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【発明の名称】 手術用ヘルメットのためのライトアレイ
【発明者】 【氏名】クリスチャン・エイチ・クラッパー

【氏名】ティモシー・ジー・ベンドレリー

【氏名】ダニー・イー・マックアダムス

【氏名】レオン・ハンツマン

【要約】 【課題】手術用ヘルメットで利用できる照明システムであって、重い、高い、発熱するといった従来技術での損失を受けることなく、手術を行う部位を正確に照明する照明システムを提供する。

【解決手段】手術用ヘッドギア装置、即ちヘルメットは、回路基板に実装されたLED群を利用した照明システムを有する。LED群は、この手術用ヘルメットに支持されている。LED群は、ヘルメットの前方部分に取り付けたライトアレイの一部である。ある実施形態では、このライトアレイがそれ自身の電源を有する内蔵型となっている。他の実施形態では、ライトアレイが外部電源およびコントローラ、例えばヘルメットの通気システムに付随している既存のコントローラに電気的に接続されている。本発明によれば、LED群は、制御スイッチおよび/または電源までに限り遠隔まで接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用ヘルメットであって、
人の頭に装着するように構成された外殻部であって、装着した人の顔の近くに前方部分を有する外殻部と、
前記外殻部の前方部分に支持されているライトアレイであって、少なくとも1つのLED光源と、前記少なくとも1つのLED光源に通電するための制御線とを有するライトアレイと、
前記制御線に接続されていて、前記光源に電力を供給する電源と、を備える手術用ヘルメット。
【請求項2】
請求項1記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、2つのLED光源を有する、手術用ヘルメット。
【請求項3】
請求項2記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、前記2つの光源の各々について1つの収容部を有し、前記光源の各々を、前記外殻部を装着している人の対応する目の近くで支持する、手術用ヘルメット。
【請求項4】
請求項3記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、前記2つの光源の間に延びていて、前記2つの光源の各々の前記収容部に連結されている取付部材と、前記取付部材を前記外殻部の前記前方部分で支持するための手段と、を備える手術用ヘルメット。
【請求項5】
請求項1記載の手術用ヘルメットであって、
前記LED光源が回路基板に接続された複数のLEDを有する、手術用ヘルメット。
【請求項6】
請求項1記載の手術用ヘルメットであって、
前記外殻部に付随する通気ダクトであって、前記外殻部の前記前方部分に通気用開口部を有する通気ダクトと、
前記外殻部によって支持されており、前記通気ダクトに空気流を流すように作動できるファンアセンブリであって、前記電源に電気的に接続されているファンアセンブリと、をさら備える手術用ヘルメット。
【請求項7】
請求項6記載の手術用ヘルメットであって、
前記電源が前記外殻部から独立している、手術用ヘルメット。
【請求項8】
請求項1記載の手術用ヘルメットであって、
前記電源が前記外殻部から独立している、手術用ヘルメット。
【請求項9】
請求項1記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイに前記電源が含まれている、手術用ヘルメット。
【請求項10】
請求項9記載の手術用ヘルメットであって、
前記電源がバッテリーである、手術用ヘルメット。
【発明の詳細な説明】【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
本発明は、外科手術中に、医療介護人(medical caregiver)が着る衣服と共に使用するヘッドギア装置、即ちヘルメットに向けられたものである。
【0002】
多くの外科手術において、医療関係者は、その医療関係者と患者との間のバリヤとするつもりで衣服を着る。このバリヤは、医療関係者およびその服を完全に多い隠すことにより、手術室を無菌状態に保つことに役立っている。さらに、このバリヤは、血液その他の体液に介護人が晒されないようにするという役割を果たす。OSHAなど、さまざまな機関が、医療処置を施している間に、流体で運ばれる病原体に職業上さらされることに対する勧告を公布している。手術着および幕は、このような勧告を満たすのに役立つ。
【0003】
