| 【発明の名称】 |
掃除機ロボット、移動作業ロボット |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 春樹 【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号 船井電機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】作業場所の状況に応じて障害物センサにより障害物を検知する視野の広さを変えることが可能な移動作業ロボットを提供する。
【解決手段】自動的に走行しながら床面を掃除する掃除機ロボットにおいて、障害物を検知して障害物までの距離を検出する障害物センサ11〜13を、支持部材17に並べて支持する。両端の障害物センサ12、13に回動部材18、19を嵌合させて、回動部材18、19を取付部材20、21によって支持部材17に対向させつつ回動可能に取り付ける。そして、回動部材18、19を回動させることで、嵌合させた障害物センサ12、13を回動させて、障害物センサ12、13の向きを変える。これにより、障害物センサ11の向きが変わらなくても、障害物センサ11〜13同士の検知範囲の重なり状態が変化して、3つの障害物センサ11〜13により障害物を検知する視野を広くしたり狭くしたりすることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 障害物を検知して当該障害物までの距離を検出する障害物センサを備え、前記障害物センサからの出力に基づいて自動的に走行しながら床面の掃除を行う掃除機ロボットにおいて、 複数の前記障害物センサを並べて支持し、前記障害物センサの支持する面に設けられた脚部を挿入させる挿入孔が形成された支持部材と、 前記障害物センサを嵌合させる嵌合部と、前記障害物センサを前記支持部材との間に保持する保持部と、回動操作用の取手部とが設けられた対称な一対の回動部材と、 前記一対の回動部材をそれぞれ前記支持部材に対向させつつ回動可能に取り付ける取付部材と、を備え、 前記支持部材に支持された複数の前記障害物センサのうち、一端にある前記障害物センサを、前記回動部材の一方の前記嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を前記取付部材によって前記支持部材に取り付け、他端にある前記障害物センサを、前記回動部材の他方の前記嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を前記取付部材によって前記支持部材に取り付け、嵌合させていない他の前記障害物センサを各回動部材の保持部で支持部材との間に保持し、各回動部材を回動させることにより、嵌合させた前記各障害物センサを回動させて向きを変えることを特徴とする掃除機ロボット。 【請求項2】 障害物を検知して当該障害物までの距離を検出する障害物センサを備え、前記障害物センサからの出力に基づいて自動的に移動しながら作業を行う移動作業ロボットにおいて、 複数の前記障害物センサを並べて支持し、支持した前記障害物センサの少なくとも一つを回動させて、当該障害物センサの向きを変える方向可変機構を備えたことを特徴とする移動作業ロボット。 【請求項3】 請求項2に記載の移動作業ロボットにおいて、 前記方向可変機構は、複数の前記障害物センサを並べて支持する支持部材と、前記障害物センサを嵌合させる嵌合部が設けられた回動部材と、当該回動部材を前記支持部材に対向させつつ回動可能に取り付ける取付部材とから構成され、 前記支持部材に支持された複数の前記障害物センサの少なくとも一つを前記回動部材の前記嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を前記取付部材によって前記支持部材に取り付け、当該回動部材を回動させることにより、嵌合させた前記障害物センサを回動させて向きを変えることを特徴とする移動作業ロボット。 【請求項4】 請求項3に記載の移動作業ロボットにおいて、 前記回動部材は、対称である一対の回動部材からなり、 前記支持部材に支持された複数の前記障害物センサのうち、一端にある前記障害物センサを、前記回動部材の一方の前記嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を前記支持部材に取り付け、他端にある前記障害物センサを、前記回動部材の他方の前記嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を前記支持部材に取り付けたことを特徴とする移動作業ロボット。 