| 【発明の名称】 |
放射線画像撮影システム |
| 【発明者】 |
【氏名】内山 暁彦 【住所又は居所】東京都大田区下丸子三丁目30番2号 キヤノン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】データの消失や遅延が発生する可能性のある通信路を、X線発生装置と撮影装置の間の同期信号通信に使用する。
【解決手段】X線発生装置3が照射許可要求信号を発信し、撮影装置1はこれを受けて準備動作を行い、受像動作に入ると同時に許可信号を返信する。X線発生装置3は許可信号を受けて照射を開始するが、許可要求信号を発してから許可信号を受け取るまでの時間差にタイムリミットを設け、これを超えて遅延した許可信号は無効とする。X線発生装置3は予め定められた最大時間を超えて放射線を照射することがないように制限され、撮影装置1は少なくとも「タイムアウト時間+最大照射時間−準備動作時間」の間、受像を蓄積する能力を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線発生装置と、放射線検出器を含む撮影装置と、これらの間の通信路とを含む放射線画像撮影システムであって、放射線を照射すべき瞬間に操作者によるトリガをリアルタイム入力するトリガ入力手段を前記X線発生装置に接続し、前記X線発生装置は前記トリガが入力したときに照射許可要求信号を前記通信路を通じて前記撮影装置に対して送信し、前記撮影装置は前記照射許可要求信号を受信した後に前記放射線検出器の受像動作が可能となると照射許可信号を前記通信路を通じて返信し、前記X線発生装置は前記照射許可信号の受信によりX線照射を開始することを特徴とする放射線画像撮影システム。 【請求項2】 前記X線発生装置には、照射許可タイムアウト時間を定め、前記照射許可要求信号を発してから前記照射許可タイムアウト時間が経過した後には前記照射許可信号を受けても照射を開始しないように制限し、前記X線発生装置は最大照射時間が定められ、照射の持続する最大の長さを制限し、前記照射許可タイムアウト時間と前記最大照射時間を撮影に先立ち予め前記撮影装置に通知しておくことを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影システム。 【請求項3】 前記撮影装置は、前記照射許可要求信号を受信してから前記照射許可信号を返信するまでの時間をtとしたときに、前記放射線検出器の受像可能期間を少なくとも(照射許可タイムアウト時間+最大照射時間−t)だけ持続させる能力を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線画像撮影システム。 【請求項4】 前記照射許可要求信号には信号を発信する度に内容が変化するIDを含み、前記撮影装置が前記照射許可要求信号に対して前記照射許可信号を返信する際に、前記照射許可要求信号に含まれている前記IDの写しを前記照射許可信号に含めて返信することを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載の放射線画像撮影システム。 【請求項5】 前記X線発生装置は前記トリガ入力手段によって前記照射許可要求信号を送信したときに前記IDを記憶し、前記IDを含んでいない前記照射許可信号を受信したときには、前記照射許可タイムアウト時間内であっても照射を開始しないようにすることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像撮影システム。 【請求項6】 前記通信路上に信号が滞留する可能性がある時間をTr、前記トリガ入力手段から入力することのできる最小のトリガ間隔をTcとしたときに、前記IDを表現するビット幅は前記IDのバリエーションを(Tr/Tc)で現わす個数よりも十分に多く取れるだけの幅を有し、前記X線発生装置は時間Trの間には同じIDを繰り返して用いないように前記IDを生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の放射線画像撮影システム。 【請求項7】 前記通信路上では、CSMA方式の多重アクセスを行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか1つの請求項に記載の放射線画像撮影システム。 【請求項8】 放射線の照射を終了したときには前記X線発生装置は照射終了通知信号を送信し、前記撮影装置は前記照射終了通知信号を受信した場合には前記受像可能期間内であっても受像動作を終了し、前記放射線検出器の読み出しを開始することを特徴とする請求項1〜7の何れか1つの請求項に記載の放射線画像撮影システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、対象物を透過した放射線の強度分布を画像として取得する放射線画像撮影システムに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から対象物に放射線を照射し、対象物を透過した放射線の強度分布を検出し、対象物の放射線画像を得る方法は、工業用の非破壊検査や医療診断において広く利用されている。