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【発明の名称】 超音波画像診断装置
【発明者】 【氏名】戸村 英輔
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地 東芝医用システムエンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】胎児発育曲線のユーザによるカスタマイズを容易にすること。

【解決手段】妊婦に対して送波した超音波の反射信号に基づき、胎児の発育状況を計測する機能を備えた超音波画像診断装置において、計測した胎児の発育データを入力するための表示画面に、データエリア81への発育データの入力に応動して胎児発育曲線を表示させるプレビュー画面82を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
妊婦に対して送波した超音波の反射信号に基づき、胎児の発育状況を計測する機能を備えた超音波画像診断装置において、
計測した胎児の発育データを入力するための表示画面に、当該発育データの入力に応動して胎児発育曲線を表示させるプレビュー画面を設けたことを特徴とする超音波画像診断装置。
【請求項2】
前記発育データの入力に応じて、当該入力データをそれより前のデータと比較することにより、当該入力データの適否を判断する判断手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。
【請求項3】
前記入力データの適否を判断する判断手段によって、当該入力データが不適切と判断されたときに、前記入力データおよび/または前記胎児発育曲線の該当個所を警告表示することを特徴とする請求項2に記載の超音波画像診断装置。
【請求項4】
前記プレビューされた前記胎児発育曲線の確定操作によって、前記胎児の発育データを入力するための表示画面を終了させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の超音波画像診断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、胎児発育計測機能を備えた超音波画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像診断装置は、被検体へ超音波を送波するとともに、その超音波の生体からの反射波を受信し、その受信信号を基に超音波画像を生成することにより、生体の軟部組織の断層像(Bモード)を観察したり、その1ラインの組織像を時間軸に沿って平行に配列することにより当該組織の経時的な形態変化(Mモード)を詳細に観察したりすることができる。そして、その活用範囲は広く、心臓、腹部、乳腺、泌尿器、産科、婦人科などの領域に及んでいる。
【0003】
また、このような超音波画像診断装置の多くは、Bモード像から距離、面積、容積などの構造的な寸法を計測したり、Mモード像から時間的な変化量を計測したりすることが可能であり、そのための計測用アプリケーションプログラムが各種提供されている。このような計測機能は、最近では診断領域に応じて専用化が進んでおり、例えば産科領域(OB:Obstertics)における胎児発育計測では、例えば次のような項目等についての計測がなされている。
【0004】
BPD: 児頭大横径 CRL: 胎児頭腎長 Foot: 児足長
HA: 児頭断面積 HC: 児頭周囲長 OFD: 児頭前後径
そしてこれらの計測項目は、妊娠週数に沿ってトレンド表示することによって、胎児の発育度合いをグラフィカルに確認できるようになっている。このようなグラフを胎児発育曲線と称し、平均的な胎児発育曲線上に、当該胎児の計測結果をプロットすることによって当該胎児の発育状況を容易に確認することができ、当該胎児の発育曲線と平均的な発育曲線とを比較して表示することもできる(例えば、特許文献1参照。)。
なお、胎児発育曲線は、一般に知られている平均的な胎児発育曲線の他に、ユーザが文献や自身で得た統計データを入力することによってカスタマイズしたものを使用することも可能となっている。
【特許文献1】特開2001−120544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の胎児発育計測機能における胎児発育曲線ユーザ登録アプリケーションでは、登録のユーザインターフェースによってデータ入力はサポートされているものの、入力したデータを胎児発育曲線として即座に表示させることができなかった。すなわち、入力したデータを胎児発育曲線としてグラフィカルに確認するためには、入力したデータの登録を完了させ、その後に胎児発育計測機能を起動し、その機能の一部であるトレンドグラフ機能によって表示させなければならなかった。