このような手術着、即ち身体保護システムの1つに、DePuy Orthopaedics Co., Inc.が販売しているPROVISION(登録商標)システムがある。このシステムは、バリヤフードおよびガウンと一体化したヘルメットシステムを有する。フードおよびガウンは、(DuPont deNemoursが提供する)HYTREL(登録商標)エラストマーからなる。HYTREL(登録商標)エラストマーは、熱を逃がすが流体を透過させないバリヤとなる。ガウン生地に加えて、介護人が手術している場所を保護された状態で見られるように、フェースシールド、即ちバブル(bubble)も設けられている。
【0004】
ヘルメットシステムは、少なくともバリヤフードを支持する。医療介護人が基本的にフードおよびガウンで完全に包まれているので、空気の供給、CO2の排出、温度調整、および曇り止めにとって通気が極めて重要となる。このため、PROVISION(登録商標)システムのヘルメット部分には、送風濾過装置がある。このシステムは、フィルターアセンブリを通して周囲の空気を引き込んで、濾過した空気をヘルメットに形成した通気孔に流す。このPROVISION(登録商標)システムでは、装着者の顔を横切るように、かつ、フェースシールドを横切るように、空気が流される。送風機は、電動ファンであり、介護人が腰の当たりに装着している外部電源および速度コントローラとつながっている。
【0005】
PROVISION(登録商標)システムの所定の態様が、本発明の所有者に譲渡されている米国特許第6,393,617号に記載されている。この出願の明細書および図面は、参照により本明細書に組み込む。PROVISION(登録商標)システムの改良型が2003年7月18日に出願され、発明の名称が「ヘッドギア装置(Head Gear Apparatus)」である同時係属出願第10/622,527号に記載されている。本発明の譲受人が所有するこの出願は、本願の図1−2に示したヘルメット10のようなヘルメットを開示している。本願の開示目的から、そのヘルメットの所定の特徴のみをここで記載するが、当然ながら、そのシステムの他の詳細は上記の出願に記載されており、上記出願の開示内容および図面は、参照により本明細書に組み込む。
【0006】
ヘルメット10は、装着者の頭上に合うように構成されたボディ、即ち外殻部(shell)12を有する。ヘルメットは、(不図示の)調整用ストラップアセンブリで固定する。この調整用ストラップアセンブリは、ヘルメットの外殻部に回転可能に取り付けられている。ストラップアセンブリは、装着者の頭に係合するストラップ・アンド・アジャストメント機構までの装置を有する。チンバー(chin bar)14が、装着者の顎の下側において、ヘルメットの前方部分から延びている。このチンバーは、顔側開口部16を取り囲むフェースシールド(不図示)の下端を支持するのに役立っている。ヘルメットおよびチンバーは、好ましくは、フェースシールドを簡単に清掃または交換できるように取り外し可能に支持するよう構成されている。
【0007】
ヘルメット12は、通気用の空気流のための導管を設けられるように中空となっている。通気用空気流は、ヘルメット10の後側に取り付けたファンアセンブリ25によって生成する。外殻部は、前方通気ダクト18を有する。この前方通気ダクト18は、装着者の頭の頂部を通過して、通気開口部19(図2−3)が装着者の顔上に向くように下方へ湾曲している。偏向板20がダクト18の中にスライド可能に配置されていて、フェースプレートと装着者の顔との間で空気流を調整可能に分割している。ヘルメットの最上部にある調整ノブ21でこの調整が簡単に行える。外殻部は、同じように流れを調整できる後方通気ダクト23をも画定している。
【0008】
ファンアセンブリ25は、エアーフィルターを有し、このエアーフィルターは、ヘルメット10および付随する手術着を着たときに周囲の空気に対して開口する。ファンアセンブリは、モータと、ファン素子(不図示)をさらに有し、このモータとファン素子とは、制御線27により外部コントローラおよび電源28に接続されている。好ましくは、コントローラ28を装着者の腰の高さで、例えばベルト上で支持するように構成し、これにより、コントローラを作動させたり、止めたり、あるいは空気流量を調整するために容易に操作できるようにする。
【0009】
多くの手術環境において、手元の手術部位で周辺光が不足する。例えば、近づいて作業をする必要がある場合、術者の影で見にくくなることがある。術者の頭のすぐ近くに光源を設けてこのような問題に対処すべく、手術用ヘッドライトが開発された。初期の手術用ヘッドライトは、頭部に白熱電球を取り付けた、鉱山労働者用ヘルメットに似たものであった。このアプローチでの欠点の1つは、電球から発生する熱であった。この問題に対処するために、術者の頭上に支持された光学アセンブリと、術者から離れたところに設置された白熱電球等の光源との間に光導波路が設けられた。米国特許第5,355,285号に開示されているこのようなシステムの1つでは、光源と、可撓性のある光導波路とが手術室の天井に吊されている。この場合には、術者が光導波路と接触することがある。
