| 【発明の名称】 |
食道粘膜用画像処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 博一 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内
【氏名】長谷川 潤 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内
【氏名】田中 秀樹 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内
【氏名】井上 涼子 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】バレット食道の診断等を効率良く行うのに適した食道粘膜用画像処理装置を提供する。
【解決手段】食道内の粘膜を撮像した内視鏡画像から食道の管腔方向となるZ方向と周方向となるθ方向の座標系に変換した展開図を生成し、さらに食道の本来の粘膜となる扁平上皮とこの扁平上皮が胃側粘膜に変性した円柱上皮との境界の上皮境界を検出し、さらにバレット食道の症例に多く見受けられる上皮境界が複雑な形状になっている場合の特徴を備えているかを上皮境界のZ方向の分散値σAを算出して基準値σthと比較することによりバレット食道か否かを判定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食道内を撮像した画像に対して、展開図を生成する展開図生成手段と、 前記展開図より食道側粘膜としての扁平上皮と、前記扁平上皮が胃側粘膜に変性した円柱上皮との境界としての上皮境界を検出する上皮境界検出手段と、 検出された前記上皮境界に対して、所定の特徴量に対応する解析結果を算出する解析手段と、 を有することを特徴とする食道粘膜用画像処理装置。 【請求項2】 前記解析手段は、前記所定の特徴量としてバレット食道の場合における上皮境界の形状的な特徴量に対応する解析結果を算出することを特徴とする請求項1に記載の食道粘膜用画像処理装置。 【請求項3】 前記解析手段は、前記上皮境界の平均値を算出する平均値算出手段と、前記上皮境界の平均値からのばらつき量を算出するばらつき量算出手段とを有し、前記ばらつき量の算出により前記所定の特徴量に対応する解析結果を算出することを特徴とする請求項1に記載の食道粘膜用画像処理装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、胃食道逆流によって生じるバレット食道等の判定を、食道内の粘膜境界、より具体的には上皮境界の特徴量に対する解析により行う食道粘膜用画像処理装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、内視鏡を用いて内視鏡検査等を行う内視鏡装置は、医療用分野及び工業用分野において広く採用されている。医療用分野においては、例えば内視鏡の挿入部を体腔内に挿入して、検査対象部位を観察することにより、検査対象部位が正常な状態か性状が変化した性状変化状態かを診断するのに利用される。 このような場合、内視鏡画像から画像処理により、正常な状態か性状変化状態であるかの判定を行うことができると、術者は、その判定結果の部位を重点的に診断することにより、効率的な診断を行うことができる。 例えば、従来例としての特開2000−155840号公報は、撮像条件の影響を少なくして、性状変化部と正常部の境界の形状に関する情報に基づき特徴量を算出することが記載されている。 【0003】 また、PCT国際公開 WO02/073507 A2公報には、カプセル型内視鏡により得た画像情報における比色等を用いて異常検出を行う方法及び装置が開示されている。 【0004】 また、内視鏡装置による管状器官としての食道検査のスクリーニングにおいては、バレット粘膜或いはバレット食道の有無などが調べられる。バレット粘膜は、食道と胃の接続部としての胃食道接合部において、逆流性食道炎等の影響により食道の粘膜を形成する扁平上皮が胃の粘膜に置換されたもので、円柱上皮とも呼ばれる。このバレット粘膜が正常な粘膜境界から3cm以上、食道管腔断面に対して全周性に生じた場合にバレット食道という疾患と診断される。 バレット食道は、特に欧米人において増加しており、高い確率で腺癌が発生することから大きな問題となっているため、バレット食道或いはバレット粘膜の早期発見が非常に重要なものとなっている。 なお、バレット食道或いはバレット粘膜は、食道に対して全周的に発生する場合のみでなく、しばしば局所的に進行するような場合がある。 【特許文献1】特開2000−155840号公報 【特許文献2】PCT国際公開 WO02/073507 A2公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上記2つの公報による従来例では上皮境界を検出してバレット食道やバレット粘膜を判定をすることに関して何ら示唆を行なっていない。 また、食道内部のような管状部位を直視型の内視鏡により撮像した画像の場合には、管状の粘膜組織(上皮)を管腔の軸方向から撮像した画像となるため、特に撮像手段からの距離が異なる部分での形状等が大きく変化する。 【0006】 このため、上記従来例のような直視型等の内視鏡により撮像した内視鏡画像のみでは、形状や大きさ等を把握するのに時間がかかる場合がある。このため、判定結果を提供すると共に、その判定結果をより把握し易い画像と共に提供できると、非常に便利なものとなる。 (発明の目的) 本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、直視型の内視鏡によって撮像された食道の内視鏡画像のような場合に対してもバレット食道の診断等を効率良く行うのに適した食道粘膜用画像処理装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の食道粘膜用画像処理装置は、食道内を撮像した画像に対して、展開図を生成する展開図生成手段と、 前記展開図より食道側粘膜としての扁平上皮と、前記扁平上皮が胃側粘膜に変性した円柱上皮との境界としての上皮境界を検出する上皮境界検出手段と、 検出された前記上皮境界に対して、所定の特徴量に対応する解析結果を算出する解析手段と、 を有することを特徴とする。 上記構成により、展開図を生成し、さらに検出した上皮境界からバレット食道の場合の特徴量等、所定の特徴量に対応する解析結果を算出することにより、バレット食道等に対する解析結果を得られるようにする。