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【発明の名称】 内視鏡用処置具
【発明者】 【氏名】岡田 勉
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内

【要約】 【課題】処置具挿入部をコンパクトに収納できるとともに、収納時の処置具挿入部への負担及び作動時の抵抗を軽減することができる内視鏡用処置具を提供すること。

【解決手段】回転ドラム7には、凹部22B側から外周面22A側へ鉗子挿入部6を挿通可能な通路23が配されている。また、回転ドラム7の径方向から巻回方向側となる接線方向へ鉗子挿入部6の先端側の向きを漸次変化させながら巻取部22の外周面22Aの周方向へ鉗子挿入部6をガイドする案内部25が通路23に配されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に処置を行う処置部を先端部側に有し、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な処置具挿入部と、
該処置具挿入部の基端部側を回転中心近傍位置に固定するとともに、該基端部以外の部分を巻回して収納する巻回部を有する回転ドラムとを備え、
前記回転ドラムには、前記処置具挿入部を、前記基端部側から先端部側にかけて該回転ドラムの径方向から接線方向へと漸次傾斜させて、前記巻回部へとガイドする案内部が形成されていることを特徴とする内視鏡用処置具。
【請求項2】
前記案内部が、前記処置具挿入部を所定曲率で湾曲させる湾曲面部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
【請求項3】
前記回転ドラムを回転可能に支持するとともに、前記処置具挿入部の先端部側を外部へと導出する開口部を有するハウジングを備え、
該ハウジングが、前記内視鏡に着脱可能とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用処置具。
【請求項4】
生体に処置を行う処置部を先端部側に有して内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な処置具挿入部と、
該処置具挿入部の基端部側を回転中心近傍位置に固定するとともに、該基端部側以外の部分を巻取面部に巻回して収納する回転ドラムと、
該回転ドラムを回転可能に支持するとともに、前記処置具挿入部の先端部側を外部へと導出する開口部を有するハウジングと、
が備えられ、
前記開口部が、前記内視鏡の鉗子口と前記回転ドラムの回転中心とを結ぶ直線上に開口するように形成されていることを特徴とする内視鏡用処置具。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記内視鏡に着脱可能とされていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用処置具。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡用処置具は、内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入する際、処置具挿入部が長く、その取扱いが煩わしい。そこで、ケースに入ったロール状の部材に巻回してコンパクトに収納し、使用時にはケースから処置具挿入部を取り出しながら内視鏡の鉗子チャンネルに挿入し、ケースに設けられた処置具操作部で操作する内視鏡用処置具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、回転ドラム等の回転体に、中心方向から外周方向に向かって処置具挿入部を巻回する際、巻き始める部分で挿入部が急激に曲げられるため、ドラム外周面が処置具挿入部によって摩損されやすい。そこで、ドラムの摩耗を防止するためにドラムに貼付するシートが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】米国特許第5695491号明細書 (第1図)
【特許文献2】特開2003−135370号公報 (第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、収納装置が内視鏡と独立して配せられているため、処置具の操作時には収納装置が内視鏡から離れていて収納装置が支持されていないので操作しにくい。また、内視鏡を動かす際に収納装置が追従しないので、収納装置が内視鏡の動きの妨げになってしまう場合がある。さらに、処置具挿入部の挿抜時に回転体が回転すると処置具の操作部がこれに伴って一緒に回転して周囲に干渉してしまう問題がある。
