| 【発明の名称】 |
超音波診断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】福喜多 博 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】遅延加算処理における遅延時間の算出を簡単に行え、算出時間の短縮化を図りうる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】トランスデューサ1を有する探触子2、x方向に並ぶ複数の第1の受信ビームを形成する第1の遅延加算部、y方向に並ぶ複数の第2の受信ビームを形成する第2の遅延加算部を備え、更に、基準点17、第2の受信ビーム形成のための受信焦点Fy_1〜Fy_4、及び仮想軸21を設定し、各トランスデューサ1の中心と仮想軸21とを最短の線分で結んだときの複数の交点23を求める設定部を備えた超音波診断装置を用いる。受信焦点は、それを通る仮想線20が送信音線軸16と交わり、x方向に垂直となるよう設定される。第2の遅延加算部は、各交点23から基準点17までの基準伝搬時間と、各交点23から各受信焦点までの焦点伝搬時間とを算出し、各焦点伝搬時間について基準伝搬時間との差を算出して遅延加算処理を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに直交する第1の方向及び第2の方向に沿ってマトリックス状に配列された複数のトランスデューサを有する探触子と、前記複数のトランスデューサそれぞれが検出した信号に対して遅延加算処理を行って、前記第1の方向に沿って並ぶ複数の受信ビームを形成する第1の遅延加算部と、前記第1の遅延加算部によって遅延加算処理された信号に対して更に遅延加算処理を行って、前記第2の方向に沿って並ぶ複数の受信ビームを形成する第2の遅延加算部とを備える超音波診断装置であって、 超音波ビームの送信音線軸上に位置する基準点と、前記第2の遅延加算部が前記第2の方向に沿って並ぶ複数の受信ビームを形成するための複数の仮想受信焦点と、前記送信音線軸と前記探触子の送受波面との交点を通り、且つ、前記第2の方向に平行な仮想軸とを設定し、前記仮想軸が通る又は前記仮想軸と隣接する複数のトランスデューサそれぞれの中心と前記仮想軸とを最短の線分で結んだときの、前記線分と前記仮想軸との複数の交点を求める設定部を更に備え、 前記複数の仮想受信焦点は、全ての仮想受信焦点を通る仮想線が、前記送信音線軸と交わり、且つ、前記第1の方向に垂直となるように設定され、 前記第2の遅延加算部は、前記複数の交点それぞれについて、前記交点から前記送信音線軸上に設定された基準点までの伝搬時間と、前記交点から前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間とを算出し、前記複数の受信焦点それぞれまでの伝搬時間について、前記基準点までの伝搬時間との差を算出し、算出した前記差を用いて前記遅延加算処理を行うことを特徴とする超音波診断装置。 【請求項2】 前記送信音線軸と前記探触子の送受波面との交点が、前記複数のトランスデューサの配列中心に位置しており、 前記複数の仮想受信焦点の位置が、前記配列中心から前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの距離が前記配列中心から前記基準点までの距離と等しくなるように、設定されている請求項1に記載の超音波診断装置。 【請求項3】 前記第2の遅延加算部が、前記基準点までの伝搬時間を算出する第1の伝搬時間演算回路と、前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間を算出する第2の伝搬時間演算回路と、前記差を算出する減算回路とを備えている請求項1または2に記載の超音波診断装置。 【請求項4】 前記第2の遅延加算部が、前記基準点までの伝搬時間又は前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間を算出する伝搬時間演算回路と、前記基準点までの伝搬時間及び前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間のうち一方の伝搬時間を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記一方の伝搬時間と他方の伝搬時間とから前記差を算出する減算回路とを備えている請求項1または2に記載の超音波診断装置。 【請求項5】 前記複数の仮想受信焦点の配置が、前記送信音線軸を基準に線対称となるように設定されており、 前記第2の遅延加算部が、更に、符号反転回路を備え、 前記符号反転回路は、互いに線対称の位置関係にある一対の仮想受信焦点のうち一方の仮想受信焦点について前記差が算出された場合に、算出した差の符号を反転させることによって、他方の仮想受信焦点についての前記差を算出する請求項1〜4のいずれかに記載の超音波診断装置。 【請求項6】 前記第2の遅延加算部が、更に、乗算回路を備え、 前記乗算回路は、前記複数の仮想受信焦点のうちの少なくとも一つについて前記差が算出された場合に、算出した差に予め設定された定数を乗じることによって、他の仮想受信焦点についての前記差を算出する請求項1〜4のいずれかに記載の超音波診断装置。 【請求項7】 前記複数のトランスデューサが複数のグループにグループ分けされ、前記各グループは、前記複数のグループの配列が第1の方向及び第2の方向に沿ったマトリックス状となるように、隣り合う前記トランスデューサで構成され、 更に、前記グループ毎に複数の整相加算部が備えられており、前記整相加算部は対応するグループを構成するトランスデューサによって検出された信号を整相加算し、これを前記第1の遅延加算部に出力し、 前記第1の遅延加算部が、前記整相加算部が出力した信号に対して遅延加算処理を行い、 前記設定部が、前記仮想軸が通る又は前記仮想軸と隣接する複数のグループそれぞれの中心と前記仮想軸とを最短の線分で結んだときの、前記線分と前記仮想軸との複数の交点を求める請求項1に記載の超音波診断装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、2次元アレイを備えた超音波診断装置に関し、特には被検体の3次元走査可能な超音波診断装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、超音波診断装置においては、複数のトランスデューサ(振動子)を列状又はマトリックス状に配列して構成されたアレイ型探触子が用いられている。