【0010】
遠くに設置した光源と光導波路とからなるシステムにより、過熱の問題は解決されたが、術者が光導波路と光源とに束縛されるために、動きが制限されるという別の問題が生じた。この問題に答えるために、2002年12月12日発行のPCT国際公開第WO02/099332 A1号に記載されているように、光源を、術者が持ち運べるように構成するようになった。光源は、光ファイバーケーブルによりヘルメットに取り付けられたライトプロジェクターと接続されている。この照明システムは、離れたところにある光源に束縛されるという問題を克服するものではあったが、手術用ヘルメットシステムの重量がかなり増えるという従来技術の問題が残った。この余分な重量により、術者の首の疲労が増大し、ヘルメットの慣性力も大きくなり、頭を動かすことがもっと面倒になった。さらに、この種の照明システムでは、光源からライトプロジェクターまで光を伝える光ファイバーケーブルのために、かなり費用がかさむ。
【0011】
必要とされているのは、手術用ヘルメットで利用できる照明システムであって、重い、高い、発熱するといった従来技術での損失を受けることなく、手術を行う部位を正確に照明する照明システムである。
【0012】
〔発明の概要〕
このような需要に対処するために、本発明は、人の頭に装着するよう構成した外殻部(shell)であって、この外殻部を装着している人の顔の近傍に前方部分がある外殻部を備えた手術用ヘッドギアまたはヘルメットを考えている。ライトアレイが外殻部の前方部分で支持されている。このライトアレイは、少なくとも1つのLED光源と、そのLED光源に電流を送るための制御線とを有する。電源が用意されており、この電源は、光源への電力供給のために制御線に接続されている。好ましくは、ライトアレイに2つのLED光源があり、いずれも、そのLED光源から出た光線が装着者の視界と位置が合うように、装着者の目の上方に配置されている。
【0013】
さらにライトアレイは、各光源を外殻部に対して支持する収容部を有する。ライトアレイは、光源の間に延びていて、各光源の収容部に連結された取付部材を、その取付部材を外殻部の前方部分において支持するための手段とともに有している。好ましい実施形態では、この支持手段に、取付部材にある孔に通されて、ヘルメットのような外殻部に設けられているねじ孔と係合する小ねじが含まれる。
【0014】
本発明の一態様では、LED光源が内蔵型である。これは、光ファイバーケーブルからなる光導波路によって、別個の光源に接続されていないということを意味する。このために、LED光源は、回路基板に接続された複数のLEDを有する。回路基板は、電源および/またはコントローラに電気的に接続されている。回路基板には、従来の方法で基板に接続された各LEDに電力供給をするための配線パターンがある。あるいは、回路基板に複数の回路パターンがあり、LEDを選択的に発光させられることであってもよい。好ましい実施形態では、LEDは5mmの白色LEDであるが、他の色であることも考えられる。
【0015】
本発明のライトアレイは、通気システムを有する手術用ヘルメットでの利用に特に適している。つまり、ある実施形態では、ヘルメットが外殻部に付随した通気用ダクトを有しており、このダクトは、外殻部の前方部分に通気用開口部を有する。外殻部で支持されているファンアセンブリが、通気用ダクトに空気流を流すように動作可能となっている。この実施形態では、ファンアセンブリとライトアレイが共通の電源および/またはコントローラに電気的に接続されている。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、手術用ヘルメットが、人の頭に装着するように構成された外殻部を備えており、この外殻部は、外殻部を装着している人の顔の近傍にある前方部分と、外殻部のその前方部分で支持されている内蔵型ライトアレイとを有する。この実施形態の特徴の1つは、ライトアレイが少なくとも1つのLED光源と、その光源に電力を供給する電源を有することである。好ましくは、ライトアレイが2つのLED光源を、その光源の各々の収容部と共に有する。取付部材が、光源の間に延びていて、各光源の収容部に連結されており、かつ、取付部材を外殻部の前方部分で支持するための手段を有している。取付部材には、電源が収容されている。この電源は、バッテリーであることが好ましい。バッテリー交換が可能である場合、取付部材には、バッテリーにアクセスするための戸口がある。
【0017】
