| 【発明の名称】 |
眼屈折力測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】郷野 光宏 【住所又は居所】愛知県蒲郡市拾石町前浜34番地14 株式会社ニデック拾石工場内
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構成で温度変化による測定値の補正を精度良く行うことができる眼屈折力測定装置を提供する。
【解決手段】被検眼の眼底に光束を投影する測定光源を持つ投影光学系と、眼底からの反射光束を受光素子に受光させる受光光学系であって、投影光学系と光路の一部を共通とする共通光路を持つ受光光学系とを備え、受光素子の出力に基づいて被検眼の眼屈折力を得る眼屈折力測定装置において、投影光学系と受光光学系との共通光路内の眼底共役位置に挿脱可能に配置され、光源からの光束を前記受光素子側に反射させる反射部材と、該反射部材を前記共通光路内の眼底共役位置にて挿脱させる挿脱手段と、前記反射部材によって反射された前記光源からの反射光束を受光した前記受光素子の出力に基づいて測定値を補正するための補正用データを得る補正用データ取得手段と、該補正用データを用いてその後に測定された眼屈折力を補正する補正手段と、を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検眼の眼底に光束を投影する測定光源を持つ投影光学系と、眼底からの反射光束を受光素子に受光させる受光光学系であって、前記投影光学系と光路の一部を共通とする共通光路を持つ受光光学系とを備え、前記受光素子の出力に基づいて被検眼の眼屈折力を得る眼屈折力測定装置において、 前記投影光学系と受光光学系との共通光路内の眼底共役位置に挿脱可能に配置され、前記測定光源からの光束を前記受光素子側に反射させる反射部材と、該反射部材を前記共通光路内の眼底共役位置にて挿脱させる挿脱手段と、前記反射部材によって反射された前記測定光源からの反射光束を受光した前記受光素子の出力に基づいて眼屈折力測定値を補正するための補正用データを得る補正用データ取得手段と、該補正用データを用いてその後に測定された眼屈折力を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする眼屈折力測定装置。 【請求項2】 請求項1の眼屈折力測定装置において、眼屈折力測定を開始するために被検眼が測定可能状態に位置したことを検知又は眼屈折力測定装置が初動動作されたことを検知する検知手段と、該検知結果に基づいて前記挿脱手段を駆動して前記反射部材を前記共通光路内に配置し、補正用データ取得手段による補正用データの取得を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする眼屈折力測定装置。 【請求項3】 請求項1又は2の眼屈折力測定装置においては、前記反射部材は、前記測定光源からの測定光束を反射させる光量が、被検眼眼底によって反射される測定光束の光量と同程度となる反射率を持つ部材であることを特徴とする眼屈折力測定装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、眼科医院などで使用される眼屈折力測定装置に関する。 【背景技術】 【0002】 被検眼の屈折力を他覚的に測定する眼屈折力測定装置等の眼科装置においては、装置の使用環境や装置への通電時間に応じて筐体内に温度変化が生じ、測定値に誤差が生じることがある。この問題の対応としては、装置の制御回路の一部に温度センサを設け、温度センサで検出された温度変化に応じて測定値を補正する方法が知られている。また、別の方法としては、被検眼に測定光束を投影する投影光学系とは別に、補償用光束を投影するための補償用投影系を設け、被検眼からの測定光束を受光する光検出器に前記補償用投影系からの補償用投影光束を受光させ、その補償用投影光束の検出結果に基づいて測定値を補正する方法が知られている。(特許文献1参照。) 【特許文献1】特開平8−38424号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、温度センサによる測定値の補正においては次のような問題があった。装置個々に温度変化に応じた補正値は厳密に一定ではないので、装置毎に補正定数を設定する必要性がある。温度センサは、通常一部の温度変化を検出するのみであるので、装置全体、光学系全体の温度変化である保証はなく、温度センサの検出だけでは補正が一義的に決まらない可能性があった。 