| 【発明の名称】 |
エネルギサブトラクション画像取得方法、放射線撮影読取装置、画像処理装置、フィルタ付放射線像変換パネル、および放射線フィルタ |
| 【発明者】 |
【氏名】荒川 哲 【住所又は居所】神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】放射線撮影読取装置において、装置コストを高くすることなく、容易にエネルギサブトラクション画像を取得する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体を透過した放射線を、該放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタに通してから放射線像変換パネルへ入射させて前記被写体を表す放射線像を前記放射線像変換パネルに記録し、 前記放射線像変換パネルに記録された前記放射線像を読み取って該放射線像を表す画像信号を得、 前記フィルタ体の種類ごとに、該フィルタ体に対応する前記放射線像変換パネル上の対応領域を表す前記画像信号中の部分画像信号と、該部分画像信号から補間して得られた前記放射線像変換パネル中の前記対応領域以外の領域を表す補間画像信号とを合成して合成画像信号を作成し、 前記フィルタ体の種類ごとに作成した合成画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行ってエネルギサブトラクション画像を作成することを特徴とするエネルギサブトラクション画像取得方法。 【請求項2】 前記2種類のフィルタ体のうち、放射線の高エネルギ成分に対するエネルギ吸収率の高い方のフィルタ体に対応する前記放射線像変換パネル上の対応領域の面積の総和を、前記2種類のフィルタ体に対応する前記放射線像変換パネル上の対応領域の面積の総和の10%以下とすることを特徴とする請求項1記載のエネルギサブトラクション画像取得方法。 【請求項3】 前記2種類のフィルタ体がそれぞれ1方向へ延びる複数の帯状の領域に分散配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のエネルギサブトラクション画像取得方法。 【請求項4】 前記2種類のフィルタ体のうちの少なくとも1つが、複数の点状の領域に分散配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のエネルギサブトラクション画像取得方法。 【請求項5】 放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタと、 被写体を透過した放射線が、前記放射線フィルタを通って入射することにより前記被写体を表す放射線像が記録される前記放射線像変換パネルと、 前記放射線の入射により前記放射線像変換パネルに記録された前記被写体の放射線像を読み取って該放射線像を表す画像信号を得る放射線像読取手段と、 前記フィルタ体の種類ごとに、該フィルタ体に対応する前記放射線像変換パネル上の対応領域を表す前記画像信号中の部分画像信号と、該部分画像信号から補間して得られた前記放射線像変換パネル中の前記対応領域以外の領域を表す補間画像信号とを合成して合成画像信号を作成する合成画像作成手段と、 前記フィルタ体の種類ごとに作成した合成画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行ってエネルギサブトラクション画像を作成するサブトラクション画像作成手段とを備えたことを特徴とする放射線撮影読取装置。 【請求項6】 被写体を透過した放射線が、該放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタを通って入射することにより前記被写体を表す放射線像が記録されたこの放射線像変換パネルを読み取って得られた前記放射線像を表す画像信号が入力され、前記フィルタ体の種類ごとに、該フィルタ体に対応する前記放射線像変換パネル上の対応領域を表す前記画像信号中の部分画像信号と、該部分画像信号から補間して得られた前記放射線像変換パネル中の前記対応領域以外の領域を表す補間画像信号とを合成して合成画像信号を作成する合成画像作成手段と、 前記フィルタ体の種類ごとに作成した合成画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行ってエネルギサブトラクション画像を作成するサブトラクション画像作成手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。 【請求項7】 被写体を透過した放射線の入射により前記被写体を表す放射線像が記録される放射線像変換パネルと、 前記放射線像変換パネルの前記放射線の入射側に配置された、前記放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタとを備えたことを特徴とするフィルタ付放射線像変換パネル。 【請求項8】 放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置されたものであることを特徴とする放射線フィルタ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、同一被写体を通ったエネルギ状態の互いに異なる放射線の検出に基づいて得られる2種類の前記被写体の放射線像を表す画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行って、エネルギサブトラクション画像を作成するエネルギサブトラクション画像取得方法、ならびに、それを実施するための放射線撮影読取装置、画像処理装置、フィルタ付放射線像変換パネル、および放射線フィルタに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、放射線を照射するとこの放射線エネルギの一部が蓄積され、その後、可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギに応じて輝尽発光光を発する蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、被写体の放射線像を一旦、放射線像変換パネルの一例である蓄積性蛍光体シートに記録し、この蓄積性蛍光体シートからなる放射線像変換パネルをレーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、その輝尽発光光を検出して上記放射線像を表す画像信号を得る放射線撮影システムがすでによく知られている。 