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【発明の名称】 心臓運動のコンピュータ断層撮影表示方法およびシステム
【発明者】 【氏名】ディーター ベーイング

【氏名】アクセル キュットナー

【氏名】ヨハン ユプラー

【要約】 【課題】最小限のX線被曝を必然的に伴いながら、同時に造影剤注入の必要量も大幅に低減させる。

【解決手段】スパイラルコンピュータ断層撮影システム(1)による心周期における心臓運動のコンピュータ断層撮影表示方法において、患者(7)に造影剤が電子的に制御可能な造影剤投与装置(11)によって投与され、自動的に投与された造影剤で動脈が十分に満たされたことを決定するために、心臓動脈の静止状態でのプレスキャンが行なわれ、造影剤で十分に満たされたことが認識されると直ちに、検査された心臓の現在の心拍数が測定され、この現在の心拍数に基づいてスパイラルスキャンのための最大に可能な送り速度およびスパイラルスキャン時間が決定され、引続いて心臓部位に亘るスパイラルスキャンが最大に可能な送り速度で実施さ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパイラルコンピュータ断層撮影システム(1)による心周期における心臓運動のコンピュータ断層撮影表示方法において、
患者(7)に造影剤が電子的に制御可能な造影剤投与装置(11)によって投与され、
自動的に投与された造影剤で動脈が十分に満たされたことを決定するために、心臓動脈の静止状態でのプレスキャンが行なわれ、
造影剤で十分に満たされたことが認識されると直ちに、検査された心臓の現在の心拍数が測定され、この現在の心拍数に基づいてスパイラルスキャンのための最大に可能な送り速度およびスパイラルスキャン時間が決定され、
引続いて心臓部位に亘るスパイラルスキャンが最大に可能な送り速度で実施される
ことを特徴とする心臓運動のコンピュータ断層撮影表示方法。
【請求項2】
造影剤投与はスパイラルスキャンの終了前に既に中止されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
最大に可能な送り速度として、心臓のあらゆる個所がスパイラルスキャン中にあらゆる心周期時相で少なくとも1つのX線管の全体として1つの半回転によって検出される速度が使用されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
プレスキャン中に造影剤で十分に満たされたことがコンピュータ支援の画像認識法によって検出されることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の方法。
【請求項5】
現在の心拍数は、造影剤注入が既に行なわれた状態においてスパイラルスキャンの開始時に心電図によって決定されることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の方法。
【請求項6】
現在の心拍数は、造影剤注入が既に行なわれた状態においてスパイラルスキャンの開始時に患者の脈拍に対する圧力センサよって決定されることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の方法。
【請求項7】
データおよびプログラムメモリを備えた計算および制御ユニット(9)と、
拍動する心臓の3D画像シリーズを作成するための少なくとも1つのX線管(2)を備えたスパイラルコンピュータ断層撮影システム(1)と、
心拍数を決定するための装置(9)と、
造影剤ポンプを備えた電子制御可能な造影剤投与装置(11)と、
自動的に投与された造影剤で動脈が十分に満たされたことを決定するために、送りなしに心臓動脈の静止状態でのプレスキャンが行なわれ、造影剤で十分に満たされた時に、検査された心臓の現在の心拍数が測定される第1の動作モードと、
この現在の心拍数に基づいて、スパイラルスキャンのための最大に可能な送り速度および心臓のスパイラルスキャンの終了時点を決定するプログラム(Prg1〜Prgn)と、
心臓のスパイラルスキャンが最大に可能な送り速度で行なわれる第2の動作モードと
を有することを特徴とする心臓運動のコンピュータ断層撮影表示システム。
【請求項8】
第2の動作モードにおいて造影剤の流れがスパイラルスキャンの終了前に既に停止されることを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
最大に可能な送り速度を算出するためのプログラムは、心臓のあらゆる個所がスパイラルスキャン中にあらゆる心周期時相で少なくとも1つのX線管の全体として1つの半回転によって検出される送り速度を算出することを特徴とする請求項7又は8記載のシステム。
【請求項10】