【0005】
また、上記特許文献2に記載の技術では、処置具挿入部が急激に曲げられることによってドラム側のみならず処置具挿入部側にも曲げによるダメージが発生し、過度の屈折によって処置具挿入部が座屈する可能性があり、処置具の操作性に影響を及ぼすことがある。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、処置具挿入部をコンパクトに収納できるとともに、収納時の処置具挿入部への負担及び作動時の抵抗を軽減することができる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る内視鏡用処置具は、生体に処置を行う処置部を先端部側に有し、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な処置具挿入部と、該処置具挿入部の基端部側を回転中心近傍位置に固定するとともに、該基端部以外の部分を巻回して収納する巻回部を有する回転ドラムとを備え、前記回転ドラムには、前記処置具挿入部を、前記基端部側から先端部側にかけて該回転ドラムの径方向から接線方向へと漸次傾斜させて、前記巻回部へとガイドする案内部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この内視鏡用処置具は、処置具挿入部を回転ドラムの巻回部に沿う方向に巻き始める際、処置具挿入部の基端部側から先端部側に向かって案内部に沿わせることによって、巻回部の巻回方向にスムーズに処置具挿入部を誘導することができる。
【0008】
また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、前記案内部が、前記処置具挿入部を所定曲率で湾曲させる湾曲面部を備えていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具は、湾曲面部に沿って巻き取ることによって、処置具挿入部に局所的な負荷がかかるのを抑えることができる。
【0009】
また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、前記回転ドラムを回転可能に支持するとともに、前記処置具挿入部の先端部側を外部へと導出する開口部を有するハウジングを備え、該ハウジングが、前記内視鏡に着脱可能とされていることを特徴とする。
【0010】
この内視鏡用処置具は、処置の際にハウジングを内視鏡に装着することによって回転ドラムを内視鏡の近傍に配することができ、従来のように、処置の際に内視鏡とハウジングとの間における処置具挿入部の取り扱いが煩わしくなるのを好適に抑えることができる。また、処置を行わない場合にはハウジングを取り外すことができ、処置具挿入部や回転ドラムが内視鏡操作の邪魔になるのを抑えることができる。
【0011】
また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、生体に処置を行う処置部を先端部側に有して内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な処置具挿入部と、
該処置具挿入部の基端部側を回転中心近傍位置に固定するとともに、該基端部側以外の部分を巻取面部に巻回して収納する回転ドラムと、該回転ドラムを回転可能に支持するとともに、前記処置具挿入部の先端部側を外部へと導出する開口部を有するハウジングと、が備えられ、前記開口部が、前記内視鏡の鉗子口と前記回転ドラムの回転中心とを結ぶ直線上に開口するように形成されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具は、処置の際、開口部から突出する処置具挿入部を鉗子口に対して直線上に配することができ、処置部の操作をスムーズに行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、前記ハウジングが、前記内視鏡に着脱可能とされていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具は、処置の際に内視鏡とハウジングとの間における処置具挿入部の取り扱いが煩わしくなるのを好適に抑えることができ、処置をしないときには取り外すことによって内視鏡操作の邪魔になるのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、処置具挿入部を屈曲させることなく緩やかに回転ドラムに巻き取ることができ、処置具挿入部へのダメージを軽減して処置部の操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
