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【発明の名称】 陳列什器
【発明者】 【氏名】斎藤 聡

【氏名】後藤 孝史

【氏名】笹木 正巳

【要約】 【課題】ボビン配列の自由度を高め、かつ重量物に使用可能でコストを抑えた陳列什器を提供すること。

【解決手段】第1の支持棒11と第1の支持棒11にほぼ平行に配置された第2の支持棒12とを有する、ボビンが載せられる平行棒13と、側板15(15A、15B)の面が平行棒13の軸方向に対向するように配置され、第2の支持棒12を挟んで第1の支持棒11とは反対側に支柱Sv、Shに取り付けたときに鉛直方向に延びる辺15aを有し、支柱Sv、Shに着脱可能に取り付ける取付部材16が鉛直方向に延びる辺15aの上部に設けられた、平行棒13の両端を支持する一対の側板15とを備え、取付部材16より下部で、支柱Sv、Shからの力を受けるように構成されている、長尺の物品が巻かれたボビンを陳列する、支柱Sv、Shに取り付ける陳列什器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の物品が巻かれたボビンを陳列する、支柱に取り付ける什器であって;
前記ボビンが載せられる平行棒であって、第1の支持棒と該第1の支持棒にほぼ平行に配置された第2の支持棒とを有する平行棒と;
前記平行棒の両端を支持する一対の側板であって、該側板の面が前記平行棒の軸方向に対向するように配置され、前記第2の支持棒を挟んで前記第1の支持棒とは反対側に前記支柱に取り付けたときに鉛直方向に延びる辺を有し、前記支柱に着脱可能に取り付ける取付部材が該鉛直方向に延びる辺の上部に設けられた側板とを備え;
前記取付部材より下部で、前記支柱からの力を受けるように構成された;
陳列什器。
【請求項2】
前記取付部材が、前記平行棒の軸方向に幅を持つ、前記支柱に取り付けたときに鉛直下向きの開口を有する断面コの字状の部材で構成され;
前記鉛直方向に延びる辺が、前記取付部材より下部に、前記断面コの字状の一辺の長さと少なくとも同じ長さを有する;
請求項1に記載の陳列什器。
【請求項3】
前記側板が、前記取付部材より下部の前記鉛直方向に延びる辺に突起部を有し;
前記突起部の底辺がほぼ平らに形成された;
請求項1又は請求項2に記載の陳列什器。
【請求項4】
前記第1の支持棒及び前記第2の支持棒の少なくとも一方を内部に通す中空の回転部材を備える;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の陳列什器。
【請求項5】
前記第1の支持棒に対して、前記取付部材から離れる方向の斜め上方に配置され、軸直角方向に延びる嵌合溝が端部に形成された水平棒を備え;
前記水平棒を収容する溝であって、該溝の底部に対し、前記取付部材に水平方向に近づく斜め上方に開口を有する収容溝が、前記側板に形成された;
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の陳列什器。
【請求項6】
前記ボビンに巻かれた物品の情報を表示するラベルが取り付けられる細長形状の識別表示部材であって、該細長形状の長手方向の両端部がそれぞれ2以上の締結部材で前記側板に支持される識別表示部材を備え;
前記識別表示部材を前記側板に固定する第1の締結部材を通す基準孔と、該第1の締結部材とは別の第2の締結部材を通す孔であって前記基準孔を中心とする円周上に複数設けられた調整孔とが前記側板に形成された;
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の陳列什器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は陳列什器に関し、特に長尺の物品が巻かれたボビンを陳列する陳列什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小売店では、ホースやロープ等の長尺の物品を、購入者の必要な長さで販売する、いわゆる計り売りが行われている。近年は需要者のニーズに応えるべく、多種類の品物を取り揃える店舗が多い。計り売りされる長尺の物品は、ボビンに巻かれているのが一般的である。ボビンに巻かれた各種の物品を計り売りしやすい状態で店頭に展示するために、陳列什器が用いられている。
【0003】
