トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 骨または椎骨のための安定化装置において用いられる可撓性要素および安定化装置
【発明者】 【氏名】ルッツ・ビーダーマン

【氏名】ビルフリート・マティス

【氏名】ユルゲン・ハルムス

【要約】 【課題】骨または椎骨のための安定化装置において用いるための可撓性要素を提供する。

【解決手段】可撓性要素は、第1の終端部10、第2の終端部20、およびその間に延在する基本的に矩形の断面を有するループ状に形成された平板なロッドの形状の部分を有し、ループが、接続軸Zに沿って第1の終端部10の円錐部から第2の終端部20の円錐部12まで、接続軸Zの両側に交互に延在して可撓性部分30を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨または椎骨のための安定化装置において用いられる可撓性要素であって、第1の終端部および第2の終端部、ならびにその間に延在するループ状に形成されたロッドの形状の部分を有し、ループが、接続軸に沿って第1の終端部から第2の終端部へ、接続軸の両側に交互に延在する、可撓性要素。
【請求項2】
ループ状に形成されたロッドは平板なロッドの断面を有する、請求項1に記載の可撓性要素。
【請求項3】
ループ状に形成されたロッドは、延長方向に直交して基本的に矩形の断面を有する、請求項1または2のいずれかに記載の可撓性要素。
【請求項4】
接続軸の両側に位置する少なくとも2つのループバルジが与えられる、請求項1から3のいずれかに記載の可撓性要素。
【請求項5】
ループ状に形成されたロッドは、ループバルジの方向に直交して、かつ接続軸に直交して一定の幅を有する、請求項1から4のいずれかに記載の可撓性要素。
【請求項6】
ロッド軸に直交する周囲の長さは、第1の終端部または第2の終端部の領域において、ループ状に形成されたロッドの形状の部分においてよりも小さい、請求項1から5のいずれかに記載の可撓性要素。
【請求項7】
ループ状に形成されたロッドの形状の部分の断面は、長さ全体にわたって一定である、請求項1から6のいずれかに記載の可撓性要素。
【請求項8】
可撓性要素の1つの終端部は環状の断面を有する、請求項1から7のいずれかに記載の可撓性要素。
【請求項9】
可撓性要素は、2つの骨固定装置を接続するためのロッドの部分として形成される、請求項1から8のいずれかに記載の可撓性要素。
【請求項10】
骨、骨部分または脊柱の動的安定化のための安定化装置であって、ロッド状要素または板によって相互接続される少なくとも2つの骨固定要素を有し、安定化装置の部分または要素は、請求項1から8のいずれかに記載の可撓性要素から形成される、安定化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、脊柱または外傷の手術に用いるための可撓性要素、骨固定要素、ロッド状要素、およびこのような可撓性要素をそれぞれ含む安定化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折の固定または脊柱固定のために、骨または椎骨に固定され、板またはロッドを介して接続される骨ねじを少なくとも2つ含む、固定化装置および安定化装置が知られる。このような種類の剛性の要素は、互いに相対して固定される骨部分または椎骨のいかなる動きも許容しない。
【0003】
しかしながらある適合においては、安定化される骨部分および椎骨が、互いに相対して、制御された限定的な動きを行うことができるような、動的な安定化が望ましい。動的安定化装置は、骨固定要素を接続する剛性のロッドの代わりに可撓性要素を用いることで実現可能である。
【0004】
米国特許2003/0 191 470 A1より、設置位置から撓むと復元力を働かせる、骨ねじを接続するための可撓性要素が知られる。ロッド軸の一方側に位置するロッドの中間領域がループ状の形状をしているので、可撓性要素は非対称の形状を含み、ロッドに局部的に高い負荷がかかる。
【0005】
米国特許6,440,169 B1より、板ばね形状の2つの要素が椎骨の接続軸の方向における限定的な圧縮運動を可能にする、椎骨の安定化のための可撓性要素が知られる。
【0006】
米国特許2003/0 220 643 A1より、弦巻ばね形状の可撓性部分を有する、2つの骨ねじを接続するためのロッドが知られる。この可撓性部分の曲げ強度は、ロッド軸に直交するすべての方向において同じであり、そのため、方向に依存する曲げ強度は与えられない。
【特許文献1】米国特許2003/0 191 470 A1
【特許文献2】米国特許6,440,169 B1
【特許文献3】米国特許2003/0 220 643 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、向上された可撓性要素を提供することであって、可撓性要素は、方向に依存する、ロッド軸に直交する曲げ強度と周期性負荷の下での高い強度とを有し、高い変動性を伴って他の要素と組合されることができ、椎骨または骨のための動的安定化装置を形成する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の可撓性要素によって達せられる。
【0009】
本発明のさらなる発展は、従属請求項にそれぞれ特定される。
【0010】
