| 【発明の名称】 |
風呂蓋及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 雄大 【住所又は居所】京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化学工業株式会社内
【氏名】丸山 耕司 【住所又は居所】京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化学工業株式会社内
【氏名】大須賀 信 【住所又は居所】京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化学工業株式会社内
【氏名】松坂 勝雄 【住所又は居所】京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】リサイクル性に優れた樹脂を用いた材料であって、軽量で高い強度を有し、反りや曲がりが発生し難く断熱性に優れた風呂蓋及びその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂発泡体3の両面に、延伸オレフィン系樹脂シート2,2・・が積層されてなり、好ましくは、2層以上の延伸オレフィン系樹脂シート2,2の少なくとも2層の延伸方向が互いに直交するように積層され、積層された延伸オレフィン系樹脂シート2,2の風呂蓋に対する長尺方向の弾性率と短尺方向に切断した面の断面積の積和が、該延伸オレフィン系樹脂シート2,2の風呂蓋に対する短尺方向の弾性率と長尺方向に切断した面の断面積の積和よりも大きいことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂発泡体の両面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層されてなることを特徴とする風呂蓋。 【請求項2】 少なくとも片面に樹脂板が積層されてなることを特徴とする請求項1記載の風呂蓋。 【請求項3】 樹脂発泡体の両面に、各々2層以上の延伸オレフィン系樹脂シートが、該延伸オレフィン系樹脂シートの少なくとも2層の延伸方向が互いに直交するように積層されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の風呂蓋。 【請求項4】 隣接する2辺の長さの異なる略矩形の風呂蓋であって、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する長尺方向の弾性率と短尺方向に切断した面の断面積の積和が、該延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する短尺方向の弾性率と長尺方向に切断した面の断面積の積和よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の風呂蓋。 【請求項5】 周端縁が縁被覆材で覆われてなることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の風呂蓋。 【請求項6】 延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、接着剤を介して樹脂発泡体と積層することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の風呂蓋の製造方法。 【請求項7】 延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面に接着性オレフィン系樹脂フィルムを積層した後に、熱融着により樹脂発泡体と積層することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の風呂蓋の製造方法。 【請求項8】 延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、注入成形により樹脂発泡体と積層することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の風呂蓋の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、家庭用浴槽などに用いられる風呂蓋及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、家庭用浴槽などに用いられる風呂蓋は、所定の剛性を確保するために、芯材を厚くしたり、アルミニウム等の金属板が用いられたりするため、重量が重く取扱い難いという問題があった。 【0003】 また芯材として薄いものを用いると、断熱性が低下するため、保温性が低下するなどの問題や、強度を確保することができず、使用状態で荷重が加わると湾曲して脱落し、例えば人が浴槽内に転落することがあるという問題があった。 【0004】 上記問題を解決するため、例えば特許文献1には、浴槽上に並列に配置される複数の平板形蓋板を有する風呂蓋であって、前記蓋板が、板状の内部剛性部材と、その内部剛性部材の外周全域に被覆された被覆部材とを備え、前記内部剛性部材が、硬質の合成樹脂発泡体からなる芯板と、その芯板の上下両面に積層され、かつ抗張性を有する抗張性シートとを具備し、前記被覆部材が、軟質の合成樹脂発泡体により構成されてなるものが開示されている。 【0005】 しかし、上記の風呂蓋においては、保温性及び強度が必ずしも十分ではないという問題や、熱膨張による反りや曲がりが発生するという問題、或いは、材料によってはリサイクル性や環境汚染の問題があった。