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の移動作業ロボットにおいて、 前記回動部材に、前記支持部材に支持された前記嵌合部に嵌合させていない他の前記障害物センサを支持部材との間に保持する保持部を設けたことを特徴とする移動作業ロボット。 【請求項6】 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の移動作業ロボットにおいて、 前記障害物センサの前記支持部材に支持される面に、脚部を設け、前記支持部材に、前記脚部を挿入させる挿入孔を設けたことを特徴とする移動作業ロボット。 【請求項7】 請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の移動作業ロボットにおいて、 前記回動部材に、回動操作用の取手部を設けたことを特徴とする移動作業ロボット。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、掃除機ロボットのような、自動的に移動しながら作業を行う移動作業ロボットに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、自動的に移動しながら作業を行う自律誘導型の移動作業ロボットが開発されている。この移動作業ロボットの一例として、下記の特許文献1〜4に記載されているような掃除機ロボットがある。掃除機ロボットは、吸い込みノズルやブラシ等のような清掃手段と、車輪等の移動手段と、車輪に連結された操舵軸等の操舵手段とを本体底部等に備えている。そして、内蔵する走行モータの駆動により車輪を回転させながら、内蔵する操舵モータの駆動により操舵軸を回転させて、車輪の向きを変化させることで、清掃場所の床面を塗りつぶすように走行して行き、同時に、内蔵するファンモータの駆動により発生させた吸気力によってノズルを通じてごみ等を吸い込んで、床面を掃除して行く。 【0003】 上記のような掃除機ロボットには、本体の周囲に有る障害物との接触を回避しながら走行するために、障害物を検知する障害物センサが設けられている(特許文献1、2参照)。また、検知した障害物までの距離を検出する障害物センサが設けられているものもある(特許文献3、4参照)。特許文献1では、本体の左右側面に障害物センサを1つずつ水平方向へ回動可能に取り付け、当該障害物センサを回動させて本体側面より突出させることで、本体の直近に存在する障害物を検知し、不意に出現した障害物との接触時や狭隘な場所の通行時に、当該障害物センサを回動させて本体内部に収納させることで、当該障害物センサの損傷を防止している。特許文献2では、法線の交叉角が93.6°になるように本体前面に連結された二つの板状体に、6つの障害物センサを3つずつ上下方向に並べて取り付けてセンサ群を構成し、当該センサ群を水平方向に揺動させることにより、前方180°の範囲で障害物を検知している。特許文献3では、水平方向に360°回転する回転体に障害物センサを1つ取り付け、回転体とともに障害物センサを回転させることにより、周囲360°の範囲で障害物を検知している。特許文献4では、1つの障害物センサが障害物を検知する範囲は非常に狭いため、本体前面に複数の障害物センサを左右方向へ列状に並べて取り付けることにより、障害物を検知する範囲を広げて、死角を少なくしている。 【特許文献1】特開平6−19545号公報 【特許文献2】特開平6−202732号公報 【特許文献3】特開2003−116756号公報 【特許文献4】特開2002−366227号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上述した特許文献1、3のように、1つの障害物センサによって障害物を検知するよりも、上述した特許文献2、4のように、複数の障害物センサによって障害物を検知する方が、障害物を一度に検知する範囲、即ち障害物を検知する視野が広がるので、多くの障害物を一度に検知することができる。特に、特許文献4のように、複数の障害物センサを本体前面に列状に並べて取り付けると、本体前方に有る多くの障害物を一度に検知することができる。また、1つの障害物センサによって障害物までの距離を検出するよりも、複数の障害物センサによって障害物までの距離を検出する方が、データ数が多くなるので、障害物までの距離の精度(遠近精度)を高くすることができる。さらに、障害物センサが障害物を検知できる検知範囲の端部(非検知範囲との境界部分)で障害物を検知して、当該障害物までの距離を検出するよりも、検知範囲の中央部で障害物を検知して、当該障害物までの距離を検出する方が、障害物を的確に捉えて、障害物までの距離の精度を高くすることができる。 