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【発明の名称】 X線CT装置
【発明者】 【氏名】西出 明彦
【住所又は居所】東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社内

【氏名】川上 充郎
【住所又は居所】東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社内

【氏名】萩原 明
【住所又は居所】東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社内

【要約】 【課題】高速にスキャンすることができ、データ収集、画像再構成が効率的に実施できる。または、複数の撮影条件により同時にデータ収集、画像再構成が効率的に実施できる。または、データ収集系の回転軸方向であるz軸方向のデータ収集分解能向上を効率的に実施できる。

【解決手段】X線管21Aと、から照射され被検体を透過したX線を検出する検出器チャネルが2次元マトリクス構造で配置されている多列X線検出器24Aとを含むデータ収集系を複数個備える。また、複数個備えられたデータ収集系は、各々異なる撮影条件で撮影を行なえる。また、複数個備えられたデータ収集系をz軸方向に1/2列またはN+1/2列(Nは整数)ずらすことにより、z軸方向のデータ収集分解能を向上できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体にX線を照射するX線発生装置と、前記X線発生装置から照射され前記被検体を透過した前記X線を検出して投影データを得る検出器チャネルを複数列含み前記検出器チャネルが2次元マトリクス構造に配置されたX線検出器とが前記被検体の周囲を回転するデータ収集系を備えるデータ収集手段と、
前記データ収集手段により得られる投影データに基づいて、前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段と、
前記画像再構成手段により画像再構成された前記被検体の画像を表示する表示手段と
を有し、
前記データ収集手段は、データ収集系を複数備えたことを特徴とする
X線CT装置。
【請求項2】
前記データ収集手段が前記投影データを得る撮影条件を設定する撮影条件設定手段
を有し、
前記撮影条件設定手段は、前記データ収集手段の前記X線発生装置およびX線検出器の各々について独立に撮影条件を設定することを特徴とする
請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項3】
前記X線発生装置と前記X線検出器とは、前記被検体の周囲を回転する平面であるxy平面内の円周方向に沿って、互いが交互になるように配置されていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
【請求項4】
前記データ収集手段は、前記データ収集系を奇数個含むことを特徴とする
請求項3に記載のX線CT装置。
【請求項5】
前記撮影条件設定手段は、前記X線発生装置の各々が前記X線を照射する際における管電圧の条件を、各々が異なるように独立に設定し、
前記画像再構成手段は、前記複数の異なる管電圧により得られた投影データごとに、前記被検体の断層面の画像を再構成して複数の画像を画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行ない、被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とする
請求項2から請求項4のいずれかに記載のX線CT装置。
【請求項6】
前記画像再構成手段は、前記複数の画像間で減算を行って差画像を求め、前記差画像に基づいて前記被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とする
請求項5に記載のX線CT装置。
【請求項7】
前記データ収集手段は、N個の前記データ収集系を含み、前記X線発生装置と前記X線検出器とが前記被検体の周囲を360度/Nのみ回転して、それぞれの前記データ収集系ごとに前記投影データを収集し、
前記画像再構成手段は、前記360度/Nの回転によってそれぞれの前記データ収集系ごとに得られた投影データに基づいて、画像再構成を行ない、前記被検体の断層像を1枚画像再構成することを特徴とする
請求項1から請求項6のいずれかに記載のX線CT装置。
【請求項8】
前記データ収集手段は、N個の前記データ収集系を含み、前記X線発生装置と前記X線検出器とが前記被検体の周囲を1回転して、それぞれの前記データ収集系ごとに前記投影データを収集し、
前記画像再構成手段は、前記1回転によって得られた投影データを画像再構成して、前記被検体の画像をN枚画像再構成することを特徴とする
請求項1から請求項7のいずれかに記載のX線CT装置。
【請求項9】
前記データ収集手段は、前記データ収集系を偶数個含み、前記偶数個のデータ収集系は回転平面xy平面にほぼ平行にありxy平面に垂直なz軸方向に隣り合いお互いにほぼ180度ずれた位置に配置されると共に、コンベンショナルスキャンを実施する際に、前記データ収集系が前記被検体の周囲を回転する回転平面xy平面に垂直なz方向を横からyz平面で見ると、ミッシングコーンがないまたは、少なくなるようにz方向に隣りあっていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
【請求項10】
前記偶数個のデータ収集手段は、前記z方向に隣り合い、お互いにほぼ180度ずれた位置にあり、前記z方向に0.5列分、または、N+1/2列(Nは正整数)分、または、ほぼ0.5列分、または、ほぼN+1/2列分お互いのX線検出器がずれるように配置されていることを特徴とする
請求項9に記載のX線CT装置。
【請求項11】
前記データ収集手段は、前記X線発生装置の複数のうちの所定のX線発生装置がX線を照射する際には、前記所定のX線発生装置と異なる他のX線発生装置がX線を照射しないようにX線照射の排他制御することを特徴とする
請求項1から請求項9のいずれかに記載のX線CT装置。
【請求項12】
前記データ収集手段は、前記X線発生装置のそれぞれがほぼ同時に前記X線を照射する
請求項1から請求項9のいずれかに記載のX線CT装置。
【請求項13】
前記画像再構成手段は、3次元逆投影方法により画像再構成を行うことを特徴とする
請求項1から請求項12のいずれかに記載のX線CT装置。
【請求項14】
被検体の周囲を回転し、前記被検体にX線を照射するX線発生装置からなるX線発生手段と、
前記X線発生装置から照射され前記被検体を透過した前記X線を検出して投影データを得る検出器チャネルを複数列含み前記検出器チャネルが2次元マトリクス構造に配置された360度全周方向のX線検出器からなるデータ収集手段と、
前記データ収集手段により得られる投影データに基づいて、前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段と、
前記画像再構成手段により画像再構成された前記被検体の画像を表示する表示手段と
を有し、
前記X線発生手段は複数備えられたことを特徴とする
X線CT装置。
【請求項15】
前記X線発生手段とデータ収集手段が前記投影データを得る撮影条件を設定する撮影条件設定手段
を有し、
前記撮影条件設定手段は、前記X線発生手段とデータ収集手段の各々について独立に撮影条件を設定することを特徴とする
請求項14に記載のX線CT装置。
【請求項16】
前記撮影条件設定手段は、前記X線発生装置の各々が前記X線を照射する際における管電圧の条件を、各々が異なるように独立に設定し、
前記画像再構成手段は、前記複数の異なる管電圧により得られた投影データごとに、前記被検体の断層像を複数画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行ない、被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とする
請求項15に記載のX線CT装置。
【請求項17】
前記画像再構成手段は、前記複数の画像間で減算を行って差画像を求め、前記差画像に基づいて前記被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とする
請求項16に記載のX線CT装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体にX線を照射するX線発生装置と、X線発生装置から照射され被検体を透過したX線を検出して投影データを得るX線検出器とを1組とするデータ収集系を、複数備えるX線CT装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−276240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来は、X線CT装置は、一列のX線検出器を用いているため、被検体の断層像を同時に複数の撮影条件で得ることができない点、スキャンを高速化することが困難な点などの問題があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、効率よくデータ収集を行え、スキャンを高速化することが容易に可能なX線CT装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、複数の各々異なる撮影条件で同時に撮影可能なX線CT装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、z軸方向のデータ収集分解能向上、画質向上、無駄被曝領域の縮小化を効率良く実施することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下のX線CT装置を提供する。