また、超音波診断装置においては、各振動子をそれぞれ少しずつ異なったタイミングで励振し、各振動子から放射された超音波の波面が焦点付近で揃うようにして、超音波ビームを収束させるフォーカシング技術が利用されている。 【0003】 アレイ型探触子のうち、複数の振動子がマトリックス状に配列されたものは「2次元アレイ」と呼ばれる。2次元アレイを用いた場合は、任意の方向に超音波ビームを偏向及び走査できることから、2次元アレイは3次元エコーデータの収集にも有用である。 【0004】 また、超音波診断装置においては、実時間で超音波画像を表示するため、一回の超音波ビームの送信で複数の受信ビームを形成する並列受信処理が行われている。但し、並列受信処理を行うためには、受信チャンネル数×並列同時受信チャンネル数分の遅延回路が必要となる。また、3次元エコーデータを収集する場合は、並列同時受信チャンネル数が更に増加するため、膨大な数の遅延回路が必要となる。このような場合、装置の製造コストや消費電力等を増加させてしまう。 【0005】 このため、超音波診断装置においては、遅延加算処理を前段と後段とに分けて、遅延回路数の低減化を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この点について図14を用いて説明する。図14は、従来の超音波診断装置の概略構成を示す構成図である。なお、図14においては、並列受信処理の説明のため、超音波ビームの形成や画像処理に関わる部分については省略している。 【0006】 図14に示すように、超音波診断装置は、2次元アレイ102を用いて超音波ビームの送受信を行う。2次元アレイ102は、複数のトランスデューサ(振動子)101を、互いに直交する2方向(行方向及び列方向)に沿ってマトリックス状に配列して形成されている。各トランスデューサ101は、超音波ビームを受信すると、それに対応する信号を出力する。 【0007】 また、超音波診断装置は、列方向遅延加算回路103〜106と、行方向遅延加算回路107〜108とを備えており、列方向と行方向とに分けて遅延加算処理を行っている。列方向遅延加算回路103〜106は、列方向の並列同時受信処理を含む前段の遅延加算処理行う。行方向遅延加算回路107〜108は、行方向の並列同時受信処理を含む後段の遅延加算処理を行う。また、列方向遅延加算回路103〜106及び行方向遅延加算回路107〜108は、それぞれは、複数の遅延回路(図示せず)を備えている。 【0008】 ここで、列方向のトランスデューサ101の数を「M」、行方向のトランスデューサ101の数を「N」、列方向の並列同時受信チャンネル数を「K」、行方向の並列同時受信チャンネル数を「L」とする。 【0009】 列方向遅延加算回路103〜106それぞれは「M×K」回の遅延加算処理を行う。また、列数は行方向のトランスデューサ101の数「N」と一致するから、列方向遅延加算回路103〜106全体から、信号数が「N×K」個の信号群(時系列信号群)が一定時間毎に出力される。列方向遅延加算回路103〜106全体で必要な遅延回路の数は「M×K×N」個となる。 【0010】 また、行方向遅延加算回路107〜108は、列方向遅延加算回路103〜106全体から出力された「N×K」個の時系列信号群に対して、行方向の遅延加算処理を行う。従って、行方向遅延加算回路107〜108全体で必要な遅延回路の数は、「N×K×L」個となる。 【0011】 以上より、図14に示す超音波診断装置において必要となる遅延回路の総数は、(M×K×N)+(N×K×L)=N×K×(M+L)個である。一方、列方向と行方向とに分けない場合は、必要となる遅延回路の総数は(N×K×M×L)個となる。このことから、図14に示す超音波診断装置によれば、行方向および列方向における並列受信処理を少ない回路規模で実現できる。 【特許文献1】特開2000−254120号公報(第3頁−第4頁、第1図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 しかしながら、このように遅延加算処理を前段と後段とに分けて行った場合は、遅延加算処理、特に後段の遅延加算処理において、多くの時間を要してしまう。このため、後段の遅延加算処理における遅延時間の算出を短時間で行うことができる超音波診断装置が求められている。 【0013】 本発明の目的は、上記問題を解消し、遅延加算処理における遅延時間の算出を簡単に行え、算出時間の短縮化を図りうる超音波診断装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0014】 上記目的を達成するために本発明における超音波診断装置は、互いに直交する第1の方向及び第2の方向に沿ってマトリックス状に配列された複数のトランスデューサを有する探触子と、前記複数のトランスデューサそれぞれが検出した信号に対して遅延加算処理を行って、前記第1の方向に沿って並ぶ複数の受信ビームを形成する第1の遅延加算部と、前記第1の遅延加算部によって遅延加算処理された信号に対して更に遅延加算処理を行って、前記第2の方向に沿って並ぶ複数の受信ビームを形成する第2の遅延加算部とを備える超音波診断装置であって、超音波ビームの送信音線軸上に位置する基準点と、前記第2の遅延加算部が前記第2の方向に沿って並ぶ複数の受信ビームを形成するための複数の仮想受信焦点と、前記送信音線軸と前記探触子の送受波面との交点を通り、且つ、前記第2の方向に平行な仮想軸とを設定し、前記仮想軸が通る又は前記仮想軸と隣接する複数のトランスデューサそれぞれの中心と前記仮想軸とを最短の線分で結んだときの、前記線分と前記仮想軸との複数の交点を求める設定部を更に備え、前記複数の仮想受信焦点は、全ての仮想受信焦点を通る仮想線が、前記送信音線軸と交わり、且つ、前記第1の方向に垂直となるように設定され、前記第2の遅延加算部は、前記複数の交点それぞれについて、前記交点から前記送信音線軸上に設定された基準点までの伝搬時間と、前記交点から前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間とを算出し、前記複数の受信焦点それぞれまでの伝搬時間について、前記基準点までの伝搬時間との差を算出し、算出した前記差を用いて前記遅延加算処理を行うことを特徴とする。 