陳列什器は、当然ながら、展示される物品の重量や計り売りする際に加えられる荷重に耐え得る構造を採用する必要がある。そのような構造を有する陳列什器のうち、ボビンの出し入れを容易にするためにボビンの芯に軸を通さない構造の陳列什器としては、従来は、図7に示すようなフレームFで構成されたフレーム一体型構造で、ボビンの陳列数に応じて上方に複数段の陳列スペースを設けた什器30を個別に製造していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフレーム一体型構造の陳列什器では、小売店の要求に応じて多種類のものを製造する必要がありコストが嵩むと共に、製造によって高さが決められるため、小売店で扱う品物の需要の変化に応じて大きさの異なるボビンの配列を変更することが困難であった。また、重量物に耐え得る構造とするため、スパンを長くとることができなかった。すなわち、陳列されるボビンは、巻かれる物品の種類に応じて、同じ大きさのボビンの中でもおよそ4〜5種類の異なる幅を持つものが製造されているが、什器のスパンが短いと異なる種類のボビンの配列の自由度が制限されることとなっていた。他方、スパンを長くとって重量物にも耐え得る什器を製造しようとすると、フレームの剛性を高めるためにフレームを太くする必要があり、これにより什器自体の重量が増加すると共に製造コストも嵩むこととなっていた。
【0005】
本発明は上述した課題を解決すべく、ボビン配列の自由度を高め、かつ重量物に使用可能でコストを抑えた陳列什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る陳列什器は、例えば図1及び図2に示すように、長尺の物品が巻かれたボビンB(B1〜B4)を陳列する、支柱Sv、Shに取り付ける什器10であって;ボビンBが載せられる平行棒13であって、第1の支持棒11と第1の支持棒11にほぼ平行に配置された第2の支持棒12とを有する平行棒13と;平行棒13の両端を支持する一対の側板15(15A、15B)であって、側板15の面が平行棒13の軸方向に対向するように配置され、第2の支持棒12を挟んで第1の支持棒11とは反対側に支柱Sv、Shに取り付けたときに鉛直方向に延びる辺15aを有し、支柱Sv、Shに着脱可能に取り付ける取付部材16が鉛直方向に延びる辺15aの上部に設けられた側板15とを備え;取付部材16より下部で、支柱Sv、Shからの力を受けるように構成されている。ここで「ほぼ平行」は、大きさの同じボビンを複数平行棒に載置した場合に、ボビンが整然と並んでいるように見える程度の状態である。
【0007】
このように構成すると、支柱に着脱可能に取り付ける取付部材が鉛直方向に延びる辺の上部に設けられた側板を備えので、陳列する際の高さを自由に変更することができ、ボビンの配列変更が容易となる。また、取付部材より下部で、支柱からの力を受けるように構成されているので、荷重を取付部材とその下部とで分散させることができ、側板と側板との距離、すなわちスパンを長くとることができて、ボビン配列の自由度が増す。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る陳列什器は、例えば図1及び図2に示すように、請求項1に記載の陳列什器10において、取付部材16が、平行棒13の軸方向に幅を持つ、支柱Sv、Shに取り付けたときに鉛直下向きの開口を有する断面コの字状の部材で構成され;鉛直方向に延びる辺15aが、取付部材16より下部に、断面コの字状の一辺の長さL1と少なくとも同じ長さL2を有する。
【0009】
このように構成すると、取付部材が、平行棒の軸方向に幅を持つ、支柱に取り付けたときに鉛直下向きの開口を有する断面コの字状の部材で構成されているので、支柱に着脱容易となり陳列する際の高さを自由に変更することができ、ボビンの配列変更がさらに容易となる。また、鉛直方向に延びる辺が、取付部材より下部に、断面コの字状の一辺の長さと少なくとも同じ長さを有するので、取付部材から距離を持って支柱からの力を受けることとなり、取付部材にかかるモーメントが軽減されて、重量物に使用可能な陳列什器となる。なお、取付部材より下部の鉛直方向に延びる辺は、断面コの字状の一辺の長さと少なくとも同じ長さに渡って、必ずしも直線的に形成されていなくてもよい。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る陳列什器は、例えば図1及び図2に示すように、請求項1又は請求項2に記載の陳列什器10において、側板15が、取付部材16より下部の鉛直方向に延びる辺15aに突起部18を有し;突起部18の底辺18aがほぼ平らに形成されている。ここで「ほぼ平ら」は、突起部の底辺全体が支柱に接触する程度の状態である。
【0011】
