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【発明の名称】 血圧測定装置
【発明者】 【氏名】美野 真司
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】嶋田 純一
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】多々良 尚愛
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】小泉 弘
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】林田 尚一
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】小口 泰介
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】相原 公久
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】須藤 昭一
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】三浦 秀利
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社内

【要約】 【課題】光による脈波の測定を利用した血圧測定において、被検体の動きや脈動等の外乱により、被検体の被測定部分と発光素子及び受光素子との距離間隔が変化したとしても、脈波を高精度に安定して血圧測定をすることができる血圧測定装置を提供することを課題とする。

【解決手段】発光素子のカフ内から伸縮部材に向け照射した光がカフの伸縮部材の発光素子側の面で反射された光を受光する受光素子を備え、前記受光素子の出力信号をノイズ成分として被検体を測定した脈波信号と併せて信号処理することで、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を低減することができ、被検体に完全に固定できなくとも被検体の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる血圧測定装置を提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、
前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して前記カフの外部に光を照射する第一の発光素子と、
前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第一の発光素子の照射した光が外部で散乱された光を前記カフ内で受光する第一の受光素子と、
前記第一の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第二の受光素子と、
を備える血圧測定装置。
【請求項2】
前記第一の受光素子の出力する信号と前記第二の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記第二の受光素子は前記外部で散乱された光の受光を防止する遮光手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の血圧測定装置。
【請求項4】
一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、
前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して前記カフの外部に光を照射する第一の発光素子と、
前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第一の発光素子の照射した光が外部で散乱された光を前記カフ内で受光する第一の受光素子と、
前記カフ内で前記伸縮部材に向けて光を照射する第二の発光素子と、
前記第二の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第三の受光素子と、
を備える血圧測定装置。
【請求項5】
前記第一の受光素子の出力する信号と前記第三の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の血圧測定装置。
【請求項6】
前記第三の受光素子は前記外部で散乱された光の受光を防止する遮光手段を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の血圧測定装置。
【請求項7】
前記第一の発光素子の照射する光の波長と前記第二の発光素子の照射する光の波長が異なることを特徴とする請求項4、5又は6に記載の血圧測定装置。
【請求項8】
一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、
前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して前記カフの外部に光を照射する第一の発光素子と、
前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第一の発光素子の照射した光を前記カフの外部で受光する第四の受光素子と、
前記第一の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第二の受光素子と、
を備える血圧測定装置。
【請求項9】
前記第四の受光素子の出力する信号と前記第二の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の血圧測定装置。
【請求項10】
一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、
前記カフの外部から光を照射する第三の発光素子と、
前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第三の発光素子の照射した光を前記カフ内で受光する第五の受光素子と、
前記カフ内で前記伸縮部材に向けて光を照射する第二の発光素子と、
