伝達する。
【0007】
本発明の文脈内で選ばれる冷却罨法パッドは、高い吸水能を有するポリマーの粒子に基づく。先行技術から既知のこのタイプの罨法パッドは、それらの温度回復に関して良好な慣性を有し、それ故寒冷を非常に効果的に伝達する。それらの作動原理は先行技術から良く知られている。特に先に引用した米国特許No.5,597,577を参照。
【0008】
本発明罨法パッドは、水密性外袋の内側に、一方で水を満たし、かつ破り得る区域を含む壁によって水密にシールされた内袋と、他方で少なくとも部分的に水透過性で、乾燥状態でポリマー粒子を収容する包装の形に製造された罨法パッドよりなる物品中に、活性化のための水の貯蔵を包含して提供される。外袋は、内袋および罨法パッドを無菌に保つことができる性質の材料でつくられる。それは水密にシールされ、細菌を透過させない。外内袋および罨法パッドを構成する種々のエレメントは滅菌処理に適合性の材料でつくられる。
【0009】
吸水性ポリマーを収容する罨法パッドの包装は、有利には粒子が乾燥状態にある時、粒子が吸収水によって膨潤することを許容するのに十分な体積を包装内に残すように設計される。このため粒子が乾燥状態にある時、包装の対向壁は相互に対して潰れる。対照的に、包装に収容された粒子が水を吸収する時、それらはこの吸水の影響で膨張し、その時罨法パッドは1cmのオーダーの厚みを持った膨潤した状態を取る。罨法パッドが個人の体へ適用される時、粒子に含まれる水は加熱され、そして蒸発する。水は粒子から脱離し、同時に冷却効果を発生する。
【0010】
本発明の物品の種々の構成エレメントは滅菌処理に適合性であるように選ばれる。本発明の好ましい一具体例によれば、外袋、内袋および罨法パッド(吸水性ポリマー粒子)は、特にガンマ線、特に20ないし50kGyを用いる滅菌処理、および/またはベータ線を用いる滅菌処理に適合性である特別の特徴を持っている。
【0011】
このように本発明の物品、すなわち罨法パッドおよび水を満たした袋を収容する外袋は滅菌処理へ掛けられる。加えて、外袋の壁がつくられる材料は内袋および罨法パッドを無菌に保つことができる性格のものである。この材料は、袋の外部からの汚染が袋内に侵入することを防止する細菌バリヤーを形成する。このように一旦滅菌処理が実施されれば、本発明の物品は完全に安全に保たれ、特に罨法パッドおよび水の袋がその中で無菌に保たれる。
【0012】
罨法パッドその冷却効果のために使用できるためには、それを活性化する必要がある。原則として、上で説明したとおり、ポリマー粒子が水を吸収することによって膨潤するように罨法パッドを水に浸漬し、次にパッドをフリーザーに数時間置くことによって実施される。この後者のステップ目的は粒子に含まれる水の温度を下げ、それを固体状態に変えることである。このため後でパッドを体へ適用する時、水は蒸発前に先ず液化されなければならない。これはパッドによる温度の回復に関してより大きな慣性を生ずる。
【0013】
本発明による物品は、完全に有益であることが証明される。罨法パッドの活性化は無菌条件下で実施されかつ簡単である。内袋の破り得る区域を破るため外袋を通して内袋へ圧力が加えられる。本発明の物品は、この作業の間この圧力の影響のもとで外袋が降伏しそして開かれるリスクがないように有利に設計される。このように本発明の有益な特徴により、外袋は、強くそして内袋の破り得る区域を破るのに必要な圧力よりも大きい圧力が外袋を開くために要するように選ばれる。
【0014】
水は内袋から放出され、外袋内に拡がり、パッドと接触し、水透過性の包装を通ってポリマー粒子によって吸収され、保持される。一旦パッドが水で膨潤すれば、物品全体をどこかの寒冷場所、特にフリーザー中に水の冷却を許容するのに十分に長い間置くことができる。これらの全ステップを通じ、外袋は決して開かれず、このことは罨法パッドおよびそれが吸収した水は常に無菌環境中にあることを意味する。
【0015】
最後に、使用を望む時、外袋は最適な衛生条件に注意して(例えば手袋の着用および無菌ピンセットの使用)開かれ、そしてパッドが取出される。そのときパッドは有効な冷却効果を提供する。
【0016】
本発明の有利な特徴によれば、内袋は吸水によって粒子が膨潤することを許容するようにその包装中に提供される体積と等しいか、そして好ましくは僅かに小さい体積の水を収容する。この体積を採用する時、膨潤したポリマー粒子によってその包装に圧力が加わるとき該包装の壁が膨張する本質的能力は無視し得るので考慮する必要がない。
