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【発明の名称】 散乱媒質中微量成分濃度の無侵襲測定法およびその装置
【発明者】 【氏名】堀中 博道

【氏名】和田 健司

【氏名】張 吉夫

【要約】 【課題】血糖値を無侵襲に近赤外光の吸収係数によって測る事は、生体の大部分を占める水の吸収が大きなバックグラウンドとして存在する事と、生体組織および血液中の微少散乱体による多重散乱による検知器への回り込み光の為、非常に難しい。微小散乱物体を含む媒質からなる散乱構成体中において、媒質中に含まれる微量物質の濃度を測定する事は困難である。

【解決手段】微小散乱物体を含む媒質からなる生体中血液のような散乱構成体中においては、散乱係数が微量物質の濃度に敏感に依存する。従って散乱構成体中に含まれる微量物質の濃度を散乱係数の変化によって測定する事ができる。そこで、本発明では、近赤外プローブ入射光の偏光状態を変調し、これを同期検出する事によって入射光の偏光状態を保存している成分のみを透過光中から選択的に検出する構成を用いて、高い精度で血糖値などの散乱構成体中に含まれる微量物質の濃度を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液中のグルコース濃度を、生体の光に対する散乱係数のグルコース濃度依存性を利用し、プローブ入射光の偏光状態を保存している成分のみを透過光中から選択的に検出することによって、高い精度で測定する血糖測定法。
【請求項2】
微小散乱物体を含む媒質からなる散乱構成体中において、媒質中に含まれる微量物質の濃度を、散乱係数の微量物質濃度への依存性を利用し、プローブ入射光の偏光状態を保存している成分のみを透過光中から選択的に検出することによって、高い精度で測定する微量物質の濃度測定法。
【請求項3】
直線偏光の偏光状態を位相変調器によって周期的に変化させて、その透過光を位相変調周波数によって同期検波することによって、回り込み光を抑制して散乱係数を高い精度で測定する請求項1および請求項2の測定法を実施する測定装置。
【請求項4】
請求項3の位相変調器を回転位相板で構成した請求項1および請求項2の測定法を実施する測定装置。
【請求項5】
請求項3の位相変調器による偏光変調光源を互いに直交する直線偏光状態を持つ2個の半導体レーザーあるいは2個の発光ダイオードの交互の点灯によって構成した請求項1および請求項2の測定法を実施する測定装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、無侵襲の血糖計ならびに散乱媒質中の微量成分濃度の測定法およびそれらの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会の到来とともに糖尿病の患者数は毎年増加の一途をたどっている。また、糖尿病患者は血液中の血糖濃度をコントロールするために血糖値を測定しなければならない。特に重症の患者においては、血中血糖濃度を準リアルタイムにコントロールする必要があることから日に数回にも及ぶ頻繁な血糖測定を必要としている。
【0003】
現在、実用されている血糖測定法には、静脈からの採血血液から赤血球を取り除いた血漿分について糖分濃度を化学分析的に行う化学分析法と、酵素電極を用いて糖分のみによる電気伝導度を選別的に測定することによって行う酵素電極法とがある。前者は、多項目の血液診断を自動的に行う化学分析装置による方法の1出力項目として得ることもできるし、血糖測定専用器から得ることもできるが、採血は医師、看護婦などの専門医療従事者によって行われるものであり、最低、ミリリットルオーダーの採血量を必要とする。後者は、指先に短い針を浅く突き刺すことによって直径1mm程度の血液の小滴を指先より採取することによって行われるもので、医師の指導によって患者本人が行うことも許されている。特に、在宅療養者においては、専らこの方法が用いられている。いずれにしても、このように侵襲を伴って血糖値を測定することは、患者に対して苦痛と精神的な負担を強いるのみならず、免疫力の低下している患者に対して各種の感染症を引き起こす原因ともなっている。また、測定ごとに使い捨ての針先を必要とすることから、資源的ならびに経済的な問題が発生するのみならず、血液の付着した針先の安全な回収処理の問題も発生する。
【0004】