前記第二の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第三の受光素子と、
を備える血圧測定装置。
【請求項11】
前記第五の受光素子の出力する信号と前記第三の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の血圧測定装置。
【請求項12】
前記第三の受光素子は前記第三の発光素子の照射した光の受光を防止する遮光手段を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の血圧測定装置。
【請求項13】
前記第三の発光素子の照射する光の波長と前記第二の発光素子の照射する光の波長が異なることを特徴とする請求項10、11又は12に記載の血圧測定装置。
【請求項14】
耳介の一部に装着され、照射した光が前記カフの外部にある耳介内で散乱されることを特徴とする請求項1から7に記載するいずれかの血圧測定装置。
【請求項15】
耳介の一部に装着され、照射した光が前記カフの外部にある耳介内を透過することを特徴とする請求項8から13に記載するいずれかの血圧測定装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、被検体の一部を押圧するカフを使用する血圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、血圧測定装置は、長方形で平面状のカフを被測定部分に巻きつけるように装着し、カフに空気を供給して被検体内の血流が停止する圧力で圧迫した後に、カフが被検体を圧迫する圧力を減少させる過程における被検体内の脈動脈波の変化を計測し、カフによる被検体の押圧力と脈動波形の変化から血圧を測定している。ここで、カフにより脈動波形を計測する方法としては、従来、カフに伝達される血流の脈動をカフ内の圧力の変化により計測する方法が一般的であった。
【0003】
最近、より小型な装置で簡便に脈波を検出し、高精度に血圧を測定する方法として、装置を耳介などの被検体の末梢部に装着し、装置内に備えた発光素子により被検体へ照射した照射光が被検体の血管あるいは血管内の血球により散乱された散乱光を、装置内に備えた受光素子により受光し、受光した散乱光から脈波を検出する方法が開発されている。(例えば、特許文献1参照。)これは、脈拍、脈波、心電、体温、動脈血酸素飽和度、及び血圧などを生体内へ放射した赤外光、可視光の散乱光の受光量から計算できるとしている。
【0004】
また、耳介に装着する装置としては、無線通信手段を有し、動脈血酸素飽和濃度センサ、体温センサ、心電センサ、脈波センサを備えている緊急情報装置がある(例えば、特許文献2参照。)。この装置は、センサ部分を外耳道へ挿入し、データ通信部を耳への固定手段としている。
【0005】
一方、血圧の測定に関しては、血管の脈動波形を測定する血圧測定装置は、他の方式であるカフ振動法や容積補償法などによる血圧測定装置(例えば、非特許文献1参照。)と並んで有力な血圧の測定方法として認められている。
【0006】
なお、本願では、耳介の名称は非特許文献2に、耳介の軟骨の名称は非特許文献3による。
【特許文献1】特開平9−122083
【特許文献2】特開平11−128174
【非特許文献1】山越 憲一、戸川 達男著、「生体センサと計測装置」、日本エム・イー学会編/ME教科書シリーズ A−1、39頁〜52頁
【非特許文献2】Sobotta 図説人体解剖学第1巻(監訳者:岡本道雄)、p.126、(株)医学書院、1996年10月1日発行
【非特許文献3】Sobotta 図説人体解剖学第1巻(監訳者:岡本道雄)、p.127、(株)医学書院、1996年10月1日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような光による脈波の測定を利用した血圧測定においては、微弱な信号を高精度に検出する必要がある。しかし、従来の装置は耳介などの被検体の末梢部に装着しても完全に固定することが難しく、被検体の動き、脈動等の外乱は、受光素子の出力する信号のノイズ成分となり、血圧測定の測定値に誤差を生じさせ、脈波を高精度に安定して血圧測定ができないという課題があった。
【0008】
そこで、本願発明は、従来例における上記の課題を解決し、被検体の動きや脈動等の外乱により、被検体の被測定部分と発光素子及び受光素子との距離間隔が変化したとしても、脈波を高精度に安定して血圧測定をすることができる血圧測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願第一の発明は、発光素子がカフ内から外部、特に、被検体に向け光を照射し、被検体で散乱された光を受光素子で受光するとともに、前記発光素子の照射した光がカフの伸縮部材の発光素子側の面で反射された光を他の受光素子で受光することとした。
【0010】
具体的には、本願第一の発明は、一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して前記カフの外部に光を照射する第一の発光素子と、前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第一の発光素子の照射した光が外部で散乱された光を前記カフ内で受光する第一の受光素子と、前記第一の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第二の受光素子と、を備える血圧測定装置である。
【0011】
前記第一の受光素子の出力する信号と前記第二の受光素子の出力する信号には、被検体の動きや脈動等の外乱による同一のノイズ成分が含まれている。前記第二の受光素子は、前記第一の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光を受光しており、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を測定することになる。従って、被検体の脈波信号である前記第一の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第二の受光素子の出力する信号とを信号処理すればノイズ成分を低減することができる。
