| 【発明の名称】 |
X線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 達郎 【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会社東芝那須工場内
|
| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、2次元X線検出器を使用して対象物の移動軸に対してチルト角傾いた複数枚の断層画像の表示上の不具合を改善することにある。
【解決手段】複数のX線検出素子を1列に配列して構成される1次元X線検出器を複数列配列した2次元X線検出器14を使用して、対象物を透過したX線を検出して前記対象物の断層画像を解析するX線CT装置において、相対的に対象物が移動する方向に対して2次元X線検出器への対象物を透過するX線がなす断層画像面が傾いているときに、対象物の移動方向に平行かつ断層画像面の傾きに対して垂直な対象物の透過像の表示中に、2次元X線検出器の各列によりそれぞれ得られる対象物の各断層画像の間の位置のずれを示す表示を付加することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のX線検出素子を1列に配列して構成される1次元X線検出器を複数列配列した2次元X線検出器を使用して、対象物を透過したX線を検出して前記対象物の断層画像を解析するX線CT装置において、 相対的に前記対象物が移動する方向に対して前記2次元X線検出器への前記対象物を透過するX線がなす断層画像面が傾いているときに、前記対象物の移動方向に平行かつ前記断層画像面の傾きに対して垂直な前記対象物の透過像の表示中に、前記2次元X線検出器の各列によりそれぞれ得られる前記対象物の各断層画像の間の位置のずれを示す表示を付加することを特徴とするX線CT装置。 【請求項2】 前記表示は、前記2次元X線検出器の各列によりそれぞれ得られる前記対象物の各断層画像の位置及び範囲を示す線分であることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。 【請求項3】 前記表示は、前記2次元X線検出器の各列によりそれぞれ得られる対象物の各断層画像の中心を示す直線であることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。 【請求項4】 前記対象物の各断層画像の間の位置のずれを表す表示を、前記対象物に関するスキャノ像上に重ねることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、複数のX線検出素子を1列に配列して構成される1次元X線検出器をさらに複数列配列した2次元X線検出器を使用して、対象物を透過したX線を検出して前記対象物の断層画像を解析するX線CT装置に関する。 【背景技術】 【0002】 図14は、X線CT装置の概略の構成を示す図である。X線CT装置は、被検体をX線でスキャンするスキャナ本体(架台、ガントリ)101と、被検体をスキャナ本体101へ案内する寝台102と、高電圧を生成してスキャナ本体101へ供給する高電圧装置103と、寝台102を制御する寝台制御ユニット104と、スキャナ本体101を制御すると共にスキャナ本体101から得られたデータを処理するコンソール105とから構成されている。 【0003】 スキャナ本体101の略中央に円筒状の貫通した空洞が形成されており、この空洞を被検体が挿入又は通過するようになっている。スキャナ本体101は、詳細は図示しないが、内部にその空洞の回りを回転する回転部と、外観を形成し、回転部を回転自在に支持している固定部とから構成されている。回転部には、X線を被検体に照射するX線管及びこのX線管と空洞を挟んで対向する位置に被検体を透過したX線を検出するX線検出素子を複数個1列に並べて構成されたシングルX線検出器を、図15に示すように、複数列並べた2次元X線検出器が搭載されている。 【0004】 高電圧装置103からスキャナ本体101に供給された高電圧は、まず、スキャナ本体101のX線管へ供給される。X線検出器から出力される検出信号は、コンソール105へ出力され、このコンソール105で再構成処理により断層画像が再構成され、メモリに保存されると共に表示装置等により表示する。スキャナ本体101は、通常、水平に移動する寝台102に対して垂直な状態となっている。すなわち、X線管から2次元X線検出器へ放射されるX線が作る面が寝台102の移動軸に対して垂直な状態になっている。しかし、このスキャナ本体101は、断層画像を必要とする臓器の形状や人体内での位置や回りの臓器との関係から目的・用途によって、例えば図16に示すように、寝台102の移動軸に対して傾きチルト角θを持たせることができる。すなわち、X線管から2次元X線検出器へ放射されるX線が作る面が寝台102の移動軸に対して垂直ではなく、その垂直面からチルト角θ分傾くことになる。 