【0003】 また、上記放射線像変換パネルを用いる放射線撮影システムにおいて、互いに放射線に対するエネルギ吸収特性の異なる被写体中の構造物のうちのいずれかの構造物を消去するようにして画像化するエネルギサブトラクション処理が知られている。なお、放射線に対するエネルギ吸収特性が異なるとは、放射線の波長に応じて放射線のエネルギを吸収する効率が異なることを意味するものである。例えば、一般に、医療用に使用されるX線を銅、鉄、ニッケル等からなる放射線フィルタに通すと、このX線の高エネルギ成分に比して低エネルギ成分がより多く吸収される。したがって、上記放射線フィルタを通ったX線は、上記放射線フィルタを通らなかったX線に比してより多くの高エネルギ成分を有するものとなる。フィルタを構成する材料としては、上記のような金属であってもよいし、化合物の粉体を固めたもの等であってもよい。 【0004】 上記エネルギサブトラクション処理は、被写体となる人体の骨部(例えば背骨)と軟部(例えば内臓や血管)とが互いに異なる放射線吸収率を有することを利用したものである。例えば、放射線源から発せられ人体の同一部位を通った放射線を、第1の放射線像変換パネルに照射するとともに、この放射線像変換パネルを通過した放射線を銅板からなる放射線フィルタに通してさらに第2の放射線像変換パネルに照射する放射線撮影を行って、上記2つの放射線像変換パネルに互いにエネルギ状態の異なる2種類の放射線像を記録する。その後、上記2つの放射線像変換パネルを読み取って2種類の放射線像を表すそれぞれの画像信号を得、これらの画像信号に対して適当な重み付けをしてその差を求め、つまり2種類の同一被写体の放射線像を表す画像信号間で減算を行って、それにより得られた画像信号に基づいて上記骨部を消去して軟部を強調した軟部画像や軟部を消去して骨部を強調した骨部画像を得ようとするものである。 【0005】 すなわち、上記銅板を通らなかった比較的低エネルギ成分の多い放射線によって放射線像が記録された第1の放射線像変換パネルを読み取って得られた低エネルギ画像と、上記銅板を通ってより多くの低エネルギ成分が吸収された比較的高エネルギ成分の多い放射線によって放射線像が記録された第2の放射線像変換パネルを読み取って得られた高エネルギ画像とを得、これらの画像に適当な重み付けをしてその差を求めることにより、被写体の軟部を抽出して示す軟部画像を得たり、あるいは被写体の骨部を抽出して示す骨部画像を得たりすることができる(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。なお、高エネルギ成分の多い放射線とは、低エネルギ成分の多い放射線に比して短い波長成分をより多く含む放射線を意味するものである。 【0006】 また、放射線エネルギを蓄積する際のエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類の蓄積性蛍光体を混合して作成した放射線像変換パネルに被写体の放射線像を記録し、上記と同様のエネルギサブトラクション処理を行う方式も知られている(特許文献4参照)。すなわち、被写体の放射線撮影においては、2種類の蓄積性蛍光体のうちの、一方の蓄積性蛍光体には低エネルギ成分が比較的多く蓄積され、他方の蓄積性蛍光体には高エネルギ成分が比較的多く蓄積されるようになっている。上記記録された放射線像を読み取る際には、上記2種類の蓄積性蛍光体間における、励起光の照射を受けてから輝尽発光光が発せられるまでの時間の差を利用して、上記と同様の低エネルギ成分を多く含む低エネルギ画像と高エネルギ成分を多く含む高エネルギ画像とを取得している。 【0007】 さらに、放射線像変換パネルの他の例としては、放射線の照射により電荷が生じる半導体材料からなる放射線像変換パネルが知られている(特許文献5参照)。この半導体材料からなる放射線像変換パネルに記録された放射線像を示す電荷は、2次元状に多数配列されたTFTスイッチをON・OFFすることにより読み出され電気信号に変換される。 【0008】 このような、半導体材料からなる放射線像変換パネルを用いて、上記エネルギサブトラクション処理を行う場合には、例えば、時間をずらして、同一被写体に対して2回の放射線撮影を行い、さらに、上記2回の放射線撮影を行う際には放射線源から発せられる放射線のエネルギ状態を変更する。このようにすることにより、上記と同様の低エネルギ画像と高エネル画像とを取得することができる。 【特許文献1】特開昭59−83488号公報 【特許文献2】特開昭60−225541号公報 【特許文献3】特開平3−285475号公報 【特許文献4】特許平02−280099号公報 【特許文献5】特開平05−211635号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 しかしながら、銅板からなる放射線フィルタを間に挟んだ2つの蓄積性蛍光体シートからなる放射線像変換パネルに放射線像を記録する方式は、それぞれの放射線像変換パネルから読み取った低エネルギ画像と高エネルギ画像との位置合わせを正確に行うことが難しい。また、2種類の蓄積性蛍光体を混合してなる1つの蓄積性蛍光体シートからなる放射線像変換パネルに記録した放射線像を読み取って低エネルギ画像と高エネルギ画像とを取得する方式は、上記のような画像の位置合わせを行う必要が無い点では優れているが、専用の放射線像変換パネルおよび読取装置を用意する必要があるので、装置コストが高くなるという問題がある。また、上記半導体材料からなる放射線像変換パネルを用いる方式は、2回の放射線撮影を行う間に被写体が動かないように短時間で2回の放射線撮影を終了することが求められるが、記録された放射線像を電気信号に変換して読み取る動作を高速度で実施することが難しいという問題がある。 【0010】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置コストを高くすることなく、容易にエネルギサブトラクション画像を取得することができるエネルギサブトラクション画像取得方法、ならびに、それを実施するための放射線撮影読取装置、画像処理装置、フィルタ付放射線像変換パネル、および放射線フィルタを提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明のエネルギサブトラクション画像取得方法は、被写体を透過した放射線を、この放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタに通してから放射線像変換パネルへ入射させて前記被写体を表す放射線像を放射線像変換パネルに記録し、放射線像変換パネルに記録された放射線像を読み取ってこの放射線像を表す画像信号を得、フィルタ体の種類ごとに、フィルタ体に対応する放射線像変換パネル上の対応領域を表す前記画像信号中の部分画像信号と、部分画像信号から補間して得られた放射線像変換パネル中の前記対応領域以外の領域を表す補間画像信号とを合成して合成画像信号を作成し、フィルタ体の種類ごとに作成した合成画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行ってエネルギサブトラクション画像を作成することを特徴とするものである。 