また、解析結果を参照して、生成された展開図から診断等を効率良く進めることができるようにしている。 【発明の効果】 【0008】 本発明によれば、バレット食道等に対する解析結果を得られると共に、解析結果と生成された展開図から診断等を効率良く進めることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。 【実施例1】 【0010】 図1から図12は、本発明の実施例1に係り、図1は本発明の実施例1を備えた内視鏡システムの構成を示し、図2は食道のような管状器官(管状部位)に挿入された内視鏡により撮像する様子を示し、図3は図2の内視鏡の撮像装置により撮像された内視鏡画像を示し、図4はCPUによる画像処理機能を示し、図5は展開図を生成する処理を経てバレット食道か否かの判定を行う処理手順のフローを示し、図6は内視鏡画像と生成された展開図の関係を示す。 図7は、内視鏡画像から展開図生成の処理手順のフローを示し、図8は図5における上皮境界を検出する処理手順のフローを示し、図9は算出した上皮境界のZ方向の平均値を表示した展開図を示し、図10は予め診断が確定した上皮境界の場合とバレット食道の場合のサンプルの分散値のヒストグラムにより判定基準となる基準値を算出したヒストグラム例を示し、図11は内視鏡画像、展開図及び判定結果を表示したモニタでの表示例を示し、図12は内視鏡画像、この内視鏡画像から推定された食道と胃の接合部周辺部の内壁の立体形状、及びその立体形状から生成した展開図を示す。 【0011】 図1に示す内視鏡システム1は、内視鏡観察装置2と、この内視鏡観察装置2により得られた内視鏡画像に対して画像処理を行うパーソナルコンピュータ等により構成される本発明の食道粘膜用画像処理装置の実施例1としての内視鏡画像処理装置(以下、単に画像処理装置と略記)3と、この画像処理装置3により画像処理された画像を表示するモニタ4とから構成される。 内視鏡観察装置2は、体腔内に挿入される内視鏡6と、この内視鏡6に照明光を供給する光源装置7と、内視鏡6の撮像手段に対する信号処理を行うカメラコントロールユニット(CCUと略記)8と、このCCU8から出力される映像信号が入力されることにより、撮像素子で撮影した内視鏡画像を表示するモニタ9とを有する。 【0012】 内視鏡6は、体腔内に挿入される挿入部11と、この挿入部11の後端に設けられた操作部12とを有する。また、挿入部11内には照明光を伝送するライトガイド13が挿通されている。 このライトガイド13の後端は、光源装置7に接続される。そして、この光源装置7から供給される照明光をライトガイド13により転送し、挿入部11の先端部14に設けた照明窓に取り付けられた先端面から(伝送した照明光を)出射し、患部等の被写体を照明する。 照明窓に隣接する観察窓に取り付けた対物レンズ15と、この対物レンズ15の結像位置に配置された固体撮像素子としての例えば電荷結合素子(CCDと略記)16とによる撮像装置17が設けてある。そして、このCCD16の撮像面に結蔵された光学像は、このCCD16により光電変換される。 【0013】 このCCD16は、信号線を介してCCU8と接続され、このCCU8からCCD駆動信号が印加されることにより、CCD16は光電変換した画像信号を出力する。この画像信号は、CCU8内の映像処理回路により信号処理され、映像信号に変換される。この映像信号はモニタ9に出力され、モニタ9の表示面には、内視鏡画像が表示される。この映像信号は、画像処理装置3にも入力される。 この画像処理装置3は、内視鏡観察装置2から入力される内視鏡画像に対応する映像信号が入力され、A/D変換する画像入力部21と、この画像入力部21から出力される画像データに対する画像処理を行う中央演算処理装置としてのCPU22と、このCPU22により画像処理を実行させる処理プログラム(制御プログラム)を記憶する処理プログラム記憶部23とを有する。 【0014】 また、この画像処理装置3は画像入力部21を経て入力される画像データ等を記憶する画像記憶部24と、CPU22により処理された情報等を記憶する情報記憶部25と、CPU22により処理された画像データ及び情報等を記憶装置インターフェース26を介して記憶する記憶装置としてのハードディスク27と、CPU22により処理された画像データ等を表示するための表示処理を行う表示処理部28と、ユーザが画像処理する際のパラメータ等のデータ入力や指示入力を行うキーボードなどからなる入力操作部29とを有する。 そして、この表示処理部28により生成された映像信号は、モニタ4に表示され、このモニタ4の表示面には画像処理された処理画像が表示される。なお、画像入力部21、CPU22、処理プログラム記憶部23、画像記憶部24、情報記憶部25、記憶装置インターフェース26、表示処理部28、入力操作部29は、データバス30を介して互いに接続されている。 【0015】 本実施例においては、図2に示すように、例えば食道31のような管状器官或いは管状部位内に直視型の内視鏡6の挿入部11が挿入され、先端部14に設けた撮像装置17により、食道31の内壁粘膜等が撮像される。 図3は、この直視型の内視鏡6によって撮像されたバレット食道の内視鏡画像Iaの1例を示している。バレット食道は、胃と食道の接合部としての胃食道接合部Bから口腔に向かって連続的に食道粘膜としての扁平上皮32が胃粘膜或いはバレット粘膜としての円柱上皮33に変性したものであり、このバレット粘膜が正常な粘膜境界から3cm以上、食道管腔断面に対して全周性に生じた場合に、バレット食道という疾患と診断される。 【0016】 このように定義された場合を含めて、変性した円柱上皮33の広がり方や円柱上皮33と扁平上皮32との境界としての上皮境界Aの特徴的な形状を内視鏡6によって観察することにより、術者はバレット食道の診断を行う。 図3の内視鏡画像Iaでは、食道31から胃内部に至る管状部位部分が、図示しない最暗部の周囲の胃食道接合部B、胃食道接合部Bの周囲の外側の円柱上皮33、その外側の上皮境界A、そしてこの上皮境界Aの外側の扁平上皮32が表示されている。 【0017】 本実施例では、食道31のような管状器官の対象物を直視型の内視鏡6によって撮像し、撮像された内視鏡画像Iaを幾何学的に変換して、展開図を生成する処理を行い、生成された対象物の展開図をモニタ4で表示すると共に、生成された展開図から上皮境界Aを検出する。 