対象物の放射線画像を得るための具体的な撮影方法として最も一般的な方法は、放射線で蛍光を発する所謂蛍光板(又は増感紙)と銀塩フィルムとを組み合わせ、放射線を対象物を介して照射し、蛍光板で放射線を可視光に変換し、銀塩フィルム上に潜像を形成した後に、この銀塩フィルムを化学処理し可視像を得る方法である。この撮影方法で得られた放射線画像は所謂アナログ写真であり、診断、検査等に使用される。 【0003】 また、蛍光体として輝尽性蛍光体を塗布したイメージングプレート(IP)を使用したコンピューテッドラジオグラフィ装置(CR装置)も使用され始めている。放射線照射によって一次励起されたIPに、赤色レーザー光等の可視光によって二次励起を行うと、輝尽性蛍光と呼ばれる発光が生ずる。CR装置はこの発光を光電子増倍管等の光センサで検出することにより放射線画像を取得し、この画像データに基づいて写真感光材料やCRT等に可視光像を出力する。CR装置はデジタル装置ではあるものの、二次励起による読み出しという画像形成プロセスを必要とする間接デジタル放射線撮影装置である。 【0004】 最近では、受像手段として微少な光電変換素子、スイッチング素子等から成る画素を格子状に配列した光電変換装置を使用し、デジタル画像を取得する技術が開発されている。特許文献1〜5には、CCD又はアモルファスシリコンから成る二次元撮像素子上に、蛍光体を積層した放射線撮影装置が開示されている。これらの撮影装置は取得した画像データを即時に表示することが可能であり、直接デジタル撮影装置と呼ばれている。 【0005】 デジタル撮影装置のアナログ写真技術に対する利点として、フィルムレス化、画像処理による取得情報の拡大、データベース化等が挙げられ、直接デジタル撮影装置の間接デジタル撮影装置に対する利点としては即時性が挙げられる。このように、撮影した画像をその場で表示できることは、急を要する医療現場においては極めて有用である。 【0006】 しかしながら、二次元固体撮像素子にはノイズの一因となる暗電流が存在するため、むやみに撮像時間を長くすることはできない。このため、X線発生装置と直接デジタル撮影装置との間で信号のやり取りを行い、X線照射と固体撮像素子の撮像タイミングの同期をとっている。具体的には、X線発生装置からの撮像要求信号に対し、撮影装置は固体撮像素子の初期化を行い、これが完了した後に撮像準備完了信号をX線発生装置に送信すると、X線発生装置はX線の照射を開始する。予め、X線発生装置に設定された照射時間が経過した後にX線照射が終了すると、X線発生装置から照射終了信号が撮影装置に送信される。撮影装置では、固体撮像素子の蓄積動作を終了し、画像データの出力動作へと動作モードに移行する。 【0007】 仮に、信号経路に誤りが生じて、誤りの撮影準備完了信号がX線発生装置に到着してしまうと、撮影装置の固体撮像素子の初期化が終了しないうちに、X線を照射する結果となる。また、誤りの照射終了信号が撮影装置に到達してしまうとX線の照射が続いているにも拘らず、固体撮像素子が画像データ出力動作を開始してしまう。何れの場合でも蓄積動作をしていない期間に照射されたX線は、画像データに反映されないため、被検者は無用の被曝を受けたことになる。 【0008】 このように、X線発生装置と撮影装置との間の同期信号は重要な信号であるため、誤りやタイミングのずれを極小に抑える工夫が求められている。具体的には、信号の意味ごとに独立した信号線を設け、差動信号線を使用することや、ケーブルへのシールド編線の追加、ヒステリシス付きの入力回路の使用、スパイクノイズを誤認しないための帯域フィルタやサンプリング回数の増加等が挙げられる。 【0009】 独立した信号線を設けたり、シールドを付加すれば、ケーブルの太さは増加することになり、太いケーブルは建物内に敷設する際の作業を困難なものとし、機器設置作業やメンテナンスを困難にする。 【0010】 ところで、今日ではこのような専用信号線とは全く逆の特徴を有する信号伝送路、つまり1つの信号線に様々な意味の信号が相乗りし、シールドは通常では用いず、細いケーブルによって敷設が容易となっている信号伝送路が多く活用されている。その代表となるのが、非特許文献1のIEEE802.3規格で定められた伝送規格であり、特にUTP(Unshielded Twist Pair)ケーブルを使用するバリエーションは、個人が購入し自力で家庭内に設置するほどの普及を見せている。 【0011】 この伝送規格では、複数の端末が同一の信号伝送路に接続されてネットワークを形成する。