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【発明の名称】 回診用X線撮影システム、および、これに用いられる移動式X線撮影装置
【発明者】 【氏名】中村 俊晶
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【氏名】上武 高啓
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【氏名】中原 忠彦
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【氏名】高濱 公大
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【要約】 【課題】移動式X線撮影装置の駐車位置にかかわらず、X線画像データおよび対応する被検体属性データを速やかにデータ管理装置に転送する。

【解決手段】この発明のX線撮影システムに用いられる移動式X線撮影装置1は、X線撮影装置1で取得されたX線画像データが対応する被検体属性データと共にX線撮影装置1の無線送信部13により無線送信されると共に、無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データがデータ管理装置2の無線受信部19により受信される構成を備えているので、X線撮影装置1の駐車位置が何処であっても、X線撮影装置1で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共にX線撮影関連データ管理装置2へ速やかに転送することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)被検体にX線を照射するX線管と、被検体の透過X線像を検出するフラットパネル型X線検出器と、フラットパネル型X線検出器から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する検出信号処理手段と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する第1画像表示手段とが移動可能な台車に搭載されている移動式X線撮影装置と、(b)移動式X線撮影装置で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共に記憶するデータ記憶手段と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する第2画像表示手段が配備されているX線撮影関連データ管理装置と含む回診用X線撮影システムにおいて、(c)移動式X線撮影装置が、検出信号処理手段で取得されるX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する無線送信手段を備えていて(d)X線撮影関連データ管理装置が、無線送信されるX線画像データおよび被検体属性データを受信する無線受信手段を備えていることを特徴とする回診用X線撮影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の回診用X線撮影システムにおいて、X線撮影関連データ管理装置が、移動式X線撮影装置によるX線撮影遂行に必要な緊急情報を無線送信する無線送信手段を備えていて、移動式X線撮影装置が、無線送信されるX線撮影遂行に必要な緊急情報を受信する無線受信手段と、X線撮影遂行に必要な緊急情報を表示する情報表示手段とを備えている回診用X線撮影システム。
【請求項3】
請求項2に記載の回診用X線撮影システムにおいて、情報表示手段が移動式X線撮影装置の第1画像表示手段に、伝達された緊急情報を表示させる回診用X線撮影システム。
【請求項4】
請求項1に記載の回診用X線撮影システムに用いられる移動式X線撮影装置であって、被検体にX線を照射するX線管と、被検体の透過X線像を検出するフラットパネル型X線検出器と、フラットパネル型X線検出器から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する検出信号処理手段と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する第1画像表示手段とが移動可能な台車に搭載されている移動式X線撮影装置において、検出信号処理手段で取得されるX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する無線送信手段を備えていることを特徴とする移動式X線撮影装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、被検体にX線を照射するX線管や被検体の透過X線像を検出するフラットパネル型X線検出器などが移動可能な台車に搭載されている移動式X線撮影装置と、移動式X線撮影装置で取得されたX線画像データおよび対応する被検体属性データを記憶するデータ記憶手段などが配備されているX線撮影関連データ管理装置とがシステムを構成する装置として含まれる回診用X線撮影システム、ならびに、これに用いられる移動式X線撮影装置に係り、特に、移動式X線撮影装置からX線画像データを対応する被検体属性データと共にX線撮影関連データ管理装置へ転送するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療機関で使われている従来の回診用X線撮影システムは、図5に示すように、病室から病室へ移動する移動式X線撮影装置(以下、適宜「X線撮影装置」と略記)51と、管理室に据え置かれるX線撮影関連データ管理装置(以下、適宜「データ管理装置」と略記)52とからなり、X線撮影装置51からX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ管理装置52へ転送される構成とされている。