【0012】
本願第一の発明には、前記第一の受光素子の出力する信号と前記第二の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えてもよい。被検体の脈波信号である前記第一の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第二の受光素子の出力する信号を差分演算することにより前記第一の受光素子の出力する信号からノイズ成分を低減することができる。
【0013】
本願第一の発明において、前記第二の受光素子は前記外部で散乱された光の受光を防止する遮光手段を有することが好ましい。前記遮光手段は、前記第二の受光素子が前記外部で散乱された光を受光することを防止し、前記第二の受光素子の出力する信号から前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光以外の光による信号を低減することができる。これにより、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を精度よく抽出することができる。
【0014】
従って、本願第一の発明の血圧測定装置は、前記第一の受光素子の出力する被検体の脈波信号から被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を低減することができ、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本願第二の発明は、発光素子がカフ内から外部、特に、被検体に向け光を照射し、被検体で散乱された光を受光素子で受光するとともに、他の発光素子のカフ内から伸縮部材に向け照射した光がカフの伸縮部材の発光素子側の面で反射された光を他の受光素子で受光することとした。
【0016】
具体的には、本願第二の発明は、一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して前記カフの外部に光を照射する第一の発光素子と、前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第一の発光素子の照射した光が外部で散乱された光を前記カフ内で受光する第一の受光素子と、前記カフ内で前記伸縮部材に向けて光を照射する第二の発光素子と、前記第二の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第三の受光素子と、を備える血圧測定装置である。
【0017】
前記第一の受光素子の出力する信号と前記第三の受光素子の出力する信号には、被検体の動きや脈動等の外乱による同一のノイズ成分が含まれている。前記第三の受光素子は、前記第二の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光を受光しており、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を測定することになる。従って、被検体の脈波信号である前記第一の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第三の受光素子の出力する信号とを信号処理すればノイズ成分を低減することができる。
【0018】
本願第二の発明には、前記第一の受光素子の出力する信号と前記第三の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えてもよい。被検体の脈波信号である前記第一の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第三の受光素子の出力する信号を差分演算することにより前記第一の受光素子の出力する信号からノイズ成分を低減することができる。
【0019】
本願第二の発明において、前記第三の受光素子は前記外部で散乱された光の受光を防止する遮光手段を有することが好ましい。前記遮光手段は、前記第三の受光素子が前記外部で散乱された光を受光することを防止し、前記第三の受光素子の出力する信号から前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の面で反射された光以外の光による信号を低減することができる。これにより、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を精度よく抽出することができる。
【0020】
本願第二の発明において、前記第一の発光素子の照射する光は、前記第二の発光素子の照射する光と異なる波長の光としても良い。前記第一の発光素子の照射する光と前記第二の発光素子の照射する光とで異なる2波長を使用し、前記第三の受光素子を前記第二の発光素子が照射する光の波長のみを受光するよう設定しておくことで、前記第三の受光素子に前記外部で散乱された光が入射した場合でも、前記第三の受光素子は前記第二の発光素子が照射する光の波長と異なる波長の前記散乱された光を検出しない。従って、前記第三の受光素子の出力する信号から前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の一部で反射された光以外の光による信号を低減することができる。これにより、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を精度よく抽出することができる。さらに、前記第一の受光素子を前記第一の発光素子が照射する光の波長のみを受光するよう設定しておくことで、前記第一の受光素子に前記反射された光が入射した場合でも、前記第一の受光素子は異なる波長の前記反射された光を検出しない。これにより、前記第一の受光素子の出力する信号から前記外部で散乱された光以外の光による信号を低減することができる。
【0021】
従って、本願第二の発明の血圧測定装置は、前記第一の受光素子の出力する被検体の脈波信号から被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を低減することができ、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
【0022】