第1の観点では、本発明は、被検体にX線を照射するX線発生装置と、前記X線発生装置から照射され前記被検体を透過した前記X線を検出して投影データを得る検出器チャネルを複数列含み前記検出器チャネルが2次元マトリクス構造に配置されたX線検出器とが前記被検体の周囲を回転するデータ収集系を備えるデータ収集手段と、前記データ収集手段により得られる投影データに基づいて、前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段と、前記画像再構成手段により画像再構成された前記被検体の画像を表示する表示手段とを有し、前記データ収集手段は、データ収集系を複数備えたことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第1の観点におけるX線CT装置では、被検体の周囲を回転し、前記被検体にX線を照射するX線発生装置と、前記X線発生装置から照射され前記被検体を透過した前記X線を検出して投影データを得るX線検出器とを含み、前記被検体の周囲の回転方向に沿って前記X線発生装置が複数配置されているデータ収集手段と、前記データ収集手段により得られる投影データに基づいて、前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段と、前記画像再構成手段により画像再構成された前記被検体の画像を表示する表示手段とを有し、前記X線検出器は、前記被検体を透過した前記X線を検出するX線検出器チャネルを複数含み、前記X線発生装置が前記被検体の周囲の回転方向に沿って前記X線検出器チャネルがマトリクス構造に配置されているため、スキャンを高速化することができる。
【0006】
第2の観点では、本発明は、前記データ収集手段が前記投影データを得る撮影条件を設定する撮影条件設定手段を有し、前記撮影条件設定手段は、前記データ収集手段の前記X線発生装置およびX線検出器の各々について独立に撮影条件を設定することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第2の観点におけるX線CT装置では、複数のX線発生装置およびマトリクス構造X線検出器からなるデータ収集系において、各々異なった管電圧などの撮影条件でスキャンが同時に行なえる設定手段を持つため、X線管電圧を各々のデータ収集系で変えることにより、得られた複数断層像よりそのエネルギー差分データを用いエネルギー差分による被検体のエネルギー特性情報を得ることができる。
【0007】
第3の観点では、本発明は、第1または第2の観点に記載の前記X線発生装置と前記X線検出器とは、前記被検体の周囲を回転する平面であるxy平面内の円周方向に沿って、互いが交互になるように配置されていることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第3の観点におけるX線CT装置では、複数のデータ収集系がXY平面上に円周上にX線発生装置とX線検出器が交互に効率よく並べられているので、空間利用効率のよい走査ガントリが実現でき、効率よくデータ収集が行え、高速に断層像撮影が行える。
【0008】
第4の観点では、本発明は、第3の観点に記載の前記データ収集手段は、前記データ収集系を奇数個含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第4の観点におけるX線CT装置では、Nが奇数の場合は、走査ガントリ内の配置を効率良くすることができ、効率よくデータ収集が行え、高速に断層像撮影が行える。
【0009】
第5の観点では、本発明は、第2から第4までの観点のいずれかに記載の前記撮影条件設定手段は、前記X線発生装置の各々が前記X線を照射する際における管電圧の条件を、各々が異なるように独立に設定し、前記画像再構成手段は、前記複数の異なる管電圧により得られた投影データごとに、前記被検体の断層面の画像を再構成して複数の画像を画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行ない、被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第5の観点におけるX線CT装置では、異なった管電圧などの撮影条件の画像同士の演算により、エネルギー差分が行なえ、被検体のエネルギー特性情報が得られる。
【0010】
第6の観点では、本発明は、第5の観点に記載の前記画像再構成手段は、前記複数の画像間で減算を行って差画像を求め、前記差画像に基づいて前記被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第6の観点におけるX線CT装置では、異なった管電圧の撮影条件の画像同士の差画像により、エネルギー差分が行なえ、被検体のエネルギー特性情報が得られる。
【0011】
第7の観点では、本発明は、第1から第6までの観点のいずれかに記載の前記データ収集手段は、N個の前記データ収集系を含み、前記X線発生装置と前記X線検出器とが前記被検体の周囲を360度/Nのみ回転して、それぞれの前記データ収集系ごとに前記投影データを収集し、前記画像再構成手段は、前記360度/Nの回転によってそれぞれの前記データ収集系ごとに得られた投影データに基づいて、画像再構成を行ない、前記被検体の断層像を1枚画像再構成することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第7の観点におけるX線CT装置では、データ収集系N個分の360度/Nの回転した投影データを集めて再構成することにより1枚の断層像が作れ、効率よくデータ収集が行え、高速に断層像撮影が行える。
【0012】
第8の観点では、本発明は、第1から第7までの観点のいずれかに記載の前記データ収集手段は、N個の前記データ収集系を含み、前記X線発生装置と前記X線検出器とが前記被検体の周囲を1回転して、それぞれの前記データ収集系ごとに前記投影データを収集し、前記画像再構成手段は、前記1回転によって得られた投影データを画像再構成して、前記被検体の画像をN枚画像再構成することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第8の観点におけるX線CT装置では、データ収集系N個分の1回転の投影データを集めて再構成することにより、N枚の断層像が作れ、効率よくデータ収集が行え、高速に断層像撮影が行える。
【0013】
第9の観点では、本発明は、第1または第2の観点に記載の前記データ収集手段は、前記データ収集系を偶数個含み、前記偶数個のデータ収集系は回転平面xy平面に平行またはほぼ平行にありxy平面に垂直なz軸方向に隣り合いお互いに180度またはほぼ180度ずれた位置に配置されると共に、コンベンショナルスキャンを実施する際に、前記データ収集系が前記被検体の周囲を回転する回転平面xy平面に垂直なz方向を横からyz平面で見ると、ミッシングコーンがないまたは、少なくなるようにz方向に隣りあっていることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第9の観点におけるX線CT装置では、偶数組のデータ収集系があり、2組のデータ収集系がXY平面では互いに向い合い、YZ平面では隣り合わせに配置されているので、ミッシングコーンのないデータ収集系から3次元画像再構成により、画質向上ができ、無駄被曝領域も小さくすることができる。
【0014】
第10の観点では、本発明は、第9の観点に記載の前記偶数個のデータ収集手段は、前記z方向に隣り合い、お互いに180度または、ほぼ180度ずれた位置にあり、前記z方向に0.5列分、または、N+1/2列(Nは正整数)分、または、ほぼ0.5列分、または、ほぼN+1/2列分お互いのX線検出器がずれるように配置されていることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第10の観点におけるX線CT装置では、z方向に0.5列分またはN+1/2列分、または、ほぼ0.5列分、または、ほぼN+1/2列分ずれて配置された対向する多列X線検出器の投影データをz方向にインターリーブして3次元画像再構成することにより、特にコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)ではz方向に分解能が向上した画像が得られる。
【0015】