【0005】 よって、以上の特性を考慮すると、掃除機ロボットに掃除させる場所が、狭かったり障害物が少なかったりする部屋であれば、障害物までの距離を正確に検出する必要があるため、複数の障害物センサを並べて取り付け、かつ複数の障害物センサの検知範囲を重ねて視野をある程度狭くし、複数の障害物センサの検知範囲の中央部で障害物を検知するのが好ましい。また、掃除機ロボットに掃除させる場所が、広かったり障害物が多かったりする部屋であれば、できる限り多くの障害物を一度に検知する必要があるため、複数の障害物センサを並べて取り付け、かつ複数の障害物センサの視野をある程度広くし、広範囲に障害物を検知するのが好ましい。しかしながら、特許文献1〜4のように障害物センサを取り付けた従来の掃除機ロボットでは、障害物センサの視野の広さは常に一定であり、清掃場所の状況に応じて視野の広さを変えることができない。 【0006】 本発明は、上記の点を解決するものであって、その課題とするところは、作業場所の状況に応じて障害物センサにより障害物を検知する視野の広さを変えることが可能な移動作業ロボットおよび掃除機ロボットを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明では、障害物を検知して当該障害物までの距離を検出する障害物センサを備え、当該障害物センサからの出力に基づいて自動的に移動しながら作業を行う移動作業ロボットにおいて、複数の障害物センサを並べて支持し、支持した障害物センサの少なくとも一つを回動させて、当該障害物センサの向きを変える方向可変機構を備える。 【0008】 上記のようにすることで、方向可変機構によって少なくとも1つの障害物センサの向きが変わるので、他の障害物センサの向きが変わらなくても、障害物センサ同士の検知範囲の重なり状態が変化して、複数の障害物センサによる障害物の検知視野の広さを変えることができる。よって、狭い場所や障害物の少ない場所で移動作業ロボットに作業させる場合には、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を狭くすることで、複数の障害物センサの検知範囲の中央部で障害物を的確に捉えて、障害物までの距離を高い精度で検出することが可能となる。また、広い場所や障害物の多い場所で移動作業ロボットに作業させる場合には、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を広くすることで、多くの障害物を一度に検知することが可能となる。さらに、障害物センサの向きを変えて障害物の検知視野を広くすることができるので、前述の特許文献4のように広い検知視野を確保しようとして多数の障害物センサを用いる必要はなく、障害物センサの使用数を少なくして、コストを低く抑えることが可能となる。 【0009】 また、本発明の実施形態では、方向可変機構は、複数の障害物センサを並べて支持する支持部材と、障害物センサを嵌合させる嵌合部が設けられた回動部材と、当該回動部材を支持部材に対向させつつ回動可能に取り付ける取付部材とから構成され、支持部材に支持された複数の障害物センサの少なくとも一つを回動部材の嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を取付部材によって支持部材に取り付け、当該回動部材を回動させることにより、嵌合させた障害物センサを回動させて向きを変える。このようにすることで、嵌合部に嵌合させていない他の障害物センサの向きが変わらなくても、障害物センサ同士の検知範囲の重なりが大きくなるように回動部材を回動させることで、嵌合部に嵌合された障害物センサの向きが変わって、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を狭くすることができる。また、障害物センサ同士の検知範囲の重なりが小さくなるように回動部材を回動させることで、嵌合部に嵌合された障害物センサの向きが変わって、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を広くすることができる。 【0010】 また、本発明の実施形態では、回動部材は、対称である一対の回動部材からなり、支持部材に支持された複数の障害物センサのうち、一端にある障害物センサを、回動部材の一方の嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を支持部材に取り付け、他端にある障害物センサを、回動部材の他方の嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を支持部材に取り付ける。