プレスキャン中に造影剤で十分に満たされたことを画像認識法により認識するためのプログラム(Prg1〜Prgn)が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9の1つに記載のシステム。
【請求項11】
心拍数を決定するために心電図が設けられていることを特徴とする請求項7乃至10の1つに記載のシステム。
【請求項12】
心拍数を決定するために患者の脈拍に対する圧力センサが設けられていることを特徴とする請求項7乃至10の1つに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの心周期に亘る3D画像シリーズがスパイラルスキャンにより作成される、スパイラルコンピュータ断層撮影システム(スパイラルCT)による心臓運動のコンピュータ断層撮影表示方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
類似の方法が一般的に知られている。典型的には心周期における心臓運動の画像シリーズを作成するために心臓部位に亘るスパイラルスキャンが行なわれる。その際に心臓は周期時相全体に亘って完全に走査され、少なくとも1つの心周期からその周期の時間経過がボリューム表示で再構成される。取得された画像データの同期化のために一般に心電図(ECG)が使用される。しかし、心臓運動をコンピュータ断層撮影装置(CT)の検出器出力データだけから求め、それによって、取得された検出器データを個々の心周期時相に割り付け、そのようにして典型的な心周期に亘る心臓の完全な撮影にまとめることもできる。この場合に、多数の心周期からのデータおよび場合によっては多数のX線管に由来するデータを合成することができる。
【0003】
この場合に心臓血管の改善された撮影およびコントラストに富んだ表示のために、たいてい造影剤が注入される。造影剤は、スキャン中に血液循環路内を循環し、十分にコントラストに富んだ表示が得られるようにする。
【0004】
この種の心臓スキャンにおける問題は次の通りである。すなわち、一方では、僅かなX線線量も細胞のDNAに消えない障害を発生させ、この障害が場合によっては癌の危険性を高めることがあるので、患者に用いられる回避可能なX線線量は全て回避されるべきであり、他方では、使用された造影剤が同様に有害な作用を持つので、これに関してもできるかぎり少ない造影剤投与への努力がなされるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、一方では最小限のX線被曝を必然的に伴いながら、同時に造影剤注入の必要量も大幅に低減させることができる心臓運動のコンピュータ断層撮影表示方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は独立請求項の特徴事項によって解決される。本発明の有利な実施態様は従属請求項の対象である。
【0007】
心臓CTスキャンのための準備中に患者に造影剤が注入されると、この造影剤注入は心拍数の上昇をもたらし、この心拍数は概算的に最大に可能な送りの計算に取り込まれる。もちろん、注入された造影剤濃度に依存して患者の規定の心拍数を決定する一義的に予測可能な関係は存在しない。あらゆる患者が異なって反応するので、実際には、CTスキャン全体が走査の範囲不足のために不十分な誤りをもたらさないように、ある程度の信頼性マージンを含めて計算することが必要である。従って、現在のところ、実際の心臓スキャンでは、常に若干低すぎる送り速度が使用される。
【0008】
本発明者は、今や、スパイラルスキャン中に実際に使用された送り速度の算出が、スパイラルスキャンの開始直前で、造影剤注入が既に行なわれた後に初めて行なわれるならば、極めて良好に実際の状況に合わせられた送り速度を可能にすることができることを認識した。この場合に身体が既に存在する造影剤に反応して脈拍数が相応に高くなるので、ここで測定された脈拍数は、その後に行なわれる心臓スパイラルスキャンの期間中における実際の脈拍数に極めて正確に一致する。このようにして信頼性マージンを大幅に放棄することができるので、スキャン中に実際に投与された線量は実際に絶対必要な線量に相当し、余分な走査は行なわれない。
【0009】
付加的に、実際のスキャン時間を非常に正確に予め計算することは可能であるので、造影剤を患者の血液循環路内に注入する造影剤の流れを、本来の心臓スパイラルスキャンが終了する前に既に終了させることができる。すなわち、注入個所と撮影された心臓動脈との間における実際の造影剤惰行が考慮されるので、全体として更に低減した造影剤量が投与されることになる。
【0010】
この基本思想に従って、本発明者は、スパイラルコンピュータ断層撮影システムによる心周期における心臓運動のコンピュータ断層撮影表示の改善された方法を提案する。この改善された方法は次の方法ステップを有する。すなわち、
患者に造影剤が電子的に制御可能な造影剤投与装置によって投与され、