そして、検出された上皮境界Aの特徴的な形状に基づいて、形状の解析を行い、解析結果を出力する処理を行う。 具体的には、上皮境界AのZ方向の平均値を算出し、さらに上皮境界AのZ方向の分散値を算出することによって、上皮境界かバレット食道かを判定する処理を行い、上皮境界かバレット食道かの判定結果(解析結果)を出力する。 【0018】 画像処理装置3を構成するCPU22は、図4に示すように、幾何学的な変換を行う幾何学的画像変換手段(機能)22aと、幾何学的な変換により展開図の画像を出力する展開図出力手段(機能)22bと、展開図から上皮境界を検出する上皮境界検出手段(機能)22cと、上皮境界の形状を解析して解析結果を出力する上皮境界解析手段(機能)22dとを有する。 上記上皮境界解析手段22dは、具体的には、上皮境界のZ軸方向の平均値を算出する上皮境界の平均値算出手段(機能)と、上皮境界のZ方向の分散値を算出する上皮境界の分散値算出手段(機能)と、この分散値が上皮境界かバレット食道かを判定する判定手段(機能)とからなる。 【0019】 本実施例においては、図4に示した幾何学的画像変換手段22a、展開図出力手段22b、上皮境界検出手段22c、及び上皮解析手段22dをソフトウェア的に実現しており、このために処理プログラム記憶部23に記憶(格納)された処理プログラムをCPU22は読み出し、CPU22は、この処理プログラムに従って図5に示す処理手順を実行する。 以下に説明するように本実施例は、食道の胃食道接合部周辺部を直視型の内視鏡6で撮像した内視鏡画像Iaから展開図Ibを生成し、その展開図Ibから上皮境界を検出し、さらにその上皮境界Aの形状に対して典型的なバレット食道の形状、つまり上皮境界Aの各点が管腔方向にぎざぎざになっている等、複雑な形状となっている場合における特徴量を有しているかを上皮境界各点での分散値を算出して、判定するようにしている。 【0020】 そして、撮像された内視鏡画像Iaにおける上皮境界Aの各点が管腔方向にぎざぎざになっている等、複雑な形状となっている場合の典型的なバレット食道を客観的に判定するようにしている。 次に図5を参照して、本実施例の動作を説明する。 画像処理装置3の動作が開始すると、CPU22は処理プログラム記憶部23の処理プログラムを読み出し、その処理プログラムに従った処理を開始する。CPU22は最初のステップS1において、内視鏡観察装置2のCCU8から画像入力部21を経て入力される内視鏡画像Iaの画像データを取得する。 【0021】 そして、次のステップS2においてCPU22は、取得された画像データに対して歪曲収差補正(例えば特開平8−256295号公報参照)や、ノイズ除去等の前処理を行い、ステップS3において図6(A)に示す内視鏡画像Iaから図6(B)に示すその展開図Ibを生成する処理を行う。 この展開図Ibを生成する処理を図7に示す。 図7に示すように最初のステップS11において、内視鏡画像Ia内の最暗部の位置を検出し、検出された最暗部の重心位置を内視鏡画像Iaの座標の中心位置とする。 本実施例においては、内視鏡画像Ia内の最暗部の位置を中心に展開図を生成する。最暗部の検出方法として内視鏡画像Iaを複数の領域に分割し、分割された領域の平均輝度を算出し、最小の平均輝度を有する領域を最暗部の位置として求める。 【0022】 図6に示すように内視鏡画像Iaの2次元の直交座標系をX−Yとし、この内視鏡画像Iaから極座標系に幾何学的に変換してθ−Zとする展開図Ibを生成する。なお座標系X−Yにおける座標位置はx、yで示す。また、極座標系θ−Zにおける座標位置は、周方向の位置を表すθ、中心からの距離位置をzで示す。 なお、図6では内視鏡画像Iaから展開図Ibが生成された場合の関係を分かりやすくするために、内視鏡画像Iaにおける扁平上皮32と円柱上皮33の上皮境界A、胃食道接合部Bを展開図Ibにした場合にはどのような形状で表示されるかを矢印で対応付けて示している。ここで、θが0度、45度、90度、…の場合の目盛を付して示している。また、画像の表示枠の位置をQ0,Q45,Q90により示している。 次のステップS12とステップS13において展開図Ibの座標S(θ、z)の初期値を設定する。つまり、ステップS12において、CPU22は、θ=0とし、ステップS13においてz=0とする。 【0023】 次のステップS14において設定され展開図Ibの座標S(θ、z)に対応する内視鏡画像Iaの座標位置を以下の式(1)によって求める。 x=z sin θ 、y=z cos θ (1) ステップS15において算出された座標P(x、y)が内視鏡画像Ia内に存在するかを判断する。 そして、内視鏡画像Ia内に存在する場合は、ステップS16に進む。式(1)より得られた内視鏡画像の座標P(x、y)の位置は、画素間の中に存在する可能性がある為、ステップS16で線形補間等の処理を用いて座標P(x、y)の輝度値を算出する。 なお、輝度値としては、カラー撮像を行っている場合には、各色信号の輝度値を算出する。 【0024】 ステップS17においてステップS16で求めた輝度値を展開図の座標S(θ、z)の輝度値とする。次にステップS18に進み、展開図Ibのzの値を変更(例えばzの増分Δz=1)し、ステップS14に戻る。 一方、ステップS15において算出された座標P(x、y)が内視鏡画像Ia内に存在しない場合、ステップS19へ進み、展開図Ibのθの値を変更する(例えばθの増分Δθ=π/180、つまり1°)。 次のステップS20において、θが2π(360°)より小さければステップS13に戻り、展開図生成の処理を継続する。一方、θが2π以上になった場合、展開図Ibが生成されたと判断しステップS11に進み、内視鏡画像Iaと展開図Ibとをモニタ4に出力して、展開図生成の処理を終了し、生成された展開図Ibを用いて図5のステップS4の上皮境界を検出する処理に移る。 【0025】 図5のステップS4に示す扁平上皮と円柱上皮との境界としての上皮境界を検出(座標点列を取得)するために、例えば図8に示すようにエッジ検出を利用して行う。扁平上皮は白い色調であり、これに対して円柱上皮は赤い色調であるので、R,G,Bにおける特定の色調等によりその上皮境界を検出することもできる。 図8に示すようにCPU22は、ステップS31において、画像記憶部24等に格納された展開図Ibの画像データを取得する。 そして、次のステップS32においてCPU22は、その画像データに対して、輪郭抽出フィルタリング処理として上述した公知のエッジ検出の処理を行い、エッジ検出画像を生成する。 【0026】 次のステップS33においてCPU22は、このエッジ検出画像に対して、2値化処理を行い、さらに細線化処理を行って境界の取得を行う。 次のステップS34においてCPU22は、取得した境界に対してトレース処理を行って境界に沿った座標点列、つまり上皮境界の点列を取得する。 このようにして上皮境界の点列を取得したら、CPU22は、図5のステップS5に示すように上皮境界の(食道の管腔方向となる)Z方向の平均値<ZA>を算出する。 つまり、検出された上皮境界のZ方向の平均値<ZA>を以下の式で求める。 【数1】