本発明は、小型の態様で形成されると同時に方向に依存する曲げ強度を有する、可撓性要素の利点を含む。この点は特に脊柱における適用例で重要であり、特に、腰椎に適用す
る場合と比較して利用可能な空間が著しく少ない、頸椎に適用する場合に関して重要である。さらに、広範囲の弾性特性が達成され得るので、異なる要件に対して容易に形状が適合され得る。
【0011】
さらに本発明は、形状が両端の接続軸に対してほぼ対称であるために、設置位置から反対方向への撓みに関する復元力が対称であり、公知の可撓性要素に比較して周期性負荷の下での材料にかかる応力がより均一に分配され、寿命を延ばし、材料の疲労による亀裂の危険性を減じるという利点を有する。
【0012】
さらに、平均的長さにわたってほぼ一定の曲げ応力が達成される。動的な軸方向の撓みは、面関節レベルで作用する、有利な並進運動を維持する結果となる。これは、面関節における関節症を防止する。
【0013】
さらに本発明は、可撓性要素が選択的に他の要素と組合されることができ、個別の要件に対する高い適合度を与える動的安定性を形成するという利点を有する。
【0014】
さらに本発明の特徴および利点は、図面を参照した実施例の説明より生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の実施例
本発明の第1の実施例が、図1および図2を参照して下記に説明される。
【0016】
図1および図2に示される第1の実施例において、可撓性要素は第1の終端部10、第2の終端部20、およびその間に配置されて1片に形成される可撓性部分30を有する。可撓性要素は、チタンなどの生体適合性のある材料からできており、それはまた、ニチノールのような、超弾性を有する生体適合性のある形状記憶合金からできていてもよい。
【0017】
第1の終端部10および第2の終端部20は、第1の終端部10、可撓性部分30、および第2の終端部20の接続軸Zに平行して配列されるシリンダ軸に対して円筒形の断面を含む。円錐部11は、第1の終端部10に隣接する部分30の方向で、第1の終端部10の円筒形の断面から可撓性部分30の断面に、円錐状に広がって続く。円錐部12が、第2の終端部20に同様に隣接する。
【0018】
可撓性部分30は円錐部11に隣接し、基本的に矩形の断面を有する、ループ状に形成された平板なロッド32の形状で形成される。図2に側面図で示されるように、可撓性部分30のループ状の形状は円錐部11から円錐部12まで延在し、ループバルジ31が、基本的に洞穴状の態様で、接続軸Zに直交するX方向に、接続軸の一方側X+および他方側X−に交互に延在する。図1および図2において、X−側には2つのループバルジ31a、31cが示され、X+側には、1つのループバルジ31bが示される。しかしながら、ループバルジの個数は、可撓性要素の所望の特性に従って選択され得る。さらに、骨または椎骨のための安定化装置における使用では、円筒状終端部10および20の長さならびに可撓性部分30の長さは、固定要素の距離および可撓性要素の要求される曲げ特性に従って選択され得る。
【0019】
接続軸ZおよびX方向に直交するY方向において、可撓性部分30は、その長さ全体にわたって一定の幅dsを有する。示される実施例において、ループ状に形成された平板なロッド32は、その延長に沿って、広がった端部11および広がった端部12に直接隣接してより大きな直径を有する部分33および34を除いては、その長さ全体にわたってY方向に直交して一定の直径を有する。
【0020】
図3を参照して、可撓性部分30がより詳細に下記に説明される。曲げ特性に著しい影響を有する可撓性部分の寸法が、図3に詳細に示される。パラメータds(Y方向における可撓性部分の幅)、b(波の振幅の2倍)、h(波長の半分)、da(ループバルジにおける材料のX方向の厚み)、およびdi(ゼロ地点交差点(接続軸Zの交差点)における材料の接続軸の方向の厚み)を変動させることにより、可撓性部分の曲げ特性が所望の要件に適合され得る。図3を参照して、これらの影響が下記に説明される。
【0021】
可撓性部分30を、ループ状に形成された平板なロッド32の形状で形成することによって、可撓性要素は、接続軸Zのまわりの捩れに関する高い捩れ強度と、同時に、Y方向の曲げ負荷に関する高い曲げ強度、すなわちX方向に延在する軸のまわりの屈曲とを有することが達成される。その一方で、X方向における曲げ負荷に関する高い弾性、すなわちY方向に延在する軸のまわりの屈曲、および、所望であれば、接続軸Z方向における圧縮および延長に関する高い弾性が与えられる。
【0022】
たとえば、可撓性部分の幅dsをY方向に増大させることにより、Y方向の捩れ強度および曲げ強度が同時に増大され得る。他のパラメータh、da、di、およびbの適切な選択によって、接続軸Z方向の曲げ強度および弾性ばねの撓みは系統的に調整され得る。
【0023】
図9において、可撓性要素の使用例が概略的に示され、第1の終端部10および第2の終端部20が、多軸骨ねじの受部40にそれぞれ収容される。このように、多軸骨ねじは隣接する脊柱の椎骨Wにシャンク1によって固定され、骨ねじのヘッド2は、その角位置において固定要素によって軸中心に回転可能かつロック可能に受部40に保持される。可撓性要素を用いることにより、このような配列において、可撓性要素の接続軸Z方向における弾性並進運動およびX方向における弾性曲げ運動が可能となることによって椎骨の互いに相対した制御された動きが可能となり、その一方で、捩れ運動およびY方向における曲げ運動が大部分防止される。
