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【発明の名称】 X線コンピュータ断層撮影システム及びX線コンピュータ断層撮影システムのデータ補正方法
【発明者】 【氏名】イルマー・アーサー・ハイン

【要約】 【課題】システム固有の測定範囲をオーバーフローするデータを適正に補正すること。

【解決手段】X線源3でX線ビームを発生し、被検体を透過したX線ビームをX線検出器5で検出するX線コンピュータ断層撮影システムにおいて、X線検出器5から出力されたアナログ投影データを、デジタル投影データに変換するように構成された変換ユニット11と、変換ユニットからのデジタル投影データからコンピュータ断層撮影システムの測定範囲をオーバーフローするオーバーフローデジタル投影データを検出し、オーバーフローデジタル投影データを曲線近似関数により補正するように構成された処理ユニット12とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線発生部でX線ビームを発生し、被検体を透過したX線ビームをX線検出器で検出するX線コンピュータ断層撮影システムにおいて、
前記X線検出器から出力されたアナログ投影データを、デジタル投影データに変換するように構成された変換手段と、
前記変換手段からのデジタル投影データから前記コンピュータ断層撮影システムの測定範囲を越えるオーバーフローデジタル投影データを検出し、前記オーバーフローデジタル投影データを曲線近似関数により補正するように構成された処理手段とを具備するX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項2】
前記処理手段は、
前記オーバーフローデジタル投影データを検出するように構成されたオーバーフロー手段と、
前記オーバーフロー手段で得られたオーバーフローデジタル投影データと、前記変換手段で得られたデジタル投影データの非オーバーフローデジタル投影データと、前記処理手段の曲線近似関数とに基づいて、前記オーバーフローデジタル投影データを補正するように構成された補正手段とを有する請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項3】
前記補正手段は、
前記変換手段で得られたデジタル投影データの非オーバーフローデジタル投影データに第1の曲線近似関数を近似させるように構成された第1の近似手段と、
前記変換手段で得られたデジタル投影データの非オーバーフローデジタル投影データと、前記オーバーフロー手段で得られたオーバーフローデジタル投影データとの組み合わせに、第2の曲線近似関数を近似するように構成された第2の近似手段と、
前記第1の近似手段から得られた出力と前記第2の近似手段から得られた出力とを重み付けし組み合わせて、前記デジタル投影データの補正を出力するように構成された重み付け手段とを備え、
前記重みは、前記X線コンピュータ断層撮影システムの既知のデジタル投影データに基づいて前記重み付け手段がシミュレーションによって計算された重みと、既知のルックアップテーブルから得られる重みとの一方が選択される請求項2に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項4】
前記補正手段から得られた補正されたデジタル投影データと、前記非オーバーフローデジタル投影データとに基づいて、前記被検体の画像を再構成するように構成された再構成手段をさらに備える請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項5】
前記再構成手段が再構成した被検体の画像を表示するように構成されたディスプレイ手段をさらに備える請求項4に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項6】
前記補正手段はさらに、
前記変換手段から得られたデジタル投影データ内のオーバーフローポイントを同定し、前記オーバーフローポイントのグループが所定数より少ないオーバーフローポイントを有する場合、前記オーバーフローポイントのグループに対して線形補間を行うように構成された補間手段をさらに備える請求項3に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項7】
前記第1の近似手段と第2の近似手段は、所定数より多いオーバーフローポイントを有するオーバーフローポイントのグループのみを補正する請求項6に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項8】
前記所定数は1である請求項7に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項9】
前記X線検出器5は、複数の検出素子を有するアレイ検出器5である請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項10】
前記オーバーフロー手段は、
前記変換手段から得られたデジタル投影データ内のオーバーフローポイントを同定するオーバーフローマップを作成し、前記オーバーフローマップを前記補正手段に提供するように構成されるマッピング手段を備える請求項6に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項11】
前記X線コンピュータ断層撮影システムの既知のデジタル投影データを前記重み付け手段に入力するように構成された既知データ入力手段をさらに備える請求項10に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項12】
前記既知のデジタル投影データは、前記コンピュータ断層撮影システム内で水にX線ビームを照射し、前記水を透過したX線ビームを前記X線検出器5で測定することによって得られる水補正データである請求項11に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項13】
前記既知データ手段から得られた入力と、前記重み付け手段から得られた入力とに基づいて前記オーバーフローデジタル投影データの補正を計算するように構成された既知データ補正手段と、
前記既知データ補正手段から得られた出力と前記重み付け手段から得られた出力とに基づいて前記デジタル投影データに適用する補正を選択するように構成された選択手段をとをさらに備える請求項12に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項14】
前記第1の曲線近似関数はスプライン関数であり、
前記第2の曲線近似関数は多項式関数であり、
前記選択手段は前記重み付け手段の補正と、前記第2の近似手段の補正と、前記既知データ補正手段の補正から、連続的なオーバーフローポイントの数が最も小さい補正を選択する請求項13に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項15】
前記処理手段は、前記オーバーフローの特性に基づいて補正アルゴリズムを選択するように構成される選択手段を備える請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項16】