【0005】 このチルト角θ傾けた状態のまま、寝台102を2次元X線検出器によるトータルの断層画像面の検出厚さ(スライス厚)分だけステップ移動させてコンベンショナルスキャンを行い、図17(a)に示すようにコンベンショナルスキャンと寝台の移動とを交互に複数回行うと、図17(b)〜(h)に示すような被検体の所定の部位の断層画像を複数枚得ることができる。 【0006】 しかし、従来のX線CT装置では、スキャナ本体101をチルト角θ傾けてスキャンを複数回行ったとき、各スキャンにおけるFOV(field of view 、有効視野範囲)の中心軸が一直線にならず、得られた断層画像をそのまま表示装置に表示すると、スキャンの切替わり目で表示画面上の断層画像の位置が不連続的に変化してしまい、断層画像の位置関係が理解し難いという問題があった。例えば図17に示すように、同じスキャン内においては、1スキャン内(例えば図17(c)〜図17(f))断層画像は表示装置の画面上連続的に一方向に変化する(除々に上方へ移動する)が、スキャンの切替わり目(例えば図17(b)と図17(c)や、図17(f)と図17(g))には、断層画像が表示装置の画面上逆方向にジャンプするように変化する(突然大きく下方へ移動する)。 【0007】 高速で連続してそれらの得られた断層画像を順番に表示することにより、3次元的な形状を把握し易くするためのシネ表示を行ったときには、特に問題となる。また図18に示すように、これを3次元像に直接変換した場合、同じスキャンでは各断層画像の中心が1直線となるので、連続した立体画像的な表示となるが、スキャンとスキャンとの境界で立体画像がずれ、不連続点を生じてしまうため3次元像としての観察にも問題を生じてしまう。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明の目的は、2次元X線検出器を使用して対象物の移動軸に対してチルト角傾いた複数枚の断層画像の表示上の不具合を改善することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、複数のX線検出素子を1列に配列して構成される1次元X線検出器を複数列配列した2次元X線検出器を使用して、対象物を透過したX線を検出して前記対象物の断層画像を解析するX線CT装置において、相対的に前記対象物が移動する方向に対して前記2次元X線検出器への前記対象物を透過するX線がなす断層画像面が傾いているときに、前記対象物の移動方向に平行かつ前記断層画像面の傾きに対して垂直な前記対象物の透過像の表示中に、前記2次元X線検出器の各列によりそれぞれ得られる前記対象物の各断層画像の間の位置のずれを示す表示を付加することを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、2次元X線検出器を使用して対象物の移動軸に対してチルト角傾いた複数枚の断層画像の表示上の不具合を改善することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、この発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は、この発明を適用したX線CT(computed tomography)装置の概略の構成を示すブロック図である。このX線CT装置は、架台1と、コンソール2と、寝台3と、電源装置4とから構成されている。基本的には従来の技術で図14で説明した構成とほぼ同じである。なお、従来の技術で図14を参照して説明した、スキャナ本体が架台1に対応し、寝台及び寝台制御ユニットが寝台3に対応し、コンソールはコンソール2に対応している。前記架台1は、回転部11とそれ以外の固定部とから構成され、前記回転部11には、X線発生部12、高電圧発生器13、X線検出器14、DAS(データ収集装置)15、データ圧縮部16、回転側データ伝送部17等が搭載されており、固定部には、固定側データ伝送部18、データ復元部19及び架台コントローラ20等が設けられ、前記回転部11と固定部との間にはスリップリング21が設けられている。 【0012】 前記電源装置4から供給された電力は、前記架台1の固定部に入力され、この固定部から前記スリップリング21を通して前記回転部11の前記高電圧発生器13に入力される。この高電圧発生器13は、供給された電力をX線発生に適した高電圧に昇圧して前記X線発生部12に供給する。このX線発生部12と前記X線検出器14とは、従来の技術で説明したように、この架台1の略中央に形成された空洞を挟んで対向して配置されており、互いの位置関係を保ちながら相対的に回転するようになっている。 【0013】 前記X線発生部12は、X線管やコリメータ等から構成され、供給された高電圧によりX線を発生させ、このX線を制御して空洞に挿入した又は空洞を通過する被検体に照射する。