【0006】
そのため、データ入力後に胎児発育曲線を表示させたときに、ユーザの意図しなかったような異常な胎児発育曲線が表示された場合に、初めてデータ入力に誤りがあったことに気付くことが多く、その場合には、再度胎児発育曲線ユーザ登録アプリケーションによって、誤りを訂正し上で胎児発育曲線を表示させてグラフィカルに確認するという手順を踏む必要があり、ユーザにとって操作が煩わしいものであった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、妊婦に対して送波した超音波の反射信号に基づき、胎児の発育状況を計測する機能を備えた超音波画像診断装置において、計測した胎児の発育データを入力するための表示画面に、当該発育データの入力に応動して胎児発育曲線を表示させるプレビュー画面を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波画像診断装置において、前記発育データの入力に応じて、当該入力データをそれより前のデータと比較することにより、当該入力データの適否を判断する判断手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の超音波画像診断装置において、前記入力データの適否を判断する判断手段によって、当該入力データが不適切と判断されたときに、前記入力データおよび/または前記胎児発育曲線の該当個所を警告表示することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の超音波画像診断装置において、前記プレビューされた前記胎児発育曲線の確定操作によって、前記胎児の発育データを入力するための表示画面を終了させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記課題を解決するための手段の項にも示したとおり、本発明の特許請求の範囲に記載する各請求項の発明によれば、次のような効果を奏する。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、胎児発育曲線の作成に当り、ユーザがデータ入力した結果がプレビュー画面として表示されるので、このプレビュー画面を見て即座に内容を確認することができる。よって、ミスがあればデータの入力中に誤りに気付くことができて、即座に修正することが可能なのでユーザ登録の操作性が向上する。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、入力したデータの特異点や標準から外れた値などを自動的に判断するので、作成する胎児発育曲線の信頼性を向上することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、入力したデータの特異点や標準から外れた値などを自動的に判断して、当該入力データが不適切と判断されたときに、プレビューされている胎児発育曲線上に警告を発することにより、特異点の見落としなどを軽減することができ、作成する胎児発育曲線の信頼性が向上される。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、胎児の発育データを入力するための表示画面を終了させるに際し、手順としてプレビューされた胎児発育曲線の確定操作をすることになるので、ユーザへの確認操作を兼ねることができ誤りの防止を確実にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る超音波画像診断装置の一実施の形態について、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、胎児発育計測機能を備えた本発明に係る超音波画像診断装置の一実施例の概略構成を示した系統図である。この超音波画像診断装置は、超音波プローブ1、送受信制御部(以下、T/R部と称する。)2、信号処理部3、デジタルスキャンコンバーター部(以下、DSCと称する。)4、モニタ5、ホストシステム6、パネルサブシステム7、胎児発育計測部8などを備えている。
【0019】
この超音波画像診断装置は、T/R部2により制御される超音波プローブ1を介して、図示しない妊婦に対して超音波を送波するとともに、その反射波を受波する。超音波プローブ1で受波された信号は、T/R部2を経て信号処理部3へ供給される。信号処理部3は、T/R部2から得られた受波信号に基づいて、妊婦および胎児を表す例えばBモードの超音波画像を生成する。そして、生成されたBモードの超音波画像は、DSC4によってTVフォーマットのビデオ信号に変換されてモニタ5に表示される。