【0004】 本発明は、上記問題点を鑑み、簡単な構成で温度変化による測定値の補正を精度良く行うことができる眼屈折力測定装置を提供することを技術課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 (1) 被検眼の眼底に光束を投影する測定光源を持つ投影光学系と、眼底からの反射光束を受光素子に受光させる受光光学系であって、前記投影光学系と光路の一部を共通とする共通光路を持つ受光光学系とを備え、前記受光素子の出力に基づいて被検眼の眼屈折力を得る眼屈折力測定装置において、前記投影光学系と受光光学系との共通光路内の眼底共役位置に挿脱可能に配置され、前記測定光源からの光束を前記受光素子側に反射させる反射部材と、該反射部材を前記共通光路内の眼底共役位置にて挿脱させる挿脱手段と、前記反射部材によって反射された前記測定光源からの反射光束を受光した前記受光素子の出力に基づいて眼屈折力測定値を補正するための補正用データを得る補正用データ取得手段と、該補正用データを用いてその後に測定された眼屈折力を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。 (2) (1)の眼屈折力測定装置において、眼屈折力測定を開始するために被検眼が測定可能状態に位置したことを検知又は眼屈折力測定装置が初動動作されたことを検知する検知手段と、該検知結果に基づいて前記挿脱手段を駆動して前記反射部材を前記共通光路内に配置し、補正用データ取得手段による補正用データの取得を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする。 (3) (1)又は(2)の眼屈折力測定装置においては、前記反射部材は、前記測定光源からの測定光束を反射させる光量が、被検眼眼底によって反射される測定光束の光量と同程度となる反射率を持つ部材であることを特徴とする眼屈折力測定装置。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、簡単な構成で温度変化による測定値の補正を精度良く行うことができる眼屈折力測定装置を提供できた。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 以下、本発明の最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る眼屈折力測定装置の外観図である。図1(a)は被検者側正面図であり、図1(b)は側面図である。 【0008】 装置は、基台1と、基台1に取り付けられた顔支持ユニット2と、基台1上に移動可能に設けられた移動台3と、移動台3に移動可能に設けられ、後述する光学系を収納する測定部4を備える。測定部4は、移動台3に設けられたXYZ駆動部6により、被検眼Eに対して左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)及び前後方向(Z方向)に移動される。XYZ駆動部6は、X,Y,Zの方向毎に設けられたスライド機構、モータ等から構成される。移動台3は、ジョイスティック5の操作により、基台1上をX方向及びZ方向に移動され、回転ノブ5aを回転操作することにより、XYZ駆動部6のY駆動によりY方向に移動される。移動台3には被検眼Eの観察像や測定結果等の各種の情報を表示するモニタ7、各種設定を行うためのスイッチが配置されたスイッチ部8が設けられている。 【0009】 80A,80Bは赤外光を発するLED等の位置検出用光源であり、基台1上の被検者側に、左右中央を中心にして所定の間隔で配置されている。受光部81はスリット82及び一次元光検出素子83から構成される。スリット82は縦方向に伸びたスリット開口82aを1つ持つ。スリット開口82aは測定部4の左右方向略中央に配置され、左右方向に沿った検出面を持つ一次元光検出素子83が配置されている。各光源80A、80Bを出射した光はスリット82を照明し、スリット開口82aにより制限された光束はそれぞれ一次元光検出素子83に達し、スリット像の位置により基台1に対する測定部4のX方向及びY方向の相対位置が検出される。 【0010】 測定部4の位置検出方法を、図2を使用して簡単に説明する(説明を簡単にするために前後(Z)方向は一定として、XY平面上で考える)。いま、距離dの間隔で配置された光源80A、80Bの垂直2等分面上を左右方向の基準位置Pにとり、この位置Pに対し、受光部81のスリット開口82aが、左右(X)方向に距離xだけ離れた位置P´にあるとし、高さ方向(Y方向)には、2つの光源80A及び80Bの軸線から垂直方向に距離Lだけ離れてスリット開口82aがあるとする。また、スリット開口82aから一次元光検出素子83の検出面までの距離はLo(所定距離)とする。このとき、2つの光源80A、80Bによる一次元光検出素子83上のスリット像間隔をD´と、基準位置Pにおけるスリット像間隔Dとの差異を検出することにより、測定部4がY方向に関して移動したことを検出することができる。また、測定部4がX方向へ移動したことは、一次元検出素子83上のある基準点に対して、光源80A又は80Bの少なくともいずれか一方による一次元検出素子83上のスリット像の偏位を検出することにより検出可能となる。 