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【発明の名称】 内視鏡
【発明者】 【氏名】宮城 隆康
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパスメディカルシステムズ株式会社内

【氏名】三好 弘晃
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパスメディカルシステムズ株式会社内

【要約】 【課題】2つの湾曲部を有する内視鏡において、内蔵物が座屈したり、接触によるダメージを受けないようにした内視鏡を実現する。

【解決手段】本発明の内視鏡は、先端部から基端部に向かって順に第1湾曲部24と第2湾曲部25とが設けられた挿入部11を有する。さらに、挿入部11の軸方向において第1湾曲部24と第2湾曲部25のある範囲に亘って、挿入部11の内側に挿通された内蔵物を覆うように設けられ、第1の硬度を有する第1の保護チューブ111aと、第1の保護チューブの基端部に連設され、内蔵物を覆うように設けられ、かつ第1の硬度よりも低い第2の硬度を有する第2の保護チューブ111bとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部から基端部に向かって順に第1湾曲部と第2湾曲部とが設けられた挿入部を有する内視鏡であって、
前記挿入部の軸方向において前記第1湾曲部と前記第2湾曲部のある範囲に亘って、前記挿入部の内側に挿通された内蔵物を覆うように設けられ、第1の硬度を有する第1の保護チューブと、
該第1の保護チューブの基端部に連設され、前記内蔵物を覆うように設けられ、かつ前記第1の硬度よりも低い第2の硬度を有する第2の保護チューブとを有することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記第2の保護チューブは、前記挿入部の挿入軸に沿った断面の形状が内周面側においてテーパ面が形成された基端面を有することを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
【請求項3】
先端部から基端部に向かって順に第1湾曲部と第2湾曲部とが設けられた挿入部と、
前記挿入部の軸方向において前記第1湾曲部と前記第2湾曲部のある範囲に亘って、前記挿入部の内側に挿通された内蔵物を覆うように設けられた密巻きのスプリングとを有することを特徴とする内視鏡。
【請求項4】
前記密巻きのスプリングの基端部に連設され、前記内蔵物を覆う、疎巻きのスプリングを有することを特徴とする請求項3記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関し、特に、2つの湾曲部を有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡は医療分野及び工業分野で広く用いられている。内視鏡、特に挿入部が軟性な内視鏡は、屈曲した機械の内部等や胃腸その他の体腔内に挿入することができる。内視鏡は、立体的に複雑に屈曲した細い管腔内へその形状に沿って細長な挿入部を挿入できるように、軟性な内視鏡は、挿入部を立体的に細かく屈曲する必要がある。
【0003】
そのため、例えば、細長な挿入部の先端側に複数の関節駒を回動自在に連設した第1湾曲部及びこの第1湾曲部の基端側に連設した第2湾曲部の2ヶ所の湾曲部を軟性な可撓管部の先端部に連設して設けた内視鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003-93330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、2つの湾曲部内には、ライトガイド、送気送水用チャネルの管路、撮像素子からの信号線等の各種内蔵物が挿通されている。そして、2つの湾曲部がそれぞれ独立して湾曲操作されるため、内蔵物の座屈及び内蔵物同士の接触によるダメージの問題があった。
【0005】
具体的には、例えば、第1湾曲部における湾曲方向と第2湾曲部における湾曲方向が反対方向になるとき、第1湾曲部の湾曲部分の湾曲半径の内径側に位置する内蔵物は第1湾曲部から第2湾曲部に押し出される力が働くが、その内蔵物は、第2湾曲部において第2湾曲部から第1湾曲部に向けて押し出される力が働くため、これらの2つの力がぶつかり合うことによって、その内蔵物に圧縮力が発生して座屈するおそれがあった。