【0020】
ホストシステム6は、超音波画像診断装置を構成する各ユニットを有機的に制御するものであり、CPUや記憶装置を備えている。このホストシステム6に接続されるパネルサブシステム7は、ユーザ(この場合は、妊婦の検診を行う医師である。)からの種々の指示入力を処理するものであり、入力手段として、タッチコマンドスクリーン、キーボード、マウス、トラックボールなどを備えている。
【0021】
胎児発育計測部8は、モニタ5に表示されるBモードの超音波画像にカーソルを当てて、例えば児頭大横径(BPD)、胎児頭腎長(CRL)、児足長(Foot)、児頭断面積(HA)、児頭周囲長(HC)、児頭前後径(OFD)などを計測したり、計測結果に基づき演算処理したりして夫々のデータを得るものである。そして、今回の計測結果をホストシステム6の計測結果保存部61に保存する。この計測結果保存部61には、過去の計測データも保存されている。
【0022】
また胎児発育計測部8には、計測結果を項目別にトレンドグラフとして表示する機能があり、計測結果保存部61に保存されている過去の計測データを読み出して、トレンドグラフ表示するとともに、それに今回の測定結果を付加することにより、ユーザは胎児の発育状況を容易に確認することができる。
【0023】
ところで、胎児の発育状況は、平均的な胎児発育曲線と比較することによって、当該胎児の発育が順調であるかどうかの判断が容易となる。そのため、計測結果保存部61には、平均的な胎児発育曲線を示すデータ(すなわち、妊娠週数に対する各部位の標準的な値。)を項目毎に記録することが可能であり、このデータを備えてあれば、胎児発育計測部8のトレンドグラフ表示機能により、当該胎児の発育曲線と平均的な胎児発育曲線との比較表示もできる。
【0024】
この平均的な胎児発育曲線としては種々のものが公表されており、適宜選択して利用することができるが、ユーザ自身が文献を調べたりユーザ自身が取った統計データに基づいて作成したりして、カスタマイズしたものを使用したいとの要望も根強いものがある。そこで本発明では、胎児発育計測部8に胎児発育曲線を容易にカスタマイズする機能を設けてある。
【0025】
図2は、胎児発育曲線のカスタマイズ機能を起動した際の、モニタ5に表示された胎児発育曲線作成画面の一例を示したものである。図2において、81はデータエリア、82はプレビュー画面であり、作成する胎児発育曲線の項目名(ここでは児頭大横径(BPD)となっている。)83や作成者名(ここではUS1。)
84が表示されるようになっている。また、データの単位を示す欄85や偏差を示す欄86の他、登録を実行させるOKボタン87、登録をキャンセルするCancelボタン88、データをクリアさせるAll Clearボタン89なども設けられている。
【0026】
データエリア81には、妊娠週数(GA)毎に、データ(Value)とその偏差値(SD(-)とSD(+))とを入力する欄があり、ユーザが所望のデータを各欄に入力することになる。すなわち、パネルサブシステム7のマウスを操作してカーソルを入力すべき欄に置き、キーボードによって所望のデータを入力し、キーボードのエンターキーを押して当該データの入力を確定させる。図2には、既に多数のデータが入力された状態が示されており、入力されたデータは順次プレビュー画面82に反映され、横軸を妊娠週数、縦軸を測定値とする胎児発育曲線として描画される。
【0027】
この妊娠週数毎のポイントデータを連続的な胎児発育曲線として描画させるには、例えば公知の直線補間技術やスプライン補間技術を適用すればよい。なお、入力データのプレビュー画面82への反映は、個々のデータ入力が確定した時点でも良いし、描画される胎児発育曲線を更新させるように、プレビュー画面82の更新ボタンを設けても良い。
【0028】
胎児発育曲線は、胎児の発育の過程を示すものであり、或る時点から小さくなったり、急激に大きくなったりすることはない。また、統計データは週単位に入力されるものである。従って、入力データを順次プレビュー画面82へ反映して胎児発育曲線として描画することによって、データの入力にミスがあれば、胎児発育曲線が滑らかな変化とはならず、凹凸が現れることになる。この変化からユーザはデータの入力にミスがあったことに素早く気付くことができ、即座に修正することが可能となる。
【0029】
入力ミスのあったデータを修正する際には、プレビュー画面82に表示されている胎児発育曲線の異常個所にカーソルを当てることによって、データエリア81の該当するデータリスト部分の表示を反転させたり、該当部分にカーソルが移動したりするようにすれば、訂正データを入力する個所を見つけるのが容易となる。逆に、データエリア81のデータにカーソルを当てたとき、プレビュー画面82に表示されている胎児発育曲線の対応する個所を点滅させるようにしても良い。