前記処理手段は、前記X線検出器5のチャンネル方向に沿って前記デジタル投影データを補正するように構成される請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影システム。
【請求項17】
X線発生部で発生され、被検体を透過したX線ビームをX線検出器5で検出するX線コンピュータ断層撮影システムのデータ補正方法において、
前記X線検出器5から出力されたアナログ投影データを、前記X線検出器5に接続された変換手段でデジタル投影データに変換し、
前記X線コンピュータ断層撮影システムの測定範囲をオーバーフローするオーバーフローデジタル投影データを、前記変換手段に接続されたオーバーフロー検出手段で検出し、
補正された画像を発生するために、前記オーバーフロー検出手段に接続された補正手段で曲線近似関数により前記オーバーフローデジタル投影データを補正するX線コンピュータ断層撮影システムのデータ補正方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、エラーを含む測定データを補正するX線コンピュータ断層撮影システム及びX線コンピュータ断層撮影システムのデータ補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1にX線コンピュータ断層撮影装置(X線CT)を示す。X線CTは回転リング2を収容するガントリ1、および、円錐形のX線ビームを発生するX線源3、X線フィルタ4を含む。ガントリ1は、1次元または2次元に配置された検出素子を含むアレイタイプのX線検出器5を有する。また、X線検出器5の検出素子5Aの他の配置も可能である。図2は、X線束が焦点Fから放射される図式的に示された1,000の検出素子5Aを各々が有する10行を示す。
【0003】
X線源3とアレイ検出器5は、回転リング2上に設置され、スライド式寝台6の上に横になった被検体(図示せず)の反対側に面する。アレイ検出器5の各検出素子5Aはチャンネルに対応する。X線源(X線発生部)3はX線フィルタ4を介して被検体に対峙される。X線コントローラ8からトリガ信号が供給されると、高電圧装置7はX線源3を駆動する。高電圧装置7は、トリガ信号を受信するタイミングでX線源3に高電圧を印加する。これにより、X線がX線源3で発生され、ガントリ/バッチコントローラ9は、ガントリ1の回転リング2の回転と、スライド式寝台6のスライドを同期的に制御する。システムコントローラ10は全システムの制御中心を構成し、X線コントローラ8、ガントリ/バッチコントローラ9、寝台6を制御し、被検体をX線源3から照射している間、被検体の周囲の所望の経路で回転リング2を回転させる。
【0004】
アレイ検出器5の検出素子5Aは、被検体がX線源3と検出素子5Aの間にいてもいなくても、X線源3が発生するX線の強度を測定することができる。検出素子5Aは、被検体の画像を構成する元となるX線の他の特性を測定することもできる。したがって、各検出素子(通常、1チャンネル/1素子)5Aは、少なくとも1つのX線強度を測定し、この強度に対応するアナログ出力信号を出力する。各検出素子5Aからの出力信号はデータ収集ユニット11に供給される。データ収集ユニット11は各検出素子5Aの信号を増幅し、デジタル信号に変換する。それによりデジタル投影データが発生される。デジタル投影データはデータ補正ユニット11から出力され、処理ユニット12に供給される。処理ユニット12は各チャンネルに対応するデジタル投影データに基づいて、スライド式寝台6に横になっている被検体に対応する画像の前処理および再構成を行う。
【0005】
従来の電子データ取得システムは、アナログデジタル(A/D変換器)コンバータに結合されたアナログ検出器5またはトランスデューサを使用して、物理信号をデジタル形式で記録する。検出器5および/またはA/D変換器では、例えばX線ビームの強度など目的の物理パラメータを正確に記録できる入力パラメータ信号の範囲は限られている。入力パラメータ信号レベルが検出器5またはA/D変換器の最大信号範囲(最大入力レベル(SDMax))より高い場合、検出器5またはA/D変換器出力信号(測定されたデータ)は、入力信号(真のデータ)を正確に再生できなくなり、検出器5および/またはA/D変換器は「クリップ」を出力する。関連技術では、検出器5またはA/D変換器がクリップを出力すると、入力パラメータ信号が最大入力レベルより高いレベルを有する限り、検出器5またはA/D変換器の信号出力は時間が経過しても一定のままであるので、問題が生じる。
【0006】
したがって、入力パラメータ信号の変化(目的の物理パラメータの変化に対応する)に関係なく、変更された入力パラメータ信号が最大入力レベルより依然として高い場合、検出器5またはA/D変換器の信号の出力は一定になる。言いかえれば、検出器5またはA/D変換器は、目的の物理パラメータの「真の」値を検出することができず、代わりに、最大入力レベルSDMaxを検出する。最大入力レベルSDMaxはその装置固有であるので、種々の装置が真のデータを劣化させる原因は個々に相違する。ここでは、検出器5またはA/D変換器が目的の物理パラメータの真の値を検出できない状態を「オーバーフロー」状態と呼び、この状態は、検出器5またはA/D変換器以外の電気ユニットにも適用可能である。
【0007】
検出器5またはA/D変換器の信号出力は一定であるが、検出器5またはA/D変換器からの出力は処理手順の中のいくつかのステップで処理され、再構成データを発生し、また、再構成データのプロファイルは処理手順の間の異なるステップにおいて変化する。オーバーフロー状態が存在すると、処理の最終結果は、不正確で不正になる。したがって、被検体の最終的に再発生された画像はオーバーフロー状態では実際の被検体とは異なるため、入力パラメータを測定し、この測定に基づいて被検体の画像を発生または再発生する任意の装置に問題が生じる。
【0008】
X線CTの特定の例では、オーバーフロー状態は、検出器5またはA/D変換器のうちの少なくとも1つに存在し、これらの状態により、種々の被検体の再構成された画像にアーチファクトが現れる。したがって、アーチファクトによりX線CTの最終製品の品質が低減し、CT検査を受けた被検体の画像の一部が不鮮明になるか、および/または暗いリング偽像ができるという問題がある。従って、X線CTの結果では、再構成された画像にはゴーストや間違った特徴が必ず含まれ、種々の患者の状態を診断するX線CT画像の信頼性が低減する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、システム固有の測定範囲をオーバーフローするデータを適正に補正するX線コンピュータ断層撮影システム及びX線コンピュータ断層撮影システムのデータ補正方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1側面において、X線発生部でX線ビームを発生し、被検体を透過したX線ビームをX線検出器で検出するX線コンピュータ断層撮影システムにおいて、前記X線検出器から出力されたアナログ投影データを、デジタル投影データに変換するように構成された変換手段と、前記変換手段からのデジタル投影データから前記コンピュータ断層撮影システムの測定範囲を越えるオーバーフローデジタル投影データを検出し、前記オーバーフローデジタル投影データを曲線近似関数により補正するように構成された処理手段とを具備する。