上記課題を解決するために、本願第三の発明は、発光素子がカフ内から外部、特に、被検体に向け光を照射し、被検体を透過した光をカフの外部の受光素子で受光するとともに、前記発光素子の照射した光がカフの伸縮部材の発光素子側の面で反射された光をカフの内部の受光素子で受光させることとした。
【0023】
具体的には、本願第三の発明は、一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して前記カフの外部に光を照射する第一の発光素子と、前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第一の発光素子の照射した光を前記カフの外部で受光する第四の受光素子と、前記第一の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第二の受光素子と、を備える血圧測定装置である。
【0024】
前記第四の受光素子の出力する信号と前記第二の受光素子の出力する信号には、被検体の動きや脈動等の外乱による同一のノイズ成分が含まれている。前記第二の受光素子は、前記第一の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第一の発光素子側の面で反射された光を受光しており、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を測定することになる。従って、被検体の脈波信号である前記第四の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第二の受光素子の出力する信号とを信号処理すればノイズ成分を低減することができる。
【0025】
本願第三の発明には、前記第四の受光素子の出力する信号と前記第二の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えてもよい。被検体の脈波信号である前記第四の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第二の受光素子の出力する信号を差分演算することにより前記第四の受光素子の出力する信号からノイズ成分を低減することができる。
【0026】
従って、本願第三の発明の血圧測定装置は、前記第四の受光素子の出力する被検体の脈波信号から被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を低減することができ、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
【0027】
上記課題を解決するために、本願第四の発明は、カフの外部の発光素子が被検体に向け光を照射し、被検体を透過した光をカフ内部の受光素子で受光するとともに、カフの内部の発光素子から伸縮部材に向け照射した光がカフの伸縮部材の発光素子側の面で反射された光を他の受光素子で受光させることとした。
【0028】
具体的には、本願第四の発明は、一部が光の透過性のある伸縮部材で覆われたカフと、前記カフの外部から光を照射する第三の発光素子と、前記伸縮部材の光の透過性のある部分を通して、前記第三の発光素子の照射した光を前記カフ内で受光する第五の受光素子と、前記カフ内で前記伸縮部材に向けて光を照射する第二の発光素子と、前記第二の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の面で反射された光を前記カフ内で受光する第三の受光素子と、を備える血圧測定装置である。
【0029】
前記第五の受光素子の出力する信号と前記第三の受光素子の出力する信号には、被検体の動きや脈動等の外乱による同一のノイズ成分が含まれている。前記第三の受光素子は、前記第二の発光素子の照射した光が前記伸縮部材の第二の発光素子側の面で反射された光を受光しており、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を測定することになる。従って、被検体の脈波信号である前記第五の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第三の受光素子の出力する信号とを信号処理すればノイズ成分を低減することができる。
【0030】
本願第四の発明には、前記第五の受光素子の出力する信号と前記第三の受光素子の出力する信号との差分を演算する差分演算手段をさらに備えてもよい。被検体の脈波信号である前記第五の受光素子の出力する信号とノイズ成分である前記第三の受光素子の出力する信号を差分演算することにより前記第五の受光素子の出力する信号からノイズ成分を低減することができる。
【0031】
本願第四の発明において、前記第三の受光素子は前記第三の発光素子の照射した光の受光を防止する遮光手段を有することが好ましい。前記遮光手段は、前記第三の受光素子が前記外部で散乱された光を受光することを防止し、前記第三の受光素子の出力する信号から前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の面で反射された光以外の光による信号を低減することができる。これにより、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を精度よく抽出することができる。
【0032】
本願第四の発明において、前記第三の発光素子の照射する光は、前記第二の発光素子の照射する光と異なる波長の光としても良い。前記第三の発光素子の照射する光と前記第二の発光素子の照射する光とで異なる2波長を使用し、前記第三の受光素子を前記第二の発光素子が照射する光の波長のみを受光するよう設定しておくことで、前記第三の受光素子に前記被検体を透過した光が入射した場合でも、前記第三の受光素子は前記第二の発光素子が照射する光の波長と異なる波長である前記被検体を透過した光を検出しない。従って、前記第三の受光素子の出力する信号から前記伸縮部材の前記第二の発光素子側の面で反射された光以外の光による信号を低減することができる。これにより、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を精度よく抽出することができる。さらに、前記第五の受光素子を前記第三の発光素子が照射する光の波長のみを受光するよう設定しておくことで、前記第五の受光素子に前記反射された光が入射した場合でも、前記第五の受光素子は異なる波長の前記反射された光を検出しない。これにより、前記第五の受光素子の出力する信号から前記被検体を透過した光以外の光による信号を低減することができる。
