| 【発明の名称】 |
核医学診断装置およびそれに用いられる診断システム |
| 【発明者】 |
【氏名】今西 達 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】水田 哲郎 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
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| 【要約】 |
【課題】対象部位の断面積を容易に求めることができる核医学診断装置およびそれに用いられる診断システムを提供することを目的とする。
【解決手段】被検体Mの外部にある点線源4について、その点線源4から照射されて被検体Mを透過したγ線により求められた形態情報(吸収補正データ)に基づいて、断面積導出部12は対象部位の断面積を求める。この形態情報を利用して対象部位の断面積を容易に求めることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体の核医学用の断層画像を求めるとともに、被検体の外部にある放射線源について、その放射線源から照射されて被検体を透過した放射線に基づいて形態情報を求める核医学診断装置であって、前記形態情報に基づいて放射線が透過した対象部位の断面積を求める断面積算出手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。 【請求項2】 請求項1に記載の核医学診断装置において、前記断面積算出手段によって求められた対象部位の断面積、および前記放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線について、その放射線の検出量に基づいて、診断データの収集に関するデータ収集条件を設定変更するデータ収集条件設定手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。 【請求項3】 請求項2に記載の核医学診断装置において、前記データ収集条件は、被検体を載置する天板の移動速度であって、前記データ収集条件設定手段は、前記対象部位の断面積および前記放射線の検出量に基づいて前記天板の移動速度を設定変更することを特徴とする核医学診断装置。 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載の核医学診断装置において、前記装置は、前記放射線源を備え、放射線源は前記放射性薬剤と同じ放射線を照射することを特徴とする核医学診断装置。 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載の核医学診断装置に用いられる診断システムであって、前記システムは、核医学診断装置とX線CT装置とを備えて構成されており、前記核医学診断装置は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体の核医学用の断層画像を求め、前記X線CT装置は、被検体の外部から照射されて被検体を透過したX線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体のX線CT用の断層画像を求め、前記核医学診断装置は、前記X線CT装置で用いられるX線に基づいて形態情報を求め、その形態情報に基づいて放射線が透過した対象部位の断面積を求める断面積算出手段を備えることを特徴とする診断システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体の核医学用の断層画像を求める核医学診断装置およびそれに用いられる診断システムに係り、被検体の外部にある放射線源について、その放射線源から照射されて被検体を透過した放射線に基づいて形態情報を求める技術に関する。 【背景技術】 【0002】 上述した核医学診断装置、すなわちECT(Emission Computed Tomography)装置として、PET(Positron Emission Tomography)装置を例に採って説明する。PET装置は、陽子(Positron)、すなわちポジトロンの消滅によって発生する複数本のγ線を検出して複数個の検出器でγ線を同時に検出したときのみ被検体の断層画像を再構成するように構成されている。 【0003】 このPET装置では、放射性薬剤を被検体に投与した後、対象組織における薬剤蓄積の過程を経時的に測定することで、様々な生体機能の定量測定が可能である。したがって、PET装置によって得られる断層画像は機能情報を有する。 【0004】 しかしながら、上述した断層画像では位置情報などの形態情報については乏しい。そこで、形態情報を取得する手段として、外部線源から照射されて被検体を透過したγ線に基づいて得られた吸収補正データ(『トランスミッションデータ』とも呼ばれる)を利用する。 【0005】 ところで、PET装置で投影データや断層画像といった診断データを収集する際には、被検体を載置する天板を移動させて走査することで、走査範囲の撮像部位のデータを得る。この天板の移動速度は常に一定である。