さらに、この圧縮力は、2つの湾曲部内において内蔵物が径方向に移動する際に、径方向に大きな力を加えることとなるため、内蔵物同士が強い力で押圧されたり、内蔵物が挿入部の内壁に強い力で押圧されるため、内蔵物にそのときの接触によるダメージが発生するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、2つの湾曲部を有する内視鏡において、内蔵物が座屈したり、接触によるダメージを受けないようにした内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内視鏡は、先端部から基端部に向かって順に第1湾曲部と第2湾曲部とが設けられた挿入部を有する内視鏡であって、前記挿入部の軸方向において前記第1湾曲部と前記第2湾曲部のある範囲に亘って、前記挿入部の内側に挿通された内蔵物を覆うように設けられ、第1の硬度を有する第1の保護チューブと、該第1の保護チューブの基端部に連設され、前記内蔵物を覆うように設けられ、かつ前記第1の硬度よりも低い第2の硬度を有する第2の保護チューブとを有する。
【発明の効果】
【0008】
2つの湾曲部を有する内視鏡において、内蔵物が座屈したり、接触によるダメージを受けないようにした内視鏡を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施の形態により図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成を示す構成図である。図1に示すように、内視鏡装置1は、図示しない撮像手段を備えた電子内視鏡(以下、単に内視鏡)2と、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、モニタ5とから主に構成される。光源装置3は、内視鏡2に着脱自在に接続され、この内視鏡2に照明光を供給する。ビデオプロセッサ4は、内視鏡2に着脱自在に接続され、内視鏡2の撮像手段を制御すると共に、この撮像手段から得られた信号を処理して標準的な映像信号を出力する。モニタ5は、ビデオプロセッサ4で信号処理して得られた内視鏡画像を画面上に表示する。ビデオプロセッサ4には、図示しないVTRデッキ,ビデオプリンタ,ビデオディスク,画像ファイル記録装置などが接続できるようになっている。
【0010】
内視鏡2は、観察対象部位へ挿入する細長の挿入部11と、この挿入部11の基端部に連設され、後述する第1,第2湾曲部の湾曲操作などが可能な操作部12aを有する把持部12と、この把持部12の側面より延設され、図示しない撮像手段に接続する信号ケーブルや照明光を伝達するライトガイドなどを内蔵したコード部であるユニバーサルコード13と、このユニバーサルコード13の端部に設けられ、光源装置3及びビデオプロセッサ4に着脱自在に接続されるコネクタ部14とを有している。
【0011】
挿入部11は、先端に設けられた先端部21と、この先端部21の基端部に設けられた湾曲自在の湾曲部22と、この湾曲部22の基端部に設けられ、軟性の管状の部材より形成される長尺で可撓性を有する可撓管部23とが、先端から順に連設されることによって構成されている。
【0012】
先端部21は、撮像手段としてのCCDなどの図示しない固体撮像素子及びこの固体撮像素子を駆動するための回路基板などが組み込まれた撮像部や、体腔内の観察対象部位を照明するための照明光を伝達する図示しないライトガイドなどを内蔵して構成されている。先端部21の構成については、後述する。
【0013】
湾曲部22は、先端側の湾曲部(以下、第1湾曲部と称す)24と、基端側の湾曲部(以下、第2湾曲部と称す)25の、二つの湾曲部より構成されている。
【0014】
把持部12の操作部12aには、第1湾曲部24と第2湾曲部25とをそれぞれ独立して湾曲操作可能なように、第1湾曲部24の湾曲操作を行なうための第1湾曲操作部42と、第2湾曲部25の湾曲操作を行なうための第2湾曲操作部44とが設けられている。第1湾曲操作部42は、上下左右の4方向の湾曲操作を行なうための第1湾曲操作ノブ42aと、この第1湾曲操作ノブ42aを所望の回転位置で固定するための第1固定レバー42bを有する。第2湾曲操作部44は、上下左右の4方向の湾曲操作を行なうための第2湾曲操作ノブ44aと、この第2湾曲操作ノブ44aを所望の回転位置で固定するための第2固定レバー44bを有する。
【0015】
また、操作部12aには、観察画像のフリーズ,レリーズなどを前記ビデオプロセッサ4に対して操作指示するためのリモートスイッチを設けた電気スイッチ部43と、送気、送水、吸引などの操作のための操作ボタン45なども設けられている。
【0016】
図2は、挿入部11の先端側の外観図である。図2に示すように、本実施の形態の挿入部11の湾曲部22は、2つの湾曲部を独立して湾曲させることができるように構成されている。挿入部11は、先端部21と、第1湾曲部(前側湾曲部)24と、接続部22aと、第2湾曲部(後側湾曲部)25と、可撓管部23とが、先端側から基端側に向かって順次形成されている。なお、接続部22aは、第1湾曲部24と第2湾曲部25とを連結する部分である。
【0017】