本発明は、第2側面において、X線発生部で発生され、被検体を透過したX線ビームをX線検出器5で検出するX線コンピュータ断層撮影システムのデータ補正方法において、前記X線検出器5から出力されたアナログ投影データを、前記X線検出器5に接続された変換手段でデジタル投影データに変換し、前記X線コンピュータ断層撮影システムの測定範囲をオーバーフローするオーバーフローデジタル投影データを、前記変換手段に接続されたオーバーフロー検出手段で検出し、補正された画像を発生するために、前記オーバーフロー検出手段に接続された補正手段で曲線近似関数により前記オーバーフローデジタル投影データを補正する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、システム固有の測定範囲をオーバーフローするデータを適正に補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影システムの全体構成としては図1のそれとほぼ同等である。本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影システムは、図1のX線コンピュータ断層撮影システムと比較すると、処理ユニット12で行われる処理が相違する。典型的には、処理ユニット12はコンピュータにより実現されるので、そのコンピュータに後述する補正手順を実現させるためのプログラムが相違する。
【0013】
図3は、X線を発生し、X線CTのガントリ内に置かれた被検体を透過したX線を検出し、その検出データに基づいて被検体の画像を再構成する一連の手順を示している。ステップ310では、X線CTのX線源3によってX線を発生する。透過X線は、図2に示されたように、1次元又は2次元アレイのX線検出器5で検出される。ステップ320では、検出器5またはA/D変換器は、例えば検出器5が受信した透過X線の強度に対応する信号を発生する。検出器5の種々の組み合わせについては、すでに図2に関して上述されている。
【0014】
ステップ330では、各検出素子5Aの出力をデータ収集ユニット11が収集した後、次のプロセスステップを適用する準備のために、デジタル化して検出器5のX線プロファイルまたはA/D変換器データを形成する。このデジタル化されたデータは、処理されていない純粋な測定されたデータを反映し、検出器5が発生したエラーを含むので、「純粋なデータ(生データ)」と呼ばれる。
【0015】
ステップ340では、ステップ330で得られたデジタル化されたデータに対して、一般に前処理と呼ばれる種々のプロセスを適用する。前処理は、リファレンス補正、オフセット補正、水補正感度不均衡補正などを含むが、これらに限定されるものではない。前処理をデジタル化されたX線プロファイルに適用し、存在するエラーの一部を除去する。しかし、ステップ340の前処理では、上記のオーバーフロー状態に起因するエラーは除去されない。他の前処理については、米国特許第5,825,842号に開示されている。
【0016】
前処理ステップ340の結果はステップ350で、再構成データを発生するために使用する。再構成データはデジタル化されたデータとは異なるプロファイルを有する。ステップ360では、ステップ350で得られた再構成データに基づいて、照射された対象の再構成を決定する。再構成ステップ360では、検出器5のすべてのチャンネルからのデータを組み合わせ、ステップ370では、被検体に関して最終的な再構成されたCT画像を発生する。
【0017】
別の実施形態では、データ収集ユニット11と処理ユニット12は検出器5の多くの行からデータを収集し、処理ユニット12はデータ収集ユニット11が収集したすべてのデータに基づいて、最終的に再構成されたCT画像を発生し、この画像をディスプレイ13上に表示する。しかし、上述のオーバーフロー状態により、再構成されたCT画像は間違った特徴を有し、被検体の実際の特徴が隠されてしまう。
【0018】
図4に再構成プロセッサ12のより詳細な図を示す。収集ユニット11からの投影データはデータメモリ15に記憶する。画像メモリ14は、再構成されたイメージデータを記憶するか、または、再構成中の画像データを記憶するために備えられる。コンピュータメモリ業界の当業者であれば理解されるように、メモリ14と15は、RAMまたは他の半導体メモリとして実装することができる。オーバーフロー補正ユニット16は少なくとも1つの多項式補正ユニット、スプラインユニット、既知データ補正ユニットを含み、また、重み付けユニットをさらに有する場合もある。次に、図5を参照してこれらのユニットの機能について説明する。ユニット14、15、16は、CPU17の制御のもとにある。CPU17はオーバーフローポイントを決定し、データ収集ユニット11から得た投影データについて所望の処理を行い、オーバーフロー状態を補正する。
【0019】
図5では、再構成プロセッサ12の別の構築のより詳細な図を示す。画像メモリ14とデータメモリ15はCPU17に接続される。また、多項式補正ユニット18、スプライン補正ユニット19、既知データ補正ユニット20、重み付けユニット21、オーバーフローユニット22、変換ユニット23、選択ユニット24、補間ユニット25、既知データ入力ユニット26、マッピングユニット27もCPU17に接続され、制御される。多項式補正ユニット18とスプライン補正ユニット19はそれぞれ、オーバーフロー補正を行ない、重み付けユニット21は、多項式補正ユニット18からの出力とスプライン補正ユニット19からの出力との組み合せ(合成)に対して、オーバーフロー補正を行なう。図4と図5に示されたプロセッサ12は、専用のマイクロコンピュータとしてハードウェア内に実装してもよいし、またはソフトウェア中に実装してもよい。例えば、半導体ゲートアレイとしてオーバーフロー補正ユニット16を実装することができる。
【0020】
例えば、図6(a)はX線検出器5が検出した測定されたX線強度のプロット、図6(b)はプロセッサ12が再構成した再構成データのプロットを示す。より具体的には、図6(a)は、検出器5が測定しA/D変換器がデジタル化したX線強度を、X線強度を測定するチャンネルに対してプロットした図を示す。カーブ(A)はX線源3が発生した真のX線強度(X線強度の真の値)のチャンネル軸上の変化を示し、カーブ(B)は「純粋な」A/D変換器データまたは測定されデジタル化されたデータのチャンネル軸上の変化を示す。図6(a)に示すように、真のX線強度の領域(I)は、オーバーフロー状態のため、測定されたX線強度の同じ領域とは異なる。オーバーフローが存在する場合、測定されたデータ内でX線強度の真の値は、最大入力レベルSDMaxに等しい値で置き換えられ、フラットなプロファイルが発生される。
【0021】
図6(b)は、上記のステップ360で発生された再構成データを示す。カーブ(C)は、真のX線強度値(a)に対応する真の再構成データに対応し、測定されたデータ(B)に基づいて再構成されたカーブ(D)に対応するオーバーフロー再構成データのプロファイルと異なるプロファイルを示す。図6(a)は、測定されたデータ(B)には、検出器5またはA/D変換器がX線強度の実際の値を測定できない平らな部分があり、平らな部分はデータを収集する際に「平らな」特徴によって同定できることを示す。しかし、オーバーフロー再構成データ(D)は、「平らな」特徴を有しない。このため、オーバーフロー再構成データ(D)を分析する場合、オーバーフローチャンネルを同定することが難しくなる。