被検体の全身を撮像部位とする場合には、被検体の頭部から足までを走査範囲として、天板を一定の速度で移動させる(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開平8−313636号公報(第2,3頁、図1) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、PET装置による撮像では、上述したように放射性薬剤が投与された被検体から発生したγ線による投影データ(『エミッションデータ』とも呼ばれる)に基づいて行われるが、撮像の対象部位によりγ線などに代表される放射線量が異なる。したがって、再構成された断層画像のS/N比は対象部位ごとに異なる。そこで、被検体の対象部位の断面積を求めて、その断面積に基づいてデータ収集条件を変えることが重要になる。しかし、PET装置などの核医学診断装置単独では形態情報が乏しいので、機能情報のみでは被検体の部位を判定することが難しい。 【0007】 この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、対象部位の断面積を容易に求めることができる核医学診断装置およびそれに用いられる診断システムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、次のような知見を得た。 すなわち、上述した吸収補正データ(トランスミッションデータ)に着目してみた。本来、吸収補正データは、PET用のデータ(投影データ)の吸収補正を行うためのものであるが、吸収補正データ自身が形態情報を有している。そこで、PET装置などの核医学診断装置単独では形態情報が乏しいが、上述した形態情報を利用して、対象部位の断面積を求めるという知見を得た。 【0009】 この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。 すなわち、請求項1に記載の発明は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体の核医学用の断層画像を求めるとともに、被検体の外部にある放射線源について、その放射線源から照射されて被検体を透過した放射線に基づいて形態情報を求める核医学診断装置であって、前記形態情報に基づいて放射線が透過した対象部位の断面積を求める断面積算出手段を備えることを特徴とするものである。 【0010】 [作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、被検体の外部にある放射線源について、その放射線源から照射されて被検体を透過した放射線により求められた形態情報に基づいて、断面積算出手段は放射線が透過した対象部位の断面積を求める。この形態情報を利用して対象部位の断面積を容易に求めることができる。 【0011】 上述した発明の一例は、上述した断面積算出手段によって求められた対象部位の断面積、および放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線について、その放射線の検出量に基づいて、診断データの収集に関するデータ収集条件を設定変更するデータ収集条件設定手段を備えることである(請求項2に記載の発明)。データ収集条件を、対象部位の断面積に応じて変えるとデータ収集を効率よく、かつ断層画像のS/N比を均一にすることができるが、より均一にするには、放射線の検出量にも基づいてデータ収集条件を変えるのがより好ましい。そこで、請求項2に記載の発明のように、データ収集条件設定手段が、対象部位の断面積および放射線の検出量の両方に基づいてデータ収集条件を設定変更することで、断層画像のS/N比をより一層均一にすることができる。 【0012】 上述したデータ収集条件の一例は、被検体を載置する天板の移動速度であって、上述したデータ収集条件設定手段は、対象部位の断面積および放射線の検出量に基づいて天板の移動速度を設定変更する(請求項3に記載の発明)。この場合には、同じ放射線の検出量において断面積が大きい対象部位では天板の移動速度を遅くし、断面積が小さい対象部位では天板の移動速度を速くすることで、断層画像のS/N比を均一にする。また、同じ断面積において放射線の検出量が多いほど天板の移動速度を速くし、放射線の検出量が少ないほど天板の移動速度を遅くすることで、断層画像のS/N比を均一にする。 【0013】 上述したこれらの発明の一例において、核医学診断装置は、上述した放射線源を備え、放射線源は上述した放射性薬剤と同じ放射線を照射する(請求項4に記載の発明)。この一例の場合、核医学診断装置が放射線源を備え、放射線源が放射性薬剤と同じ放射線を照射して被検体を透過することで、その放射線に基づいて形態情報を求める。そして、この形態情報を利用して対象部位の断面積を求める。 【0014】 また、上述した発明に係る核医学診断装置に用いられる診断システムに適用してもよい。