| 【発明の名称】 |
関心領域指定方法、関心領域指定プログラム、関心領域指定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松本 和彦 【住所又は居所】東京都港区三田1丁目2番18号 ザイオソフト 株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】3次元以上の画像データから関心領域を指定することのできる関心領域指定方法、関心領域指定プログラム、関心領域指定装置を提供する。
【解決手段】ユーザがマウスでVR画像をクリックして指定点群を指定すると(ステップS15)、CPUは、その指定点群を含む曲面を生成する(ステップS20)。その曲面に対して陰面処理を行って(ステップS22)得た描画対象領域に対して厚みTを設定し(ステップS25)、関心領域が確定する(ステップS30)。この関心領域に対してMIP処理を行い(ステップS40)、MIP画像上で関心領域再指処理を行う(ステップS42)。関心領域再指処理において、ユーザはMIP画像上をマウスでクリックし、そのクリックした位置のMIP位置を求める。そして、そのMIP位置を新たな指定点とし、その新たな指定点を基に関心領域指定処理をすることにより、新たな関心領域が再指定される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1つのコンピュータが単独処理でまたは複数のコンピュータが単独処理と分散処理とのうち少なくとも1つの処理で、3次元以上の画像データから関心領域を指定する関心領域指定方法において、 少なくとも1つのコンピュータが、 前記3次元以上の画像データを構成する複数の3次元以上の画素の座標から任意の座標を指定点として指定する指定段階と、 前記指定点を互いに接続して前記指定点を含む曲面を生成する曲面生成段階と、 前記曲面に対して所定の厚みを付加して関心領域とする関心領域指定段階と を備えたことを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項2】 請求項1に記載の関心領域指定方法において、 少なくとも1つのコンピュータが、 前記3次元以上の画像データを2次元面に投影して投影面を得る投影面生成段階と、 前記投影面上の点に対応する前記3次元以上の画像データ上の3次元以上の画素の座標から指定点を指定し、関心領域を再指定する関心領域再指定段階と を備えたことを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項3】 請求項2に記載の関心領域指定方法において、 前記関心領域再指定段階は、 さらに、 複数の3次元以上の画素からなる前記関心領域に対して、前記投影面上の点からレイを入力するレイ設定段階と、 前記レイ上にある前記関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定する新指定点指定段階とを備え、 新たに指定した前記指定点を含む曲面を新たに生成し、その新たに生成した曲面に対して前記所定の厚みを設定することにより新たな関心領域を指定することを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項4】 請求項3に記載の関心領域指定方法において、 新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最大の画素の座標であることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項5】 請求項3に記載の関心領域指定方法において、 新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最小の画素の座標であることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、 前記指定点の指定順序を変更しても前記関心領域は同一であることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、 前記指定点を編集することができることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、 前記曲面は、前記指定点の指定に伴って変更できることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、 前記曲面は、凸包を構成する曲面の一部であることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、 前記曲面には、凹んだ部分があることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、 少なくとも1つのコンピュータが、 前記曲面に対して陰面処理を行い、前記曲面のうち陰面として割り当てられた領域以外を関心対象領域として選択する関心領域選択段階を備えたことを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項12】 請求項11に記載の関心領域指定方法において、 前記陰面処理は、前記曲面のうち視線方向において手前側に位置する領域を関心対象領域を作成するときに用いる曲面として選択することを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項13】 請求項12に記載の関心領域指定方法において、 前記関心対象領域の選択は、前記視線方向の変化に伴って実行されることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項14】 請求項1または2に記載の関心領域指定方法において、 前記3次元以上の画像データは、臓器を含むことを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項15】 請求項1または3に記載の関心領域指定方法において、 前記所定の厚みはGUIで変更することができることを特徴とする関心領域指定方法。 【請求項16】 1つのコンピュータが単独処理でまたは複数のコンピュータが単独処理と分散処理とのうち少なくとも1つの処理で、3次元以上の画像データから関心領域を指定する関心領域指定プログラムであって、 前記1つのコンピュータまたは複数のコンピュータを、 前記3次元以上の画像データを構成する複数の3次元以上の画素の座標から任意の座標を指定点として指定する指定手段と、 前記指定点を互いに接続して前記指定点を含む曲面を生成する曲面生成手段と、 前記曲面に対して所定の厚みを付加して関心領域とする関心領域指定手段と して機能させることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項17】 請求項16に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記1つのコンピュータまたは複数のコンピュータを、 前記3次元以上の画像データを2次元面に投影して投影面を得る投影面生成手段と、 前記投影面上の点に対応する前記3次元以上の画像データ上の3次元以上の画素の座標から指定点を指定し、関心領域を再指定する関心領域再指定手段と して機能させることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項18】 請求項17に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記関心領域再指定手段は、 さらに、 複数の3次元以上の画素からなる前記関心領域に対して、前記投影面上の点からレイを入力するレイ設定手段と、 前記レイ上にある前記関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定する新指定点指定手段とを備え、 新たに指定した前記指定点を含む曲面を新たに生成し、その新たに生成した曲面に対し て前記所定の厚みを設定することにより新たな関心領域を指定することを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項19】 請求項18に記載の関心領域指定プログラムであって、 新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最大の画素の座標であることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項20】 請求項18に記載の関心領域指定プログラムであって、 新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最小の画素の座標であることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項21】 請求項16乃至20のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記指定点の指定順序を変更しても前記関心領域は同一であることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項22】 請求項16乃至21のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記指定点を編集することができることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項23】 請求項16乃至22のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記曲面は、前記指定点の指定に伴って変更できることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項24】 請求項16乃至23のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記曲面は、凸包を構成する曲面の一部であることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項25】 請求項16乃至23のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記曲面には、凹んだ部分があることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項26】 請求項16乃至25のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記1つのコンピュータまたは複数のコンピュータを、 前記曲面に対して陰面処理を行い、前記曲面のうち陰面として割り当てられた領域以外を関心対象領域として選択する関心領域選択手段として機能させることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項27】 請求項26に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記陰面処理は、前記曲面のうち視線方向において手前側に位置する領域を関心対象領域を作成するときに用いる曲面として選択することを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項28】 請求項27に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記関心対象領域の選択は、前記視線方向の変化に伴って実行されることを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項29】 請求項16または17のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記3次元以上の画像データは、臓器を含むことを特徴とする関心領域指定プログラム。 