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【発明の名称】 複合画像診断支援システム、複合画像診断支援装置、及び医用画像データベース作成方法
【発明者】 【氏名】江積 剛
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地 東芝メディカルシステムズ株式会社本社内

【氏名】田中 利夫
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地 東芝メディカルシステムズ株式会社本社内

【氏名】中田 賀久
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地 東芝メディカルシステムズ株式会社本社内

【要約】 【課題】コンピュータ支援診断毎の診断結果のばらつきを考慮し客観的且つ効果的な診断支援情報を提示可能な複合画像診断支援システム等を提供すること。

【解決手段】それぞれが入力した診断対象画像に対し固有のアルゴリズムに従って複数のコンピュータ支援診断装置(CAD)が読影処理を行うことで複数の第1の読影結果を取得し、判定処理装置10において、この複数の読影結果を用いた所定の判定基準に従う判定処理により、複合的な診断支援に基づく第2の読影結果を生成する。生成された第2の読影結果は、所定の形態で提示される。また、第2の読影結果において「有病」と判定された診断対象画像は有病DB20へ、「無病」と判定された診断対象画像は無病DB22へ、それぞれ自動的に格納される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが入力した診断対象画像に対し固有のアルゴリズムに従って読影処理を行い、それによって得られる第1の読影結果を出力する複数の診断支援手段と、
前記各支援診断手段から前記読影結果を受け取り、前記読影結果を用いた所定の判定基準に従う判定処理により、複合的な診断支援に基づく第2の読影結果を生成する判定処理手段と、
前記第2の読影結果を提示する提示手段と、
を具備することを特徴とする複合画像診断支援システム又は複合画像診断支援装置。
【請求項2】
複数の判定基準を記憶する記憶手段と、
前記複数の判定基準から所望の判定基準を選択するための選択手段と、
をさらに具備し、
前記判定処理手段は、前記選択手段によって選択された判定基準を前記所定の判定基準として、前記判定処理を実行すること、
を特徴とする請求項1記載の複合画像診断支援システム又は複合画像診断支援装置。
【請求項3】
前記所定の判定基準をマニュアル入力するための入力手段をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の複合画像診断支援システム又は複合画像診断支援装置。
【請求項4】
前記所定の基準は、
前記複数の診断支援手段による複数の前記第1の読影結果の全てが有病の場合のみ有病として前記第2の読影結果を生成するもの、
前記複数の診断支援手段による複数ののうち、1つでも有病である場合には、有病として前記第2の読影結果を生成するもの、
前記複数の診断支援手段による複数の前記第1の読影結果に基づいて、多数決で有病又は無病を判定し前記第2の読影結果を生成するもの、
前記複数の前記第1の読影結果に予めに配分された点数によって有病の場合及び無病の場合の合計点を計算し、当該合計点に基づいて有病又は無病を判定し前記第2の読影結果を生成するもの、
前記複数の前記第1の読影結果において有病と無病とが同数である場合には、人為的判定を促す前記第2の読影結果を生成するもの、
前記複数の前記第1の読影結果において有病と無病とが同数である場合には、前記複数の診断支援手段のうちから予め選択された所定の診断支援手段による前記第1の読影結果に基づいて有病又は無病を判定し、前記第2の読影結果を生成するもの、
のいずれかであること、
を特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の複合画像診断支援システム又は複合画像診断支援装置。
【請求項5】
前記第2の読影結果が有病であった前記診断対象画像を記憶する第1の画像データベースと、
前記第2の読影結果が無病であった前記診断対象画像を記憶する第2の画像データベースと、
を具備することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の複合画像診断支援システム。
【請求項6】
それぞれが固有のアルゴリズムに従って読影処理を行う複数の診断支援手段に診断対象画像を入力し、複数の第1の読影結果を取得する第1のステップと、
複数の前記読影結果を用いた所定の判定基準に従う判定処理を行う複合診断支援手段に複数の前記読影結果を入力し、第2の読影結果を取得する第2のステップと、