以上の問題点にかんがみ、無侵襲で、採血を必要としない血糖値の測定法とその装置の開発が望まれていた。それに対して、1979年、赤外光による血糖測定がKaiserらによってはじめて試みられた[非特許文献1]。2000年代には、近赤外光を用いた無侵襲な血糖測定装置が特許公開されるようになった[特許文献1]、[特許文献2]、[特許文献3]。一方、吸収変化によらない方法も提案され、実験されている[非特許文2]。
【特許文献1】特許公開平11-216131「無侵襲血糖値計測装置」
【特許文献2】特許公開2000-189404「血糖測定方法及びその装置」
【特許文献3】特許公開2000-258343「血糖測定方法及びその装置」
【非特許文献1】Kaiser et al., IEEE Trans. BME-26, 597
【非特許文献2】Maier et al., Optics Letters. 19, 2062
【非特許文献3】Horinaka et al., Optics Letters. 20, 1501
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術で例示した先行技術([非特許文献1]、[特許文献1]、[特許文献2]、[特許文献3])による方法は、いずれも、ヒト生体組織内の血液中の血糖値を近赤外光の吸収係数によって無侵襲に測ろうとするものである。これらの方式には、実用性において大きな問題がある。一つは、グルコースによる吸収が非常に小さいことである。吸収の測定には近赤外光におけるグルコースの吸収の極大値である1.6μmの波長が選ばれるが、生体の大部分を占める水の吸収が大きなバックグラウンドとして存在するために、グルコースによる吸収変化の検出は困難である。また、水の吸収係数の温度変化の影響を大きく受けることも報告されている。
【0006】
一方、近赤外光の吸収変化を用いない血糖値の測定法も提案されている([非特許文献2])。この方法は生体組織中の血糖値を血液中のグルコース量の変化によって、近赤外光に対して生体組織の呈する散乱係数が変化することを利用して血糖値を測定するものであるが、方法ならびに装置の構成が複雑である。
【0007】
以上のような理由で、現在、臨床診断の場においても、また自宅療養の場においても、近赤外光を用いる無侵襲血糖計は実用されるに至っていない。
【0008】
このように、近赤外光による血糖測定が、その吸収係数の変化による方法によっても、また、散乱係数の変化による方法によっても未だ実用されるに至っていない。その大きな原因は、生体の呈する高い散乱係数のために、生体中で発生し、多数回の散乱を経て検知器に到達する光成分(以後、回り込み光と呼ぶ)によって透過光全体から正確に吸収係数を決定できないことによるものである。
【0009】
これを避けようとして散乱の影響の少ない成分のみを測定する方法が提案されているが、この方法を吸収係数の変化を利用する方法に適用すれば、吸収の有効成分がさらに小さくなるため、かえって得られる信号対ノイズ比が低下し感度が低くなるので、吸収係数の変化を利用する方法には適用できない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者の一人は、散乱係数の変化は、透過光のうち入射光の持つ偏光性を保存した成分(以後、偏光保存成分と呼ぶ)のみを検出することによって測定することができることを提案し、その有効性を実験的に示した [非特許文献3]。この測定方法によれば、散乱媒質の透過光成分測定において従来問題となってきた回り込み光の影響を抑制することが同時に達成できる。その結果、グルコース濃度の変化に対する従来の吸収係数の変化による方式に比べて、信号の変化率が大きく、高散乱体である生体内のグルコース濃度を高い精度で測定することが可能となり、血糖計を構成することができる。
【0011】
生体における散乱特性を決定する散乱係数は、散乱体である微小生体物質(赤血球、白血球、血小板、細胞膜など)と媒質(血漿)の屈折率の差に依存している。微小生体物質の屈折率は媒質である血漿の屈折率よりも大きいことが知られている。血漿中に溶解しているグルコース(糖質)の濃度が増加すると、媒質の屈折率が大きくなる。その結果、媒質と散乱体との屈折率の差が小さくなり、生体を透過する光に対する生体の散乱係数は小さくなると考えられる。したがって、散乱係数の変化を測定すればグルコース濃度を見積もることができる。