【請求項30】 請求項16または18に記載の関心領域指定プログラムであって、 前記所定の厚みはGUIで変更することができることを特徴とする関心領域指定プログ ラム。 【請求項31】 1つのコンピュータが単独処理でまたは複数のコンピュータが単独処理と分散処理とのうち少なくとも1つの処理で、3次元以上の画像データから関心領域を指定する関心領域指定装置であって、 前記3次元以上の画像データを構成する複数の3次元以上の画素の座標から任意の座標を指定点として指定する指定手段と、 前記指定点を互いに接続して前記指定点を含む曲面を生成する曲面生成手段と、 前記曲面に対して所定の厚みを付加して関心領域とする関心領域指定手段と を備えたことを特徴とする関心領域指定装置。 【請求項32】 請求項31に記載の関心領域指定装置であって、 前記3次元以上の画像データを2次元面に投影して投影面を得る投影面生成手段と、 前記投影面上の点に対応する前記3次元以上の画像データ上の3次元以上の画素の座標から指定点を指定し、関心領域を再指定する関心領域再指定手段と を備えたことを特徴とする関心領域指定装置。 【請求項33】 請求項32に記載の関心領域指定装置であって、 前記関心領域再指定手段は、 さらに、 複数の3次元以上の画素からなる前記関心領域に対して、前記投影面上の点からレイを入力するレイ設定手段と、 前記レイ上にある前記関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定する新指定点指定手段とを備え、 新たに指定した前記指定点を含む曲面を新たに生成し、その新たに生成した曲面に対して前記所定の厚みを設定することにより新たな関心領域を指定することを特徴とする関心領域指定装置。 【請求項34】 請求項32に記載の関心領域指定装置であって、 前記指定手段、前記曲面生成手段、前記関心領域指定手段、前記投影面生成手段、前記関心領域再指定手段の一部または全部は、GPUであることを特徴とする関心領域指定装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、関心領域指定方法、関心領域指定プログラム、関心領域指定装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、診断・治療等の医療行為を行う場で、X線診断装置、X線CT装置、核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)等の医用画像診断装置で作成した3次元以上の医用画像情報(ボクセルデータ)を可視化し、診断若しくは治療に用いることが行われていた。ボクセルデータは3次元以上に密に詰まった画素のデータであるので内部を効果的に可視化するのは難しい。かかる問題に対処するためにボリュームデータを可視化する際にボクセルデータVDの可視化したい範囲を関心領域(Region of Interest)として選定した上で可視化することや、ボクセルデータより2次元面を切り出して2次元画像として扱うことが一般的に行われている。 【0003】 関心領域は領域抽出(Region Extraction )を行うことによって設定できるが、領域抽出法は対象となる臓器や物体にあわせて数々の方法が考案されている。領域抽出の一例を示す。まず、濃淡値を有するボクセルからなるボクセルデータを所定のしきい値で2値化して、2値ボクセルデータを作成する。その後、2値ボクセルデータに対して垂直に光線をのばし、光線が「1」の値を持つボクセル(関心領域のボクセル)に到達するまでの長さを求め、各画素における光線の長さからなる深さ画像を作成する。そして、その深さ画像から表示対象物の表面の座標を逆算し、あるボクセルデータのボクセル値とその近傍のボクセルデータのボクセル値に基づいて面法線を求めて影付けし、表面表示画像を作成する(例えば、特許文献1)。 【0004】 一方、2次元面の切り出し方法としてMPR(Multi Planar Reconstruction )がある。MPRとは、ボクセルデータの任意の断平面を抽出して表示する方法で、例えば、横断面で撮影した複数枚のスライス画像(CT画像)からそれとは異なる平断面のスライス画像を再構成することができる。 【特許文献1】米国特許第5793375号明細書 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、MPRは、任意の断平面を表現したものであるため、例えば臓器表面の血管のように曲面上にあって平面上に乗らない物体の観察が困難であった。そこで、ボリュームデータから任意の2つの平面間の関心領域を切り出して、その関心領域に対してMIP(Max Intensity Projection)処理を行う厚み付きMIPがあった。MIPでは、ボクセルデータに対して、そのボクセルデータを通過する光路を設定する。そして、その光路に直角な投影面である2次元平面上に光路上の最大のデータ(医用画像情報の各画素の画素値)をMIP画像として表示していた。厚み付きMIPは上記MIP処理をボクセルデータのうちの2つの平面間の関心領域に限定して行うもので、厚みのある平面領域が表現できるという点において前記関心領域を用いる可視化方法と2次元面を切り出す可視化方法の中間的な方法である。厚み付きMIPは、血管のように任意の2つの平面間の領域を蛇行する物体を観察しやすいが、その観察可能な範囲が予め定めた領域内に限定されていた。 【0006】 そこで、さらに、CPR(Curved Multi Planar Reconstruction)によって曲断面を可視化することができる。CPRとは、ボクセルデータの断曲面を抽出して表示する方法であって、例えば、血管を観察する際に、常にその血管を断面上に表示することのできる断 曲面を抽出して表示できる。ところが、CPRによって作成される曲面は1本の曲線上に乗った互いに平行な直線の集合として表現されるため、曲面としての自由度が限定されている。その為に例えば一本の血管を含む断曲面を生成することは可能であるが、血管が枝分かれするなど、複数の曲線を含んだ曲面の表現ができないという欠点がある。また、1本の血管を表示する場合であっても、CPRで表示する際には、その血管に沿った面をユーザの操作によって指定する必要があり、表示、観察に手間を要していた。 【0007】 本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、3次元以上の画像データから関心領域を指定することのできる関心領域指定方法、関心領域指定プログラム、関心領域指定装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、1つのコンピュータが単独処理でまたは複数のコンピュータが単独処理と分散処理とのうち少なくとも1つの処理で、3次元以上の画像データから関心領域を指定する関心領域指定方法において、少なくとも1つのコンピュータが、前記3次元以上の画像データを構成する複数の3次元以上の画素の座標から任意の座標を指定点として指定する指定段階と、前記指定点を互いに接続して前記指定点を含む曲面を生成する曲面生成段階と、前記曲面に対して所定の厚みを付加して関心領域とする関心領域指定段階とを備えたことを要旨とする。 【0009】 この発明によれば、3次元以上の画像データを構成する複数の3次元以上の画素の座標から任意の座標を指定点として指定し、それら指定点を互いに接続して指定点を含む曲面を生成し、その曲面に対して所定の厚みを付加して関心領域とする。この結果、3次元以上の画像データから関心領域を指定することができるので、例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、その表面を関心領域として指定することにより、それぞれの血管を個別に指定することなしに、関心領域上で一度に観察することができる。 【0010】 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の関心領域指定方法において、少なくとも1つのコンピュータが、前記3次元以上の画像データを2次元面に投影して投影面を得る投影面生成段階と、前記投影面上の点に対応する前記3次元以上の画像データ上の3次元以上の画素の座標から指定点を指定し、関心領域を再指定する関心領域再指定段階とを備えたことを要旨とする。 【0011】 この発明によれば、3次元以上の画像データを2次元面に投影して得た投影面上の点に対応する3次元以上の画像データ上の3次元以上の画素の座標から指定点を指定し、関心領域を再指定する。この結果、投影面も参考にして指定点を指定し、関心領域を再指定することができる。従って、所望の観察対象のある領域を容易でありながらも正確に関心領域として指定することができる。 