【0033】
従って、本願第四の発明の血圧測定装置は、前記第五の受光素子の出力する被検体の脈波信号から被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を低減することができ、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本願発明によれば、発光素子のカフ内から伸縮部材に向け照射した光がカフの伸縮部材の発光素子側の面で反射された光を受光する受光素子を備え、前記受光素子の出力する信号をノイズ成分として被検体を測定した脈波信号と併せて信号処理することで、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を低減することができ、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる血圧測定装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
添付の図面を参照して本願発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本願発明の構成の例であり、本願発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
(実施の形態1)
【0036】
図1は、本願第一の発明の実施形態に係る血圧測定装置の一形態を示す概略図である。血圧測定装置901は、伸縮部材10、筐体12a、発光素子111、受光素子121、受光素子122とを備える。伸縮部材10と筐体12aはカフ11を構成する。
【0037】
本実施形態の血圧測定装置901の筐体12aには発光素子111、受光素子121及び受光素子122が設置される。筐体12aの材質は特に限定しないが、血圧測定装置として被検体の末梢部に装着され、空気による圧力が印加されるため、軽量であり圧力で変形しないプラスチック又はアルミ、ステンレス等の金属が望ましい。
【0038】
発光素子111は、カフ11の外部に被検体の血管の脈動を測定するための照射光Aを照射する。
【0039】
散乱光Bは被検体内の血管の脈波により照射光Aが吸収及び散乱することで生ずる。具体的には、照射光Aは被検体の血管の脈動に伴う被測定部分の血液の増減、すなわち血液中のヘモグロビン量の増減によって吸収及び散乱を生じ散乱光Bとなる。照射光Aとして300nm以上1500nm以下の波長の光を使用することができる。このような波長で発光する発光素子111としてGaP系(赤)LED又はGaAs系LEDを使用することができる。さらに、照射光Aとして血液中のヘモグロビンに吸収されやすい400nm以上650nm以下の波長の光を使用することがより好ましい。このような波長で発光する発光素子111としてGaP系(緑)LED又はGaAsP系LEDを使用することができる。
【0040】
受光素子121は受光した散乱光Bを信号Sとして出力する光電変換器である。受光素子121は散乱光Bをカフ11内で受光する。受光素子121の種類は、照射光Aを照射する発光素子111の種類で定まる。発光素子111にGaP系(赤)LED又はGaAs系LEDを使用した場合、受光素子121にはSiフォトトランジスタを使用することが好ましい。また、発光素子111にGaP系(緑)LED又はGaAsP系LEDを使用した場合、受光素子121にはブルーセンシティブフォトダイオードを使用することが好ましい。散乱光Bから光電変換された信号Sは、被検体の血管の脈動の測定情報を有する脈動波形である。
【0041】
伸縮部材10は遮光部10aと透光部10bから構成される。伸縮部材10は発光素子111、受光素子121及び受光素子122を覆い、筐体12aの外枠に空気の漏れがないように密着される。伸縮部材10は、筐体12aに接続される空気パイプ14から送り込まれる空気により膨らみ、被検体の被測定部分を圧迫する。また、透光部10bは、発光素子111から外部に照射光Aを照射でき、かつ外部から散乱光Bを受光素子121で受光できるように配置される。伸縮部材10の素材は特に限定しないが、遮光部10aは伸縮性があり丈夫で遮光性のある布又はゴムであることが望ましく、透光部10bは光の透過性のあるゴム又はビニールであることが望ましい。
【0042】
血圧測定装置901において反射光Cは照射光Aの一部が伸縮部材10の発光素子111の側の面で反射した光である。カフ11は被検体の動きや脈波等の外乱により振動するため、その振動に応じ反射光Cの強度も変動する。
【0043】
受光素子122は反射光Cを受光し信号Nを出力する光電変換器である。受光素子122は反射光Cをカフ11内で受光でき、かつ遮光部10aに覆われ散乱光Bが直接入射しない位置の筐体12aに設置される。受光素子122の種類は、照射光Aを照射する発光素子111の種類で定まる。発光素子111にGaP系(赤)LED又はGaAs系LEDを使用した場合、受光素子122にはSiフォトトランジスタを使用することが好ましい。また、発光素子111にGaP系(緑)LED又はGaAsP系LEDを使用した場合、受光素子122にはブルーセンシティブフォトダイオードを使用することが好ましい。反射光Cから光電変換された信号Nは、被検体の動きや脈波等の外乱による反射光Cの強度変化の波形であり、散乱光Bから受光素子121で光電変換された信号Sのノイズ成分を有している。
【0044】
血圧測定装置901は差分演算手段201をさらに備えてもよい。差分演算手段201は受光素子121及び受光素子122に接続し、信号S及び信号Nを受信し、信号Sと信号Nの差分を演算する手段である。差分演算手段201には差動入力の演算増幅回路(以下、「差動入力の演算増幅回路」を「オペアンプ」と略記する。)を使用することができる。オペアンプは二つの入力端子を持ち、この両端子に入力した信号間の電位差(電圧間差)を増幅し、出力する回路である。従って、オペアンプに信号Sと信号Nが入力された場合、オペアンプは信号Sと信号Nとの電位差、すなわち、信号Sと信号Nに含まれる共通信号及び共通ノイズ成分を除去した出力信号Oを出力する。また、オペアンプは信号Sと信号Nとの電位差の演算において、入力された信号Sから信号Nとの共通信号及び共通ノイズ成分を効果的に除去できるように最適な信号Sと信号Nの比率に設定できる。