【0003】
X線撮影装置51の場合、図6に示すように、X線照射用のX線管53と、透過X線像検出用のフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」と略記)54と、FPD54から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する検出信号処理部55と、X線画像データを記憶するデータメモリ56と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する画像表示モニタ57が電動移動可能な台車58に搭載されている。
【0004】
データ管理装置52の場合、図5に示すように、X線撮影装置51で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共に記憶するデータメモリ59や、X線画像データにしたがってX線画像を表示する画像表示モニタ60等が配備されている。
【0005】
図5の回診用X線撮影システムでX線撮影を実行する場合、撮影技師などが台車58を電動走行させてX線撮影装置51をX線撮影対象の被検体(患者)の居る病室(撮影場所)へ移動させる。X線撮影装置51が病室に到着した後、図7に示すように、FPD54を台車58から取り出して被検体Mの背中側にセットすると共にFPD54を台車58に接続する。そして、X線管53からX線を照射すると共に、X線照射に伴ってFPD54から出力されるX線検出信号を検出信号処理部55で信号処理してX線画像データを取得してデータメモリ56に記憶する。
【0006】
ひとつの病室でのX線撮影が終われば、X線撮影装置51を次の病室へ移動させて同様にX線撮影を繰り返す。
【0007】
そして、1回のX線撮影が終了する毎、或いは何回かのX線撮影が終わった処で、図5に示すように、X線撮影装置51を通信ケーブル61で院内ネットワーク62に接続しておいて、データメモリ56に記憶したX線画像データを対応する被検体属性データと共に通信ケーブル61からデータ通信用の院内ネットワーク62を経由してデータ管理装置52へ有線送信する。なお、X線画像データに対応する被検体属性データとしては、例えば撮影対象の被検体Mの氏名および患者番号や病室番号などが挙げられる。
【0008】
X線画像データおよび被検体属性データが有線送信されるデータ管理装置52の方では、受信したX線画像データに従ってX線画像を画像表示モニタ60で表示してチェックしたり、受信したX線画像データのうちで保管の必要なデータについては対応する被検体属性データと共にデータメモリ59に記憶して管理する(例えば特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開平11−188025号公報(第2〜3頁,図1〜図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の回診用X線撮影システムの場合、往々にしてX線撮影装置51からX線画像データおよび対応する被検体属性データをデータ管理装置52に速やかに転送できないという問題がある。
【0010】
X線撮影装置51の駐車位置によっては、院内ネットワーク62における通信ケーブル61の接続口がX線撮影装置51から非常に遠いことがある。この場合、長い通信ケーブル61を引き回さなければならなかったり、或いは、通信ケーブル61の長さが足りずにX線撮影装置51の駐車位置を変更しなければならなかったりして、X線撮影装置51からX線画像データおよび対応する被検体属性データをデータ管理装置52に転送するのに大変な手間がかかってしまう。
【0011】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、移動式X線撮影装置の駐車位置にかかわらず、移動式X線撮影装置からX線画像データおよび対応する被検体属性データを速やかにデータ管理装置に転送することができる回診用X線撮影システム、および、回診用X線撮影システムの為の移動式X線撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0013】