【0012】 前記2種類のフィルタ体のうち、放射線の高エネルギ成分に対するエネルギ吸収率の高い方のフィルタ体に対応する放射線像変換パネル上の対応領域の面積の総和は、前記2種類のフィルタ体に対応する放射線像変換パネル上の対応領域の面積の総和の10%以下とすることができる。 【0013】 前記2種類のフィルタ体は、それぞれ1方向へ延びる複数の帯状の領域に分散配置させることができる。また、前記2種類のフィルタ体のうちの少なくとも1つは、複数の点状の領域に分散配置させることができる。 【0014】 本発明の放射線撮影読取装置は、前記エネルギサブトラクション画像取得方法に使用する放射線撮影読取装置であって、放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタと、被写体を透過した放射線が、前記放射線フィルタを通って入射することにより前記被写体を表す放射線像が記録される放射線像変換パネルと、被写体および放射線フィルタを通った放射線の入射により放射線像変換パネルに記録された被写体の放射線像を該放射線像変換パネルから読み取って前記放射線像を表す画像信号を得る放射線像読取手段と、フィルタ体の種類ごとに、該フィルタ体に対応する放射線像変換パネル上の対応領域を表す画像信号中の部分画像信号と、部分画像信号から補間して得られた放射線像変換パネル中の前記対応領域以外の領域を表す補間画像信号とを合成して合成画像信号を作成する合成画像作成手段と、フィルタ体の種類ごとに作成した合成画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行ってエネルギサブトラクション画像を作成するサブトラクション画像作成手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0015】 本発明の画像処理装置は、前記エネルギサブトラクション画像取得方法に使用する画像処理装置であって、被写体を透過した放射線が、この放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタを通って入射することにより前記被写体を表す放射線像が記録された放射線像変換パネルを読み取って得られた前記放射線像を表す画像信号が入力され、フィルタ体の種類ごとに、該フィルタ体に対応する前記放射線像変換パネル上の対応領域を表す前記画像信号中の部分画像信号と、部分画像信号から補間して得られた放射線像変換パネル中の前記対応領域以外の領域を表す補間画像信号とを合成して合成画像信号を作成する合成画像作成手段と、フィルタ体の種類ごとに作成した合成画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行ってエネルギサブトラクション画像を作成するサブトラクション画像作成手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0016】 本発明のフィルタ付放射線像変換パネルは、前記エネルギサブトラクション画像取得方法に使用するフィルタ付放射線像変換パネルであって、被写体を透過した放射線の入射により前記被写体を表す放射線像が記録される放射線像変換パネルと、この放射線像変換パネルの放射線の入射側に配置された、前記放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタとを備えたことを特徴とするものである。 【0017】 本発明の放射線フィルタは、前記エネルギサブトラクション画像取得方法に使用する放射線フィルタであって、放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置されたものであることを特徴とするものである。 【0018】 前記2種類のフィルタ体は、放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なるものであればどのようなものであってもよく、例えば、同じ材料からなり厚さが互いに異なるものを上記2種類のフィルタ体として採用することができる。また、2種類のフィルタ体のうちの1種類は、実質的に、放射線を素通しさせ、放射線のエネルギを吸収しない、例えば、空気等であってもよい。このように、2種類のフィルタ体のうちの1種類が空気からなる放射線フィルタの一例として、空気中で使用される、分散配置された多数の孔を備えた金属板からなる放射線フィルタを挙げることができ、そのような場合には、上記2種類のフィルタ体のうちの1種類に対して空気が満たされた上記孔が対応し、他の1種類に対して上記金属板が対応する。 【0019】 前記「2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置されている」とは、フィルタ体のそれぞれが、放射線フィルタのほぼ全域に亘って部分的に配置されていることを意味するものであり、それぞれのフィルタ体の部分は、互いに分離されていてもよいし、つながっていてもよい。 【0020】 前記補間は、部分画像信号の値を内挿して補間画像信号の値を求める場合に限らず、部分画像信号の値を外挿して補間画像信号の値を求める場合をも含むものを意味するものである。 【0021】 なお、前記放射線フィルタは、放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる3種類以上のフィルタ体がそれぞれ分散配置されたものであってもよい。そのような場合には、3種類以上のフィルタ体のうちの2種類のフィルタ体を利用して前記エネルギサブトラクション画像取得方法を実施することができる。 【発明の効果】 【0022】 本発明のエネルギサブトラクション画像取得方法、ならびに、それを実施する放射線撮影読取装置、画像処理装置によれば、フィルタ体の種類ごとに、フィルタ体に対応する放射線像変換パネル上の対応領域を表す画像信号中の部分画像信号と、部分画像信号から補間して得られた放射線像変換パネル中の上記対応領域以外の領域を表す補間画像信号とを合成して合成画像信号を作成し、上記フィルタ体の種類ごとに作成した合成画像信号間でエネルギサブトラクション処理を行ってエネルギサブトラクション画像を作成するようにしたので、装置コストを高くすることなく、容易にエネルギサブトラクション画像を取得することができる。