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【発明の名称】 超音波診断装置
【発明者】 【氏名】▲高▼向 博幸
【住所又は居所】東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株式会社日立メディコ内

【要約】 【課題】精度よい3次元画像情報を得て、これに基づく正確な画像を得ることのできる超音波診断装置を提供する。

【解決手段】超音波探触子から2次元画像の超音波断層像情報を該超音波探触子の位置に応じて順次取り込む画像メモリと、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探触子から2次元画像の超音波断層像情報を該超音波探触子の位置に応じて順次取り込む画像メモリと、
該超音波断層像情報ごとの前記超音波探触子の位置情報を検出し、この位置情報を格納する格納手段と、
検出された前記の各位置情報との関係で各超音波断層像情報に対応すべく位置情報を算出する補正手段と、
それぞれの超音波断層像情報に該補正手段によって得られた位置情報を対応させて3次元画像を構築する3次元画像構築手段とを備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
超音波探触子から2次元画像の超音波断層像情報を該超音波探触子の位置に応じて順次取り込む画像メモリと、
超音波断層像情報ごとの前記超音波探触子の位置情報を検出し、この位置情報を格納する格納手段と、
ある超音波断層像情報のタイムコードをTdとし、このTdを間にして存在する各位置情報をそれぞれPa、Pbとし、位置情報PaのタイムコードをTpa、位置情報PbのタイムコードをTpbとした場合、下記(1)式を満たす位置情報P’を演算する補正手段と、
P’=(Tpb−Td)/(Tpb−Tpa)*Pa
+(Td−Tpa)/(Tpb−Tpa)*Pb ……(1)
それぞれの超音波断層像情報に該補正手段によって得られた位置情報P’を対応させて3次元画像を構築する3次元画像構築手段とを備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
前記タイムコードは、タイムコード発生手段からのパルスのカウント値からなることを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置に係り、得られた複数の2次元画像情報から3次元画像情報を作成し、その3次元画像情報を表示装置に表示するに好適な超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置において、複数の2次元画像からなる超音波画像情報から3次元画像情報を作成し、これにより、ある方向から見た斜視図として、あるいは一部を切り取った断層像としてモニタに表示するようにしている。これにより、たとえば、被検体にできている腫瘍等の大きさを極めて容易に把握できる等の効果を有するからである。この場合において、3次元画像情報は、一の超音波断層像(2次元画像情報)とこの一の超音波断層像と隣接配置される関係にある他の超音波断層像(2次元画像情報)との間の情報を補間により作成することによって得られるが、この際の演算において、前記一の超音波断層像の位置データおよび向きデータ(以下、説明の便宜上、これらを総称して位置情報と称する)および他の超音波断層像の位置情報が要求されるようになる。
【0003】
そして、この位置情報の取得は、たとえば被検体を寝載するテーブルの任意の位置に固定され3軸直交系の磁場を発生する磁場発生コイル(発信器)が備えられ、超音波探触子に設けられ該3軸直交系の磁場を検出する検出コイル(受信器)からの出力情報を得ることによってなされるようになっている。
【0004】
このようにして、3次元画像情報の作成に関する先行技術としてはたとえば下記特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2001−202498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した3次元画像情報の作成にあって、一の超音波断層像に対するその位置情報と、他の超音波断層像に対するその位置情報とが、それぞれ時間的に精度よく対応したものであれば精度よい3次元画像情報が得られるようになるが、実際には一の超音波断層像に対する位置情報がタイミングよく、また、他の超音波断層像に対する位置情報がタイミングよく得られることに困難性を有していた。超音波断層像を得る媒体が音波であるのに対し位置情報を得る媒体が磁気であり、該磁気は音波よりもレスポンスが遅いことに基づくものである。そして、前記特許文献1はこのような事情を反映するものではないため、上記対策の解決が要望されていた。