【0012】 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の関心領域指定方法において、前記関心領域再指定段階は、さらに、複数の3次元以上の画素からなる前記関心領域に対して、前記投影面上の点からレイを入力するレイ設定段階と、前記レイ上にある前記関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定する新指定点指定段階とを備え、新たに指定した前記指定点を含む曲面を新たに生成し、その新たに生成した曲面に対して前記所定の厚みを設定することにより新たな関心領域を指定することを要旨とする。 【0013】 この発明によれば、関心領域再指定段階は、複数の3次元以上の画素からなる関心領域に対して、投影面上の点からレイを入力し、そのレイ上にある関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定する。そして、新たに指定した指定点を含む曲面を新たに生成し、その新たに生成した曲面に対して所定の厚みを設定することによ り新たな関心領域を指定する。この結果、曲面上に乗っていなくても関心領域内にある観察対象は投影面上に投影されるので、そのレイ上にある関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定し、新たに曲面を生成することにより、新たな関心領域を再指定することができる。従って、例えば、3次元以上の画像データにおいて大雑把に関心領域を指定し、その後投影面において、特に投影面と直交する方向において精度良く関心領域を指定することができる。 【0014】 請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の関心領域指定方法において、新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最大の画素の座標であることを要旨とする。 【0015】 この発明によれば、複数の3次元以上の画素のうち任意の1個の画素は、レイ上にある複数の3次元以上の画素のうち画素値が最大の画素であるので、例えば、MIP(Max Intensity Projection)画像において所望の観察対象を観察することができる。 【0016】 請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の関心領域指定方法において、新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最小の画素の座標であることを要旨とする。 【0017】 この発明によれば、複数の3次元以上の画素のうち任意の1個の画素は、レイ上にある複数の3次元以上の画素のうち画素値が最小の画素であるので、例えば、MinIP(Minimum Intensity Projection)画像において所望の観察対象を観察することができる。 【0018】 請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、前記指定点の指定順序を変更しても前記関心領域は同一であることを要旨とする。 【0019】 この発明によれば、指定段階において、指定点の指定順序を変更しても関心領域は同一であるので、例えば、一度関心対象領域を指定した後に新たな関心対象領域を再指定したいとき、指定点を追加、削除、変更することが容易になる。 【0020】 請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、前記指定点を編集することができることを要旨とする。 この発明によれば、指定点を編集することができるので、観察対象に合わせて指定点を編集することにより、所望の観察対象を観察することができる。 【0021】 請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、前記曲面は、前記指定点の指定に伴って変更できることを要旨とする。 この発明によれば、曲面は、指定点の指定に伴って変更できるので、例えば、一度関心対象領域を指定した後に新たな関心対象領域を再指定したいとき等、後から指定点を追加、削除、変更したときにも、その指定点の追加等の指定に応じて曲面を変更することができる。 【0022】 請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、前記曲面は、凸包を構成する曲面の一部であることを要旨とする。 この発明によれば、曲面は、凸包を構成する曲面の一部であるので、例えば、指定点の接続関係を一意に定めることができる。 【0023】 請求項10に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、前記曲面には、凹んだ部分があることを要旨とする。 この発明によれば、曲面には、凹んだ部分があるので、例えば、曲面が、凸包を構成する曲面の一部でないものであっても、指定点の接続関係を一意に定めることができる。 【0024】 請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の関心領域指定方法において、少なくとも1つのコンピュータが、前記曲面に対して陰面処理を行い、前記曲面のうち陰面として割り当てられた領域以外を関心対象領域として選択する関心領域選択段階を備えたことを要旨とする。 【0025】 この発明によれば、曲面に対して陰面処理を行い、曲面のうち陰面として割り当てられた領域以外を関心対象領域として選択する。この結果、観察時に陰面となる領域以外を関心対象領域とすることができるので、観察時に前後関係が把握し難い曲面を生成したときも、観察対象を容易に観察することができる。 【0026】 請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の関心領域指定方法において、前記陰面処理は、前記曲面のうち視線方向において手前側に位置する領域を関心対象領域を作成するときに用いる曲面として選択することができることを要旨とする。 【0027】 この発明によれば、陰面処理は、曲面のうち視線方向において手前側に位置する領域を関心対象領域を作成するときに用いる曲面として選択する。この結果、例えばMIP画像等のように視線方向における前後関係が把握し難い投影面を生成したときにも、観察対象を容易に観察することができる。 【0028】 請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の関心領域指定方法において、前記関心対象領域の選択は、前記視線方向の変化に伴って実行されることを要旨とする。 この発明によれば、関心対象領域の選択は、視線方向の変化に伴って実行されることから、観察対象について観察したい向きに合わせて関心対象領域を選択するので、異なる向きの観察対象についても、前後関係の把握が可能な画像において容易に観察対象を観察することができる。 【0029】 請求項14に記載の発明は、請求項1または2に記載の関心領域指定方法において、前記3次元以上の画像データは、臓器を含むことを要旨とする。 この発明によれば、3次元以上の画像データは、臓器を含むので、例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、その臓器の表面を関心領域として指定することにより、それぞれの血管を個別に指定することなしに、関心領域上で一度に観察することができる。 【0030】 請求項15に記載の発明は、請求項1または3に記載の関心領域指定方法において、前記所定の厚みはGUIで変更することができることを要旨とする。 この発明によれば、所定の厚みはGUI(Graphical User Interface)で変更することができるので、例えば、観察対象を観察する際の精度に合わせて関心領域の厚みを変更することができる。 【0031】 請求項16に記載の発明は、1つのコンピュータが単独処理でまたは複数のコンピュータが単独処理と分散処理とのうち少なくとも1つの処理で、3次元以上の画像データから関心領域を指定する関心領域指定プログラムであって、前記1つのコンピュータまたは複数のコンピュータを、前記3次元以上の画像データを構成する複数の3次元以上の画素の座標から任意の座標を指定点として指定する指定手段と、前記指定点を互いに接続して前記指定点を含む曲面を生成する曲面生成手段と、前記曲面に対して所定の厚みを付加して関心領域とする関心領域指定手段として機能させることを要旨とする。この発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0032】 請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の関心領域指定プログラムであって、前記1つのコンピュータまたは複数のコンピュータを、前記3次元以上の画像データを2次元面に投影して投影面を得る投影面生成手段と、前記投影面上の点に対応する前記3次元以上の画像データ上の3次元以上の画素の座標から指定点を指定し、関心領域を再指定する関心領域再指定手段として機能させることを要旨とする。この発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0033】 請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の関心領域指定プログラムであって、前記関心領域再指定手段は、さらに、複数の3次元以上の画素からなる前記関心領域に対して、前記投影面上の点からレイを入力するレイ設定手段と、前記レイ上にある前記関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定する新指定点指定手段とを備え、新たに指定した前記指定点を含む曲面を新たに生成し、その新たに生成した曲面に対して前記所定の厚みを設定することにより新たな関心領域を指定することを要旨とする。この発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0034】 請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の関心領域指定プログラムであって、新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最大の画素の座標であることを要旨とする。この発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0035】 請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の関心領域指定プログラムであって、新たに指定した前記指定点は、前記レイ上にある前記複数の3次元以上の画素のうち画素値が最小の画素の座標であることを要旨とする。