なお、この同一伝送路は直流電気的には分離され、半導体式スイッチ手段によってブリッジされた仮想的な同一伝送路である場合もあり、誤り検出符号付きのシリアル信号を送受信する。また、各端末は他端末が出力中でない限りは、任意のタイミングで出力を開始できる。仮に、複数の端末が同時に出力を行うと、信号に誤りを生ずるためその信号は破棄される。また、外的要因によって信号に誤りを生じたときも、同様に破棄される。 【0012】 これらの特徴から、この伝送規格は信号が確実に相手に到達することを保証しておらず、信号が送り側にも受け側にも気付かれずに消失する可能性を認めており、これに対する対策を持っていない。ただし、送信側が信号の消失に気付いた場合に、再送信を試みる仕組みと、誤った信号が到達することを防止する仕組みを備えている。また、伝送路上に存在できる信号は或る瞬間には1つだけであり、信号を送信する要求が同時に複数発生しても伝送路上では順次に送る必要がある。しかし、伝送規格自体は信号の順序化や多重化については何も定められてはいない。 【0013】 このように、IEEE802.3が信号の確実な伝送を保証していないため、これを用いて或る程度、確実に信号をやり取りするためには別の工夫が必要になる。また、多重化についても、複数の独立した信号を1つの伝送路に順次に送り出し、受信側でこれらが混在せずに独立した信号として再生される仕組みが必要となる。これらの課題と、更に幾つかの機能を含んだ解決策として不可欠な技術となっているのが、非特許文献2のTCP(Transmission Control Protocol)、非特許文献3のUDP(User Datagram Protocol)といったプロトコルである。これらのプロトコルはインタネットのための基礎技術として広く利用されている。 【0014】 上述の確実な伝送の課題に対する解決は、TCPによって提供されている。TCPは一連のデータストリームを順序正しく途中の抜けも発生しないように、相手先まで届けるためのプロトコルである。このプロトコルは相手にデータが到着したことを確認するための応答が必要であるため、データ自体の伝送方向が一方向であっても、物理的には双方向の信号伝送を行う。 【0015】 データが含まれるパケットが相手に届かなかったとき、又は受信側が応答のために返信したパケットが送信側に正しく戻らなかった場合には、送信側は応答の時間切れをもって前のパケットを再送信する。このようにTCPにおいては、通信エラーが発生したとき、実際の信号が受信側に到着するためには時間が掛かることになる。 【0016】 一方、UDPにおいては、TCPのような応答やタイムアウトによるパケット再送の仕組みは定められておらず、確実な信号の伝達は保証されていない。その代りに、より下位の層で発生する遅れ時間を除いて、最短の時間で信号が伝送される。なお、送受信端の間に仮想的な通信路を複数設定するための仕組みは、TCP、UDPは共に備えており、この仕組みはポート番号と呼ばれる。 【0017】 TCPとUDPを比べてみた上述の例で明らかなように、一般的にシリアル通信路を実用的に用いるには、エラー発生時の突発的な伝達遅延時間増加を容認して内容伝達の確実性を確保するか、エラー発生による信号の消失を容認して伝達の即時性を確保するかの何れかの手段を、アプリケーションの性質によって選択する必要がある。また、再送の最大回数を制限する等のパラメータ調整によって、両者の間を採用することもある。 【0018】 【特許文献1】米国特許第5418377号 【特許文献2】米国特許第5396076号 【特許文献3】米国特許第5381014号 【特許文献4】米国特許第5132539号 【特許文献5】米国特許第4810881号 【特許文献6】特許第3413084号 【非特許文献1】802.3TM IEEE Standard for Information technology−Telecommunications and information exchange between systems-Local and metropolitan area networks−Specific requirements Part 3: Carrier sense multiple access with collision detection(CSMA/CD) access method and physical layer specifications 【非特許文献2】RFC 793 - Transmission Control Protocol 【非特許文献3】RFC 768 - User Datagram Protocol 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0019】 このように、従来のデジタル放射線撮影システムに関しては、機器間配線の省スペース化や設置容易化の課題がある。