【0015】 上記本発明における超音波診断装置においては、前記送信音線軸と前記探触子の送受波面との交点が、前記複数のトランスデューサの配列中心に位置しており、前記複数の仮想受信焦点の位置が、前記配列中心から前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの距離が前記配列中心から前記基準点までの距離と等しくなるように、設定されている態様とできる。 【0016】 また、上記本発明における超音波診断装置においては、前記第2の遅延加算部が、前記基準点までの伝搬時間を算出する第1の伝搬時間演算回路と、前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間を算出する第2の伝搬時間演算回路と、前記差を算出する減算回路とを備えている態様とすることもできる。 【0017】 更に、上記本発明における超音波診断装置においては、前記第2の遅延加算部が、前記基準点までの伝搬時間又は前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間を算出する伝搬時間演算回路と、前記基準点までの伝搬時間及び前記複数の仮想受信焦点それぞれまでの伝搬時間のうち一方の伝搬時間を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記一方の伝搬時間と他方の伝搬時間とから前記差を算出する減算回路とを備えている態様とすることもできる。 【0018】 また、上記本発明における超音波診断装置においては、前記複数の仮想受信焦点の配置が、前記送信音線軸を基準に線対称となるように設定されており、前記第2の遅延加算部が、更に、符号反転回路を備え、前記符号反転回路は、互いに線対称の位置関係にある一対の仮想受信焦点のうち一方の仮想受信焦点について前記差が算出された場合に、算出した差の符号を反転させることによって、他方の仮想受信焦点についての前記差を算出する態様とすることもできる。 【0019】 更に、上記本発明における超音波診断装置においては、前記第2の遅延加算部が、更に、乗算回路を備え、前記乗算回路は、前記複数の仮想受信焦点のうちの少なくとも一つについて前記差が算出された場合に、算出した差に予め設定された定数を乗じることによって、他の仮想受信焦点についての前記差を算出する態様とすることもできる。 【0020】 また、上記本発明における超音波診断装置においては、前記複数のトランスデューサが複数のグループにグループ分けされ、前記各グループは、前記複数のグループの配列が第1の方向及び第2の方向に沿ったマトリックス状となるように、隣り合う前記トランスデューサで構成され、更に、前記グループ毎に複数の整相加算部が備えられており、前記整相加算部は対応するグループを構成するトランスデューサによって検出された信号を整相加算し、これを前記第1の遅延加算部に出力し、前記第1の遅延加算部が、前記整相加算部が出力した信号に対して遅延加算処理を行い、前記設定部が、前記仮想軸が通る又は前記仮想軸と隣接する複数のグループそれぞれの中心と前記仮想軸とを最短の線分で結んだときの、前記線分と前記仮想軸との複数の交点を求める態様とすることもできる。 【発明の効果】 【0021】 以上のように、本発明における超音波診断装置によれば、一回の超音波ビームの送信で複数の受信ビームを形成する並列受信処理を行う場合に、従来に比べて、後段の遅延加算処理における遅延時間を簡単に算出することができる。よって、後段の遅延加算処理にかかる時間を短縮化することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 (実施の形態1) 以下、本発明の実施の形態1における超音波診断装置について、図1〜図8を参照しながら説明する。最初に、図1及び図2を用いて超音波診断装置の構成について説明する。図1は、実施の形態1における超音波診断装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。図2は、実施の形態1における超音波診断装置の探触子と遅延加算部の構成を示す斜視図である。 【0023】 図1に示すように、本実施の形態1における超音波診断装置は、探触子2と、第1の遅延加算部3と、第2の遅延加算部4と、設定部5と、送信パルス発生部6と、画像処理部7と、表示部8とを備えている。また、超音波診断装置は、一回の超音波ビーム9の送信で複数の受信ビーム10を形成する並列受信処理を行う。図1においてFは超音波ビーム9の焦点面を示している。 【0024】 送信パルス発生部6は、送信パルスを生成し、これを、探触子2を構成する複数のトランスデューサ1(図2参照)に出力する。この結果、探触子2から診断対象に向けて超音波ビームが照射される。第1の遅延加算部3及び第2の遅延加算部4は、超音波ビーム9の焦点面Fで反射された超音波エコーについて遅延加算処理を行って複数の受信ビーム10を形成する。なお、第1の遅延加算部3及び第2の遅延加算部4による遅延加算処理については後述する。 