【0011】 測定部4のX方向の位置が検出されることにより、測定部4を左右眼にそれぞれアライメントした際の被検者の瞳孔間距離が検出される。なお、瞳孔間距離の検出方法自体は、本発明と関係が薄いので、その詳細な説明は特開平9−149885号公報を援用する。一次元検出素子83上のスリット像の偏位が検出されたときは、被検眼を測定するために測定部4がアライメント移動されたことが検知される。すなわち、測定開始のための初動動作(検者によって装置が操作されたこと)が検知される。また、被検眼に測定部4をアライメントするために、回転ノブ5aの操作により測定部4を上下に移動するときには、回転ノブ5aからのスイッチ信号が入力されるので、この信号入力を初動動作の検知信号としても利用できる。 【0012】 図3は、光学系及び制御系を示す概略構成図である。眼屈折力測定光学系10は、被検眼の瞳孔中心部から眼底にスポット状の光束を投影する投影光学系10aと、その反射光を瞳孔周辺部からリング状に取り出す受光光学系10bから構成される。投影光学系10aは、測定光軸L1上に配置されたLEDやSLD等の赤外点光源11、リレーレンズ12、ホールミラー13、測定用対物レンズ14からなり、この順に被検眼に向けて配置されている。光源11は、好ましくは正視の被検眼眼底と共役な関係となっている。なお、本明細書でいう「共役」とは、厳密に共役である必要はなく、測定精度との関係で必要とされる精度で共役であれば良いことを意味する。測定用対物レンズ14と被検眼の間には、被検眼前眼部の反射光を観察光学系50に反射させ、固視標光学系30の光束を被検眼に導くビームスプリッタ29が配置されている。 【0013】 受光光学系10bは、投影光学系10aの測定用対物レンズ14及びホールミラー13を共用し、ホールミラー13の反射方向の光路に配置されたリレーレンズ16、ミラー17、ミラー17の反射方向の光路に配置された受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、CCD等の2次元受光素子である撮像素子22を備える。受光絞り18はコリメータレンズ19の前側焦点に位置し、撮像素子22はリングレンズ20の後側焦点に位置する。受光絞り18及び撮像素子22は、正視の被検眼眼底と共役な関係となっている。撮像素子22の出力は、画像処理部71を介して制御部70に接続されている。 【0014】 リングレンズ20は、図4(a)及び(b)に示すように、平板上に円筒レンズをリング状に形成したレンズ部20aと、このレンズ部20a以外に遮光のためのコーティングを施した遮光部20bより構成されている。この遮光部20bによりリング状開口が形成される。リングレンズ20は遮光部20bが被検眼瞳孔と共役位置となるように受光光学系に設けられている。このため、眼底からの反射光は瞳孔周辺部から遮光部20bに対応した大きさでリング状に取り出される。リングレンズ20に平行光束が入射すると、その焦点位置に配置された撮像素子22上には、リングレンズ20と同じサイズのリング像が集光する。リングレンズ20は眼底反射光をリング状に分離し、その集光作用によって、撮像素子22上にリング像を結像する結像光学部材を構成する。 【0015】 上記の測定光学系10における受光光学系10bは、リングレンズ20の代わりに、瞳孔と略共役位置で同一円周上に配置された少なくとも3経線方向の開口と、各開口を通過した光束を光軸から離れる方向に偏光するプリズムと、集光レンズとを設けた構成であっても良い。 【0016】 25は光源11からの光束を反射する反射部材であり、投光光学系10aと受光光学系10bとの共通光路内の被検眼眼底と共役位置Aに、モータ等から構成される駆動機構26により挿脱される。 【0017】 反射部材25を眼底共役位置Aから外している時、光源11から出射された赤外光は、リレーレンズ12、ホールミラー13、対物レンズ14を経て、被検眼の眼底上にスポット状の点光源像を投影する。眼底に投影された点光源像は反射・散乱されて被検眼を射出し、対物レンズ14によって集光され、ホールミラー13、リレーレンズ16、ミラー17を介して、受光絞り18上で再び集光され、コリメータレンズ19にて略平行光束とされ、リングレンズ20によってリング光束として取り出された後、撮像素子22上にリング像が受光される。投影光学系10aでは被検眼の瞳中心から細い光束で入射させ、受光光学系10bでの反射光束の取り出しは、それと重ならない周辺部より行う。リングレンズ20によって、例えば、瞳上のサイズで内径(直径)2.0mm、外径(直径)2.8mmのリング光束が取り出される。 【0018】 ここで、被検眼Eが正視眼の場合、撮像素子22と眼底とが共役になり、眼底反射光はリングレンズ20に平行光束として入射するため、撮像素子22上にはリングレンズ20と同じサイズのリング像が結像する。