前記2次元X線検出器14は、複数個のX線検出素子を1列に並べたシングルX線検出器を複数列並べて構成され、被検体を透過したX線を検出し、電気信号(例えば蓄積電荷)として取出すことができるようになっている。 【0014】 前記DAS15は、前記X線検出器14から電気信号を検出データ(デジタルデータ)として取出し(収集し)、この検出データを前記データ圧縮部16へ出力する。検出データは、前記X線発生部12と前記X線検出器14との回転角度(位相)によるビュー毎にX線検出器14のX線検出素子毎に得られる。前記データ圧縮部16は、前記X線検出器14のX線検出素子毎に得られるデータから差分データ等を計算してデータ圧縮する。例えば、1つのX線検出素子(1つのチャンネル)のデータについて、収集データ(検出データ)が20ビットバイナリデータであったのを、精度(分解能)を低下させずに10ビットバイナリデータに圧縮する。 【0015】 このデータ圧縮部16で得られたデータ圧縮された収集データ(検出データ)は、前記回転側データ伝送部17へ出力され、この回転側データ伝送部17は、例えばLED(light emitting diode)等から構成され、その収集データを光信号に変換して送信する。 【0016】 前記固定側データ伝送部18は、例えばフォトダイオード等から構成され、前記回転部11の回転側データ伝送部17から送信された光信号を受信する。この固定側データ伝送部2で受信した光信号は、電気信号(デジタルデータ)、すなわち、検出データに変換され、前記データ復元部19へ供給される。このデータ復元部19では、圧縮されたデータを元の収集データに復元する処理が行われ、復元された収集データは、前記コンソール2へ出力される。 【0017】 このコンソール2には、中央制御ユニット31、画像再構成ユニット32、データ保存ユニット33及び画像表示ユニット34、さらに図示しないがネットワークインターフェイス等が設けられている。前記中央制御ユニット31は、CPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、各種インターフェイス等から構成されており、システムバス35を介して前記画像構成ユニット32、前記データ保存ユニット33、前記画像表示ユニット34とそれぞれ接続されている。前記架台1のデータ復元部19から出力された復元された収集データは、前記画像再構成ユニット32に入力されると共に前記データ保存ユニット33に保存される。前記画像再構成ユニット32では、再構成処理により断層画像データが作成され、この断層画像データは、前記画像表示ユニット34により断層画像として表示される。 【0018】 さらに、前記中央制御ユニット31は、前記架台1の回転部11の高電圧発生器13を制御して、前記X線発生部12により被検体へのX線照射を制御する用になっている。また、前記中央制御ユニット31は、前記架台コントローラ20を制御して、前記回転部11の回転制御及び前記架台1の傾き(チルト角)の角度制御を行うようになっている。前記寝台3は、被検体を載置する天板(図示せず)を移動させる天板移動部41と、この天板移動部41等を制御する寝台コントローラ42と等から構成され、前記中央制御ユニット31は、前記寝台コントローラ42を制御して、天板を移動させ、被検体の撮影部位を架台1の空洞内へ位置決めする制御を行うようになっている。 【0019】 図2は、前記画像表示ユニット34の要部構成を示すブロック図である。この画像表示ユニット34は、断層画像を表示するモニタ41と、このモニタ41を制御する表示コントローラ42と、ビデオRAM43と、画像処理ユニット44とから構成され、前記表示コントローラ42、前記ビデオRAM43及び前記画像処理ユニット44はそれぞれ、前記システムバス35を介して前記中央制御ユニット31と接続されている。さらに、前記表示コントローラ42は、前記ビデオRAM43から直接表示データを取込んで、前記モニタ41に表示させることができる。 【0020】 前記ビデオRAM43には、断層画像のデータが描画される断層画像エリア43-1と、チルト角に対する側面のスキャノ像及び断層画像面(スライス面のFOV領域)の位置を示す線分のデータが描画されるスキャノ像エリア43-2とが形成されている。これらの各エリアの位置及び範囲については自由に設定変更することができるようになっている。前記画像処理ユニット44は、前記画像再構成ユニット32において再構成された断層画像を画像処理して前記ビデオRAM43の断層画像エリア43-1に描画すると共に、スキャノ像及び断層画像面の位置及びFOVの範囲を示す線分を前記スキャノ像エリア43-2に描画し、前記断層画像エリア43-1の断層画像に対応して線分を識別表示する処理を行う。 【0021】 例えば4列の2次元X線検出器を使用した場合、図3に示すように、1枚の断層画像を表示し、この断層画像(スライス面のFOV領域)に該当するスキャノ像上の線分を矢印によって識別表示する。