第11の観点では、本発明は、第1から第9までの観点のいずれかに記載の前記データ収集手段は、前記X線発生装置の複数のうちの所定のX線発生装置がX線を照射する際には、前記所定のX線発生装置と異なる他のX線発生装置がX線を照射しないようにX線照射の排他制御することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第11の観点におけるX線CT装置では、複数のデータ収集系のX線発生装置のX線照射を排他制御して、1つのX線発生装置がX線照射中には他のX線発生装置は照射できないようにするため、他のX線発生装置からの散乱X線を受けにくく、画質の劣化を防ぐことができる。
【0016】
第12の観点では、本発明は、第1から第9の観点のいずれかに記載の前記データ収集手段は、前記X線発生装置のそれぞれが同時にもしくは、ほぼ同時に前記X線を照射する
X線CT装置を提供する。
上記第12の観点におけるX線CT装置では、複数のX線発生装置およびX線検出器からなるデータ収集系において、同時にX線照射を行ないデータ収集を行なうためにデータ収集を短時間で行なうことができる。
【0017】
第13の観点では、本発明は、第1から第12までの観点に記載の前記画像再構成手段は、3次元逆投影方法により画像再構成を行うことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第13の観点におけるX線CT装置では、3次元逆投影方法を用いて画像再構成するため、特にミッシングコーンがない場合にアーチファクトを少なくでき、画質を改善できる。
【0018】
第14の観点では、本発明は、被検体の周囲を回転し、前記被検体にX線を照射するX線発生装置からなるX線発生手段と、前記X線発生装置から照射され前記被検体を透過した前記X線を検出して投影データを得る検出器チャネルを複数列含み、前記検出器チャネルが2次元マトリクス構造に配置された360度全周方向のX線検出器からなるデータ収集手段と、前記データ収集手段により得られる投影データに基づいて、前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段と、前記画像再構成手段により画像再構成された前記被検体の画像を表示する表示手段とを有し、前記X線発生手段とデータ収集手段は、1対ずつ複数備えられたことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第14の観点におけるX線CT装置では、被検体の周囲を回転し、前記被検体にX線を照射するX線発生装置と、前記X線発生装置から照射され前記被検体を透過した前記X線を検出して投影データを得るX線検出器とを含み、前記検出器チャネルが2次元マトリクス構造に配置された360度全周方向のX線検出器からなる第4世代X線CTのデータ収集手段と、前記データ収集手段により得られる投影データに基づいて、前記被検体の断層像を画像再構成する画像再構成手段と、前記画像再構成手段により画像再構成された前記被検体の画像を表示する表示手段とを有し、前記X線発生手段は複数備えられるため、スキャンを高速化することができる。
【0019】
第15の観点では、本発明は、第14の観点に記載の前記X線発生手段とデータ収集手段が前記投影データを得る撮影条件を設定する撮影条件設定手段を有し、前記撮影条件設定手段は、前記X線発生手段とデータ収集手段の各々について独立に撮影条件を設定することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第15の観点におけるX線CT装置では、複数のX線発生装置およびマトリクス構造X線検出器からなるデータ収集系において、各々異なった管電圧などの撮影条件でスキャンが同時に行なえる設定手段を持つため、X線管電圧を各々のX線発生装置で変えることにより、得られた複数断層像よりそのエネルギー差分データを用いエネルギー差分による被検体のエネルギー特性情報を得ることができる。
【0020】
第16の観点では、本発明は、第15の観点に記載の前記撮影条件設定手段は、前記X線発生装置の各々が前記X線を照射する際における管電圧の条件を、各々が異なるように独立に設定し、前記画像再構成手段は、前記複数の異なる管電圧により得られた投影データごとに、前記被検体の断層像を複数画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行ない、被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第16の観点におけるX線CT装置では、異なった管電圧などの撮影条件の画像同士の演算により、エネルギー差分が行なえ、被検体のエネルギー特性情報が得られる。
【0021】
第17の観点では、本発明は、第16の観点に記載の前記画像再構成手段は、前記複数の画像間で減算を行って差画像を求め、前記差画像に基づいて前記被検体のエネルギー特性情報を求めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第17の観点におけるX線CT装置では、異なった管電圧の撮影条件の画像同士の差画像により、エネルギー差分が行なえ、被検体のエネルギー特性情報が得られる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の効果としては、スキャンを高速化することが容易に可能なX線CT装置を提供することができる。
また、別の効果として、複数の各々異なる撮影条件で同時に撮影可能なX線CT装置を提供することができる。
また、別の効果として、z軸方向のデータ収集分解能を向上可能なX線CT装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0024】
<実施形態1>
以下より、本発明にかかる実施形態1について説明する。
【0025】
図1は、本発明にかかる実施形態1のX線CT装置の構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。各部について、順次、説明する。
【0027】
操作コンソール1は、図1に示すように、入力装置2と、中央処理装置3と、データ収集バッファ5と、モニタ6と、記憶装置7とを具備している。
【0028】
入力装置2は、たとえば、キーボードやマウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の入力を受け付ける。そして、入力装置2は、オペレータの入力操作に基づいて、スキャン条件や被検体の情報などの各種情報を中央処理装置3に入力する。
【0029】
中央処理装置3は、たとえば、マイクロコンピュータ等により構成されている。中央処理装置3は、図1に示すように、画像再構成部3aと、撮影条件設定部3bとを有する。
【0030】
画像再構成部3aは、走査ガントリ20により得られる投影データに基づいて、被検体の断層像を画像再構成する。具体的には、画像再構成部3bは、スキャンによる複数のビュー方向からの投影データに対して、感度補正、ビームハードニング補正などの前処理を実施後、フィルタ処理し、たとえば、3次元逆投影法によって画像再構成を行い、被検体の断層像を画像再構成する。
【0031】
そして、詳細について後述するが、本実施形態における画像再構成部3aは、走査ガントリ20における第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cの各々がX線を照射する際における管電圧、管電流、焦点サイズなどの条件を、撮影条件設定部3bにより各々が異なるように設定される場合においては、複数の異なる管電圧により得られた投影データごとに、前記被検体の断層像を画像再構成して複数の断層像を画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行ない、被検体のエネルギー特性情報を算出する。たとえば、画像再構成部3aは、エネルギーサブトラクション法による差画像の断層像により被検体のエネルギー特性の違いを画像化する。つまり、画像再構成部3aは、複数の異なる管電圧、管電流、焦点サイズなどにより得られた投影データごとに、被検体の断層像を画像再構成して複数の断層像を画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行ない、被検体のエネルギー特性情報を算出する。
【0032】
撮影条件設定部3bは、走査ガントリ20が被検体の投影データを得る撮影条件を設定する。ここで、撮影条件設定部3bは、走査ガントリ20における第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cの各々について独立に撮影条件を設定し、各々がX線を照射する際における管電圧などの撮影条件を、各々が異なるように独立に設定する。
【0033】
データ収集バッファ5は、たとえば、バッファメモリで構成されており、走査ガントリ20で取得した投影データを収集し記憶する。
【0034】
モニタ6は、たとえば、液晶モニタで構成されている。モニタ6は、中央処理装置3からの指令に基づき、画像再構成部3bが再構成した被検体の断層像を表示する。
【0035】
記憶装置7は、メモリにより構成されており、画像再構成部3aが再構成する被検体の断層像などの各種のデータや、プログラムなどを記憶する。記憶装置7は、その記憶されたデータが必要に応じて中央処理装置3にアクセスされる。