これは、究極的には有線接続を廃止して、完全に無線通信を行うことを意味する課題である。 【0020】 一方で、電子機器間通信の安価で敷設容易な接続手段は、既に一般的に存在しているが、これらの技術を結び付けることは今日までなされたことはない。その理由として、放射線撮影システムの要求事項が、内容の伝達の誤り率が非常に低く、かつ伝播遅延時間は小さい時間で安定しているのに対して、無線通信の技術は誤り率の増加は誤り検出と再送によってカバーし、結果として伝播遅延時間は動的に変化するという思想のためである。これは、近年になって普及の目覚しいデジタル無線機による無線LANの通信規格でも、同様の技術思想を持っている。 【0021】 IEEE802.3のような伝送規格の動作を実際に確かめてみると、予め負荷が低くなるように設計されており、接続されたネットワークでは、大量の再送や遅延はなかなか発生しない。多くの場合において、1つのネットワーク内での伝播時間はほぼ即時と見倣してよい範囲に抑まる。 【0022】 またデジタル撮影装置では、常に検出器の性能の向上と安定化の努力がなされ、常時受像可能とはならないものの、受像状態を一般的な撮影手法の照射時間よりも十分に長く維持することが可能になっている。これは、X線発生装置と撮影装置の間のタイミング同期が、或る程度の誤差を有していても実用可能であることを意味する。 【0023】 従って、これら2つの技術を組み合わせたときにも、多くの場面においては問題なく、良好な動作を示すことが分かる。つまり、信号伝播遅延が発生して、受像開始時刻と照射開始時刻に差が生じても、X線検出器の性能が向上しているため、多少の遅延時間ならば遅延による時間差の分だけ、受像状態を予め延長しておいても問題とならない。 【0024】 ただし極く限られた場面、例えばノイズ等の外乱が伝送路に加えられた場合等には、エラーによる再送が発生し、突発的に大きな遅延時間となることは避けられない。このような場合には、同期が正しく行われないため、何らの対策を採らないと、受像可能時間を越えてX線が照射される虞れがある。同期が正しく行われていない可能性を検出した場合には、X線発生装置は照射動作を開始しないように制御される必要がある。 【0025】 本発明の目的は、上述の問題点を解消し、伝送遅延時間が動的に変化する通信路を用いてX線発生装置と撮影装置の間のタイミング同期を行いながら、X線照射期間が撮影装置の受像可能期間に収まるように動作し、その動作が保証できないような場合には、X線照射が行われないように制限する放射線画像撮影システムを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0026】 上記目的を達成するための本発明に係る放射線画像撮影システムの技術的特徴は、X線発生装置と、放射線検出器を含む撮影装置と、これらの間の通信路とを含む放射線画像撮影システムであって、放射線を照射すべき瞬間に操作者によるトリガをリアルタイム入力するトリガ入力手段を前記X線発生装置に接続し、前記X線発生装置は前記トリガが入力したときに照射許可要求信号を前記通信路を通じて前記撮影装置に対して送信し、前記撮影装置は前記照射許可要求信号を受信した後に前記放射線検出器の受像動作が可能となると照射許可信号を前記通信路を通じて返信し、前記X線発生装置は前記照射許可信号の受信によりX線照射を開始することにある。 【発明の効果】 【0027】 本発明に係る放射線画像撮影システムによれば、誤りや信号の消失、信号の伝播遅延が発生し得る通信路を用いて装置間を接続し、この通信路を通してX線発生装置と撮影装置の同期信号を送受信した場合であっても、受像可能期間にX線照射期間が収まるようにする。また、伝播遅延が大きくなり、受像可能期間に照射期間が収まらない可能性がある場合には、照射そのものを許可しない。 【0028】 このため、設置やとり廻しの容易な形態の有線接続手段や、無線による通信により、機器の取り扱い容易性を向上させながらも、余分な被曝が発生する可能性を排除することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0029】 本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。 【実施例1】 【0030】 図1は本発明における放射線撮影システムの構成図を示しており、無線機を内蔵した撮影装置1の上方にX線管球2が配置され、このX線管球2はX線発生装置3に接続され、更にUTPケーブル4を介してネットワーク接続箱5、そしてネットワーク機器6に接続されている。ネットワーク機器6には無線アクセスポイント7が接続されており、撮影装置1との間で無線通信を行っている。ネットワーク接続箱5とX線発生装置3との間は、従来と同様の接続となっているが、ネットワーク接続箱5はX線発生装置3に隣接して設置されるため、従来接続の範囲は僅かであり、接続の大部分はUTPケーブル4とされている。