本実施形態に係る鉗子(内視鏡用処置具)1は、図1から図3に示すように、生体に処置を行う鉗子部(処置部)2を先端部側に有し、内視鏡3の鉗子チャンネル5に挿通可能な鉗子挿入部(処置具挿入部)6と、鉗子挿入部6の基端部を回転中心近傍位置に露出して基端部側を固定するとともに、基端部以外の部分を巻回して収納する回転ドラム7と、回転ドラム7を内部で回転可能に支持するとともに、鉗子挿入部6の先端部側を外部へと導出する開口部8を有するハウジング10とを備えている。
【0015】
鉗子挿入部6は、可撓性の操作管部11と、操作管部11の内部に進退自在に延びて鉗子部2に操作力を伝達する操作ワイヤ部12とを備えている。
回転ドラム7から露出した操作管部11の基端には、回転ドラム7に固定された管状の基部13Aと、基部13Aの端部に接続されたフランジ部13Bとからなる第1の接続部13が設けられている。
【0016】
操作ワイヤ部12は、図4(a)〜(d)に示すように、撚線とされて相対的に径の太い中央ワイヤ15と、中央ワイヤ15の外周に中央ワイヤ15の軸方向に沿って配された相対的に径の細い複数の単線ワイヤ16とを備えている。
単線ワイヤ16は、図4(a)(b)に示すように、接着剤12Aで中央ワイヤ15に固定されていてもよく、図4(c)(d)に示すように、中央ワイヤ15に撚られていてもよい。
【0017】
回転ドラム7から露出した操作ワイヤ部12の基端には、球状の第1のワイヤ端部17Aと、第1のワイヤ端部17Aから先端側に一定の間隔で離間してフランジ状に形成された第2のワイヤ端部17Bと、第1のワイヤ端部17Aと第2のワイヤ端部17Bとを接続する管状の係止部17Cとからなる第2の接続部17が設けられている。
また、フランジ部13Bと第2のワイヤ端部17Bとの間には、これらの間隔を保持するバネ部材18が配設されている。
【0018】
回転ドラム7は、図3、図5及び図6に示すように、2つの側板20、21と、これらに挟まれて外周面(巻回部)22Aに鉗子挿入部6が巻回される巻取部22とを備えている。巻取部22の中心部には、鉗子挿入部6の基端部が露出して配された凹部22Bが側板20側に開口して形成されている。
回転ドラム7には、凹部22B側から外周面22A側へ鉗子挿入部6を挿通可能な通路23が配されている。また、鉗子挿入部6を、基端部側から先端部側にかけて回転ドラム7の径方向から接線方向へと漸次傾斜させて、巻取部22の外周面22Aの周方向へガイドする案内部25が通路23に配されている。
案内部25は、鉗子挿入部6を所定曲率で湾曲させる湾曲面部25Aを備えている。
【0019】
ハウジング10には、内視鏡3の鉗子口26近傍の操作部27に配された係合孔28に着脱可能とされる取付部30が配設されている。この取付部30は、係合孔28に係合させた際にハウジング10を内視鏡3に対して回転可能とされている。
また、ハウジング10には回転ドラム7を回転自在に支持する軸受31が配されている。
【0020】
次に、本実施形態に係る鉗子1の操作方法、及び、作用・効果について、鉗子1が生検鉗子の場合を例に説明する。
まず、鉗子挿入部6が回転ドラム7の巻取部22の外周面に巻回され、鉗子部2が開口部8から突出した状態の鉗子1を用意して、内視鏡3の係合孔28に鉗子1の取付部30を挿入して装着する。
続いて、内視鏡3の挿入部32を体腔内に挿入する。このとき、内視鏡3の操作の邪魔にならないように、ハウジング10の向きを調整しておく。
【0021】
挿入部32を挿入後、生検を行う際は、開口部8から突出した鉗子挿入部6の先端を把持して鉗子口26から鉗子チャンネル5内に押し込む。このとき、押し込み操作に伴って、回転ドラム7がハウジング10に対して回転し、鉗子挿入部6がスムーズに鉗子チャンネル5内に送り出される。
鉗子部2を鉗子チャンネル5の先端から所望の位置まで突出させた後、バネ部材18が縮む方向に第2の接続部17を第1の接続部13側に接近させる。このとき、操作管部11に対して操作ワイヤ部12が先端側に前進して鉗子部2が開く。