【0036】
撮影テーブル10は、被検体を支持するクレードル12を具備している。撮影テーブル10は、被検体を支持するクレードル12を、内蔵するモータでy軸方向に昇降およびz軸方向に直線的に移動し、走査ガントリ20の開口部200の内部に被検体を搬入し、スキャンを行った後に被検体を開口部の外部に搬出する。
【0037】
走査ガントリ20は、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cと、第1X線コントローラ22A,第2X線コントローラ管22B,第3X線コントローラ22Cと、第1コリメータ23A,第2コリメータ23B,第3コリメータ23Cと、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cと、第1DAS(Data Acquisition System)25A,第2DAS25B,第3DAS25Cと、回転部コントローラ26と、制御コントローラ29とを具備している。
【0038】
つまり、走査ガントリ20は、第1X線管21Aと第1多列X線検出器24A,第2X線管21Bと第2多列X線検出器24B,第3X線管21Cと第3多列X線検出器24Cのように、X線管と多列X線検出器とを組とするデータ収集系を複数備えている。本実施形態においては、図1に示すように、走査ガントリ20は、奇数個のデータ収集系を含み、3個のデータ収集系からなり、撮影テーブル10により開口部200に移動された被検体の周囲を回転することにより、被検体を走査し、被検体についての投影データを収集する。
【0039】
そして、この時、走査ガントリ20は、第1から第3のX線管21A,21B,21Cの複数のうちの、所定のX線管からX線を照射する際には、その所定のX線管と異なる他のX線管がX線を照射しないように第1から第3のX線コントローラ22A,22B,22Cが排他制御する。つまり、走査ガントリ20は、第1から第3のX線管21A,21B,21Cの複数のうちの、第1X線管21AからX線を照射する際には、その第1X線管21Aと異なる第2X線管21Bおよび第3X線管21CがX線を照射しないように第1から第3のX線コントローラ22A,22B,22Cが排他制御する。
【0040】
第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cは、第1から第3のX線管21A,21B,21Cのそれぞれに対応する第1から第3のX線コントローラ22A,22B,22Cからの制御信号に基づいて、所定強度のX線を被検体に照射する。
【0041】
図2(a)は、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cと第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cのデータ収集系の幾何学的配置関係を示す図である。また、図2(b)は、フラットパネル構造の第1から第3までの多列X線検出器24A,24B,24Cのデータ収集系の幾何学的配置の例である。図2(a),(b)においては、鉛直方向をy方向とし、水平方向をx方向とし、これらに垂直な撮影テーブル10のクレードル12の進行方向をz方向とする。
【0042】
図2に示すように、第1から第3のX線管21A,21B,21Cのそれぞれは、開口部200を挟むように、第1から第3の多列X線検出器24A,24B,24Cと対向しており、開口部200内に移動される被検体の周囲を、回転中心ICを軸にしてxy平面内で回転する。
【0043】
そして、第1から第3のX線管21A,21B,21Cのそれぞれは、被検体の円周方向に沿って、第1から第3の多列X線検出器24A,24B,24Cと交互になるように配置されており、それぞれにおいてX線を照射する撮影領域が重複するように、被検体の周囲から被検体にX線を照射する。ここでは、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cは、コーンビームCBと呼ばれるX線ビームを発生する。なお、コーンビームCBの中心軸方向がy方向に平行なときを、ビュー角度0°とする。
【0044】
第1X線コントローラ22A,第2X線コントローラ管22B,第3X線コントローラ22Cのそれぞれは、操作コンソール1の中央処理装置3からの制御信号に応じて、第1から第3のX線管21A,21B,21Cのそれぞれに対して制御信号を出力してX線の照射を制御する。
【0045】
第1コリメータ23A,第2コリメータ23B,第3コリメータ23Cのそれぞれは、操作コンソール1の中央処理装置3からの制御信号に応じて、第1から第3のX線管21A,21B,21CのX線のz方向のスライス厚を制御する。
【0046】
第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cのそれぞれは、いわゆる、多列X線検出器で構成されている。そして、図2(a)に示すように、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cのそれぞれは、第1から第3の多列X線検出器21A,21B,21Cが被検体の周囲を回転する方向に沿って、第1から第3の多列X線検出器21A,21B,21Cのそれぞれと交互になるように幾何学的配置をされている。また、図2(b)はフラットパネル構造の多列X線検出器24A,24B,24Cを用いた幾何学的配置である。
【0047】
図3(a)は、第1多列X線検出器24Aの構成を示す斜視図である。なお、第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cについても、第1多列X線検出器24Aの構成と同様である。
図3(b)は、フラットパネル構造の多列X線検出器24A,24B,24Cの例である。
【0048】
図3(a)に示すように、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cのそれぞれは、被検体を透過したX線を検出する検出器チャネル241を複数含み、検出器チャネル241がマトリクス構造に配置されている。第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cは、例えば、256列の検出器列を有する。また、各検出器列は、例えば、1024チャネルの検出器チャネルを有する。なお、図3(b)はフラットパネル構造の多列X線検出器24A,24B,24Cの例である。
【0049】
第1DAS25A,第2DAS25B,第3DAS25Cのそれぞれは、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cのそれぞれに接続されて、それぞれが収集した投影データを、A/D変換し、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に出力する。
【0050】
回転部コントローラ26は、操作コンソール1の中央処理装置3からの制御信号に応じて、走査ガントリ回転部に制御信号を出力して被検体の周囲を回転するように制御する。
【0051】
制御コントローラ29は、操作コンソール1や撮影テーブル10と、制御信号などを、やり取りする。
【0052】
なお、上記の実施形態において、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cは、本発明のX線発生装置に相当する。また、本実施形態の第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cは、本発明のX線検出器に相当する。また、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cのそれぞれと、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cのそれぞれとを順次組み合わせたものが、本発明のデータ収集系に相当する。また、本実施形態の走査ガントリ20は、本発明のデータ収集手段に相当する。また、本実施形態の画像再構成部3aは、本発明の画像再構成手段に相当する。また、本実施形態の撮影条件設定部3bは、本発明の撮影条件設定手段に相当する。
【0053】
以下より、本実施形態のX線CT装置100の動作について説明する。
【0054】
図4は、本実施形態のX線CT装置100を用いて被検体の断層像を得る際の動作を示すフロー図である。
【0055】
図4に示すように、まず、ステップS1では、投影データの収集を行う。
【0056】
ここでは、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cと第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cとを被検体の周囲で回転させる。この時、ヘリカルスキャンの場合においては、クレードル12を直線移動させながら、投影データを収集する。そして、テーブル直線移動位置zと、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとデータ収集系番号kとで表わされる投影データDO(view,j,i,k)に、テーブル直線移動z方向位置Ztable(view)を付加させる。なお、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンの場合においては、クレードル12を静止させて、投影データDO(view,j,i,k)を収集する。