また、上下の表面が軟質の合成樹脂発泡体により構成されているため、使用時の汚れが合成樹脂発泡体に付着し易く、長期に使用すると表面の汚染が顕著であるという問題や、芯板の上下両面に積層された抗張性シートに強化繊維が用いられた場合には、強化繊維が表面に突き出すことがあるという問題があった。 【0006】 上記に関し、特に近年は、人口構成の高齢化に伴って、転落の危険が無いように十分な強度を有する風呂蓋が求められるとともに、環境負荷の小さなものが要望されている。また、反りや曲がりが発生することにより、浴槽との間に隙間が生じることによる保温性の低下を防止することが強く要望されている。 【特許文献1】特開2003−225173号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明者は上記従来の問題を解決すべく検討の結果、樹脂発泡体と延伸オレフィン系樹脂シートを用いた風呂蓋において上記問題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。 すなわち、本発明の目的は、リサイクル性に優れた樹脂を用いた材料であって、軽量で高い剛性を有し、反りや曲がりが発生し難く保温性能に優れた風呂蓋及びその製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 請求項1記載の風呂蓋は、樹脂発泡体の両面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層されてなることを特徴とする。 【0009】 請求項2記載の風呂蓋は、請求項1記載の風呂蓋であって、少なくとも片面に樹脂板が積層されてなることを特徴とする。 【0010】 請求項3記載の風呂蓋は、請求項1又は2記載の風呂蓋であって、樹脂発泡体の両面に、各々2層以上の延伸オレフィン系樹脂シートが、該延伸オレフィン系樹脂シートの少なくとも2層の延伸方向が互いに直交するように積層されてなることを特徴とする。 【0011】 請求項4記載の風呂蓋は、請求項1〜3の何れか1項記載の風呂蓋において、隣接する2辺の長さの異なる略矩形の風呂蓋であって、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する長尺方向の弾性率と短尺方向に切断した面の断面積の積和が、該延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する短尺方向の弾性率と長尺方向に切断した面の断面積の積和よりも大きいことを特徴とする。 【0012】 請求項5記載の風呂蓋は、請求項1〜4の何れか1項記載の風呂蓋であって、周端縁が被覆材で覆われてなることを特徴とする。 【0013】 請求項6記載の風呂蓋の製造方法は、請求項1〜5の何れか1項記載の風呂蓋の製造方法であって、延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、接着剤を介して樹脂発泡体と積層することを特徴とする。 【0014】 請求項7記載の風呂蓋の製造方法は、請求項1〜5の何れか1項記載の風呂蓋の製造方法であって、延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面に接着性オレフィン系樹脂フィルムを積層した後に、熱融着により樹脂発泡体と積層することを特徴とする。 【0015】 請求項8記載の風呂蓋の製造方法は、請求項1〜5の何れか1項記載の風呂蓋の製造方法であって、延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、注入成形により樹脂発泡体と積層することを特徴とする。 【0016】 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明における樹脂発泡体としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡体、アクリル系樹脂発泡体、熱可塑性ウレタン系樹脂発泡体、ネオプレンゴム系発泡体、ブチルゴム系発泡体等の熱可塑性樹脂発泡体;ウレタン系樹脂発泡体、フェノール系樹脂発泡体、エポキシ系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、メラミン系樹脂発泡体、ユリア系樹脂発泡体等の熱硬化性樹脂発泡体が挙げられる。 【0017】 中でも、熱可塑性樹脂発泡体としては、熱融着性と剛性のバランスの点でポリスチレン系樹脂発泡体、アクリル系樹脂発泡体、熱可塑性ウレタン系樹脂発泡体であることが好ましい。 【0018】 また、上記樹脂発泡体が熱硬化性樹脂発泡体の場合には、積層される延伸オレフィン系樹脂シートや縁被覆材などを型枠として用い、液状の熱硬化性樹脂を注入し発泡させる、所謂注入成形ができる点で好ましい。注入成形に用いられる熱硬化性樹脂発泡体用の樹脂としては、成形性と保温特性の点でウレタン系樹脂が好ましく、中でも、熱硬化性樹脂を加熱することで発泡させる場合には、加熱による延伸オレフィン系樹脂シートの緩和を抑制するため、延伸オレフィン系樹脂シートの緩和温度以下の発泡温度を有するウレタン系樹脂が好ましい。このようなウレタン系樹脂としては、例えば、炭素数3〜8のジイソシアネートと、炭素数3〜8のグリコールとの付加重合体などが挙げられる。 尚、樹脂発泡体は単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。 【0019】 樹脂発泡体の発泡倍率は、特に限定されないが、10〜60倍であることが好ましく、より好ましくは20〜50倍である。発泡倍率が10倍よりも低いと断熱性や保温性が低下し易くなり、一方、60倍を超えると剛性が不十分になることがある。 