すなわち、請求項1に記載の回診用X線撮影システムは、(a)被検体にX線を照射するX線管と、被検体の透過X線像を検出するフラットパネル型X線検出器と、フラットパネル型X線検出器から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する検出信号処理手段と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する第1画像表示手段とが移動可能な台車に搭載されている移動式X線撮影装置と、(b)移動式X線撮影装置で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共に記憶するデータ記憶手段と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する第2画像表示手段が配備されているX線撮影関連データ管理装置と含む回診用X線撮影システムにおいて、(c)移動式X線撮影装置が、検出信号処理手段で取得されるX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する無線送信手段を備えていて(d)X線撮影関連データ管理装置が、無線送信されるX線画像データおよび被検体属性データを受信する無線受信手段を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
(作用・効果)請求項1の発明の回診用X線撮影システム(以下、適宜「X線撮影システム」と略記)によりX線撮影を行なう場合、移動式X線撮影装置(以下、適宜「X線撮影装置」と略記)の台車を走行させてX線撮影装置を撮影対象の被検体の処まで移動させた後、フラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」と略記)とX線管を撮影態勢にセットしてから、X線管から被検体にX線を照射する。FPDはX線照射に伴って生じる被検体の透過X線像を検出すると共に、フラットパネル型X線検出器から出力されるX線検出信号を信号処理して検出信号処理手段がX線画像データを取得する。第1画像表示手段はX線画像データにしたがってX線撮影装置のX線画像を表示する。
【0015】
そして、X線撮影装置の無線送信手段は検出信号処理手段で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する。
【0016】
他方、X線撮影関連データ管理装置(以下、適宜「データ管理装置」と略記)の無線受信手段は、X線撮影装置の無線送信手段により無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データを受信する。必要に応じて、受信したX線画像データにしたがってX線画像をデータ管理装置の第2画像表示手段で表示させると共に、受信したX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ記憶手段で記憶する。
【0017】
即ち、請求項1の発明のX線撮影システムの場合、X線撮影装置で取得されたX線画像データが対応する被検体属性データと共にX線撮影装置の無線送信手段により無線送信されると共に、無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データがデータ管理装置の無線受信手段により受信される構成を備えているので、X線撮影装置の駐車位置が何処であっても、X線撮影装置で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ管理装置へ転送することができる。
【0018】
よって、請求項1の発明のX線撮影システムによれば、X線撮影装置の駐車位置にかかわらず、X線撮影装置からX線画像データおよび対応する被検体属性データを速やかにデータ管理装置に転送することができる。
【0019】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のX線撮影システムにおいて、X線撮影関連データ管理装置が、移動式X線撮影装置によるX線撮影遂行に必要な緊急情報を無線送信する無線送信手段を備えていて、移動式X線撮影装置が、無線送信されるX線撮影遂行に必要な緊急情報を受信する無線受信手段と、X線撮影遂行に必要な緊急情報を表示する情報表示手段とを備えているものである。
【0020】
(作用・効果)請求項2の発明のX線撮影システムの場合、X線撮影装置によるX線撮影遂行に必要な緊急情報を移動式X線撮影装置へ伝達する時は、データ管理装置の無線送信手段により、X線撮影装置によるX線撮影遂行に必要な緊急情報が無線送信される。無線送信されたX線撮影遂行に必要な緊急情報は、X線撮影装置の無線受信手段により受信されると共に、受信されたX線撮影遂行に必要な緊急情報はX線撮影装置の情報表示手段で表示されることで伝達されることになる。
【0021】
即ち、請求項2の発明のX線撮影システムの場合、X線撮影装置によるX線撮影遂行に必要な緊急情報がデータ管理装置からX線撮影装置へ無線で伝達されるので、X線撮影装置の駐車位置が何処であっても、X線撮影遂行に必要な緊急情報がデータ管理装置からX線撮影装置へ速やかに伝達される。
【0022】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の回診用X線撮影システムにおいて、情報表示手段が移動式X線撮影装置の第1画像表示手段に、伝達された緊急情報を表示させるものである。
【0023】