このネットワークは、100BASE−TX規格に対応したネットワーク機器6及びUTPケーブル4が使用されている。 【0031】 撮影装置1は内部にフラットパネル型X線検出器(FPD)を備えている。このX線検出器はX線照射前に準備動作を行った後に、蓄積モードに移行して画像データをセンサ内に蓄積し、その後に蓄積された画像電荷を読み出して画像データを形成するよう構成されている。準備動作はセンサ内部に蓄積されている暗電流電荷を予め排出するために行われるもので、画質向上とダイナミックレンジの確保のために必要である。また、蓄積完了後は余分な暗電流電荷が蓄積しないうちに、画像データを読み出すことが画質向上のために求められる。 【0032】 図2は動作フローチャート図であり、X線発生装置3には照射スイッチが付属されており、ステップS1で操作者は撮影すべきタイミングに合わせて照射スイッチを押す。この照射スイッチを押しても、直ちにはX線管球2からX線は出射されず、X線発生装置3のネットワーク接続箱5に照射スイッチが押されたことが伝えられる。 【0033】 ステップS2でX線発生装置3、ネットワーク接続箱5は要求信号IDを新規に生成し、この要求信号IDを含んだ照射許可要求信号を撮影装置1に対して送信する。要求信号IDとしては、例えばネットワーク接続箱5内の時計の現在時刻等が用いられる。 【0034】 照射許可要求信号はネットワーク機器6と無線アクセスポイント7を経由して、撮影装置1まで無線で届く。このとき、ネットワーク機器6や無線アクセスポイント7が中継している他の信号の頻度によっては、一旦蓄積されてから中継されるため、遅延が発生することがある。また、突発的な外来ノイズによって、信号にエラーを生じて受信側で破棄されることもある。 【0035】 ステップS3で撮影装置1は照射許可要求信号を受信すると、内部のX線検出器の準備動作を行い、準備動作が完了して画像蓄積モードとなると、ステップS4で照射許可信号をネットワーク接続箱5に対して送信する。このときには、照射許可要求信号に含まれるIDをコピーして許可信号に含める。照射許可信号は無線アクセスポイント7とネットワーク機器6を経由して、ネットワーク接続箱5に届けられるが、このときの遅延発生に関しては上述と同様である。 【0036】 ネットワーク接続箱5は照射許可信号を受け取ると、従来接続のUTPケーブル4を通じて照射許可をX線発生装置3に与える。ステップS5でX線発生装置3は照射許可要求信号を送信した時点を起点に時間の計測を行っており、タイムアウト時間内に照射許可信号を受信できれば、その時点からX線の照射を開始する。このときは、送信したと同じIDを含んだ照射許可信号でなければ、許可信号として有効ではない。また、タイムアウト時間内に許可信号を受信できなかった場合には、その後に許可信号を受信しても照射は開始されない。 【0037】 X線発生装置3は放射線の照射を開始した後に、予め定められている最大照射時間を越えて照射が持続することがないように、タイムアウト時間が定められている。撮影装置1はこのタイムアウト時間と最大照射時間を予め知っており、受像動作を開始した後には、照射許可要求信号を受信した時刻を起点として「タイムアウト時間+最大照射時間」だけ後の時刻となるまでは、少なくとも受像動作を持続させ、その後にX線検出器の読み出し動作を開始する。 【0038】 操作者によるトリガの再入力によって、別の照射許可要求信号が送られるが、このときのIDは以前のIDとは異なるように生成される。IDは十分な時間が経過するまでは、同じIDが再利用されることはない。これにより、前回の許可要求信号に対する許可信号がトリガ再入力後に到達しても、照射を開始することはない。 【0039】 時間の調整は予め定数として定められていたり、X線管球2に付加された線量計、撮影装置1と被写体の間に挟まれたフォトタイマ検出器等によって動的に調整されることもあるが、何れの場合でも最大時間を越えないように制限されている。 【0040】 撮影装置1は画像蓄積モードに移行すると、これを一定時間だけ持続させる。この接続時間は「タイムアウト時間+最大照射時間−準備動作時間」で定められる。蓄積モードの期間が満了すると、撮影装置1は内部のX線検出器から画像データを読み出す。 【0041】 図3は照射許可要求信号と照射許可信号のやり取りと、X線発生装置3と撮影装置1のそれぞれの動作を時間軸に沿って並べたものであり、平均的な状態の場合であって、X線発生装置3のタイムアウト時間に対して余裕を持って照射許可信号が戻ったときのものである。撮影装置1側の蓄積動作時間は、「タイムアウト時間+最大照射時間−準備動作時間」だけ持続している。図3のX線発生装置3のX線照射期間は、この蓄積動作期間内に完全に収まっていることが分かる。 