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【発明の名称】 超音波診断装置
【発明者】 【氏名】福喜多 博
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】サブアレイに設けられた整相回路のフォーカス位置を動的に変化させることのできる超音波診断装置を提供する。

【解決手段】振動子1iは、2次元に配列されサブアレイ2jを構成し、サブアレイは2次元に配列され配列振動子3を構成する。サブアレイの振動子の出力は、整相回路4jと整相回路5jに供給される。整相回路の出力は結合回路6jで結合される。前記したすべての振動子、サブアレイ、整相回路、結合回路はプローブハンドル7内に収納されている。結合回路からの出力はプローブケーブル8を介して本体9の遅延加算回路10に供給される。また、整相回路は制御回路11により制御される。遅延加算回路の出力は信号処理部12で処理され、表示部21に表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブハンドルと本体を有する超音波診断装置であって、少なくとも2次元に配列された振動子が複数のサブアレイに分割され、前記各サブアレイについて、それぞれ複数の整相回路が前記プローブハンドル内に設けられ、前記複数の整相回路の受信信号出力が前記サブアレイごとに前記プローブハンドル内で結合され、結合された整相回路の受信信号出力が前記各サブアレイごとに生成されて前記本体において遅延加算される超音波診断装置。
【請求項2】
前記サブアレイの複数の整相回路の受信信号出力がスイッチにより相互に結合され、前記複数の整相回路のうちの整相動作を行っている整相回路の受信信号出力が前記スイッチにより選択され、整相動作を行っていない整相回路においては整相データの書き換えが行われる請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記サブアレイ内の各振動子の出力信号を遅延させるアナログ遅延回路が設けられ、整相動作を行っていない整相回路において前記アナログ遅延回路の動作を停止させるよう構成された請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記サブアレイの複数の整相回路の受信信号出力が変調された後結合され、前記本体において復調された後、遅延加算されるよう構成された請求項1に記載の超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は2次元アレイを有し、被検体を3次元的に走査する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波診断装置は、図4に示すように、幾つかの送信サブアレイ311、312、・・31Mに割り付けられている多数のトランスデューサ素子を含む送信アレイ30Aと、幾つかの送信ビームフォーマチャンネル411、412、・・41Mを含む送信ビームフォーマ40と、被検体部位に放射される音響ビームを生成するように構成及び配列されているグループ内送信プロセッサ381、382、・・38Mと、幾つかの受信サブアレイ421、422、・・42Nに割り付けられている多数のトランスデューサ素子を含む受信アレイ30Bと、幾つかの受信サブアレイ421-Nに接続する幾つかのグループ内受信プロセッサ441、442、・・44Nと、このグループ内受信プロセッサ441-Nの各々が接続するサブアレイのトランスデューサ素子から、音響ビームからのエコーに呼応してトランスデューサ信号を受信するように配列され、グループ内受信プロセッサ441-Nの各々が、受信したトランスデューサ信号を遅延させるように配列されている遅延素子を形成する電荷結合素子と、遅延されたトランスデューサ信号を受信して、遅延されたトランスデューサ信号を加算する加算素子を含み、受信ビームフォーマ46と、この受信ビームフォーマ46が、幾つかのグループ内受信プロセッサ441-Nに接続されている幾つかの処理チャンネル481、482、・・48Nと、この処理チャンネル481-Nの各々がグループ内受信プロセッサ441-Nから受信した受信信号によってエコーから受信ビームを合成するビームフォーマ遅延機構を含み、処理チャンネル481-Nから信号を受信して加算するビームフォーマ加算機構50とを含み、そして受信ビームフォーマ46から受信した信号を基にして被検体部位の画像を形成する画像生成器58で構成されている(例えば下記の特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−33087号公報(第11頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の超音波診断装置においては、受信のフォーカス距離を動的に変化させるダイナミックフォーカスを行おうとするとグループ内受信プロセッサの電荷結合素子のクロック周波数を変化させなければならず、そのためノイズが発生するという問題があった。また、同時に複数の方向に受信の指向性を持たせるにはグループ内受信プロセッサ441Nと処理チャンネル481N、及びそれらを結ぶ信号線の数を増やさなければならないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、ノイズの少ないダイナミックフォーカスを可能にし、あるいは信号線の数を増やさずに複数の方向に受信の指向性を持たせることのできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の超音波診断装置は、プローブハンドルと本体を有し、少なくとも2次元に配列された振動子が複数のサブアレイに分割され、各サブアレイについて、それぞれ複数の整相回路がプローブハンドル内に設けられ、複数の整相回路の受信信号出力がサブアレイごとにプローブハンドル内で結合され、結合された整相回路の受信信号出力が各サブアレイごとに生成されて本体において遅延加算されるようにした構成を有している。