【0025】 画像処理部7は、第1の遅延加算部3及び第2の遅延加算部4によって形成された受信ビーム10に基づいて、走査対象となった部位の断層画像を形成する。表示部8は、断層画像を表示するための表示装置である。表示装置としては、例えばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等が挙げられる。 【0026】 また、図2に示すように、本実施の形態1においては、探触子2は2次元アレイである。複数のトランスデューサ1は、互いに直交する第1の方向(x方向)及び第2の方向(y方向)に沿ってマトリックス状に配列されている。各トランスデューサ1が超音波エコーを受信することによって検出した信号は、トランスデューサ1毎に信号線13を介して第1の遅延加算部3へと出力される。 【0027】 第1の遅延加算部3は、各トランスデューサ1が検出した信号に対して遅延加算処理を行って、x方向に沿って並ぶ複数の受信ビームを形成する。また、第2の遅延加算部4は、第1の遅延加算部3によって遅延加算処理が行われた信号に対して遅延加算処理を行って、第1の遅延加算部3が形成した複数の受信ビームそれぞれをy方向に沿って並ぶ複数の受信ビームに分割する。 【0028】 本実施の形態1においては、第1の遅延加算部3は、x方向のトランスデューサ1の列数と同数の第1の遅延加算回路11を備えている。x方向において同列にある複数のトランスデューサ1が検出した信号は一つのまとまりとして、一の第1の遅延加算回路11によって遅延加算処理される。このため、第1の遅延加算部3によってx方向に並ぶ複数の受信ビームが形成されることになる。 【0029】 また、各第1の遅延加算回路11によって処理された信号は、信号線14を介して、第2の遅延加算部4へと出力される。各第1の遅延加算回路11の出力チャンネル数は、形成される受信ビームの数に合わせて設定されている。図2の例では、後述するように第1の遅延加算部3が形成する受信ビームの数が4本であるため、各第1の遅延加算回路11の出力チャンネル数は「4」となっている。 【0030】 また、本実施の形態1において、第2の遅延加算部4は、第1の遅延加算回路11のチャンネル数と同数の第2の遅延加算回路12を備えている。図2の例では、遅延回路12の数は「4」である。また、x方向において同位置にある各第1の遅延加算回路11の出力チャンネルは、一つのまとまりとして、同一の第2の遅延加算回路12に信号線14によって接続されている。なお、図2中の最も左側に記載の第2の遅延加算回路12における「1、2、・・・16」は、入力チャンネル番号を示している。 【0031】 このため、第1の遅延加算部3で形成された受信ビームは分割され、y方向に並ぶ複数の受信ビームが形成されることになる。図2の例では、後述するように第2の遅延加算部4は、第1の遅延加算部3が形成した受信ビームを四つに分割するため、各第2の遅延加算回路12の出力チャンネル数は「4」となっている。 【0032】 設定部5は、第1の遅延加算部3及び第2の遅延加算部4が遅延加算処理する際に必要となる点の座標を設定し、これを第1の遅延加算部3と第2の遅延加算部4とに出力する。本実施の形態1においては、設定部5は、超音波ビームの送信音線軸上の基準点や、各受信ビームの受信焦点等の座標を設定する。なお、この点については後述する。 【0033】 次に、図3〜図6を用いて、設定部5による座標の設定と、第1の遅延加算部3及び第2の遅延加算部4による遅延加算処理とについて更に具体的に説明する。図3は、実施の形態1における超音波診断装置の第1の遅延加算部による遅延加算処理のために設定される受信焦点を示す斜視図である。 【0034】 図3に示すように、設定部5は、超音波ビームの送信音線軸16と、その上に位置する基準点17と、第1の遅延加算部3が形成する複数の受信ビームの受信焦点Fx_1〜Fx_4とを設定する。図3の例では、設定部5は、探触子2の送受波面との交点が複数のトランスデューサ1の配列中心19となるように、送信音線軸16を設定する。また、設定部5は、超音波ビームの焦点面F(図1参照)と送信音線軸16との交点を基準点17として設定する。 【0035】 更に、設定部5は、受信焦点Fx_1〜Fx_4を通る仮想線18が、送信音線軸16と交わり、y方向に垂直となるように、受信焦点Fx_1〜Fx_4を設定している。また、図3の例では、設定部5は、受信焦点Fx_1〜Fx_4の配置が、送信音線軸16を基準に線対称となり、受信焦点Fx_2とFx_3とを結ぶ線が送信音線軸16上の基準点17の近傍を通過するように設定を行っている。 【0036】 なお、図3の例では、仮想線18は直線であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、仮想線18は、配列中心19を中心とした円弧であって良い。この場合、受信焦点Fx_1〜Fx_4の位置は、配列中心19から各受信焦点までの距離と配列中心19から基準点17までの距離とが等しくなるように設定される。また、仮想線18が直線の場合であっても、実際には、配列中心19から各受信焦点までの距離と配列中心19から基準点17までの距離とは等しいとみなすことができる。 【0037】 その後、設定部5は、受信焦点Fx_1〜Fx_4の座標と、基準点17の座標とを、第1の遅延加算部3を構成する各第1の遅延加算回路11に出力する。これにより、各第1の遅延加算回路11は、信号線13によって接続された各トランスデューサ1について、遅延時間を算出する。 【0038】 具体的には、第1の遅延加算回路11は、接続されている各トランスデューサ1について、基準点17までの伝搬時間と受信焦点Fx_1〜Fx_4までの伝搬時間とを算出する。更に、第1の遅延加算回路11は、接続されている各トランスデューサ1について、受信焦点Fx_1〜Fx_4毎に、受信焦点までの伝搬時間と基準点17までの伝搬時間との差を算出し、算出した差にバイアスデータを加えて正の値とする。このようにして求められた値が、遅延時間となる。 