このように構成すると、突起部の底辺がほぼ平らに形成されているので、取付部材と突起部の底辺とで荷重を分散させることができ、スパンを長くとることができて、ボビン配列の自由度が増す。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係る陳列什器は、例えば図3に示すように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の陳列什器10において、第1の支持棒11及び第2の支持棒12の少なくとも一方を内部に通す中空の回転部材24A、24B、…を備える。
【0013】
このように構成すると、ボビンに巻かれた長尺の物品を引き出す際に、ボビンと平行棒との摩擦抵抗が軽減され、物品の引き出しが容易になる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明に係る陳列什器は、例えば図1及び図4に示すように、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の陳列什器10において、第1の支持棒11に対して、取付部材16から離れる方向の斜め上方に配置され、軸直角方向に延びる嵌合溝14aが端部に形成された水平棒14を備え;水平棒14を収容する溝19であって、溝19の底部に対し、取付部材16に水平方向に近づく斜め上方に開口を有する収容溝19が、側板15に形成されている。
【0015】
このように構成すると、軸直角方向に延びる溝部が端部に形成された水平棒を備え、溝の底部に対し、取付部材に水平方向に近づく斜め上方に開口を有する収容溝が、側板に形成されているので、長尺の物品を引き出す際にボビンが陳列什器から飛び出すことを防ぐことができ、かつ水平棒が収容溝から外れることを防ぐことができるるとともに、水平棒の着脱が容易で陳列什器へのボビンの出し入れが容易になる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明に係る陳列什器は、例えば図1、図5及び図6に示すように、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の陳列什器10において、ボビンBに巻かれた物品の情報を表示するラベルLbが取り付けられる細長形状の識別表示部材であって、その細長形状の長手方向Wの両端部25eがそれぞれ2以上の締結部材で側板15に支持される識別表示部材25を備え;識別表示部材25を側板15に固定する第1の締結部材を通す基準孔21と、第1の締結部材とは別の第2の締結部材を通す孔であって基準孔21を中心とする円周上に複数設けられた調整孔22A〜22Cとが側板15に形成されている。
【0017】
このように構成すると、識別表示部材を側板に固定する第1の締結部材を通す基準孔と、第1の締結部材とは別の第2の締結部材を通す孔であって、基準孔を中心とする円周上に複数設けられた調整孔とが側板に形成されているので、陳列什器を設置する高さに応じて識別表示部材の表示面の角度を変更することができ、一種類で異なる高さの設置に適する陳列什器となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、支柱に着脱可能に取り付ける取付部材が鉛直方向に延びる辺の上部に設けられた側板を備えので、陳列する際の高さを自由に変更することができ、ボビンの配列変更が容易となる。また、取付部材より下部で、支柱からの力を受けるように構成されているので、荷重を取付部材とその下部とで分散させることができ、側板と側板との距離、すなわちスパンを長くとることができて、ボビン配列の自由度が増す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する部材には同一又は類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る陳列什器を示す斜視図である。陳列什器10は、第1の支持棒としての前方バー11と第2の支持棒としての後方バー12とを有する平行棒13と、平行棒13を支持すると共に支柱Sv、Shに取り付ける側板15(15A、15B)と、載置されたボビンの落下を防止する水平棒としての落下防止バー14と、ボビンに巻かれた長尺の物品の情報を表示する識別表示部材としての表示板25とを含んで構成されている。なお、ボビンに巻かれる長尺の物品としては、ホース、チェーン、紐、リボン、電線等があるが、本実施の形態ではホースとして説明する。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態に係る陳列什器を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は取付部材の変形例を示す部分詳細図である。なお、左側面図は右側面図と対称に表れる。以降、主に図1及び図2を参照して説明する。