【0022】
オーバーフロー再構成データ(D)は、2つの特徴を有する。第1に、オーバーフローポイントを含むオーバーフロー再構成データ(D)は、領域(I)では、測定されたX線強度(B)と異なり、一定値に固定されないし、しかも一定でもない。しかし、そのプロファイルは、ノイズを示し、不連続性を有する。この不連続なプロファイルは、再構成画像の中にリング状のアーチファクトを発生させる。
【0023】
次に、オーバーフロー再構成データ(D)のデータ値(マグニチュード)は、真の再構成データ(C)(オーバーフローポイントのないデータ)のデータ値(マグニチュード)より高い。再構成された画像におけるこの特徴の効果により、最終的なCT画像が暗くなり、生理学的な構造が失われる可能性がある。
【0024】
図7は、オーバーフローポイントを同定し、種々のアルゴリズムに基づいてポイントを補正するCT画像の再構成プロセスを示す。このプロセスは、図3のステップと同様のステップを有するので、ここではこれらのステップについては説明しない。本実施形態では、図7に示すプロセスは、検出器5の検出素子5Aの行ごとに実装される(他の実施形態では、列ごとに実装することもでき、また、単一の検出器5で時間ごとに実装することもできる)。さらに、本実施形態では、オーバーフロー補正ステップ770は前処理ステップ740の後に行われる。いくつかの用途では、ハードウェア速度制約あるいは他の制約により前処理前にオーバーフロー補正が実行できないので、オーバーフロー補正ステップ770はこの順序で行われる。他の実施形態で、速度が要因でない場合、前処理ステップの前にオーバーフロー補正ステップを行うことができる。
【0025】
上述のように、入射するX線の強度レベルが、検出器5が検出可能な最大強度を超えているとき、オーバーフロー状態が続くかぎり検出器56は最大出力で固定する。その出力値は、X線強度を表していない偽の値である。図7のプロセスでは、検出器5のクリップによって導入された偽の値を補正するために、オーバーフローポイント(図6(a)のカーブ(B)に対応する領域(I)内のポイント)を同定し、オーバーフローポイントのマップを作成する。つまり、オーバーフローを起こしている空間的範囲を特定する。オーバーフロー状態が存在するときには、ステップ760で得た再構成データからオーバーフローポイントを直接決定することができないので、前処理ステップ740ではステップ750で、オーバーフローマップを図6(a)に示された純粋なA/D変換器データ(B)、つまり前処理も再構成処理も受けていない初期段階の生データに基づいて作成する。オーバーフローマップは、X線検出器5のチャンネルのうちオーバーフロー状態であるチャンネルを示すバイナリマップである。オーバーフローマップは、オーバーフローポイントにオーバーフロー補正を適用する次のステップで使用する。
【0026】
ステップ770では、オーバーフロー補正は、ステップ750で作成されたオーバーフローマップが指定するように、オーバーフロー状態であるチャンネルに対応する再構成データの値に適用される。オーバーフロー補正ステップ770がステップ760の再構成データを補正した後、再構成ステップ780では被検体の画像を構成し、ステップ790ではディスプレイ13上に被検体の再構成されたCT画像を表示する。
【0027】
このようにして、本実施形態の方法、システム、プログラムは、関連技術のシステムの欠陥であった、再構成された画像中のリング状アーチファクト、暗くなること、生理学的な構造が失われている可能性を補正する。発明者は、オーバーフロー補正ステップ770が種々の数学アルゴリズムで実装できることを発見した。図8で示される実施形態では、1つの可能な方法について説明する。図8は、図7のオーバーフロー補正ステップ770に対応する構成図を示す。個別のオーバーフローポイントと小さなグループのオーバーフローポイントはオーバーフローマップ810、および、図7のステップ760で得た再構成データ820に基づいて同定され、ステップ830で例えば線形補間に基づいて補正される。
【0028】
ステップ830は、個別のオーバーフローポイントと小さなグループのオーバーフローポイントだけを補正することにより、新しい再構成データセットReconstruction_Data’を発生する。ステップ830では、オーバーフローポイントのより大きなグループは補正されない。
【0029】
ステップ830をよりよく理解するために、図9では、オーバーフローマップ810と再構成データ820を図式的に示す。図9の下部に示すオーバーフローマップは、X軸に沿ったアレイ検出器5の各チャンネルを示す。白い円は、ステップ830の補間によって補正されたオーバーフローポイントを示し、下の塗りつぶした円は元の非オーバーフローポイントに対応し、また、上の塗りつぶした円はまだ補正されていないオーバーフローポイントに対応する。
【0030】
再構成データの値Reconstruction_Data’を図9の上部に示す。白い三角形は、オーバーフローポイントに接する非オーバーフローポイントの値に基づいた線形補間によって補正されたオーバーフローポイントを示し、塗りつぶされた三角形は、線形補間とは別の手順で補正するオーバーフローポイントを示す。破線は、オーバーフロー状態が不明である非オーバーフローカーブを示す。図8で説明したプロセスの1つの目標は、オーバーフローポイントをできるだけ非オーバーフローカーブに近づけることである。
【0031】
ステップ830によれば、連続するオーバーフローポイントの数が、所定数Min_Consecutive_Overflow Ptsより少ないオーバーフローポイントに対して、線形補間を適用する。所望の精度に依存して、Min_Consecutive_Overflow Ptsの数を決定する。数が小さいほど、プロセスは正確になる。図9の例では、Min_Consecutive_Overflow Ptsは、2である。図9は、線形補間を使用してオーバーフローポイントを補正する3つの領域を示す。ステップ830で線形補間を行なった後、ステップ840ではオーバーフローマップを更新する。更新されたマップに対して、再度、Min_Consecutive_Overflow Ptsより少ない連続数のオーバーフローポイントのグループを同定する。さらに、ステップ820で提供された再構成データを補正されたオーバーフローポイントで更新し、他のステップに提供する。
【0032】
ステップ840では、プロセスは、更新された再構成データReconstruction_Data’中のオーバーフローポイントのグループを同定する。次にこの手順について説明する。図10は、チャンネルの行に存在するオーバーフローポイントの多数のグループを示す。1度に1行のチャンネルを考え、チャンネルのそれぞれの行の中のオーバーフローグループの合計をOFGで示す。例えば、図10ではオーバーフローポイントの多数のグループのオーバーフローグループ「g」を示す。オーバーフローグループ「g」の位置は開始点OFGStart[g]で定義し、グループの最終点はOFGEnd[g]で示す。グループ「g」の中のオーバーフローポイントの数はOFGPts[g]であり、次式によって与えられる。
【数1】