第1湾曲部24と第2湾曲部25は、それぞれ複数の湾曲駒から構成される。術者は、操作部12aの操作部2の第1湾曲操作ノブ42aと第2湾曲操作ノブ44aとを操作して、湾曲駒に接続されたワイヤが牽引あるいは弛緩させることによって、図2に示すように、第1湾曲部24と第2湾曲部25をそれぞれ所望の方向に湾曲させることができる。
【0018】
図3は、挿入部11の先端部21の構成を示す断面図である。先端部21は、ステンレス等の金属製の先端部本体51を有し、先端部本体51には、先端部本体51の先端面と先端側外周面を覆う、ポリサルフォン等の電気絶縁性の材料からなる絶縁カバー52が被嵌されている。
【0019】
図3に示すように、先端部本体51には、撮像ユニットIPUと、2つのライトガイドLG1,LG2と、送気送水用ノズル部P等が設けられ、湾曲部22内には種々の内蔵物が挿通している。キャップ状の絶縁カバー52には、撮像ユニットIPU、ライトガイドLG1,LG2、ノズル等が先端部21の先端面から露出するための複数の孔部が設けられている。ここでは、ライトガイドLG1は、ライトガイドLG2よりも径が大きい。
【0020】
撮像ユニットIPUは、対物レンズ部61と、CCD等の固体撮像素子とその回路が含まれる回路部62と、回路部62に接続された信号線部63とから構成される。ライトガイドLG1及びLG2は、それぞれ照明用レンズ部71及び81と、複数の光ファイバが束ねられたファイバ部72及び82とから構成される。従って、種々の方向に湾曲する第1湾曲部24と第2湾曲部25内には、内蔵物として、撮像ユニットIPUの信号線部63、ライトガイドLG1及びLG2のファイバ部72及び82、ノズルに接続されたチャンネルチューブ91が、挿通している。よって、湾曲部22が種々の方向に湾曲するとき、内蔵物に掛かる圧縮力による座屈が生じたり、あるいは内蔵物同士が強い力で押圧されることによるダメージを受けやすい。従って、本実施の形態では、2つの湾曲部の部分において内蔵物を、硬度の比較的高い部材により覆って保護している。
【0021】
以下、内蔵物として、ライトガイドLG2のファイバ部82を例にして、保護部材により内蔵物を保護する構成について説明するが、他の内蔵物である、撮像ユニットIPUの信号線部63、ライトガイドLG1のファイバ部72、ノズルのチャンネルチューブ91も同様の構成により保護することができる。
【0022】
図4は、内蔵物であるファイバ部82とファイバ部82を保護する保護部材の構成を示す断面図である。ファイバ部82の先端部には、円筒形の金属性の口金101が設けられており、口金101の内側に細い光ファイバの束83が嵌挿されている。ライトガイドLG2の先端部に設けられた照明用レンズ部81(図3参照)に、口金101に嵌挿された光ファイバの束83の先端部の端面が対向して当接するように配置される。
【0023】
光ファイバの束83は、その軸方向の全体に渡って、シリコンチューブ110によって覆われている。すなわち、複数本の光ファイバの束83は、シリコンチューブ110によって束ねられて、ばらけないようになっている。シリコンチューブ110の先端部は、口金101の基端部の一部を覆っている。
【0024】
さらに、チューブ状の湾曲部保護部材111が、口金101の基端部から、可撓管部23の先端部の奥の内側部まで、ファイバ部82を覆うように設けられている。湾曲部保護部材111の先端部は、口金101の外周部に設けられた周状凸部を覆うように被せられ、湾曲部保護部材111の先端部の外周面111dには糸縛り処理がされ、かつ接着剤も塗布されることによって、口金101の基端部に固定される。湾曲部保護部材111の基端部は、可撓管部23の先端部の奥の内側部まで、所定の長さに渡ってファイバ部82を覆っている。従って、湾曲部保護部材111は、挿入部11の内側において、少なくとも第1湾曲部24と第2湾曲部25のある範囲に亘って内蔵物であるファイバ部82を覆っている。
【0025】
具体的には、湾曲部保護部材111は、弗素樹脂、例えば4弗化フルオロエチレン等からなり、それぞれが円筒形状の2つの保護チューブ111a、111bから構成されている。第1の保護チューブ111aは、比較的硬い材料である、充実した(多孔質でない)弗素樹脂、例えばテフロン(登録商標)等である。第2の保護チューブ111bは、第1の保護チューブ111aより柔らかい材料、すなわち第1の保護チューブ111aの高度よりも低い硬度を有する材料である、多孔質の弗素樹脂、例えばゴアテックス(登録商標)等である。第1の保護チューブ111aより柔らかい第2の保護チューブ111bは、第1湾曲部24と第2湾曲部25の湾曲に対応して、柔軟に屈曲し、比較的硬い第1の部分111aは、適度な剛性を有して、内蔵物を保護する。言い換えると、内蔵物であるファイバ部82の可撓性よりも低い可撓性を有する、すなわちファイバ部82よりも硬い第1の保護チューブが、第1湾曲部24と第2湾曲部25内の内蔵物を保護する。