【0017】
この特徴は、包装が完全に満たされるのに十分な水が物品中に存在することを確実にするので特に有利である。そのためパッドはその能力の最大限の寒冷を発生する。何故なら冷却効果の根源は粒子によって吸収される水の量であるからである。勿論粒子がそれらの固有の吸収能力の限度内でより多くの水を吸収すればする程、発生する冷却効果はより長くそしてより持続的になるであろう。
【0018】
加えて、包装内に存在するポリマー粒子の量が内袋内に存在するすべての水を吸収するのに十分であることを確実にすることにより、この内袋へ導入される水の量を罨法パッドの包装内の利用し得る残りの体積と等しいか非常に僅かに小さくすることは、内袋から放出された水が包装内へ入り、そして保持されることを保証する。このように、自由な体積の水は内袋の中に残らないであろう。このことは、内袋内に自由水として残っている水は物品がフリーザー内にある間包装の外表面に凍結し、それへ付着する。このことは罨法パッドの最終使用者に対する或種の障害となる。
【0019】
工業的実施において好ましくはいくつかの具体例においては、本発明は別々にまたは技術的に可能の組合わせにおいて以下の特徴を満足させる。
【0020】
これらの特徴は、皮膚および創傷のような感受性区域へ適用されることを意図した罨法パッドは、使用者に対し安全性条件を満足しなければならないという事実を考慮に入れている。このためすべてのその構成エレメント、特にポリマー粒子は生物にとって無毒性である。
【0021】
加えて、特に本発明による物品は本発明のさらなる目的を満足させることを許容し、これらは良好な寒冷伝達の有効性と、活性化した罨法パッドの良好な使用快適性を確実にすることである。
【0022】
本発明の好ましい具体例においては、ポリマー粒子は粒子が吸収水によって完全に膨潤した時その包装を充満するのに丁度足りる量と比較して、400ないし800%、好ましくは約600%過剰に包装内に存在する。
【0023】
罨法パッドがその冷却効果を完全に発揮するために普通必要とされる量よりも著しく多い吸収剤ポリマー粒子の量がこのように包装内に配置される。この特徴は、たとえもし滅菌処理の間粒子の一部が劣化しても、包装はいくらかの有効に働く粒子をなお収容する。すなわち多量の水を吸収し、保持し、蒸気状態のみで放出し、罨法パッドが長期間強い寒冷を伝達する。
【0024】
本発明の好ましい具体例においては、使用するポリマー粒子はその体積の約60倍の水吸収能力を持っている。内容積100mlを持つ包装については、包装内に収容される乾燥状態のポリマー粒子の量は6ないし13ml、好ましくは約10mlである。関連する内袋はこの粒子体積を99mlとするのに必要な量の水を含んでいる。このため罨法パッドの滅菌処理後有効な冷却効果を得るのに十分に働くポリマー粒子がなお存在することを保証するのに有利である。加えて、包装の内容積、包装内に存在する乾燥状態のポリマー粒子の吸収能力およびその量は、滅菌の間の粒子の部分的劣化の問題と、そして外袋内側の関連する体積の問題を緩和するための有意な過剰を提供し、罨法パッドに最大の冷却能力と、同時に良好な使用快適性を与えるように互いに組合わせて選ばれる。
【0025】
本発明の好ましい具体例においては、ポリマーは架橋ポリアクリル酸ナトリウムである。そのようなポリマーは生物に対して無毒である。
【0026】
本発明の有利な特徴によれば、包装は水吸収効果のもとでポリマー粒子の膨張によって加えられる力で降伏しないのに十分に強い水透過性不織布でつくられる。本発明の文脈内で包装がつくられる材料が水を通すがそれを保持しないことが見込まれるのが有利である。このように包装の壁および体と接触することが意図される罨法パッドの表面は乾燥し続ける。これは、パッドが適用される時皮膚の感触が乾燥した冷たさであるため、使用者にとって良好な快適性を与える。
【0027】
罨法パッドは使用において非常に快適であることを確実にする同じ目的をもって、外袋は気密性であり、そして水の内袋およびパッドはその中に真空パックされる。
【0028】
この目的のため、外袋は気密性の材料からつくられる。本発明ではこの性質を発揮する任意の材料が細菌に対するバリアーを構成することを必須条件として使用できる。実際的理由のため、細菌、空気、そして漏れのリスクを避けるため勿論水に不透過性のプラスチック製の外袋を使用するのが好ましい。さらに、外袋は特に連続した溶接線によって水、細菌および空気に対してシールされる。