すなわち、従来のように、エネルギサブトラクション画像を取得するにあたり、2種類の画像信号がそれぞれ示す2つの画像間で位置合わせを行ったり、専用の放射線像変換パネルや読取装置を用意したり、あるいは、半導体材料からなる放射線像変換パネルに記録した放射線像を電気信号に変換して読み取る動作を高速度で実施したりする必要がないので、容易にエネルギサブトラクション画像を取得することができ、装置コストが高くなることもない。 【0023】 また、本発明のフィルタ付放射線像変換パネル、および放射線フィルタによれば、被写体を透過した放射線を、放射線フィルタに通してから放射線像変換パネルへ入射させて上記被写体を表す放射線像を放射線像変換パネルに記録させることができ、この放射線像変換パネルを読み取って得られた上記被写体の放射線像を表す画像信号を用いて上記と同様に、エネルギサブトラクション画像を取得するにあたり、2種類の画像信号がそれぞれ示す2つの画像間で位置合わせを行ったり、専用の読取装置を用意したり、あるいは、半導体材料からなる放射線像変換パネルに記録した放射線像を電気信号に変換して読み取る動作を高速度で実施したりする必要がないので、装置コストを高くすることなく、容易にエネルギサブトラクション画像を取得することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明のエネルギサブトラクション画像取得方法を実施する放射線撮影読取装置の概略構成を示す図、図2(a)、(b)は放射線フィルタの一部分を拡大して示す斜視図、図3は2種類のフィルタ体を示す各部分画像信号を個別に用いた補間処理によって放射線像の全体を示す2種類の合成画像信号を作成する様子を示す図、図4はエネルギサブトラクション処理のフローチャート、図5はフィルタ体の一方を多数の点状の領域に分散配置させてなる放射線フィルタの一部分を示す斜視図、図6は銅板に多数の孔を開けた放射線フィルタの一部分を示す斜視図、図7は円形状を成す多数の銅板を銅線で支持してなる放射線フィルタの一部分を示す斜視図である。 【0025】 図1に示す本発明の実施の形態による放射線撮影読取装置100は、放射線源10から発せられた放射線Lxに対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体20A、20Bからなる放射線フィルタ20と、被写体1を透過した放射線が、放射線フィルタ20を通って入射することにより被写体1を表す放射線像が記録される放射線像変換パネルである蓄積性蛍光体シート30と、放射線源10から発せられた放射線Lxが、被写体1および放射線フィルタ20を通ってから蓄積性蛍光体シート30へ入射するように、放射線フィルタ20と蓄積性蛍光体シート30との位置を定める位置設定部40と、蓄積性蛍光体シート30に記録された放射線像Z1を読み取ってこの放射線像Z1を表す画像信号Gを取得する放射線像読取部50と、入力された画像信号Gに基づいてエネルギサブトラクション画像を作成するための画像処理部60と、装置全体の動作のタイミング等を制御するコントローラ9を備えている。 【0026】 放射線フィルタ20は、放射線Lxに対するエネルギ吸収特性(エネルギ吸収率)が互いに異なる2種類のフィルタ体20A、20Bを有し、各フィルタ体20A、20Bは、それぞれについて放射線Lxを通す領域が分散配置されたものである。より具体的には、この放射線フィルタ20は、図2(a)に示すように、放射線エネルギを吸収しない、アクリル樹脂材料からなる帯状板21と、上記放射線Lxが含むエネルギ成分のうち高エネルギ成分の方を低エネルギ成分に比してより多く吸収する、帯状の例えば銅板等からなる高エネルギ吸収材料22とを、互いに隣り合うように、かつ、1方向に延びる複数の帯状の領域に分散配置させるように接合したものである。高エネルギ吸収材料22がフィルタ体20Bに対応し、帯状板21がフィルタ体20Aに対応する。 【0027】 なお、上記放射線フィルタ20は、以下のように構成された放射線フィルタ20´と同等のものである。すなわち、図2(b)に示すように、上記放射線フィルタ20´は、放射線エネルギを吸収しない、例えばアクリル樹脂材料からなるベース板21´上に、上記放射線Lxが含むエネルギ成分のうち高エネルギ成分の方を低エネルギ成分に比してより多く吸収する、例えば銅板等からなる高エネルギ吸収材料22´を1方向に延びる複数の帯状の領域に、すなわちストライプ状に分散配置させるように貼り付けたものである。ベース板21´上におけるストライプ状に高エネルギ吸収材料22´が貼り付けられた領域がフィルタ体20Bに対応し、ベース板21上の上記高エネルギ吸収材料22が貼り付けられていない、ベース板21のみからなる領域がフィルタ体20Aに対応する。 【0028】 すなわち、フィルタ体20Aを通った(アクリル樹脂材料のみを通った)放射線は、放射線エネルギの減衰が殆ど生ずることがない。一方、フィルタ体20Bを通った(銅板を通った)放射線は、放射線のエネルギ成分のうちの高エネルギ成分の減衰が大きく、低エネルギ成分の減衰は上記高エネルギ成分の減衰に比して小さい。したがって、この実施例における上記互いに異なる2種類のエネルギ吸収特性は、一方が放射線Lxの放射線エネルギの減衰を殆ど生じさせないエネルギ吸収特性であり、他方が放射線Lxの放射線エネルギの高エネルギ成分の減衰率を低エネルギ成分の減衰率より大きくせしめるエネルギ吸収特性である。 【0029】 蓄積性蛍光体シート30は、放射線を照射するとこの放射線エネルギの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギに応じた光量の輝尽発光光を発する蓄積性蛍光体からなるものである。この蓄積性蛍光体シート30には、放射線源10から発せられ被写体1および放射線フィルタ20を通った放射線の照射を受けて上記被写体1の放射線像1Zが記録される。なお、後述するように、放射線像変換パネルとしては、入射した放射線を電気信号に変換する半導体材料を備えたものを採用することもできる。 【0030】 位置設定部40は、放射線フィルタ20を、蓄積性蛍光体シート30の放射線の照射を受ける側に位置させるように、放射線フィルタ20および蓄積性蛍光体シート30を支持する支持部41と、上記放射線フィルタ20および蓄積性蛍光体シート30を所定の姿勢に保つように上記支持部41を保持する筺体42とからなるものである。 