自動的に投与された造影剤で動脈が十分に満たされたことを決定するために、心臓動脈、とりわけ大動脈の静止状態でのプレスキャンが行なわれ、
造影剤で十分に満たされたことが認識されると直ちに、検査された心臓の現在の心拍数が測定され、この現在の心拍数に基づいてスパイラルスキャンのための最大に可能な送り速度およびスパイラルスキャン時間が決定され、
引続いて心臓部位に亘るスパイラルスキャンが最大に可能な送り速度で実施される。
【0011】
本発明による方法によって、実際のスキャン時間が公知の状況に対して約10%まで低減され、これは大幅なX線線量の低減に相当する。
【0012】
本発明による方法の更なる改善に従って、本発明者は、なおも、患者の血液循環路内への造影剤注入の惰行を考慮して、造影剤投与がスパイラルスキャンの終了前に既に中止されることを提案する。従って、これによって、そうでなくても、投与された造影剤の少量化をもたらす照射時間の低減の他に、なおも付加的に、不必要に投与された造影剤が低減され、それによって造影剤の有害な作用もその影響に関して大幅に低下する。
【0013】
本発明によれば、最大に可能な送り速度として、心臓のあらゆる個所がスパイラルスキャン中にあらゆる心周期時相で少なくとも1つのX線管の全体として1つの半回転によって検出される速度が使用される。従って、送り速度は、もちろん周速にもシステム軸線方向に見た検出器幅にも関連して、スパイラルスキャン中に心臓のあらゆる個所があらゆる心時相において完全に走査されるが、しかし過剰な走査は行なわれないように求められる。
【0014】
本発明による方法の有利な変形において、プレスキャン中にこのために選択された心臓動脈が造影剤で十分に満たされたことはコンピュータ支援の画像認識法によって検出される。例えば画像認識法によって自動的に、存在するコントラスト跳躍を求めることができ、定められた最小コントラスト以上において自動的に本来のスパイラルスキャンが開始される。付加的に、この求められたコントラストに基づいて造影剤投与装置の造影剤ポンプの制御に介入することもでき、場合によっては患者の体内における造影剤濃度の更なる上昇を防止することもできる。
【0015】
患者の心拍数は例えばECGによってまたは患者の脈拍に対する圧力センサよって決定することができる。しかしながら、誤解のないように指摘しておくに、検出器出力データの割り付けのためにそこで得られた測定結果を使用することができるが、しかし必ずしも使用しなければならないわけではない。検出器出力データ自身を介して相応の心周期時相へ検出器出力データを割り付けることも可能である。
【0016】
本発明者は、上述の方法に対応して更に、次の構成要素を備えた心臓運動のコンピュータ断層撮影表示システムを提案する。
データおよびプログラムメモリを備えた計算および制御ユニット、
拍動する心臓の3D画像シリーズを作成するための少なくとも1つのX線管を備えたスパイラルコンピュータ断層撮影システム、
心拍数を決定するための装置、
造影剤ポンプを備えた電子制御可能な造影剤投与装置、
自動的に投与された造影剤で動脈が十分に満たされたことを決定するために、送りなしに心臓動脈、とりわけ大動脈の静止状態でのプレスキャンが行なわれ、造影剤で十分に満たされた時に、検査された心臓の現在の心拍数が測定される第1の動作モード、
この現在の心拍数に基づいて、スパイラルスキャンのための最大に可能な送り速度および心臓のスパイラルスキャンの終了時点を決定するプログラム、
心臓のスパイラルスキャンが最大に可能な送り速度で行なわれる第2の動作モード。
【0017】
前述のように、造影剤の流れをスパイラルスキャンの終了前に既に停止させるプログラムまたはプログラムモジュールを設けることもできるので、被曝量の低減の他に、患者に注入される造影剤量はX線被曝の低減に比例する量よりもさらに少なくすることができる。
【0018】
更に、システムは最大に可能な送り速度を算出するプログラムを有し、このプログラムは、心臓のあらゆる個所がスパイラルスキャン中にあらゆる心周期時相で少なくとも1つのX線管の全体として1つの半回転によって検出されるような送り速度を算出する。これに関連して指摘しておくに、心臓の走査のために複数の、例えば2つのX線管を使用する場合、回転方向にずらされた個々のX線管によって得られる検出器データを、模範的には全体として2つのX線管の4分の1回転が1つのX線管の半回転に相当するように合成することができる。
【0019】
本発明によるシステムにおいても、プレスキャン中に造影剤で十分に満たされたことを認識するためのプログラムが設けられるとよい。このプログラムは、画像認識法により、特にコントラスト跳躍の検出によって造影剤で十分に満たされたことを認識し、その後引続いて本来のスパイラルスキャンを自動的に開始させる。
【0020】