【0022】
組織を掴む際には、第2の接続部17を第1の接続部13から離間する方向に移動して、操作管部11に対して操作ワイヤ部12を基端側に後退させ鉗子部2を閉じる。この状態で鉗子口26と開口部8との間に露出した鉗子挿入部6を引っ張り、組織をちぎって採取する。
【0023】
組織を採取後、鉗子口26と開口部8との間に露出した鉗子挿入部6を把持して、鉗子挿入部6を開口部8からハウジング10内に押し込む。このとき、軸受31によって回転ドラム7が回転し、巻取部22の外周面22Aに鉗子挿入部6が巻回される。この際、押し込み力の大きさによっては、鉗子挿入部6が外周面22Aの接線方向にそのまま飛び出す場合があるが、ハウジング10の内周面に当たって回転ドラム7に跳ね返され、そのまま巻回される。
【0024】
この鉗子1によれば、鉗子挿入部6を巻取部22の外周面22Aに沿う方向に巻き始める際、鉗子挿入部6の基端部側から先端部側に向かって案内部25に沿わせることによって、外周面22Aの周方向にスムーズに鉗子挿入部6を誘導することができる。
この際、案内部25の湾曲面部25Aに沿って巻き取ることによって、鉗子挿入部6に局所的な負荷がかかるのを抑えることができる。したがって、鉗子挿入部6の基端部側を回転ドラム7に固定した状態でも鉗子挿入部6の局部的な屈曲を抑え、操作管部11に対して操作ワイヤ部12を進退自在に操作でき、鉗子部2の操作をスムーズに行うことができる。
【0025】
また、処置の際にハウジング10を内視鏡3の操作部27に装着することによって、回転ドラム7を内視鏡3の鉗子口26の近傍に配することができ、処置の際に内視鏡3とハウジング10との間における鉗子挿入部6の取り扱いが煩わしくなるのを好適に抑えることができる。さらに、処置を行わない場合にはハウジング10を取り外すことができ、鉗子挿入部6や回転ドラム7が内視鏡操作の邪魔になるのを抑えることができる。
【0026】
次に、第2の実施形態について図7及び図8を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る鉗子35のハウジング36に配された開口部37が、内視鏡38の鉗子口26と回転ドラム7の回転中心Cとを結ぶ直線上に開口するように形成されているとした点である。
【0027】
ハウジング36の開口部37は、ハウジング36の側面に沿って鉗子挿入部6が挿通可能なスリット37Aを備えている。
内視鏡38の操作部40には、先端に係合孔28が配された腕部41が立設されており、取付部30は、ハウジング36の取付部30を腕部41の係合孔28に装着した際に、鉗子口26の中心軸C1上に通路23及び回転中心Cとが配されるように形成されている。
【0028】
次に、本実施形態に係る鉗子35の操作方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、第1の実施形態と同様にハウジング36を内視鏡38の係合孔28に装着するとともに、図8(a)に示すように、鉗子挿入部6をハウジング36の開口部37から取り出して鉗子口26から鉗子チャンネル5内に挿通する。
回転ドラム7の巻取部22に巻回された鉗子挿入部6が全て外れた際には、鉗子挿入部6がスリット37A内に進入し、図8(b)に示すように、鉗子挿入部6が鉗子口の中心軸C1上に略一致する方向とされる。
この状態で、第1の実施形態と同様の操作を行い所定の処置を行う。
【0029】
鉗子挿入部6を巻き取る際には、第1の実施形態と同様に鉗子挿入部6を把持してハウジング36内に押し込む。
このとき、回転ドラム7の回転に伴い鉗子挿入部6がハウジング36のスリット37Aから開口部37に移動するとともに、巻取部22の外周面22Aに巻回される。
【0030】
この鉗子35によれば、処置の際、開口部37から突出する鉗子挿入部6を鉗子口26に対して直線上に配するため、鉗子挿入部6の屈曲による操作管部11と操作ワイヤ部12との間の摺動抵抗を抑えることができ、操作管部11に対する操作ワイヤ部12の進退操作を自在に行い鉗子部2の操作をスムーズに行うことができる。
【0031】