【0012】
請求項1に記載の血糖測定法は、生体の光に対する散乱係数の顕著なグルコース濃度依存性を利用し、入射光の偏光状態を保存している成分のみを透過光中から選択的に検出することによって血液中のグルコース濃度を測定することを特徴とする。
このような特徴を持つ方法によって、血液中のグルコース濃度、すなわち血糖値を高い精度で測定することができる。
【0013】
請求項2に記載の物質中の微量物質の濃度測定法は、微小散乱物体を含む媒質からなる物質(以後、散乱構成体と呼ぶ)中において、媒質中に含まれる微量物質の濃度を、散乱係数の顕著な微量物質濃度への依存性を利用し、入射光の偏光状態を保存している成分のみを透過光中から選択的に検出することによって測定することを特徴とする。
このような特徴を持つ方法によって、被測定散乱構成体中に含まれる微量物質の濃度を高い精度で測定することができる。
【0014】
請求項3に記載の微量物質の濃度測定のための散乱係数測定装置は、直線偏光の偏光状態を位相変調器によって周期的に変化させて、その透過光を位相変調周波数によって同期検波することにより、回り込み光を抑制した高精度の散乱係数測定装置として構成できる。
この構成によって回り込み光を抑制した高精度の散乱係数測定装置を実現することができる。
【0015】
請求項4に記載の微量物質の濃度測定のための散乱係数測定装置に使われる位相変調器を回転位相板で構成することができる。
この構成によって回り込み光を抑制した高精度の散乱係数測定装置が実現することができる。
【0016】
請求項5に記載の微量物質の濃度測定のための散乱係数測定装置は、位相変調器による偏光変調光源を互いに直交する直線偏光状態を持つ2個の半導体レーザーあるいは2個の発光ダイオードの交互の点灯によって構成した請求項1および請求項2の測定法を実施する測定装置。
この構成によって高精度の散乱係数測定装置を比較的簡単に安価に実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の微量物質の濃度測定法あるいは血糖値測定法は、吸収係数測定による方法のように測定波長に依存する測定法ではないので、安価な光源と高感度検出器が得られる波長帯で実施することができる。特に、血糖値測定においては、生体の窓と呼ばれる吸収の少ない800nm付近を測定波長として選ぶことができ、また、偏光状態の位相変調を用いた同期検波を利用しているので光学系の構成は比較的簡単であり、小型、安価、安全な無侵襲血糖計が実現できる。
【0018】
散乱媒質を透過する光の強度の散乱係数に対する変化は、図1に破線で示したようにランバートベール則に従うことが知られている。したがって、透過光強度の変化を測定することで媒質内の微量成分濃度による散乱係数の変化を検出することができる。しかし、生体のように高い散乱係数の媒質の中では回り込み光の影響が現れ、ある散乱係数の値A(図1中にA点で示す)より大きい散乱係数数の領域でランバートベール則は満たされず、図1の実線のように散乱係数に対する透過光強度の変化割合は極端に小さくなり、殆どフラットになる。これは散乱にもとづくランバートベール則が、A点より大きい散乱係数の範囲では、散乱物体による検出器への光の回り込み成分の増大によってマスクされてしまうからである。したがって、血糖値測定の場合のように、生体のような散乱係数の大きい測定対象の場合、微量成分であるグルコース濃度の変化による散乱係数の変化がA点より大きい散乱係数の領域にあれば、これを検出することができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
そこで、回り込み光を抑制しランバートベール則に従う散乱係数の領域を増大するために、本発明では散乱光成分のなかから準直進光成分を抽出するのに有効な偏光保存成分(フォトン)検出法を用いる。すなわち、直線偏光などの偏光状態の確定した光を用い、被測定物透過光中に含まれる光源の偏光状態を保存している成分のみを検出する。半導体レーザーは、通常、直線偏光光源であり、小形、高効率であることから、半導体レーザーは、本発明の測定用光源として適している。発光ダイオードの光を偏光子に通して直線偏光とした光であってもよい。
以下に、本発明の好適な実施例を血糖計に適用した場合について図2から図6を用いて説明する。
【実施例1】
【0020】