すなわち、この診断システムは、核医学診断装置とX線CT装置とを備えて構成されており、核医学診断装置は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体の核医学用の断層画像を求め、X線CT装置は、被検体の外部から照射されて被検体を透過したX線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体のX線CT用の断層画像を求め、核医学診断装置は、X線CT装置で用いられるX線に基づいて形態情報を求め、その形態情報に基づいて放射線が透過した対象部位の断面積を求める断面積算出手段を備える(請求項5に記載の発明)。このシステムの場合、X線CT装置において、被検体の外部から照射されて被検体を透過したX線に基づいて投影データを求め、その投影データを再構成して被検体のX線CT用の断層画像を求める際に用いられるX線を利用し、このX線に基づいて形態情報を求める。そして、この形態情報を利用して対象部位の断面積を求める。 【発明の効果】 【0015】 この発明に係る核医学診断装置およびそれに用いられる診断システムによれば、被検体の外部にある放射線源について、その放射線源から照射されて被検体を透過した放射線により求められた形態情報に基づいて、断面積算出手段は放射線が透過した対象部位の断面積を求める。この形態情報を利用して対象部位の断面積を容易に求めることができる。 【実施例】 【0016】 以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。 図1は、実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。なお、本実施例では、核医学診断装置として、PET装置を例に採って説明する。 【0017】 本実施例に係るPET装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1を備えている。この天板1は、上下に昇降移動、被検体Mの体軸Zに沿って平行移動するように構成されている。本実施例では、被検体Mの体軸Zに沿った天板1の移動速度を、後述する天板駆動部6で設定変更するように構成されている。このように構成することで、天板1に載置された被検体Mは、後述するガントリ2の開口部2aを通って、頭部から順に腹部、足部へと走査されて、被検体Mの投影データや断層画像といった診断データを得る。 【0018】 天板1の他に、本実施例装置は、開口部2aを有したガントリ2と、互いに近接配置された複数個のシンチレータブロック3aと複数個のフォトマルチプライヤ3bとを備えている。図1(b)に示すように、シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bは、被検体Mの体軸Z周りを取り囲むようにしてリング状に配置されており、ガントリ2内に埋設されている。フォトマルチプライヤ3bは、シンチレータブロック3aよりも外側に配設されている。シンチレータブロック3aの具体的な配置としては、例えば、被検体Mの体軸Zと平行な方向にはシンチレータブロック3aが2個並び、被検体Mの体軸Z周りにはシンチレータブロック3aが多数個並ぶ形態が挙げられる。シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bで後述する投影データ(エミッションデータ)用のγ線検出器3を構成する。 【0019】 また、本実施例では、点線源4と後述する吸収補正データ(トランスミッションデータ)用のγ線検出器5を備えている。吸収補正データ用のγ線検出器5は、投影データ用のγ線検出器3と同様にシンチレータブロックとフォトマルチプライヤとで構成されている。点線源4は、被検体Mに投与する放射性薬剤、すなわち放射性同位元素(RI)と同種の放射線(本実施例ではγ線)を照射させる線源であって、被検体Mの外部に配設されている。本実施例では、ガントリ2内に埋設されている。点線源4は被検体Mの体軸Z周りに回転する。点線源4は、この発明における放射線源に相当する。 【0020】 その他にも、本実施例装置は、天板駆動部6とコントローラ7と入力部8と出力部9と投影データ導出部10と吸収補正データ導出部11と断面積導出部12と吸収補正部13と再構成部14とを備えている。天板駆動部6は、天板1の上述した移動を行うように駆動する機構であって、図示を省略するモータなどで構成されている。 【0021】 コントローラ7は、本実施例装置を構成する各部分を統括制御する。コントローラ7は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。なお、本実施例ではコントローラ7は、後述する断面積導出部12で求められた対象部位の断面積および投影データ用のγ線検出器3で検出されたカウント値に基づいて天板駆動部6を操作することで、天板1の移動速度を設定変更する。コントローラ7は、この発明におけるデータ収集条件設定手段に相当する。またカウント値は、この発明における放射線の検出量に相当する。 【0022】 入力部8は、オペレータが入力したデータや命令をコントローラ7に送り込む。入力部8は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。出力部9はモニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。 