前述の方法に対応して、システムも、心拍数を決定するためにECGまたは患者の脈拍に対する圧力センサを有するとよい。ECGまたは圧力センサによって、現在の心拍数は、造影剤注入が既に行なわれた状態においてスパイラルスキャンの開始時に検出される。この心拍数測定から、心臓の画像化のための周期時相を必ずしも導き出さなければならないわけではないが、そうしてもよい。このための代替として、例えばキモグラムを使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下において、本発明を有利な実施例に基づいて図面を参照しながら更に詳しく説明する。
図1は心臓スパイラルスキャンを実施するための本発明によるシステムを示し、
図2は本発明による方法の方法経過図を示し、
図3は注入個所における造影剤の流れの経過を示し、
図4は心臓動脈における造影剤の濃度経過を示す。
【0022】
図面においては、本発明の理解のために必要な特徴のみが示され、次の符号が使用されている。1:心臓運動のコンピュータ断層撮影表示システム、2:X線管、3:検出器、4:システム軸線、5:ECG線、6:移動可能な患者寝台、7:患者、8:注入器の制御線、9:制御および計算ユニット、10:CTの制御およびデータ線、11:注入器、12:造影剤注入管、21:造影剤注入の開始、22:プレスキャン、23:心臓における十分な造影剤濃度に関する判定、24:心拍数の測定ならびに最適な送り速度およびスパイラルスキャン時間の算出、25:スパイラルスキャンの開始、26:造影剤の流れの早期遮断、27:スパイラルスキャンの終了、28:再構成およびCT画像シ−ケンス出力、31:造影剤の流れの経過、32:心臓内の造影剤の濃度経過、33:造影剤最適閾値、I:第1の動作モード、II:第2の動作モード、C:造影剤濃度、E:スパイラルスキャンの終了、S:スパイラルスキャンの開始、t:時間、Φ:造影剤の流れ、Δt:遅れ時間。
【0023】
図1は本発明によるシステム1を示す。このシステム1は制御および計算ユニット9からなり、この制御および計算ユニット9内には、プログラムPrg1〜Prgnを有するデータメモリが存在し、システム全体の本発明による制御およびデータ処理が実行される。しかしながら、もちろん、本発明の範囲内において、個々の方法ステップおよび制御任務を異なるコンピュータに配分することもできる。ここに示された制御および計算ユニット9は制御およびデータ線10を介して本来のCTに接続されている。CTはX線管2およびこれに対向する検出器3を有し、X線管2および検出器3はガントリに固定され、患者スキャンのために円軌道上を移動される。このスキャン過程中に、システム軸線4の方向に移動可能な患者寝台6上にいる患者7がシステム軸線4の方向に移動されるので、結局は患者座標系に対して相対的にスパイラルスキャンが行なわれる。本発明によるシステム1は、付加的に、制御および計算ユニット9内に組み込まれECG線5を介して患者7の心拍数を走査するECGを有する。更に、制御および計算ユニット9によって制御線8を介して造影剤ポンプを内蔵した注入器11が操作される。この注入器11は、示されている造影剤注入管12を介して、必要な造影剤を予め定められた流速で患者7の血液循環路内に注入する。本発明によれば、制御および計算ユニット9内に格納されているプログラムPrg1〜Prgnによって、まず、いわゆる心臓動脈のプレスキャンが実施可能になる距離だけ患者7がCTのX線路内に送り込まれる。このプレスキャンの際、検査にとって重要な動脈に造影剤が満ちたことを決定するために、患者7の送りが行なわれないで、一平面においてのみ少量の線量出力で心臓の断層画像が作成される。患者7が正しいプレスキャン位置にあるならば、注入器11を介して造影剤が予め定められた流速で注入され、そして操作者によって、再構成されて画面に出力された断層画像に基づいて、いつ被観察心臓動脈に十分に造影剤が満ちたかが決定されるか、または相応のプログラムによって自動的な画像処理を介して、再構成された画像において動脈の良好な表示にとって十分なコントラストが存在しているか否かが決定される。この方法は本発明によるシステム1の第1の動作モードに相当する。造影剤が十分に満ちた状態が存在することをシステムまたは操作者が決定するや否や、患者7の現在の心拍数が測定され、この心拍数に基づいて最適な送り速度が決定される。しかも、ガントリの回転周波数およびX線路のファン幅に関連して、心臓は、作成された画像の所望の時間分解能に応じて、心臓の全ての個所も全ての心時相も十分に、しかし過剰にではなく走査される。
【0024】
この最適な送り速度の算出中に患者は既にシステム1の第2の動作モードに相当する次のスパイラルスキャンのための開始位置に送り込まれるので、正しい送り速度の認識後に即刻、本来のスパイラルスキャンが開始できる。同時に心臓部位の走査の終了時点も既知であるので、今や造影剤の注入から心臓内への造影剤の到着までの既知の時間遅れに応じて、本来のスパイラルスキャンが終了する前に造影剤の流れが止められる。なぜならば、惰行によって、残りのスパイラルスキャンにとってなおも十分な造影剤が患者の体内に存在するからである。