(作用・効果)請求項3の発明のX線撮影システムの場合、伝達された緊急情報が情報表示手段によりX線撮影装置のX線画像表示用の第1画像表示手段に表示されるので、緊急情報を表示する為の表示手段を設けなくてすむ。
【0024】
さらに、請求項4の発明は、上記の目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0025】
即ち、請求項4の発明に係る移動式X線撮影装置は、請求項1に記載の回診用X線撮影システムに用いられる移動式X線撮影装置であって、被検体にX線を照射するX線管と、被検体の透過X線像を検出するフラットパネル型X線検出器と、フラットパネル型X線検出器から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する検出信号処理手段と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する第1画像表示手段とが移動可能な台車に搭載されている移動式X線撮影装置において、検出信号処理手段で取得されるX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する無線送信手段を備えていることを特徴とするものである。
【0026】
(作用・効果)請求項4の発明の移動式X線撮影装置を請求項1のX線撮影システムに用いてX線撮影を行なう場合、X線撮影装置の台車を移動させてX線撮影装置を撮影対象の被検体の処まで移動させた後、FPDとX線管を撮影態勢にセットしてから、X線管から被検体にX線を照射する。FPDはX線照射に伴って生じる被検体の透過X線像を検出すると共に、検出信号処理手段がFPDから出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する。第1画像表示手段はX線画像データにしたがってX線撮影装置のX線画像を表示する。
【0027】
そして、X線撮影装置の無線送信手段は検出信号処理手段で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する。
【0028】
一方、X線撮影システムを構成する装置としてのデータ管理装置の無線受信手段は、X線撮影装置の無線送信手段により無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データを受信する。受信したX線画像データにしたがってX線画像をデータ管理装置の第2画像表示手段により表示させると共に、受信したX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ記憶手段により記憶する。
【0029】
即ち、請求項4の発明の移動式X線撮影装置の場合、請求項1の発明の回診用X線撮影システムに用いられた時は、X線撮影装置で取得されたX線画像データが対応する被検体属性データと共にX線撮影装置の無線送信手段により無線送信されると共に、無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データがデータ管理装置の無線受信手段により受信される構成を備えているので、X線撮影装置の駐車位置が何処であっても、X線撮影装置で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ管理装置へ転送することができる。
【0030】
よって、請求項4の発明の移動式X線撮影装置によれば、X線撮影装置の駐車位置にかかわらず、X線撮影装置からX線画像データおよび対応する被検体属性データを速やかにデータ管理装置に転送することができる。
【発明の効果】
【0031】
請求項1の発明の回診用X線撮影システムの場合、X線撮影装置で取得されたX線画像データが対応する被検体属性データと共にX線撮影装置の無線送信手段により無線送信されると共に、無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データがデータ管理装置の無線受信手段により受信される構成を備えているので、X線撮影装置の駐車位置が何処であっても、X線撮影装置で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ管理装置へ転送することができる。
【0032】
よって、請求項1の発明の回診用X線撮影システムによれば、移動式X線撮影装置の駐車位置にかかわらず、移動式X線撮影装置からX線画像データおよび対応する被検体属性データを速やかにX線撮影関連データ管理装置に転送することができる。
【0033】
請求項4の発明の移動式X線撮影装置の場合、請求項1の発明のX線撮影システムに用いられた時は、X線撮影装置で取得されたX線画像データが対応する被検体属性データと共にX線撮影装置の無線送信手段により無線送信されると共に、無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データがデータ管理装置の無線受信手段により受信される構成を備えているので、X線撮影装置の駐車位置が何処であっても、X線撮影装置で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ管理装置へ転送することができる。
【0034】