【0030】
また、異常個所をユーザがプレビュー画面82を見て判断するのではなく、異常データであることを自動的に検出して、その結果を胎児発育曲線作成画面に表示させるようにしても良い。
【0031】
その手段としては、ホストシステム6のもつ演算機能や比較機能を活用する。すなわち、胎児発育曲線は滑らかに変化するものであるから、過去の入力データから今回入力されるデータを演算により予測し、その予測値と今回の入力データとを比較器で比較して、その差が或る幅以上であれば入力データが異常であると判定する。またこのとき、警報を発するようにしても良い。また、平均的な胎児発育曲線と入力データとを比較器で比較することにより異常を発見することも可能である。そして、プレビュー画面82として表示されている胎児発育曲線上の異常個所を、矢印で示したり、その位置の表示色を変えたり、丸で囲んだり、警報音を発する等の手段を講じることにより、自動的にユーザに解り易く異常を知らせることができる。
【0032】
なお、入力データを登録するには、登録実行ボタン87をクリックすることによって、それまでの入力データが計測結果保存部61に保存され、この操作をすることによって、プレビュー画面82を更新させた上で胎児発育曲線作成画面を終了させる。このようにすると、終了前に更新された胎児発育曲線を再度ユーザが確認することができる。
【0033】
このような胎児発育曲線をユーザがカスタマイズする際の作業の流れをフローチャートに示すと図3のようになる。
【0034】
先ずユーザは、ステップ1として胎児発育曲線のカスタマイズ機能を起動して、モニタ5に胎児発育曲線作成画面を表示する。次に所望のデータをデータエリア81の所定欄に入力する(ステップ2)。このデータが入力されるとプレビュー画面82に胎児発育曲線が描画される(ステップ3)。よってユーザはこのプレビュー画面82を観察し(ステップ4)、入力に誤りがあると判断したときはステップ2へ戻って、間違いを訂正する。ステップ4での確認結果誤りを発見しなければステップ5へ進み、未入力データがあればステップ2へ戻って、全てのデータ入力が終るまでステップ2からステップ5までの操作を繰り返す。そして、全てのデータ入力が終り、入力に誤りがなければステップ6として入力データの登録操作を行い、完成した胎児発育曲線を計測結果保存部61に保存する。これによって胎児発育曲線の作成作業が終了する。
【0035】
以上詳述したように本発明によれば、胎児発育曲線の作成に当り、ユーザがデータ入力した結果がプレビュー画面として表示されるので、このプレビュー画面を見て即座に内容を確認することができる。よって、ミスがあればデータの入力中に誤りに気付くことができて、即座に修正することが可能なのでユーザ登録の操作性が向上する。また、入力したデータの特異点や標準から外れた値などを自動的に判断して、プレビューされている胎児発育曲線上に警告を発することにより、特異点の見落としなどを軽減し、そのデータが意図したものなのかデータ入力を誤ったものなのかの判断が容易となり、作成する胎児発育曲線の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る超音波画像診断装置の概略構成を示した系統図である。
【図2】モニタに表示された胎児発育曲線作成画面の一例を示した説明図である。
【図3】胎児発育曲線をカスタマイズする際の作業の流れを説明したフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 超音波プローブ
2 送受信制御部
3 信号処理部
4 デジタルスキャンコンバーター部
5 モニタ
6 ホストシステム
61 計測結果保存部
7 パネルサブシステム
8 胎児発育計測部
81 データエリア
82 プレビュー画面
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地
【識別番号】594164531
【氏名又は名称】東芝医用システムエンジニアリング株式会社
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地
【出願日】 平成16年12月16日(2004.12.16)
【代理人】 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩

【公開番号】 特開2006−167162(P2006−167162A)
【公開日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願番号】 特願2004−363923(P2004−363923)