【0042】 図4、図5も同様のタイムチャート図を示し、タイムアウト時間ぎりぎりに照射許可信号が返ったときの2種類を例示している。図4は照射許可要求信号の伝達に遅延が生じ、照射許可信号の伝達は瞬時であった場合を示しており、この場合にもX線照射期間は蓄積動作期間内に収まっている。 【0043】 図5は逆に照射許可要求信号の伝達は瞬時であるが、照射許可信号の伝達に遅延が生じた場合を示しており、この場合にもX線照射期間は蓄積動作期間内に収まっている。 【0044】 図6は照射許可信号がタイムアウト時間以内に到達しなかったときのタイムチャート図である。このときは、操作者が照射スイッチを押し続けても、ネットワーク接続箱5は許可信号をX線発生装置3に与えないため、X線は照射されない。操作者が再びX線の照射を試みるには、照射スイッチを一旦放し、再度、照射スイッチを押し直す必要がある。なお、特に図を用いては説明しないが、両信号の何れかが消失してしまった場合にも、同様にタイムアウトにより照射は行われない。 【0045】 図7は信号に大幅な遅延が生じたためタイムアウトが生じ、操作者が照射スイッチを再入力したときのタイムチャート図を示しており、再入力により前回とは異なるIDを使用して、照射許可要求信号を生成し送信している。大幅に遅延した前回の許可信号がその後に到着しているが、IDが異なっているため無視され、この時点で照射が開始されることはない。 【0046】 一方、照射許可要求信号が新しく届いたことを受けて、撮影装置1は蓄積動作をキャンセルして再準備動作を行い、照射許可信号を返信しているが、このときのIDは受信した新しい要求信号のIDを付する。このIDがX線発生装置3に到着して、始めてX線管球2から照射が開始される。 【0047】 以上、照射が行われる場合と禁止される場合の例を幾つか挙げたが、何れの場合でも、照射が行われた場合であってX線照射が終了した後には、X線発生装置3から照射終了信号が発せられ、これが撮影装置1に伝達される。撮影装置1は蓄積時間中にこの信号を受信した場合には、予定していた蓄積期間を短縮してその時点で終了することがある。 【0048】 また、照射が行われたか否かに拘らず、蓄積時間が完了した後にはX線検出器から画像データを読み出す。これは、X線が実際には照射されなかったにも拘らず、X線検出器から画像データを読み出すことがあり得ることを示しているが、これは被検者の安全を損うものではないし、装置に対する悪影響もない。 【0049】 本発明は本実施例に限られるものではなく、様々の応用が考えられる。例えば、最大照射時間やタイムアウト時間は本実施例では変更可能とは説明していないが、これは撮影に先立ち撮影装置1とX線発生装置3の間で数値を共有していればよく、変更可能としても支障はない。 【0050】 また、本実施例は静止画撮影システムに関して説明したが、動画撮影装置に関して用いてもよい。この場合には、準備動作期間は動画用撮影装置の準備期間に、蓄積時間は例えば動画センサからのフレームデータの繰り返し読み出しと、メモリへのキャプチャに置き換えられる。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】放射線撮影システムの構成図である。 【図2】動作フローチャート図である。 【図3】通常時のタイミングチャート図である。 【図4】許可要求信号遅延時のタイミングチャート図である。 【図5】許可信号遅延時のタイミングチャート図である。 【図6】タイムアウト時のタイミングチャート図である。 【図7】トリガ再入力時のタイミングチャート図である。 【符号の説明】 【0052】 1 撮影装置 2 X線管球 3 X線発生装置 4 UTPケーブル 5 ネットワーク接続箱 6 ネットワーク機器 7 無線アクセスポイント
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
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| 【出願日】 |
平成17年5月31日(2005.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075948 【弁理士】 【氏名又は名称】日比谷 征彦
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| 【公開番号】 |
特開2006−333898(P2006−333898A) |
| 【公開日】 |
平成18年12月14日(2006.12.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−158669(P2005−158669) |
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