次に、第3の実施形態について図9及び図10を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態に係る回転ドラム7には案内部25が配されているとしているが、本実施形態に係る鉗子55の回転ドラム56には、回転ドラム56の外周面57に開口するとともに、回転ドラム56の厚さ方向に向かって漸次傾斜して鉗子挿入部6をガイドする誘導傾斜面58Aを形成して鉗子挿入部6を内部に収納する穴部58が外周面57近傍に配され、穴部58の穴部開口58Bがハウジング60の開口部61と対向する位置に配されているとした点である。
【0032】
回転ドラム56は略円柱状に形成されており、回転ドラム56の外周面57とハウジング60との間には僅かな隙間が設けられている。そして、外周面57の一部が、穴部58に対して鍔状に形成されている。
ハウジング60の開口部61の開口幅と穴部開口58Bの開口幅とは、鉗子挿入部6の外径と略同一の大きさとされている。
【0033】
次に、本実施形態に係る鉗子55の操作方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、第1の実施形態と同様にハウジング60を係合孔28に装着するとともに、鉗子挿入部6をハウジング60の開口部61から取り出しながら、鉗子口26から鉗子チャンネル5内に挿通する。
この状態で、第1の実施形態と同様の操作を行い鉗子部2を操作する。
【0034】
第1の実施形態と同様に組織を採取後、鉗子口26と開口部61との間に露出した鉗子挿入部6を把持して、鉗子挿入部6を開口部61からハウジング60内に押し込む。このとき、軸受31によって回転ドラム56が回転し、回転ドラム56の誘導傾斜面58Aに鉗子挿入部6が巻回される。この際、ハウジング60の開口部61から挿入した鉗子挿入部6はそのまま回転ドラム56の穴部開口58B内に挿入され、誘導傾斜面58Aに沿って穴部58内にガイドされて穴部58の奥側から順次巻回されていく。
【0035】
この鉗子55によれば、鉗子挿入部6を巻き取る際、開口部61からハウジング60内部に挿入した鉗子挿入部6を誘導傾斜面58Aに当接させながら穴部58内に巻き取ることができる。したがって、鉗子挿入部6が巻取り力によって回転ドラム56の径方向外方へ拡開しようとしても穴部58の鍔状の内面がこれを規制することができるとともに、拡開しようとする力が回転ドラム56をさらに回転させるので、鉗子挿入部6を安定して巻回することができる。
【0036】
また、鉗子挿入部6の巻き取りの際、開口部61と穴部開口58Bとが対向しており、何れの開口幅も鉗子挿入部6の外径と略同一とされているので、鉗子挿入部6を巻き取る際に、開口部61から直接穴部58内に収納することができ、穴部58内で鉗子挿入部6を重ならずに巻回することができる。
【0037】
次に、第4の実施形態について図11及び図12を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第4の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る鉗子65の回転ドラム66の隅部が面取りされて傾斜面67とされ、穴部68が、傾斜面67に開口するとともに回転ドラム66の厚さ方向に向かって形成され、ハウジング69の傾斜面67と対向する位置には、傾斜面67と略平行とされて鉗子挿入部6を穴部68にガイドする誘導傾斜面69Aが形成され、ハウジング69の開口部61と穴部68の穴部開口68Aとが対向して配されているとした点である。
この鉗子65も、第3の実施形態と同様の操作方法によって同様の作用・効果を得ることができる。
【0038】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、鉗子部2は鉗子挿入部6に予め接続されて一体とされているが、図13に示すように、鉗子部2を先端に配した鉗子先端部70が鉗子挿入部71と着脱自在とされているものとしても構わない。
【0039】
この場合、操作ワイヤ部72が、鉗子先端部70側の第1の操作ワイヤ部73と、鉗子挿入部71側の第2の操作ワイヤ部75とされ、操作管部76が、鉗子先端部70側の第1の操作管部77と、鉗子挿入部71側の第2の操作管部78とされている。
そして、第1の操作ワイヤ部73の基端側と第2の操作ワイヤ部75の先端側とを、鉗子先端部70の中心軸C2と鉗子挿入部71の中心軸C3とが直交する状態で嵌合し、互いの中心軸が一致する状態で係合する第1の係合手段80と、第1の操作管部77の基端側と第2の操作管部78の先端側とを、第1の係合手段80を回動中心として鉗子先端部70と鉗子挿入部71との中心軸を一致させた状態で係合する第2の係合手段81とを備えている。