【0027】 ただし、ZAθiは、式(1)で得られた展開図における上皮境界のθiにおけるZ値であり、式(2)は周方向の1回転分のサンプル値Nで平均を取る。(この場合、図6の展開図の分解能は、θiとZ(中心Oからの距離)のサンプリングの細かさによって決定される。 【0028】 図9は、展開図Ib上に、上皮境界のZ方向の平均値<ZA>を表示した図を示す。 式(2)の平均値<ZA>を算出した後、次のステップS6により上皮境界のZ方向の座標位置のばらつき(境界の凹凸の)の程度を表す分散値σAを以下の式で求める。 【数2】
【0029】 次のステップS7において、式(3)で算出された分散値σAと基準値σthを比較し、この分散値σAが基準値σthより小さいか否かの判定を行う。 そして、分散値σAが基準値σthより小さい場合にはステップS8に示すように上皮境界と判定し、逆に分散値σAが基準値σthより大きい場合はステップS9に示すように上皮境界が複雑な形状をしていると判断し、撮像された画像をバレット食道と判断する。 この場合、展開図Ibにより得られた分散値σAに対して判定に用いる基準値σthは、図10に示すように予め診断が確定した上皮境界のサンプルとバレット食道の場合のサンプルを用いて求められた分散値σのヒストグラムを用いる。 【0030】 図10は、上皮境界の場合に得られる分散値σnorの分布のヒストグラムDnorと、バレット食道の場合に得られる分散値σbarの分布のヒストグラムDbarとを示している。なお、バレット食道の場合のサンプルは、上皮境界がぎざぎざになったように境界形状が複雑な形状のサンプルを用いている。 図10に示すように2つのヒストグラムDnor及びDbarから、例えば2つのヒストグラムが交差する位置σthをバレット食道と評価する基準値とする。 そして、上述したように式(3)で求めた分散値σAをこの基準値σthと比較することにより上皮境界であるかバレット食道かを判定する。 ステップS8或いはステップS9による判定結果(解析結果)の情報を、ステップS10に示すようにモニタ4等の表示装置に出力してこの処理を終了する。 【0031】 図11は、内視鏡画像Ia、展開図Ib、及び判定結果の情報をモニタ4に表示した表示例を示す。図11の例では、分散値σAが基準値σth以上となった場合の例として、判定表示部41に”バレット食道”と判定した判定結果を表示している。 なお、ここでは、バレット食道と表示しているが、”バレット食道の可能性が高い”と表示する等しても良い。また、分散値σAを求める代わりに標準偏差値を算出して、基準値と比較して比較結果を解析結果としても良い。 また、本実施例及び以下の実施例では、算出した分散値σA等、判定対象となるバレット食道の特徴量に対する評価値を単一の基準値(σth等))と比較した比較結果を解析結果としているが、算出した評価値を複数の基準値と比較して、バレット食道の可能性が高い状態と正常に近い状態との中間的な状態(1つ或いは複数の中間的な状態)の解析結果等を出すようにしても良い。 【0032】 例えば、上皮境界の場合よりも、食道粘膜としての扁平上皮が少し変性した状態と判定した場合には、少し円柱上皮(バレット粘膜)が生成されている初期状態の可能性があるとか、扁平上皮がより変性した状態と判定した場合にはかなり円柱上皮(バレット粘膜)が生成されている症状が進行状態にある等の判定結果を表示する等して告知するようにしても良い。 術者は、判定結果の情報を参考にすることにより、効率的な診断を行うことができる。また、術者は、モニタ4に表示される内視鏡画像Iaと共に表示される展開図Ibを参照することにより、上皮境界Aの周方向の形状等を(内視鏡画像Iaのみの場合よりも)より把握し易くなり、従って診断等も効率良く進めることができる。 【0033】 上述の説明では、図7に示すような処理により2次元の内視鏡画像Iaから幾何学的な変換により、展開図Ibを生成した場合で説明したが、図12(A)に示す内視鏡画像Iaから図12(B)に示すように診断対象となる食道の胃食道接合部周辺部の内壁面の立体形状を推定する等して、図12(C)に示す展開図Ibを生成するようにしても良い。 なお、図12(B)のように立体形状を推定した場合、さらにこの立体形状の中心線を推定してその中心線方向に座標軸ZLとした3次元座標系(XL,YL,ZL)に内視鏡画像Iaの各点を変換する。 さらにこの3次元座標系(XL,YL,ZL)における立体形状の各点を、この立体形状に近い同じZLを中心とした円柱体の表面に投影する。この円柱体の表面の座標系をθL―ZLとする。そして、3次元座標系(XL,YL,ZL)の各点或いは円柱体の表面に投影された各点をθL―ZLの座標系に変換する。 【0034】 図12(B)では、上皮境界A上での点P′を示し、この上皮境界A上での点P′はYL軸となす角がθLで示されている。 図12(B)に示すように円柱体の表面に投影された各点をθL―ZLの座標系に変換後、θLを0とした値で切り開き、図12(C)に示す展開図Ibにより、内視鏡画像Iaの各位置を表示する。この処理は、その詳細が特願2005−1842号の明細書に記載されている。 また、この明細書に記載されている他の展開図生成手段を採用して展開図を生成しても良い(また、2次元的な変換により展開図を生成する場合にも、特願2004−378011号の明細書に記載されている展開図生成手段を採用して展開図を生成し、その展開図を利用して上述した処理を行うようにしても良い)。 【0035】 図12(C)に示すようにこの場合においては、ZLが大きい値側が撮像手段から遠方の位置となるため、遠方位置に対応する胃食道接合部Bの下側(内側)に上皮境界Aの形状が表示される。 このように図12(C)に示した展開図Ibの場合にも、図5のステップS4以降の処理を行うことによって、上皮境界AのZ方向(図12(C)ではZL方向)の平均値<ZA>、分散値σAを算出して、この分散値σAを基準値σthと比較することにより上皮境界であるか或いは性状が変化したバレット食道であるかを判定することができる。