【0031】 放射線像読取部50は、蓄積性蛍光体シート30の放射線Lxの照射を受ける面である前面30Fとは反対側の背面30Bに励起光Leを照射する励起光照射部52、および励起光Leの照射を受けた蓄積性蛍光体シート30の背面30Bから発せられる輝尽発光光を検出する検出部53からなり上記蓄積性蛍光体シート30中の水平方向(図中X方向:主走査方向)の領域を読み取る読取部51と、この読取部51を上記蓄積性蛍光体シート30の背面30Bの表面に沿って鉛直方向(図中Y方向:副走査方向)に搬送する搬送部55とを備え、蓄積性蛍光体シート30の全面を読み取ってこの蓄積性蛍光体シート30に記録された被写体1の放射線像Z1を表す画像信号Gを取得する。 【0032】 なお、上記励起光照射部52は、後述する励起光源52A、レンズ52B、およびポリゴンミラー52C等を有し、励起光Leを蓄積性蛍光体シート20上の点状の領域に照射しながらこの励起光Leを水平方向に移動させ、蓄積性蛍光体シート20上に励起光Leを走査させる。上記検出部53は、後述する集光ガイド53A、および光検出器53Bを備えている。 【0033】 なお、放射線像読取部50には、上記のように、蓄積性蛍光体シート上へ励起光を点状に照射しながら移動させてこの蓄積性蛍光体シートから発生した輝尽発光光を検出し上記放射線像を示す画像信号を得るいわゆるポイントスキャン方式を採用する場合に限らず、蓄積性蛍光体シート上へ励起光を線状に照射しながら移動させてこの蓄積性蛍光体シートから発生した線状の輝尽発光光をラインセンサで検出し上記放射線像を示す画像信号を得るいわゆるラインビーム方式を採用することもできる。 【0034】 画像処理部60は、合成画像作成部61およびサブトラクション画像作成部65を有する。 【0035】 合成画像作成部61は、放射線像読取部50から入力された上記放射線像1Z中の全領域を示す画像信号Gを、各フィルタ体20A、20Bに対応する上記放射線像1Z中の各分散像領域1A、1Bを示す部分画像信号Ga、Gbのそれぞれに分離する機能と、部分画像信号Ga、Gbからエネルギサブトラクション処理の対象とする2種類の原画像を作成する機能とを有する。 【0036】 以下、被写体1が人体の胸部である場合について説明する。図3(a)に示すように、画像信号Gは、上記胸部の放射線像1Zの全領域Roを示すものである。また、部分画像信号Gaは放射線像1Zの全領域Ro中の分散像領域1Aを示すものであり、部分画像信号Gbは放射線像1Zの全領域Ro中の分散像領域1Bを示すものである。 【0037】 なお、分散像領域1Aは、被写体1とフィルタ体20Aとを通った放射線の照射を受けて蓄積性蛍光体シート20に記録された放射線像に対応する領域である。一方、分散像領域1Bは、被写体1とフィルタ体20Bとを通った放射線の照射を受けて蓄積性蛍光体シート20に記録された放射線像に対応する領域である。より具体的には、分散像領域1Aは、被写体1を通った後、高エネルギ吸収材料22を通ることなく放射線エネルギの減衰が殆ど生じなかった放射線の照射に基づいて得られた領域であり、一方、分散像領域1Bは、被写体1を通った後、高エネルギ吸収材料22を通って、放射線のエネルギ成分のうちの高エネルギ成分が上記高エネルギ吸収材料22を通らなかった場合に比してより大きく減衰した放射線に基づいて得られた領域である。 【0038】 上記部分画像信号Ga、Gbの分離は、従来より知られている手法を採用することができ、例えば、予め、合成画像作成部61に、部分画像信号Ga、Gbのそれぞれが上記励起光Leの走査に同期したどのようなタイミングで入力されるかを示すデータを記憶させておき、上記データにしたがって、入力された画像信号Gを2種類の部分画像信号Ga、Gbに分離するようにしてもよい。あるいは、上記被写体1を通った放射線が高エネルギ吸収材料22を通って蓄積性蛍光体シート30に入射し記録された放射線像を読み取って得られた画像信号の値が、被写体1を通った放射線が高エネルギ吸収材料22を通ることなく蓄積性蛍光体シート30に入射し記録された放射線像を読み取って得られた画像信号の値に比して全体的に、すなわち高エネルギ成分および低エネルギ成分の両方が共に大きな値となっているので、そのような値の差を検出して、入力された画像信号Gを2種類の部分画像信号Ga、Gbに分離するようにしてもよい。 【0039】 図3(b-1)、(b-2)、(c-1)、(c-2)に示すように、さらに、この合成画像作成部61は、2種類のフィルタ体20A、20Bのそれぞれを通って蓄積性蛍光体シート30に記録された、それぞれのフィルタ体20A、20Bに対応する放射線像Z1中の2種類の分散像領域1A、1Bのそれぞれを示す各部分画像信号Ga、Gbと、2種類の部分画像信号Ga、Gbのそれぞれを個別に用いた補間処理によって作成した上記2種類の分散像領域1A、1Bのそれぞれから外れた放射線像Z1中の各領域2A、2Bを表す各補間画像信号Fa、Fbとを組み合わせて、上記互いに異なる2種類のエネルギ吸収特性のそれぞれに対応させた放射線像Z1の全体を示す2種類の合成画像信号So1、So2を作成する。 【0040】 より詳しくは、図3(b-1)、(c-1)に示すように、上記合成画像作成部61は、フィルタ体20Aを通って蓄積性蛍光体シート30に記録された、フィルタ体20Aに対応する放射線像Z1中の分散像領域1Aを示す部分画像信号Gaと、部分画像信号Gaを個別に用いた補間処理によって作成した上記分散像領域1Aから外れた放射線像Z1中の領域2Aを表す補間画像信号Faとを組み合わせて、上記互いに異なる2種類のエネルギ吸収特性のうちの1つに対応させた上記放射線像Z1の全体を示す合成画像信号So1を作成する。それとともに、図3(b-2)、(c-2)に示すように、この合成画像作成部61は、フィルタ体20Bを通って蓄積性蛍光体シート30に記録されたフィルタ体20Bに対応する放射線像Z1中の分散像領域1Bを示す部分画像信号Gbと、部分画像信号Gbを個別に用いた補間処理によって作成した上記分散像領域1Bから外れた放射線像Z1中の領域2Bを表す補間画像信号Fbとを組み合わせて、上記互いに異なる2種類のエネルギ吸収特性のうちの他の1つに対応させた上記放射線像Z1の全体を示す合成画像信号So2を作成する。上記、合成画像信号So1は比較的低いエネルギ成分からなる放射線像Zaを示すものであり、合成画像信号So2は比較的高いエネルギ成分からなる放射線像Zbを示すものであり、これらがエネルギサブトラクション処理の対象となる原画像になる。 【0041】 次に、上記放射線撮影読取装置100の動作について説明する。なお、以下の放射線撮影読取装置100の動作のタイミング等はコントローラ9によって制御される。 【0042】 図1に示すように、放射線源10から発せられた放射線Lxは、被写体1を通った後、フィルタ体20Aおよびフィルタ体20Bからなる放射線フィルタ20を通って、蓄積性蛍光体シート30へ入射し、被写体1を表す放射線像1Zが蓄積性蛍光体シート30に記録される。 