【0033】
連続的なオーバーフローポイントを分離する非オーバーフローポイントMinGroupSpacingの数が所定値より小さいかまたは所定値と等しい場合、一連の連続的なオーバーフローポイントはグループのサブグループと考える。例えば図10では、MinGroupSpacingを1に設定する。さらに、2つのサブグループの間の非オーバーフローポイントの数が1であり、MinGroupSpacingより小さいので、2つのサブグループ(a)と(b)は同じグループ「g」の一部である。したがって、所定のMinGroupSpacingに関して、複数のサブグループが隣接するサブグループの間で、MinGroupSpacingより少ないかまたはMinGroupSpacingと等しい数の非オーバーフローポイントを有する場合、複数のサブグループを1つの単一のグループと考える。
【0034】
しかし、別の実施形態では、図10で示すサブグループは、異なるグループに対応する場合がある。なんらかの方法でグループとサブグループを選択することにより、よりよい曲線近似を達成することができる。さらに図10は、非オーバーフローポイントがオーバーフローグループの一部でありうることを示す(ここで、1つの非オーバーフローポイントはオーバーフローグループ「g」の一部である)。
【0035】
ステップ840で、OFG、OFGStart[g]、OFGEnd[g]、OFGPts[g]を決定した後、同定されたオーバーフローグループに種々の補正を適用する。ステップ850では、ステップ840で同定および画定されたオーバーフローグループに多項式補正を適用する。本実施形態では、図11に示すように、オーバーフローデータは、次数Nの多項式を近似することによってスムーズ化される。しかし、別の実施形態では、オーバーフローデータをスムーズ化するために異なるタイプのカーブあるいは低域フィルタを使用する。
【0036】
図11は、Reconstruction_Data’[n]内にあるグループ「g」で、次式に従うポイント(チャンネル)について多項式を近似させることを示す。
【数2】