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、精度よい3次元画像情報を得て、これに基づく正確な画像を得ることのできる超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0008】
(1)本発明による超音波診断装置は、たとえば、超音波探触子から2次元画像の超音波断層像情報を該超音波探触子の位置に応じて順次取り込む画像メモリと、
該超音波断層像情報ごとの前記超音波探触子の位置情報を検出し、この位置情報を格納する格納手段と、
各超音波断層像情報に対応すべく位置情報を、該位置情報を間にして存在するものであって検出された前記の各位置情報との関係で算出する補正手段と、
それぞれの超音波断層像情報に該補正手段によって得られた位置情報を対応させて3次元画像を構築する3次元画像構築手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
(2)本発明による超音波診断装置は、たとえば、超音波探触子から2次元画像の超音波断層像情報を該超音波探触子の位置に応じて順次取り込む画像メモリと、
超音波断層像情報ごとの前記超音波探触子の位置情報を検出し、この位置情報を格納する格納手段と、
ある超音波断層像情報のタイムコードをTdとし、このTdを間にして存在する各位置情報をそれぞれPa、Pbとし、位置情報PaのタイムコードをTpa、位置情報PbのタイムコードをTpbとした場合、下記(1)式を満たす位置情報P’を演算する補正手段と、
P’=(Tpb−Td)/(Tpb−Tpa)*Pa
+(Td−Tpa)/(Tpb−Tpa)*Pb ……(1)
それぞれの超音波断層像情報に該補正手段によって得られた位置情報P’を対応させて3次元画像を構築する3次元画像構築手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
(3)本発明による超音波診断装置は、たとえば、(2)の構成を前提とし、前記タイムコードは、タイムコード発生手段からのパルスのカウント値からなることを特徴とする。
【0011】
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による超音波診断装置の実施例を図面を用いて説明をする。
【0013】
まず、図2は、本発明による超音波診断装置の構成の一実施例を示す簡易ブロック図である。
【0014】
図2において、被検体に接触あるいは挿入して用いられる超音波探触子6があり、この超音波探触子6は、超音波送受信回路7によって超音波が発せらるとともに、そのエコー信号は該超音波送受信回路7を介して画像処理回路8に入力されるようになっている。前記超音波探触子6によって、まず一の超音波断層像情報を得る場合、定位置に定められた超音波探触子6から得られるエコー信号を画像処理回路8によって画像処理することより該超音波断層像情報を得、この情報は画像メモリ3に格納される。この場合、たとえば前記超音波探触子6に取り付けられた検出回路6aが探触子位置情報検出回路9として該超音波探触子6の位置、すなわち前記一の超音波断層情報に対する位置情報を検出するようになる。なお、図示されていないが、たとえば被検体を寝載するテーブルの任意の位置には3軸直交系の磁場を発生する磁場発生コイルが備えられ、前記検出回路6aは該3軸直交系の磁場を検出することにより、前記位置情報を得るようになっている。
【0015】
上述した動作は、一の超音波断層像情報の取得の後、その後の他の超音波断層像情報を続けて複数取得する場合においても、それぞれ同様になされる。すなわち、それぞれ得られる超音波断層像情報にそれぞれ対応して該超音波断層像情報の位置情報が得れるようになっている。
【0016】
3次元画像構築回路5には、前記画像メモリ3から各超音波断層像情報が順次入力され、それに伴い、対応する位置情報が探触子位置情報検出回路9から順次入力されるようになっており、該3次元画像構築回路5内で3次元画像情報が作成されるようになる。ここで、画像メモリ3から入力される超音波断層像情報と、探触子位置情報検出回路9から入力され該超音波断層像情報に対応する位置情報は、それらの媒体のレスポンスの相違から、それらの入力に際して時間的なずれが生じることは上述したとおりである。
【0017】
図3(a)は、この状態を示したタイミング図を示したもので、その上側の図は前記位置情報が得られる時間的タイミングを、下側の図は前記超音波受信信号(超音波断層像情報と等価)が得られる時間的タイミングを示している。すなわち、各位置情報は、時間の経過とともに位置情報P0、位置情報P1、位置情報P2、……として3次元画像構築回路5に入力され、各超音波断層像情報は、超音波受信信号Fn、超音波受信信号Fn+1、超音波受信信号Fn+2、超音波受信信号Fn+3、……として3次元画像構築回路5に入力されるようになっている。