この発明によれば、請求項5に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0036】 請求項21に記載の発明は、請求項16乃至20のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、前記指定点の指定順序を変更しても前記関心領域は同一であることを要旨とする。この発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0037】 請求項22に記載の発明は、請求項16乃至21のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、前記指定点を編集することができることを要旨とする。この発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0038】 請求項23に記載の発明は、請求項16乃至22のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、前記曲面は、前記指定点の指定に伴って変更できることを要旨とする。この発明によれば、請求項8に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0039】 請求項24に記載の発明は、請求項16乃至23のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、前記曲面は、凸包を構成する曲面の一部であることを要旨とする。この発明によれば、請求項9に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0040】 請求項25に記載の発明は、請求項16乃至23のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、前記曲面には、凹んだ部分があることを要旨とする。この発明によれば、請求項10に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0041】 請求項26に記載の発明は、請求項16乃至25のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、前記1つのコンピュータまたは複数のコンピュータを、前記曲面に対して陰面処理を行い、前記曲面のうち陰面として割り当てられた領域以外を関心対象領域として選択する関心領域選択手段として機能させることを要旨とする。この発明によれ ば、請求項11に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0042】 請求項27に記載の発明は、請求項26に記載の関心領域指定プログラムであって、前記陰面処理は、前記曲面のうち視線方向において手前側に位置する領域を関心対象領域を作成するときに用いる曲面として選択することを要旨とする。この発明によれば、請求項12に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0043】 請求項28に記載の発明は、請求項27に記載の関心領域指定プログラムであって、前記関心対象領域の選択は、前記視線方向の変化に伴って実行されることを要旨とする。この発明によれば、請求項13に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0044】 請求項29に記載の発明は、請求項16または17のいずれか1項に記載の関心領域指定プログラムであって、前記3次元以上の画像データは、臓器を含むことを要旨とする。この発明によれば、請求項14に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0045】 請求項30に記載の発明は、請求項16または18に記載の関心領域指定プログラムであって、前記所定の厚みはGUIで変更することができることを要旨とする。この発明によれば、請求項15に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0046】 請求項31に記載の発明は、1つのコンピュータが単独処理でまたは複数のコンピュータが単独処理と分散処理とのうち少なくとも1つの処理で、3次元以上の画像データから関心領域を指定する関心領域指定装置であって、前記3次元以上の画像データを構成する複数の3次元以上の画素の座標から任意の座標を指定点として指定する指定手段と、前記指定点を互いに接続して前記指定点を含む曲面を生成する曲面生成手段と、前記曲面に対して所定の厚みを付加して関心領域とする関心領域指定手段とを備えたことを要旨とする。この発明によれば、請求項1、16に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0047】 請求項32に記載の発明は、請求項31に記載の関心領域指定装置であって、前記3次元以上の画像データを2次元面に投影して投影面を得る投影面生成手段と、前記投影面上の点に対応する前記3次元以上の画像データ上の3次元以上の画素の座標から指定点を指定し、関心領域を再指定する関心領域再指定手段とを備えたことを要旨とする。この発明によれば、請求項2、17に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0048】 請求項33に記載の発明は、請求項32に記載の関心領域指定装置であって、前記関心領域再指定手段は、さらに、複数の3次元以上の画素からなる前記関心領域に対して、前記投影面上の点からレイを入力するレイ設定手段と、前記レイ上にある前記関心領域の画素のうち任意の1個の画素の座標を新たに指定点として指定する新指定点指定手段とを備え、新たに指定した前記指定点を含む曲面を新たに生成し、その新たに生成した曲面に対して前記所定の厚みを設定することにより新たな関心領域を指定することを要旨とする。この発明によれば、請求項3、18に記載の発明と同様の作用効果が得られる。 【0049】 請求項34に記載の発明は、請求項32に記載の関心領域指定装置であって、前記指定手段、前記曲面生成手段、前記関心領域指定手段、前記投影面生成手段、前記関心領域再指定手段の一部または全部は、GPUであることを要旨とする。 【0050】 この発明によれば、指定手段、曲面生成手段、関心領域指定手段、投影面生成手段、関心領域再指定手段の一部または全部は、GPUであるので、関心領域の指定等に要する時間を短縮することができる。 【発明の効果】 【0051】 本発明によれば、3次元以上の画像データから関心領域を指定することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0052】 (第1実施形態) 以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図17に従って説明する。 図1に示すように、画像表示装置1は、データベース2から例えば、CT(Computerized Tomography )画像撮影装置により撮影されたCT画像データを読み取って、医療診断用の各種画像を生成し画面に表示する。本実施形態では、CT画像データを例に説明するが、これに限定されない。すなわち、使用される画像データは、CTに限らず、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等の医用画像処理装置より得られるデータ及びそれらを組み合わせたり加工したりしたものである。 【0053】 画像表示装置1は、計算機(コンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ)3と、モニタ4と、キーボード5及びマウス6などの入力装置とを備えている。計算機3はデータベース2と接続されている。 【0054】 図2は、画像表示装置の概略構成を示す。計算機(コンピュータ)3にはCPU(中央処理装置)7、ハードディスク等からなるメモリ8が備えられており、メモリ8には、関心領域指定処理を実行するためのプログラム(アプリケーションソフト)9が記憶されている。メモリ8はデータベース2又はハードディスクから読み取ったCT画像データから得られた3次元以上の画像データとしてのボクセルデータ、そのボクセルデータをボリュームレンダリング処理したボリュームレンダリング画像、関心領域の厚みを一時記憶するメモリ部8aを備えている。また、メモリ8は、2次元画面上の全てのピクセルのMIP値を記憶するMIP値グリッド記憶部VGと、そのMIP値グリッド記憶部VGに記憶したMIP値のそれぞれの座標であるMIP位置を記憶するMIP位置グリッド記憶部PGを備えている。さらに、メモリ8は、ボリュームレンダリング処理したボクセルデータのうち所望の領域を指定するための指定点の3次元座標を記憶する指定点記憶部Aを備えている。また、それら指定点を全て互いに接続して曲面を生成する際の、それら指定点の接続関係を記憶する接続関係記憶部C、指定点を全て含んだ関心領域を記憶する関心領域記憶部I、関心領域のうち描画対象となる領域を記憶する描画対象領域記憶部DMを備えている。 【0055】 CPU7は、このプログラム9を実行することにより、データベース2から取得したCT画像データから得られたボクセルデータから関心領域を指定する関心領域指定処理を実行する。すなわち、本実施形態では、関心領域指定装置としてのCPU7(計算機3)が、関心領域指定処理(指定段階、曲面生成段階、関心領域指定段階、投影面生成段階、関心領域再指定段階、関心領域選択段階、レイ設定段階、新指定点指定段階等)の関心領域指定プログラムを実行する。これにより、CPU7(計算機3)は、指定手段、曲面生成手段、関心領域指定手段、投影面生成手段、関心領域再指定手段、関心領域選択手段、レイ設定手段、新指定点指定手段等として機能する。 【0056】 ここで、ボクセルデータVDとは、図3に示すように、3次元以上の画素としてのボクセル(Voxel )の集合であり、3次元の格子点にボクセル値として画素値が割り当てられている。本実施形態では、例えば、CT画像データの画素値、すなわちCT値をそのまま画素値としている。 【0057】 CT画像データは、被写体としての患者等の人体を断層撮影したもので、1枚については骨、血管、臓器等の2次元断層画像であるが、多数の隣接するスライス(断層)について得られていることから、これら全体では3次元の画像データと言える。