【0025】
この最適化された方法によって、一方では患者のX線被曝が従来の方法に比べて10%低減し、同時に、短縮されたスキャン時間に応じて、注入された造影剤の量もなおも明白に低減する。
【0026】
図2には、もう一度、第1の動作モードIおよび第2の動作モードIIを有する本発明による方法経過が概略的に示されている。第1の動作モードIでは、21で造影剤注入が開始される。更に、心臓動脈に造影剤が十分に満ちたことを検出するために、送りなしの静止状態で患者のプレスキャン22が行なわれる。これに関する判定が23で行なわれ、造影剤濃度が十分でない場合にはプレスキャン22が更に続けられ、これに対して造影剤濃度が十分である場合には第1の動作モードIが終了され、24で患者の現在の心拍数が存在する造影剤の影響下で測定され、同時に最適なできるだけ高速の送り速度のための計算が行なわれる。
【0027】
システムは今や第2の動作モードIIに移行し、この第2の動作モードIIでは25で心臓部位に亘るスパイラルスキャンが開始される。事前計算およびスパイラルスキャンの既知の終了に応じて早期に造影剤の流れの遮断が26で行なわれ、27でスパイラルスキャンが終了する。それによりシステムの第2の動作モードIIが終了する。28で、任意の公知の再構成法でコンピュータ断層撮影の再構成が行なわれ、相応のシ−ケンスを画面に出力することができる。
【0028】
図3および図4は造影剤の早期遮断に関する背景をもう一度明確に示す。図3は時間tに亘ってプロットされた造影剤の流れΦの経過31を示す。注入開始時に比較的高い流速で開始されることが分かる。造影剤の流れは、血液循環路内で安定状態に達した後に低減され、時間軸上に開始がSでかつ終了がEでマークされている本来のスパイラルスキャン時間に亘って十分一定に保たれる。
【0029】
図4には時間軸を一致させて心臓内の造影剤濃度Cの濃度経過32が示されている。造影剤注入が開始されてから、心臓内で濃度上昇して安定状態に達するまでに、時間的な遅れが認識される。画像化において十分なコントラストをもたらす破線で示された造影剤濃度最適値33が超過されたとき、スパイラルスキャンが開始Sで開始され、終了Eまで続行される。スパイラルスキャンの終了時点の正確な認識に基づいて、図3に示されているように、造影剤注入が既知の遅れ時間Δtに従って早期に終了させられるので、スパイラルスキャンの終了直後に造影剤濃度の低下が始まる。
【0030】
なおも指摘しておくに、図4に示された造影剤濃度の低下は誇張されて示されており、実際には若干平坦に経過する。
【0031】
本発明の上述の特徴が、その都度述べた組み合わせのみならず、本発明の範囲を逸脱することなしに、他の組み合わせまたは単独でも使用可能であることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】心臓スパイラルスキャンを実施するための本発明によるシステムの概略図
【図2】本発明による方法の方法経過を示す流れ図
【図3】注入個所における造影剤の流れの経過を示すダイアグラム
【図4】心臓動脈内の造影剤の濃度経過を示すダイアグラム
【符号の説明】
【0033】
1 心臓運動のコンピュータ断層撮影表示システム
2 X線管
3 検出器
4 システム軸線
5 ECG線
6 移動可能な患者寝台
7 患者
8 注入器の制御線
9 制御および計算ユニット
10 CTの制御およびデータ線
11 注入器
12 造影剤注入管
21 造影剤注入の開始
22 プレスキャン
23 心臓における十分な造影剤濃度に関する判定
24 心拍数の測定ならびに最適な送り速度およびスパイラルスキャン時間の算出
25 スパイラルスキャンの開始
26 造影剤の流れのスパイラルスキャン終了前遮断
27 スパイラルスキャンの終了
28 再構成およびCT画像シ−ケンス出力
31 造影剤の流れの経過
32 心臓内の造影剤の濃度経過
33 造影剤最適閾値
I 第1の動作モード
II 第2の動作モード
C 造影剤濃度
E スパイラルスキャンの終了
S スパイラルスキャンの開始
t 時間
Φ 造影剤の流れ
Δt 遅れ時間
【出願人】 【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【出願日】 平成18年4月17日(2006.4.17)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖

【公開番号】 特開2006−297091(P2006−297091A)
【公開日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願番号】 特願2006−112969(P2006−112969)