【0024】
図3を参照して説明されたパラメータを適切に選択することにより、制御された運動に関する可撓性要素の所望の特性が容易に調整されることができ、可撓性要素を異なる性質の単軸または多軸の骨ねじと、およびロッドまたは板と組合せることによって、高い変動性が与えられる。
【0025】
第2の実施例
図4および図5に示される第2の実施例が第1の実施例と異なるのは、基本的に可撓性部分の形状のみである。第2の実施例において、可撓性部分30′は、第1の実施例と同様に、ループ状に形成された平板なロッド32′の形状に形成される。ループの形状が第1の実施例における形状と異なるのは、洞穴状形状ではなくループ状または蛇行する形状が与えられ、側面図において、ループバルジ31′が、滴型の自由領域35′を囲む、より膨らんだ形状を有することのみである。この実施例において、隣接する2つのループバルジ31′aおよび31′bの側面36′aおよび36′bは、第1の実施例と比較して、互いに小さな距離しか有さない。
【0026】
この特定の形状により、接続軸Z方向における弾性ばねの撓みは制限されることができ、同時に、第1の実施例と同様に、他のパラメータの適切な選択によって、それぞれの要件に従って曲げ強度が調整され得る。
【0027】
第3の実施例
図6および図7に示される第3の実施例は、以下の点で第2の実施例と異なる。すなわち、隣接するループバルジ31″aおよび31″b間において、可撓性部分30″は、ループバルジ31″bと一体的に形成される追加的な37″bを有し、接続軸Zの反対側に
おいては、ループバルジ31″cおよび31″d間において、ループバルジ31″dと一体的に形成される追加的な37″dを有する。
【0028】
このように、追加された37″bおよび37″dは、隣接するループバルジ31″aおよび31″cにそれぞれ面する側面が、それぞれの隣接するループバルジの形状に実質的に従い、そこからの距離が小さいように形成される。別の側面は、ループバルジ31″bおよび31″dから、それぞれ隣接するループバルジ31″aおよび31″cまでの接続線に沿って基本的に延在するが、そこには接続されない。
【0029】
この特定の形状により、接続軸Z方向における可撓性要素のばねの撓み、および、同時にX方向における曲げ運動または並進運動もまた、制限され得ることが達成される。
【0030】
第4の実施例
図8に示される第4の実施例において、可撓性部分130がループ状に形成された平板なロッド132のループバルジ131の蛇行形状は、図4および図5に示される第2の実施例と比較してさらにより顕著である。この強調された蛇行形状によって、平板なロッド132は、2つのループバルジ131が横に並んで位置するよう接続軸Z方向で見た場合、可撓性部分130の中間においてS字型の形状を有する。
【0031】
この実施例においては、第1から第3の実施例における可撓性部分と比較して可撓性部分130が短縮されており、そのためより小型の構成が可能であることが有利である。
【0032】
さらなる実施例および変形例
たとえば、可撓性部分の断面形状をさらに変形すること、またはロッドの延在方向において断面形状をさらに変形することが可能である。また、第1および第2の終端部は変形された形状を有してもよく、または、必ずしも可撓性部分と一体的に形成される必要はない。
【0033】
当然、図9に示された以外の、骨または椎骨のための安定化装置における可撓性要素の使用が可能である。
【0034】
さらに、丸い端部を有する矩形の断面などの、平板なロッドの他の断面形状も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施例による可撓性要素の斜視図である。
【図2】第1の実施例による可撓性要素の側面図である。
【図3】第1の実施例による、可撓性要素の部分の詳細な斜視図である。
【図4】第2の実施例による可撓性要素の斜視図である。
【図5】第2の実施例による可撓性要素の側面図である。
【図6】第3の実施例による可撓性要素の斜視図である。
【図7】第3の実施例による可撓性要素の側面図である。
【図8】第4の実施例による可撓性要素の斜視図である。
【図9】可撓性要素を含む安定化装置の使用の概略的な部分的断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 第1の終端部、11,12 円錐部、20 第2の終端部、30 可撓性部分、32 ロッド。
【出願人】 【識別番号】592232384
【氏名又は名称】ビーダーマン・モテーク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクタ・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN MOTECH GMBH
【出願日】 平成17年11月16日(2005.11.16)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行

【公開番号】 特開2006−142024(P2006−142024A)
【公開日】 平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願番号】 特願2005−331457(P2005−331457)