【0029】
真空パックは罨法パッドがフリーザー内に置かれる間その外表面に氷の層が形成されるのを有利に回避する。何が起こるかと云えば、外袋内に存在する空気は常に微量の湿気を含んでいる。もし外袋内に多量の空気か残っていれば、物品がフリーザー内に置かれた時、この湿気がパッドの表面に凝縮し、その上に氷の層を形成する。この氷の層は罨法パッドの使用者への不便さの源である。
【0030】
対照的に、外袋内側へ減圧の適用はその中の湿気の大部分を排除し、そして氷の層の形成を防止する。実際には、慣用減圧装置によって適用される約95%空気真空がこの目的のために十分であろう。
【0031】
加えて、外袋の内部を減圧下に置く事実は、このような情況では外袋の壁が水の袋およびパッドのそれぞれの表面に押し付けられる事実による他の利益を提供する。
【0032】
一方では、これは内袋の破り得る区域を破るために物品へ圧力が加えられる時、外袋が開くリスクを減らす。実際上、外袋の内側へ減圧が適用される時、その壁は水の袋へしっかりと押し付けられる。そのため外袋の壁へ加えられる力は水の袋へ直接伝達される。これは内袋の破れを助長する。
【0033】
他方、ポリマー粒子が膨潤し、罨法パッドがその厚みを増す時、包装の壁へ押し付けられた外袋の壁は、包装の壁へ粒子によって加えられた力に良く耐えることができるように水の袋の壁を補強する。
【0034】
最後に、減圧の適用は水の袋をパッドの表面へ押し付け、それ故パッドを直接浸透するように水が袋から放出されることを助長する効果を有する。
【0035】
本発明の罨法パッドの包装は種々の形状および寸法を持つことができる。このため罨法パッドの全範囲は各自特定の用途のために仕立てることができる。
【0036】
本発明の好ましい具体例においては、罨法パッドの包装の対向面は、その中にポリマー粒子が均等に分布される細長いコンパートメントを形成するように、複数の縦の線に沿って相互に接続される。この具体例は、パッドが皮膚と接触する広い面積を持つことを許容し、そのためパッドが当てられる皮膚の全域へ均等に寒冷を適用することを許容する。
【0037】
本発明は、高い吸水能力を持つポリマー粒子に基づく罨法パッドを無菌形で提供できる物品の製造方法にも関する。この方法は以下のステップよりなる。
【0038】
最初にポリマー粒子を収容している包装の形の罨法パッドが準備される。
【0039】
次にパッドおよび水を満たした内袋が外袋中に導入される。
【0040】
外袋の内側へ減圧が適用され、外袋は密にシールされる。
【0041】
最後に全体が20ないし50kGyにおいてガンマ線で処理することによって滅菌される。滅菌は、本発明の好ましい具体例において、ベータ線で実施することも可能である。
【0042】
本発明によれば、罨法パッドは活性化され、そして以下のように使用される。
【0043】
外袋を開くことなく内袋へ圧力を加え、その破り得る区域を破る。内袋から放出された水がパッドに浸透することが許容される。
【0044】
物品は、場合により次にどこか冷たい場所、特にフリーザー中に例えば15分ないし90分間置かれる。このステップは罨法パッドの冷却能力を高めることを可能にする。
【0045】
最後に使用時外袋が開かれ、無菌の冷罨法パッドがそこから取出される。
【0046】
パッドは、必要とする無菌条件を満たすため、完全に安全に体の望む部位へ適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
今や図1ないし4を参照して、本発明をいくつかの好ましい特徴およびその利益の文脈においてもっと詳しく記載する。
【0048】
本発明に従った罨法パッド1は、図1に示した物品の一体部分として提供とされる。
【0049】
物品2は、水密で気密であり、細菌バリヤーを構成する外袋3でつくられる。外袋3の壁は、例えば抗細菌バリヤーを構成するプラスチック、特にポリアミド/ポリエチレンブレンドでつくられる。そのような材料はガンマ線を使用する滅菌処理に適合性であるという特別の特徴を有する。すなわち、一方ではこの材料はそのような滅菌処理の間劣化せず、他方ガンマ線通過を許容し、外袋3に収容されたエレメントが効果的に滅菌されることを許容する。次にこれは収容されているエレメントを無菌に保つ。
【0050】