【0039】 更に、各第1の遅延加算回路11は、算出した遅延時間を用いて、トランスデューサ1が検出した信号に対して遅延処理を行い、更に遅延処理した信号を整相加算して加算処理を行う。 【0040】 図4は、実施の形態1における超音波診断装置の第2の遅延加算部による遅延加算処理のために設定される受信焦点を示す斜視図である。図5は、図4に示す仮想軸とトランスデューサとを拡大して示す図である。 【0041】 図4に示すように、設定部5は、図3に示した点に加え、第2の遅延加算部4が形成する複数の受信ビームの受信焦点Fy_1〜Fy_4と、仮想軸21との設定も行う。設定部5は、受信焦点Fy_1〜Fy_4を通る仮想線20が、送信音線軸16と交わり、且つ、x方向に垂直となるように、受信焦点Fy_1〜Fy_4を設定する。 【0042】 なお、第2の遅延加算部4は第1の遅延加算部3が遅延加算処理した信号に対して遅延加算処理を行う。このため、受信焦点Fy_1〜Fy_4は、実際の受信ビームの受信焦点ではなく、仮想の受信焦点(仮想受信焦点)である。この点については後述する。 【0043】 図4の例においても、設定部5は、受信焦点Fy_1〜Fy_4の配置が、送信音線軸16を基準に線対称となり、受信焦点Fy_2とFy_3とを結ぶ線が送信音線軸16上の基準点17の近傍を通過するように設定を行っている。 【0044】 なお、図4の例でも、図3の例と同様に、仮想線20は直線であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、仮想線20も、配列中心19を中心とした円弧であって良い。この場合、受信焦点Fy_1〜Fy_4の位置も、配列中心19から各受信焦点までの距離と配列中心19から基準点17までの距離とが等しくなるように設定される。また、仮想線20が直線の場合であっても、実際には、配列中心19から各受信焦点までの距離と配列中心19から基準点17までの距離とは等しいとみなすことができる。 【0045】 また、設定部5は、送信音線軸26と探触子2の送受波面との交点(配列中心19)を通り、y方向と並行となるように仮想軸(y´軸)21を設定する。更に、図5に示すように、設定部5は、仮想軸21を設定した後、仮想軸21と隣接する複数のトランスデューサ1それぞれの中心22と仮想軸21とを最短の線分24で結んだときの、線分24と仮想軸21との複数の交点23を求める。なお、仮想軸21がトランスデューサ1上を通るときは、設定部5は、仮想軸21が通るトランスデューサ1について交点を求めることになる。 【0046】 その後、設定部5は、受信焦点Fy_1〜Fy_4の座標と、基準点17の座標と、複数の交点23の座標とを、第2の遅延加算部4を構成する各第2の遅延加算回路12に出力する。これにより、各第2の遅延加算回路12は、遅延時間を算出し、遅延加算処理を行う。 【0047】 以下に、第2の遅延加算回路12による遅延時間の算出について図6を用いて説明する。図6は、第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図である。なお、図6においては、第2の遅延加算回路12の一部分のみが示されている。また、以下の説明においては、適宜、図2、図4及び図5を参酌する。 【0048】 図6に示すように、第2の遅延加算回路12(図2参照)は、伝搬時間演算回路25と、基準伝搬時間演算回路26と、減算回路27と、加算回路28とを備えている。伝搬時間演算回路25には、設定部5が出力した、受信焦点Fy_1〜Fy_4の座標と、仮想軸21上の複数の交点23の座標とが入力される。伝搬時間演算回路25は、入力された座標に基づき、各交点23について、各交点23から受信焦点Fy_1〜Fy_4それぞれまでの超音波の伝搬時間(焦点伝搬時間)を算出する。伝搬時間演算回路25は、算出した焦点伝搬時間を減算回路27に出力する。 【0049】 基準伝搬時間演算回路26には、設定部5が出力した、基準点17の座標と、仮想軸21上の複数の交点23の座標とが入力される。基準伝搬時間演算回路26は、各交点23から基準点17までの超音波の伝搬時間(基準伝搬時間)を算出する。基準伝搬時間演算回路26は、算出した基準伝搬時間を減算回路27に出力する。 【0050】 減算回路27は、伝搬時間演算回路25によって算出された全ての焦点伝搬時間について、交点23毎に、基準伝搬時間との差を算出する。また、減算回路27は、算出した焦点伝搬時間と基準伝搬時間との差を加算回路28に出力する。加算回路28は、入力された差にバイアスデータを加えて正の値とし、得られた値を遅延時間として出力する。その後、第2の遅延加算回路12は、加算回路28から出力された遅延時間を用いて、遅延加算処理を行う。 【0051】 図7は、図6に示す減算回路8の出力の一例を示す図である。図7において、横軸は、第2の遅延加算部4を構成する第2の遅延加算回路12の入力チャンネル番号1〜16を示している。縦軸は、図5に示す減算回路8の出力(遅延時間)を示している。また、図7中に示す各出力はそれぞれ焦点座標Fy_1〜Fy_4の場合に対応している。 【0052】 図7に示すように、減算回路8の出力において、Fy_1における値とFy_4における値とは、符号が反転した関係にある。同様に、Fy_2における値とFy_3における値も、符号が反転した関係にある。更に、図7に示すように、例えばFy_1における値に1/3を乗じれば、入力チャンネルが同じ場合のFy_2における値を近似的に求めることができる。同様に、Fy_4における値に1/3を乗じれば、入力チャンネルが同じ場合のFy_3における値を近似的に求めることができる。 【0053】 また、上述したように、第2の遅延加算部4を構成する第2の遅延加算回路12は、第1の遅延加算部3が遅延加算処理した信号に対して加算処理を行うため、第1の遅延加算部3が形成した受信ビームは分割される。本実施の形態1においては、第1の遅延加算部3が形成した受信ビームは4つに分割され、微小角の4方向に偏向される。