このようにすることで、一対の回動部材を回動させると、両端にある障害物センサの向きが変わるので、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を、障害物センサの並び方向にバランス良く狭くしたり広くしたりすることができる。 【0011】 また、本発明の実施形態では、回動部材に、支持部材に支持された嵌合部に嵌合させていない他の障害物センサを支持部材との間に保持する保持部を設ける。このようにすることで、1つの回動部材によって2つ以上の障害物センサを支持部材に取り付けることができ、取り付け効率の向上を図ることが可能となる。 【0012】 また、本発明の実施形態では、障害物センサの支持部材に支持される面に、脚部を設け、支持部材に、脚部を挿入させる挿入孔を設ける。このようにすることで、障害物センサを支持部材に位置決めして支持させることができ、衝撃などが加わっても障害物センサをずれ難くすることが可能となる。 【0013】 また、本発明の実施形態では、回動部材に、回動操作用の取手部を設ける。このようにすることで、取手部を操作して、回動部材を容易に回動させることができ、嵌合部に嵌合させた障害物センサの向きを所望の方向に調整することが可能となる。 【0014】 さらに、本発明の典型的な実施形態では、障害物を検知して当該障害物までの距離を検出する障害物センサを備え、障害物センサからの出力に基づいて自動的に走行しながら床面の掃除を行う掃除機ロボットにおいて、複数の障害物センサを並べて支持し、障害物センサの支持する面に設けられた脚部を挿入させる挿入孔が形成された支持部材と、障害物センサを嵌合させる嵌合部、障害物センサを支持部材との間に保持する保持部、および回動操作用の取手部が設けられた対称な一対の回動部材と、一対の回動部材をそれぞれ支持部材に対向させつつ回動可能に取り付ける取付部材とを備える。そして、支持部材に支持された複数の障害物センサのうち、一端にある障害物センサを、回動部材の一方の嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を取付部材によって支持部材に取り付け、他端にある障害物センサを、回動部材の他方の嵌合部に嵌合させて、当該回動部材を取付部材によって支持部材に取り付け、嵌合させていない他の障害物センサを各回動部材の保持部で支持部材との間に保持し、各回動部材を回動させることにより、嵌合させた各障害物センサを回動させて向きを変える。 【0015】 上記のようにすることで、取手部を操作して一対の回動部材をそれぞれ回動させると、当該回動部材の嵌合部に嵌合させた両端の障害物センサの向きが変わるので、各回動部材の保持部で保持した障害物センサの向きが変わらなくても、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を、障害物センサの並び方向にバランス良く狭くしたり広くしたりすることができる。よって、狭い場所や障害物の少ない場所を掃除機ロボットに掃除させる場合には、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を狭くすることで、複数の障害物センサの検知範囲の中央部で障害物を的確に捉えて、障害物までの距離を高い精度で検出することが可能となる。また、広い場所や障害物の多い場所を掃除機ロボットに掃除させる場合には、複数の障害物センサによる障害物の検知視野を広くすることで、多くの障害物を一度に検知することが可能となる。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、作業場所の状況に応じて、方向可変機構によって複数の障害物センサの少なくとも1つの向きを変えることにより、障害物センサ同士の検知範囲の重なり状態を変化させて、複数の障害物センサにより障害物を検知する視野の広さを変えることが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 図1は、本発明における移動作業ロボットおよび掃除機ロボットの一実施形態を構成する掃除機ロボット1の電気ブロック図である。図1において、2はマイクロコンピュータとその他制御回路からなる制御部である。この制御部2は、掃除機ロボット1の各部を制御する。3はROMおよびRAM等からなるメモリである。このメモリ3のROMには、制御部2が各部を制御するためのプログラムおよびデータが記憶されていて、RAMには、制御部2が各部を制御しているときのデータが読み書き可能に記憶される。4は後述する走行輪を回転させる走行モータ、5は走行輪の回転数を検出する走行用エンコーダである。6は走行輪に連結された操舵軸を回転させる操舵モータ、7は操舵軸の回転角度を検出する操舵用エンコーダである。8はごみ等を吸い込むために吸気力を発生させるファンモータである。