【0023】 投影データ導出部10と吸収補正データ導出部11と断面積導出部12と吸収補正部13と再構成部14とは、ROM(Read-only Memory)などで構成される記憶媒体(図示省略)に記憶されたプログラムあるいは入力部8で入力された命令をコントローラ7が実行することで実現され、これらで処理されたデータをRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体(図示省略)に書き込んで記憶し、必要に応じてその記憶媒体から読み出す。 【0024】 放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線をシンチレータブロック3aが光に変換して、変換されたその光をフォトマルチプライヤ3bが光電変換して電気信号に出力する。その電気信号を画像情報(画素)として投影データ導出部10に送り込む。 【0025】 具体的には、被検体Mに放射性薬剤を投与すると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本のγ線が発生する。投影データ導出部10は、シンチレータブロック3aの位置とγ線の入射タイミングとをチェックし、被検体Mを挟んで互いに対向位置にある2つのシンチレータブロック3aでγ線が同時に入射したときのみ、送り込まれた画像情報を適正なデータと判定する。一方のシンチレータブロック3aのみにγ線が入射したときには、投影データ導出部10は、ポジトロンの消滅により生じたγ線ではなくノイズとして扱い、そのときに送り込まれた画像情報もノイズと判定してそれを棄却する。なお、検出されたγ線量をカウント値として、コントローラ7に送り込む。 【0026】 投影データ導出部10に送り込まれた画像情報を投影データとして、吸収補正部13に送り込む。吸収補正部13に送り込まれた投影データに、吸収補正データ導出部11から吸収補正部13に送り込まれた吸収補正データ(トランスミッションデータ)を作用させて、被検体Mの体内でのγ線の吸収を考慮した投影データに補正する。 【0027】 なお、点線源4が被検体Mの体軸Zの周りを回転しながら被検体Mに向けてγ線を照射し、照射されたγ線を吸収補正データ用のγ線検出器5のシンチレータブロック(図示省略)が光に変換して、変換されたその光をγ線検出器5のフォトマルチプライヤ(図示省略)が光電変換して電気信号に出力する。その電気信号を画像情報(画素)として吸収補正データ導出部11に送り込むとともに、断面積導出部12にも送り込む。 【0028】 吸収補正データ導出部11に送り込まれた画像情報に基づいて吸収補正データを求める。吸収補正データ導出部11は、γ線またはX線の吸収係数とエネルギーとの関係を表す演算を利用することで、CT用の投影データ、すなわちX線吸収係数の分布データをγ線吸収係数の分布データに変換して、γ線吸収係数の分布データを吸収補正データとして求める。導出された吸収補正データは上述した吸収補正部13に送られる。 【0029】 断面積導出部12に送り込まれた画像情報に基づいてγ線が透過した対象部位の断面積を求める。本実施例での具体的な断面積に基づく天板1の制御方法については、図2の説明図を参照して後述する。断面積導出部12は、この発明における断面積算出手段に相当する。 【0030】 補正後の投影データを再構成部14に送り込む。再構成部14がその投影データを再構成して、被検体Mの体内でのγ線の吸収を考慮した断層画像を求める。このように、吸収補正部13、再構成部14を備えることで、吸収補正データに基づいて投影データを補正するとともに、断層画像を補正する。補正された断層画像を、コントローラ7を介して出力部9に送り込む。 【0031】 次に、本実施例装置における断面積に基づく天板1の制御方法について、図2の説明図を参照して説明する。図2(a)は、同じ断面積におけるカウント値と天板1の移動速度との関係を模式的に示した説明図、図2(b)は、同じカウント値における断面積と天板1の移動速度との関係を模式的に示した説明図である。なお、本実施例では、これらの関係は全て線形であるとして以下を説明する。 【0032】 図2(a)では、同じ断面積ではカウント値が多くなれば天板1の移動速度を速く設定する関係となっている。図2(b)では、同じカウント値では断面積が大きくなれば天板1の移動速度を遅く設定する関係となっている。これらの関係については、断層画像のS/N比を均一にするように各カウント値や各断面積をそれぞれ変化させるとともに天板1の移動速度をそれぞれ変化させて、これらのカウント値/断面積と移動速度との関係が予め求められている。断面積導出部12で求められた対象部位の断面積がA´、断面積A´での天板1の移動速度がVa´(いずれも図2(b)を参照)、投影データ用のγ線検出器3で検出されたカウント値がC´、カウント値C´での天板1の移動速度がVc´(いずれも図2(a)を参照)とする。カウント値Cのときに設定すべき天板1の移動速度をVcとし、断面積Aのときに設定すべき天板1の移動速度をVaとしたときに、カウント値と断面積とを両方考慮した最終的に設定すべき天板1の移動速度Vは、下記の(1)式で求められる。 