図2に偏光保存フォトン検出法による第1の実施例についての基本的な構成を示す。偏光保存フォトン検出法では、上に述べたように、半導体レーザー、または、発光ダイオード1からの光を使う。発光ダイオードの場合は、偏光子2に通して直線偏光に変換する。半導体レーザー光の場合にも、自然発光成分を除去する上で、偏光子2を通すことが望ましい。このようにして得られた直線偏光度を位相変調器3に入射させる。位相変調器3によって入射光の偏光状態を時間的に変化させた光として、これを被測定物4、血糖値測定においては、指、耳たぶなどに入射させる。被測定物4を透過した光の中で入射光の偏光状態を保って変化する成分は、検光子5通過することでその強度が時間的に変化する。これを検知器6で検出し、その出力信号を位相変調器3を駆動している位相変調器駆動回路7からの駆動信号に同期しているロックインアンプ8を用いて同期検波し、その直流出力をA/D変換器を含むパーソナルコンピュータ9に出力する。パーソナルコンピュータの示す数値は偏光保存フォトン数に比例しており、これから散乱係数の変化が得られる。
【0021】
偏光状態を保存している成分は、散乱による偏光の解消度が小さい。これは、偏光状態を保存している成分は、検出器に到達するまでの散乱回数が少なく、散乱時に受ける偏光の解消の総和が小さいためである。検出器への経路上の散乱回数が少ないことは、散乱媒質中を検出器に向かってほぼ直線的に進行する経路を通過してきた光(フォトン)成分である。このような光の成分は準直進光成分と呼ばれる。すなわち、散乱光成分から準直進成分を抽出すれば、回り込み成分を抑制できたことになり、ランバートベール則に従う領域を広げることができるために、生体のような高散乱体中においてもグルコース濃度の変化を測定することができる。
【0022】
図2に示した第1の実施例について、半導体レーザーまたは発光ダイオード光源1として、波長785nm、出力約10mWの半導体レーザーを用いた。位相変調器3には液晶位相変調器、偏光子2および検光子5にはプリズム型偏光子、検知器6には光電子増倍管を用いて実験を行なった。信号処理にロックインアンプ8を用い、位相変調器3に同期させることで偏光保存フォトン成分を測定した。偏光保存フォトン成分との比較のために全透過光強度を測定する必要があった。このために、光源の直後に光チョッパーを挿入し、位相変調器3を停止して、光チョッパーに同期させたロックインアンプ8からの出力を強度変調による全透過光強度として用いた。
【0023】
試料としては、幅20mm、厚さ(伝搬方向)10mmの透明容器の中に散乱媒質としてイントラリピッド10%水溶液を分散したものを用いた。イントラリピッド水溶液は、水の中に大豆油の微粒子が浮かんでものであり、生体に散乱特性が類似しており、生体類似の標準散乱媒質としてよく用いられる。
【0024】
図3に測定結果を示す。散乱媒質濃度が5%までは、強度変調による全透過光強度(●で示した)も位相変調器を用いた偏光保存成分(○で示した)もランバートベール則に従って直線的に変化している。しかし5%以上の濃度では、位相変調による偏光保存成分では、濃度10%に至まで順調にランバートベール則に従うのに対して、強度変調による全透過光強度の場合は5%以上の濃度になるとほとんど変化がなくなる。これは、全透過光には回り込み光も混入して同時に検出されているのに対して、位相変調による偏光保存成分の場合は、偏光保存成分を構成している準直進光のみを検出しているためと考えられる。
【0025】
図3の透過光強度の散乱媒質濃度に対する傾斜から求められる水中に分散したイントラリピッドの前方散乱係数で補正した等価散乱係数は約0.21mm-1/%である。報告されている生体の等価散乱係数を考えると、約7%濃度の場合に生体の散乱状態に相当することになる。そこで、生体の散乱係数に匹敵する7%の濃度の散乱媒質を用いてグルコース濃度に対する透過光強度の変化を測定した。
【0026】
図4に測定結果を示す。グルコース濃度に対する全透過光強度(■)の変化はごく僅かであるが、位相変調を用いた偏光保存成分(□)の変化は大きく、正常者と糖尿病患者の境界といわれている0.2%のグルコース濃度においても約16%の変化を示している。偏光保存フォトン検出法を用いて回り込み光を抑制することによって、グルコース濃度の変化による透過光強度の変化を高い精度で検出できることが示された。
【0027】
