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【発明の名称】 心拍計測装置
【発明者】 【氏名】中村 久夫
【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツル株式会社内

【要約】 【課題】心拍計測装置の防水性のチェックを製品出荷前だけでなくユーザの使用時にも簡単且つ確実に行えるようにすること。

【解決手段】不透明な硬質プラスチック製のケース1と裏蓋2、ケース1と裏蓋2とで形成する収納室に収納された回路基板6、回路基板6に取り付けられた各種の電子部品7、アンテナ8を有する心拍計測装置において、不透明ケース1の中央部に貫通穴14を設け、貫通穴14の外側開口部に透明部材3を液密に固着し、透明部材3の内面に発生した結露を観察して前記心拍計測装置の防水性をチェックできるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心拍計測回路等が不透明防水ケースに収納され使用時にユーザの胸部に装着される心拍計測装置において、前記不透明ケースの一部に貫通部を設け、前記貫通部に透明部材を液密に固着し、前記透明部材の内面に発生した結露を観察するようにしたことを特徴とする心拍計測装置。
【請求項2】
前記透明部材は前記貫通部の外側開口部に液密に固着されていることを特徴とする請求項1の心拍計測装置。
【請求項3】
前記透明部材の下面との間に空気が移動できる隙間を形成させて前記貫通部の内側開口部に遮蔽板を配置したことを特徴とする請求項2の心拍計測装置。
【請求項4】
前記透明部材の内面に湿度表示部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の心拍計測装置。
【請求項5】
前記湿度表示材は可逆性湿度表示材であることを特徴とする請求項4に記載の心拍計測装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、心拍計測回路等が不透明防水ケースに収納され使用時にユーザの胸部に装着される心拍計測装置に関し、特にその防水性チェックの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
心拍計測装置は、例えば特開平10−155753号公報(特許文献1)に開示されている如く、心拍計測回路、送信回路、制御回路、アンテナ、電池などの装置構成部が不透明防水ケース内に収納された電子装置である。心拍計測装置の心拍計測回路が計測した心拍データは、送信回路とアンテナを介して心拍数表示器に無線送信される。心拍数表示器は、アンテナ、受信回路、液晶表示部、制御回路及び電池を有する電子装置であり、例えばユーザの手首に装着される腕時計型表示器である。従って、ユーザは使用中の自分の心拍数を簡単に把握することができる。心拍計測装置はユーザの胸部に装着して使用されるものであるから、汗などの水分が心拍計測装置に直接触れる。従って、従来の心拍計測装置には、パッキンを介して裏蓋を前記ケースに固定するという防水構造が採用されている。
【0003】
即ち、従来の心拍計測装置は、図3の裏蓋を取り除いて示した底面図、及び、図4の長手方向に切断して示した断面図に示す如く、不透明な硬質プラスチック製のケース1と裏蓋2、ケース1と裏蓋2とで形成する収納室に収納された回路基板6、回路基板6に取り付けられた各種の電子部品7、アンテナ8を有する。回路基板6と各種の電子部品7は、心拍計測回路、送信回路及び制御回路を構成する。裏蓋2に形成された電池収納室には電池9が収納されている。前記電池収納室の開口は、電池蓋5によって封止されている。
【0004】
ケース1と裏蓋2とは、ネジ11によって結合されている。ケース1と裏蓋2とが当接する面の一部にはOリング溝が形成されており、このOリング溝にはOリング12が配置されている。また、裏蓋2の電池収納室の開口には、電池蓋5が嵌め込まれている。裏蓋2と電池蓋5とが当接する面の一部にはOリング溝が形成されており、このOリング溝にはOリング13が配置されている。これらOリング12とOリング13によって、従来の心拍計測装置は防水構造となっている。
【0005】
ところで、心拍計測装置は、出荷前に防水性が確保されているか否かの検査を必ず受けなければならない。上述の如く密閉型の防水構造を採用した従来の心拍計測装置の検査は、製品を水槽に一定時間入れて、水泡の有無を観察するという方法で行われていた。しかしながら、このような防水性検査方法は簡易だが、検査精度が低いという問題があった。また、出荷後に心拍計測装置の防水性が低下すると、計測の感度や精度が損なわれる恐れがある。更に、現在は正常に機能していても、機能低下を早めたり、故障したりする可能性が高い。そこで、心拍計測装置の防水性が確保されていることを、製品出荷前だけでなく、ユーザ自身が知ることが望ましい。防水性に問題があることが分かれば、心拍計測装置の使用中止、修理依頼という処置が適切に取れるからである。
【0006】