【0033】 V=Vset×Vc´/Vc×Va´/Va …(1) なお、Vsetは、投与される放射性薬剤などの検査条件から設定する、代表移動速度である。Vset、Vc´およびVa´は既知であるので、断面積導出部12で対象部位の断面積Aを求めるとともに、投影データ用のγ線検出器3でカウント値Cを検出して求めることで、カウント値と断面積とを両方考慮した最終的に設定すべき天板1の移動速度Vを求めることができる。 【0034】 断面積導出部12で求められた断面積と、γ線検出器3で検出されたカウント値とを、コントローラ7を介して天板駆動部6に送り込む。断面積およびカウント値に基づいてコントローラ7は天板駆動部6を操作して、上記(1)式で求められた天板1の移動速度に設定する。 【0035】 上述の構成を備えた本実施例装置によれば、被検体Mの外部にある点線源4について、その点線源4から照射されて被検体Mを透過したγ線により求められた形態情報(吸収補正データ)に基づいて、断面積導出部12は対象部位の断面積を求める。この形態情報を利用して対象部位の断面積を容易に求めることができる。 【0036】 本実施例では、断面積導出部12によって求められた対象部位の断面積、および放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線について、そのγ線の検出量を示すカウント値の両方に基づいて、コントローラ7がデータ収集条件を設定変更することで、断層画像のS/N比をより一層均一にすることができる。 【0037】 本実施例では、同じカウント値において断面積が大きい対象部位では天板1の移動速度を遅くし、断面積が小さい対象部位では天板1の移動速度を速くする(図2(b)を参照)ことで、断層画像のS/N比を均一にする。また、同じ断面積においてカウント値が多いほど天板1の移動速度を速くし、カウント値が少ないほど天板1の移動速度を遅くする(図2(a)を参照)ことで、断層画像のS/N比を均一にする。 【0038】 この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。 【0039】 (1)上述した実施例では、PET装置を例に採って説明したが、この発明は、単一のγ線を検出して被検体の断層画像を再構成するSPECT(Single Photon Emission CT)装置などにも適用することができる。 【0040】 (2)上述した実施例では、シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bから構成される投影データ用のγ線検出器3が静止したままでγ線を検出する静止型であったが、シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bが被検体Mの周りを回転しながらγ線を検出する回転型でもよい。 【0041】 (3)上述した実施例では、PET装置が点線源4を備え、点線源4が放射性薬剤と同じγ線を照射して被検体Mを透過することで、その放射線に基づいて形態情報として吸収補正データを求めたが、点線源4に代表される放射線源や形態情報については、これに限定されない。例えば、図3に示すように、PET装置とX線CT装置とを備えたPET−CTの診断システムに適用してもよい。 【0042】 X線CT装置は、開口部21aを有したガントリ21とX線管22とX線検出器23とを備えている。X線管22およびX線検出器23は、被検体Mを挟んで互いに対向配置されており、ガントリ21内に埋設されている。X線検出器3を構成する多数個の検出素子は被検体Mの体軸Z周りに扇状に並ぶ。 【0043】 その他にもX線CT装置は、ガントリ駆動部24と高電圧発生部25とコリメータ駆動部26とCT再構成部27とを備えて構成されている。CT再構成部27は、ROM(Read-only Memory)などで構成される記憶媒体(図示省略)に記憶されたプログラムあるいは入力部8で入力された命令をコントローラ7が実行することで実現され、これらで処理されたデータをRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体(図示省略)に書き込んで記憶し、必要に応じてその記憶媒体から読み出す。 【0044】 ガントリ駆動部24は、互いに対向関係を維持させたままX線管22とX線管検出器23とをガントリ21内で被検体Mの体軸Z周りに回転させるように駆動する機構であって、図示を省略するモータなどで構成されている。 【0045】 高電圧発生部25は、X線管22の管電圧や管電流を発生させる。コリメータ駆動部26は、X線の照視野を設定し、X線管22に近接されたコリメータ(図示省略)について水平方向の移動を行うように駆動する機構であって、図示を省略するモータなどで構成されている。 【0046】 間接変換型のX線検出器23の場合には、X線管22から照射されて被検体Mを透過したX線を、X線検出器23内のシンチレータ(図示省略)が光に変換するとともに、変換された光を光感応膜(図示省略)が光電変換して電気信号に出力する。直接変換型のX線検出器23の場合には、X線を放射線感応膜(図示省略)が電気信号に直接的に変換して出力する。その電気信号を画像情報(画素)として、CT再構成部27に送り込む。