【0043】 ここで、蓄積性蛍光体シート30中のフィルタ体20Aに対応する領域には、比較的低いエネルギ成分を多く含む放射線が曝射され、蓄積性蛍光体シート30中のフィルタ体20Bに対応する領域には、比較的高いエネルギ成分を多く含む放射線曝射される。 【0044】 蓄積性蛍光体シート30に記録された放射線像1Zは放射線像読取部50によって読み取られる。 【0045】 読取部51の励起光源52Aから射出された励起光Leは、レンズ52Bを通って、モータ(図示は省略)に駆動されて回転するポリゴンミラー52Cで反射され、水平方向に偏向せしめられて、蓄積性蛍光体シート30の背面30B上を水平方向(図中X方向)へ走査する。 【0046】 読取部51は上記のように励起光Leを走査しながら、搬送部55によって鉛直方向(図中矢印Y方向)に所定の速度で搬送される。これにより、蓄積性蛍光体シート30の背面30Bが、励起光Leの主走査方向(図中矢印X方向:水平方向)および副走査方向(図中矢印Y方向:鉛直方向)への走査を受けて、上記背面30B上の全面に励起光Leが走査される。 【0047】 蓄積性蛍光体シート30の背面30Bにおける励起光Leの照射された点状の領域からは、上記放射線撮影によって蓄積性蛍光体シート30に蓄積された放射線エネルギ、すなわち被写体1の放射線像Z1に応じた輝尽発光光Keが発せられる。この輝尽発光光Keは集光ガイド53Aによって集光され、集光された輝尽発光光Keは光電子増倍管等からなる光検出器53Bによって検出され光電変換される。そして、上記光電変換によって得られた上記放射線像1Z中の分散像領域1Aを示す部分画像信号Ga、および上記放射線像1Z中の分散像領域1Bを示す部分画像信号Gbからなる画像信号Gが上記放射線像読取部50から出力される。なお、上記蓄積性蛍光体シートに記録された放射線像の検出手法については、例えば、特開2001−75208号公報等を参照することができる。 【0048】 つづいて、合成画像作成部61に上記画像信号Gが入力され、合成画像作成部61が、上記補間処理により上記放射線像Zaを示す合成画像信号So1と放射線像Zbを示す合成画像信号So2とを作成する。 【0049】 次に、サブトラクション画像作成部65が、合成画像作成部61で作成された上記2種類の合成画像信号So1、So2を用いたエネルギサブトラクション処理を行って、エネルギサブトラクション画像を作成する。その様子について、図4を参照して以下に説明する。 【0050】 ここで、エネルギサブトラクション処理の対象となる画像信号So1によって表わされる原画像を低エネルギ画像81、画像信号So2によって表わされる原画像を高エネルギ画像82という。低エネルギ画像は、被写体1の放射線像を担持する比較的低エネルギの放射線の照射を受けた蓄積性蛍光体シート30上の領域を読み取って得られる画像である。一方、高エネルギ画像は、被写体1の放射線像を担持する比較的高エネルギの放射線の照射を受けた蓄積性蛍光体シート30上の領域を読み取って得られる画像である。上記2種類の画像は、同一の構造物を示す濃度に差があるものの、被写体1を構成する互いに放射線吸収特性の異なる構造物が記録された画像であり、互いに異なる放射線吸収特性を有する軟部(肺や食道等)と骨部(ろっ骨や背骨等)との双方が記録されている はじめに、2種類の画像信号である上記低エネルギ画像81を示す合成画像信号So1,および高エネルギ画像82を示す合成画像信号So2に関し、互いに対応する画素について重み付けして引き算を行う減算処理J1を行って、骨部の陰影が抽出された骨部画像83を表す骨部画像信号S1、および軟部の陰影が抽出された軟部画像87を表す軟部画像信号S2を求める。 【0051】 上記重み付け引き算は、式で表わすと、L=mP−nQ+C(但し、P,Qは上記減算処理J1の対象となる各画像信号の値、m,nは重み係数、Lは減算処理J1によって得られる画像信号、Cはバイアス成分)となる。上記減算処理J1によって骨部画像83、軟部画像87を得るにあたり、抽出すべき特定の構造物に関する画像情報以外の画像情報を消すためには、減算処理J1の実施の対象となる画像間で消去すべき構造物を示す画像信号の値を一致させる。すなわち、上記重み係数m,nを両画像の消去すべき部分の階調が一致するように選んで引き算を行なう。より具体的には、両画像において、消去すべき構造物(例えば肺や食道などの軟部)を示す濃度(画像信号の値)を一致させるように重み係数を選び、それぞれの画像について全画素に対応する画像信号に対して上記重み係数を乗じた後、引き算を行う。このようにすれば、減算処理J1の対象となるそれぞれの画像中の領域(上記軟部を示す領域)を示す画像信号の値が略等しい値となり、そこで、それらの画像間で引き算を行なうと、上記軟部に関する画像情報は失なわれ、上記画像間の差として骨部のみの画像情報が抽出される。 【0052】 次に、上記のようにして得られた骨部画像信号S1に平滑化処理J2を施して、骨部画像83に含まれるノイズ成分を低減した平滑化骨部画像84を表す平滑化画像信号S1hを求める。この平滑化処理J2を行う方法としては、例えばボケマスクを用いたり、あるいはメディアンフィルタを用いる方法を採用することができる。 【0053】 その後、上記骨部画像信号S1から平滑化画像信号S1hを各画素毎に引き算する減算処理J3を行うことにより、骨部画像83からノイズ成分のみを抽出したノイズ画像88を表す画像信号SNを求める。 【0054】 このようにして求めたノイズを示す画像信号SNと軟部画像87を表す軟部画像信号S2とに関し、互いに対応する画素について重み付けして足し算を行う加算処理J4を施し、これにより上記軟部画像87と略同一の情報を担持するとともに軟部画像87よりもノイズ成分が低減されたエネルギサブトラクション画像である軟部画像86を示す画像信号S2´を求める。 【0055】 なお、上記エネルギサブトラクション処理は、上記平滑化処理J2、減算処理J3、加算処理J4等を行うことなく、軟部画像87が得られたところで終了してもよい。このような場合には、エネルギサブトラクション画像が軟部画像87となる。 【0056】 また、上記と同様の手法により、骨部画像83よりもノイズ成分が低減された骨部画像を求めることもできる。 【0057】 上記エネルギサブトラクション処理の手法については、特開2000−60834号公報、あるいは特開平5−211635等を参照することができる。 【0058】 その後、サブトラクション画像作成部65によるエネルギサブトラクション処理によって得られた上記軟部画像86を示す画像信号S2´はプリンタ69に入力され、軟部画像86が可視画像としてプリンタ69から出力される。 