【0006】
この構成により、ノイズの少ないダイナミックフォーカスを可能にし、あるいは信号線の数を増やさずに複数の方向に受信の指向性を持たせることができる。
【0007】
また、本発明の超音波診断装置は、サブアレイの複数の整相回路の受信信号出力がスイッチにより相互に結合され、複数の整相回路のうちの整相動作を行っている整相回路の受信信号出力が前記スイッチにより選択され、整相動作を行っていない整相回路においては整相データの書き換えが行われる。
【0008】
この構成により、ノイズの少ないダイナミックフォーカスが可能になる。
【0009】
さらに、本発明の超音波診断装置は、サブアレイ内の各振動子の出力信号を遅延させるアナログ遅延回路が設けられ、整相動作を行っていない整相回路において前記アナログ遅延回路の動作を停止させる構成を有している。
【0010】
この構成により、複数の整相回路の出力を直接結合することを可能にし、また整相回路における消費電力が減少することとなる。
【0011】
さらに、本発明の超音波診断装置は、サブアレイの複数の整相回路の受信信号出力が変調された後結合され、本体において復調された後遅延加算される構成を有している。
【0012】
この構成により、信号線の数を増やさずに複数の方向に受信の指向性を持たせることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、少なくとも2次元に配列された振動子が複数のサブアレイに分割され、各サブアレイにはそれぞれ複数の整相回路がプローブハンドル内に設けられ、複数の整相回路の受信信号出力がサブアレイごとにプローブハンドル内で結合され、結合された整相回路の受信信号出力が遅延加算されるようにしたことにより、ノイズの少ないダイナミックフォーカスを可能にし、あるいは信号線の数を増やさずに複数の方向に受信の指向性を持たせることができるという効果を有する超音波診断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態の超音波診断装置について、図面を用いて説明する。
【0015】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の受信部の要部ブロック図を図1に示す。図1において、振動子1iは、2次元に配列されサブアレイ2jを構成し、サブアレイ2jは2次元に配列され配列振動子3を構成する。サブアレイ2jの振動子1iの出力は、整相回路4jと整相回路5jに供給される。整相回路4j、5jの出力は結合回路6jで結合される。図1においては便宜上すべての振動子、サブアレイ、整相回路、結合回路のうち、i、j番目のものだけに符号がつけられている。前記したすべての振動子、サブアレイ、整相回路、結合回路はプローブハンドル7内に収納されている。結合回路6jからの出力はプローブケーブル8を介して本体9の遅延加算回路10に供給される。また、整相回路4j、5jは、制御回路11により制御される。遅延加算回路10の出力は信号処理部12で処理され、表示部21に画面が表示される。
【0016】
図2は整相回路4j、5j及びその周辺のより詳細なブロック図である。まず、1つのサブアレイの振動子よりの信号は遅延回路13kに供給される。図2において便宜上すべての遅延回路13X(Xは個々の遅延回路を特定する文字:以下すべての遅延回路を符号13で示す)のうち、k番目のものだけに符号がつけられている。遅延回路13Xのフォーカスデータはレジスタ14jより供給される。遅延回路13Xは制御回路11から送られるクロックにより動作するがそのクロックはスイッチ15jによりオン、オフが制御される。クロック、スイッチ15jの切り替え信号、レジスタ14jのフォーカスデータは制御回路11より供給される。遅延回路13Xの出力は加算点16jにおいて加算される。整相回路4j、5jの出力は、結合回路6jにおいて加算される。
【0017】
以上のように構成された超音波診断装置について、図2を用いてその動作を説明する。まず、図1に示す配列振動子3からは特定の方向に超音波が送出され、送出された方向に受信の指向性が形成されるように、受信開始に先立ってレジスタ14にはフォーカスデータが記憶され、各遅延回路13Xにはフォーカスデータが供給される。次に整相回路4j、5jのスイッチ15のうち整相回路4jのスイッチ15jがオンとなり遅延回路13Xは動作を開始し、整相回路5jのスイッチはオフとなり遅延回路13Xは動作を停止している。整相回路4jは最も近距離Lに受信信号が整相するようにフォーカスデータがレジスタ14jに記憶されている。次に、整相回路4jのスイッチ15jがオフとなり遅延回路13Xは動作を停止し、整相回路5jのスイッチはオンとなり整相回路5jの遅延回路13Xは動作を開始する。