また、図4に示すように、4枚の断層画像を表示し、これらの各断層画像(スライス面のFOV領域)とそれに該当するスキャノ像上の線分とを符号A、B、C、Dの符号を付して対応付ける識別表示を行う。あるいは、図5に示すように、1枚の断層画像を表示したばあいに該当するスキャノ像上の線分を太線に変更して識別表示する。もちろん、点線と実線とで識別表示する方法や線分の色を変えて識別表示する方法等の他の識別表示でも良いものである。なお、図3及び図4において、線分の中心、すなわち断層画像面の中心の位置を示す表示を行うようになっているが、図5に示すように、断層画像面の中心の位置を示す表示を行わなくとも良い。 【0022】 このような構成の第1の実施の形態においては、モニタ41の画面で、断層画像と共にチルト角に対する側面のスキャノ像を表示する。このスキャノ像上に断層画像面の位置及びFOV範囲を線分により表示し、モニタ41の画面に表示している断層画像に該当する線分を矢印、符号、線種等により識別表示する。 【0023】 このように第1の実施の形態によれば、モニタ41に表示している断層画像について、チルト角に対する側面のスキャノ像上に該当する断層画像面の位置及びFOV範囲を線分により識別表示するので、表示している断層画像毎に、その断層画像面の位置及びFOV範囲のずれを確認することができ、特にスキャンの切替わり目の断層画像の表示の大きなずれを正確に理解することができ、表示上の不具合を改善することができる。 【0024】 この発明の第2の実施の形態を図6乃至図13を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態とほとんどの構成(図1参照)が同一となっているので、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。図6は、前記画像表示ユニット34の要部構成を示すブロック図である。この画像表示ユニット34は、前記モニタ41と、前記表示コントローラ42と、ビデオRAM45と、画像処理ユニット44とから構成され、前記表示コントローラ42、前記ビデオRAM45及び前記画像処理ユニット46はそれぞれ、前記システムバス35を介して前記中央制御ユニット31と接続されている。さらに前記表示コントローラ42は、前記ビデオRAM45から直接表示データを取込んで、前記モニタ41に表示させることができる。 【0025】 前記画像処理ユニット46は、ミッドプレーンの位置の断層画像の中心を結ぶ移動軸と断層画像との交点を表示の中心位置とするように断層画像の移動量を計算する表示位置補正部46-1を備え、前記画像再構成ユニット32において再構成された断層画像を画像処理し、前記表示位置補正部46-1により計算された移動量に基づいて、画像処理した断層画像をその表示位置を変更して、前記ビデオRAM45に描画する。なお、ミッドプレーンとは、X線CTの回転軸に垂直で、スキャン時におけるX線発生源(X線焦点)を含む面である。 【0026】 例えば、5列の2次元X線検出器を使用した場合、図7に示すように、各断層画像の断層画像面及びFOVの範囲を示す線分の中心位置(○印)に対して、表示の中心位置は、ミッドプレーンの断層画像(各スキャンの中央(3番目、C)の断層画像)の中心位置を結んだ線S上に位置する。1スキャンで得られる各断層画像A〜Eについて、図8に示すように、断層画像Cを基準として、断層画像Aの中心位置(○印)に対してモニタ41の表示画面上の中心位置(×印)は、チルト角θとミッドプレーン(断層画像C)から断層画像Aまでの距離とに対応した長さだけ下方に位置し、断層画像Bの中心位置(○印)に対してモニタ41の表示画面上の中心位置(×印)は、チルト角θと断層画像Cから断層画像Bまでの距離とに対応した長さだけ下方に位置し、断層画像Dの中心位置(○印)に対してモニタ41の表示画面上の中心位置(×印)は、チルト角θと断層画像Cから断層画像Dまでの距離とに対応した長さだけ上方に位置し、断層画像Eの中心位置(○印)に対してモニタ41の表示画面上の中心位置(×印)は、チルト角θと断層画像Cから断層画像Eまでの距離とに対応した長さだけ上方に位置する。 【0027】 ここで、断層画像のFOVの範囲を実線円で示し、表示範囲をFOVの範囲と同じ大きさとして点線円で示す。従って、表示範囲である点線円の外側でかつ断層画像のFOVの範囲である実線円の内側の画像は表示されず、断層画像のFOVの範囲である実線円の外側でかつ表示範囲である点線円の内側は、表示される画素データがない部分となる。すなわち、断層画像A及び断層画像Bの全画素データをモニタ41の表示画面上でそれぞれ上記長さ分だけ上方に移動させ、断層画像D及び断層画像Eの全画素データをモニタ41の表示画面上でそれぞれ上記長さ分だけ下方に移動させることになる。 【0028】 ここで、前記表示位置補正部46-1で行われる全画素データをモニタ41の表示画面上で移動させる長さの計算方法の一例を説明する。