11〜13は具備する一対のCCDに入射する映像の位相差により距離を測定する光学式のパッシブセンサからなる障害物センサである。これら障害物センサ11〜13によって障害物が検知され、当該障害物までの距離が検出される。 【0018】 図2は、掃除機ロボット1の全体を示す平面図である。図3は、掃除機ロボット1による障害物の検知状況を示す図である。図2において、掃除機ロボット1の本体1a底部には、走行輪14、従動輪15、およびブラシ一体型の吸い込みノズル9が設けられている。走行輪14には、走行輪14の向きを変える操舵軸16が連結されている。本体1a前部(図2の下側)には、前述の障害物センサ11〜13が、前方かつ斜め下方を向くように、左側から第2障害物センサ12、第1障害物センサ11、第3障害物センサ13の順で取り付けられている。これら障害物センサ11〜13の取付構造は、後述する。図3において、障害物センサ11〜13の前方に示す斜線部分は、障害物センサ11〜13により障害物を検知する検知視野である。Fは清掃場所の床面である。Hは凹状段差、階段、穴、溝等のような床面Fよりも低い障害物である。Wは凸状段差、壁、床上設置物等のような床面Fよりも高い障害物である。なお、障害物センサ11〜13により検知する障害物には、障害物H、Wはもちろん、床面Fも含まれる。 【0019】 前述の制御部2は、前述の走行モータ4の駆動によって走行輪14を回転させて、当該走行輪14と従動輪15とを床面F上に転動させることにより、掃除機ロボット1の本体1aを走行させる。走行距離は、前述の走行用エンコーダ5が検出した走行輪14の回転数に基づいて算出する。また、制御部2は、前述の操舵モータ6の駆動によって操舵軸16を回転させて、走行輪14の向きを変えることにより、本体1aの走行方向を転換させる。走行方向、即ち走行輪14の向きは、前述の操舵用エンコーダ7が検出した操舵軸16の回転角度に基づいて算出する。さらに、制御部2は、走行中に前述のファンモータ8の駆動によって吸気力を発生させ、ノズル9を通じてごみ等を吸い込むことにより、床面Fを掃除する。 【0020】 清掃場所を走行および掃除中に、制御部2は、前述の各障害物センサ11〜13によって本体1a前方の障害物を検知する。そして、制御部2は、各障害物センサ11〜13からの出力に基づいて、障害物の有る方向を判断し、本体1aから障害物までの距離を検出する。障害物センサ11〜13から掃除機ロボット1の接地面までの距離は、予め計測されて基準値として前述のメモリ3に記憶されている。このため、図3(a)に示すように、障害物センサ11〜13によって掃除機ロボット1が接地している床面Fを検知しているときは、検出距離(床面Fまでの距離)は基準値と等しいため、制御部2は、検知した障害物は床面Fであると判断し、転落または衝突の恐れはないので、本体1aの走行方向を転換することなく、前方に向かって走行させる。そして、図3(b)に示すように、障害物センサ11〜13によって床面Fよりも低い障害物Hを検知したときは、検出距離(障害物Hまでの距離)は基準値よりも遠いため、制御部2は、検知した障害物は床面Fよりも低い障害物Hであると判断し、本体1aの走行方向を転換して、障害物Hへの転落を回避する。また、図3(c)に示すように、障害物センサ11〜13によって床面Fよりも高い障害物Wを検知したときは、検出距離(障害物Wまでの距離)は基準値よりも近いため、制御部2は、検知した障害物は床面Fよりも高い障害物Wであると判断し、本体1aの走行方向を転換して、障害物Wへの衝突を回避する。 【0021】 図4は、障害物センサ11〜13の取付構造を示す図であって、(a)は同平面図、(b)は同正面図である。図5は、同取付構造の他の状態を示す平面図である。図6は、障害物センサ11〜13を取り付けるための支持部材17を示す図であって、(a)は同平面図、(b)は同正面図である。図7は、障害物センサ11〜13を取り付けるための回動部材18、19を示す図であって、(a)は同平面図、(b)は同正面図である。 【0022】 図6に示す支持部材17は、略長方形の板金からなり、図2に示すように長手方向と掃除機ロボット1の左右方向とが平行になるように、本体1aのフレーム(図示省略)に固定部材(図示省略)によって固定されている。支持部材17には、図4に示すように各障害物センサ11〜13の底部に設けた2本の脚部11a、11b、12a、12b、13a、13bをそれぞれ挿入させる挿入孔17a〜17fが所定の間隔で形成され、段付きネジからなる取付部材20、21をそれぞれ挿通させる挿通孔17g、17hが所定の間隔で形成されている。挿入孔17a〜17dは円形であり、径が脚部11a、11b、12a、13aの径と略同等の大きさになっている。