具体的には、図8に示すように、最終的に形成された受信ビームの受信焦点29の位置は、受信焦点Fx_1〜Fx_4及びFy_1〜Fy_4から偏向した位置となる。 【0054】 このように、本実施の形態1においては、第2の遅延加算部4が形成する受信ビームは16(4×4)本となる。つまり、結果的に、本実施の形態における超音波診断装置においては、第1の遅延加算部3と第2の遅延加算部4とによって、4×4の2次元遅延加算出力が得られる。 【0055】 以上のように本実施の形態1における超音波診断装置によれば、第2の遅延加算部4による後段の遅延加算処理において、遅延時間を簡単に算出することができる。よって、第2の遅延加算部4による遅延加算処理にかかる時間を短縮化することができる。 【0056】 (実施の形態2) 次に、本発明の実施の形態2における超音波診断装置について、図9を参照しながら説明する。本実施の形態2における超音波診断装置は、第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の構成が異なる以外は、実施の形態1における超音波診断装置と同様に構成されている。図9は、実施の形態2における超音波診断装置の第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図である。 【0057】 なお、図9においても、図6と同様に、第2の遅延加算回路の一部分のみが示されている。また、図9において図6で用いられた符号が付された部分は、図6において同一の符号が付された部分と同様の部分である。更に、以下の説明においては、適宜図4及び図5を参酌する。 【0058】 図9に示すように、本実施の形態2においては、第2の遅延加算回路は、基準伝搬時間演算回路(図6参照)を備える代わりに、メモリ(記憶手段)32を備えている。また、伝搬時間演算回路31に、設定部5が出力した、受信焦点Fy_1〜Fy_4(図4参照)の座標と、仮想軸21上の複数の交点23(図5参照)の座標と、基準点17の座標(図4参照)とが入力される。 【0059】 伝搬時間演算回路31は、先ず、各交点23から基準点17までの超音波の伝搬時間(基準伝搬時間)を算出する。伝搬時間演算回路31は、算出した基準伝搬時間をメモリ32に出力し、これを格納させる。次に、伝搬時間演算回路31は、各交点23について、各交点23から受信焦点Fy_1〜Fy_4それぞれまでの超音波の伝搬時間(焦点伝搬時間)を算出する。伝搬時間演算回路31は、算出した焦点伝搬時間を減算回路27に出力する。 【0060】 減算回路27は、メモリ32に格納されている基準伝搬時間を読み出し、伝搬時間演算回路31によって算出された全ての焦点伝搬時間について、交点23毎に、基準伝搬時間との差を算出する。また、減算回路27は、算出した焦点伝搬時間と基準伝搬時間との差を加算回路28に出力する。加算回路28は、入力された差にバイアスデータを加えて正の値とし、得られた値を遅延時間として出力する。その後、実施の形態1と同様に、本実施の形態2においても、第2の遅延加算回路は、加算回路28から出力された遅延時間を用いて、遅延加算処理を行う。 【0061】 以上のように、本実施の形態2における超音波診断装置においては、第2の遅延加算回路は、基準伝搬時間演算回路の代わりにメモリを備えている。このため、本実施の形態2における超音波診断装置によれば、第2の遅延加算回路の構成を実施の形態1に比べて簡略化でき、超音波診断装置のコストの低減や処理速度の向上を図ることができる。 【0062】 また、本実施の形態2における超音波診断装置においても、実施の形態1における超音波診断装置と同様に、従来に比べて、第2の遅延加算部による後段の遅延加算処理において、遅延時間を簡単に算出することができる。よって、第2の遅延加算部による遅延加算処理にかかる時間を短縮化することができる。 【0063】 (実施の形態3) 次に、本発明の実施の形態3における超音波診断装置について、図10を参照しながら説明する。図10は、実施の形態3における超音波診断装置の第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図である。 【0064】 なお、図10においても、図6と同様に、第2の遅延加算回路の一部分のみが示されている。また、図10において図9で用いられた符号が付された部分は、図9において同一の符号が付された部分と同様の部分である。更に、以下の説明においては、適宜図4及び図5を参酌する。 【0065】 図10に示すように、本実施の形態3における超音波診断装置においては、第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路は、符号変換回路33を備えている。なお、これ以外は、実施の形態2における超音波診断装置と同様に構成されている。 【0066】 本実施の形態3においては、減算回路27によって算出された焦点伝搬時間と基準伝搬時間との差は、符号変換回路33へと出力される。符号変換回路33は、互いに線対称の位置関係にある一対の受信焦点(例えばFy_1とFy_4、又はFy_2とFy_3)のうち一方の受信焦点について差が算出された場合に、算出した差の符号を反転させて、他方の仮想受信焦点についての差を算出する。 【0067】 具体的には、実施の形態1において図7に示したように、Fy_1における値とFy_4における値とは符号が反転した関係にある。よって、符号変換回路33は、受信焦点Fy_1についての差が出力されてきた場合は、出力されてきた値の符号を変換しないで加算回路28に出力すると共に、出力されてきた値の符号を変換した値を受信焦点Fy_4の値として加算回路28に出力する。 【0068】 同様に、図7から分かるように、Fy_2における値とFy_3における値も符号が反転した関係にある。よって、符号変換回路33は、受信焦点Fy_2についての差が出力されてきた場合は、出力されてきた値の符号を変換しないで加算回路28に出力すると共に、出力されてきた値の符号を変換した値を受信焦点Fy_3の値として加算回路28に出力する。 