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【発明の名称】 電子内視鏡の先端部
【発明者】 【氏名】杉山 章
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 ペンタックス株式会社内

【氏名】滝沢 努
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 ペンタックス株式会社内

【氏名】澤井 貴司
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 ペンタックス株式会社内

【氏名】山本 和之
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 ペンタックス株式会社内

【要約】 【課題】積層回路基板の各層板どうしを封止接着剤で強固に一体化させて優れた耐久性を得ることができる電子内視鏡の先端部を提供すること。

【解決手段】配線が施された複数の層板10a,10bを重ね合わせて一体に形成した積層回路基板10が、挿入部1の先端に内蔵された固体撮像素子6の背面に配置され、挿入部1内に挿通配置された信号ケーブル12の先端から引き出された信号線13が、積層回路基板10に形成された接続端子18に接続されて、積層回路基板10と信号線13とが封止接着剤19により一体的に封止された電子内視鏡の先端部において、積層回路基板10の少なくとも一か所の側面を、隣り合う各層板10a,10bの端面位置が凸凹にずれた状態に形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が施された複数の層板を重ね合わせて一体に形成した積層回路基板が、挿入部の先端に内蔵された固体撮像素子の背面に配置され、上記挿入部内に挿通配置された信号ケーブルの先端から引き出された信号線が、上記積層回路基板に形成された接続端子に接続されて、上記積層回路基板と上記信号線とが封止接着剤により一体的に封止された電子内視鏡の先端部において、
上記積層回路基板の少なくとも一か所の側面を、隣り合う各層板の端面位置が凸凹にずれた状態に形成したことを特徴とする電子内視鏡の先端部。
【請求項2】
上記積層回路基板の少なくとも一か所の側面において、全層板の端面位置が隣り合う層板の端面に対して凸凹にずれている請求項1記載の電子内視鏡の先端部。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は電子内視鏡の先端部に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡においては一般に、挿入部の先端に内蔵された固体撮像素子の背面に、その固体撮像素子の駆動回路等を構成する電子部品が搭載された回路基板が配置され、挿入部内に挿通配置された信号ケーブルの先端から引き出された信号線が、回路基板に形成された接続端子に接続されている。
【0003】
そして、そのような回路基板として配線が施された複数の層板を重ね合わせて一体に形成した積層回路基板を用いることにより、回路基板を細径内視鏡等にも用いることができる程度に小型化することができる(例えば、特許文献1、2)
【特許文献1】特開2002−76314
【特許文献2】特開2000−199863
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
積層回路基板の層板は薄いセラミック薄板等によって形成されているので、相互に直接接着してはあるものの、より小型化がすすむと十分な接合力を得ることができない。そこで電子内視鏡においては、さらに積層回路基板に接続されている信号線の先端部分と積層回路基板とを封止接着剤により一体的に封止して補強を図っている。
【0005】
しかし、そのようにして積層回路基板を封止接着剤で囲んでも、各層板が封止接着剤に触れるのは側面の極めて薄い厚み部分だけでしかないので、各層板に対する封止接着剤の接合力は弱く、層板と封止接着剤との間で剥離現象が発生する場合があった。
【0006】
そこで本発明は、積層回路基板の各層板どうしを封止接着剤で強固に一体化させて優れた耐久性を得ることができる電子内視鏡の先端部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の電子内視鏡の先端部は、配線が施された複数の層板を重ね合わせて一体に形成した積層回路基板が、挿入部の先端に内蔵された固体撮像素子の背面に配置され、挿入部内に挿通配置された信号ケーブルの先端から引き出された信号線が、積層回路基板に形成された接続端子に接続されて、積層回路基板と信号線とが封止接着剤により一体的に封止された電子内視鏡の先端部において、積層回路基板の少なくとも一か所の側面を、隣り合う各層板の端面位置が凸凹にずれた状態に形成したものである。
【0008】
なお、積層回路基板の少なくとも一か所の側面において、全層板の端面位置が隣り合う層板の端面に対して凸凹にずれていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、積層回路基板の少なくとも一か所の側面を、隣り合う各層板の端面位置が凸凹にずれた状態に形成したことにより、封止接着剤が各層板に対して広い接着面積で接合されると同時に、各層板と封止接着剤との接合部において剪断方向のずれが阻止されて剥離現象が発生し難くなるので、積層回路基板の各層板どうしを封止接着剤で強固に一体化させて優れた耐久性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
配線が施された複数の層板を重ね合わせて一体に形成した積層回路基板が、挿入部の先端に内蔵された固体撮像素子の背面に配置され、挿入部内に挿通配置された信号ケーブルの先端から引き出された信号線が、積層回路基板に形成された接続端子に接続されて、積層回路基板と信号線とが封止接着剤により一体的に封止された電子内視鏡の先端部において、積層回路基板の少なくとも一か所の側面を、隣り合う各層板の端面位置が凸凹にずれた状態に形成する。