【0057】
つぎに、ステップS2では、投影データDO(view,j,i)に対して前処理を行なう。
【0058】
図5は、前処理を示すフロー図である。
【0059】
図5のように、ステップS21のオフセット補正,ステップS22の対数変換,ステップS23のX線線量補正,ステップS24の感度補正からなる前処理を実施する。
【0060】
つぎに、ステップS3では、前処理した投影データDO(view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行なう。
【0061】
ここでは、ステップS2の前処理にて感度補正S24が行なわれた投影データをDinとし、ビームハードニング補正S3の後のデータをDoutとすると、ビームハードニング補正S3は、以下の数式(1)のように、例えば、多項式形式で実施される。
【0062】
【数1】


【0063】
この時、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえる。このため、各列ごとの検出器の特性の違いを補正できる。各データ収集系の撮影条件の管電圧が異なる場合は、各データ収集系ごとに別のビームハードニング補正を行う。
【0064】
つぎに、ステップS4では、前処理した投影データDO(view,j,i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行なう。
【0065】
ステップS4では、各ビュー角度、各データ収集系における前処理された多列X線検出器Det(ch, row) (ch=1〜CH, row=1〜ROW) のデータに対し、列方向に例えば、(w1(ch), w2(ch), w3(ch), w4(ch), w5(ch))、のような列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。ただし、以下の数式(2)を満たすようにする。
【0066】
【数2】


【0067】
また、補正された検出器データDcor(ch, row)は、以下の数式(3)のようになる。
【0068】
【数3】


【0069】
なお、チャネルの最大値はCH, 列の最大値はROWとすると、以下の数式(4)(5)のようになる。
【0070】
【数4】


【0071】
【数5】


【0072】
また、列方向フィルタ係数を各チャネルごとに変化させると再構成中心からの距離に応じてスライス厚を制御できる。一般的に断層像では画像再構成中心に比べ周辺部の方がスライス厚が厚くなるので、列方向フィルタ係数を画像再構成領域の中心部と周辺部で変化させて、列方向フィルタ係数を中心部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅を広く変化させると、周辺部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅をせまく変化させると、スライス厚は周辺部でも再構成中心部でも一様に近くすることもできる。
【0073】
このように、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cのそれぞれの中心部チャネルと周辺部チャネルの列方向フィルタ係数を制御してやることにより、スライス厚も中心部と周辺部で制御できる。列方向フィルタでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、3次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施形態として列方向(z方向)フィルタ係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルタにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。
【0074】
つぎに、ステップS5では、再構成関数重畳処理を行なう。
【0075】
すなわち、ステップS4のように処理された投影データに対して、フーリエ変換した後に、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。ステップS5では、zフィルタ重畳処理後のデータをDinとし、再構成関数重畳処理後のデータをDout、重畳する再構成関数をKernel(j)とすると、再構成関数重畳処理は、以下の数式(6)のように表わされる。
【0076】
【数6】


【0077】
つまり、再構成関数kernel(j)は検出器の各j列ごとに独立した再構成関数重畳処理を行なえるため、各列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
【0078】
つぎに、ステップS6では、再構成関数重畳処理した投影データDO(view,j,i)に対して、3次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y)を求める。
【0079】
図6は、3次元逆投影処理を示すフロー図である。
【0080】
図6に示すように、ステップS61では、再構成領域Pの各画素に対応する投影データDrを抽出する。
【0081】
ここでは、CT画像の画像再構成に必要な全ビュー(すなわち、360度分のビュー又は「180度分+ファン角度分」のビュー)中の一つのビューに着目し、再構成領域Pの各画素に対応する投影データDrを抽出する。
【0082】
図7は、(a),(b)が再構成領域上のラインをX線透過方向へ投影する状態を示す概念図であり、(c),(d)が、円形の再構成領域上のラインをX線透過方向へ投影する状態を示す概念図である。また、図8は、検出器器面に投影したラインを示す概念図である。そして、図9は、投影データDr(view,x,y)を再構成領域上に投影した状態を示す概念図である。
【0083】
図7(a)(b)に示すように、xy平面に平行な512×512画素の正方形の領域を再構成領域Pとし、y=0のx軸に平行な画素列L0,y=63の画素列L63,y=127の画素列L127,y=191の画素列L191,y=255の画素列L255,y=319の画素列L319,y=383の画素列L383,y=447の画素列L447,y=511の画素列L511を列にとると、図8に示すように、これらの画素列L0〜L511をX線透過方向に多列X線検出器24の面に投影したラインT0〜T511上の投影データを抽出すれば、それらが画素列L0〜L511の投影データDrとなる。
【0084】
X線透過方向は、たとえば、第1X線管21AのX線焦点と、各画素と、第1多列X線検出器24Aとの幾何学的位置によって決まるが、投影データD0(view,j,i)のz座標z(view)がテーブル直線移動z方向位置Ztable(view)として投影データに添付されていて判っているため、加速・減速中の投影データD0(view,j,i)でもX線透過方向を正確に求めることが出来る。
【0085】
なお、例えば、画素列L0をX線透過方向に第1多列X線検出器24Aの面に投影したラインT0のように、ラインの一部が第1多列X線検出器24Aの面外に出た場合は、対応する投影データDrを「0」にする。
【0086】
かくして、図9に示すように、再構成領域Pの各画素に対応する投影データDr(view,x,y)を抽出できる。
【0087】
そして、図6に示すように、ステップS62では、コーンビーム再構成荷重係数を各投影データDrに乗算し、逆投影データD2を作成する。
【0088】
ここでは、まず、投影データDr(view,x,y)にコーンビーム再構成荷重係数を乗算する。
【0089】
図10は、再構成領域上の各画素の逆投影画素データD2を示す概念図である。
【0090】
ここでは、図10に示すようにして、投影データD2(view,x,y)を作成する。
【0091】
ここで、コーンビーム再構成加重係数w(i,j)は以下の通りである。ファンビーム画像再構成の場合は、一般に、view=βaでX線管21の焦点と再構成領域P上(xy平面上)の画素g(x,y)とを結ぶ直線がX線ビームの中心軸Bcに対してなす角度をγとし、その対向ビューをview=βbとするとき、βb=βa+180°−2γである。
【0092】
再構成領域P上の画素g(x,y)を通るX線ビームとその対向X線ビームが再構成平面Pとなす角度を、αa,αbとすると、これらに依存したコーンビーム再構成加重係数ωa,ωbを掛けて加算し、逆投影画素データD2(0,x,y)をD2(0,x,y)=ωa・D2(0,x,y)_ a+ωb・D2(0,x,y)_ bのようにして求める。
【0093】
なお、コーンビーム再構成加重係数の対向ビーム同士の和は、ωa+ωb=1である。
【0094】
コーンビーム再構成加重係数ωa,ωbを掛けて加算することにより、コーン角アーチファクトを低減することが出来る。