図面に示された本発明の好ましい具体例においては、外袋3の壁は透明であり、これは中味を透視することができることを意味する。これは外袋3の内側に収容されたエレメントの状態をチェックすることを許容する。
【0051】
外袋3の内側に配置されているのは罨法パッド1および水を満たした袋4である。
【0052】
罨法パッド1は、その中に高吸水能力を有するポリマーの粒子6が当初は乾燥状態で配置された包装5の形で製造される。粒子6は完全に無毒性である。
【0053】
既知の一般的原理に従って罨法パッドによってつくり出される冷却効果の基礎をなすのはこれらのポリマー粒子である。粒子6は、活性化された時、すなわちそれらが吸収した水で膨潤した時、そして多分冷所において時間を消費した時、吸収した水の蒸発および脱離によって寒冷を発生する。
【0054】
本発明において有利であると証明されたポリマー粒子6は、それらの体積の約60倍の水吸収能力を持っている。特にそれらは架橋したポリアクリル酸塩の粒子であるが、この具体例は少しも本発明を限定しない。
【0055】
粒子6を収容する包装5は水透過性の不織布でつくられる。この材料はガンマ線を使用する滅菌処理に適合性であり、一方ではそのような処理に耐えることができ、他方ガンマ線の透過を阻止せず、包装内部に所在する粒子6が滅菌されるのを許容することを意味する。
【0056】
加えて、包装がつくられる材料は、ポリマー粒子が吸収水によって膨潤し、それ故大きくそして急速に膨張するとき包装の壁へ加えられる圧力に対して良好な抵抗を有する。特にこの包装は全体がポリプロピレンでつくられる。
【0057】
この包装に乾燥状態で収容される粒子の量は、粒子が吸水に膨張するのを許容するため、包装内になおかなりの空のスペースが存在するような量である。このため包装はポリマー粒子が乾燥状態にある時は実際上平坦形であるが、粒子が水で膨潤する時数センチの厚みを有する。
【0058】
加えて、包装5内に収容された乾燥状態の粒子6の量は、粒子が水で膨潤した時包装を丁度完全に満たすのに要する量よりも大きい。特にそれはこの量の400ないし800%である。換言すれば、例として包装の内容積が100mlで、ポリマー粒子の吸水能力がその体積の60倍とし、粒子1.65mlを包装内に導入した時、膨潤した粒子は60倍の体積、すなわち約100mlを占めるであろう。乾燥状態の粒子の体積1.65mlは、それ故粒子が水で完全に膨潤した時の包装内の体積100mlを満たすのに丁度必要な量である。
【0059】
本発明によれば、6ないし8倍、好ましくは6倍多い量のポリマー粒子6が導入される。このため100ml内容積の包装の例の場合、乾燥状態のポリマー粒子6ないし13ml、好ましくは約10mlが導入される。質量による粒子の対応する量は、選んだ粒子の密度から当業者に既知の方法により計算によって得ることができる。
【0060】
これは完全な有益な方法で、滅菌処理の間ポリマー粒子の一部の劣化、または架橋の部分的破壊があったとしても、水を吸収した後袋を完全に満たし、寒冷の有効量を伝達するのに十分な有効に働く粒子が存在することを確実にすることができる。
【0061】
包装は粒子6が逃げるのを防止するためその縁に沿った溶接ライン7によってシールされる。溶接ライン7は比較的広く、好ましくは3ないし7mm幅であり、吸水する時膨張するポリマー粒子によって加えられる力に対するそれらの抵抗を改善する。使用される溶接技術は、好ましくは連続線または十字線の超音波溶接である。しかしながら本発明においては、良好な強度を与える他の溶接技術も使用することができる。
【0062】
罨法パッドの包装5は、好ましくは細長いコンパートメント8の複数を形成するように作られ、その中に粒子6が均等に分布される。図面に示した例示具体例においては、包装は6コンパートメントを形成している。この形状は適用される体と接触する均一な面積をパッドが持つことを許容し、これは罨法パッドの全体表面にわたってその通りである。
【0063】
包装またはコンパートメントの他の形状も本発明の範囲内である。
【0064】
コンパートメント8は互いに溶接ラインによって区切られる。これらの溶接ラインは包装5の縁に形成される溶接ライン7と同様にして形成される。この結果、中間溶接ライン9はそれらへ加えられる力に対して良好な抵抗を有する。
【0065】
包装が作られる材料の繊維の一部がガンマ線またはベータ線を用いる滅菌処理の間に劣化したとしても、溶接ライン7および9は僅かに弱化するだけであり、滅菌後も罨法パッドの使用中それらの一体性を維持する。