【0045】
血圧測定装置901は遮光手段15をさらに備えてもよい。受光素子122が散乱光Bを受光した場合、出力される信号Nに信号Sの成分が含まれることになる。従って、差分演算手段201での信号Sと信号Nの演算により信号Sが相殺され出力信号Oに含まれる信号Sの成分が小さくなる。そこで、遮光手段15により受光素子122が散乱光Bを受光することを防止し、受光素子122から出力する信号Nに信号Sの成分が含まれることを防止する。遮光手段15は照射光Aの一部が反射する伸縮部材10の付近を開口しておくよう筐体12aに設置される。遮光手段15は散乱光Bをカフ11内で散乱させないよう黒色に塗装された金属板、プラスチック板であることが好ましい。
【0046】
血圧測定装置901は以下のように動作する。血圧測定装置901は、被検体の測定部分に伸縮部材10が接触するように装着される。空気パイプ14により空気の供給を受け、伸縮部材10が膨らみ、被検体の被測定部分を圧迫し、被検体内部の血流を停止する状態にする。その後、発光素子111は伸縮部材10の透光部10bを通じ照射光Aを外部の被検体に向け照射するとともに、空気パイプ14はカフ11の内部の空気を徐々に排気して、被検体の被測定部分を圧迫する圧力を減少させる。被検体の被測定部分を圧迫する圧力の減少に伴い、被検体内部の血流が流れ始め、照射光Aは被検体内部の血管の脈波により散乱され散乱光Bとなり、再び透光部10bを透過し、受光素子121に受光される。受光素子121は散乱光Bの強度に応じた信号Sを出力する。一方、照射光Aは全てカフ11の外部へ透過せず、照射光Aの一部は伸縮部材10の発光素子111の側の面で反射光Cとなり、受光素子122に受光される。ここに、遮光手段15により散乱光Bは遮光されるため、受光素子122は散乱光Bを受光しない。受光素子122は反射光Cの強度に応じた信号Nを出力する。出力された信号S及び信号Nは差分演算手段201において差分演算され、動きや脈動等の外乱によるノイズ成分が除去された脈動波形の出力信号Oが出力される。出力信号Oを所定の方法により解析することで被検体の脈波を測定することができる。カフ11内に供給した空気が排気され、伸縮部材10が被検体の被測定部分を圧迫しなくなった時点で血圧測定装置901は血圧測定を終了する。
【0047】
従って、血圧測定装置901は、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の血管の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
(実施の形態2)
【0048】
図2は、本願第二の発明の実施形態に係る血圧測定装置の一形態を示す概略図である。
本実施の形態に係る血圧測定装置902において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。血圧測定装置901との違いは発光素子112及び受光素子123である。
【0049】
図2に示す本実施の形態の血圧測定装置902において、発光素子112は遮光部10aに向けて照射光Dを照射できるよう筐体12aに設置される。発光素子112の種類は特に限定されないが、小型で省電力のLEDを使用することができる。
【0050】
血圧測定装置902において反射光Cは照射光Dが伸縮部材10の発光素子112の側の面で反射した光である。カフ11は被検体の動きや脈波等の外乱により振動するため、その振動に応じ反射光Cの強度も変動する。
【0051】
受光素子123は、反射光Cを受光し信号Nを出力する光電変換器である。受光素子123は反射光Cをカフ11内で受光できるようの筐体12aに設置される。受光素子123の種類は、照射光Dを照射する発光素子112の種類で定まり、発光素子112にGaP系LED、GaAs系LEDを使用した場合、フォトダイオード及びフォトトランジスタを使用することが好ましい。
【0052】
血圧測定装置902においても差分演算手段201をさらに備えてもよい。
【0053】
血圧測定装置902においても遮光手段15をさらに備えてもよい。
【0054】
血圧測定装置902において、発光素子111の照射する照射光Aの波長と発光素子112の照射する照射光Dの波長を異なる波長としても良い。発光素子111の照射する照射光Aと発光素子112の照射する照射光Dとで異なる2波長を使用し、受光素子123を反射光C、すなわち照射光Dの波長のみを受光するよう設定しておく。これにより受光素子123に散乱光Bが入射した場合でも、受光素子123は反射光Cの波長と異なる波長の散乱光Bを検出しない。従って、受光素子123の出力する信号Nから反射光C以外の光による信号を低減できる。これにより、信号Nは被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分を精度よく抽出することができる。さらに、受光素子121を散乱光B、すなわち照射光Aの波長のみを受光するよう設定しておく。これにより受光素子121に反射光Cが入射した場合でも、受光素子121は散乱光Bの波長と異なる波長の反射光Cを検出しない。これにより、信号Sは散乱光B以外の光による信号を低減することができる。異なる2波長の光として各種の波長の光を使用することができる。例えば、発光素子111に波長550nm付近のGaP系LED(緑)、受光素子121に波長550nmの光を受光できるブルーセンシティブフォトダイオード、発光素子112に波長950nm付近のGaAs系LEDならびに受光素子123に波長950nmの光を受光できる可視光カットフィルタを組み合わせたSiフォトトランジスタを使用することができる。照射光Aに550nm付近の光、照射光Dに950nm付近の光を使用するため、散乱光Bと反射光Cのクロストークを防止することができる。また、同一波長帯の受光素子を使用する場合であっても、波長カットフィルタを組み合わせることで散乱光Bと反射光Cのクロストークを防止することができる。例えば、発光素子111に波長550nm付近のGaP系LED(緑)並びに発光素子112に波長700nm付近のGaP系LED(赤)を使用した場合、受光素子121に600nm以上の波長をカットするフィルタを備えたCdS光導電セル並びに受光素子123に600nm以下の波長をカットするフィルタを備えたCdS光導電セルを使用することで散乱光Bと反射光Cのクロストークを防止することができる。