なお、図12(C)の展開図の分解能は、診断対象の立体形状を推定する場合の画像の分解能によって決定される。 【0036】 このように本実施例では、直視型の内視鏡6によって撮像された食道の内視鏡画像の展開図Ibを生成し、展開図Ibの上皮境界Aの形状をばらつき等を定量的に判定することによりバレット食道か否かを容易かつ客観的に判定することができる。 従って、術者は、この判定結果を利用することにより、バレット食道か否かの診断を効率良く行うことができる。 また、本実施例では、展開図Ibを生成するようにしているので、内視鏡画像Iaのみの場合よりも管腔方向或いは管腔と直交する周方向における上皮境界の形状分布等の把握がし易くなり、従ってより診断も行い易くなる。 【実施例2】 【0037】 次に図13及び図14を参照して本発明の実施例2を説明する。バレット食道は、実施例1で説明したように上皮境界が複雑な形状をしたものに適用した場合であるが、円柱上皮(バレット粘膜)が舌状に広がり、このため上皮境界の形状も舌状に形成される場合がある。 この場合には、実施例1では、この形状に対して適切な解析結果を出力することが困難になる可能性がある。このため、本実施例では、円柱上皮が舌状に広がったような場合にも、それに対して適切な解析結果(判定結果)を出力することができるようにすることを目的とする。 このため、本実施例では、以下に説明するように実施例1における上皮境界AのZ方向の平均値<ZA>を算出して、上皮境界AのZ方向のばらつき(複雑さ)に対応する分散値σAを算出する代わりに、上皮境界AのZ方向の最大値と最小値を求め、これらの差分値の絶対値を基準値と比較することにより、上皮境界Aが上皮境界かバレット食道かの判定を行う。 【0038】 図13は、胃食道接合部付近を撮像した内視鏡画像Iaと、この内視鏡画像Iaから2次元的或いは3次元的に生成した展開図Ibを示す。 本実施例では、図14に示すような処理を行う。図14の処理は、ステップS1からステップS4までは図5の処理と同様である。ステップS4により上皮境界Aを検出した後、本実施例ではステップS41に示すように上皮境界AのZ方向の最大値Zmaxと最小値Zminを算出する。 そして、次のステップS42において、これら最大値Zmaxと最小値Zminの差分値の絶対値DAを求める。 次のステップS43において、この差分値の絶対値DAを基準値Dthと比較して、差分値の絶対値DAが基準値Dthより小さいか否かを判定する。 【0039】 この基準値Dthは、予め診断が確定している正常なサンプル及び上皮境界Aが舌状に広がっているバレット食道のサンプルにおけるそれぞれ差分値の絶対値のヒストグラムを求めたものから、両者の判定を行うのに適した閾値として算出されたものである。 差分値の絶対値DAが基準値Dthより小さい場合にはステップS8に示すように上皮境界と判定し、逆に差分値の絶対値DAが基準値Dth以上の場合にはステップS9に示すようにバレット食道と判定する。そして、ステップS8或いはステップS9による判定した結果をステップS10においてモニタ4等の表示装置で表示する等して、判定結果を出力してこの処理を終了する。 本実施例によれば、上皮境界Aが舌状に広がったような場合のバレット食道の場合にもその特徴を適切に解析して、的確な判定を行うことができる。 【実施例3】 【0040】 次に図15及び図16を参照して本発明の実施例3を説明する。本実施例は、食道の管腔の形状が例えば円管形状から変形したような場合にも、上皮境界の特徴的な形状からバレット食道か否か適切に判定することを目的とする。 実施例1の判定方法では、食道を円管形状に近いことを想定して、上皮境界AのZ方向の平均値<ZA>を算出し、上皮境界AのZ方向の各位置をこの平均値<ZA>からのばらつき(分散値)を算出して、バレット食道か否かの判定を行っていた。この方法では、食道の管腔の形状が、例えば心臓の拍動等の影響その他の影響で円管形状から変形したような場合には、判定結果がその影響を受けやすくなる。 本実施例においては、その影響を軽減するべく、図15に示す内視鏡画像Iaから展開図Ibを生成し、この展開図Ib上において例えば胃食道接合部Bを検出し、この胃食道接合部Bから上皮境界Aまでの距離の分散値からバレット食道か否かを判定する。 【0041】 つまり、食道の管腔形状が変形した場合、胃食道接合部Bもほぼ同様に変形することが考えられるため、胃食道接合部Bから上皮境界までの距離情報を利用することにより、食道の管腔形状に殆ど影響されないで判定を行うようにするものである。この場合、胃食道接合部Bの代わりに胃に通じる暗部或いは噴門部を検出し、それを利用しても良い。 胃食道接合部Bの検出方法としては、例えば食道粘膜の管腔方向(つまりZ方向)に走行する柵状血管の端点を検出し、その端点を連結することにより胃食道接合部Bを検出することができる。 本実施例の処理方法は、図16のようになる。図16において、ステップS1からS4までは、図5或いは図14と同じである。ステップS4の次にステップS51の胃食道接合部Bを検出する処理を行い、胃食道接合部Bを検出する。 【0042】 次のステップS52において、上皮境界Aと胃食道接合部ZとのZ方向の距離ZAθi−ZBθiの平均値<ZAB>と分散値σABを算出する。 ここで、平均値<ZAB>及び分散値σABは、以下の式で求めることができる。 【数3】
【0043】 そして、次のステップS53において、この分散値σABが予め求めた判定に用いる基準の分散値σABthと比較することにより上皮境界であるか或いは性状が変化したバレット食道であるかを判定する。 つまり、ステップS53により分散値σABの値が基準の分散値σABthより小さい場合には、ステップS8に示すように上皮境界と判定し、逆に分散値σABの値が基準の分散値σABth以上の場合には、ステップS9に示すようにバレット食道であると判定する。 【0044】 そして、ステップS10に示すように、ステップS8或いはステップS9の判定結果をモニタ4に表示する等して判定結果を出力してこの処理を終了する。 本実施例によれば、胃食道接合部Bを基準に上皮境界Aまでの距離ZAθi−ZBθiの平均値<ZAB>を算出して、その距離ZAθi−ZBθiのばらつきを評価することにより、上皮境界Aが上皮境界かバレット食道かを判定するようにしているので、食道の管腔が変形した場合でも適切に判定することができる。 