【0020】 樹脂発泡体の厚みは、特に限定されないが、軽量性と剛性のバランスの点で、上記延伸オレフィン系樹脂シートの厚みよりも厚くされることが好ましく、通常5〜50mmとされる。 【0021】 本発明における上記延伸オレフィン系樹脂シートの延伸倍率は、8〜40倍が好ましく、より好ましくは10〜35倍である。延伸倍率が小さ過ぎると充分な引張弾性率が発揮されないことがあり、また、熱伸縮が大きくなりすぎることがある。延伸倍率が大きくなり過ぎると延伸成形時にシートが破断し易くなることがある。 【0022】 延伸オレフィン系樹脂シートを構成するオレフィン系樹脂としては、シート形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。 【0023】 上記高密度ポリエチレン樹脂の密度は小さくなると延伸しても形状追随性が向上しなくなるので、0.94g/cm3以上が好ましい。 【0024】 また、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量は、小さくなり過ぎると延伸しても剛性があまり向上せず、大きくなり過ぎると成形や延伸がしにくくなるので、20万〜50万が好ましく、メルトインデックス(MI)は成形性が優れている0.1〜20が好ましく、より好ましくは0.2〜10である。 【0025】 本発明においては、上記高密度ポリエチレンを単独で用いてもよいが、他のポリオレフィンを高密度ポリエチレン100重量部に対し30重量部以下の割合で混入させてもよい。併用される他のポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルなどを挙げることができる。 【0026】 更に上記高密度ポリエチレンは架橋されたものが用いられてもよい。この場合得られる樹脂シートのゲル分率は20%以上であることが好ましい。 【0027】 上記オレフィン系樹脂シートの延伸方法は従来公知の任意の方法が採用されてよいが、12〜40倍と高度に延伸する場合には、オレフィン系樹脂シートを圧延した後、延伸又は延伸を複数回繰り返す多段延伸する方法が好ましい。 【0028】 上記圧延は、オレフィン系樹脂シートを一対の反対方向に回転するロールに供給し、押圧してシートの厚みを薄くすると共に伸長する方法であり、圧延されたシートは延伸シートとは異なり、オレフィン系樹脂が配向されることなく緻密になっているので、高度に延伸しやすくなっている。 【0029】 圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。 【0030】 尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。 【0031】 又、圧延倍率は小さいと後の延伸に負担がかかり、大きくするのは圧延が困難になるので4〜10倍が好ましい。尚、本発明において、圧延倍率及び延伸倍率は、圧延又は延伸前のシートの断面積を圧延又は延伸後のシートの断面積で除した値である。 【0032】 上記延伸は、従来公知の任意の方法でよく、例えば、ロール延伸法、ゾーン延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。 【0033】 延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。 【0034】 又、圧延後の延伸倍率は、全体の延伸倍率が10〜40倍であることが好ましいことから、圧延倍率を考慮し、全体の延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、圧延後の延伸が少ないと機械的強度が向上しないので、2倍以上が好ましく、より好ましくは3倍以上である。尚、全体の延伸倍率は圧延倍率と圧延後の延伸倍率を乗じた数値である。 【0035】 延伸オレフィン系樹脂シートは、薄くなると機械的強度が低下し、厚くなると延伸方向に割れやすくなるため、その厚みは一般に0.05〜1.5mmであり、好ましくは0.15〜0.7mmである。 【0036】 本発明の風呂蓋は、上記延伸オレフィン系樹脂シートが、樹脂発泡体の両面に積層されてなるものである。 【0037】 また、上記風呂蓋が、少なくとも片面に樹脂板が積層されてなる場合には、得られる風呂蓋の表面加飾機能が付与できる点で好ましい。 【0038】 上記樹脂板としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂板、熱硬化性樹脂板、その他の合成樹脂からなる樹脂板が挙げられる。 【0039】 更に、上記風呂蓋が、上記樹脂発泡体の両面に、各々2層以上の延伸オレフィン系樹脂シートが、該延伸オレフィン系樹脂シートの少なくとも2層の延伸方向が互いに直交するように積層されてなる場合には、得られる風呂蓋の反りや曲がりを効果的に防止することができる点で好ましい。 【0040】 また、上記において、隣接する2辺の長さの異なる略矩形の風呂蓋であって、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する長尺方向の弾性率と短尺方向に切断した面の断面積の積和(ST)が、該延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する短尺方向の弾性率と長尺方向に切断した面の断面積の積和(SD)よりも大きいことを特徴とする場合には、反りや曲がりの防止効果が向上するとともに、延伸オレフィン系樹脂シートの衝撃割れの防止効果も向上する点でより好ましい。 【0041】 上記弾性率と断面積の積和(ST、SD)は、具体的には以下の式で示される。 