【0066】
外袋3の内側には、水で満たした内袋4と罨法パッド1が入れられる。内袋4は外袋3の壁がつくられる材料と似た水密性材料で作られ、ガンマ線を使用する滅菌処理に適合性である。このため、一方ではこの材料はガンマ線によって劣化せず、他方その通過を妨害しない。これは内袋4に収容された水もそのような処理によって滅菌できることを意味する。内袋4の壁は特にプラスチック、例えばポリエチレンからつくられる。
【0067】
内袋は特に溶接によって密閉にシールされる。形成される溶接はその輸送中の取扱いによって降伏しないように十分に強い。しかしながら溶接の少なくとも一つは、使用者により内袋の外表面へ加えられた圧力の影響のもとで少なくとも一部剥離できるように設計される。例えば、少なくとも溶接10の一つは、少なくともその縁の一つにおいて0.5mm幅以下である。
【0068】
このように内袋4に収容された水をこの袋から拡げようと望む時は、袋へ人手により加えられた十分な力は破り得る区域が破れ、水が放出されることを許容する。より弱い力が事故的に袋へ加える他の場合は、破裂のリスクは皆無かまたは少ない。
【0069】
内袋4に収容される水の量は、ポリマー粒子6が罨法パッドの包装5へ導入された後の残っている自由体積と等しいかまたは好ましくはそれより少ない。このように内容積100mlを有し、乾燥状態の粒子6を10ml導入した例の場合、内袋は水90ml、または好ましくは水89mlを収容するであろう。このように内袋4に収容された全部の水が包装5に入り、そこでポリマー粒子に吸収されることを保証する。
【0070】
本発明による物品は以下のように製造される。罨法パッドは、乾燥状態のポリマー粒子6の適量を各自が収容しているコンパートメントの形で準備される。水の内袋4はその表面の形、特に破り得る区域10の溶接ラインに注意して準備される。内袋4は、一方では各コンパートメント8の内容積により、他方ではコンパートメントの各自に収容されたポリマー粒子の量とそれらの吸水能力によって決定された正しい水の量のみを収容する。内袋4は空気をできるだけ少なく含有することも有利である。
【0071】
罨法パッド1および内袋4は、次にこれらを平坦に重ねて収容するのに十分な体積を有する外袋3内に挿入される。これにより図2の線A−Aの断面に示した物品を得る。
【0072】
次に外袋の内側へ減圧が適用され、シールされる。外袋3に特に溶接によってシールされる。形成された溶接ライン11は、一方では使用者が水の内袋4を破るために外袋3の表面を圧迫した時外袋をシールする溶接ラインではなく内袋の破り得る区域が破れ、他方では外袋が水密でかつ気密であることを保証するように広くかつ強力である。これは外袋の内側へ減圧が適用されるという事実によってさらに増大させられる。すなわち外袋3の表面へ加えられる圧力が直接内袋4へ伝達されるからである。安全策として外袋3のシールには二重溶接を設けるのが有利である。
【0073】
物品はその時図3に示した構造にある。水の内袋4は罨法パッド1の表面に対してしっかり押付けられる。外袋3の壁は罨法パッド1と内袋4の表面に対してくっつく。
【0074】
この作業が実施されたならば、物品2はガンマ線またはベータ線を用いて滅菌処理に掛けられる。罨法パッド1および水の内袋4を含む外袋3の内側はそれによって無菌になる。外袋内部に収容されたエレメントのどれも、架橋が破壊される粒子の一部を除いて損傷を経験しない。しかしながら効果的な寒冷を伝達することができるのに十分な有効に働く粒子が残っている。
【0075】
外袋3がつくられる壁の材料の性質のため、汚染物が外袋に侵入することはできない。このため物品は完全に安全に保たれ、外袋内のエレメントの無菌性を維持する。
【0076】
罨法パッドをその冷却効果のため使用を望む時は、外袋3を開くことなく内袋4の壁へ圧力を適用し、破り得る区域10を破いて内袋4に収容された水を放出するように外袋の表面を圧迫するのを要するのみである。水は外袋内に拡がり、自然に罨法パッド内に侵入し、ポリマー粒子によって吸収される。水は自然に種々のコンパートメント8間に拡がる。しかしながら水の袋が罨法パッドの上になり、そして内袋が破れる時パッドの大体中心に位置するような位置に物品を置く時、均一なそして急速な分布が保証される。
【0077】