【特許文献1】特開平10−155753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、心拍計測回路等が不透明防水ケースに収納され使用時にユーザの胸部に装着される心拍計測装置において、心拍計測装置の防水性のチェックを製品出荷前だけでなくユーザの使用時にも簡単且つ確実に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、心拍計測回路等が不透明防水ケースに収納され使用時にユーザの胸部に装着される心拍計測装置において、前記不透明ケースの一部に開口部を設け、前記開口部に透明部材を液密に固着し、前記透明部材の内面に発生した結露を観察して前記心拍計測装置の防水性をチェックできるようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、心拍計測回路等が不透明防水ケースに収納され使用時にユーザの胸部に装着される心拍計測装置において、前記心拍計測装置に侵入した微量の水分をユーザでも簡単且つ確実にチェックできるようになった。従って、ユーザは、防水性に問題があることが分かれば、心拍計測装置の使用中止、修理依頼という処置が適切に取れるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る心拍計測装置は、図1の長手方向に切断して示した断面図、及び、図3の裏蓋を取り除いて示した底面図に示す如く、不透明な硬質プラスチック製のケース1と裏蓋2、ケース1と裏蓋2とで形成する収納室に収納された回路基板6、回路基板6に取り付けられた各種の電子部品7、アンテナ8を有する心拍計測装置において、不透明ケース1の中央部に貫通穴14を設け、貫通穴14の外側開口部に透明部材3を液密に固着し、透明部材3の内面に発生した結露を観察して前記心拍計測装置の防水性をチェックできるようにしたものである。
【0011】
不透明ケース1の中央部に設けられた貫通穴14は円筒穴であり、その外側開口部は貫通穴14の内径より少し大きな内径を有する。この外側開口部には、円柱状の透明部材3が防水性を持たせて嵌め込まれ接着材によって固着されている。円柱状の透明部材3は、貫通穴14の外側開口部にすっぽり嵌入される形状と寸法のものが望ましい。なお、貫通穴14を設ける位置は、不透明ケース1の中央部でなく、観察可能な位置であれば他の位置でもよく、透明部材3及び貫通穴14の形状も円形に限定しなくても同様の効果が得られる。
【0012】
回路基板6と各種の電子部品7は、心拍計測回路、送信回路及び制御回路を構成する。裏蓋2に形成された電池収納室には電池9が収納されている。前記電池収納室の開口は、電池蓋5によって封止されている。ケース1と裏蓋2とは、ネジ11によって結合されている。ケース1と裏蓋2とが当接する面の一部にはOリング溝が形成されており、このOリング溝にはOリング12が配置されている。また、裏蓋2と電池蓋10とが当接する面の一部にはOリング溝が形成されており、このOリング溝にはOリング13が配置されている。これらOリング12とOリング13によって、本発明に係る心拍計測装置は防水構造となっている。
【0013】
上述の実施形態の心拍計測装置において、製品の出荷前の防水性チェックは次のようにして行われる。先ず、製品を発熱板の上に一定時間載置しておく。次に、不透明ケース1に固着されている透明部材3の上面に水滴を垂らす。すると、心拍計測装置の内部に微量でも水分が存在していたら、透明部材3は曇ってしまう。上記発熱板によって蒸発させられて透明部材3の下面に付着していた水蒸気が、透明部材3の上面に垂らされた水滴により冷却され、結露するからである。このような透明部材3に曇りが生じた心拍計測装置は、防水性がないから製品として不合格となる。
【0014】
上述の製品を発熱板の上に一定時間載置した後に、不透明ケース1に固着されている透明部材3の上面に水滴を垂らすという防水性チェックの手順を経て、透明部材3に曇りが生じなかった心拍計測装置は防水性ありと判定される。
【0015】
上述の実施形態の心拍計測装置において、ユーザが使用時に防水性チェックを行うことができる。微量でも水分が心拍計測装置の内部に侵入した場合、この水分は高い外気温度等により蒸発し、その直後に前記温度よりも低い温度にさらされると透明部材3に曇りが生じるからである。
【実施例1】
【0016】
本発明の図1の実施形態の変形例である実施例1は、図2の長手方向に切断して示した断面図、及び、図3の裏蓋を取り除いて示した底面図に示す如く、不透明な硬質プラスチック製のケース1と裏蓋2、ケース1と裏蓋2とで形成する収納室に収納された回路基板6、回路基板6に取り付けられた各種の電子部品7、アンテナ8を有する心拍計測装置において、不透明ケース1の中央部に貫通穴14を設け、貫通穴14の外側開口部に透明部材3を液密に固着し、更に、透明部材3の下面との間に空気が移動できる隙間を形成させて貫通穴14の内側開口部に遮蔽板4を配置した心拍計測装置である。遮蔽板4は円盤状不透明板部材であるが、前記隙間と前記収納室との間に空気の流通ができるが、外から前記収納室の内部が見えないようにする為、微小な孔が複数設けられている。
【0017】
不透明ケース1の中央部に設けられた貫通穴14の内側開口部は、貫通穴14の内径より少し大きな内径を有する。この内側開口部に、円盤状不透明板部材の遮蔽板4は配置され、接着材によって固着されている。なお、上述の実施例では、前記隙間と前記収納室との間に空気の流通を可能にするために、円盤状不透明板部材の遮蔽板4には外から前記収納室の内部が見えないような孔が設けられているとしたが、孔を開けない円盤状不透明板部材の遮蔽板4を用いることも可能である。孔を開けない円盤状不透明板部材の遮蔽板4を用いる場合、前記隙間と前記収納室との間を結ぶ連通口をケース1に設けることによって実現できる。或いは、即ち、孔を開けない円盤状不透明板部材の遮蔽板4の外周部の一部を切り欠くことによっても実現できる。