一方、被検眼Eに球面屈折成分の屈折異常がある場合、撮像素子22上にできるリング像(リング状の眼底反射像)のリング半径は、その球面屈折誤差のずれ量に比例した大きさになる。乱視屈折誤差がある場合は、撮像素子22上にできるリング像はその乱視屈折誤差に応じて楕円形状となる。したがって、撮像素子22上にできるリング像の形状を解析することにより、各経線方向の屈折誤差を求めることができ、これに所定の処理を施すことにより、S(球面度数)、C(乱視度数)、A(乱視軸角度)の屈折値を求めることができる。 【0019】 一方、反射部材25を眼底共役位置Aに挿入した時、光源11から出射された赤外光は、リレーレンズ12、ホールミラー13を経て、反射部材25上にスポット状の点光源像を投影する。反射部材25に投影された点光源像は、眼底反射像と同様に、ホールミラー13、リレーレンズ16を介して、受光絞り18で集光され、コリメータレンズ19にて略平行光束とされ、リングレンズ20によってリング光束として取り出された後、撮像素子22上にリング像が受光される。ここで、測定光束が眼底で反射して撮像素子22に受光した時の光束の受光光量と、測定光束が反射部材25で反射して撮像素子22に受光した時の光束の受光光量が同量となるように、反射部材25の反射率が低めに調整されている。一般に眼底の反射率は、眼球に入射する光量に対して極めて低い(眼底の反射率は約4〜5%といわれ、さらに眼球内の吸収散乱の影響もあり、それよりも低い反射率となる)。これにより、屈折力測定時と同じ条件の下でリング光束を検出できるので、正確な測定値の補正が可能となる。この場合、反射部材25の反射率の調整のみで行わずとも、光源11の光量調節を行い、結果として眼底反射時の受光光量と同じレベルにすればよい。反射部材25に用いる構成としては、例えば、ガラス板に低反射コーティングを施したものが挙げられる。 【0020】 ビームスプリッタ29により光軸L1と同軸にされる光軸L2上には、観察系対物レンズ36、ハーフミラー35、ダイクロイックミラー34、投光レンズ33、固視標32、可視光源31が順次配置されている。光源31及び固視標32は光軸L2方向に移動することにより被検眼の雲霧を行う。光源31は固視標32を照明し、固視標32からの光束は投光レンズ33、ダイクロイックミラー34、ハーフミラー35、対物レンズ36を経た後、ビームスプリッタ29で反射して被検眼に向かい、被検眼は固視標32を固視する。 【0021】 40は被検眼正面から左右上下方向(XY方向)検出用のアライメント指標を投影する光学系であり、光源41からの近赤外光はダイクロイックミラー34、ハーフミラー35、対物レンズ36を介して集光された後、ビームスプリッタ29で反射されて被検眼に投影される。 【0022】 45は前後方向(Z方向)検出用のアライメント指標を投影する光学系であり、測定光軸L1を挟んで対称に配置された2組の第1投影光学系45a、45bと、この第1投影光学系45a、45bより狭い角度に配置された光軸を持ち測定光軸L1 を挟んで対称に配置された2組の第2投影光学系45c、45dを備える。第1投影光学系45a、45bは、近赤外光を出射する点光源46a、46b、コリメータレンズ47a、47bを持ち、略平行光束の光により被検眼Eに無限遠の指標を投影する。一方、第2投影光学系45c、45dは、近赤外光を出射する点光源46c、46dを持ち、発散光束により被検眼Eに有限遠の指標を投影する。 【0023】 被検眼に対する測定部4のXY方向のアライメント状態は光源41により形成される指標像の位置関係から検出され、Z方向のアライメント状態はアライメント指標投影光学系45により形成される4つの指標像の位置関係から検出される。Z方向のアライメント状態の適否は、第1投影光学系45a、45bによる2つの無限遠指標像の像間隔と第2投影光学系45c、45dによる有限遠指標像の像間隔とを比較することにより検出される。無限遠視標の投影では、Z方向が変化しても、その像間隔はほどんど変化しない。一方、有限遠視標の投影では、Z方向の変化に伴ってその像間隔が変化する。この特性を利用してZ方向のアライメント状態が判定できる(特開平6−46999号参照)。 【0024】 50は観察光学系であり、ハーフミラー35の反射側には、撮影レンズ51、撮像素子であるCCDカメラ52が配置されている。カメラ52の出力は画像処理部77を介してモニタ7に接続されている。被検眼の前眼部像は、ビームスプリッタ29、対物レンズ36、ハーフミラー35、撮影レンズ51を介してカメラ52の撮像素子面に結像し、観察画像がモニタ7に表示される。観察光学系50は被検眼角膜に形成される各指標像を検出する光学系及び瞳孔位置を検出する光学系を兼ね、画像処理部77により指標像の位置及び瞳孔位置が検出される。