【0095】
例えば、コーンビーム再構成加重係数ωa,ωbは、次式により求めたものを用いることが出来る。
【0096】
ファンビーム角の1/2をγmaxとするとき(例えば、q=1とする)、
【0097】
【数7】


【0098】
例えば、ga,gbの1例として、max[ ]を値の大きい方を採る関数とすると、
【0099】
【数8】


【0100】
また、ファンビーム画像再構成の場合は、更に距離係数を再構成領域P上の各画素に乗算する。距離係数はX線管21の焦点から投影データDrに対応する多列X線検出器24の検出器列j,チャネルiまでの距離をr0とし、X線管21の焦点から投影データDrに対応する再構成領域P上の画素までの距離をr1とするとき、(r1/r0)2である。
【0101】
また、平行ビーム画像再構成の場合は、再構成領域P上の各画素にコーンビーム再構成加重係数w(i,j)のみを乗算すればよい。
【0102】
つぎに、ステップS63では、逆投影データD3(x,y)に、投影データD2(view,x,y)を画素ごとに加算する。
【0103】
図11は、逆投影画素データD2を画素対応に全ビュー加算して逆投影データD3を得る状態を示す説明図である。
【0104】
ここでは、図11に示すように、予めクリアしておいた逆投影データD3(x,y)に、投影データD2(view,x,y)を画素対応に加算する。
【0105】
つぎに、ステップS64では、CT画像の再構成に必要な全ビュー(すなわち、360度分のビュー又は「180度分+ファン角度分」のビュー)について、ステップS61〜S63を繰り返し、図11に示すように、逆投影データD3(x,y)を得る。
【0106】
なお、ここでは、図7(c)(d)に示すように、再構成領域Pを円形の領域としてもよい。
【0107】
そして、図4に示すように、ステップS7では、逆投影データD3(x,y)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像を得る。
【0108】
後処理の画像フィルタ重畳処理では、3次元逆投影後のデータをDin(x, y, z)とし、画像フィルタ重畳後のデータをDout(x, y, z)、画像フィルタをFilter(z)とすると、以下の数式(7)のようになる。
【0109】
【数9】


【0110】
つまり、検出器の各j列ごとに独立した画像フィルタ重畳処理を行なえるため、各列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
【0111】
そして、得られた断層像は、モニタ6に表示される。
【0112】
本実施形態では、上記の動作において、オペレータによって入力装置2に入力される指令に基づいて、走査ガントリ20における第1X線コントローラ22A,第2X線コントローラ22B,第3X線コントローラ22Cの各々がX線を照射する際における管電圧の条件を、各々が異なるように撮影条件設定部3bが設定する。そして、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cの各々が、異なる管電圧に基づいてX線を被検体に照射する。この時、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cが、被検体を透過したX線をそれぞれ検出し、投影データをそれぞれ収集する。そして、複数の異なる管電圧により得られた投影データごとに、被検体の断層像を画像再構成して複数の画像を画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行ない、被検体を構成する原子のエネルギー特性を示す2次元分布情報を求める。
【0113】
図12は、N種類の管電圧でN枚の断層像を作り、エネルギー差分画像を作る場合の説明図である。一般的に物質のX線吸収係数は、その物質を構成する原子のX線吸収係数の特性によって決まり、X線のエネルギーに依存する。X線発生装置の管電圧を変えることにより、X線のエネルギーは変わる。これにより、X線発生装置の管電圧を変えて撮った断層像の差画像を作ると、各物質を構成する原子のX線エネルギー依存性の違いが画像化できる。つまり、物質の差が画像化できることになる。
【0114】
図12に示すように、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cの各々が、たとえば、kV1,kV2,kV3(kV1>kV2>kV3)の異なる管電圧に基づいてX線を被検体に照射する。そして、それぞれの管電圧による断層像を用いて、被検体のエネルギー特性情報を求める。ここでは、たとえば、画像再構成部3aは、エネルギーサブトラクション法による断層像により被検体の内部のX線エネルギー特性の違いを画像化する。具体的には、管電圧がkV1の際の画像と管電圧がkV2の際の画像との差画像(kV1−kV2)、管電圧がkV2の際の画像と管電圧がkV3の際の画像との差画像(kV2−kV3)の情報からエネルギー弁別を行い、被検体の内部のX線エネルギー特性の違いを画像化する。
【0115】
以上のように本実施形態においては、被検体を透過したX線を検出するX線検出器チャネル241を複数含み、マトリクス構造に配置されている第1から第3の多列X線検出器24A,24B,24Cを有する。このため、高速にスキャンすることができ、データ収集、断層像画像再構成が効率的に実施できる。
【0116】
また、本実施形態においては、走査ガントリ20の第1から第3のX線管21A,21B,21Cのそれぞれは、被検体の周囲を回転する方向に沿って、第1から第3の多列X線検出器24A,24B,24Cと交互になるように配置されている。このため、本実施形態は、高い空間利用効率を実現して、高速なスキャンで、データ収集、断層像再構成が効率的に実施できる。
【0117】
また、本実施形態においては、第1から第3のX線管21A,21B,21Cの各々がX線を照射する際における管電圧の条件を各々異なるように、撮影条件設定部3bが設定する。そして、その複数の異なる管電圧により得られた投影データごとに、被検体の断層像を画像再構成部3aが画像再構成して複数の画像を画像再構成し、複数の画像同士間で演算を行なって、被検体のエネルギー特性情報を求める。このため、高速にスキャンして、エネルギー差分による被検体のX線エネルギー特性の違いの画像化が行なえる。
【0118】
また、本実施形態においては、第1から第3のX線管21A,21B,21Cの複数のうちの、所定のX線管からX線を照射する際には、その所定のX線管と異なる他のX線管がX線を照射しないようにX線照射の排他制御する。図20(a),(b)に、X線照射排他制御の場合のX線照射とデータ収集の関係を示す。これによると、本実施形態は、散乱X線を受けにくくなり、散乱X線によるアーチファクトが減少し、画像品質を向上することができる。
【0119】
しかし、上記の場合だと、X線投影データ収集の時間がX線管の数の倍、つまり3倍になってしまう。これを避けるためには、本実施例においては、第1から第3のX線管21A,21B,21Cの複数のX線管からX線を同時に照射させてしまえばよい。この場合は、散乱X線が入りにくい検出器コリメータを多列X線検出器24A,24B,24Cに付ける、散乱X線の影響を低減させる補正を行うなどの散乱X線対策をすればよい。
【0120】
図21(a),(b)にX線同時照射の場合のX線照射とデータ収集の関係を示す。これによると、X線投影データの収集時間を短縮させることができる。
【0121】
また、本実施形態においては、3次元逆投影方法により画像を再構成するため、アーチファクトを少なくでき、画質を改善できる。
【0122】
<実施形態2>
以下より、本発明にかかる実施形態2について説明する。
【0123】
本実施形態は、第1から第3のX線管21A,21B,21Cと、画像再構成部3aとの動作が実施形態1と異なっている。以上の点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0124】
図13は、本発明にかかる実施形態2において、被検体をスキャンする様子を示す図である。
【0125】
図13に示すように、本実施形態においては、N=3個のデータ収集系を含む走査ガントリ20が、それぞれのデータ収集系における第1から第3のX線管21A,21B,21Cと第1から第3の多列X線検出器24A,24B,24Cとを、被検体の周囲を360度/Nのみ回転させて、それぞれのデータ収集系ごとに投影データを取得する。この時の画像再構成では3つの投影データを組み合わせ、逆投影することにより1枚の断層像が得られる。この時、走査ガントリ20は、第1から第3のX線管21A,21B,21Cのそれぞれが同時にX線を照射するように制御する。
【0126】
そして、画像再構成部3aは、その360度/Nの回転によってそれぞれのデータ収集系ごとに得られた投影データを組合わせて逆投影処理を行い、画像再構成して、被検体の断層像を1枚画像再構成する。
【0127】
以上のように、本実施形態は、360度/Nのみの少ない回転で、被検体の断層像を得るため、高速にスキャンすることができ、データ収集、断層像再構成が効率的に実施できる。