【0026】
なお、各保護チューブ111a、111bの内周面とシリコンチューブ110の外周面との隙間dは、0.1mm程度の距離である。
【0027】
第1の保護チューブ111aは、図2に点線で示すように、少なくとも第1湾曲部24と第2湾曲部25のある範囲に亘ってファイバ部82を覆うように、口金101から可撓管部23の先端部の奥の内側部まで被せられている。図2及び図4に示すように、口金101の略中央部に、第1の保護チューブ111aの先端面が位置する。そして、可撓管部23の先端部の内側部に、第1の保護チューブ111aの基端面が位置している。挿入部11の軸方向において、第1の保護チューブ111aの先端面の位置A1から基端面の位置A2までの間に、第1湾曲部24と第2湾曲部25が位置する。そして、第1湾曲部24と第2湾曲部25の内部において、ファイバ部82を覆うように第1の保護チューブ111aが設けられているので、比較的硬い部材である第1の保護チューブ111aは、第1湾曲部24と第2湾曲部25内において内蔵物であるファイバ部82が座屈したり、接触によるダメージを受けたりしないように保護する。
【0028】
一方、第2の保護チューブ111bは、第1の保護チューブ111aの基端部に接続されて設けられている。図2及び図4に示すように、第2の保護チューブ111bは、その先端面の位置A2から、基端面の位置A3までに亘ってファイバ部82を覆って保護する。
【0029】
なお、第1の保護チューブ111aと第2の保護チューブ111bとを接続するために、第1の保護チューブ111aと第2の保護チューブ111bの接続部となる部分に、光ファイバの束83を覆うように、接続用の金属製のパイプ113が被せられている。図4に示すように、位置A2における接続用パイプ113の外周部において、第1の保護チューブ111aの基端面と第2の保護チューブ111bの先端面とは、例えばエポキシ系の接着剤によって接着されて、互いに接続され固定される。なお、第1の保護チューブ111aと第2の保護チューブ111bとは熱溶着によって接続するようにしてもよい。
【0030】
第2の保護チューブ111bは、第1湾曲部24と第2湾曲部25が湾曲すると、硬い第1の保護チューブ111aの近傍において、薄く軟らかいシリコンチューブ110で被服された光ファイバの束83が座屈したり、シリコンチューブ110に他の内蔵物が当たって傷つけられることを防止するためである。
【0031】
なお、第2の保護チューブ111bの長さは、シリコンチューブ110が第2の部分111bの内側において先端方向に引き込まれたときに、シリコンチューブ110の引き込み量を、吸収できる長さを有していればよく、例えば5cmである。
【0032】
図5は、第1及び第2の保護チューブの基端面の断面形状を示す断面図である。図5の(A)に示すように、第2の保護チューブ111bの基端面は、挿入部11の挿入軸に沿った断面の形状が内周面側においてテーパ面が形成されている。このテーパ面は、第2の保護チューブ111bとシリコンチューブ110とが挿入部11の軸方向に移動したときに、第2の保護チューブ111bがシリコンチューブ110を傷つけないようにするためである。また、第2の保護チューブ111bの基端面は、挿入部11の挿入軸に沿った断面の形状が外周面側においてもテーパ面が形成されている。これは、そのテーパ面によって他の内蔵物へのダメージを低減するためである。
【0033】
さらに、図5の(B)に示すように、第1の保護チューブの基端面と第2の保護チューブ111bの先端面には、それぞれ挿入部11の挿入軸に沿った断面の形状が内周面側と外周面側においてテーパ面が形成されている。第1の保護チューブの基端面と第2の保護チューブ111bの先端面とは接着剤によって接続されるので、これらのテーパ面によって形成される窪みに接着剤を保持して、接着剤によってシリコンチューブ110を傷つけたり、他の内蔵物へのダメージを与えないようにするためである。
【0034】
なお、上述した保護チューブ111は、2つの部材から構成されて接着剤によって接続されている。2つの部材が接続されて連設されているが、1つの部材で形成されていてもよい。例えば、4弗化エチレン樹脂等の多孔質部材のチューブの一部を、例えば加熱、またはゴム等を含浸、塗布などすることによって、充実なものすることができる。従って、1つの多孔質部材の一部を加熱等することによって、充実なもの(すなわち多孔質でなくして孔のない詰まった状態のもの)にすることによって、第1の保護チューブとし、その他の部分は多孔質の状態のままとして第2の保護チューブとすることができる。このような1つの部材であって、一部は充実な部分であり、その他の部分は多孔質な部分となる。すなわち、1つの部材を、保護チューブ111の第1の保護チューブ111aに対応する充実な部分と、第2の保護チューブ111bに対応する多孔質な部分として、利用することができる。