従って、以下、CT画像データは、複数のスライスを含んだ3次元の画像データを意味する。 【0058】 また、CT画像データは、被写体としての組織(骨、血管、臓器等)毎に異なるCT値を持っている。CT値は、水を基準として表現した組織のX線減弱係数であり、CT値により組織や病変の種類等が判断できるようになっている。また、CT画像データには、CT撮影装置によりCTスキャンされた人体の断層画像(スライス画像)の座標データもすべてあり、視線方向(奥行き方向)における異なる組織間の位置関係は、座標データから判別できるようになっている。すなわち、ボクセルデータは、CT値(以下、ボクセル値という。)及び座標データを備えている。 【0059】 本実施形態では、前記ボクセルデータVDについて、CPU7によってボリュームレンダリング画像生成処理が実行され、予め図17に示すようなボリュームレンダリング画像(以下、VR画像という)VPが生成され、メモリ部8aに記憶されている。なお、VR画像VPは、ボリュームレンダリング等の公知の方法を用いて生成されるため、その詳細な説明は省略する。そして、モニタ4(画面4a)には、後述する関心領域指定処理を実行後に、図17に示すように、VR画像VPと、そのVR画像VP(ボクセルデータVD)のうち関心領域についてMIP処理した画像である投影面としてのMIP画像MP2が並べて表示される。 【0060】 関心領域は、臓器等の表面のような任意の曲面に所定の厚みを有した領域の一部である。関心領域は、関心領域指定処理によって生成され、その関心領域についてMIP処理を行うことによって関心領域内にある観察対象を観察するためのMIP画像MP1(図10参照)が表示される。一方、そのMIP画像MP1上で同様に関心領域指定処理を実行することにより新たな関心領域を指定することができ、さらにその関心領域についてMIP処理を行うことによって新たなMIP画像MP2(図17参照)を表示することができる。なお、本実施形態では、観察対象は臓器の表面にある複数の血管であるとする。 【0061】 詳述すると、関心領域指定処理とは、VR画像VP(ボクセルデータVD)から所定の厚みのある関心領域を指定する処理である。関心領域指定処理において、ユーザは、モニタ4の画面4a上に表示されたVR画像VPをマウス6でクリックすることによって、図10に示すように、VR画像VP(ボクセルデータVD)を構成する3次元座標を有した複数の画素の座標のうちの任意の指定点15を指定することができる。そして、その任意の指定点15を含む曲面を後述する曲面生成処理で生成し、その曲面に予め定めた厚みを設定することにより、関心領域が生成される。なお、関心領域指定処理は、VR画像VPにおいてだけでなく、他の画像処理方法で得た画像において、また、ボクセルデータVDにおいてもできるが、本実施形態では、説明の便宜上、VR画像VPにおいて関心領域指定処理を行ったとする。 【0062】 このとき、画面4a上に、同じボクセルデータVDに対して複数の異なる視点に対して生成した互いに関連づけられたVR画像(例えば、正面から見た画像と上から見た画像等)を複数用意し、それら複数のVR画像においてそれぞれ任意の指定点を指定することにより、任意の立体の表面全てに対して関心領域を生成することができる。 【0063】 また、簡単に画面4a上に、同じボクセルデータVDに対してのアキシアル(上又は下から見た像)、サジタル(横から見た像)、コロナル(前から見た像)に代表される二次元断面によって二次元断面上の点に対応するボクセルデータVD上の座標を指定することによって、任意の立体の表面全てに対して関心領域を生成することもできる。 【0064】 すなわち、これら指定した任意の指定点は、それぞれ3次元座標と共にメモリ8の指定点記憶部Aに記憶されている。そのため、例えば、視点の変化にしたがって画面4a上に異なる視点から見たVR画像が表示されたとき、一度指定した任意の指定点がその視点の 変化後のVR画像に乗っていれば、その任意の指定点はその視点変化後のVR画像上に表示される。つまり、これら任意の指定点は3次元座標を有しており、任意の指定点の指定は任意の立体のうち画面4a上に表示されている面に対してだけでなく、任意の立体の表面全てに対して行うことができるので、恰も任意の立体の表面に沿った3次元的な膜のように関心領域を指定することができる。 【0065】 図4〜図7は、複数の指定点をそれぞれ接続し、それら複数の指定点を含んだ任意の曲面を生成する曲面生成処理を説明するものである。なお、説明の便宜上、図4〜図7においてVR画像VPの図示を省略している。 【0066】 例えば、図4に示すように、VR画像上で複数の指定点21,22,23,24,25,26がこの順番で指定されたとすると、CPU7は、図5に示すように、それら複数の指定点21〜26の外接球面28を仮定する。そして、その外接球面28の重心に光源30を仮定すると、図6に示すように、その光源30から複数の指定点21〜26をそれぞれ外接球面28上に射影する。次に、その外接球面28上において2次元デローネ分割(Delaunay 2D )を行う。 【0067】 すなわち、それら射影後の複数の指定点21〜26(以下、射影指定点21a〜26aという)の隣接した指定点同士をそれぞれ接続し、その接続関係をメモリ8の接続関係記憶部Cに保存する。そして、図7に示すように、元の複数の指定点21〜26においてそれら射影指定点21a〜26aの接続関係を適用する。従って、接続関係は自動的に設定される。つまり、外接球面28に射影された射影指定点21a〜26aを接続するので、臓器表面のように凸包を構成する曲面としての凹凸を含む曲面を一意に自動的に定めることができる。そのため、一度曲面を生成した後にその曲面に対して指定点を追加しても、その追加した指定点は各指定点21〜26を含んだ曲面に別個に接続されるのではなく、各指定点21〜26と追加した指定点を含んだ多角形となる曲面が生成されるように接続される。また、このとき多角形が凸多角形に限定されることがない。 【0068】 さらに、図4の指定点25のように、他の指定点21〜24,26よりも凹んでいる(重心側に位置している)指定点があるときにも、それらの接続順序を一意に定めることができる。つまり、指定点25が他の指定点21〜24,26よりも凹んでいるときには、従来の方法では指定点23は指定点25、または指定点26のどちらにも接続される可能性がある。従って、自動的に接続すると指定点23は指定点25,26と接続されるため、所望の曲面を得ることができない。しかし、前述の曲面生成処理により、外接球面28上に投影後に隣接する射影指定点21a〜26aを互いに接続し、その接続関係を指定点21〜26において適用することにより、他の指定点21〜24,26よりも凹んでいる指定点25があるときにもそれらの接続関係を一意に定めることができる。 【0069】 上記処理を行うことによって、従来の例えば3次元デローネ分割(Delaunay 3D )法を利用した方法における凹んだ箇所が存在すると指定を接続した結果が一意に定まらない、凹んだ箇所が存在すると処理できない、指定点の追加に対して生成した曲面が大きく変わってしまう等の弊害を克服することができる。 【0070】 このようにして指定点21〜26を結ぶことにより生成された領域は立体であるため、2次元面上に描画したときに、視点からの前後関係の把握が困難であるため、陰面処理をする必要がある。さらに、本実施形態で生成した領域は立体であって面ではないため、例えばサーフィスレンダリングで用いるZバッファ法(Z-buffer Method )等の陰面処理手段は使用できない。 【0071】 そのため、本実施形態では、VR画像VPに表示されている曲面について前記視点の変 化に合わせて陰面処理を行い、描画される領域、すなわち図8に示すように、視線方向(図8の矢印方向)から見て手前に位置する面を関心対象領域としての描画対象領域35(図8実線部分)として選択する。そして、その描画対象領域35を描画対象領域記憶部DMに記憶する。 【0072】 このようにして生成された描画対象領域35に対して、所定の厚みとしての厚みT(図11参照)を設定することにより、関心領域が確定する。本実施形態では、メモリ部8aに予め記憶された厚みTを前記曲面の内外にそれぞれ設けるが、これを任意曲面の外側にのみ厚みTを設けてもよい。また、この厚みTを例えば観察対象や観察精度に合わせてユーザがその都度指定してもよい。 【0073】 そして、このように生成された関心領域をMIP処理することにより、MIP画像を生成する。 図9は、MIP処理にてMIP画像を生成する処理を示すものである。 【0074】 MIPとはMaximum Intensity Projectionの略であり、最大値投影法とも呼ばれている。これは、3次元画像データを2次元画像データに変換する方法の1つであり、例えば、平行投影法の場合、図3に示すように、2次元面(フレーム)FのピクセルP毎に、観察対象であるボクセルデータVDに視線方向からレイ(仮想光線)Rを照射する。そして、そのレイR上にあるN個のボクセルV1,V2・・・Vnのボクセル値D1,D2・・・Dnの最大値(以下、MIP値という。)を2次元画像データとするものである。 【0075】 すなわち、同じボクセルデータVDを観察対象としても、レイRの向きによって投影される2次元画像データが異なる。また、中心投影法のように、ある1点の視点からボクセルデータVDに対して放射状にレイRを照射することにより、例えば、血管等の管状臓器の内側を内視鏡のように観察するような画像を得られる。さらに、円筒投影法のように、ボクセルデータVDの周囲に仮想的に配置した円筒面に対して、円筒の中心線に分布する視点からボクセルデータVDに放射状にレイRを照射することにより、例えば、管状臓器(例えば、血管、気管、消化管等)の内側を展開したような画像を得る。本実施形態では、3次元画像データの外部の観察に最も適している平行投影法を用いたものとする。なお、レイ到達位置が格子上にない場合は、その周りのボクセルVのボクセル値Dから補間処理を行ってその位置でのボクセル値Dを計算する。 【0076】 詳しくは、1ピクセルについての各ボクセルV1〜Vnのボクセル値D1〜Dnは、例えば、図9に示すように表現できる。図9は、ピクセル毎に視線方向から1本のレイRを照射したときにレイRが通過したボクセルVのボクセル値Dを表現しており、図3における1本のレイRに対応している。そして、横軸にボクセルVの奥行き(距離)を、縦軸にボクセル値Dを示している。