【0037】
上式でPFBptsはグループ「g」の両側でオーバーフローグループ「g」の境界となっている非オーバーフローポイントの数である。PFBpts数は、後述の種々の要因に依存して選択される。多項式補正の形式は次の通りである。
【数3】


【0038】
上式でC[a]は、グループ「g」の近似のための第aの多項式係数である。多項式式(3)に対する、オーバーフローグループの中のデータの一般的な最小二乗近似を使用して、多項式係数C[a]を得る。すなわち、オーダNの多項式に対して
【数4】


【0039】
式(3)が定義する多項式を使用する補正(多項式を用いた平滑化補正)PolySmoothは次式によって与えられる。
【数5】


【0040】
PolySmooth補正は、更新された再構成データReconstruction_Data’中のオーバーフローポイントの正確な値を補間も概算もせず、単にオーバーフロー領域をスムーズアウトし、再構成画像の中のリングタイプのアーチファクトを除去するだけである。図11は、(i)オーバーフローグループ「g」の境界となっている非オーバーフローポイントと、(ii)オーバーフローグループ「g」のオーバーフローポイントに基づいた、PolySmooth補正の結果を実線で示す。実線は、図9に関して説明した、真の再構成データを示すダッシュラインとは異なる。
【0041】
ステップ850は複数のサブステップを含んでいてもよく、例えば、図8は2つのサブステップ851と852を示す。サブステップ851では、オーバーフローグループ「g」中のオーバーフローポイントに関する第3オーダの多項式近似を決定し、ステップ852では、真のデータの値によりよく近似させるために、オーバーフローポイントを補間し、これらをサブステップ851で発生された多項式カーブと置き換える。
【0042】
図8で説明したプロセスは、ステップ840でオーバーフローグループを同定した後に多項式近似850を適用することに制限されるわけではない。例えば、図8は、オーバーフロー補正プロセスはステップ840から、オーバーフローグループにスプライン近似を適用するステップ860に進んでもよいし、または、補正方法の組み合わせを適用するステップ870に進んでもよいことを示す。
【0043】
ステップ860とステップ850は似ているが、別の数学補正が適用される点が異なる。ステップ860は複数のステップを含んでいてもよいし、または図8に示すように2つのステップを含んでいてもよい。本実施形態を2つのステップだけに限定することが目的ではないが、図8に示した例では、ステップ861で非オーバーフローポイントに近似するスプライン曲線を決定し、ステップ861の出力をステップ862に入力して、ステップ862では、オーバーフローグループの境界となっている非オーバーフローポイントにスプライン補間を適用する。
【0044】
本実施形態では、スプライン曲線は、Reconstruction_Data’のグループ「g」の両側の境界となっている非オーバーフローポイントに近似させる。スプライン曲線は次式によって与えられる。
【数6】


【0045】
この例では、スプライン近似は、式(7)が定義する間隔内にある合計2のSFptsポイントに適用される。スプライン近似は、すべてのオーバーフローポイントが補正するまで適用され、SFptsは、オーバーフローグループ「g」の境界となっている非オーバーフローポイントの数を表す。現在のシステムでは、オーバーフローグループが検出器5の端に位置することはできなかった。一般の場合では、検出器5の端に位置するグループは外挿される。
【0046】
図12では、チャンネル「Ch」に対応するSplineCurve[Ch]曲線は、再構成データの真の値に対応する破線とは異なる実線で示す。更新されたオーバーフローマップを使用して、オーバーフローグループ「g」中のすべてのオーバーフローポイントを補正する。図12では、白い円は、SplineCurve[Ch]曲線にスプライン近似するために使用する非オーバーフローポイントを示し、黒い五角形はSplineCurve[Ch]曲線を使用して補正されたオーバーフローポイントを示す。グループ「g」のオーバーフローポイントにスプライン近似を適用した後、オーバーフローマップを更新し、すべてのオーバーフローグループを補正するまで、残りのオーバーフローグループについてこのプロセスを繰り返す。
【0047】
SplineFix補正は次式によって与えられる。
【数7】


【0048】
図8に示したプロセスは、PolySmooth補正またはSplineFix補正だけに限定されず、他の数学補正アルゴリズムを使用して、オーバーフローグループのオーバーフローポイントを補正することもできる。一般に、オーバーフロー状態が存在する時には、真の再構成データは不明であるので、完全な補正を発生するのは非常に難しい。SplineFixはオーバーフローデータの一般的な補正を発生し、時によっては、SplineFix補正のマグニチュードは、A/D変換器データを過剰に補正するかまたは過少に補正し、最終的な再構成画像に新しいアーチファクトが導入されてしまう。
【0049】
本発明者は、PolySmoothとSplineFixを組み合わせると、補正が改善されることを発見した。本実施形態では、2つの補正(PolySmoothとSplineFix)の適応的重み付け平均を図8のステップ870で実装する。ステップ870では、PolySmooth補正ステップ850からの出力と、SplineFix補正ステップ860からの出力を受信する。これらの2つの出力に基づいて、後述のように新しい補正SplinePolyFixを計算する。しかし、本発明の別の実施形態では、非適応的重み付け、または2項の重み付け乗算などの他の関数を使用して、2つの補正または任意の他の補正を組み合わせることができる。
【0050】
本実施形態に関して、スプライン曲線補正のマグニチュードは、非オーバーフローデータの勾配SとSの関数である。上式でSはグループの低い側(より小さいチャンネル値、図の中でオーバーフローグループの左側)の非オーバーフローポイントの勾配であり、Sは、グループの上側(より大きなチャンネル値、図の中のオーバーフローグループの右側)の勾配である。PolySmooth補正とSplineFix補正は、2つの勾配SとSの最大勾配によって決定される適応的重み付けWを使用して組み合わされる。別の実施形態では、Wは、勾配SとS、オーバーフローグループ「g」の中のポイントOFGPtsの数など種々のオーバーフローパラメータ、または、パラメータの組み合わせの関数である。
【0051】
この実施形態では、PolySmoothとSplineFixの組合せはSplinePolyであり、次式によって与えられる。
【数8】


【0052】
式(11)から(16)で分かるように、勾配SとSは、オーバーフローグループの境界となっている非オーバーフローポイントについて計算する。
【0053】
本実施形態では、W(S)は、次のようにシミュレーションによって決定される。非オーバーフローデータ(純粋データ)は、シミュレーションによっても発生され、または、実験的にも取得されるので、純粋データを処理して、非オーバーフローReconstruction_Dataを発生する。ついで非オーバーフロー純粋データをシミュレーションによって修正し、オーバーフローデータを発生し、オーバーフロー状態を説明する。このオーバーフローデータを処理して、オーバーフローReconstruction_Dataを発生する。非オーバーフローとオーバーフローReconstruction_Dataの両方が知られているので、Wの「真の」値がSの関数として計算される。例えば、異なるSは修正された非オーバーフロー純粋データの組から計算し、対応するW値は、オーバーフロー再構成データを非オーバーフロー再構成データに近似させることによってシミュレーションで決定する。本実施形態では、シミュレーションで計算した2つのSとWの組を共にグラフにプロットし、最小二乗線形カーブをW対Sのデータに近似させて、次の式にしたがって適応的重み付け関数を発生する。
【数9】