なお、上述したように胃食道接合部Bを基準にする代わりに胃に通じる暗部や噴門部を基準に用いて判定するようにしても良い。例えば暗部(最暗部)を検出するには、暗部を検出するために設定した閾値で2値化し、エッジ抽出によりその境界を検出し、さらに細線化する等して暗部の境界を検出することができる。 この場合には胃食道接合部Bを検出する場合よりも簡単な処理で算出することができる。 【実施例4】 【0045】 次に図17及び図18を参照して本発明の実施例4を説明する。本実施例は、バレット食道の場合には、上皮境界Aが複雑な形状を伴う特徴に着目して、その特徴を上皮境界Aの線長を算出して、上皮境界かバレット食道かの判定を行う。 図17は上述した各実施例のように内視鏡画像から生成した展開図Ibを示す。この展開図Ibは、離散的な画像であるため、実際には上皮境界Aの曲線は、折れ線で表される。従って、隣接する2点Ai−1(θi−1、Zi−1)、Ai(θi、Zi)間の距離Li−1,iを算出し、その距離Li−1,iの総和値を求めることにより、上皮境界Aの長さLAを求める。 つまり、 【数4】
【0046】 ここで、iは、360度(2π)をN等分した場合の1からNまでの値とする。 【0047】 このように算出した上皮境界Aの長さLAを用いて図18に示す手順により上皮境界かバレット食道かの判定を行う。図18におけるステップS1からS3は、図5と同じであるため省略している。 図18に示すようにステップS4により上皮境界Aの検出を行った後、ステップS61に示すように上皮境界Aの長さLAを算出する。 次のステップS62において、算出した上皮境界Aの長さLAを、予め診断が確定している多数のサンプルを用いて判定に使用する基準とする上皮境界の長さLthと比較する。そして、上皮境界Aの長さLAが基準の上皮境界の長さLthより小さい場合には、ステップS8に示すように上皮境界と判定し、逆に上皮境界Aの長さLAが基準の上皮境界の長さLth以上の場合には、ステップS9に示すようにバレット食道であると判定する。 【0048】 そして、ステップS10に示すように、ステップS8或いはステップS9の判定結果をモニタ4に表示する等して判定結果を出力してこの処理を終了する。 本実施例によれば、バレット食道の場合には、上皮境界Aが複雑な形状となる症例が多く見受けられ、そのような症例の場合に対して的確な判定を行うことができる。 なお、上皮境界Aの長さLAを算出する場合、上皮境界Aの曲線を近似式で表すようにし、その近似式により線長を求めるようにしても良い。このようにすると、より精度の良い線長を算出でき、線長による判定をより精度良く行うこともできる。 なお、隣接する2点Ai−1(θi−1、Zi−1)、Ai(θi、Zi)間の距離Li−1,iを周方向に全周(360度)分の総和値から上皮境界Aの長さLAを算出しているが、必ずしも全周に限定されるものでない。これは他の実施例においても同様である。 【実施例5】 【0049】 次に図19及び図20を参照して本発明の実施例5を説明する。本実施例では上皮境界の曲線における隣接するベクトルのなす角の絶対値の周方向における総和値を求め、この総和値により上皮境界かバレット食道かの判定を行う。 本実施例においても、図19(A)に示すように内視鏡画像Iaから展開図Ibを生成する。そして、展開図Ibから上皮境界Aを検出する。展開図Ibは離散的な画像であるため、上皮境界Aは折れ線で表される。 この上皮境界A上における隣接する3点を抽出し、隣接する2点をそれぞれ結んだ2つの線分がなす角、或いは2つのベクトルのなす角を求める。 例えば図19における円Cの部分の拡大図を図19(B)に示し、この図中の3点Ai−1、Ai、Ai+1におけるベクトルVi、Vi+1を拡大して図19(C)に示す。 【0050】 そして、両ベクトルVi、Vi+1のなす角φθiを算出する。 そして、iを0から1つづつ大きくするようにして、3点Ai−1、Ai、Ai+1を左側に移動しつつ、その場合の角φθiの絶対値の総和φAを算出する。 この場合、 【数5】
【0051】 となる。 本実施例における上皮境界かバレット食道かの判定方法は図20のようになる。図20においても最初のステップS1からステップS3までは図5の場合と同様であるので、そのステップを省略している。 【0052】 ステップS4に示すように上皮境界Aを検出した後、次のステップS71において、図19で説明したように展開図Ib上における隣接する3点から順次2つのベクトルVi、Vi+1を設定して、それらのなす角φθiを算出する。そして、次のステップS72において、これらの角φθiの絶対値の総和φAを算出する。 次のステップS73において、算出した総和φAを、予め診断が確定した多数のサンプルを用いて求めた基準とする上皮境界の場合の総和値φthと比較する。そして、算出した総和φAが基準の総和値φthより小さい場合には、ステップS8に示すように上皮境界と判定し、逆に総和φAが基準の総和値φth以上の場合には、ステップS9に示すようにバレット食道であると判定する。 【0053】 そして、ステップS10に示すように、ステップS8或いはステップS9の判定結果をモニタ4に表示する等して判定結果を出力してこの処理を終了する。 本実施例によれば、バレット食道の場合には、上皮境界Aが複雑な形状となる症例が多く見受けられ、そのような症例の場合に対して的確な判定を行うことができる。 【実施例6】 【0054】 次に図21を参照して本発明の実施例6を説明する。本実施例では上皮境界の屈曲点の数を算出し、その数の大小により上皮境界かバレット食道かの判定を行う。上述したようにバレット食道の症例の場合には、ぎざぎざ形状等、複雑な形状を伴う場合が多い。 例えば図19(A)に示すように上皮境界Aは、バレット食道の症例においては、凹凸形状になる場合が多い。 本実施例では、屈曲点の数を算出(評価)する具体例として、例えば展開図における上皮境界Aの極大値と極小値に相当する変曲点の数を算出する。或いは展開図における上皮境界A上の隣接する2点を結ぶ線分或いはベクトルが水平方向となす角が0度を超える状態から0度以下(正から負)になる状態或いは0度未満から0度以上(負から正)になる点の数を計測する。この様子を図21に示す。 【0055】 図21に示すように上皮境界A上における2点Ai−1、AiのベクトルViの傾きΔZi/Δθi=Ψiが正から負になる点と、負から正になる変曲点の数を算出する。