風呂蓋の長尺方向の弾性率と断面積の積和(ST) ST=E11S12+E21S22+・・・+Ei1Si2+・・・ 風呂蓋の短尺方向の弾性率と断面積の積和(SD) SD=E12S11+E22S21+・・・+Ei2Si1+・・・ 但し 1層目のシートの風呂蓋に対する長尺方向の弾性率:E11、 1層目のシートの風呂蓋に対する短尺方向の弾性率:E12、 1層目のシートの風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積:S11 1層目のシートの風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積:S12 2層目のシートの風呂蓋に対する長尺方向の弾性率:E21、 2層目のシートの風呂蓋に対する短尺方向の弾性率:E22、 2層目のシートの風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積:S21 2層目のシートの風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積:S22 ・・・ i層目のシートの風呂蓋に対する長尺方向の弾性率:Ei1、 i層目のシートの風呂蓋に対する短尺方向の弾性率:Ei2、 i層目のシートの風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積:Si1 i層目のシートの風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積:Si2 ・・・ 尚、風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積とは、[シートの厚み×風呂蓋に対する長尺方向のシート長さ]であり、風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積とは、[シートの厚み×風呂蓋に対する短尺方向のシート長さ]である。 【0042】 即ち、本発明においては、上記において、ST>SDであることを特徴とする。 【0043】 本発明によれば、樹脂発泡体の両面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層されることで、得られる風呂蓋の反りや曲がりを防止することができる。その作用効果は必ずしも明らかではないが、本発明における延伸ポリオレフィン系樹脂シートが通常マイナスの線膨張特性(加熱により収縮する特性)を有することに起因すると推定される。 【0044】 更に、上記のように2層以上の延伸オレフィン系樹脂シートの延伸方向が直交するように積層され、ST>SDとされることで、風呂蓋の長尺方向のと短尺方向の熱伸縮を好適に制御することが可能になると考えられる。また、この場合、延伸オレフィン系樹脂シートの衝撃割れの防止効果も向上し、得られる風呂蓋の耐衝撃性が向上する。 【0045】 上記において、延伸オレフィン系樹脂シートの積層順序としては、特に限定されないが、延伸方向が風呂蓋の長尺方向になるように積層されたシートが外側に積層されると曲げ性能が向上する点、並びに、反りや曲がりの防止効果が向上する点で好ましい。 【0046】 上記延伸オレフィン系樹脂シートがアニール処理されたものであると、反りや曲がりを防止する効果が更に向上する点で好ましい。 【0047】 また、本発明の風呂蓋が、周端縁が縁被覆材で覆われてなる場合には、周端縁からの水分の侵入を防止することで、吸水に起因する保温性の低下を抑制しうる点で好ましい。 【0048】 上記縁被覆材としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性エラストマー、合成ゴムや天然ゴム、若しくはその他の熱可塑性樹脂材料などが挙げられる。 【0049】 本発明の樹脂発泡体複合板の製造方法においては、延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、接着剤を介して樹脂発泡体と積層することを特徴とする。コロナ放電することにより接着剤を介して積層する際の接着強度を向上することができる。 【0050】 コロナ放電の条件としては、特に限定されないが、表面のJIS K6768に規定されるぬれ張力試験法で測定される値が、40〜54dyne/cmであることが好ましくより好ましくは45〜54dyne/cmである。 【0051】 また、延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面に接着性オレフィン系樹脂フィルムを積層した後に、熱融着により樹脂発泡体と積層する方法でもよい。この場合には、接着剤を用いなくても強固に積層することができる。 【0052】 上記接着性オレフィン系樹脂を構成する熱可塑性樹脂としては、熱融着可能な接着性を有するものであれば特に限定されず、例えば、延伸オレフィン系樹脂シート及び樹脂発泡体との積層性に優れる点で、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムが用いられる。エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムを用いることにより、低温での融着や接着が可能となり、加熱による発泡体の破泡を防止できるだけでなく、延伸シートの緩和が抑制され寸法変化の増大や弾性率の減少を抑制することができる。 【0053】 上記熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、特に限定されないが、厚過ぎると得られる積層シートの剛性が大きくなり過ぎる傾向があるので、一般に0.01〜0.3mmであり、好ましくは0.02〜0.1mmである。 