その時コンパートメント8の膨潤が見られる。吸水により膨張する時、粒子はそれを収容する包装5の壁に対して比較的確実な圧力を加える。罨法パッド1の表面にひっついた外袋3の壁は包装5が加える機械的力のいくらかを吸収し、これらの力に耐える能力を改善する。
【0078】
内袋4内に収容されていた水が実際上数分を要して完全に罨法パッドに侵入した時、物品はなおそれを開くことなく冷所、特にフリーザー内に置かれる。物品はポリマー粒子に吸収された水を冷却し、それを氷に変えるように、使用する冷凍装置の能力に応じて15ないし90分間この場所に置かれる。これは罨法パッドがその使用中温度の回復に関してより良い慣性を獲得することを可能にする。
【0079】
外袋内側の減圧のため、罨法パッド周囲の空気中には非常に微量の湿気しかない。フリーザー中に置かれた時間の間に罨法パッドの表面で湿気の凝縮による氷の沈着は形成されない。パッドの表面は乾燥に保たれ、使用に一層快適である。加えて、それは皮膚を湿らせず、特に適用される創傷を濡らすことなくその治癒を促進する。
【0080】
物品2は次にフリーザーから取出される。罨法パッドは活性化、すなわちその冷却効果を発生する形で提供される。それは完全に無菌である。使用者は適切な無菌条件下で外袋3を開き、パッドを取出すことを要するのみである。罨法パッドは図4に示すようにソーセージに似た形にある。それはその冷却効果を完全に供給するため体へ適用することができる。罨法パッドは一回使用で、使用後捨てられるのに特に適している。
【0081】
例示として、本発明の罨法パッドは、その体積の60倍の吸水能を持つ架橋ポリアクリル酸ナトリウム粒子でできている。パッドは6列の細長いソーセージ状コンパートメントからできている。これは図に示されている。各コンパートは23mlの内容積を持ち、そしてポリマー粒子2.7mlを収容する。パッドに附属する内袋は水120mlを収容する。
【0082】
罨法パッドは本発明の物品中に無菌パックに用意され、上に記載した操作に従って活性化される。
【0083】
フリーザー中で約90分過ごした後、罨法パッドは外袋から取出される。外表面は乾燥しており体へ当てる時非常に快適であり、そして3ないし12℃の温度を60分間維持する。
【0084】
この性能は、使用前滅菌されない慣用の方法で製造され、活性化される罨法パッドの性能に均等である。
【0085】
以上の説明は本発明が如何にその目的を達成し得るかを明瞭に説明する。特に本発明は、効果的な冷却作用を提供し、使用が快適である罨法パッドを無菌パッド中に提供する。しかしながら上の記載から、本発明はここに記載し、図示した特定の具体例に限定されず、反対に均等手段を採用するそれらの変形をもカバーすることは明らかである。
【0086】
例えば上に記載した罨法パッドは冷却作用のみを持っているが、罨法パッド中へ医薬タイプの活性治療剤を入れることも可能である。活性剤とは特に内袋内に収容された水中に溶液として存在し、この場合は水と共に罨法パッド中へ侵入する。活性剤はポリマー粒子と混合して包装内に存在することもできる。罨法パッドが体へ適用される時、活性剤は体へその効果を発揮する。このように二重の効果、すなわち冷却と治療の効果が得られる。選択された滅菌処理に適合性である限り、本発明において使用し得る剤の例は、消毒剤、消炎剤、局所麻酔剤、抗むくみ剤、治癒促進剤である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】活性化前の罨法パッドを収容する本発明による物品の平面図である。
【図2】線A−A断面で見た図1の物品を図示する。
【図3】真空パックした図2の物品を示す。
【図4】活性化した罨法パッドが外袋から取出され、使用可能となった全体を示す。
【出願人】 【識別番号】505222196
【氏名又は名称】パトリック、カセレ
【識別番号】505222200
【氏名又は名称】フランク、カセレ
【出願日】 平成17年6月13日(2005.6.13)
【代理人】 【識別番号】100060368
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 迪夫

【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫

【公開番号】 特開2006−632(P2006−632A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2005−171868(P2005−171868)