図21ではベクトルVi+2の傾きが負になるため、点Ai+2が変曲点と判定される。 そして、このように変曲点の検出をθiをi=1からNまで行い、変曲点の総和を算出する。そして、変曲点の総和の値の大小から上皮境界かバレット食道かの判定を行う。 本実施例における上皮境界かバレット食道かの判定方法は図22のようになる。図22においても最初のステップS1からステップS3までは図5の場合と同様であるので、そのステップを省略している。 【0056】 ステップS4に示すように上皮境界Aを検出した後、次のステップS81において、θの変数パラメータi、屈曲点の数FAを初期化する。つまり、i=1及びFA=0とする。 次のステップS82において、図21に示すようにベクトルViの傾きΨiを算出する。そして、次のステップS83において、この傾きΨiが変曲点に該当するかの判定を行う。この判定により、変曲点に該当する場合には、ステップS84に示すように数FAの値を1つ増大した後、次のステップS85に進む。 また、逆に変曲点に該当しない場合には、ステップS85に移る。ステップS85においては、変数パラメータiがθの分割数Nかの判定を行い、Nに等しくない場合にはステップS86に示すように変数パラメータiの数を1つ増大してステップS82に戻る。 【0057】 このようにして、ステップS82からステップS86までの処理をi=Nになるまで繰り返す。 そして、i=Nになった場合にはステップS87に示すように数FAが基準となる数Fthより小さいかの判定を行う。この基準となる数Fthは、診断が確定した多数のサンプルから算出される。 そして、数FAが基準となる数Fthより小さい場合には、ステップS8に示すように上皮境界と判定し、逆に数FAが基準の数Fth以上の場合には、ステップS9に示すようにバレット食道であると判定する。 そして、ステップS10に示すように、ステップS8或いはステップS9の判定結果をモニタ4に表示する等して判定結果を出力してこの処理を終了する。 【0058】 本実施例によれば、バレット食道の場合には、上皮境界Aが複雑な形状となる症例が多く見受けられ、そのような症例の場合に対して的確な判定を行うことができる。 なお、本実施例においては、変曲点の数FAを算出して、算出した数を比較することにより上皮境界かバレット食道であるかの判定を行う例を説明したが、例えば特願2004−360319号に記載されているように屈曲点の数を算出してその数を比較することにより、上皮境界かバレット食道であるかの判定を行うようにしても良い。 この判定方法は、この特願2004−360319号の図4におけるステップS4からS14の処理に沿った処理を行えば良い。なお、この場合には、内視鏡画像により得られる画像データに対して行っている。 【0059】 また、上述の説明では変曲点の数FA或いは屈曲点の数を算出してその数を基準値と比較して上皮境界かバレット食道であるかの判定を行う例を説明したが、隣接する2つの傾きΨi、Ψi+1の値を比較してその値が変化する点(例えば減算値が変化する点)の数を計数して、その総和の値を基準値と比較して判定を行うようにしても良い。 なお、例えば図5の処理手順では、ステップS3において展開図を生成した後、次のステップS4において上皮境界を検出するようにしているが、先に上皮境界を検出した後、展開図を生成するようにしても良い。 また、上述した各実施例においては、上部消化管としての食道内における胃食道接合部周辺部の疾患としてのバレット食道か否かを定量的に判定する場合を説明したが、下部消化管の場合に対しても適用することができる。 【0060】 例えば大腸内に内視鏡6を挿入して撮像した画像から展開図を生成し、その展開図から色調などが正常部位と異なる病変部粘膜の境界を検出し、その検出した境界に対して、例えば境界の形状等に対する解析を行い、解析結果を得るようにしても良い。要するに体内の管状部位を撮像した内視鏡画像から展開図を生成して、その展開図から病変部などに対する解析を行う場合の装置及び方法として広く適用できる。この場合、解析結果を展開図と併用することにより、病変部等の把握がし易く、診断等を効率良く行うことができる。 なお、上述した各実施例を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。 【0061】 [付記] 1.請求項1において、前記解析手段は、前記上皮境界における前記食道の管腔方向に対する最大値と最小値との差分値を算出して所定の値との比較結果を解析結果とする。 2.請求項1において、前記解析手段は、胃と食道の接合部等の基準部位から前記上皮境界までの距離のばらつき量を算出し、算出したばらつき量を基準値と比較して解析結果とする。 3.請求項1において、前記解析手段は、前記上皮境界上の隣接する2点間の距離の総和値を算出し、算出した総和値を基準値と比較した比較結果を解析結果とする。 【0062】 4.請求項1において、前記解析手段は、前記上皮境界上の隣接する3点における隣接する2点を結ぶ2つのベクトル(線分)のなす角の絶対値の総和値を算出し、算出した総和値を基準値と比較した比較結果を解析結果とする。 5.請求項1において、前記解析手段は、前記上皮境界上における各点の形状が前記食道の管腔方向に関して凹凸となる場合の屈曲点の数を算出し、算出した屈曲点の数を基準値と比較した比較結果を解析結果とする。 6.請求項1において、前記解析手段は、前記上皮境界の形状が前記食道の管腔方向に関して極大と極小となる極値の数を算出し、算出した極値の数を基準値と比較した比較結果を解析結果とする。 【0063】 7.食道内を撮像した画像に対して、展開図を生成する展開図生成ステップと、 前記展開図より食道側粘膜としての扁平上皮と、前記扁平上皮が胃側粘膜に変性した円柱上皮との境界としての上皮境界を検出する上皮境界検出ステップと、 検出された前記上皮境界に対して、所定の特徴量に対応する解析結果を算出する解析ステップと、 を有することを特徴とする食道粘膜用画像処理方法。 8.付記7において、前記解析ステップは、前記所定の特徴量としてバレット食道の場合における上皮境界の特徴量の評価値を算出し、前記評価値を基準となる基準値と比較して解析結果を算出することを特徴とする。 【0064】 9.付記7において、前記解析ステップは、前記上皮境界の平均値を算出する平均値算出ステップと、前記上皮境界の平均値からのばらつき量を算出するばらつき量算出ステップとを有する。 【0065】 10.