【0054】 更に、本発明において、延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、注入成形により樹脂発泡体と積層する方法によれば、上記に加えて、種々の形状に対応した風呂蓋を簡便に製造することが可能になる。 【発明の効果】 【0055】 本発明によれば、樹脂発泡体の両面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層されてなることを特徴とするので、リサイクル性に優れた樹脂を用いた材料であって、軽量で高い剛性を有し、反りや曲がりが発生し難く保温性能に優れた風呂蓋を提供することができる。 【0056】 上記風呂蓋が、少なくとも片面に樹脂板が積層されてなるものであると、上記効果に加えて表面加飾機能が付与できる。 【0057】 更に、樹脂発泡体の両面に、各々2層以上の延伸オレフィン系樹脂シートが、該延伸オレフィン系樹脂シートの少なくとも2層の延伸方向が互いに直交するように積層されてなる場合には、反りや曲がりの防止効果が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。 【0058】 また、隣接する2辺の長さの異なる略矩形の風呂蓋であって、上記における積層された延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する長尺方向の弾性率と短尺方向に切断した面の断面積の積和(ST)が、該延伸オレフィン系樹脂シートの風呂蓋に対する短尺方向の弾性率と長尺方向に切断した面の断面積の積和(SD)よりも大きい場合には、反りや曲がりの防止効果が更に向上するとともに、延伸オレフィン系樹脂シートの衝撃割れの防止効果も向上し、上記効果は更に確実なものとなる。 【0059】 また、上記風呂蓋が、周端縁が縁被覆材で覆われてなるものであると、周端縁からの水分の侵入を防止することで保温性が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。 【0060】 本発明の樹脂発泡体複合板の製造方法においては、延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、接着剤を介して樹脂発泡体と積層することを特徴とするので、積層時の接着強度が向上し、上記同様の効果を有する風呂蓋を確実に製造することができる。 【0061】 また、上記延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面に接着性オレフィン系樹脂フィルムを積層した後に、熱融着により樹脂発泡体と積層する方法によれば、接着剤を用いることなく強固に積層することができ、上記効果を有する風呂蓋を確実に製造することができる。 【0062】 また、上記延伸オレフィン系樹脂シートを、その表面をコロナ放電処理した後に、注入成形により樹脂発泡体と積層する方法によれば、上記効果に加えて、種々の形状に対応した風呂蓋を簡便に製造することが可能になる。 【実施例】 【0063】 以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。 尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。 【0064】 (実施例1) 図1に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡体3(厚み15mm、発泡倍率30倍程度)の上面及び下面に、各々2層の延伸ポリエチレン系樹脂シート2[延伸方向が風呂蓋の長尺方向になるように積層されたシート21(以下、「長尺方向積層シート」という)、及び、延伸方向が風呂蓋の短尺方向になるように積層したシート22(以下、「短尺方向積層シート」という)]を、長尺方向積層シート21を外側にして積層し、上面側にポリプロピレン系樹脂板4(弾性率1.7GPa、厚み0.38mm、線膨張係数12×10−5/℃)を積層して風呂蓋1(長さ1820mm、幅910mm)を得た。尚、上記長尺方向積層シート21、及び短尺方向積層シート22の延伸倍率、弾性率、厚み、及び線膨張係数は以下に示した。また、積層方法としては、延伸オレフィン系樹脂シートの表面をコロナ放電処理した後に(JIS K6768で規定される濡れ張力試験法で表面を測定したところ45dyne/cmであった)、接着剤を介して積層した。 (長尺方向積層シート21): 延伸倍率17.0倍、 風呂蓋に対する長尺方向の弾性率(E11)20GPa、 風呂蓋に対する短尺方向の弾性率(E12)2.5GPa、 厚み0.26mm 風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積(S11)=0.26×1820=473.2mm2、 風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積(S12)=0.26×910=236.6mm2、 シートの延伸方向線膨張係数:−0.9×10−5/℃、 シートの幅方向線膨張係数:12×10−5/℃ (短尺方向積層シート22): 延伸倍率9.4倍、 風呂蓋に対する長尺方向の弾性率(E21)1.5GPa、 風呂蓋に対する短尺方向の弾性率(E22)4.5GPa、 厚み0.26mm 風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積(S21)=0.26×1820=473.2mm2、 風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積(S22)=0.26×910=236.6mm2、 シートの延伸方向線膨張係数:−0.9×10−5/℃、 シートの幅方向線膨張係数:6×10−5/℃ (両面分のST及びSDの計算) ST(上面分)=20(E11)×236.6(S12)+1.5(E21)×236.6(S22)=5086.9kN ST(両面分)=5086.9×2=10173.8kN SD(上面分)=2.5(E12)×473.2(S11)+4.5(E22)×473.2(S21)=3312.4kN SD(両面分)=3312.4×2=6624.8kN 【0065】 上記により得られた風呂蓋の反りについて以下の方法で評価した結果、反り量は3mmであった。 (反り量の測定方法) 得られた風呂蓋を鉄板の上に載置した状態で、鉄板を75℃に加熱した時に、パネルの端部における反り量を測定(通常4.5mm以下であれば良好とされる)。 【0066】 (実施例2) 積層方法として、延伸オレフィン系樹脂シートの表面に接着性オレフィン系樹脂フィルム(積水フィルム社製、「ラミロンL5」厚み0.03mm)を積層した後に、アルミ板(3mm)およびウレタン発泡体(厚み10mm)で挟み、120度3分間プレスして熱融着し、その後冷却プレスにて2分間冷却して積層したこと以外は実施例1と同様にして風呂蓋を得た。得られた風呂蓋の反りについて実施例1と同様に評価した結果、反り量は3mmであった。 【0067】 (実施例3) 以下に示す長尺方向積層シート21、及び短尺方向積層シート22を用いたこと以外は実施例1と同様にして風呂蓋を得た。 (長尺方向積層シート21): 延伸倍率9.4倍、 風呂蓋に対する長尺方向の弾性率(E11)4.5GPa、 風呂蓋に対する短尺方向の弾性率(E12)1.5GPa、 厚み0.26mm 風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積(S11)=0.26×1820=473.2mm2、 風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積(S12)=0.26×910=236.6mm2、 シートの延伸方向線膨張係数:−0.9×10−5/℃、 シートの幅方向線膨張係数:6×10−5/℃ (短尺方向積層シート22): 延伸倍率9.4倍、 風呂蓋に対する長尺方向の弾性率(E21)2.5GPa、 風呂蓋に対する短尺方向の弾性率(E22)20GPa、 厚み0.26mm 風呂蓋に対する長尺方向に切断した面の断面積(S21)=0.26×1820=473.2mm2、 風呂蓋に対する短尺方向に切断した面の断面積(S22)=0.26×910=236.6mm2、 シートの延伸方向線膨張係数:−0.9×10−5/℃、 シートの幅方向線膨張係数:12×10−5/℃ (両面分のST及びSDの計算) ST(上面分)=4.5(E11)×236.6(S12)+2.5(E21)×236.6(S22)=1656.2kN ST(両面分)=1656.2×2=3312.4kN SD(上面分)=1.5(E12)×473.2(S11)+20(E22)×473.2(S21)=10173.8kN SD(両面分)=10173.8×2=20347.6kN 【0068】 上記により得られた風呂蓋の反りについて実施例1と同様に評価した結果、反り量は4.5mmであった。 【0069】 (実施例4) 図2に示すように、ポリプロピレン系樹脂板4(弾性率1.7GPa、厚み0.38mm、線膨張係数12×10−5/℃)の片面にウレタン系接着剤を介して、実施例1と同様の、2層の延伸ポリエチレン系樹脂シート2(長尺方向積層シート21及び短尺方向積層シート22)を、長尺方向積層シート21が外側になるように積層した3層構成の積層板5を2枚作製した後、この2枚の積層板5の間にスペーサー6を介して中空部7の間隙dが15mmとなるようにセットし、その周端縁を縁被覆材8で固定した。この2枚の積層板5と縁被覆材8とを型枠として、中空部7にペンタンジイソシアネートとペンタンジオールとを注入し、硬化炉中で発泡及び硬化させて樹脂発泡体3を形成し風呂蓋を得た。得られた風呂蓋の反りについて実施例1と同様に評価した結果、反り量は2mmであった。 尚、上記において、長尺方向積層シート21、及び短尺方向積層シート22の延伸倍率、弾性率、厚み、及び線膨張係数、延伸オレフィン系樹脂シートの表面コロナ放電処理後の濡れ張力、並びに、ST及びSDの計算値も実施例1と同様であった。 【図面の簡単な説明】 【0070】 【図1】本発明の風呂蓋の一例を示す模式断面図である。 【図2】本発明の風呂蓋の他の一例を説明する模式断面図である。 【符号の説明】 【0071】 1 風呂蓋 2 延伸オレフィン系樹脂シート(延伸ポリエチレン系樹脂シート) 21 長尺方向積層シート 22 短尺方向積層シート 3 樹脂発泡体 4 樹脂板 5 積層体 6 スペーサー 7 中空部 8 縁被覆材
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号
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| 【出願日】 |
平成16年11月10日(2004.11.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−130243(P2006−130243A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月25日(2006.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願2004−326755(P2004−326755) |
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