図9に示すように、あるピクセルPnについてはレイR上にはV1〜V13の13個のボクセルがあり、そのうちボクセルV11のボクセル値D11が最も大きいため、これがピクセルPnのMIP値となり、ピクセルPnが対応するMIP値グリッド記憶部VGに記憶される。 【0077】 また、ボクセルV11が位置する、すなわちボクセル値DがMIP値であるボクセルの3次元格子点が、MIP位置としてピクセルPnの対応するMIP位置グリッド記憶部PGに記憶される。すなわち、MIP位置グリッド記憶部PGは、2次元画像データに対応する奥行き情報(距離)を記憶するという点ではZバッファ法(Z-buffer method )のZバッファと同様の機能である。しかしながら、Zバッファ法においては、手前側のデータのみ2次元画像データとして表示されるが、MIP画像においては、奥行き情報(距離)に関係なく最もボクセル値の高いデータが2次元画像データとして表示される。なお、ここで言う距離はユークリッド距離に限定されず、z方向の距離のみや方向に重率を加えた 距離等、一般化された非ユークリッド距離も含む。 【0078】 そして、同様に描画対象領域35上の全てのピクセルについてMIP値を求めて、MIP値グリッド記憶部VGにそれぞれ記憶する。また、MIP画像の全ピクセルの全てのMIP値に対応したMIP位置が、MIP位置グリッド記憶部PGに記憶される。 【0079】 このようにして描画対象領域35が指定されると、図10に示すように、モニタ4の画面4a上には、VR画像VPと並んでVR画像VP上で指定した描画対象領域35をMIP処理したMIP画像MP1が、それぞれユーザが指定した複数の指定点15と共に表示される。なお、この複数の指定点15(描画対象領域35)を画面4a上に表示するか否かをユーザの指示により選択することができ、複数の指定点15を表示しないとき、図17に示すように、画面4a上にはVR画像VPとMIP画像MP2とが並んで表示される。このMIP画像MP2において、例えば、観察対象として臓器の表面にある血管を観察する際に、血管は常にその臓器の表面上を直進しているわけではないため、特に視線の奥行き方向においてVR画像VP上で指定点を指定して生成した曲面上に乗らないときがある。 【0080】 そこで、本実施形態では、曲面に厚みTを設定した関心領域に対してMIP処理を行うようにしているので、関心領域内にある観察対象であれば、曲面上に乗っていなくてもMIP画像上に表示することができる。従って、その曲面に乗っていなくても関心領域内にある観察対象のMIP位置を新たな指定点として指定すれば(関心領域再指定処理)、その新たな指定点を含んだ新たな曲面、すなわち観察対象が乗っている新たな曲面が生成される。 【0081】 詳述すると、関心領域再指定処理とは、関心領域指定処理によって指定された関心領域をMIP処理したMIP画像において、関心領域を再指定する処理である。本実施形態では、例えば、図11〜図14のように関心領域45内に観察対象41のうちの一部が位置しているとする。なお、図11〜図14は観察対象41、関心領域、曲面の奥行き方向(z方向)の位置関係を説明するための説明図である。 【0082】 図11に示すように、観察対象41は、その全ては曲面43上には乗っていないが、一部41aが関心領域45内にあるため、その一部41aがMIP画像MP2上に表示される。そして、関心領域45外にある観察対象41の一部41bは、MIP画像MP2(図17参照)上に表示されないので、MIP画像MP2上には観察対象41が一部途切れているように表示される。ユーザは、MIP画像MP2を見て、その観察対象41が途切れた箇所をマウス6でクリックする。このとき、MIP画像MP2として表示されている各画素にはそれぞれ対応するMIP位置があることから、MIP画像MP2の任意の画素の座標を指定することによりその任意の画素の座標のMIP位置が新たな指定点47として指定されるので、その新たな指定点47をメモリ8の指定点記憶部Aに記憶する。 【0083】 新たな指定点47は、図12に示すように、曲面43上には乗っていないが、関心領域45内にあるため、その新たな指定点47のMIP値はMIP画像MP2上に表示されている。そして、それら新たな指定点47に対して前述の曲面生成処理を実行することにより、図13に示すように、その新たな指定点47を含む新たな曲面49が新たに生成され、この新たな曲面49に対して所定の厚みTを設定することにより新たな関心領域51が生成される。この新たな関心領域51には、観察対象41のほとんどが含まれているため、再度MIP処理を実行すると観察対象41のほとんどがMIP画像上に表示される。このような処理を繰り返して新たな曲面55を生成することにより、図14に示すように、所望の観察対象41を全て関心領域53内に位置させることができる、すなわち、所望の観察対象41をMIP画像MP2(図17参照)として表示させることができる。 【0084】 モニタ4の画面4a上のVR画像VPにて新たな指定点を指定する際、VR画像VPは2次元面上に表示されているため、ユーザがマウス6でクリックすることによって指定した指定点に対する奥行き情報(z座標)を一意に定めるには工夫が必要である。例えば、MIP画像であれば、同様にモニタ4の画面4a上のMIP画像MP2にて新たな指定点を指定する際には、2次元面上に表示されていながらも、MIP画像を構成する各画素はそれぞれ奥行き情報(z座標)をMIP位置として記憶しているので、奥行き情報を指定することができる。また、そのMIP位置はボクセルデータVDと対応付けられた3次元座標であることから、このMIP位置の座標はVR画像VPの各画素の3次元座標と対応付けられる。つまり、そのMIP位置を新たな指定点とすることで、観察対象41をMIP画像上で観察できるように、VR画像VP上で指定した曲面、描画対象領域35を再指定、再生成することができる。 【0085】 なお、このとき、指定点の指定はそれら指定点の接続順とは関係なく任意の順序で指定することができるので、一度曲面を生成した後にMIP画像MP2において新たに指定点を追加しても、元の曲面に対してその追加した点を含んだ新たな曲面が再生成される。 【0086】 また、図2に示すように、計算機(コンピュータ)3は、GPU(Graphics Processing Unit)10を備えている。GPU10は、主に3次元の高度なグラフィックス機能をサポートしたグラフィックス用のコントローラ・チップであり、ユーザから与えられたプログラム等に基づいて2次元や3次元のグラフィックス描画を高速化する機能を持つ。本実施形態では、GPU10により後処理が実行される。これにより、MIP画像MP1,MP2の表示に要する時間を短縮することができる。 【0087】 後処理は、算出したMIP画像MP1,MP2をモニタ4等の出力装置に表示するために色、コントラスト及び明るさ等を補正する処理である。詳しくは、多くの医用画像装置の出力(CT画像、MRI画像等)は12bit階調データであるため、MIP処理で算出されたMIP画像MP1,MP2(MIP値グリッド記憶部VGに記憶したMIP値)も12bit階調データであるが、コンピュータ3等のモニタ4はRGB各色を8bitで表現する画像を表示することが多い。そのため、WL変換(Window Level Transformation )やLUT変換(Color Look-Up Table Transformation)等を行い、色、コントラスト及び明るさ等をモニタ4に表示できるように変換する。また、画面の大きさ等に合わせてアフィン変換(Affine Transformation )を行い、それぞれのモニタ4に表示できるように変換する。 【0088】 次に、このように構成された関心領域指定処理の作用について説明する。 図15は、関心領域指定処理のフローチャートを示している。まず、ユーザは、MIP画像MP1を生成したい場合には、モニタ4の画面4a(図1参照)上に表示された複数のCT画像から、MIP画像MP1を生成したいCT画像をキーボード5やマウス6を操作して選択する(ステップS10)。詳しくは、CT画像は複数枚のスライス画像で構成されているので、ユーザは、該スライス画像のうちMIP画像MP1を生成したい範囲を指定する。この指定されたスライス画像がボクセルデータVDとなり、メモリ部8aに記憶される。また、このボクセルデータVDに対してボリュームレンダリング処理したVR画像VPがメモリ部8aに記憶される。 【0089】 次に、ユーザがマウス6でVR画像VPをクリックすることによって複数の指定点を指定すると(ステップS15)、CPU7は、その複数の指定点を含む曲面を曲面生成処理により生成する(ステップS20)。そして、得られた曲面に対して陰面処理を行い(ステップS22)、視線方向において手前側にある領域のみ描画対象領域35としてメモリ8の描画対象領域記憶部DMに記憶する。なお、本実施形態では、陰面処理は、視点を変 更する毎に実行する。この描画対象領域35に対して厚みTを設定する(ステップS25)。すなわち、メモリ部8aから予め定めた厚みTを読み出し、前記曲面に対して設定する。これにより、関心領域が確定する(ステップS30)。そして、この関心領域に対してMIP処理を行い(ステップS40)、GPU10が後処理を行い、MIP画像MP1,MP2を得る。このMIP画像MP2に対して関心領域再指定処理(ステップS42)を実行する。 【0090】 次に、関心領域再指定処理の作用について説明する。 図16は、関心領域再指定処理のフローチャートを示している。 まず、ユーザは関心領域指定処理で生成したMIP画像MP2上をマウス6でクリックする(ステップS50)。次に、そのクリックした位置に対応したMIP位置を求める(ステップS55)。このMIP位置は3次元座標で表現されているので、VR画像VPにおいてそのMIP位置と対応した3次元座標を新たな指定点47とし、指定点記憶部Aに記憶する(ステップS60)。そして、それら得られた新たな指定点47を元に前記曲面生成処理により、曲面を再計算する(ステップS65)。曲面を再計算後、CPU7は、上述の関心領域指定処理を実行する。ユーザは、所望の観察対象が観察可能なMIP画像MP2を得られるまで、適宜関心領域指定処理、関心領域再指定処理を繰り返す。そして、図17に示すように、モニタ4の画面4a上には、VR画像VPと共に所望の観察対象が表示されたMIP画像MP2が表示される(図15のステップS45)。なお、このとき、指定点15、新たな指定点47を共に表示したVR画像VP(図10参照)をMIP画像MP2と並べて画面4a上に表示してもよい。