前記第2の読影結果が有病であった場合には、前記診断対象画像第1の画像データベースに送り出し、前記第2の読影結果が無病であった場合には、前記診断対象画像を第2の画像データベースに送り出す第3のステップと、
を具備することを特徴とする医用画像データベース作成方法。
【請求項7】
複数の判定基準から所望の判定基準を選択する第4のステップをさらに具備し、
前記第2のステップにおいては、選択された判定基準を前記所定の判定基準として、前記判定処理を実行すること、
を特徴とする請求項6記載の医用画像データベース作成方法。
【請求項8】
前記所定の判定基準をマニュアル入力する第4のステップをさらに具備し、
前記第2のステップにおいては、マニュアル入力された判定基準を前記所定の判定基準として、前記判定処理を実行すること、
を特徴とする請求項6記載の医用画像データベース作成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を用いたコンピュータ支援診断(computer-aided diagnosis: CAD)に関するもので、特に、異なるアルゴリズムに従う複数の読影結果を用いるコンピュータ支援診断に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援診断とは、診断における最終判断は医師が行うことを前提として、入力したデジタル画像から検出した病巣候補の位置や、コンピュータを用いて解析した定量的な結果を画像上にわかりやすく提示するものである。この技術は、例えば胸部X線写真や集団検診用CT画像による肺癌の検診、乳癌マンモグラフィの自動スクリーニングシステム、胃癌の検出システムなどに用いられる。
【0003】
このコンピュータ支援診断のアプローチは、大きく2つに大別することができる。第1のアプローチは、病巣のありそうな場所を検出して表示し、見落としが起こらないように注意を喚起するものである。第2のアプローチは、病巣についての定量的尺度を求めて、読影の際に客観的判断のための情報を提供するものである。いずれのアプローチによっても、一定の基準(アルゴリズム)を用いて、診断のための参考意見(第2の意見)を提供することができる。これにより、集団検診等における医師の読影負担を軽減し、医師の主観的判断による思い違いを防止し、見落としによる誤診を減少させることができる。
【0004】
一方、自動診断とは、デジタル画像の解析から最終判断までの診断における全てをコンピュータが行うものである。病巣の検出や解析には、差分像を用いた方法やテクスチャ解析、様々な輪郭抽出技術などが応用・研究されている。
【0005】
ところで、近年、病巣を検出しにくい病種や画像を対象とした、コンピュータ支援診断の検出性能の向上やより効果的な支援システムの作成が必須とされている。例えば、マンモグラフィコンピュータ支援診断における腫瘤陰影の検出能力はまだまだ不十分と言われている。また、胸部画像に対するCADは、胸部画像は乳房画像と比較して画像が極端に複雑であることなどの理由から、実用化の研究が一歩遅れている。日本では、この様な現状の中で、肺癌の早期発見を目的とした集団検診が各地で行われているため、胸部画像に対するCADの実用化を望む声は大きい。
【0006】
しかしながら、コンピュータ支援診断の開発では、開発グループ独自のデータベースが用いられるため、システムの性能はそのデータベースに強く依存しており、コンピュータ支援診断毎の検出結果や解析結果にばらつきがある場合がある。係る場合には、どのコンピュータ支援診断を採用するかは医師毎の基準に委ねられるため、客観的な支援情報とすることができない。
【0007】
なお、本願に関連する公知文献としては、例えば次のようなものがある。
【特許文献1】特開平6−259486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、コンピュータ支援診断毎の診断結果のばらつきを考慮し客観的且つ効果的な診断支援情報を提示可能な複合画像診断支援システム及び複合画像診断支援装置、及びこれらを用いた医用画像データベースの作成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0010】
本発明の第1の視点は、それぞれが入力した診断対象画像に対し固有のアルゴリズムに従って読影処理を行い、それによって得られる第1の読影結果を出力する複数の診断支援手段と、前記各支援診断手段から前記読影結果を受け取り、前記読影結果を用いた所定の判定基準に従う判定処理により、複合的な診断支援に基づく第2の読影結果を生成する判定処理手段と、前記第2の読影結果を提示する提示手段と、を具備することを特徴とする複合画像診断支援システム又は複合画像診断支援装置である。
【0011】