CT再構成部27に送り込まれる画像情報はCT用の投影データとして伝送される。 【0047】 CT用の投影データは、実施例で述べた吸収補正データと同じように形態情報を有しており、この変形例では、CT用の投影データを吸収補正データとして用いるために吸収補正データ導出部11に送りこむとともに、断面積導出部12にも送り込む。したがって、形態情報の基となる放射線源は、上述した実施例では点線源4であったのに対して、この変形例では、X線管22となる。すなわち、この変形例では、X線管22は、この発明における放射線源に相当する。 【0048】 CT再構成部27に送り込まれた画像情報(CT用の投影データ)を再構成して、CT用の断層画像を求める。このCT用の断層画像を、コントローラ7を介して出力部9に送り込む。 【0049】 吸収補正データ導出部11を含むPET装置の後段の処理部(吸収補正部13や再構成部14)の各機能については、実施例と同様なので、その説明を省略する。なお、再構成部14で再構成されたPET用の断層画像と、CT再構成部27で再構成されたCT用の断層画像とを出力部で重ね合わせて重畳出力してもよい。 【0050】 この変形例によれば、X線CT装置において、被検体Mの外部から照射されて被検体Mを透過したX線に基づいてCT用の投影データを求め、その投影データを再構成して被検体MのCT用の断層画像を求める際に用いられるX線を利用し、このX線に基づいて形態情報を求める。そして、この形態情報を利用して対象部位の断面積を求める。 【0051】 (4)上述した実施例では、データ収集条件の一例として、被検体Mを載置する天板1の移動速度を例に採って説明したが、通常において用いられるデータ収集条件であれば、天板1の移動速度に限定されない。例えば、天板1の移動と停止とを繰り返しながら走査を行う場合には、同じ放射線の検出量(カウント値)において断面積が大きい対象部位では天板1の静止時間を長くし、断面積が小さい対象部位では天板1の静止時間を短くすることで、断層画像のS/N比を均一にする。また、同じ断面積において放射線の検出量が多いほど天板1の静止時間を短くし、放射線の検出量が少ないほど天板1の静止時間を長くすることで、断層画像のS/N比を均一にする。 【0052】 (5)上述した実施例では、この発明における断面積算出手段(実施例では断面積導出部12)によって求められた断面積に基づいて、診断データの収集に関するデータ収集条件を設定変更したが、断面積を利用する目的は、データ収集条件の設定変更に限定されない。例えば、求められた断面積を出力部9に出力してもよい。 【0053】 (6)上述した実施例では、断面積と放射線の検出量(カウント値)との双方に基づいてデータ収集条件を設定変更したが、カウント値がほとんど変化しない場合、あるいは変化してもデータ収集に影響がない場合には、断面積のみに基づいてデータ収集条件を変えてもよい。なお、カウント値が変化してデータ収集に影響がある場合には、断層画像のS/N比をより均一にするために、上述した実施例のように放射線の検出量にも基づいてデータ収集条件を変えるのがより好ましい。 【図面の簡単な説明】 【0054】 【図1】(a)は実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図、(b)はγ線検出器の具体的構成を示した拡大図である。 【図2】(a)は同じ断面積におけるカウント値と天板の移動速度との関係を模式的に示した説明図、(b)は同じカウント値における断面積と天板の移動速度との関係を模式的に示した説明図である。 【図3】変形例に係るPET装置とX線CT装置とを備えたPET−CTの診断システムの側面図およびブロック図である。 【符号の説明】 【0055】 4 … 点線源 7 … コントローラ 12 … 断面積導出部 M … 被検体
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001993 【氏名又は名称】株式会社島津製作所 【住所又は居所】京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地
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| 【出願日】 |
平成17年3月22日(2005.3.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093056 【弁理士】 【氏名又は名称】杉谷 勉
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| 【公開番号】 |
特開2006−262963(P2006−262963A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月5日(2006.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2005−81604(P2005−81604) |
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