これにより、画面4a上に表示されているMIP画像MP2が、VR画像VP上のどの部分のMIP画像であるかの対応付けが容易となる。また、MIP画像MP2のみを画面4a上に表示してもよい。 【0091】 これにより、VR画像VP上でユーザが表示したい領域を任意の順番でマウス6でクリックするだけの簡単な操作でありながらも、観察対象を含んだ関心領域を正確に指定することができる。また、例えば、臓器表面等の複雑な形状の曲面上の複数の血管を観察するときに、それら複数の血管に対して個別に面指定等をして観察しなくても、1つの関心領域で1度に観察することができる。 【0092】 さらに、例えば、心臓など、心臓表面の血管よりも心臓内部に存在する血液の方がMIP値が高いとき、心臓全体をMIP処理すると、心臓内部のみがMIP画像として表示されてしまうが、臓器の表面に沿った3次元的な膜を生成することにより、心臓表面の血管のみ、すなわち観察したい領域のみをMIP画像として表示することができる。しかも、その得られたMIP画像上でさらに関心領域(描画対象領域35)を再指定するので、特に奥行き方向における関心領域の指定の精度を向上させることができる。 【0093】 上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。 (1) 本実施形態によれば、複雑な形状の曲面である臓器等の表面である曲面に所定の厚みTを設けて関心領域として指定し、その関心領域のうち視線方向において手前側である描画対象領域35に対してMIP処理を行った。この結果、例えば、臓器等の表面にある複数の血管を含む曲面をユーザの指示によりそれぞれ個別に指定しなくても、1つのMIP画像MP2で同時に観察することができる。 【0094】 (2) 本実施形態によれば、画面4a上に表示されたVR画像VPのうちユーザが表示したい領域をマウス6でクリックすることによって、簡単でありながらも、曲がりくねった臓器等の複雑な形状の表面の一部を関心領域として指定することができる。 【0095】 (3) 本実施形態によれば、曲面生成のために指定点を指定する順序に関係なく、所定の凸多角形を形成するようにそれぞれの指定点15(21〜26)を接続するので、曲 面生成を自動化することができる。 【0096】 (4) 本実施形態によれば、曲面生成のために指定点15(21〜26)を指定する順序はそれぞれの指定点15を接続する順序とは関係なく、所定の凸多角形を形成するようにそれぞれの指定点15を接続する。この結果、例えば、一度生成した曲面に対して後から新たな指定点47を追加しても、その新たな指定点47を含んだ凸多角形を形成するように新たな曲面が生成される。従って、例えば、最初は大雑把に曲面を指定し、その後順次詳細に曲面を指定する等、観察対象やその精度に合わせて何度でも曲面を指定することができる。 【0097】 (5) 本実施形態によれば、面や曲がりの自由度が一自由度でない臓器の表面に対して、3次元座標を用いて曲面を指定し、その曲面に対して所定の厚みTを設けた関心領域を指定することから、3次元的な関心領域を指定することができる。従って、例えば、臓器の表面等の3次元的な物体の表面にある観察対象であってもMIP画像MP1,MP2として観察することができる。 【0098】 (6) 本実施形態によれば、視線方向において手前にある関心領域のみ描画対象領域35として指定して、その描画対象領域35に対してMIP処理を実行してMIP画像MP1,MP2を生成することができるので、前後の関係をつかみにくいMIP画像MP1,MP2であっても、所望の観察対象のみを表示させることができる。 【0099】 (7) 本実施形態によれば、関心領域は、曲面に対して所定の厚みTを設けたので、その関心領域をMIP処理することにより、曲面上に乗っていないが関心領域内に位置する観察対象をMIP画像MP1,MP2として表示させることができる。 【0100】 (8) 本実施形態によれば、MIP画像MP2上をマウス6でクリックした位置の画素の座標のMIP位置を新たな指定点47として指定することができる。そして、その新たな指定点47を含む新たな曲面を生成することにより、観察対象をその新たな曲面上に乗せることができる。 【0101】 (9) 本実施形態によれば、3次元画像であるVR画像VP上でも、2次元画像であるMIP画像MP1上でもそれぞれ指定点を指定することができ、さらに、それら指定した指定点は3次元座標を介して互いに関連づけられている。この結果、VR画像VP上で任意の点を指定することによって作成される曲面を用いて関心領域を生成し、その関心領域をMIP処理したMIP画像MP1(MP2)を生成する。そして、そのMIP画像MP2上で任意の点を指定することにより、新たな関心領域を生成することができる。従って、最終的に観察する画像であるMIP画像MP1,MP2を見て、所望の精度の画像が得られているか確認しながらMIP画像MP1,MP2の精度を向上させることができる。 (第2実施形態) 前記第1実施形態では、1台のワークステーションなどの計算機(コンピュータ)3が単独で関心領域指定処理、MIP処理、関心領域再指定処理を行ったが、本実施形態では、関心領域指定処理、MIP処理、関心領域再指定処理を構成する各処理のうち少なくとも1つの段階を複数のコンピュータが分散処理で行う。以下の実施形態において、前記第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。 【0102】 例えば、複数台のワークステーションが接続された病院内ネットワークにおいて、少なくとも1つの処理を複数台のワークステーションが分散処理で行う構成を採用できる。以下、関心領域指定処理、MIP処理、関心領域再指定処理を分散処理で行う場合の例として、後処理だけ分割する場合と、陰面処理だけ分割する場合の2つを示す。なお、説明の 便宜上、図18、図19に示すように、2台のワークステーションWS1,WS2を用いて、サイズ512×512の画像をつくる場合を例とするが、これを複数台のワークステーションで分散処理を行ってもよい。また、本実施形態では、ワークステーションWS2にのみGPU10を搭載しているとする。 【0103】 (例1)例1は、後処理だけ分割する場合である。図18に示すように、この場合、ワークステーションWS1で関心領域生成処理、MIP処理、関心領域再指定処理を行う。そして、高速画像処理に適しているGPU10を搭載したワークステーションWS2で後処理を行うようにすれば、後処理に要する時間を短縮できる。処理の手順は以下のようになる。 (1−1)ワークステーションWS1は、レイR上のボクセルデータVDをボリュームレンダリング画像生成処理したVR画像VPに対して、関心領域生成処理、MIP処理を行う。そして、MIP処理によって得られたMIP値を、ワークステーションWS2に転送し、ワークステーションWS2のMIP値グリッド記憶部VGに記憶する。 (1−2)ワークステーションWS2は、MIP値グリッド記憶部VGに記憶したMIP値に対して後処理を行い、観察対象が表示されたMIP画像MP1,MP2を得る。そして、その得られたMIP画像MP1,MP2をワークステーションWS1に転送する。 (1−3)ワークステーションWS1は、MIP画像MP2に対して、関心領域再指定処理、MIP処理を行う。そして、MIP処理によって得られたMIP値を、ワークステーションWS2に転送し、ワークステーションWS2のMIP値グリッド記憶部VGに記憶する。そして、同様に、ワークステーションWS2は、MIP値グリッド記憶部VGに記憶したMIP値に対して後処理を行い、観察対象が表示されたMIP画像MP2を得る。 【0104】 (例2)例2は、陰面処理だけ分割する場合である。図19に示すように、この場合、ワークステーションWS1でボクセルデータVD全体に対して関心領域生成処理、MIP処理、関心領域再指定処理を行う。そして、高速画像処理に適しているGPU10を搭載したワークステーションWS2で陰面処理を行うようにすれば、陰面処理に要する時間を短縮できる。処理の手順は以下のようになる。 (2−1)ワークステーションWS1は、レイR上のボクセルデータVDについてVR画像VPを生成し、そのVR画像VP上で関心領域指定処理を行う。そして、関心領域が指定されると、その関心領域をワークステーションWS2に転送し、関心領域は、ワークステーションWS2の関心領域記憶部Iに記憶される。 (2−2)ワークステーションWS2は、関心領域に対して陰面処理を行う。そして、陰面処理後に視線方向において手前にある領域のみ描画対象領域35としてワークステーションWS1に送信する。 (2−3)ワークステーションWS1は、描画対象領域35に対してMIP処理を行い、視線方向において手前側のみが表示されたMIP画像MP1,MP2を得る。そして、そのMIP画像MP2に対して関心領域再指定処理を適宜実行し、所望のMIP画像MP2が得られた後、後処理を実行する。このとき、後処理をGPU10を搭載したワークステーションWS2で実行すると、さらに全体の処理速度を向上することができる。 【0105】 上記実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。 (1)本実施形態によれば、複数の計算機(コンピュータ)3による分散処理を採用するため関心領域指定処理、MIP処理、関心領域再指定処理の速度向上を図ることができるので、例えば、モニタ4に表示されるMIP画像MP1,MP2のリアルタイム性を確保し易くなる。 【0106】 (2)本実施形態によれば、複数の計算機(コンピュータ)3による分散処理を採用するため、メモリ8のために使用するメモリ量を低減することができる。 なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。 【0107】 ○上記第2実施形態では、ネットワークを介して接続されたワークステーションWS1,WS2によってネットワーク分散処理を行った。これを、1台のコンピュータに多数のプロセッサを搭載して分散処理を行ってもよい。 【0108】 ○上記各実施形態では、3次元画像データに対してMIP処理を行ったが、これを4次元画像データ等の3次元以上の画像データに対して行ってもよい。 ○上記各実施形態では、曲面生成処理において、指定点群をそれら指定点群の外接球面上に射影し、その球面上でDelaunay 2D を行うことによって曲面を生成した。これをActive Contour Modelを用いて曲面を生成してもよい。すなわち、指定点群を含むポリゴン球を生成し、その指定点群に吸引するベクトル場を生成し、ポリゴン球の各点をベクトル場に乗せて移動させることによって曲面を生成してもよい。