本発明の目的の1つは、手術用ヘッドギア装置および付随する手術着と共に使用する照明システムを提供することである。他の目的は、軽量で、装着者を疲れさせない照明システムを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、光源または電源に束縛されない照明システムを提供することである。もう一つの目的は、照明システムを手術ヘルメットに内蔵したものにする照明システムの特徴にある。本発明の他の目的および具体的な利点は、以下の説明を添付図面と共に検討することで明らかになる。
【0019】
〔好ましい実施形態の説明〕
本発明の原理をよりよく理解するために、以下、図面に示し、かつ、下記の明細書に記載した実施形態について述べる。当然のことながら、これによって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。これも当然のことながら、例示する実施形態に対するあらゆる変更や変形も本発明に含まれ、また、本発明が属する技術分野の当業者が通常想到するような、本発明の原理をさらに応用したものも、本発明に含まれる。
【0020】
図4の詳細図に示すように、本発明で考えているのはライトアレイ30であり、このライトアレイ30は、図1−2に示したヘルメット10のような手術用ヘルメットに取り付けられるようになっている。このライトアレイ30は、一対の光源32を有し、一対の光源32は、ヘルメット10の両側に、特に、図1に示すように、通気ダクト18の両側に配置されている。光源32は、取付部材34に収容されている。取付部材34は、ライトアレイをヘルメット10に固定するものである。取付部材は、一対の収容部39を画定している。各収容部39は、対応する光源32を支持するためのものである。各収容部は、取り付けブラケット44に、付随するアーム42によって連結されている。アーム42は、通気ダクト18の前端部にある通気用開口部19より下であって、ヘルメット10を装着した医療関係者の目よりも上で、光源32を支持するような寸法になっていることが好ましい。
【0021】
取り付けブラケット44には、ヘルメットの通気ダクト18の裏側にブラケットを取り付けるべく、締結具46(図3)を入れるための取り付け孔45が設けられている。好ましい実施形態では、小ねじを使ってブラケットをヘルメットに取り付ける。もっとも、取り付けブラケットをヘルメットに支持する他の方法も考えられ、このような方法には、例えば接着、クランプ締め、またはスナップ嵌めなどがあり、また、ブラケットをヘルメットの外殻部と一体に形成することすらある。好ましくは、保守および/または交換が簡単にできるように、ライトアレイ30は、ヘルメットに取り外し可能に取り付けるように構成する。もっとも、恒久的または準恒久的にライトアレイをヘルメットに取り付けることも考えられる。
【0022】
本発明のある態様によれば、ライトアレイ30はLED群37を備えており、このLED群37は、少なくとも1つの、好ましくは複数のLED51を有する。LEDは、公知のどの構造のものでもよく、また、手術部位を見やすくするのに適したどのような色でもよい。ある特定の実施形態では、LEDが5mm、50°の白色LEDであり、光度が約1800mcdである。周囲光を補って、照明領域をより見やすく、かつ、より明瞭にするためには、琥珀色など、白以外の色の利用も考えられる。ある特定の実施形態では、LEDが5mm、50°の白色LEDであり、光度が約1800mcdである。
【0023】
ライトアレイ37に設けるLED51の数によって、照明の強度を決めることもできる。例えば、5mmの白色LED18個からなるLED群の出力は、15ワットの白熱電球と同等である。30ワットのLED群は、このような標準的なLEDを約36個必要とし、筐体全体の大きさは、直径が約2・1/2インチ(約6.35cm)であり、高さは約5/8インチ(約1.59cm)である。LEDの数がもっと少ない、または多いライトアレイ37は、それに比例して直径が小さくまたは大きくなるが、筐体全体の高さは変わらない(もっとも、色が異なるLEDでは高くなることがある)。
【0024】
ライトアレイ37におけるLED51の数および種類は、必要なビーム強度、ビーム幅、必要電力、発生する熱、および利用できる空間の大きさによって決まる。標準的な白色LEDは、3.5−5Vおよび20−35ミリアンペアで動作するので、典型的な12V直流電源で電力を供給するのに非常に都合がよい。光源32が通気用開口部19の近くにあるので、LED群37からの熱放散が容易である。ライトアレイ30が既存の照明を補うためのものである場合、ビーム強度および幅はもっと小さくてもよい。
【0025】