整相回路5jは距離L+ΔLに受信信号が整相するようにフォーカスデータがレジスタに記憶されている。整相回路5jのスイッチがオンである期間に整相回路4jのレジスタ14jには距離L+2ΔLに受信信号が整相するようにフォーカスデータが記憶される。このようにして交互に受信信号の整相とフォーカスデータのレジスタへの記憶が行われ、整相回路は近距離から遠距離まで受信信号を整相することができる。上記のように動作している遅延回路13Xのクロック周波数及びフォーカスデータは変化していないので受信信号にノイズが発生することはない。以上のような整相回路4j、5jの出力は結合回路6jにおいて加算され、遅延加算回路10において他のサブアレイからの受信信号と遅延加算される。このような本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置によれば、1つのサブアレイからの受信信号を複数の整相回路4j、5jに供給し、整相回路4j、5j・のうちの一方において整相動作を行い、他方においてフォーカスデータの記憶を行い、整相回路4j、5jの出力を結合することにより、整相回路は近距離から遠距離まで受信信号をフォーカス位置を動的に変化させて整相することができる。なお、以上の説明で結合回路は加算を行っていたが、動作している整相回路の出力を選択するスイッチであってもよい。
【0018】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置の受信部の要部ブロックを図3に示す。なお、図3において、第1の実施の形態で参照した図1、2と同じ構成及び機能を有する部分については同一の符号又は記号を付して説明を省略する。
【0019】
図3において、変調器17jは、整相回路4jの出力を変調する。フィルター18jは結合回路6jの出力に接続され、フィルター18jの一方の出力は第1遅延加算回路10Aに供給され、フィルター18jの他方の出力は復調器19jを介して第2遅延加算回路20に供給される。
【0020】
以上のように構成された超音波診断装置について、図3を用いてその動作を説明する。まず、整相回路4j、5jには受信の指向性が異なるフォーカスデータが制御回路11より供給される。整相回路4jの出力は中心周波数f0を有する。変調器17jにおいて整相回路4jの出力には周波数f1の信号が混合され、周波数f0+f1の成分が出力される。結合回路6jにおいて、整相回路5jの出力は変調器17jの出力と加算されるが、整相回路5jの出力の周波数f0と、変調器17jの出力の周波数f0+f1は十分に離れておりお互いの信号に影響を与えることはない。結合回路6jの出力はフィルター18jにおいて、整相回路5jの出力に相当する周波数f0の成分と変調器17jの出力に相当する周波数f0+f1の成分に分離される。周波数f0の成分は第1遅延加算回路10Aに供給される。周波数f0+f1の成分は復調器19jにおいて周波数f0が混合され、整相回路4jの出力に相当する周波数f0の成分が出力される。復調器19jの出力は第2遅延加算回路20に供給される。これにより受信の方向の異なる指向性を有する複数の整相回路4j、5jの出力を結合して1つの信号線に供給できる。
【0021】
以上のように本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置によれば、プローブハンドル内に複数の整相回路と変調器を設けることにより、複数の受信指向性に対応する複数の受信信号を1本の信号線で本体に供給することが可能になり、プローブハンドルと本体を結合する信号線の数を削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように、本発明にかかる超音波診断装置は、整相回路が近距離から遠距離まで受信信号をフォーカス位置を動的に変化させて整相することができるという効果を有し、2次元アレイを有し、被検体を3次元的に走査する超音波診断装置などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態における超音波診断装置の受信部の要部ブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における整相回路及びその周辺のより詳細なブロック図
【図3】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置の受信部の要部ブロック図
【図4】従来の超音波診断装置のブロック図
【符号の説明】
【0024】
1 振動子
2 サブアレイ
3 2次元アレイ(配列振動子)
4 整相回路
5 整相回路
6 結合回路
7 プローブハンドル
8 プローブケーブル
9 本体
10、10A、20 遅延加算回路
11 制御回路
12 信号処理部
13 遅延回路
14 レジスタ
15 スイッチ
16 加算点
17 変調器
18 フィルター
19 復調器
21 表示部
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年10月8日(2004.10.8)
【代理人】 【識別番号】100093067
【弁理士】
【氏名又は名称】二瓶 正敬

【公開番号】 特開2006−102391(P2006−102391A)
【公開日】 平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願番号】 特願2004−296875(P2004−296875)