よって、請求項4の発明の移動式X線撮影装置によれば、移動式X線撮影装置の駐車位置にかかわらず、移動式X線撮影装置からX線画像データおよび対応する被検体属性データを速やかにX線撮影関連データ管理装置に転送することができる。
【実施例】
【0035】
以下、この発明の一実施例を説明する。図1はこの発明の移動式X線撮影装置の一例を用いて構成した実施例の回診用X線撮影システムの設置状態を示す模式図、図2は実施例のX線撮影システムによるX線撮影実行時の状況を示す模式図、図3は実施例の撮影システムに用いられているX線撮影装置とデータ管理装置の制御処理系の構成を示すブロック図である。
【0036】
実施例のX線撮影システムは、4輪タイプで後輪駆動型の電動移動可能なX線撮影装置1と、管理室に据え置かれるデータ管理装置2を備えていて、X線撮影装置1によるX線撮影で取得されるX線画像データがデータ管理装置2によって管理される構成とされている。
【0037】
X線撮影装置1は、被検体MにX線を照射するX線管3と、被検体Mの透過X線像を検出するFPD4と、FPD4から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する検出信号処理部5と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する画像表示モニタ6とが電動走行タイプの台車7に搭載されているのに加え、電動モータなどの台車7の電動走行に必要な装備類(図示省略)やX線撮影および装置移動に必要な電力を供給するバッテリー(図示省略)等も台車7に搭載されている。
【0038】
X線管3は台車7の正面寄り中央に立設された垂直支柱8に昇降可能に配設されている水平アーム9の先端に取り付けられている。台車7の走行中は、通常、水平アーム9がX線管3ごと台車7の背面側に向けられ、X線撮影を行なう時に、図2に示すように、水平アーム9がX線管3ごと台車7の正面側に向けられる。
【0039】
X線撮影の実行等に必要な操作を行なう操作パネル10は、台車7の後寄り上面に配設搭載されている。操作パネル10でX線管3の管電圧・管電流などの撮影条件の設定や、X線照射の指令などが行なえる構成とされている。
【0040】
さらに、高圧電源(図示省略)を含むX線照射制御部11が台車1に搭載されていて、X線照射制御部11は、操作パネル10による操作にしたがってX線管3がバッテリーから必要なエネルギーの供給を受けながら被検体MにX線を照射する制御を行なう。
【0041】
透過X線像検出用のFPD4は、台車7に簡単に出し入れできる状態で台車7に配設されているボックス(図示省略)に収容されている。このFPD4の場合、図4に示すように、X線検出面に多数のX線検出素子4aが、X線透視画像の画素配列に対応する配列でX方向(横方向)とY方向(縦方向)に配置されている。より具体的には、例えばX方向とY方向にそれぞれ4000個程度のX線検出素子4aが並ぶ約4000×約4000の正方形マトリックスの配列でX線検出素子4aが配置されている。FPD4は軽量・薄型の検出器であるので、ベッド上の被検体Mの背中側にセットすることができるのに加え、X線透過像検出用の2次元X線検出器まわりの構成の簡素化が図れる。
【0042】
X線撮影の実行時には、X線管3から被検体MにX線が照射されると共に、透過X線像検出用のFPD4からX線検出信号が出力される。そして、検出信号処理部5はFPD4から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する。
【0043】
また、検出信号処理部5は取得したX線画像データを一時的に保持しながらX線画像データを液晶タイプの画像表示モニタ6に送出する。画像表示モニタ6は検出信号処理部5から受け取ったX線画像データにしたがってX線画像を画面に映し出して表示する。
【0044】
また、X線撮影装置1は、X線画像データや被検体属性データなどを記憶するデータメモリ部12を備えている。なお、被検体属性データとしては、例えば撮影対象の被検体Mの氏名および患者番号や病室番号などが挙げられ、被検体属性データは、X線撮影実行時に操作パネル10の入力操作でデータメモリ部12に記憶されたり、X線撮影の準備段階でデータメモリ部12に予め他のデータメモリ部から転送記憶されたりする。また、操作パネル10の操作でデータメモリ部12から被検体属性データを読み出して画像表示モニタ6に表示することもできる。
【0045】
また、データメモリ部12は操作パネル10の操作にしたがって検出信号処理部5に一時的に保持されているX線画像データを対応する被検体属性データと共に記憶する構成とされている。
【0046】
撮影技師は、画像表示モニタ6が表示しているX線画像が適切であれば、操作パネル10を操作して検出信号処理部5に一時的に保持されているX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータメモリ部12に記憶させる。
【0047】