LED群37のLED51は、台50に表面実装されていることが好ましい。回路基板56は、LEDを電源につなぐための光−電気コントローラとして機能している。回路基板は、LEDの発光制御を行うように構成された公知の構造のものであってもよい。通常、LED群および回路基板は、メーカーから標準パッケージとして得ることができる。ある実施形態では、台50と回路基板56とは、LEDが表面実装された1つのプリント回路基板に組み込まれている。別の実施形態では、収容部の空洞部40の中で、回路基板56が台50から独立していて、LED配線52によりLEDと回路基板との間が接続されている。
【0026】
LED群37は、公知であるどのような方法で空洞部40の中に取り付けてもよい。ある特定の実施形態では、回路基板56が収容部のアーム42の内側表面に取り付けられていて、一方、支持用の台50は、空洞部40の中のタブ41に係合させてある。通常、LED群および回路基板は、メーカーから標準パッケージとして得られる。したがって、収容部39および空洞部40の形状は、メーカーのハードウェアを入れられるようにする。
【0027】
LED群は、LED51の周囲を、湿気を通さないように密封する密封部材54をさらに有することもある。この密封部材は、光源32の光度を増大させるための反射面をさらに有することもある。さらに、レンズ58を収容部39の開口部に取り付けることもある。このレンズは、LED群からの合わさった光線を集束させたり、拡散させたりするように構成することができる。
【0028】
好ましい実施形態では、通気用ファンアセンブリ25のための電気システムを使って光源32に電力を供給する。この実施形態では、回路基板56が制御線57を有しており、この制御線57は、アーム42および取付部材34を通して送り込まれている。ある実施形態では、制御線57が、取付部材内の配線ボックス60で合わせてある。この配線ボックス60には、制御線63が入れられていて、制御線63は、開口部62を通って取付部材34から外に出ている。開口部62は、ワイヤを通す鳩目などによって密閉されていることが好ましい。図3に示すように、制御線63は、ヘルメットの前方通気ダクト18に沿って通されており、もっとも好ましくは、ヘルメットに形成した溝65に通されている。
【0029】
この実施形態では、制御線63をヘルメットに通して、ヘルメットの後側にあるファンアセンブリ25の制御線と一緒にしている。ある特定の実施形態では、光源の制御線63がファンアセンブリに給電する制御線に直接接合されており、これにより、ライトアレイ30の動作がファンの動作と直接結びついている。別の取り組み方では、制御線63をファンアセンブリの制御線と一緒に配線し、配線束27にして、この配線束27を電源およびコントローラ28に接続する。この実施形態の場合、通気システムと照明システムとを別個に制御するようにコントローラ28を構成することができる。例えば、別々の制御スイッチ、即ちボタン29a、29bを設け、ファンと、光源とをそれぞれ選択的に起動することができる。ライトアレイのLED51に可変電圧を入力する必要はないので、スイッチ29bは、単純なオンオフ・プッシュボタンまたはトグルスイッチであってもよい。コントローラ28の電源部分は、好ましくはバッテリーまたはバッテリーアレイであり、ファンアセンブリ25およびライトアレイ30に同時に給電するのに必要な電圧および電流を供給する能力がある。電源は、各LED51を発光させるために、少なくとも35ミリアンペアで5ボルトを生成する能力がなければならない。
【0030】
ある代替実施形態では、ライトアレイ30が内蔵型の照明装置となるように、配線ボックス60が取付部材内に電源、即ちバッテリーを組み込むことがある。取付部材34に点検口61を設けて、電源の交換ができるようにすることもある。このような実施形態の場合、制御線63を単純に外部スイッチに接続して、電源を入れたり切ったりしてもよい。起動スイッチは、外部コントローラ28のスイッチ29bで構成することもできる。スイッチは、取付部材34に配置してもよいが、ヘルメットを装着している間は、スイッチを操作するためにヘルメットに手を入れることが必要になる。別の代替案としては、スイッチ66をヘルメット自体に、例えば、図1−2に点線で示すように、通気用開口部19を通る通気用空気流を調整するのに利用する調整ノブ21の近傍などに取り付けることもできる。好ましくは、このスイッチ66は、プッシュボタン式オンオフスイッチであり、外科手術中にライトアレイを素早く操作できるように、ヘルメットを覆っている手術服の上からでも簡単に押し込むことができる。
【0031】
本発明のライトアレイ30は、多くの手術環境で経験されている照明の問題に対して重量の軽い解決策を提供するものである。取付部材34および収容部39は、軽量プラスチックで形成することが好ましい。ライトアレイは、ヘルメット10の構造部材として機能していないため、プラスチック素材の強度や耐久性はそんなに重要な特徴ではない。好ましくは、取付部材と収容部とを一体に型成形し、かつ、全体を中空にする。ライトアレイのこれらの構成部分は、光源32およびこれに付随する部品を取り付けた後に接合することができる半部として形成してもよい。