【0055】
本実施の形態の血圧測定装置902の動作を説明する。本実施の形態に係る血圧測定装置902において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ動作をする。
【0056】
本実施の形態の血圧測定装置902の反射光Cは、血圧測定装置901の動作の過程中、発光素子111から照射された照射光Aの一部が伸縮部材10の発光素子111の側の面で反射した光とせず、発光素子112から照射された照射光Dを伸縮部材10の発光素子112の側の面で反射した光とする。
【0057】
本実施の形態の血圧測定装置902の受光素子123は反射光Cの受光に使用する。
【0058】
ここに、発光素子111にGaP系LED(緑)、受光素子121にブルーセンシティブフォトダイオード、発光素子112にGaAs系LEDならびに受光素子123に可視光カットフィルタを組み合わせたSiフォトトランジスタを使用した場合、発光素子111は波長550nmの照射光Aを透光部10bから外部の被検体に向け照射する。一方、発光素子112は波長950nmの照射光Dを伸縮部材10に向けて照射する。照射光Aは被検体内部の血管の脈波により散乱され波長550nmの散乱光Bとなり、再び透光部10bを透過し受光素子121に受光される。照射光Dは伸縮部材10の発光素子111の側の面で波長950nmの反射光Cとなり受光素子123に受光される。受光素子121は波長550nm付近の光のみを検出するため、波長950nmの反射光Cを検出せず、信号Sは散乱光B以外の光による信号を低減できる。受光素子123は波長950nm付近の光のみを検出するため、波長550nmの散乱光Bを検出せず、信号Nは反射光C以外の光による信号を低減できる。出力された信号S及び信号Nは差分演算手段201において差分演算され、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分が除去された脈動波形の出力信号Oが出力される。出力信号Oを所定の方法により解析することで被検体の脈波を測定することができる。
【0059】
従って、血圧測定装置902は、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の血管の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
(実施の形態3)
【0060】
図3は、本願第三の発明の実施形態に係る血圧測定装置の一形態を示す概略図である。
本実施の形態に係る血圧測定装置903において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。血圧測定装置901との違いは筐体12b、受光素子124である。
【0061】
図3に示す本実施の形態の血圧測定装置903において、筐体12bは伸縮部材10に対向して設置され、図示しないアームにより筐体12aと筐体12bは接続される。
【0062】
透過光Eは被検体内の血管の脈波により照射光Aが吸収及び透過することで生ずる。具体的には、照射光Aは被検体の血管の脈動に伴う被測定部分の血液の増減、すなわち血液中のヘモグロビン量の増減によって吸収及び透過を生じ透過光Eとなる。照射光Aとして300nm以上1500nm以下の波長の光を使用することができる。このような波長で発光する発光素子111としてGaP系(赤)LED又はGaAs系LEDを使用することができる。さらに、照射光Aとして血液中のヘモグロビンに吸収されやすい400nm以上650nm以下の波長の光を使用することがより好ましい。このような波長で発光する発光素子111としてGaP系(緑)LED又はGaAsP系LEDを使用することができる。
【0063】
受光素子124は受光した透過光Eを信号Sとして出力する光電変換器である。受光素子124は透過光Eを受光できるよう筐体12bに設置される。受光素子124の種類は、照射光Aを照射する発光素子111の種類で定まる。発光素子111にGaP系(赤)LED又はGaAs系LEDを使用した場合、受光素子124にはSiフォトトランジスタを使用することが好ましい。また、発光素子111にGaP系(緑)LED又はGaAsP系LEDを使用した場合、受光素子124にはブルーセンシティブフォトダイオードを使用することが好ましい。
【0064】
血圧測定装置903においても差分演算手段201をさらに備えてもよい。
【0065】
本実施の形態の血圧測定装置903の動作を説明する。本実施の形態に係る血圧測定装置903において、図1で用いた符号と同じ符号は同じ動作をする。
【0066】
本実施の形態の血圧測定装置903は被検体の測定部分に伸縮部材10が接触し、かつ伸縮部材10と筐体12bで被検体の測定部を挟むように被検体に装着される。
【0067】
発光素子111から透光部10bに向けて照射した照射光Aは、被検体を透過し、透過光Eとして受光素子124に受光され、受光素子124は信号Sを出力する。
【0068】
出力された信号S及び信号Nは差分演算手段201において差分演算され、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分が除去された脈動波形の出力信号Oが出力される。出力信号Oを所定の方法により解析することで被検体の脈波を測定することができる。
【0069】
従って、血圧測定装置903は、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の血管の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
(実施の形態4)
【0070】