さらに、X線撮影装置1は、検出信号処理部5で取得されるX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する無線送信部13を備えている。無線送信部13は無線アンテナ14と送信回路15とからなり、操作パネル10の操作に伴ってデータメモリ部12から読み出されたX線画像データが対応する被検体属性データと共に送信回路15で無線送信に必要な変調処理等が施された後、無線アンテナ14から電波として発信される。
【0048】
一方、データ管理装置2は、X線撮影装置1で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共に記憶するデータメモリ部16と、X線画像データにしたがってX線画像を表示する画像表示モニタ17を備えている他に、データの管理に必要な操作を行なう操作パネル18などを備えている。
【0049】
さらに、データ管理装置2は、無線送信されるX線画像データおよび被検体属性データを受信する無線受信部19を備えている。無線受信部19は無線アンテナ20と受信回路21とからなり、X線撮影装置1から電波の形で無線送信されるX線画像データおよび被検体属性データは無線アンテナ20で微弱な電気信号に変換された後、受信回路21で必要な復調処理等が施されて後段に送られる。
【0050】
また、データ管理装置2は、受信回路21から出力されるX線画像データおよび被検体属性データを一時的に保持しながらX線画像データを液晶タイプの画像表示モニタ17に送出する受信データ処理部22を備えている。画像表示モニタ17は受信データ処理部22から受け取ったX線画像データにしたがってX線画像を画面に映し出して表示する。
【0051】
加えて、受信データ処理部22は一時的に記憶しているX線画像データを自動的あるいは操作パネル18による操作に応じて調整処理して一時的に記憶しているX線画像データを更新する。受信データ処理部22による調整処理で画像表示モニタ17で表示されるX線画像を適切なものとすることができる。
【0052】
画像表示モニタ17で表示されるX線画像が適切なものになったら、必要に応じて操作パネル18を操作して受信データ処理部22で一時的に保管されているX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータメモリ部16に記憶する。データメモリ部16に記憶されているX線画像データや被検体属性データは、操作パネル18を操作して随時に読み出すことができる。
【0053】
さらに、データ管理装置2は、X線撮影装置1によるX線撮影遂行に必要な緊急情報を無線送信する無線送信部23を備えている。無線送信部23は無線アンテナ20と送信回路24とからなる。また、操作パネル18の操作により緊急情報の無線送信が指令されるのに伴って情報伝達処理部25が指令された緊急情報に対応する緊急情報用信号を無線送信部23へ出力する構成とされている。緊急情報用信号は送信回路24で無線送信に必要な変調処理等が施されて無線アンテナ20から電波として発信される。
【0054】
なお、X線撮影遂行に必要な緊急情報としては、撮影指令の変更・追加やその他の緊急連絡事項などが挙げられる。
【0055】
また、X線撮影装置1は、データ管理装置2から無線送信されるX線撮影遂行に必要な緊急情報を受信する無線受信部26と、X線撮影遂行に必要な緊急情報を画像表示モニタ6に表示する情報表示処理部27とを備えている。無線受信部26は無線アンテナ14と受信回路28とからなり、データ管理装置2から電波の形で無線送信される緊急情報は無線アンテナ14で微弱な電気信号に変換されて受信回路28で必要な復調処理等が施されて情報表示処理部27へ送り出される。
【0056】
緊急情報が送り込まれた情報表示処理部27は、先ず画像表示モニタ6に緊急情報が到着したことを知らせる情報到着サインをX線画像等を表示中の画面に同時表示する。情報到着サインを見た撮影技師は、操作パネル10で緊急情報の表示を指令する操作を行なうと、画像表示モニタ6の画面に伝達された緊急情報が表示される。
【0057】
このように、情報表示処理部27はX線撮影装置1の画像表示モニタ6に伝達された緊急情報を重畳表示させる。例えば、画像表示モニタ6はX線画像に加えて緊急情報を同時表示する。その結果、緊急情報を表示する為の表示モニタは設ける必要がない。
【0058】
また、データ管理装置2はプリンター29を装備している。操作パネル18の操作によりデータメモリ部16に記憶されているX線画像データを読み出すと共に、プリンター29が読み出したX線画像データにしたがってX線画像をシートに印刷してX線写真を取得することも可能である。
【0059】
続いて、以上に述べた構成を有する実施例のX線撮影システムによるX線撮影について説明する。
【0060】
先ず、X線撮影装置1の台車7を走行させてX線撮影装置1を撮影対象の被検体Mの居る病室へ移動させる。そして、X線撮影装置1を起動して、画像表示モニタ6を作動状態とすると、X線撮影装置1はX線撮影遂行に必要な緊急情報の受信・表示が可能な状態となる。
【0061】
次に、X線管3とFPD4を撮影態勢にセットしておいて、X線管3から被検体MにX線を照射する。FPD4はX線照射に伴って生じる被検体Mの透過X線像を検出すると共に、検出信号処理部5がFPD4から出力されるX線検出信号を信号処理してX線画像データを取得する。X線撮影装置1の画像表示モニタ6はX線画像データにしたがってX線画像を表示させる。