本発明の第2の視点は、それぞれが固有のアルゴリズムに従って読影処理を行う複数の診断支援手段に診断対象画像を入力し、複数の第1の読影結果を取得する第1のステップと、複数の前記読影結果を用いた所定の判定基準に従う判定処理を行う複合診断支援手段に複数の前記読影結果を入力し、第2の読影結果を取得する第2のステップと、前記第2の読影結果が有病であった場合には、前記診断対象画像第1の画像データベースに送り出し、前記第2の読影結果が無病であった場合には、前記診断対象画像を第2の画像データベースに送り出す第3のステップと、を具備することを特徴とする医用画像データベース作成方法である。
【発明の効果】
【0012】
以上本発明によれば、コンピュータ支援診断毎の診断結果のばらつきを考慮し客観的且つ効果的な診断支援情報を提示可能な複合画像診断支援システム及び複合画像診断支援装置、及びこれらを用いた医用画像データベースの作成方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1実施形態乃至第4実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る複合画像診断支援システム1の構成図を示している。同図に示すように、本複合画像診断支援システム1は、複合画像診断支援装置10、コンピュータ支援診断装置(CAD)A、コンピュータ支援診断装置B、コンピュータ支援診断装置C、有病画像データベース(DB)20、無病画像データベース22、医用画像データベース24を具備している。なお、各装置、各データベース間はネットワークで接続されており、任意のタイミングで画像データを含む種々のデータがお互いの間で送受信可能である。
【0015】
複合画像診断支援装置10は、複数のコンピュータ支援診断装置のそれぞれから診断結果(読影結果)を入力し、所定の基準に基づいて、本複合画像診断支援システム1としての最終結果を判定し、医師等の操作者に対して提示する。
【0016】
図2は、本複合画像診断支援装置10の構成を示したブロック図である。同図に示すように、判定基準記憶部100、送受信部101、判定部102、判定結果提示部103、操作部104を有している。
【0017】
判定基準記憶部100は、コンピュータ支援診断装置のそれぞれから診断結果を用いた最終診断結果を判定するための各種判定基準を記憶する。判定基準の具体例としては、例えば次のようなものが挙げられる。
【0018】
1)複数のコンピュータ支援診断装置の全ての結果が有病の場合のみ有病とする。
【0019】
2)複数のコンピュータ支援診断装置の結果のうち、1つでも有病ならば有病とする。
【0020】
3)多数決で結果を決める。
【0021】
4)予め、構成要素の各コンピュータ支援診断の結果に配分された点数(等分である必要はなく、重み付け(傾斜)があってもよい。)を計算し、有病/無病のうち点数の高い結果を採択する。
【0022】
5)有病/無病の結果が同数の場合は、50:50として人間の判断に委ねる。
【0023】
6)複数のコンピュータ支援診断装置のPriorityを決めておき、有病/無病の結果が同数の場合は、Priorityの最も高いコンピュータ支援診断の診断結果を採択する。
【0024】
送受信部101は、各種医用画像機器や画像サーバから、ネットワークを介して診断対象となる画像を受信する。また、送受信部101は、各コンピュータ支援診断装置から診断結果を受信し、判定部102に送り出す。さらに、送受信部101は、判定部102が「病気有」と判定した画像を有病画像データベース20に、及び判定部102が「病気無」と判定した画像を無病画像データベース22に、それぞれネットワークを介して送信する。
【0025】
判定部102は、送受信部101から受け取った各コンピュータ支援診断装置の診断結果と、判定基準記憶部100が記憶する複数の判定基準のうち予め選択された判定基準とに基づいて、複数のコンピュータ支援診断装置の診断結果を考慮した最終判定を実行する。
【0026】
例えば、所定の患者(画像)に関する病気αの有無について、コンピュータ支援診断装置Aが「病気α有」、コンピュータ支援診断装置Bが「病気α無」、コンピュータ支援診断装置Cが「病気α無」という結果を出した場合を想定する。係る場合において、上記1)の判定基準が選択されているときには、コンピュータ支援診断装置Aのみが「病気α有」と判定しているため、判定部102の判定による最終結果は「病気α無」となる。また、上記2)の判定基準が選択されているときには、コンピュータ支援診断装置Aが「病気α有」と判定しているため、最終結果は「病気α有」となる。さらに、上記3)の判定基準が選択されているときには、多数決なので最終結果は「病気α無」と判定され、上記4)の判定基準が選択されており、コンピュータ支援診断装置Aの重みを「4」、コンピュータ支援診断装置Bの重みを「3」、コンピュータ支援診断装置Cの重みを「2」としたときには、最終結果は「病気α無」と判定される。
【0027】
また、判定部102は、自身が「病気有」と判定した画像を有病画像データベース20に、及び自身が「病気無」と判定した画像を無病画像データベース22に、送受信部101を制御することによってそれぞれネットワークを介して送信する。