【0040】
第1の係合手段80は、帯状の薄板で形成されて第1の操作ワイヤ部73の基端に接続され、端部側に軸方向に幅広な貫通孔82Aを有する第1の連結部材82と、中心軸C3に沿って略半円筒形に形成されて第2の操作ワイヤ部75の先端に接続され、中心軸C3を含む平面部分83Aから貫通孔82Aに嵌合可能に突出した突状部83Bを有する第2の連結部材83とを備えている。
また、第2の係合手段81は、第1の操作管部77の基端に設けられた操作管フランジ部85と、第2の操作管部78の先端に設けられ突状部83Bの突出方向から操作管フランジ部85を挿入可能な切欠部86Aと操作管フランジ部85と係合可能とされて操作管フランジ部85の軸方向の移動を規制する規制部86Bとを有する支持手段86とを備えている。
【0041】
ハウジング87の開口部88には、鉗子先端部70を案内可能な幅に形成された誘導溝90Aが配された取付具90が接続されている。取付具90の中心には、鉗子挿入部71が挿通可能な中心孔90Bが形成されている。
この誘導溝90Aは、鉗子挿入部71の先端を取付具90の中心孔90B内に配して鉗子先端部70の第1の連結部材82を誘導溝90A内に挿入したときに突状部83Bを貫通孔82Aに挿入でき、鉗子先端部70の中心軸C2と鉗子挿入部71の中心軸C3とが一致する方向に鉗子先端部70を移動しながら突状部83Bと貫通孔82Aとを係合するとともに、切欠部86Aから操作管フランジ部85を挿入し規制部86Bに当接させて中心孔90Bに鉗子先端部70を誘導する際の軌跡に合わせて形成されている。
【0042】
鉗子先端部70を鉗子挿入部71に装着する際には、第1の連結部材82を誘導溝90A内に挿入して貫通孔82Aに突状部83Bを挿入する。
その状態で鉗子挿入部71を少し先端側に送り出した後、鉗子先端部70の先端側を誘導溝90Aに沿って突状部83Bの突出方向に湾曲させ、さらに、第1の係合手段80を回転中心として中心軸C2と中心軸C3とが一致する方向に回転し、誘導溝90Aに沿わせながら操作管フランジ部85を切欠部86Aに挿入して規制部86Bに当接させる。
【0043】
その後は、上述と同様の操作によって鉗子挿入部71を送り出して所定の処置を行い、処置を終了した後は、鉗子挿入部71を巻回し、第1の係合手段80及び第2の係合手段82とを取付具90内まで巻き取った際に、上述とは逆の方向に操作して鉗子先端部70を鉗子挿入部71から取り外す。
こうして、鉗子先端部70を他の処置具の先端部に交換することによって、長い処置具挿入部の取り扱いをさらに容易に行うことができる。
【0044】
また、鉗子挿入部95が、図14(a)に示すように、操作管部11と操作ワイヤ部12とに対してそれぞれ進退自在とされて操作管部11と操作ワイヤ部12との間に配されたチューブ96を備えているとしても構わない。
このチューブ96を備えることによって、操作管部11と操作ワイヤ部12との間の摺動抵抗をより低減させることができ、スムーズな操作を行うことができる。
そして、このチューブ96には図14(b)、(c)に示すように、可撓性を向上させるために表面に複数の切り込み96Aを配してもよい。
【0045】
(付記項1)
生体に処置を行う処置部を先端部側に有し、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な処置具挿入部と、
該処置具挿入部の基端部側を回転中心近傍位置に固定するとともに、該基端部以外の部分を巻回して収納する巻回部を有する回転ドラムと、
該回転ドラムを回転可能に支持するとともに、前記処置具挿入部の先端部側を外部へと導出する開口部を有するハウジングとを備え、
前記回転ドラムの外周面に開口するとともに前記回転ドラムの厚さ方向に向かって漸次傾斜して前期処置具挿入部をガイドする誘導傾斜面を形成し、前記処置具挿入部を内部に収納する穴部が前記回転ドラムの外周面近傍に配され、
前記穴部の穴部開口が前記ハウジングの前記開口部と対向する位置に配されていることを特徴とする内視鏡用処置具。
【0046】
(付記項2)
生体に処置を行う処置部を先端部側に有し、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な処置具挿入部と、
該処置具挿入部の基端部側を回転中心近傍位置に固定するとともに、該基端部以外の部分を巻回して収納する巻回部を有する回転ドラムと、