【0128】
また、本実施形態においては、第1から第3のX線管21A,21B,21Cの各々が同時にX線を照射するため、高速なスキャンで、データ収集、断層像再構成が効率的に実施できる。
【0129】
<実施形態3>
以下より、本発明にかかる実施形態3について説明する。
【0130】
本実施形態は、第1から第3のX線管21A,21B,21Cと、画像再構成部3aとの動作が実施形態1と異なっている。以上の点を除き、本実施形態は、実施形態2と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0131】
図14は、本発明にかかる実施形態3において、被検体をスキャンする様子を示す図である。
【0132】
図14に示すように、本実施形態においては、第1から第3のX線管21A,21B,21Cが、被検体の周囲を360度分、すなわち、1回転して、それぞれのデータ収集系ごとに投影データを取得する。
【0133】
そして、1回転によって得られた投影データに基づいて、画像再構成部3aが、画像再構成を行ない、被検体の断層像をN枚画像再構成する。
【0134】
以上のように、本実施形態は、1回転で複数枚の断層像を得るため、高速にスキャンすることができ、データ収集、断層像再構成が効率的に実施できる。なお、同一な撮影条件でデータ収集して、YZ平面における中心線が一致し、XY平面の回転中心が一致する場合は、120度分のデータを収集した後に、D3(x,y,k)を加算することで1枚の断層像となり、高速スキャンが実現できる。また、さらに、YZ平面における中心線が1/3列ずつずれXY平面の回転中心が一致する場合は、360度分のデータ収集するだけで1/3列ずつずれた3枚の断層像が収集でき、同様に、高速スキャンが実現できる。または、あらかじめ各々の多列X線検出器24A,24B,24Cの配置がわかっていれば、それを考慮して3次元画像再構成すれば同様に高速スキャンが実現できる。
【0135】
<実施形態4>
以下より、本発明にかかる実施形態4について説明する。
【0136】
本実施形態は、実施形態1と異なり、データ収集系を偶数個含み配置関係が異なる。以上の点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0137】
図15は、本発明にかかる実施形態4において、データ収集系の配置関係を示す図である。図15においては、図15(a)がXY平面上での配置を示し、図15(b)、図15(c)がZY平面上での配置を示している。
【0138】
図15に示すように、本実施形態は、偶数個である4個のデータ収集系を含む。ここでは、偶数個のデータ収集系は回転平面xy平面に平行またはほぼ平行にありxy平面に垂直なz軸方向に隣り合いお互いに180度またはほぼ180度ずれた位置に配置される。そして、さらに、図15(b)または図15(c)に示すように、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21C,第4X線管21Dおよび、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24C,第4多列X線検出器24Dが、コンベンショナルスキャンを実施する際に、各X線管が被検体の周囲を回転する回転平面xy平面に対して垂直なz方向において、ミッシングコーンがないように隣りあって配置されている。また、ここでは、第1X線管21Aと第2X線管21Bおよび、第3X線管21Cと第4X線管21Dとにおいては、被検体にX線を照射する領域が重複するように配置してもよいし、重複しないように配置してもよい。なお、ミッシングコーンとは図24に示すように、画像再構成される領域、画像再構成平面の各画素を通るX線ビームが存在しない領域である。
【0139】
なお、上記の実施形態において、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21C、第4X線管21Dは、本発明のX線発生装置に相当する。また、本実施形態の第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24C、第4多列X線検出器24Dは、本発明の多列X線検出器に相当する。また、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21C、第4X線管21Dのそれぞれと、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24C、第4多列X線検出器24Dのそれぞれとを順次組み合わせたものが、本発明のデータ収集系に相当する。
【0140】
以上のように、本実施形態は、ミッシングコーンがないように隣りあって配置されているため、画像におけるアーチファクトを低減することができる。また、データ収集系が複数ある分、高速なスキャンも実現できる。
【0141】
なお、図16は、本発明にかかる実施形態4の変形例において、データ収集系の配置関係を示す図である。図16においては、図16(a)がXY平面上での配置を示し、図16(b)、図16(c)がZY平面上での配置を示している。
【0142】
図16に示すように、本実施形態は、データ収集系を2個含む。ここでは、上記と同様に、2個のデータ収集系は回転平面xy平面に平行またはほぼ平行にありxy平面に垂直なz軸方向に隣り合いお互いに180度またはほぼ180度ずれた位置に配置される。そして、さらに、図16(b)または図16(c)に示すように、第1X線管21A,第2X線管21Bおよび、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24Bが、コンベンショナルスキャンを実施する際に、各X線管が被検体の周囲を回転する回転平面xy平面に対して垂直なz方向において、ミッシングコーンがないように隣りあって配置されている。
【0143】
このような変形例においても、上記と同様な効果を得ることができる。
【0144】
<実施形態5>
以下より、本発明にかかる実施形態5について説明する。
【0145】
本実施形態は、実施形態4に対して、第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24C,第4多列X線検出器24Dの配置がz方向にシフトしている点で異なっている。以上の点を除き、本実施形態は、実施形態4と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0146】
図17は、本発明にかかる実施形態5において、データ収集系の配置関係を示す図である。図17においては、図17(a)がXY平面上での配置を示し、図17(b)、図17(c)がZY平面上での配置を示している。
【0147】
図17(a)に示すように、本実施形態においては、Z方向にて隣り合うように対向した第1多列X線検出器24a,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24C,第4多列X線検出器24Dにおいて、図17(b)に示すように、Z方向に0.5列、または、図17(c)に示すように、N+1/2列(Nは正整数)分、多列X線検出器24がずれるように配置されている。
【0148】
以上のように、本実施形態は、高速なスキャンを実現すると共に、Z方向に0.5列、または、N+1/2列(Nは正整数)分、多列X線検出器24がずれるように配置され、対向データがz方向にインターリーブできるようになっているため、z方向のX線検出器の位置の密度が上がり、z方向により均一なデータ収集が行え、z方向の分解能を向上できる。また、画質のz方向の均一性が向上する。
【0149】
なお、図18は、本発明にかかる実施形態5の変形例において、データ収集系の配置関係を示す図である。図18においては、図18(a)がXY平面上での配置を示し、図18(b)、図18(c)がZY平面上での配置を示している。
【0150】
図18(a)に示すように、本実施形態においては、Z方向にて隣り合うように対向した第1多列X線検出器24a,第2多列X線検出器24Bにおいて、図18(b)に示すように、Z方向に0.5列、または、図18(c)に示すように、N+1/2列(Nは正整数)分、多列X線検出器24がずれるように配置されている。
【0151】
このような変形例においても、上記と同様な効果を得ることができる。
【0152】
<実施形態6>
以下より、本発明にかかる実施形態6について説明する。
【0153】
今までの実施形態1から実施形態5までは、R/R(Rotate/Rotate)方式の第3世代の多列X線検出器を持ったX線CT装置の例であった。
本実施形態は、S/R(Stationary/Rotate)方式の第4世代の多列X線検出器を持ったX線CT装置であり、実施形態1に対して、データ収集系が異なっている。以上の点を除き、本実施形態は、実施形態4と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0154】
図19は、実施形態6における走査ガントリ20の要部を示す構成図である。
【0155】