【0054】
上式(17)でmは勾配、bは切片であり、最小二乗近似によって決定される。他の実施形態では、異なる近似関数またはルックアップテーブルを使用し、W(S)を決定することができる。
【0055】
SplinePolyFix補正により、非オーバーフローデータと統計的に一致させるようにスケーリングされたスプライン曲線の特性を有する補正が発生される。この補正により、オーバーフローアーチファクトが低減された、改善された再構成画像が発生される。
【0056】
図8に説明されたプロセスのさらなる改善は、図7の前処理ステップ740が非オーバーフローデータにどのような影響を与えるかに関する以前の知識データを使用して達成することができる。一般の場合では、以前の知識データは、キャリブレーションデータ、数学の関数、または両方の組合せであってよい。X線CTの場合には、例えば、前処理ステップは、再構成データ内に頂点をしばしば有する異なるカーブ形を導入する水補正を含む場合がある。これは例えば、図6(b)の真の再構成データ(c)の中に示される。一番下の頂点の位置、および頂点の両側のカーブの勾配は、前処理ステップで使用される水補正データ、および、チャンネルの行の中のオーバーフローグループの位置の関数である。水補正データは一定で、任意の補正を決定する前に知られている。
【0057】
ステップ870で決定されたSplinePolyFix補正は、ステップ880で得られた以前の知識データ(頭部または腹部などの走査されている被検体の減衰に関するいくつかの一般的な知識など)と組み合わせ、よりよい補正APFixを発生することができる。
【数10】


【0058】
上式で、APFixは以前の知識によるオーバーフロー補正で、F{}は、以前の知識に基づいてSplinePolyをスケーリングする重み付けなどの、SplinePolyと以前の知識データを組み合わせた関数である。
【0059】
SplinePolyFix補正とAPFix補正は、オーバーフローポイントの真のデータ値を概算する。一部の条件(雑音など)下では、APFixおよび/またはSplinePolyFixは、特定のオーバーフローグループに関して、オーバーフローデータより悪い、補正された値を発生する場合もありうる。これにより、望ましくない新しいアーチファクトが補正された画像中に発生される。
【0060】
したがってステップ890では、既に議論された補正の間で最良の補正の選択を決定する。SplinePolyFix補正とAPFix補正を、PolySmooth補正と比較し、補正が有効であるかどうかを決定する。オーバーフローグループ内で任意のSplinePolyFix補正されたポイント、またはAPFix補正されたポイントが、対応するPolySmooth補正されたポイントより大きい場合、補正の有効性が決定される。上記の条件が有効な場合、補正は無効であると考えられる。APFixValidとSplinePolyValidのフラグは、次のアルゴリズムによって設定される。
【数11】


【0061】
上式で、「1」は有効を示すし、「0」は無効を示す。
【0062】
オーバーフローグループ「g」に関する最良の補正は、テーブル1にしたがって決定する。
【表1】