【0018】
位置情報の入力は超音波受信信号の入力に対して遅れが生じるため、各超音波受信信号に相応してそれらの位置情報が得られず、図3(a)に示されるように、(超音波受信信号Fn、位置情報P0)、(超音波受信信号Fn+1、位置情報P1)、(超音波受信信号Fn+2、位置情報P1)、(超音波受信信号Fn+3、位置情報P2)、……というような対関係で3次元画像構築がなされることになる。
【0019】
位置情報の入力と超音波受信信号の入力は、理想的には図3(b)に示されるように、一方の入力に対する他方の入力に遅れがなく、(超音波受信信号Fn、位置情報P0)、(超音波受信信号Fn+1、位置情報P1)、(超音波受信信号Fn+2、位置情報P2)、(超音波受信信号Fn+3、位置情報P3)、……というような対関係で3次元画像構築がなされることにある。
【0020】
それ故、本実施例では、後述の補正手段(回路)をたとえば3次元画像構築回路5内に設けるようにし、この補正手段によって、一の超音波受信信号(超音波断層像情報)に対応すべく位置情報を、該位置情報を間にして存在するものであって検出された各位置情報との関係で算出するように構成したものとなっている。すなわち、図3(b)に示したようにたとえば超音波受信信号Fnに対応すべく位置情報P0(演算で算出する値であることから、以降この位置情報をP0’とする)を、図3(a)に示した位置情報であって、前記位置情報P0’を間にして存在する各位置情報P0、P1との関係で算出するように構成されている。図3(c)は、この模様を示した図で、実際に検出された位置情報、たとえば位置情報P0と位置情報P1との間において補正した位置情報を算出することが可能であり、これらのうちから、位置情報P0’を算出するようになっている。この位置情報P0’は図3(b)に示す位置情報P0に相当するものである。また、位置情報P1と位置情報P2との間、位置情報P2と位置情報P3との間においても同様の演算がなされるようになっている。
【0021】
さらに詳述すると、まず、前記3次元画像構築回路5は、前記位置情報の入力の際に該位置情報のタイムコードと、超音波受信信号の入力の際に該超音波受信信号のタイムコードを入力するようになっている。ここで、タイムコードとは他の要素と関連づけられていない基準時間に相当するもので、位置情報のタイムコードは位置情報を検出した際のカウント値に相当し、超音波受信信号のタイムコードは超音波断層画像を作成した際のカウント値に相当するものとなっている。
【0022】
そして、ある超音波受信信号(超音波断層像情報)のタイムコードをTdとし、このTdを間にして存在する各位置情報をそれぞれPa、Pbとし、位置情報PaのタイムコードをTpa、位置情報PbのタイムコードをTpbとした場合、下記(1)式を演算する。
【0023】
P’=(Tpb−Td)/(Tpb−Tpa)*Pa
+(Td−Tpa)/(Tpb−Tpa)*Pb ……(1)
この(1)式によって算出されたP’の値は、図3(b)のP0、P1、P2、P3、……に相当する値である。
【0024】
したがって、これら算出されたP’の値は、各超音波受信信号(超音波断層像情報)にそれぞれ対応すべく遅れのない位置情報となることから、これら位置情報を用いて作成される3次元画像は極めて精度よいものとして得ることができる。
【0025】
図1は、上記補正手段を備えた3次元画像構築回路5の一実施例を示すブロック図である。従来の3次元画像構築回路に相当する回路は図中符号5’として示している。したがって、本発明は、従来の3次元画像構築回路の入力段の相当する箇所に前記補正手段(回路)を介在させたものとしても把握できることはいうまでもない。図1において、まず、位置情報は探触子位置情報格納手段2に格納されるようになっている。この場合、該探触子位置情報格納手段2にはタイムコード発生手段1からタイムコードが入力され、前記探触子位置情報格納手段2に位置情報が格納された際におけるカウント値がカウントされるようになっている。前記数式(1)のTpa、Tpbに相当する値である。なお、前記タイムコード発生手段1は隣接する各パルスの時間幅がたとえば1μsのパルス発生器で形成されたものとなっている。
【0026】
探触子位置情報格納手段2に格納された前記位置情報とカウント値は、探触子位置情報補正手段4に入力されるようになっている。
【0027】