該回転ドラムを回転可能に支持するとともに、前記処置具挿入部の先端部側を外部へと導出する開口部を有するハウジングとを備え、
前記回転ドラムの隅部が面取りされて傾斜面とされ、
該傾斜面に開口するとともに前記回転ドラムの厚さ方向に向かって前記処置具挿入部を内部に収納する穴部が前記回転ドラムの外周面近傍に配され、
前記ハウジングの前記傾斜面と対向する位置に、前記傾斜面と略平行とされて前記処置具挿入部を前記穴部にガイドする誘導傾斜面が形成され、
前記ハウジングの前記開口部と前記穴部の穴部開口とが対向して配されていることを特徴とする内視鏡用処置具。
【0047】
この内視鏡用処置具は、処置具挿入部の巻き取りの際、開口部からハウジング内部に挿入した処置具挿入部を誘導傾斜面に当接させながら穴部内に巻き取ることによって、穴部内に処置具挿入部を順に挿入させることができる。この際、穴部の外周面側の側面によって処置具挿入部が回転ドラムの径方向外方へ拡開するのを規制することができるとともに、拡開しようとする力が回転ドラムをさらに回転させるので、処置具挿入部を安定して巻回することができる。
【0048】
(付記項3)
前記開口部の開口幅と前記穴部開口の開口幅とが、前記処置具挿入部の外径と略同一の大きさとされていることを特徴とする付記項1又は2に記載の内視鏡用処置具。
この内視鏡用処置具は、処置具挿入部の巻き取りの際、処置具挿入部を穴部内で重なるのを抑えて巻回することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る鉗子を内視鏡に装着する際の状態を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る鉗子を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る鉗子の鉗子挿入部を示す(a)(b):側面図、(c):(a)のC−C断面図、(d)(b)のD−D断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る鉗子の案内部近傍を示す拡大図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る鉗子を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る鉗子を内視鏡に装着して(a):鉗子チャンネル内に鉗子挿入部を挿入した状態、(b):鉗子挿入部を全て外した状態を示す説明図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る鉗子を示す斜視図である。
【図10】図9のE−E断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る鉗子を示す斜視図である。
【図12】図11のF−F断面図である。
【図13】本発明に係るその他の実施形態に係る鉗子の(a):取付具近傍を示す斜視図、(b)鉗子挿入部に鉗子先端部を取り付ける状態を示す説明図である。
【図14】本発明に係るその他の実施形態に係る(a):鉗子挿入部を示す一部断面を含む側面図、(b)チューブを示す側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1、35、55、65 鉗子(内視鏡用処置具)
2 鉗子部(処置部)
3、38 内視鏡
5 鉗子チャンネル
6、71 鉗子挿入部(処置具挿入部)
7、56、66 回転ドラム
8、37、61、88 開口部
10、36、60、69、87 ハウジング
22A、57 外周面(巻回部)
25 案内部
25A 湾曲部

【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成16年8月31日(2004.8.31)
【代理人】 【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄

【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100086379
【弁理士】
【氏名又は名称】高柴 忠夫

【公開番号】 特開2006−68075(P2006−68075A)
【公開日】 平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願番号】 特願2004−251794(P2004−251794)