【0063】
しかし、他の実施形態では、異なる基準を使用して補正の有効性を決定し、ついで、最良の補正を選択することができる。
【0064】
最後に、ステップ895では、再構成データのすべてのオーバーフローポイントを、テーブル1の結果と選択ステップ890からの入力に基づいて補正し、被検体の再構成された画像をディスプレイ上に表示する。
【0065】
コンピュータ業界の当業者であれば明らかなように、本発明の任意の実施形態は、本発明の教示にしたがって、従来の汎用コンピュータまたはマイクロディスクプロセッサプログラムを使用して便利に実装できる。ソフトウェア業界の当業者であれば明らかなように、当業界のプログラマであれば適切なソフトウェアを本開示の教示に基づいて容易に作成できる。
【0066】
図13は、本発明の教示によってプログラミングできる汎用コンピュータ1300の概略図である。図13では、コンピュータ1300を使用して、本発明のプロセスを実装することができる。ここで、コンピュータは例えば、ディスプレイ装置1302(例えばタッチスクリーンインタフェースなどを備えたタッチスクリーンモニタ)、キーボード1304、ポインティングデバイス1306、マウスパッドまたはデジタルパッド1308、適切なデバイスバス(SCSIバス、拡張IDEバス、ウルトラDMAバス、PCIバスなど)を使用して接続されたハードディスク1310または他の固定式高密度媒体ドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ1312、テープまたはCD媒体1316を伴うテープまたはCD−ROMドライブ1314、または、光磁気媒体などの他のリムーバブル媒体デバイス、マザーボード1318を含む。マザーボード1318は例えば、プロセッサ1320、RAM1322、ROM1324(DRAM、ROM、EPROM、EEPROM、SRAM、SDRAM、フラッシュRAMなど)、画像取得装置と特殊化されたハードウェア/ソフトウェア機能を行うためのオプションの特定目的論理デバイス(ASICなど)またはコンフィギュラブル論理デバイス(GALおよびリプログラマブルFPGAなど)1328とに結合するために使用できるI/Oポート1326、マイクロホン1330、スピーカ(複数可)1332を含む。上記の特殊化された機能には、音声処理、画像処理、信号処理、ニューラルネットワーク処理、自動分類などが含まれる。
【0067】
上述のように、本発明のシステムは少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能媒体を含む。コンピュータ読み取り可能媒体の例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAMなどである。本発明は、コンピュータ読み取り可能媒体のうち任意の媒体または媒体の組合せに、コンピュータのハードウェアを制御し、コンピュータと人間のユーザの相互作用を可能にするソフトウェアを含む。このようなソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、および、開発ツールなどのユーザアプリケーションなどを含むが、これらに限定されるものではない。このようなコンピュータ読み取り可能媒体はさらに、本発明による上記の任意のプロセスを実行するための、本発明のプログラムを含む。本発明のコンピュータコード装置は、スクリプト、インタープリタ、ダイナミックリンクライブラリ、Java(登録商標)クラス、完全な実行可能プログラムを含む任意の解釈されたコード機構または実行可能なコード機構であってよいが、これらに限定されるものではない。
【0068】
汎用コンピュータ1300のプログラミングは、フィルムあるいは画像取得装置から得た画像をデジタル化および記憶するためのソフトウェアモジュールを含んでいてもよい。別法としては、本発明は、画像アーカイブ通信システム(PACS)などの他の手段によって得られた画像から導出されたデジタルデータを処理するように実装することができる。言いかえれば、処理されているデジタル画像は、発明を実行する際にデジタル形式に変換する必要のないデジタル形式で存在してもよい。
【0069】
従って、当業者であれば理解されるように、本説明で示した機構およびプロセスは、本明細書の教示にしたがってプログラミングされた従来の汎用マイクロプロセッサまたはコンピュータを使用して実装できる。さらに、当業者であれば明らかなように、当業界のプログラマであれば本開示の教示に基づいて、適切なソフトウェアコードを容易に作成することができる。しかし、当業者であれば明らかなように、特定用途向け集積ユニットを作成するか、または、従来のコンポーネントユニットの適切なネットワークを相互接続することにより、本発明を実装することができる。
【0070】
さらに本発明は、記憶媒体上でホストされ、本発明によるプロセスを実行するように汎用マイクロプロセッサまたはコンピュータをプログラミングするときに使用できる命令を含むコンピュータベースの製品を含む。この記憶媒体は、フロッピディスク、光ディスク、CD−ROM、光磁気ディスクなどの任意のタイプのディスク、および、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気または光学カード、または、電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体を含むが、これらに限定されるものではない。
【0071】
上記の教示に照らして、本発明の多数の修正と変更が可能である。したがって本発明は付随する請求項の範囲で、具体的に上述した方法とは別の方法でも実行できることを理解されたい。
【0072】
当業者であれば明らかなように、本発明はまた、特定用途向け集積ユニットを作成するか、または、従来のコンポーネントユニットの適切なネットワークを相互接続することによって実装することができる。
【0073】
本発明への画像データのソースは、X線マシン、X線CT、MRI装置などの任意の適切な画像取得装置であってよい。さらに、取得されたデータがデジタル形態でなければ、デジタル化することができる。結局、プロセスで得られる画像データのソースは、画像取得装置が発生したデータを記憶するメモリであってもよい。メモリはローカルまたはリモートであってもよく、この場合、PACS(画像達成コンピュータシステム)などのデータ通信ネットワークを使用し、画像データにアクセスして本発明による処理を行う。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】X線CTの図である。
【図2】図1の2次元アレイX型検出器5の斜視図である。
【図3】測定されたデータに基づいた再構成プロセスを示す図である。
【図4】本発明による再構成プロセッサと中に含まれるユニットの図である。
【図5】図4の再構成プロセッサおよびユニットをより詳細に示す図である。
【図6】オーバーフローポイントを有する測定されたデータと、再構成されたデータとの概略図である。
【図7】オーバーフロー補正プロセスを実装した再構成プロセスを示す図である。
【図8】図7のオーバーフロー補正プロセスをより詳細に示した図である。
【図9】測定されたデータの個別のオーバーフローポイントおよび小さなグループのオーバーフローポイントの補正プロセスを示す概略図である。
【図10】測定されたポイントの集合体の中の、オーバーフローポイントのグループおよびサブグループを示す概略図である。
【図11】オーバーフローポイントと非オーバーフローポイントに多項式曲線近似を適用することによってデータをスムーズ化する概略図である。
【図12】非オーバーフローポイントに適用されたスプライン近似および補間の概略図である。
【図13】汎用コンピュータの概略図である。
【符号の説明】
【0076】
1…ガントリ、2…回転リング、3…X線源、4…X線フィルタ、5…X線検出器5、5A…検出素子、6…スライド式寝台、7…高電圧装置、8…X線コントローラ、9…ガントリバッチコントローラ、10…システムコントローラ、11…データ収集ユニット、12…処理ユニット、13…ディスプレイ、14…画像メモリ、15…メモリ、16…オーバーフロー補正ユニット、17…CPU、18…多項式補正ユニット、19…スプラインユニット、20…既知データ補正ユニット、21…重み付けユニット、22…オーバーフローユニット、23…変換ユニット、24…選択ユニット、25…補間ユニット、26…既知データ入力ユニット、27…マッピングユニット、1300…汎用コンピュータ、1302…ディスプレイ装置、1304…キーボード、1306…ポインティングデバイス、1308…マウスパッド(デジタルパッド)、1310…ハードディスク、1312…フロッピー(登録商標)ドライブ、1314…テープドライブ(CD−ROMドライブ)、1316…テープ(CD媒体)、1318…マザーボード、1320…プロセッサ、1322…RAM、1324…ROM、1326…I/Oポート、1328…特殊目的論理デバイス(コンフィギュラブル論理デバイス)、1330…マイクロホン、1332…スピーカ。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
【出願日】 平成17年7月13日(2005.7.13)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎

【公開番号】 特開2006−26410(P2006−26410A)
【公開日】 平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願番号】 特願2005−204632(P2005−204632)