【0028】
判定結果提示部103は、判定部102の判定によって得られた判定結果を所定の形態(例えば、ディスプレイによる表示、紙によるプリントアウト等)にて操作者に対し提示する。
【0029】
操作部104は、キーボード、トラックボール、マウス、各種専用スイッチを備える。
【0030】
コンピュータ支援診断装置A、B、Cのそれぞれは、例えばネットワークを経由して医用画像DB24から取り出した画像に対して、所定の診断アルゴリズムに従って種々の画像処理、定量的解析等を施し、これに基づいて所定の病気の有無を判定した診断結果(読影結果)を複合画像診断支援装置10に出力する。なお、本実施形態においては、各コンピュータ支援診断装置が出力する診断結果は、例えば診断項目が病気αであるとした場合、「病気α有」、「病気α無」の二種類であるとする。また、診断アルゴリズムは、コンピュータ支援診断装置毎に異なり、いずれのコンピュータ支援診断装置がいずれの診断アルゴリズムを採用するかは、事前に選択される。従って、コンピュータ支援診断装置Aが「病気α有」と判定した場合であっても、コンピュータ支援診断装置B(又はC)が「病気α無」と判定する場合もある。
【0031】
有病画像データベース20は、複合画像診断支援装置10において「病気有」と判定された画像を、その判定項目(例えば「病気αの有無」)、各コンピュータ支援診断装置の種類(診断アルゴリズム)及びその判定結果と共に記憶する。
【0032】
無病画像データベース22は、複合画像診断支援装置10において「病気無」と判定された画像を、その判定項目(例えば「病気αの有無」)、各コンピュータ支援診断装置の種類(診断アルゴリズム)及びその判定結果と共に記憶する。
【0033】
医用画像データベース24は、X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置、核医学診断装置等の各種医用画像機器によって収集された画像であって、コンピュータ支援診断の対象とする画像を記憶する。
【0034】
(複合画像診断支援機能)
次に、本複合画像診断支援システム1が有する複合画像診断支援機能について説明する。本機能は、複数のコンピュータ支援診断装置の診断結果を利用して診断アルゴリズムによる結果のばらつきを是正し、客観的基準に基づいてより効果的な診断情報を提供するものである。
【0035】
図3は、複合画像診断支援機能を説明するための概念図である。同図に示す様に、同一の診断画像を入力した各コンピュータ支援診断装置A、B、Cは、それぞれ固有の診断アルゴリズムに従って読影処理を行い、複合画像診断支援装置10に対して診断結果A、B、Cを出力する。複合画像診断支援装置10は、所定の判定基準と各診断結果とに基づいて、複合的なコンピュータ支援診断装置に基づく診断の最終結果(有病/無病)を判定する。
【0036】
また、本複合画像診断支援システム1は、複合画像診断支援機能として、図3下段に示すように、上記最終結果に基づいて診断対象とした画像を有病画像DB又は無病画像DBに振り分けることで、新たなデータベースを自動構築する。このデータベースは、コンピュータ支援診断の研究(又は評価用)、新米医師の教育、臨床研究等の資料として利用することができる。
【0037】
(動作)
次に、複合画像診断支援システム1の複合画像診断支援における動作について説明する。
【0038】
図4は、複合画像診断支援において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。なお、同図において、点線枠内は各コンピュータ支援診断装置において実行される各処理であり、実線枠内は複合画像診断支援装置10において実行される各処理である。
【0039】
まず、各コンピュータ支援診断装置A、B、Cは、ネットワークを介して、医用画像データベース24から診断対象となる画像を入力する(ステップS1)。各コンピュータ支援診断装置A、B、Cは、受け取った診断対象画像に対して、所定の診断項目について、それぞれ固有のアルゴリズムに従って画像処理、定量的解析等を施し、診断(読影処理)を行う(ステップS2)。各コンピュータ支援診断装置A、B、Cは、診断によって得られた診断結果を、ネットワークを介して複合画像診断支援装置10に出力する(ステップS3)。
【0040】
次に、複合画像診断支援装置10は、ネットワークを介して受け取った各診断結果と予め選択された判定基準とに基づいて、複合的なコンピュータ支援診断装置に基づく診断の最終結果(有病/無病)を判定する(ステップS4)。
【0041】
次に、複合画像診断支援装置10は、ステップS4において「病気有」と判定された場合には、その旨を操作者に対して所定の形態で提示すると共に、当該診断対象画像を、判定項目、各コンピュータ支援診断装置の種類(診断アルゴリズム)及びそれぞれの判定結果と共に有病画像データベース20に格納する(ステップS5a、6a)。
【0042】