【0018】
上述の実施例1の心拍計測装置において、製品の出荷前の防水性チェックは次のようにして行われる。先ず、製品を発熱板の上に一定時間載置しておく。次に、不透明ケース1に固着されている透明部材3の上面に水滴を垂らす。すると、心拍計測装置の内部に微量でも水分が存在していたら、透明部材3は曇ってしまう。上記発熱板によって蒸発させられて透明部材3の下面に付着していた水蒸気が、透明部材3の上面に垂らされた水滴により冷却され、結露するからである。このような透明部材3に曇りが生じた心拍計測装置は、防水性がないから製品として不合格となる。
【0019】
上述の製品を発熱板の上に一定時間載置した後に、不透明ケース1に固着されている透明部材3の上面に水滴を垂らすという防水性チャックの手順を経て、透明部材3に曇りが生じなかった心拍計測装置は防水性ありと判定される。
【0020】
上述の実施例1の心拍計測装置において、ユーザが使用時に防水性チェックを行うことができる。微量でも水分が心拍計測装置の内部に侵入した場合、この水分は高い外気温度等により蒸発し、その直後に前記温度よりも低い温度にさらされると透明部材3に曇りが生じるからである。
【実施例2】
【0021】
本発明の図1の実施形態の他の変形例である実施例2は、図示しないが、透明部材3の下面に湿度表示部材を取り付け、湿度表示部材の変色を利用して防水性のチェックを行うようにしたものである。前記湿度表示部材は、湿度インジケータとして市販されているものを利用できる。
【0022】
上述の実施例2の心拍計測装置において、製品の出荷前の防水性チェックは次のようにして行われる。先ず、製品を発熱板の上に一定時間載置する。すると、心拍計測装置の内部に微量でも水分が存在していたら、透明部材3の下面に取付けられている湿度表示部材に付着する。前記湿度表示部材は水分により変色するから、水分が製品内部に存在することを更に容易に確認できる。前記前記湿度表示部材を可逆性湿度表示部材とすれば、外気温度以下になれば変色は元の色に戻る。このような湿度表示部材の変色が生じた心拍計測装置は、防水性がないから製品として不合格となる。
【0023】
上述の製品を発熱板の上に一定時間載置した後に、不透明ケース1に固着されている透明部材3の下面に取付けられている湿度表示部材湿に変色が生じなかった心拍計測装置は防水性ありと判定される。
【0024】
上述の実施例2の心拍計測装置において、ユーザが使用時に防水性チェックを行うことができる。微量でも水分が心拍計測装置の内部に侵入した場合、この水分は高い外気温度等により蒸発し、透明部材3の下面に取付けられている湿度表示部材に付着し、これを変色させるからである。
【実施例3】
【0025】
本発明の図2の実施例の変形例である実施例3は、図示しないが、遮蔽板4を湿度表示部材で構成し、湿度表示部材の変色を利用して防水性のチェックを行うようにしたものである。
【0026】
このような構成の本発明の心拍計測装置において、製品の内部に微量の水分が侵入していれば、この水分は外気温度よりも高い温度によって蒸発し遮蔽板4に付着する。すると、遮蔽板4は水分により変色するから、水分が製品内部に存在することを更に容易に確認できる。遮蔽板4を可逆性湿度表示部材で構成すれば、外気温度以下になれば、変色は元の色に戻る。
【0027】
上述の製品を発熱板の上に一定時間載置した後に、湿度表示部材の遮蔽板4に変色が生じなかった心拍計測装置は防水性ありと判定される。
【0028】
上述の実施例2の心拍計測装置において、ユーザが使用時に防水性チェックを行うことができる。微量でも水分が心拍計測装置の内部に侵入した場合、この水分は高い外気温度等により蒸発し、湿度表示部材の遮蔽板4に付着し、これを変色させるからである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態の心拍計測装置を長手方向に切断して示した断面図である。
【図2】本発明の実施例1の心拍計測装置を長手方向に切断して示した断面図である。
【図3】裏蓋を外して示した心拍計測装置の底面図である。
【図4】従来の心拍計測装置を長手方向に切断して示した断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 不透明ケース
2 裏蓋
3 透明部材
4 遮蔽板
5 電池蓋
6 回路基板
7 電子部品
8 アンテナ
9 電池
10 バネ
11 ネジ
12 Oリング
13 Oリング
14貫通穴
【出願人】 【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地
【出願日】 平成16年12月8日(2004.12.8)
【代理人】 【識別番号】100079212
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 義治

【公開番号】 特開2006−158712(P2006−158712A)
【公開日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願番号】 特願2004−355513(P2004−355513)