【0069】 加算回路28は、入力された差にバイアスデータを加えて正の値とし、得られた値を遅延時間として出力する。その後、実施の形態1と同様に、本実施の形態3においても、第2の遅延加算回路は、加算回路28から出力された遅延時間を用いて、遅延加算処理を行う。 【0070】 以上のように、本実施の形態3における超音波診断装置は、第2の遅延加算回路が符号変換回路33を備えるため、実施の形態1及び2に比べて、第2の遅延加算回路が行う演算処理の回数を減らすことができる。このため、本実施の形態3における超音波診断装置によれば、実施の形態1及び2に比べて更なる処理速度の向上を図ることができる。 【0071】 また、本実施の形態3における超音波診断装置においても、実施の形態1における超音波診断装置と同様に、従来に比べて、第2の遅延加算部による後段の遅延加算処理において、遅延時間を簡単に算出することができる。よって、第2の遅延加算部による遅延加算処理にかかる時間を短縮化することができる。 【0072】 (実施の形態4) 次に、本発明の実施の形態4における超音波診断装置について、図11を参照しながら説明する。図11は、実施の形態4における超音波診断装置の第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図である。 【0073】 なお、図11においても、図6と同様に、第2の遅延加算回路の一部分のみが示されている。また、図11において図9で用いられた符号が付された部分は、図9において同一の符号が付された部分と同様の部分である。更に、以下の説明においては、適宜図4及び図5を参酌する。 【0074】 図11に示すように、本実施の形態4における超音波診断装置においては、第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路は、乗算換回路34を備えている。なお、これ以外は、実施の形態2における超音波診断装置と同様に構成されている。 【0075】 本実施の形態4においては、減算回路27によって算出された焦点伝搬時間と基準伝搬時間との差は、乗算回路34へと出力される。乗算回路34は、受信焦点Fy_1〜Fy_4のうち少なくとも一つについて、焦点伝搬時間と基準伝搬時間との差が算出された場合に、算出した差に予め設定された定数を乗じることによって、他の受信焦点についての差を算出する。 【0076】 具体的には、実施の形態1において図7に示したように、Fy_1における値に1/3を乗じれば、入力チャンネルが同じ場合のFy_2における値を近似的に求めることができる。よって、乗算回路34は、受信焦点Fy_1についての差が出力されてきた場合は、出力されてきた値をそのまま加算回路28に出力すると共に、出力されてきた値に定数(1/3)を乗じ、得られた値を受信焦点Fy_2の値として加算回路28に出力する。 【0077】 同様に、図7から分かるように、Fy_4における値に1/3を乗じれば、入力チャンネルが同じ場合のFy_3における値を近似的に求めることができる。よって、乗算回路34は、受信焦点Fy_4についての差が出力されてきた場合は、出力されてきた値をそのまま加算回路28に出力すると共に、出力されてきた値に定数(1/3)を乗じ、得られた値を受信焦点Fy_3の値として加算回路28に出力する。 【0078】 加算回路28は、入力された差にバイアスデータを加えて正の値とし、得られた値を遅延時間として出力する。その後、実施の形態1と同様に、本実施の形態4においても、第2の遅延加算回路は、加算回路28から出力された遅延時間を用いて、遅延加算処理を行う。 【0079】 以上のように、本実施の形態4における超音波診断装置においては、第2の遅延加算回路に乗算回路34が備えられている。このため、本実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、実施の形態1及び2に比べて、第2の遅延加算回路が行う演算処理の回数を減らすことができる。このため、本実施の形態4における超音波診断装置においても、実施の形態1及び2に比べて更なる処理速度の向上を図ることができる。 【0080】 また、本実施の形態4における超音波診断装置においても、実施の形態1における超音波診断装置と同様に、従来に比べて、第2の遅延加算部による後段の遅延加算処理において、遅延時間を簡単に算出することができる。よって、第2の遅延加算部による遅延加算処理にかかる時間を短縮化することができる。 【0081】 (実施の形態5) 次に、本発明の実施の形態の5における超音波診断装置について、図12及び図13を参照しながら説明する。図12は、実施の形態5における超音波診断装置の探触子を示す斜視図である。図13は、実施の形態5における超音波診断装置の探触子と第1の遅延加算部との構成を示すブロック図である。なお、図12において図3及び図4で用いられた符号が付された部分は、図3及び図4において同一の符号が付された部分と同様の部分である。 【0082】 図12に示すように、本実施の形態5においても、実施の形態1と同様に、探触子2は複数のトランスデューサ1をx方向及びy方向に沿ってマトリックス状に配列して構成されている。また、本実施の形態5における超音波診断装置も、実施の形態1における超音波診断装置と同様に、第1の遅延加算部、第2の遅延加算部、設定部、画像処理部、及び表示部(図1参照)を備えている。 【0083】 但し、図12に示すように、本実施の形態5においては、実施の形態1と異なり、複数のトランスデューサ1は、複数のグループ35にグループ分けされている。また、各グループ35は、隣り合うトランスデューサ1で構成されており、複数のグループ35の配列はx方向及びy方向に沿ったマトリックス状となっている。図12の例では、各グループ34は隣り合う4個のトランスデューサ1で構成されている。 【0084】 また、図13に示すように、本実施の形態5における超音波診断装置は、グループ35毎に複数の整相加算部36を備えている。