付記7において、前記解析ステップは、前記上皮境界における前記食道の管腔方向に対する最大値と最小値との差分値を算出するステップを有する。 11.付記7において、前記解析ステップは、胃と食道の接合部等の基準部位から前記上皮境界までの距離のばらつき量を算出するステップを有する。 12.付記7において、前記解析ステップは、前記上皮境界上の隣接する2点間の距離の総和値を算出するステップを有する。 【0066】 13.付記7において、前記解析ステップは、前記上皮境界上の隣接する3点における隣接する2点を結ぶ2つのベクトル(線分))のなす角の絶対値の総和値を算出するステップを有する。 14.付記7において、前記解析ステップは、前記上皮境界上における各点の形状が前記食道の管腔方向に関して凹凸となる場合の屈曲点の数を算出するステップを有する。 【0067】 15.付記7において、前記解析ステップは、前記上皮境界の形状が前記食道の管腔方向に関して極大と極小となる極値の数を算出するステップを有する。 16.体腔内の管状器官の画像を撮像する撮像手段を備えた内視鏡と、 前記撮像された少なくとも1枚の画像を用いて管状器官の展開図を生成する展開図生成手段と、 前記展開図より上皮境界を検出する上皮境界検出手段と、 前記上皮境界検出手段によって検出された境界の形状を解析し、解析結果を出力する解析手段と、 を有することを特徴とする内視鏡装置。 【0068】 17.食道内を撮像した画像に対して、展開図を生成する展開図生成手段と、 前記画像又は展開図より食道側粘膜としての扁平上皮と、前記扁平上皮が胃側粘膜に変性した円柱上皮との境界としての上皮境界を検出する上皮境界検出手段と、 検出された前記上皮境界に対して、所定の特徴量に対応する解析結果を算出する解析手段と、 を有することを特徴とする食道粘膜用画像処理装置。 18.生体内の管状部位を撮像した内視鏡画像から展開図を生成する展開図生成手段と、 前記展開図より判定対象となる粘膜組織が持つ特徴量を評価(解析)してその結果を出力する解析手段と、 を具備することを特徴とする医用画像処理装置。 【産業上の利用可能性】 【0069】 食道内を内視鏡により撮像した内視鏡画像から展開図を生成して食道側粘膜としての扁平上皮とそれが変性した円柱上皮との境界の上皮境界を検出し、その上皮境界におけるバレット食道の疾患が示す特徴量を解析して特徴量に対する解析評価値を算出し、その解析評価値を基準値と比較することにより客観的な解析結果を得ることができ、この解析結果をさらに上皮境界の形状の把握がし易い展開図と併用することにより、診断等を効率的に進められる。 【図面の簡単な説明】 【0070】 【図1】図1は本発明の実施例1を備えた内視鏡システムの構成を示すブロック図。 【図2】図2は食道のような管状器官(管状部位)に挿入された内視鏡により撮像する様子を示す図。 【図3】図3は図2の内視鏡の撮像装置により撮像された内視鏡画像を示す図。 【図4】図4はCPUによる画像処理機能を示す図。 【図5】図5は展開図を生成する処理を経てバレット食道か否かの判定を行う処理手順を示すフローチャート図。 【図6】図6は内視鏡画像と生成された展開図の関係を示す図。 【図7】図7は内視鏡画像から展開図生成の処理手順のフローチャート図。 【図8】図8は図5における上皮境界を検出する処理手順のフローチャート図。 【図9】図9は算出した上皮境界のZ方向の平均値を表示した展開図を示す図。 【図10】図10は予め診断が確定した上皮境界の場合とバレット食道の場合のサンプルの分散値のヒストグラムにより判定基準となる基準値を算出したヒストグラム例を示す図。 【図11】図11は内視鏡画像、展開図及び判定結果を表示したモニタでの表示例を示す図。 【図12】図12は内視鏡画像、この内視鏡画像から推定された食道と胃の胃食道接合部周辺部の内壁の立体形状、及びその立体形状から生成した展開図を示す図。 【図13】図13は本発明の実施例2における内視鏡画像と展開図を示す図。 【図14】図14は展開図を生成する処理を経てバレット食道か否かの判定を行う処理手順を示すフローチャート図。 【図15】図15は本発明の実施例3における内視鏡画像と展開図を示す図。 【図16】図16は展開図を生成する処理を経てバレット食道か否かの判定を行う処理手順を示すフローチャート図。 【図17】図17は展開図における上皮境界上の隣接する2点間の距離を算出する場合の説明図。 【図18】図18は上皮境界の隣接する2点間の距離の総和を算出してバレット食道か否かの判定を行う処理手順を示すフローチャート図。 【図19】図19は内視鏡画像から生成された展開図の上皮境界上の隣接する3点から生成される隣接する2つのベクトルのなす角を求める様子を示す説明図。 【図20】図20は隣接する2つのベクトルのなす角の総和を求めてバレット食道か否かの判定を行う処理手順を示すフローチャート図。 【図21】図21は展開図の上皮境界上の隣接する2点を結ぶベクトルの傾きを算出する様子を示す説明図。 【図22】図22はベクトルの傾きが正から負、負から正に変化する変曲点の総数を算出してその総数からバレット食道か否かの判定を行う処理手順を示すフローチャート図。 【符号の説明】 【0071】 1…内視鏡システム 2…内視鏡観察装置 3…画像処理装置 4…モニタ 6…内視鏡 7…光源装置 8…CCU 11…挿入部 14…先端部 16…CCD 17…撮像装置 21…画像入力部 22…CPU 22a…幾何学的画像変換手段 22b…展開図出力手段 22c…上皮境界検出手段 22d…上皮境界解析手段 23…処理プログラム記憶部 24…画像記憶部 25…解析情報記憶部 27…ハードディスク 28…表示処理部 29…入力操作部 31…食道 A…上皮境界 B…胃食道接合部 代理人 弁理士 伊藤 進
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
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| 【出願日】 |
平成17年1月7日(2005.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開2006−187551(P2006−187551A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2005−3200(P2005−3200) |
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