【実施例】
【0011】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は、固体撮像素子6を内蔵する電子内視鏡の挿入部1の先端部分を示しており、挿入部1の先端に連結された先端部本体2の先端面に観察窓3等が配置されている。
【0012】
観察窓3の奥には、鏡枠5に保持された複数のレンズからなる対物光学系4が内蔵されていて、その対物光学系4による被写体の投影位置に、例えばCCD(電荷結合素子)からなる固体撮像素子6の撮像面6aが配置されている。固体撮像素子6の撮像面6aにはカバーガラス7が貼り付けられている。8はレーザカットフィルタである。
【0013】
そのような固体撮像素子6と鏡枠5を保持する撮像ユニット枠9内には、固体撮像素子6の駆動回路等を構成する例えばコンデンサやICチップ等の電子部品11が取り付けられた積層回路基板10が、固体撮像素子6の直ぐ後側に隣接して固体撮像素子6に対して連結固着されている。
【0014】
積層回路基板10は、図3にも示されるように、配線が施された例えばセラミック薄板からなる複数の(この実施例では9枚の)層板10a,10bを重ね合わせて一体に形成したものであり、各層板10a,10bどうしは互いに接着されている。
【0015】
なお、この実施例においては、固体撮像素子6の背面に当接・固着された3枚の長い層板10aと、それに対して表裏両面に各々3枚ずつ重ね合わされて固体撮像素子6の背面との間に空間を形成するように後方に配置された短い層板10bとが組み合わされていて、電子部品11は、長い層板10aに取り付けられて、短い層板10bと固体撮像素子6の背面との間の空間に配置されている。
【0016】
12は、挿入部1内に全長にわたって挿通配置された信号ケーブルであり、その先端から引き出された複数の信号線13が、積層回路基板10の矩形状に形成された後端部の四面に設けられた接続端子18に半田付けによって各々接続固着されている。
【0017】
また、その部分を斜め後方から見た状態を図示する図1にも示されるように、固体撮像素子6と積層回路基板10との間で駆動信号や撮像信号等を伝送するために固体撮像素子6の撮像面6a側から延出する複数のリード15が、固体撮像素子6の上端と下端の外側面に沿う位置からその後方の積層回路基板10の接続端子16に向かって並列に並んで配置され、各リード15の後端部は半田付けによって接続端子16に接続固着されている。17は、電気絶縁性の補強板である。
【0018】
そして、固体撮像素子6の背面側の撮像ユニット枠9内の空間には例えばエポキシ系接着剤等からなる封止接着剤19が隙間なく充填されて、電子部品11やリード15も含めて積層回路基板10と信号線13の先端部分等が封止接着剤19により一体的に封止されている。
【0019】
積層回路基板10は、図1、図3、及び図3におけるIV−IV断面を半田付けを省略して図示する図4等に示されるように、左右両側面と後端部分の側面及び短い層板10bの前端部分の側面において、各層板10a,10bの端面位置が隣り合う各層板10a,10bの端面に対して凸凹にずれた状態に形成されている。
【0020】
そして、その凸凹部分に封止接着剤19が入り込んで硬化していることにより、封止接着剤19が各層板10a,10bに対して広い接着面積で接合されると同時に、各層板10a,10bと封止接着剤19との接合部において剪断方向のずれが阻止されるので、層板10a,10bと封止接着剤19との間で剥離現象が発生し難くなり、層板10a,10bどうしが封止接着剤19で強固に一体化されて積層回路基板10が優れた耐久性を得ることができる。
【0021】
また、隣り合う各層板10a,10bどうしの端面位置が凸凹にずれた状態になっていることにより、積層回路基板10の放熱面積が広くなってそれによる冷却効果の向上が得られる。
【0022】
また、封止接着剤19で封止作業を行う際には、隣り合う層板10a,10bにより形成される凹部に合わせて封止接着剤19を流し込むことにより、封止接着剤19が奥まで流れ込み易くなる効果も得られる。
【0023】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、積層回路基板10の全ての側面部において隣り合う層板10a,10bを凸凹に配置しなくても、積層回路基板10の少なくとも一か所の側面において、隣り合う各層板10a,10bどうしの端面位置を凸凹にすれば、それに応じた剥離防止効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例の固体撮像素子と回路基板と信号ケーブル部分を斜め後方から見た状態の斜視図である。
【図2】本発明の実施例の電子内視鏡の挿入部の先端付近の側面断面図である。
【図3】本発明の実施例の固体撮像素子と回路基板と信号ケーブル部分の側面断面図である。
【図4】本発明の実施例の電子内視鏡の先端部の図3におけるIV−IV断面を、半田付けを省略して図示する断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 挿入部
2 先端部本体
6 固体撮像素子
10 積層回路基板
10a,10b 層板
12 信号ケーブル
13 信号線
18 接続端子
19 封止接着剤
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号
【出願日】 平成16年8月23日(2004.8.23)
【代理人】 【識別番号】100091317
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦

【公開番号】 特開2006−55458(P2006−55458A)
【公開日】 平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願番号】 特願2004−241779(P2004−241779)