一方、複合画像診断支援装置10は、ステップS4において「病気無」と判定された場合には、その旨を操作者に対して所定の形態で提示すると共に、当該診断対象画像を、判定項目、各コンピュータ支援診断装置の種類(診断アルゴリズム)及びそれぞれの判定結果と共に無病画像データベース22に格納する(ステップS5b、6b)。
【0043】
なお、有病画像データベース20、無病画像データベース22に格納された画像は、判定項目、診断アルゴリズム等を指標として検索することが可能である。
【0044】
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0045】
本複合画像診断支援システムによれば、複数のコンピュータ支援診断装置から得られた複数の診断結果と所定の判断基準とによって、複数のコンピュータ支援診断に基づく最終診断結果を生成することができる。従って、従来の単一コンピュータ支援診断の場合と異なり、複数のコンピュータ支援診断結果を利用することができ、操作者に対して、客観的且つ効果的な診断支援情報を提示することができる。その結果、従来の単一コンピュータ支援診断では病巣を検出できなかった病種や複雑な画像から、病巣を検出できるようになる可能性があり、検出性能の向上が期待できる。
【0046】
また、コンピュータ支援診断毎(診断アルゴリズム毎)に検出結果や解析結果にばらつきがある場合であっても、操作者が所望する一定の判定基準に従って最終診断結果を判定することができ、客観的且つ効果的な診断支援情報を提示することができる。
【0047】
また、本複合画像診断支援システムによれば、複数のコンピュータ支援診断装置による診断結果と所定の判断基準とから得られる最終診断結果に基づいて、診断対象画像を有病画像データベース又は無病画像データベースとに自動的に振り分けて記憶する。従って、複数のコンピュータ支援診断結果に裏付けされた画像データベースを自動的に構築することができる。この画像データベースは、コンピュータ支援診断の研究、新米医師の教育、臨床研究等の資料として利用することができ、医療技術の質の向上に寄与することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、複合画像診断支援システムを例えば単体の医療用ワークステーション、医用画像参照装置、医用画像機器等において実現するものである。以下においては、説明を具体的にするため、複合画像診断支援システムを医療用ワークステーションにおいて実現する場合を例とする。
【0049】
図5は、第2の実施形態に係る複合画像診断支援システム30を説明するためのブロック構成図である。同図に示すように、本複合画像診断支援システム30は、複合画像診断支援処理部31、第1診断支援処理部32、第2診断支援処理部33、第3診断支援処理部34、送受信部35、判定結果提示部36、記憶部37、操作部38を具備している。なお、送受信部35、判定結果提示部36、操作部38については、それぞれ図2に示した送受信部101、判定結果提示部103、操作部104と同様の構成をもつ。
【0050】
複合画像診断支援処理部31は、図2に示した判定部102と略同様の機能を有する。すなわち、各診断支援処理部32、33、34から受け取った各コンピュータ支援診断の診断結果と、記憶部37の判定基準フォルダ373が記憶する複数の判定基準のうち予め選択された判定基準とに基づいて、複数のコンピュータ支援診断装置の診断結果を考慮した最終判定を実行する。
【0051】
また、複合画像診断支援処理部31は、自身が「病気有」と判定した画像を有病画像フォルダ370に、及び自身が「病気無」と判定した画像を無病画像フォルダ371に、それぞれ自動的に格納することでデータベースを構築する。
【0052】
第1診断支援処理部32、第2診断支援処理部33、第3診断支援処理部34のそれぞれは、コンピュータ支援診断装置A、B、Cと略同様の機能を有する。すなわち、各診断支援処理部32、33、34は、記憶部37の医用画像フォルダ372から取り出した画像に対して、所定の診断アルゴリズムに従って種々の画像処理、定量的解析等を施し、これに基づいて所定の病気の有無を判定した診断結果(読影結果)を複合画像診断支援処理部31に出力する。
【0053】
記憶部37は、有病画像フォルダ370、無病画像フォルダ371、医用画像フォルダ372、判定基準フォルダ373を有している。有病画像フォルダ370は、複合画像診断支援処理部31において「病気有」と判定された画像を、その判定項目、各コンピュータ支援診断装置の種類及びその判定結果と共に記憶する。無病画像フォルダ371は、複合画像診断支援処理部31について「病気無」と判定された画像を、その判定項目、各コンピュータ支援診断装置の種類及びその判定結果と共に記憶する。医用画像フォルダ372は、各種医用画像機器によって収集された画像であって、コンピュータ支援診断の対象とする画像を記憶する。判定基準フォルダ373は、各診断支援処理部から診断結果を用いた最終診断結果を判定するための各種判定基準を記憶する。