挿入孔17e、17fは円を円弧状に広げた形であり、短径が脚部12b、13bの径と略同等の大きさになっている。挿通孔17g、17hは円形であり、径が取付部材20、21の径と略同等の大きさになっている。 【0023】 図4に示すように、第1障害物センサ11の脚部11a、11bを支持部材17の挿入孔17a、17bに挿入して、第1障害物センサ11を支持部材17の上面に載置する(第1障害物センサ11の底面を支持部材17の上面に接触させる)ことで、第1障害物センサ11は本体1aの真直ぐ前方(図4(a)の下方向)かつ斜め下方を向き、支持部材17と平行に動かないように支持部材17に支持される。第2障害物センサ12の脚部12a、12bを支持部材17の挿入孔17c、17eに挿入して、第2障害物センサ12を支持部材17の上面に載置する(第2障害物センサ12の底面を支持部材17の上面に接触させる)ことで、第2障害物センサ12は本体1aの左斜め前方かつ斜め下方を向き、脚部12aを中心にして支持部材17と平行に回動するように支持部材17に支持される。第3障害物センサ13の脚部13a、13bを支持部材17の挿入孔17d、17fに挿入して、第3障害物センサ13を支持部材17の上面に載置する(第3障害物センサ13の底面を支持部材17の上面に接触させる)ことで、第3障害物センサ13は本体1aの右斜め前方かつ斜め下方を向き、脚部13aを中心にして支持部材17と平行に回動するように支持部材17に支持される。つまり、支持部材17は、障害物センサ11〜13を本体1aの略前方かつ斜め下方に向くように左右方向に並べて支持する。障害物センサ11〜13の間隔は、支持部材17に支持された状態で、隣り合う障害物センサ11〜13同士の障害物F、H、Wを検知する検知範囲が常に一部重なるように設定されている。 【0024】 図7に示す一対の回動部材18、19は、板金を折り曲げ加工して、互いが対称になるように形成されている。各支持部材18、19には、第2、第3障害物センサ12、13を嵌合させる嵌合部18a、19a、第1障害物センサ11を支持部材17との間に保持する保持部18b、19b、回動操作用の取手部18c、19c、および取付部材20、21をそれぞれ貫通させる貫通孔18d、19dが形成されている。嵌合部18a、19aは、幅が第2、第3障害物センサ12、13の幅と略同等の大きさになっていて、高さが第2、第3障害物センサ12、13の高さと略同等の大きさになっている。貫通孔18d、19dは円を円弧状に広げて形であり、短径が取付部材20、21の径と略同等の大きさになっている。 【0025】 図4に示すように、支持部材17に支持された左端にある第2障害物センサ12に回動部材18の嵌合部18aを嵌合させ、回動部材18の貫通孔18dと支持部材17の挿通孔17gとに取付部材20を貫通させて、取付部材20を本体1aのフレームに形成されたネジ穴(図示省略)に螺合することで、回動部材18は支持部材17の上面に対向しつつ回動可能に取り付けられる。支持部材17に支持された右端にある第3障害物センサ13に回動部材19の嵌合部19aを嵌合させ、回動部材19の貫通孔19dと支持部材17の挿通孔17hとに取付部材21を貫通させて、取付部材21を本体1aのフレームに形成されたネジ穴(図示省略)に螺合することで、回動部材19は支持部材17の上面に対向しつつ回動可能に取り付けられる。また、回動部材18、19を支持部材17に取り付けることで、支持部材17に支持された非嵌合の第1障害物センサ11が、各回動部材18、19の保持部18b、19bによって保持される。支持部材17、回動部材18、19、および取付部材20、21は、本発明における方向可変機構の一実施形態を構成する。 【0026】 回動部材18、19を支持部材17に取り付けている取付部材20、21を締め付けると、回動部材18、19が支持部材17に固定され、障害物センサ11〜13が回動部材18、19と支持部材17との間に固定される。そして、取付部材20、21を緩めて、回動部材18、19の取手部18c、19cを図4(a)の矢印方向に押すと、回動部材18、19とともに第2、第3障害物センサ12、13が外側へ開くように回動し、第2、第3障害物センサ12、13の向きが変わる。図5は、回動部材18、19および第2、第3障害物センサ12、13が最も外側へ開くように回動した状態を示している。この状態のとき、隣り合う障害物センサ11〜13同士の検知範囲の重なりは最小となって、3つの障害物センサ11〜13によって障害物F、H、Wを検知する検知視野(斜線部分)の広さは最大角度θ2になる。また、取付部材20、21を緩めて、回動部材18、19の取手部18c、19cを図5の矢印方向に引くと、回動部材18、19とともに第2、第3障害物センサ12、13が内側へ閉じるように回動し、第2、第3障害物センサ12、13の向きが変わる。