【0035】
なお、上述したように、内蔵物として、ライトガイドLG2のファイバ部82を例にして、保護部材により内蔵物を保護する構成について説明したが、他の内蔵物である、撮像ユニットIPUの信号線部63、ライトガイドLG1のファイバ部72、ノズルのチャンネルチューブ91も同様の構成により保護することができる。
【0036】
なお、ライトガイドLG1は、ライトガイドLG2よりも太いので、ライトガイドLG1に設けられる第1の保護チューブは、ライトガイドLG2に設けられる第1の保護チューブ111aよりも硬度は低くてもよい。
【0037】
上述したように、第1湾曲部と第2湾曲部が湾曲しても、2つの湾曲部内の内蔵物は、比較的硬度の高い第1の保護チューブ111aによっては、座屈等しないように保護される。
【0038】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、まず、内蔵物保護部材として、第1の保護チューブの代わりに、密巻きのスプリングを用いた点が、第1の実施の形態と異なる。さらに、内蔵物保護部材として、第2の保護チューブの代わりに、粗巻きのスプリングを用いた点が、第1の実施の形態と異なる。他の構成要素は、第1の実施の形態と同じであるので、同一の符号を付して説明は省略する。
【0039】
図6は、内蔵物であるファイバ部とファイバ部を保護する保護部材の構成を示す断面図である。内蔵物保護部材121は、第1の保護部材としての密巻きのスプリング121aと、第2の保護部材としての疎巻きのスプリング121bとからなる。各スプリングは、断面が略円形の金属製の素線が、らせん状に巻かれるようにして形成されている。
【0040】
スプリング121aは、先端部に内径が小さく、段になっている部分(以下、段付き部分という)121cを有する。シリコンチューブ110によって覆われた光ファイバの束83を、口金101の側をスプリング121aの基端部側から挿入したときに、段付き部分121cの内周面の段部が、口金101の外周部に設けられた周状凸部に当接してひっかるように、内径が小さくなっている段付き部分121cが、スプリング121aの先端部に設けられている。なお、図6では、段付き部分121cは、密巻きであるが、段付き部分121cは、疎巻きであってもよい。段付き部分121cは、接着剤により口金101に固定される。
【0041】
スプリング121aの基端部には、疎巻きのスプリング121bが連設されている。密巻きとは、螺旋状の素線が違いに密着して接するように巻かれていることをいい、疎巻きとは、螺旋状の素線が互いに離間して接することがないように巻かれていることをいう。
【0042】
密巻きのスプリング121aは、第1の実施の形態の第1の保護チューブ111aと同様に、図2に点線で示すように、少なくとも第1湾曲部24と第2湾曲部25のある範囲に亘ってファイバ部82を覆うように、口金101から可撓管部23の先端部の奥の内側部まで被せられている。図2及び図4に示すように、口金101の略中央部に、密巻きのスプリング121aの先端面が位置し、可撓管部23の先端部の内側部に、密巻きのスプリング121aの基端面が位置している。挿入部11の軸方向において、密巻きのスプリング121aの先端面の位置A1から基端面の位置A2までの間に、第1湾曲部24と第2湾曲部25が位置する。そして、第1湾曲部24と第2湾曲部25の内部において、ファイバ部82を覆うように密巻きのスプリング121aが設けられているので、比較的硬い部材である密巻きのスプリング121aは、第1湾曲部24と第2湾曲部25内において内蔵物であるファイバ部82が座屈したり、接触によるダメージを受けたりしないように保護する。
【0043】
疎巻きのスプリング121bは、密巻きのスプリング121aの基端部に連続して設けられている。内蔵物保護部材121は、1つの密巻きのスプリング部材の基端部を、一部が疎巻きとなるようにして形成される。図2及び図4に示すように、疎巻きのスプリング121bは、密巻きのスプリング121aの基端部の位置A2から可撓管部23の所定の位置A3までに亘って内蔵物を覆って保護する。
【0044】
なお、密巻きのスプリング121aと疎巻きのスプリング121bと別体で構成し、互いに接続するために、第1の実施の形態と同様に、密巻きのスプリング121aと疎巻きのスプリング121bの接続部となる部分に、光ファイバの束83を覆うように、接続用の金属製のパイプを被せるように設け、接続用パイプの外周部において、密巻きのスプリング121aの基端部と疎巻きのスプリング121bの先端部とを、例えばエポキシ系の接着剤によって接着されて、互いに接続して固定するようにしてもよい。
【0045】