制御部70は画像処理部77からの信号によりアライメント状態の適否、被検眼の瞳孔状態を検出する。また、制御部70には、測定結果や補正用データ等を記憶するメモリ78、XYZ駆動部6、スイッチ部8、一次元検出素子83、駆動機構26が接続されている。 【0025】 以上のような構成を備える装置において、その動作について説明する。まず、被検者の顔を顔支持ユニット2に固定させる。例えば、右眼から測定を行う場合、まず、検者は右眼の前眼部像をモニタ7で見ながら、ジョイスティック5等の操作により本体部3をXZ方向及び測定部4をY方向にアライメント移動させる。この時、本体部3のX方向の移動に連動して測定部4もX方向に移動する。制御部70は、一次元検出素子83からの検出信号から測定部4がX方向に移動したことを検出する。また、回転ノブ5aの操作信号から測定部4がY方向に移動したことを検出する。 【0026】 制御部70は、これらの信号から測定に先立って測定部4がアライメント移動されていることを検知すると、補正用データの取得を開始する。制御部70は、駆動機構26を駆動させ、反射部材25を共役位置Aに挿入する。そして、光源11を点灯し、反射部材25で反射したリング光束を撮像素子22に投影する。ここで、制御部70は、撮像素子22上に投影されたリング像の補正用リング半径Rcと、予めメモリ78に記憶された本装置の組立時(校正時)のリング半径Rc0と比較し、補正定数HcをHc=Rc/Rc0により求めておき、メモリ78に記憶しておく。補正定数Hcがメモリ78に記憶されると、制御部70は駆動機構26を駆動させ、反射部材25を共役位置Aから外す。なお、補正定数Hcがメモリ78に一度記憶されると、左右眼の測定が終了して、スイッチ部8にある印刷スイッチが入力される等、所定の測定終了条件が満たされるまで、制御部70は、反射部材25を眼底共役位置Aに挿入する動作は行われないように設定されている。これは、一人の被検者の測定中に装置筐体内の温度変化が生じる可能性は低いからである。 【0027】 また、制御部70による測定部4の移動検出については、測定部4が静止状態から移動状態へ切り替わることを検出できればよい。このように屈折力測定開始のトリガ信号が発せられる前段階において、装置を使用しようとする検者の初動動作を検出した時を補正用データ取得開始のトリガとすると、アライメントから屈折力測定までをスムーズに行うことができる。補正用データ取得開始のトリガは、測定部4のXY方向の移動検出時に限らず、スイッチ部8のなんらかのスイッチが入力された時など様々な方法が挙げられる。また、装置に節電モードが設けられている場合、節電モードから動作モードへの切り替わりをトリガとしてもよい。さらには、図1(b)において、顔支持ユニット2の顎受け台等にタッチセンサ90を設け、被検眼が測定可能状態に位置したことを検知することで、補正用データ取得を開始しても良い。 【0028】 また、上記のように反射部材25を眼底共役位置Aに挿入する間も、測定部4と被検眼とのアライメントは継続している。そして、光源41により形成される視標像がCCDカメラ52に検出されるようになると、制御部70は視標像のアライメント状態を検出し、被検眼に対して測定部4がアライメント完了するように、XYZ駆動部6を駆動して測定部4を本体部3に対してXY移動する。また、制御部50は、アライメント指標投影光学系45により形成される4つの指標像の位置関係から、Z方向のアライメント状態を得て、この情報に基づいてXYZ駆動部6を駆動し、測定部4をZ方向に移動する。 【0029】 アライメントが完了すると、制御部70はXYZ駆動部6の駆動を停止する。ここで、すでに上述した補正定数Hcを得て、反射部材25を眼底共役位置Aから外しているという要件を満たしていれば、制御部70は自動的にトリガ信号を発して眼屈折力測定を実行する。制御部70は、光源11を点灯し、被検眼眼底で反射したリング光束を撮像素子22上に投影する。そして、撮像素子22上に投影されたリング像の解析を行う。ここで、制御部70は、リング像の実測値のリング半径Rfを求め、先に求めた補正定数Hcとリング半径Rfを元に温度変化による測定誤差を補正する。すなわち、補正後のリング半径Rf'は、 Rf'=Hc×Rf により求められる。従って、被検眼測定時のリング像を、この式に基づいて各経線ごとに補正することにより全体形状を補正し、補正されたリング像に基づいて被検眼の屈折力を算出し、右眼の屈折力データ(S、C、A)を得る。右眼の屈折力データが得られ、同様にして、左眼の測定を行われた後、スイッチ部8の印刷ボタンが押されると、測定結果が所定の用紙に印刷される。この時、メモリ78に記憶された補正定数Hcがリセットされ、再度反射部材25を眼底共役位置Aに挿入し、補正定数Hcを算出可能な状態となる。