【0062】
そして、X線画像データをデータ管理装置2に送信する場合は、操作パネル10を操作してX線撮影装置1の無線送信部13によりX線画像データを対応する被検体属性データと共に無線送信する。
【0063】
データ管理装置2の無線受信部19は、X線撮影装置1の無線送信部13により無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データを受信する。受信したX線画像データは受信データ処理部22で調整されながらX線画像データにしたがってX線画像を画像表示モニタ17で表示させると共に、調整処理した適当なX線画像のX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータメモリ部16で記憶する。
【0064】
データ管理装置2からX線撮影装置1にX線撮影遂行に必要な緊急情報を伝達しなければならない場合は、データ管理装置2の管理者が操作パネル10の操作により緊急情報の無線送信が指令されるのに伴って情報伝達処理部25が指令された緊急情報に対応する緊急情報信号が無線送信部23へ出力される。
【0065】
また、X線撮影の実行中、X線撮影装置1の無線受信部26がデータ管理装置2から無線送信されるX線撮影遂行に必要な緊急情報を受信すると、情報表示処理部27が緊急情報の情報到着サインを画像表示モニタ6で表示させる。撮影技師は、画像表示モニタ6に表示された情報到着サインを見たら、直ちに操作パネル10を操作して画像表示モニタ6に緊急情報を表示して、伝達された緊急情報に即した対応をとる。
【0066】
X線撮影が完了とすると、X線管3を移動態勢に戻すと共にFPD4を台車7に収容しする。そして、台車7を走行させてX線撮影装置1を次の撮影対象の被検体の居る病室へ移動させて同様にX線撮影を繰り返す。
【0067】
以上に述べた実施例のX線撮影システムあるいはX線撮影装置1の場合、X線撮影装置1で取得されたX線画像データが対応する被検体属性データと共にX線撮影装置1の無線送信部13で無線送信されると共に、無線送信されたX線画像データおよび被検体属性データがデータ管理装置2の無線受信部19で受信される構成を備えているので、X線撮影装置1の駐車位置が何処であっても、X線撮影装置1で取得されたX線画像データを対応する被検体属性データと共にデータ管理装置2へ速やかに転送することができる。
【0068】
加えて、X線撮影装置1によるX線撮影遂行に必要な緊急情報がデータ管理装置2からX線撮影装置1へ無線で伝達されるので、X線撮影装置1の駐車位置が何処であっても、X線撮影装置1によるX線撮影遂行に必要な緊急情報がデータ管理装置2からX線撮影装置1へ速やかに伝達される。
【0069】
この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。
【0070】
(1)実施例のX線撮影システムの場合、プリンター29はデータ管理装置2の付属装備であったが、プリンターは独立した装置としてX線撮影システムに含まれていると共に無線受信部を備えていて、データ管理装置の一つである他は実施例と同様の構成のX線撮影システムが変形例として挙げられる。
【0071】
(2)実施例の装置の場合、台車1が後輪駆動型であったが、台車1は前輪駆動型、或いは全輪駆動型であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例の回診用X線撮影システムの設置状態を示す模式図である。
【図2】実施例のX線撮影システムによるX線撮影実行時の状況を示す模式図である。
【図3】実施例の撮影システムを構成しているX線撮影装置とデータ管理装置の制御処理系の構成を示すブロック図である。
【図4】実施例の装置が搭載しているFPDのX線検出素子の配置状況を示す平面図である。
【図5】従来の回診用X線撮影システムの設置状態を示す模式図である。
【図6】従来の移動式X線撮影装置を示す立面図である。
【図7】従来の移動式X線撮影装置によるX線撮影の状況を示す立面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 …移動式X線撮影装置
2 …X線撮影関連データ管理装置
3 …X線管
4 …FPD
5 …検出信号処理部
6,17 …画像表示モニタ
7 …台車
12,16 …データメモリ部
13,24 …無線送信部
19,26 …無線受信部
25 …情報表示処理部
M …被検体

【出願人】 【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【住所又は居所】京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地
【出願日】 平成16年9月30日(2004.9.30)
【代理人】 【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉

【公開番号】 特開2006−95212(P2006−95212A)
【公開日】 平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願番号】 特願2004−287556(P2004−287556)