疎巻きのスプリング121bは、第1湾曲部24と第2湾曲部25が湾曲すると、硬い密巻きのスプリング121aの近傍において、薄く軟らかいシリコンチューブ110で覆われた光ファイバの束83が座屈したりして、シリコンチューブ110が傷つくことを防止するためである。なお、疎巻きのスプリング121bの長さは、例えば5cmである。
【0046】
また、図7のように、内蔵物保護部材121は、密巻きのスプリング121aのみから構成してもよい。図7は、本発明の第2の実施の形態に係わる保護部材の他の例の構成を示す断面図である。密巻きのスプリング121aのみでも、第1湾曲部24と第2湾曲部25内において、その内蔵物を保護できるからである。
【0047】
さらにまた、密巻きスプリング121aと疎巻きスプリング121bは、共に断面が略円形形状であるため、第1湾曲部24と第2湾曲部25内において湾曲して他の内蔵物に接触したときに、他の内蔵物へ与えるダメージが小さい。
【0048】
上述したように、第2の実施の形態によれば、第1湾曲部と第2湾曲部が湾曲しても、2つの湾曲部内の内蔵物は、比較的硬度の高い密巻きのスプリング121aによっては、座屈等しないように保護される。
【0049】
以上のように、2つの実施の形態で説明した内蔵物保護部材によれば、2つの湾曲部を有する内視鏡において、2つの湾曲部内の内蔵物を湾曲時に生じる圧縮力等から保護することができる。
【0050】
ところで、2つの湾曲部がそれぞれ湾曲することによって、各湾曲部内では、内蔵物が径方向において大きく移動する。そのために、ライトガイド等の強度的に弱い内蔵物を保護するために、ダミーチューブを挿入部内に設けるようにしてもよい。
【0051】
図8は、ダミーチューブを有する湾曲部の内部構成の例を説明するための断面図である。図8は、第1湾曲部の断面を示し、第1湾曲部130内には、上述したように、内蔵物として、撮像ユニットIPUの信号線部131、ライトガイドのファイバ部132,133、ノズルのチャンネルチューブ134が挿通している。また、図8の場合に示すように、第1湾曲部130内には、第1湾曲部130の4つの湾曲方向(上下左右方向)に湾曲させるためのワイヤ135と、処置具等用の2つのチャンネル136,137が挿通している。
【0052】
さらにまた、各内蔵物、あるいは内蔵物を通すチューブの間の隙間に、ダミーチューブ138が挿通されている。ダミーチューブ138は、テフロン(登録商標)等のチューブ体である。ダミーチューブ138の先端部は、先端部本体に形成された穴部に接着剤等によって固定されている。
【0053】
ダミーチューブ138は、内蔵物間を埋めるように配置されるので、内蔵物の径方向の移動を制限する径方向移動制限部材として機能する。その結果、各内蔵物の径方向の移動が制限されるので、ライトガイド等の強度的に弱い内蔵物が、他の内蔵物によって挟まれることによって生じるダメージを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる挿入部の先端側の外観図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる挿入部の先端部の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係わる保護部材の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係わる第1及び第2の保護チューブの基端面の断面形状を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わる保護部材の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係わる保護部材の他の例の構成を示す断面図である。
【図8】ダミーチューブを有する湾曲部の内部構成の例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 内視鏡装置、2 電子内視鏡、3 光源装置、4 ビデオプロセッサ、5 モニタ、11 挿入部、12 把持部、12a 操作部、21 先端部、23 可撓管、24 第1湾曲部、25 第2湾曲部、62 回路部、63 信号線部、72,82 ファイバ部、101 口金、111,121 保護部材、111a 第1の保護チューブ、111b 第2の保護チューブ、121a 密巻きスプリング、121b 疎巻きスプリング、121c 段付き部分
代理人 弁理士 伊 藤 進
【出願人】 【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進

【公開番号】 特開2006−263234(P2006−263234A)
【公開日】 平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願番号】 特願2005−87026(P2005−87026)