整相加算部36は、対応するグループを構成するトランスデューサ(P1〜P4)1によって検出された信号を整相加算し、整相加算した信号を第1の遅延加算回路11に出力する。 【0085】 なお、図13の例では、整相加算部36は、回路規模が小さいため、超音波診断装置の操作者が手に持って操作するプローブハンドル37に備えられている。また、プローブハンドル37には探触子2も備えられている。 【0086】 このため、本実施の形態1においては、第1の遅延加算回路11は、整相加算部36が出力した信号に対して遅延加算処理を行う。また、設定部(図1参照)は、実施の形態1と同様に仮想軸21(y´軸)を設定する。但し、設定部は、仮想軸21が通る又は仮想軸21と隣接する複数のグループ35それぞれの中心38と仮想軸21とを最短の線分で結んだときの、この線分と仮想軸21との複数の交点39を求める。更に、第2の遅延加算部4は、各交点39について、焦点伝搬時間と基準伝搬時間とを算出する。 【0087】 なお、本実施の形態5における超音波診断装置は、上述した点以外は、実施の形態1における超音波診断装置と同様に構成されており、又同様に機能する。つまり、本実施の形態5においても、設定部によって受信焦点Fx_1〜Fx_4(図3参照)及びFy_1〜Fy_4(図4参照)が設定される。第1の遅延加算部(第1の遅延加算回路11)及び第2の遅延加算部(第2の遅延加算回路)は、これらの受信焦点に基づいて遅延加算処理を行う。 【0088】 このように本実施の形態5においては、トランスデューサ1がグループ化されるため、探触子2と第1の遅延加算部(第1の遅延加算回路11)とを接続する信号線13の本数を実施の形態1に比べて少なくすることができる。よって、本実施の形態5における超音波診断装置を用いれば、第1の遅延加算回路11を構成する回路の数を低減できるため、チップ面積の縮小化を図ることができる。また、このため、第1の遅延加算部と第2の遅延加算部として機能するチップの実装を容易に高密度化できる。 【産業上の利用可能性】 【0089】 以上のように、本発明における超音波診断装置によれば、後段の遅延加算処理にかかる時間を短縮化することができる。このため、本発明における超音波診断装置は、被検体を3次元的に走査して、3次元画像を表示する場合に有用となる。 【図面の簡単な説明】 【0090】 【図1】実施の形態1における超音波診断装置の全体構成を概略的に示すブロック図 【図2】実施の形態1における超音波診断装置の探触子と遅延加算部の構成を示す斜視図 【図3】実施の形態1における超音波診断装置の第1の遅延加算部による遅延加算処理のために設定される受信焦点を示す斜視図 【図4】実施の形態1における超音波診断装置の第2の遅延加算部による遅延加算処理のために設定される受信焦点を示す斜視図 【図5】図4に示す仮想軸とトランスデューサとを拡大して示す図 【図6】第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図 【図7】図6に示す減算回路8の出力の一例を示す図 【図8】仮想の受信焦点と実際の受信焦点とを対比して示す図 【図9】実施の形態2における超音波診断装置の第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図 【図10】実施の形態3における超音波診断装置の第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図 【図11】実施の形態4における超音波診断装置の第2の遅延加算部を構成する第2の遅延加算回路の回路構成を示すブロック図 【図12】実施の形態5における超音波診断装置の探触子を示す斜視図 【図13】実施の形態5における超音波診断装置の探触子と第1の遅延加算部との構成を示すブロック図 【図14】従来の超音波診断装置の概略構成を示す構成図 【符号の説明】 【0091】 1 トランスデューサ 2 探触子 3 第1の遅延加算部 4 第2の遅延加算部 5 設定部 6 送信パルス発生部 7 画像処理部 8 表示部 9 超音波ビーム 10 受信ビーム 11 第1の遅延加算回路 12 第2の遅延加算回路 13、14、15 信号線 16 送信音線軸 17 基準点 18、20 受信焦点を通る仮想線 19 配列中心 21 仮想軸 22 トランスデューサの中心 23 交点 24 トランスデューサの中心と仮想軸とを最短で結ぶ線分 25、31 伝搬時間演算回路 26 基準伝搬時間演算回路 27 減算回路 28 加算回路 29 最終的に形成された受信ビームの受信焦点 32 メモリ 33 符号変換回路 34 乗算回路 35 グループ 36 整相加算部 37 プローブハンドル 38 グループの中心 39 グループの中心と仮想軸とを最短で結ぶ線分の仮想軸上の交点 Fx_1〜Fx_4、Fy_1〜Fy_4 受信焦点
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
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| 【出願日】 |
平成16年12月16日(2004.12.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000040 【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
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| 【公開番号】 |
特開2006−167206(P2006−167206A) |
| 【公開日】 |
平成18年6月29日(2006.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願2004−364761(P2004−364761) |
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