その後、所定の時間が経過し、再度装置を使用する際には、再び測定部4の移動検出されて、上記のように補正定数Hcが求められ屈折力測定が行われる。 【0030】 これにより、補償用の専用の光学系を用意することなく、簡単な装置構成で温度変化に伴う測定値の補正を行うことができる。また、屈折力測定開始の動作が行われる前に、補正用データが適切なタイミングで得られるので、補正後の測定値を得るまでの時間が短縮され、測定時間を短くすることができる。 【0031】 なお、上記実施形態では、被検者の屈折力測定開始のトリガ信号が発せられる前段階において、反射部材25を挿入して補正用データを得るものとしたが、制御部70が持つ時計機能により定期的に補正用データ取得の動作を実行して補正データを得るような構成としてもよい。 【0032】 以下に、上記実施形態の変容例について示す。図5は、変容例における測定光学系の概略構成図を示す。この変容例における測定光学系の投影光学系110aは、光源111、集光レンズ112、円錐形プリズム114、リング状の開口を持つ開口部材115、ミラー119、リレーレンズ120、ホールミラー121、対物レンズ122を備えている。開口部材115と被検眼の眼底とは光学的に共役な位置に配置されている。 【0033】 受光光学系110bは、投影光学系110aの対物レンズ122及びホールミラー121を共用し、中心に開口を持つ絞り123、リレーレンズ124、受光素子としての撮像素子125を備える。被検眼の瞳と絞り123は光学的に共役な位置に配置されており、撮像素子125と被検眼眼底とは光学的に共役である。130は光源111からの光束を反射する反射部材であり、投光光学系110aと受光光学系110bとの共通光路内の測定光軸L1の被検眼眼底と共役位置Bにモータ等からなる駆動機構131により挿脱される。 【0034】 反射部材130を眼底共役位置Bに挿入する時、光源111から出射された赤外光は、集光レンズ112、円錐形プリズム114、リング状の開口を持つ開口部材115、ミラー119、リレーレンズ120、ホールミラー121を経て、反射部材130上にリング像を投影する。反射部材130に投影されたリング像は、ホールミラー121、絞り123、リレーレンズ124を通って、撮像素子125上にリング像を投影する。 【0035】 反射部材130を眼底共役位置Bから外している時、光源111から発する光束は、集光レンズ112により集光され、円錐形プリズム114、開口部材115、ミラー119、リレーレンズ120、ホールミラー121、対物レンズ122を通り、瞳孔周辺部から入射して眼底にリング状光束を投影する。眼底からのリング状光束は、瞳孔中心部から取り出され、対物レンズ122、ホールミラー121、絞り123、リレーレンズ124を通って撮像素子125上にリング像を投影する。 【0036】 このような変容例の構成においても、反射部材130を挿入して補正用データを得ておき、次に、反射部材130を外した時の被検眼の測定値を求め、その後、補正用データに基づいてその測定値の補正を行うことにより、上記実施例と同様の効果を奏することができる。 【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】本発明に係る眼屈折力測定装置の外観図である。 【図2】測定部の位置検出方法を説明する図である。 【図3】本発明に係る眼屈折力測定装置の光学系及び制御系を示す概略構成図である。 【図4】リングレンズの構成を説明する図である。 【図5】変容例における測定光学系の概略構成図である。 【符号の説明】 【0038】 4 測定部 10 眼屈折力測定光学系 10a 投影光学系 10b 受光光学系 25 反射部材 26 駆動機構 70 制御部 80A、80B 位置検出用光源 81 受光部 110a 投影光学系 110b 受光光学系 130 反射部材 131 駆動機構
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135184 【氏名又は名称】株式会社ニデック 【住所又は居所】愛知県蒲郡市栄町7番9号
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| 【出願日】 |
平成16年6月30日(2004.6.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−14904(P2006−14904A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月19日(2006.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願2004−195065(P2004−195065) |
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