また、Level Set Method、その他任意の曲面生成アルゴリズムが利用できる。つまり、点群より曲面を生成するアルゴリズムであれば良い。 【0109】 ○上記各実施形態では、曲面はポリゴンで表現されていたが、曲面にはその他、陰関数曲面、NURBS曲面、スプライン曲面など多様な表現方法が考えられる。 ○上記各実施形態では、3次元画像データを2次元面に投影する方法として、MIPについて説明したが、他の方法でもよい。例えば、レイRの通過したボクセルVのボクセル値Dの最小値を2次元面Fに投影するMinIP(Minimum Intensity Projection)であってもよい。要は、レイRの通過したボクセルVのボクセル値Dのうち特定の1個のボクセルVのボクセル値Dを投影する方法であればよく、例えば、レイRの通過したボクセルVのボクセル値Dのうち2番目に小さいボクセル値を持つボクセルV、レイRの通過したボクセルVのボクセル値Dのうち勾配の最大のボクセル値を持つボクセルV等であってもよい。また、レイキャスト法等他のいかなるボリュームレンダリング手法を用いることができる。 【0110】 ○上記各実施形態では3次元画像上の指定点の座標を2次元画像データから指定するのに、MIPを用いる方法について説明したが、他の方法でもよい。例えば、レイRの通過したボクセルVのボクセル値Dから求められる不透明度が一定値を超えたボクセルVの座標であっても良い。要は、レイRの通過したボクセルVのうち特定の1個のボクセルVの座標が取得できればよい。 【0111】 ○上記各実施形態では3次元画像上の指定点の座標を2次元画像データから指定するのに、レイRの通過したボクセルVのうち特定の1個のボクセルVの座標を利用したが、隣り合う複数のボクセルVの間の点の座標など、特定のボクセルVの座標そのものに限らず、ボクセルVの座標から導かれる座標であってよい。 【0112】 ○上記各実施形態では3次元画像上の指定点の座標を2次元画像データから指定するのに、レイRの通過したボクセルVのうち特定の1個のボクセルVの座標を利用したが、隣り合う複数のボクセルVの間の点の座標など、1個のボクセルVの座標ではなく複数のボクセルVの座標から導かれる座標であってよい。 【0113】 ○上記各実施形態では3次元画像データを2次元面に投影する方法としてMIPを用い、3次元画像上の指定点の座標を2次元画像データから指定するのに同じMIPを利用したが、2次元面に投影にレイキャスト、指定点の指定にMinIPを利用するように異なる方式を組み合わせてもよい。 【0114】 ○上記各実施形態では、曲面生成処理における指定点の指定及び関心領域再指定処理は 、ユーザの指示によって行った。これを曲面生成処理において、大雑把な指定点の指定をCPU7が自動で行い、その後に微調整として関心領域再指定処理をユーザの指示により行うようにしてもよい。これにより、ユーザが指定点を指定する手間を低減しながらも、精度良く任意の曲面を生成することができる。自動処理の方法としては領域抽出法によって作成される領域の表面等の領域抽出法によって作成される領域を用いる方法や過去の指定点の指定情報を用いる方法が考えられる。 【0115】 ○上記各実施形態では、曲面生成処理における関心領域再指定処理は、ユーザの3次元画像上の2次元画像データにおける指示によって行った。これを2次元画像上で直接行ってもかまわない。例えば、アキシアル、サジタル、コロナルに代表される2次元断面や、MPRやCPRの2次元断面による2次元画像から対応する3次元座標を一意に定めることができるので指定点の再指定ができる。また、2次元画像、2次元画像データを介さずに、数値で指定点の座標を再指定してもよい。 【0116】 ○上記各実施形態では、曲面生成処理における関心領域再指定処理は、ユーザの3次元画像上の2次元画像データにおける指示によって行い、MIP位置を求めることによって指定点の3次元座標を求めた。これをMinIP位置を求めることによって指定点の3次元座標を求めてもよい。MinIP位置はレイRの通過したボクセルVのボクセル値Dの最小値の位置である。 【0117】 ○上記各実施形態では、曲面生成処理における関心領域再指定処理は、ユーザの3次元画像上の2次元画像データにおける指示によって行い、MIP位置を求めることによって指定点の3次元座標を求めた。ユーザの3次元画像上の2次元画像データにおける指示はいかなる方法を用いてもよい。例えば、ボクセル値が最初に一定値を超えた座標を用いても良い。また、例えば、レイキャスト法で用いるボクセルの不透明度を用いることによって得た座標を用いてもよい。不透明度を用いる方法としては、例えば、不透明度が最初に一定値を超えた座標や不透明度が最大の座標やそれらの組み合わせがある。 【0118】 ○上記各実施形態では、曲面生成処理にて生成した曲面に対し、予め定めた量の厚みを付加して関心領域を生成した。これを表示する曲面や、所望の精度に合わせて厚みをGUIで変更するようにしてもよい。 【0119】 ○上記各実施形態では、MIP画像MP1上で指定点を追加することによって、曲面及び関心領域(描画対象領域35)を再生成した。これをMIP画像MP1上で指定点を追加するだけでなく、指定点を編集、すなわち、指定点を移動したり、指定点を削除したりしてもよい。 【0120】 ○上記各実施形態では、陰面処理は、関心領域のうち視線方向において手前側の領域のみを描画対象領域35とする処理であった。これを、MIP処理において関心領域に対してレイを照射し、そのレイが一旦関心領域から出力するとMIP処理を中止することにより、視線方向において奥側にある領域を描画しないようにしてもよい。 【0121】 ○上記各実施形態では、陰面処理は、関心領域の描画に用いたが、陰面処理によって制限される関心領域は関心領域再指定時の指定点の座標を限定するのにも用いてもよい。このようにすれば、関心領域再指定時に指定点が曲面のうちユーザの想定していない箇所に設定されることを防ぐことができる。 【0122】 ○上記各実施形態では、関心領域は曲面に一定の厚さを加えて作成したが、厚さはユーザもしくはプログラムの指定によって変更してもよい。特に新たな指定点の指定を行うときに変更するとより精密に新たな指定点を指定できる。 【0123】 ○上記各実施形態では、指定点の再指定を行うときには指定点は関心領域の内側に設定されたが、この制限は必ずしも適用する必要はない。例えば、ユーザが二次元断面の点を指定することによって新たな指定点を指定するときにはユーザは3次元座標上の単一の座標を明示的に指定しているので特別の限定処理は行わない方がユーザの意に沿った指定点の再指定が行えるからである。 【0124】 ○上記各実施形態では、曲面生成処理における指定点の指定順序にかかわらず同一の曲面が生成されたが、異なる曲面が生成されることにしてもよい。このようにすれば、ユーザやプログラムの指定した順番に指定点を接続することによってより自由度の高い曲面が生成できる。 【0125】 ○上記各実施形態では、関心領域再指定処理において、ユーザが指定した指定点を共に表示したMIP画像MP1上で、新たな指定点47の指定を行った。これを、指定した指定点を表示していないMIP画像MP2上で、新たな指定点47の指定を行ってもよい。 【0126】 ○上記各実施形態では、骨や臓器等の人体の部分について撮影されたCT画像に対してMIP処理を行ったが、CT撮影等が可能であれば、特に人体や動物、植物等の生物の組織に限らず、地質調査、鉱物探査、機械や装置類の構造材、電気回路のパターンを見る画像処理、LSIの故障診断等にも適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0127】 【図1】第1実施形態の画像表示装置の概略構成図。 【図2】同じく、画像表示装置の概略構成を示すブロック図。 【図3】同じく、MIPを説明するための説明図。 【図4】同じく、曲面生成処理を説明するための模式図。 【図5】同じく、曲面生成処理を説明するための模式図。 【図6】同じく、曲面生成処理を説明するための模式図。 【図7】同じく、曲面生成処理を説明するための模式図。 【図8】同じく、陰面処理を説明するための模式図。 【図9】同じく、1ピクセルについてのMIP値を説明するための模式図。 【図10】同じく、関心領域指定処理後のMIP画像を説明するための模式図。 【図11】同じく、関心領域再指定処理を説明するための模式図。 【図12】同じく、関心領域再指定処理を説明するための模式図。 【図13】同じく、関心領域再指定処理を説明するための模式図。 【図14】同じく、関心領域再指定処理を説明するための模式図。 【図15】同じく、関心領域指定処理について説明するフローチャート。 【図16】同じく、関心領域再指定処理について説明するフローチャート。 【図17】同じく、関心領域再指定処理後のMIP画像を説明するための模式図。 【図18】第2実施形態の、関心領域指定処理の分散処理を示すブロック図。 【図19】同じく、関心領域指定処理の分散処理を示すブロック図。 【符号の説明】 【0128】 D,D1〜Dn…ボクセル値、F…2次元面、MP1,MP2…MIP画像、P,Pn…ピクセル、R…レイ、V,V1〜Vn…ボクセル、VD…ボクセルデータ、VP…ボリュームレンダリング画像(VR画像)、PG…MIP位置グリッド記憶部、T…厚み、VG…MIP値グリッド記憶部、WS1,WS2…ワークステーション、1…画像表示装置、3…計算機(コンピュータ)、4…モニタ、4a…画面、7…CPU、10…GPU、15,21〜26…指定点、35…描画対象領域、41…観察対象、43,49,55…曲面、45,51,53…関心領域、47…新たな指定点。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500109320 【氏名又は名称】ザイオソフト株式会社 【住所又は居所】東京都港区三田1丁目2番18号
|
| 【出願日】 |
平成17年1月7日(2005.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
【識別番号】100105957 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 誠
|
| 【公開番号】 |
特開2006−187531(P2006−187531A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2005−2981(P2005−2981) |
|