【0059】 上記のように、本発明のエネルギサブトラクション画像取得方法は、被写体1を透過した放射線を、この放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体20A,20Bがそれぞれ分散配置された放射線フィルタ20に通してから放射線像変換パネルである蓄積性蛍光体シート30へ入射させて被写体1を表す放射線像Z1を蓄積性蛍光体シート30に記録し、蓄積性蛍光体シート30に記録された放射線像を読み取って放射線像Z1を表す画像信号Gを得、フィルタ体20A,20Bの種類ごとに、すなわち、フィルタ体20Aに対応する蓄積性蛍光体シート30上の対応領域1Aを表す、画像信号G中の部分画像信号Gaと、部分画像信号Gaから補間して得られた蓄積性蛍光体シート30中の上記対応領域1A以外の領域2Aを表す補間画像信号Faとを合成して合成画像信号So1を作成し、また、フィルタ体20Bに対応する蓄積性蛍光体シート30上の対応領域1Bを表す、画像信号G中の部分画像信号Gbと、部分画像信号Gbから補間して得られた蓄積性蛍光体シート30中の上記対応領域1B以外の領域2Bを表す補間画像信号Fbとを合成して合成画像信号So2を作成し、フィルタ体20A,20Bの種類ごとに作成した合成画像信号So1、So2間でエネルギサブトラクション処理(図4参照)を行ってエネルギサブトラクション画像である軟部画像86、あるいは軟部画像87を作成するものである。 【0060】 なお、上記放射線撮影読取装置100が、エネルギサブトラクション画像取得方法を実施するための放射線撮影読取装置に対応するものであり、上記画像処理部60が、エネルギサブトラクション画像取得方法を実施するための画像処理装置に対応するものであり、上記放射線フィルタ20が、エネルギサブトラクション画像取得方法を実施するための放射線フィルタに対応するものである。 【0061】 上記実施の形態においては、放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なる帯状の領域が分散配置された放射線フィルタの例を示したが、このような場合に限らず、図5に示すように、放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なる領域のうち、高エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率が低い領域が分散配置されてなるフィルタ体29Aと、このフィルタ体29Aより高エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率が高い領域が多数の点状の領域(円形状領域)に分散配置されてなるフィルタ体29Bとからなる放射線フィルタ20Tを採用しても、上記と同様の手法によって容易にエネルギサブトラクション画像を得ることができる。 【0062】 また、図6に示すように、銅板に多数の孔を開けた放射線フィルタ20Uを採用することもできる。すなわち、低エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率の高い領域が分散配置されてなる銅からなるフィルタ体29Cと、このフィルタ体29Cに比して低エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率の低い多数の孔が分散配置されてなる、実質的に放射線を素通しする孔(空間)からなるフィルタ体29Dとで構成された放射線フィルタ20Uを採用しても、上記と同様の手法により容易にエネルギサブトラクション画像を得ることができる。ここで、放射線フィルタ20Uが空気中で使用されるので、この放射線フィルタ20Uの周囲に存在する空気が上記孔に流入しフィルタ体29Dは空気で構成されたものとなる。 【0063】 さらに、図7に示すように、銅枠29E内に、円形状を成す多数の銅板29Fを銅線29Gで支持してなる放射線フィルタ20Vを採用することもできる。すなわち、低エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率の高い領域が分散配置されてなる上記多数の銅板29Fおよび銅線29Gからなるフィルタ体29Hと、このフィルタ体29Hに比して低エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率の低い空間からなる領域が分散配置されてなる、実質的に放射線を素通しする空間からなるフィルタ体29Iとで構成された放射線フィルタ20Vを採用しても、上記と同様の手法により容易にエネルギサブトラクション画像を得ることができる。ここで、放射線フィルタ20Vは空気中で使用されるので、この放射線フィルタ20Vの周囲に存在する空気が上記空間に流入しフィルタ体29Iは空気で構成されたものとなる。 【0064】 なお、上記分散配置された多数の帯状の領域あるいは上記分散配置された多数の点状(円形状)の領域のピッチは、それぞれ0.5mm〜0.18mm程度とすることが望ましい。 【0065】 また、2種類のフィルタ体のうち、放射線の高エネルギ成分に対するエネルギ吸収率の高い方のフィルタ体に対応する放射線像変換パネル上の対応領域の面積の総和が、上記2種類のフィルタ体に対応する放射線像変換パネル上の対応領域の面積の総和の10%以下であることが望ましい。 【0066】 さらに、放射線フィルタが、放射線源から発せられた放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なる3種類以上のフィルタ体のそれぞれについて放射線を通す領域が分散配置された各フィルタ体からなるものである場合には、上記3種類以上の分散フィルタのうちの2種類の分散フィルタを対象として、上記エネルギサブトラクション画像取得方法を実施することができる。 【0067】 図8(a)は放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なる領域を帯状に分散配置させた放射線フィルタを備えたフィルタ付放射線像変換パネルを示す図、図8(b)は、放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なるフィルタ体のうち、高エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率が高い方のフィルタ体を多数の点状の領域に分散配置させた放射線フィルタを備えたフィルタ付放射線像変換パネルを示す図である。 