【0032】
図示の実施形態では、2つの光源32の収容部39が予め定められた向きを有する。図1−2に示した取り付けブラケット34およびアーム42は、これらの図に示した特定のヘルメット10に嵌めて、その予め定められた向きに光源を支持するように構成されている。このように、ブラケットおよびアームは、特定の例では、光源が装着者の目よりわずかに外れた位置にあり、光源の視野方向と、装着者の視線が一致するような大きさおよび構成にする。光源の個々の向き、ならびに取り付けブラケットおよびアームの形状は、ライトアレイ30を取り付けたヘルメットの構造、光源に求められる視野方向、光源32が生成する光線の強度および幅、さらには装着者がものを見る際の癖すら考慮に入れて変更することがある。
【0033】
図示の実施形態では、光源の向きはヘルメット10に対して固定されている。代替実施形態では、光源の向きを複数の自由度で調整できるようにすることがある。例えば、アーム42は、各光源の位置を装着者の視線に応じて変更できるように、伸び/縮みさせるおよび/または回せるように構成することができる。このように、アーム42は、伸縮自在におよび/または回転可能に取付部材34に取り付けることができる。さらに別の代替実施形態では、光源32からの光線を無段階に調整できるように、アームを曲げることができる素材から形成することがある。
【0034】
LEDの光度を調整できないことは公知である。しかしながら、LED群37全体の光度は、LED51を選択的に発光させることで変えることができる。この代替実施形態の場合、回路基板56は、そこに接続されているLED51の全てを発光させたり、予め定められたいくつかの組合せで発光させたりできるように構成されている。プリント回路基板56は、LEDの中の特定のものを接続しているいくつかの独立した回路を与える配線パターンを有していて、独立している各回路が、配線57の中に、それ自身の一組の制御線を有していることがある。この実施形態における外部電源のスイッチ29bおよびコントローラ28により、別々の回路を作動させて得られる照明強度に基づいた、異なる設定を行うことができる。例えば、ある特定の実施形態では、LED群37が、総出力15ワットの能力がある18個の5mm白色LEDを有する。これらLEDの12個に電力を供給すると、出力は9ワットに下がり、9個のLEDでは、出力が6ワットになる。プリント回路基板56は、3つの回路を規定していて、9個、12個、または全18個のLEDを選択的に発光させることができるようになっていてもよい。
【0035】
本発明では、白色LEDの使用を考えることが好ましい。もっとも、特定の状況下では、琥珀色のLEDを配列したもののように、異なる色のLED群が好まれることもある。異なる色のLEDの間では電流の引き込み量が異なるので、1つのLED群における全てのLEDが同じ色を有することが推奨される。もっとも、選択可能な複数のLED回路の変更例では、回路基板56に複数の独立回路を設け、異なるLEDの「副群」を発光させることがある。ここで、各副群は、他の副群におけるLEDの色と異なる色のLEDを備える。この場合、装着者は、スイッチ29bにより照明光の色を変えられるようになっていてもよい。
【0036】
図示の実施形態では、ヘルメット10の中心線を跨って両側に配置された2つの光源を考えている。もっとも好ましいのは、光源を、装着者の目より上にあるが、上側周辺視野のだいたい外側に来るように十分遠ざけて配置することである。代わりに、光源を1つだけ、または光源を3つ以上設けてもよく、この場合、取付部材34およびアーム42の構成を適当に変えて、光源がヘルメットおよびフェースシールドの範囲内に確実に入るが、装着者の顔に近づきすぎないようにする。
【0037】
本発明を上記の記載と図面に詳細に説明し、図示したが、これらは例示とみなすべきであり、限定する性質のものとみなしてはならない。当然ながら、ここでは好ましい実施形態が提供されているに過ぎないのであり、本発明の趣旨に含まれるあらゆる変更、修正、およびさらなる応用についての保護も求めるものである。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) 手術用ヘルメットであって、
人の頭に装着するように構成された外殻部であって、装着した人の顔の近くに前方部分を有する外殻部と、
前記外殻部の前方部分に支持されているライトアレイであって、少なくとも1つのLED光源と、前記少なくとも1つのLED光源に通電するための制御線とを有するライトアレイと、