図4(a)は、回動部材18、19および第2、第3障害物センサ12、13が最も内側へ閉じるように回動した状態を示している。この状態のとき、隣り合う障害物センサ11〜13同士の検知範囲の重なりは最大となって、3つの障害物センサ11〜13によって障害物F、H、Wを検知する検知視野(斜線部分)の広さは最小角度θ1になる。つまり、取付部材20、21を緩めて、回動部材18、19を回動させると、第2、第3障害物センサ12、13の向きが変わり、当該向きを適当な方向に調整して取付部材20、21を締め付けると、第2、第3障害物センサ12、13が調整した向きで固定され、3つの障害物センサ11〜13による検知視野が角度θ1〜θ2の範囲で所定の広さに維持される。 【0027】 以上のようにすることで、取手部18c、19cを操作して、一対の回動部材18、19をそれぞれ回動させると、嵌合部18a、19aに嵌合させている両端の第2、第3障害物センサ12、13の向きが変わるので、保持部18b、19bで保持する第1障害物センサ11の向きが変わらなくても、3つの障害物センサ11〜13による障害物F、H、Wの検知視野の広さを変えることができる。特に、一対の回動部材18、19を均等な角度で回動させると、3つの障害物センサ11〜13による検知視野の広さを、障害物センサ11〜13の並んでいる方向にバランス良く狭くしたり広くしたりすることができる。よって、狭い場所や障害物F、H、Wの少ない場所を移動作業ロボット1に掃除させる場合には、取手部18c、19cを引いて、障害物センサ11〜13同士の検知範囲の重なりが大きくなるように各回動部材18、19を回動させて、3つの障害物センサ11〜13による検知視野を狭くすることで、障害物センサ11〜13のいずれかの検知範囲の端部(非検知範囲との境界部分)ではなく、複数の障害物センサ11〜13の検知範囲の中央部で障害物F、H、Wを検知して、複数の障害物センサ11〜13からの出力に基づき、障害物F、H、Wまでの距離を高い精度で検出することが可能となる。また、広い場所や障害物F、H、Wの多い場所を移動作業ロボット1に掃除させる場合には、取手部18c、19cを押して、障害物センサ11〜13同士の検知範囲の重なりが小さくなるように各回動部材18、19を回動させて、3つの障害物センサ11〜13による検知視野を広くすることで、多くの障害物F、H、Wを一度に検知することが可能となる。 【0028】 また、第2、第3障害物センサ12、13の向きを変えて、障害物F、H、Wの検知視野を広くすることができるので、前述の特許文献4のように広い検知視野を確保しようとして多数の障害物センサを用いる必要はなく、障害物センサの使用数を少なくして、コストを低く抑えることが可能となる。また、障害物センサ11〜13の支持部材17に支持される底面に脚部11a、11b、12a、12b、13a、13bを設け、支持部材17に脚部11a、11b、12a、12b、13a、13bを挿入させる挿入孔17a〜17fを設けたので、障害物センサ11〜13を支持部材17に位置決めして支持させることができ、衝撃などが加わっても障害物センサ11〜13をずれ難くすることが可能となる。また、回動部材18、19に保持部18b、19bを設けたので、2つの回動部材18、19によって3つの障害物センサ11〜13を支持部材17に取り付けることができ、取り付け効率の向上を図ることが可能となる。さらに、回動部材18、19に取手部18c、19cを設けたので、この取手部18c、19cを操作して、回動部材18、19を容易に回動させることができ、嵌合部18a、19aに嵌合させた第2、第3障害物センサ12、13の向きを所望の方向に調整することが可能となる。 【0029】 本発明は、以上述べた実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、以上の実施形態では、3つの障害物センサ11〜13を本体1a前面に取り付けた場合を例に挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、取り付ける障害物センサの数は、2つでも4つ以上でもよい。また、回動部材を嵌合させる障害物センサの数は、1つでも2つでも3つ以上でも良い。さらに、1つの回動部材で保持する障害物センサの数は、1つでも2つ以上でも良い。 【0030】 また、以上の実施形態では、掃除機ロボット1の本体1a前部に、支持部材17を支持部材17の長手方向と本体1aの左右方向とが平行になるように固定して、障害物センサ11〜13を略前方に向けて取り付けた場合を例に挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、本体の側部または後部に支持部材を固定して、複数の障害物センサを略側方または後方に向けて取り付けるようにしてもよい。