【0068】 図8(a)に示すように、放射線像変換パネルである蓄積性蛍光体シート30と、この蓄積性蛍光体シート30の放射線の照射を受ける側に配置された放射線フィルタ20であって、放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体のそれぞれについて放射線を通す領域が分散配置されている各フィルタ体からなる放射線フィルタ20とを一体化してなるフィルタ付放射線像変換パネル39Pを用いるようにしてもよい。このような場合には、上記フィルタ付放射線像変換パネル39Pが、上記エネルギサブトラクション画像取得方法を実施するフィルタ付放射線像変換パネルに対応するものとなる。なお、放射線フィルタ20は、放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なる領域を帯状に分散配置させたものである。また、図8(b)に示すように、放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なるフィルタ体のうち、高エネルギ放射線に対するエネルギ吸収率が高い方のフィルタ体を多数の点状の領域に分散配置させた放射線フィルタ20Tを上記放射線フィルタ20の代わりに用いたフィルタ付放射線像変換パネル39Qを採用するようにしてもよい。 【0069】 図9は放射線像変換パネルに放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体材料からなる半導体パネルを採用した放射線撮影読取装置の概略構成を示す図である。なお、放射線撮影読取装置の半導体パネル30Sおよび放射線像読取部50S以外の図9中に示す構成は既に説明した図1と同様なので同じ符号を使用し説明を省略する。 【0070】 図9に示すように、上記放射線の照射を受けてこの放射線の放射線エネルギを蓄積する蓄積性蛍光体シート30の代わりに、放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体材料からなる半導体パネル30Sを用い、また、蓄積性蛍光体シートに記録された放射線像を読み取る上記放射線像読取部50の代わりに、上記半導体材料で生じた電荷を2次元状に多数配列されたTFTスイッチをON・OFFすることにより読み出して上記放射線像を示す画像信号を得るTFT方式の放射線像読取部50Sを用いて、上記エネルギサブトラクション画像取得方法に使用する放射線撮影読取装置100Sを構成することもできる。そのような場合には、半導体パネル30Sの放射線の検出面の側に放射線フィルタ20が位置し、放射線像読取部50Sから出力された画像信号Gが画像処理部60に入力され上記と同様にエネルギサブトラクション処理が行なわれる。なお、放射線像読取部50は、半導体パネル30Sで生じた電荷を読み出すために半導体パネル30Sに一体化されている。 【0071】 図10は上記半導体パネルに放射線フィルタを一体化したフィルタ付放射線像変換パネルを示す斜視図である。 【0072】 図10に示すように、フィルタ付放射線像変換パネルとして、放射線の照射を受けて電荷を発生する多数配列された半導体素子からなる半導体パネル30Sと、放射線に対するエネルギ吸収特性の互いに異なる2種類のフィルタ体であって、それぞれについて放射線を通す領域を分散配置させたフィルタ体20Sa、20Sbを上記半導体パネル30Sに多数配列された各半導体素子、すなわち各画素の窓部に対応して配置してなる放射線フィルタ20Sとから構成されたフィルタ付放射線像変換パネル39Sを採用することもできる。 【0073】 なお、被写体を表す放射線像の放射線像変換パネルへの記録は、放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタを透過した放射線を被写体に通してから放射線像変換パネルへ入射させて上記被写体を表す放射線像を放射線像変換パネルに記録するようにしてもよい。すなわち、本発明のエネルギサブトラクション画像取得方法は、被写体、および放射線に対するエネルギ吸収特性が互いに異なる2種類のフィルタ体がそれぞれ分散配置された放射線フィルタの両方を透過した放射線を放射線像変換パネルへ入射させて上記被写体を表す放射線像を上記放射線像変換パネルに記録する場合に採用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0074】 【図1】本発明のエネルギサブトラクション画像取得方法を実施する放射線撮影読取装置の概略構成を示す図 【図2】放射線フィルタを拡大して示す斜視図 【図3】放射線像中の2種類の分散像領域を示す各部分画像信号を個別に用いた補間処理によって放射線像の全体を示す2種類の合成画像信号を作成する様子を示す図 【図4】エネルギサブトラクション処理のフローチャート 【図5】フィルタ体の一方を多数の点状の領域に分散配置させてなる放射線フィルタを示す図 【図6】銅板に多数の孔を開けた放射線フィルタの一部分を示す斜視図 【図7】円形状を成す多数の銅板を銅線で支持してなる放射線フィルタの一部分を示す斜視図 【図8】フィルタ付放射線像変換パネルを示す図 【図9】放射線像変換パネルに半導体パネル30Sを採用した放射線撮影読取装置を示す図 【図10】各画素の窓部に2種類のフィルタ体を分散配置させてなるフィルタ付放射線像変換パネルを示す図 【符号の説明】 【0075】 1 被写体 1A 分散像領域 1B 分散像領域 2A 分散像領域1Aから外れた放射線像Z1中の領域 2B 分散像領域1Bから外れた放射線像Z1中の領域 10 放射線源 20 分散フィルタ 20A フィルタ体 20B フィルタ体 Z1 放射線像 Ga 部分画像信号 Gb 部分画像信号 Fa 領域2Aを表す補間画像信号 Fb 領域2Bを表す補間画像信号 So1 放射線像Zaを表す合成画像信号 So2 放射線像Zbを表す合成画像信号
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成17年1月7日(2005.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073184 【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468 【弁理士】 【氏名又は名称】佐久間 剛
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| 【公開番号】 |
特開2006−187504(P2006−187504A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2005−2315(P2005−2315) |
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