図9に示すように、チルト角をθとし、ミッドプレーンの断層画像Mと同じスキャンにより得られた他の断層画像Jとの間の距離をD、断層画像Jの(中央位置の)画素データをf(p,0) 、移動した画素データをg(p,0) とする。また、図10(a)に示すように、断層画像Mより寝台3(天板)が移動する(先の)方向にある断層画像との距離Dは+の値を取り、断層画像Dより寝台3が移動する方向とは逆の方向にある断層画像との距離Dは−の値を取ると定義し、図10(b)に示すように、寝台3が移動する方向に架台1の上部が傾いたときのチルト角θは+の値を取り、寝台3が移動する方向とは逆の方向に架台1の上部が傾いたときのチルト角θは−の値を取ると定義する。さらに、図11に示すように、1断層画像((2m+1)×(2m+1))の画素の配置において、各画素間の距離をPSとする。このとき、移動(再構築)した画素データg(p,q) は、数1により計算される。 【数1】
【0029】 ここで、IRは、数2により計算される。 【数2】
【0030】 sign(x)は、xが0以上のとき+1の値を取り、xが0未満のとき−1の値を取る関数である。また、int(x) は、xの小数点以下の成分の切り捨てを行い、整数成分のみを取る関数である。すなわち、int(2.6) =2であり、int(0.5) =0となる。 【0031】 数1によれば、図12に示すようにミッドプレーンの断層画像Mの各画素を通過し、寝台3(天板)の移動方向に平行な軸上の各断層画像の画素(再構築された画素、×印)が、再構成により得られた元の断層像の画素(黒○印)のデータ(f(p,t) ,f(p,t+1))間の線形補間により求められる。 【0032】 このような構成の第2の実施の形態においては、画像再構成ユニット32により再構成された断層画像は、ミッドプレーンの断層画像Mを基準として、この断層画像MのFOVの中心位置を通過し、寝台3が移動する方向に平行な軸上にその他の各断層画像の表示の中心位置がのるように、各断層画像のデータを例えば数1による線形補間により作り直して、モニタ41に表示する。従って、モニタ41に表示される断層画像は、シングルスライスX線検出器を使用してマルチスキャンしたときのように、常に断層画像が固定して連続的に変化するように表示され、断層画像の位置がスキャンの切替わり目で飛ぶようにずれることがない。 【0033】 このように第2の実施の形態によれば、断層画像の中心位置を表示の中心位置とせずに、予め指定された中心位置、例えばミッドプレーンの断層画像の中心位置を通り、寝台3(天板)の移動方向に平行な軸上の画素を表示の中心位置として、各断層画像のデータを作成し直す(再構築)ことにより、スキャンの切替わり目で断層画像の位置が飛ぶような不具合を改善して、固定した視点から見た安定した見易い断層画像及び立体画像を表示させることができる。従って、シネ表示を行っても連続した立体的な断層画像表示を実現することができる。 【0034】 なお、この第2の実施の形態では、において各断層画像の位置を修正するために線形補間を使用してデータを再構築するようになっていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、他の各種補間又はその他のデータ作成方法でも良いものである。また、補間により求めるのではなく、最も近い画素の値をそのまま新しい画素のデータとして採用しても良い。この場合、補間計算が不要となるので、高速にデータを再構成できるというメリットがある。例えば、図9においてg(p,0) を求める場合、f(p,3) の位置がf(p,4) の位置よりもちかいときは、g(p,0) =f(p,3) とする。 【0035】 また、この第2の実施の形態では、再構成された断層画像のデータを画像表示ユニット34の画像処理ユニット46で再構築するものについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、画像再構成ユニット32において画像を再構成するときに、FOVに基づいてピクセル又はボクセルを設定するのではなく、予め指定された中心位置を基準にしたピクセル又はボクセルを設定して各断層画像の画像データを再構成しても良いものである。 【0036】 さらに、図13(a)に示すように、表示の中心位置をミッドプレーンの断層画像Mの中心位置を通る寝台3(天板)の移動方向に平行な軸F上にしたときに、破線により示した範囲の外側において、断層画像の上辺部及び下辺部の境界が上下に移動して見難い場合には、画像処理ユニット46でデータを再構築するときに破線により示した範囲の外側の画像データを削除して、図13(b)に示すように、軸Fを中心した決められた範囲を表示範囲とすれば、表示する断層画像の境界が上下に移動することなく固定し、見易い表示を行うことができる。ミッドプレーン上に画像がある場合について記述したが、必ずしもこの限りではない。