図19に示すように、本実施形態においては、走査ガントリ20は、回転する第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cと、固定した360度全周にX線検出器を持った環状の多列X線検出器24Eとを有する。つまり、本実施形態の走査ガントリ20は、実施形態1における第1多列X線検出器24A,第2多列X線検出器24B,第3多列X線検出器24Cに変わって、環状多列X線検出器24Eを1個有する。
【0156】
第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cとは、図19に示すように、実施形態1と同様であり、被検体の周囲を同心円状に回転する。そして、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cとは、被検体の周囲を回転する方向に沿って、それぞれのX線ビームの被検体にX線を照射する領域が重複するように配置されている。
X線の照射するタイミングの同期については、図22にX線照射の排他制御の場合を示す。これにより、散乱X線の影響を避けられるが、データ収集時間はX線管の数分の倍になってしまう。図23にはX線同時照射の場合を示す。これによると、X線投影データの収集時間を短縮させることができる。この場合に、散乱X線の影響を小さくするには散乱X線の影響を低減させる補正を行うなどの散乱X線対策をすればよい。
【0157】
環状多列X線検出器24Eは、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cが被検体の周囲を回転する方向に沿って多列X線検出器24の各チャネルがマトリクス状に配置されている。つまり、環状多列X線検出器24Eは、第1から第3のX線管21A,21B,21Cが被検体の周囲を回転する軌道に沿ったチャネル方向iと、その回転する軌道により囲われる面に対してほぼ垂直な列方向zとに、複数の多列X線検出器24の各チャネルがマトリクス構造に連なって環状になるように配置されている。
【0158】
なお、上記の実施形態において、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cは、本発明のX線発生装置に相当する。また、本実施形態の環状多列X線検出器24Eは、本発明のX線検出器に相当する。また、本実施形態の走査ガントリ20は、本発明のデータ収集手段に相当する。
【0159】
以上のように、本実施形態は、第1X線管21A,第2X線管21B,第3X線管21Cが被検体の周囲を回転する方向に沿って多列X線検出器24のチャネルがマトリクス構造に配置されている環状多列X線検出器24Eを有する。このため、実施形態1と同様に、高速にスキャンすることができ、データ収集、断層像画像再構成が効率的に実施できる。
【0160】
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
【0161】
たとえば、画像再構成法としては、従来公知のフェルドカンプ法による3次元画像再構成方法でもよい。また、その他各種の3次元画像再構成方法でもよい。
【0162】
また、上記の実施形態では、各列ごとに係数の異なった列方向(z方向)フィルタを重畳することにより、特にコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)では、X線コーン角の違いなどによる画質の違いを調整し、各列において均一なスライス厚、アーチファクト、ノイズの画質を実現しているが、これはなくても同様の効果を出すことができる。
【0163】
また、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)およびヘリカルスキャンのいずれにおいても同様な効果を得ることができる。
【0164】
また、本実施例では、データ収集系が4式以下の偶数式、奇数式の場合を説明しているが、5式以上の場合でも同様の効果が出せる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態1のX線CT装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態1において、データ収集系の配置関係を示す図である。
【図3】図3は、本発明にかかる実施形態1において、第1多列X線検出器の構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明にかかる実施形態1のX線CT装置を用いて被検体の断層面の画像を得る際の動作を示すフロー図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態1において、前処理を示すフロー図である。
【図6】図6は、本発明にかかる実施形態1において、3次元画像再構成処理の詳細を示すフロー図である。
【図7】図7は、(a),(b)が、再構成領域上のラインをX線透過方向へ投影する状態を示す概念図であり、(c),(d)が、円形の再構成領域上のラインをX線透過方向へ投影する状態を示す概念図である。
【図8】図8は、検出器面に投影したラインを示す概念図である。
【図9】図9は、投影データDr(view,x,y)を再構成領域上に投影した状態を示す概念図である。
【図10】図10は、再構成領域上の各画素の逆投影画素データD2を示す概念図である。
【図11】図11は、逆投影画素データD2を画素対応に全ビュー加算して逆投影データD3を得る状態を示す説明図である。
【図12】図12は、本発明にかかる実施形態1において、N種類の管電圧でN枚の断層像を作り、エネルギー差分画像を作る場合の説明図である。
【図13】図13は、本発明にかかる実施形態2において、被検体をスキャンする様子を示す図である。
【図14】図14は、本発明にかかる実施形態3において、被検体をスキャンする様子を示す図である。
【図15】図15は、本発明にかかる実施形態4において、データ収集系の配置関係を示す図である。
【図16】図16は、本発明にかかる実施形態4の変形例において、データ収集系の配置関係を示す図である。
【図17】図17は、本発明にかかる実施形態5において、データ収集系の配置関係を示す図である。
【図18】図18は、本発明にかかる実施形態5の変形例において、データ収集系の配置関係を示す図である。
【図19】図19は、本発明にかかる実施形態6における走査ガントリの要部を示す構成図である。
【図20】図20(a),(b)は、本発明にかかるX線照射排他制御の場合のX線照射とデータ収集の関係を示す構成図である。
【図21】図21(a),(b)は、本発明にかかるX線同時照射の場合のX線照射とデータ収集の関係を示す構成図である。
【図22】図22は、本発明にかかる多列X線検出器を持った第4世代X線CT装置における複数X線発生装置のX線照射排他制御の場合の例を示す説明図である。
【図23】図23は、本発明にかかる多列X線検出器を持った第4世代X線CT装置における複数X線発生装置のX線同時照射の場合の例を示す説明図である。
【図24】図24は、本発明にかかる多列X線検出器におけるミッシングコーンを示す説明図である。
【符号の説明】
【0166】
1…操作コンソール、
2…入力装置、
3…中央処理装置、
3a…画像再構成部(画像再構成手段)
3b…撮影条件設定部(撮影条件設定手段)
5…データ収集バッファ、
6…モニタ(表示手段)、
7…記憶装置、
10…撮影テーブル、
12…クレードル、
15…回転部、
20…走査ガントリ(データ収集手段)、
21A…第1X線管(X線発生装置)、
21B…第2X線管(X線発生装置)、
21C…第3X線管(X線発生装置)、
21D…第4X線管(X線発生装置)、
22A…第1X線コントローラ、
22B…第2X線コントローラ、
22C…第3X線コントローラ、
23A…第1コリメータ、
23B…第2コリメータ、
23C…第3コリメータ、
24A…第1多列X線検出器(X線検出器)、
24B…第2多列X線検出器(X線検出器)、
24C…第3多列X線検出器(X線検出器)、
24D…第4多列X線検出器(X線検出器)、
24E…環状多列X線検出器(X線検出器)、
25A…第1DAS、
25B…第2DAS、
25C…第3DAS、
26…回転部コントローラ、
29…制御コントローラ、
30…スリップリング、
dp…検出器面、
P…再構成領域、
pp…投影面、
IC…回転中心
【出願人】 【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
【住所又は居所】アメリカ合衆国・ウィスコンシン州・53188・ワウケシャ・ノース・グランドヴュー・ブールバード・ダブリュー・710・3000
【出願日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【代理人】 【識別番号】100094053
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久

【公開番号】 特開2006−187453(P2006−187453A)
【公開日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願番号】 特願2005−1474(P2005−1474)