また、支持部材を支持部材の長手方向と本体の高さ方向とが平行になるように本体に固定して、複数の障害物センサを水平方向、水平方向より下向き、または水平方向より上向きに取り付けるようにしてもよい。 【0031】 また、以上の実施形態では、図4(a)および図5に示したように、3つの障害物センサ11〜13の検知視野の広さが90°未満の角度θ1〜θ2で可変する場合を例に挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、回動部材の回動可能角度を大きくして、複数の障害物センサの検知視野の広さが90°以上の角度で可変するようにしてもよい。また、回動部材の回動可能角度を小さくして、複数の障害物センサの検知視野の広さが角度θ1〜θ2よりも小さな角度で可変するようにしてもよい。 【0032】 また、以上の実施形態では、隣り合う障害物センサ11〜13同士の障害物の検知範囲が常に一部重なるように、障害物センサ11〜13の支持間隔を設定した場合を例に挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、例えば隣り合う障害物センサ同士の検知範囲が、検知視野の最も狭いときに完全に重なり、検知視野の最も広いときに近接または離間するように、複数の障害物センサの支持間隔を設定してもよい。 【0033】 また、以上の実施形態では、支持部材17、回動部材18、19、および取付部材20、21によって方向可変機構を構成したが、本発明はこれのみに限定するものではなく、これ以外に、例えば本体に並べて固定した複数のモータの回転軸に複数の障害物センサを連結して支持し、スイッチ操作によって当該モータを駆動して、少なくとも1つ以上の障害物センサの向きを変えるような構造によって方向可変機構を構成するようにしてもよい。つまり、方向可変機構としては、複数の障害物センサを並べて支持し、当該障害物センサの少なくとも一つの向きを変えることが可能な機構であればよい。 【0034】 さらに、以上の実施形態では、掃除機ロボット1に、本発明を適用した場合を例に挙げているが、本発明はこれ以外にも、例えば所定の場所に有る物体を別の場所に移送する無人搬送ロボットや、敷地内を移動しながら侵入者等をカメラで撮影するセキュリティロボットのような、自動的に移動しながら作業を行う移動作業ロボットに適用することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】掃除機ロボットの電気ブロック図である。 【図2】掃除機ロボットの全体を示す平面図である。 【図3】掃除機ロボットによる障害物の検知状況を示す図である。 【図4】掃除機ロボットへの障害物センサの取付構造を示す図である。 【図5】同取付構造の他の状態を示す図である。 【図6】障害物センサを取り付けるための支持部材を示す図である。 【図7】障害物センサを取り付けるための回動部材を示す図である。 【符号の説明】 【0036】 1 掃除機ロボット 11 第1障害物センサ 11a、11b 脚部 12 第2障害物センサ 12a、12b 脚部 13 第3障害物センサ 13a、13b 脚部 17 支持部材 17a〜17f 挿入孔 18、19 回動部材 18a、19a 嵌合部 18b、19b 保持部 18c、19c 取手部 20、21 取付部材 F 床面(障害物) H 床面よりも低い障害物 W 床面よりも高い障害物
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| 【出願人】 |
【識別番号】000201113 【氏名又は名称】船井電機株式会社 【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号
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| 【出願日】 |
平成16年7月5日(2004.7.5) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−15048(P2006−15048A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月19日(2006.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願2004−197865(P2004−197865) |
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