【0054】
以上述べた構成によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、複合画像診断支援処理部31、及び第1〜第3診断支援処理部は、ハードウェアによる構成の他、例えば図示していない記憶部に記憶された専用プログラムをメモリ上に展開することによっても実現することが可能である。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、複合画像診断支援システムを用いてある特定の情報的価値を持つ画像データベースの作成する例について、図1を説明する。
【0056】
図1に示すシステムにおいて、例えば、医用画像データベース24には、医師の診断において既に「有病と」判断済みのX線画像やCT画像などの医用画像とする。また、複合画像診断支援装置10における判定において採用する基準として、上記2)の「複数の結果のうち、1つでも有病ならば有病とする」が選択されているもとする。
【0057】
この様な条件のもと、本複合画像診断支援システム1によって医用画像データベース24内の複数の画像に対して診断を行い、その最終結果が「無病」と出力される画像を全て無病画像データベース22に格納する。
【0058】
こうして自動的に構築される無病画像データベース22は、読影処理部を構成する数種類(複数)のコンピュータ支援診断の読影結果が全て「無病」であった画像の集まりであり、現存のコンピュータ支援診断では有病と判別しにくい画像であると考えられる。従って、この無病画像データベース22は、現存のコンピュータ支援診断の検出性能を向上させるための学習用、研究用、新開発のコンピュータ支援診断の評価用、又はティーチングファイルとして活用することが可能である。
【0059】
また、本複合画像診断支援システム1を使用することで、上記利用価値を有する無病画像データベース22が自動的に構築される。従って、人為的労力をかける必要がなく、迅速且つ低コストでのデータベース作成を実現することができる。
【0060】
なお、本実施形態に係る画像データベースの構築は、第2の実施形態で説明した複合画像診断支援システム30によっても達成することができる。
【0061】
以上、各実施形態に従って本発明の技術的思想を説明した。しかしながら、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0062】
(1)各実施形態において説明した複合画像診断支援機能、画像データベース作成機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
【0063】
(2)上記各実施形態においては、予め記憶された複数の判定基準から、所望の基準を選択する構成であった。これに対して、操作者が操作部104を介して所望の判定基準をマニュアル入力し、これを用いて判定処理するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上本発明によれば、コンピュータ支援診断毎の診断結果のばらつきを考慮し客観的且つ効果的な診断支援情報を提示可能な複合画像診断支援システム及び複合画像診断支援装置、及びこれらを用いた医用画像データベースの作成方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る複合画像診断支援システム1の構成図を示している。
【図2】図2は、本複合画像診断支援装置10の構成を示したブロック図である。
【図3】図3は、複合画像診断支援機能を説明するための概念図である。
【図4】図4は、複合画像診断支援において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】図5は、第2の実施形態に係る複合画像診断支援システムを説明するためのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0067】
1…複合画像診断支援システム、10…複合画像診断支援装置、20…有病画像データベース(DB)、22…無病画像データベース、24…医用画像データベース、100…判定基準記憶部、101…送受信部、102…判定部、103…判定結果提示部、104…操作部、A、B、C…コンピュータ支援診断装置(CAD)
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地
【出願日】 平成16年12月17日(2004.12.17)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎

【公開番号】 特開2006−167289(P2006−167289A)
【公開日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願番号】 特願2004−366248(P2004−366248)