前記制御線に接続されていて、前記光源に電力を供給する電源と、を備える手術用ヘルメット。
(2) 実施態様1記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、2つのLED光源を有する、手術用ヘルメット。
(3) 実施態様2記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、前記2つの光源の各々について1つの収容部を有し、前記光源の各々を、前記外殻部を装着している人の対応する目の近くで支持する、手術用ヘルメット。
(4) 実施態様3記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、前記2つの光源の間に延びていて、前記2つの光源の各々の前記収容部に連結されている取付部材と、前記取付部材を前記外殻部の前記前方部分で支持するための手段と、を備える手術用ヘルメット。
(5) 実施態様1記載の手術用ヘルメットであって、
前記LED光源が回路基板に接続された複数のLEDを有する、手術用ヘルメット。
【0039】
(6) 実施態様1記載の手術用ヘルメットであって、
前記外殻部に付随する通気ダクトであって、前記外殻部の前記前方部分に通気用開口部を有する通気ダクトと、
前記外殻部によって支持されており、前記通気ダクトに空気流を流すように作動できるファンアセンブリであって、前記電源に電気的に接続されているファンアセンブリと、をさら備える手術用ヘルメット。
(7) 実施態様6記載の手術用ヘルメットであって、
前記電源が前記外殻部から独立している、手術用ヘルメット。
(8) 実施態様1記載の手術用ヘルメットであって、
前記電源が前記外殻部から独立している、手術用ヘルメット。
(9) 実施態様1記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイに前記電源が含まれている、手術用ヘルメット。
(10) 実施態様9記載の手術用ヘルメットであって、
前記電源がバッテリーである、手術用ヘルメット。
【0040】
(11) 手術用ヘルメットであって、
人の頭に装着するように構成された外殻部であって、装着した人の顔の近くに前方部分を有する外殻部と、
前記外殻部の前記前方部分に支持されている内蔵型ライトアレイであって、少なくとも1つのLED光源と、前記光源に電力を供給するための電源とを有するライトアレイと、を備えた手術用ヘルメット。
(12) 実施態様11の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、2つのLED光源を有する、手術用ヘルメット。
(13) 実施態様12の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、前記2つの光源の各々について、前記光源の各々を、前記外殻部を装着している人の対応する目の近くで支持するための収容部を有する、手術用ヘルメット。
(14) 実施態様13記載の手術用ヘルメットであって、
前記ライトアレイは、前記2つの光源の間に延びていて、前記2つの光源の各々の前記収容部に連結されている取付部材と、前記取付部材を前記外殻部の前記前方部分で支持するための手段と、を備える手術用ヘルメット。
(15) 実施態様11記載の手術用ヘルメットであって、
前記LED光源が回路基板に接続された複数のLEDを有する、手術用ヘルメット。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態によるライトアレイを取り付けた手術用ヘルメットの斜視図である。
【図2】図1に示した手術用ヘルメットの側面図である。
【図3】図1−2に示したライトアレイの正面からの斜視図である。
【図4】図1に示した手術用ヘルメットであって本発明のライトアレイが取り付けられているものの底部の部分図である。
【図5】図1から4までに示したライトアレイの一部の側面断面図である。
【出願人】 【識別番号】501384115
【氏名又は名称】デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド
【出願日】 平成17年12月20日(2005.12.20)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭

【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音

【公開番号】 特開2006−175235(P2006−175235A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2005−366832(P2005−366832)