一方、超音波受信信号は画像メモリ3に格納されるようになっている。この場合、該画像メモリ3には前記タイムコード発生手段1からタイムコードが入力され、前記画像メモリ3にて超音波断層像が作成された際におけるカウント値がカウントされるようになっている。前記数式(1)のTdに相当する値である。画像メモリ3に格納された前記超音波受信信号とカウント値は、前記探触子位置情報補正手段4に入力されるようになっている。
【0028】
該探触子位置情報補正手段4では、上述の数式(1)に示す演算がなされることにより、P’の値を順次P0、P1、P2、P3、……として求める。
【0029】
これらP0、P1、P2、P3、……の値は、3次元画像構築回路5’に入力され、また、この3次元画像構築回路5’には、前記画像メモリ3から前記P0、P1、P2、P3、……のそれぞれに対応する超音波受信信号も入力されるようになっている。そして、この3次元画像構築回路5’では、図3(b)に示すごとくタイミングで、すなわち、(超音波受信信号Fn、位置情報P0)、(超音波受信信号Fn+1、位置情報P1)、(超音波受信信号Fn+2、位置情報P2)、(超音波受信信号Fn+3、位置情報P3)、……という対関係で3次元画像構築がなされるようになっている。したがって、このようにして作成された3次元画像は極めて精度のよいものとして得られることになる。
【0030】
図4は、上述した超音波診断装置の動作を要部を抜き出して示したフロー図である。以下、各ステップごとに説明をする。
【0031】
ステップST1:画像メモリより任意の超音波断層像を読み出す。当該超音波断層像に対応する位置情報を演算によって求めようとするからである。
【0032】
ステップST2:当該超音波断層像のタイムコードTdを取得する。
【0033】
ステップST3:探触子位置情報格納手段(バッファメモリ)からN個のデータを取得する。Nにおける数は任意であってよい。
【0034】
ステップST4:前記探触子位置情報の各々のデータにおけるタイムコードTuを取得する。
【0035】
ステップST5:前記タイムコードTdとN個の各タイムコードTuをそれぞれ比較し、時間軸においてタイムコードTdの前後における探触子位置情報をそれぞれPa、Pbとし、それらのタイムコードTpa、Tpbを設定する。
【0036】
ステップST6:前記数式(1)に示す演算を行い、P’を前記超音波断層像の位置情報として用いる。
【0037】
ステップST7:上記ステップST1からステップST6までの操作は最新の超音波受信信号の取得までなされ、これを続けることにより、各超音波断層像ごとにそれらに対応する位置情報を取得する。それ以降は、3次元画像構築作業がなされるようになる。
【0038】
上述した各実施例はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施例での効果を単独であるいは相乗して奏することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による超音波診断装置を示す構成図であって、それに備えられる3次元画像構築回路の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明による超音波診断装置の一実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明による超音波診断装置において探触子の位置情報を演算で求める方法を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明による超音波診断装置の動作の要部を示したフロー図である。
【符号の説明】
【0040】
1……タイムコード発生手段、2……探触子位置情報格納手段、3……画像メモリ、4……探触子位置情報補正手段、5、5’……3次元画像構築回路、6……探触子、7……超音波送受信回路、8……画像処理回路、9……探触子位置情報検出回路、10……表示装置。
【出願人】 【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
【住所又は居所】東京都千代田区外神田四丁目14番1号
【出願日】 平成17年5月12日(2005.5.12)
【代理人】 【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保

【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博

【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛

【公開番号】 特開2006−314520(P2006−314520A)
【公開日】 平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願番号】 特願2005−139738(P2005−139738)