ない場合にはミッドプレーン上に基準となる画素の位置を決め、これを基準として計算しても良い。 【0037】 なお、この第2の実施の形態では、ミッドプレーンの中心位置を通り、寝台3(天板)の移動方向に平行な軸上の画素を表示の中心位置としたが、この発明はこれに限定されるものではなく、任意の寝台3(天板)の移動方向に平行な軸上の画素を表示の中心位置としても良いものである。例えば、最も見たい部位を通り、寝台3の移動方向に平行な軸上の画素を表示の中心位置として、他の断層画像のデータを再構築しても良いものである。さらには、表示の中心位置は、寝台3の移動方向に必ずしも平行でなくとも良く、撮影する対象物中において直線で定義された軸と、表示断面が交わる点を、その表示断面の中心としても良い。 【0038】 なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】この発明の第1の実施の形態のX線CT装置の概略の構成を示すブロック図。 【図2】同実施の形態のX線CT装置の画像表示ユニットの要部構成を示すブロック図。 【図3】同実施の形態のX線CT装置の画像表示ユニットのモニタに表示される表示画面の第1の例を示す図。 【図4】同実施の形態のX線CT装置の画像表示ユニットのモニタに表示される表示画面の第2の例を示す図。 【図5】同実施の形態のX線CT装置の画像表示ユニットのモニタに表示される表示画面中の線分の識別表示の方法の他の例を示す図。 【図6】この発明の第2の実施の形態のX線CT装置の画像表示ユニットの要部構成を示すブロック図。 【図7】同実施の形態のX線CT装置の画像表示の基本的な考え方を説明するための図。 【図8】同実施の形態のX線CT装置の画像表示における各断層画像の範囲及びその中心位置と表示範囲及びその中心位置との関係を示す図。 【図9】同実施の形態のX線CT装置の画像処理ユニットにおける各断層画像のデータの再構築方法を説明するための図。 【図10】同実施の形態のX線CT装置の画像処理ユニットにおける各断層画像のデータの再構築方法における距離D及びチルト角θの+及び−の定義を説明するための図。 【図11】同実施の形態のX線CT装置の画像処理ユニットにおける各断層画像のデータの再構築方法における断層画像の画素構成及び画素間距離PSを示す図。 【図12】同実施の形態のX線CT装置の画像処理ユニットにおける各断層画像のデータの再構築方法による各断層画像の再構築された画素の位置を示す図。 【図13】同実施の形態のX線CT装置の画像処理ユニットにおける表示範囲の制限の一例を示す図。 【図14】従来のX線CT装置の概略の構成を示す図。 【図15】同従来例のX線CT装置の2次元X線検出器を備えたスキャナ本体を示す図。 【図16】同従来例のX線CT装置のスキャナ本体をチルト角θに傾けたときの状態を示す図。 【図17】同従来例のX線CT装置のスキャナ本体をチルト角θに傾けてマルチスキャンを行ったときに得られる断層画像を説明するための図。 【図18】同従来例のX線CT装置のスキャナ本体をチルト角θに傾けてマルチスキャンを行ったときに得られる断層画像から構成された立体断層画像を示す図。 【符号の説明】 【0040】 1…架台、2…コンソール、3…寝台、31…中央制御ユニット、32…画像再構成ユニット、34…画像表示ユニット、41…モニタ、43,45…ビデオRAM、43-1…断層画像エリア、43-2…スキャノ像エリア、44,46…画像処理ユニット、46-1…表示位置補正部。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
|
| 【出願日】 |
平成18年3月27日(2006.3.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100091351 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100108855 【弁理士】 【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【識別番号】100075672 【弁理士】 【氏名又は名称】峰 隆司
【識別番号】100109830 【弁理士】 【氏名又は名称】福原 淑弘
【識別番号】100084618 【弁理士】 【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196 【弁理士】 【氏名又は名称】橋本 良郎
|
| 【公開番号】 |
特開2006−175278(P2006−175278A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月6日(2006.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−85790(P2006−85790) |
|