正常者と糖尿病患者の境界といわれている微量な0.2%のグルコース濃度に対して、従来の吸収係数の変化を測定する方式の信号変化は極めて小さい。以上に示したように本発明による方式では充分な信号変化が得られている。さらに、本方式による血糖値測定装置は、構成がシンプルであり安価で小型化が容易である。したがって、臨床診断の場だけでなく、在宅診療に適した血糖モニターとして役立つと考えられる。
【実施例2】
【0028】
図5に偏光保存フォトン検出法による第2の実施例についての構成を示す。図中の構成要素のうち、第1実施例の図2中で示した構成要素と同一のものには同一の符号を付し、本実施例で新しく示したものには新たな符号を付して示した。この実施例においては、偏光状態を時間的に変化させる位相変調器として、図5に示すような回転位相板駆動用モーター11で回転される回転位相板(2分の1波長板)10が用いられている。回転位相板10の回転によって直線偏光の偏光面を回転させられる。この場合には、位相板が1回転すると、偏光面は2回転し、検光子5を透過する光の強度は4周期の変化をする。したがって、位相板の回転数の4倍の周波数をロックインアンプの参照信号として同期検波を行う。
【実施例3】
【0029】
図6に偏光保存フォトン検出法による第3の実施例についての構成を示す。図中の構成要素のうち、第1実施例の図2あるいは第3実施例の図5中で示した構成要素と同一のものには同一の符号を付し、本実施例で新しく示したものには新たな符号を付して示した。この実施例においては、偏光状態を時間的に変化させるのに、2個の半導体レーザーまたは発光ダイオード12、12' を用い、図6中に示すように、交互に点灯させる(図中のA、A'の波形で示す)。2個の半導体レーザーを用いる場合には、それぞれの出力光が偏光ビームスプリッター13を通過できる方向にそれぞれの直線偏光方向を設定する。発光ダイオードの場合は、偏光ビームスプリッター13が偏光子の役をも果たすので、実施例1、2の場合のように偏光子を別個に置く必要がない。光源12、12'の光は偏光ビームスプリッター13によって1本のビームに重ね合わされ、被測定物4に投射される。ロックインアンプの参照信号には2個の半導体レーザーまたは発光ダイオードを駆動する半導体レーザードライバー14内の切り換え信号を用いる。この実施例は位相変調器を必要とせず、また、可動部分も無いために、装置の小型化、低価格化に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の微量物質の濃度測定法あるいは血糖値測定法は、吸収係数測定による方法のように測定波長に依存する測定法ではないので、多くの産業分野に広く利用可能である。血糖値測定においては、小型、安価、安全な無侵襲血糖計が実現できるので、臨床診断の場だけでなく自宅療養の場においても適用できる血糖計が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明で散乱係数の測定のために偏光保存成分を検出する必要性を説明する図
【図2】位相変調器を用いる実施例1の構成を説明する図
【図3】図2の構成によって測定した散乱係数の変化による透過光強度の変化
【図4】図2の構成によって測定したグルコース濃度に対する透過光強度の変化
【図5】回転位相板を用いる実施例2の構成を説明する図
【図6】2個の半導体レーザー、または、2個の発光ダイオードを用いる実施例3の構成を説明する図
【符号の説明】
【0032】
1 半導体レーザー、または、発光ダイオード
2 偏光子
3 位相変調器
4 被測定物
5 検光子
6 検知器
7 位相変調器駆動回路
8 ロックインアンプ
9 パーソナルコンピュータ
10 回転位相板
11 回転位相板駆動用モーター
12,12' 半導体レーザー、または、発光ダイオード
13 偏光ビームスプリッター
14 半導体レーザー、または、発光ダイオードドライバー
【出願人】 【識別番号】303051204
【氏名又は名称】有限会社エイムテクノロジー
【出願日】 平成16年11月1日(2004.11.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−122579(P2006−122579A)
【公開日】 平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願番号】 特願2004−318154(P2004−318154)