図4は、本願第四の発明の実施形態に係る血圧測定装置の一形態を示す概略図である。
本実施の形態に係る血圧測定装置904において、図1、図2及び図3で用いた符号と同じ符号は同じ構成及び同じ機能である。血圧測定装置901、血圧測定装置902及び血圧測定装置903との違いは発光素子113、受光素子125である。
【0071】
図4に示す本実施の形態の血圧測定装置904において、発光素子113は筐体12bに設置され、被検体に向けて照射光Fを照射する。
【0072】
透過光Gは被検体内の血液の脈波により照射光Fが吸収及び透過することで生ずる。具体的には、照射光Fは被検体の血管の脈動に伴う被測定部分の血液の増減、すなわち血液中のヘモグロビン量の増減によって吸収及び透過を生じ透過光Gとなる。照射光Fとして300nm以上1500nm以下の波長の光を使用することができる。このような波長で発光する発光素子113としてGaP系(赤)LED又はGaAs系LEDを使用することができる。さらに、照射光Fとして血液中のヘモグロビンに吸収されやすい400nm以上650nm以下の波長の光を使用することがより好ましい。このような波長で発光する発光素子113としてGaP系(緑)LED又はGaAsP系LEDを使用することができる。
【0073】
受光素子125は、透過光Gを受光し信号Sを出力する光電変換器である。受光素子125は透光部10bと通じて透過光Gを受光できるよう筐体12aに設置される。受光素子125の種類は、照射光Fを照射する発光素子113の種類で定まる。発光素子113にGaP系(赤)LED又はGaAs系LEDを使用した場合、受光素子125にはSiフォトトランジスタを使用することが好ましい。また、発光素子113にGaP系(緑)LED又はGaAsP系LEDを使用した場合、受光素子125にはブルーセンシティブフォトダイオードを使用することが好ましい。
【0074】
血圧測定装置904においても差分演算手段201をさらに備えてもよい。
【0075】
血圧測定装置904においても遮光手段15をさらに備えてもよい。
【0076】
血圧測定装置904においても発光素子113の照射する照射光Fと発光素子112の照射する照射光Dとで異なる2波長を使用してもよい。異なる2波長の光として各種の波長の光を使用することができる。
【0077】
本実施の形態の血圧測定装置904の動作を説明する。本実施の形態に係る血圧測定装置904において、図1、図2及び図3で用いた符号と同じ符号は同じ動作をする。
【0078】
本実施の形態の血圧測定装置904の被検体への装着は、血圧測定装置903の被検体への装着方法と同様である。発光素子113は被検体に向けて照射光Fを照射する。照射光Fは被検体内部の血管の脈波により吸収及び透過され透過光Gとして、透光部10bを通じ、受光素子125に受光される。受光素子125は透過光Gの強度に応じた信号Sを出力する。
【0079】
ここに、発光素子113にGaP系LED(緑)、受光素子125にブルーセンシティブフォトダイオード、発光素子112にGaAs系LEDならびに受光素子123に可視光カットフィルタを組み合わせたSiフォトトランジスタを使用した場合、発光素子113は波長550nmの照射光Fを被検体に向け照射する。一方、発光素子112は波長950nmの照射光Dを伸縮部材10に向けて照射する。照射光Fは被検体内部の血管の脈波により波長550nmの透過光Gとなり、透光部10bを透過し受光素子125に受光される。照射光Dは伸縮部材10の発光素子112の側で波長950nmの反射光Cとなり受光素子123に受光される。受光素子125は波長550nm付近の光のみを検出するため、波長950nmの反射光Cを検出せず、信号Sは透過光G以外の光による信号を低減できる。受光素子123は波長950nm付近の光のみを検出するため、波長550nmの透過光Gを検出せず、信号Nは反射光C以外の光による信号を低減できる。出力された信号S及び信号Nは差分演算手段201において差分演算され、被検体の動きや脈動等の外乱によるノイズ成分が除去された脈動波形の出力信号Oが出力される。出力信号Oを所定の方法により解析することで被検体の脈波を測定することができる。
【0080】
従って、血圧測定装置904は、被検体の末梢部に完全に固定できなくとも被検体の血管の脈波を高精度に安定して常時測定をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本願発明の血圧測定装置は、健康保持や健康診断のための生体情報を検出する健康器具に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本願発明に係る実施形態の血圧測定装置901の構成を示す図である。
【図2】本願発明に係る実施形態の血圧測定装置902の構成を示す図である。
【図3】本願発明に係る実施形態の血圧測定装置903の構成を示す図である。
【図4】本願発明に係る実施形態の血圧測定装置904の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
901、902、903、904 血圧測定装置
10 伸縮部材
10a 遮光部
10b 透光部
11 カフ
12a、12b 筐体
14 空気パイプ
15 遮光手段
111、112、113 発光素子
121、122、123、124、125 受光素子
201 差分演算手段
A、D、F 照射光
B 散乱光
C 反射光
E G 透過光
S、N 信号
O 出力信号
【出願人】 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号
【識別番号】000102739
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿二丁目1番1号
【出願日】 平成16年10月6日(2004.10.6)
【代理人】 【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治

【公開番号】 特開2006−102160(P2006−102160A)
【公開日】 平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願番号】 特願2004−293185(P2004−293185)