平行棒13を構成する前方バー11は、断面円形の中空の丸棒であり、両端部の内側に雌ねじが形成されている。前方バー11の太さ及び肉厚は、載置されるボビンBの重量と前方バー11の長さとを考慮して決定するとよい。すなわち、前方バー11は、両端が側板15に固定されると両端固定の梁とみなすことができるが、ボビンBが載置されたときに十分な曲げ剛性を有するように決定するとよい。曲げ剛性は断面二次モーメントと縦弾性係数の積で表されるため、材質も考慮して前方バー11の太さ及び肉厚を決定するとよい。前方バー11の材質は、典型的にはステンレス鋼であるが、アルミニウムやポリプロピレン等の合成樹脂であってもよいし、サイズが規格化された炭素鋼鋼管等を用いてもよい。後方バー12は、典型的には前方バー11と同様の構成を有しているが、異なる形状・材質のものを用いてもよい。さらに本実施の形態では、前方バー11に回転部材が外嵌めされている。
【0022】
ここで図3を参照して、前方バー11に回転部材が設置される状況を説明する。
図3は、第1の支持棒である前方バー11に回転部材24A、24B、…が設置される態様を説明する部分斜視図である。各回転部材24A、24B、…は、典型的には同じ構成であるため、以降共通の特徴を説明する場合は単に「回転部材24」と表示することとする。回転部材24は、前方バー11の外径よりもわずかに大きい内径を有する中空の丸棒であり、長さは前方バー11に比べて短くなっている。「前方バー11の外径よりもわずかに大きい内径」とは、典型的には、固定される前方バー11に対して軸を中心に円周方向に回転部材24が回転するときに、摩擦抵抗が極力小さくなると共に、前方バー11の軸と回転部材24の軸とのズレが極力小さくなるように決定される径である。回転部材24の長さは、典型的には50mm〜80mm程度であるが、これより短くしてもよく、逆に長くして、例えば前方バー11とほぼ同じ長さ、あるいは前方バー11の半分の長さとしてもよい。しかしながら、一のボビンが回転しても隣のボビンに影響を及ぼさないという観点から上限を70mm程度、部材点数が多くなりすぎないという観点から、下限を60mm程度とするのがより好ましく、特に陳列什器の大きさ(平行棒13の長さ)を考慮して決定するとよい。前方バー11に回転部材24A、24B、…を嵌める際は、各回転部材24A、24B、…間の隙間を極力小さくしつつ、各回転部材24A、24B、…に軸方向の応力が働かないように、すなわち回転部材24の円周方向の回転がスムーズに行われるように設置するとよい。前方バー11に回転部材24が嵌められると、ボビンBに巻かれたホースを引き出す際にボビンBと平行棒13との摩擦抵抗が小さくなり、ホースを引き出す力が小さくて済む。回転部材24の材質は、典型的には金属であるが、合成樹脂を用いてもよい。
【0023】
再び図1及び図2を参照して、陳列什器10の構成の説明を続ける。側板15は平行棒13を支持固定すると共に、支柱Sv、Shと接続される部材であり、2つの部材15A、15Bで構成されている。側板15A、15Bは、取付部材16が突出する方向が異なる以外は同様の構成を有している。以降共通の特徴を説明する場合は単に「側板15」と表示することとする。側板15は、典型的には亜鉛めっきが施された鋼鈑であるが、ステンレス鋼等、その他の金属であってもよい。側板15の厚さは、載置されるボビンBの重量に応じて適宜変更されるが、典型的には1〜6mm、側板15と支柱Sv、Shとの接触圧を小さくし、かつ剛性を確保する観点から下限を1.6mm程度、側板15自体の軽量化の観点から上限を4mm程度とするのが好ましい。
【0024】
図2(b)に特に注目して、側板15の構成を説明する。図2(b)において、紙面の上方が、陳列什器10が支柱Sv、Sh(図1参照)に取り付けられた際の上方に相当する。側板15は、基本形状が横長の長方形を有しており、支柱Sv、Shに取り付けられた際に鉛直方向に延びる辺15aと、辺15aとほぼ直交する底辺15bが形成されている。すなわち、側板15が鉛直方向に延びる辺15aとほぼ直交する底辺15bを有している。辺15aと底辺15bとが直交していると、陳列什器10を最下段に設置したときに、荷重を底辺15b全体で受けることができる。辺15aの上部には、支柱Shに嵌め合わせることが可能な取付部材16が取り付けられている。取付部材16は、典型的には平行棒13の軸方向(図1及び図2(a)に示すX方向)に幅を持つ、断面がコ字状の金属で形成されている。ここで「幅を持つ」とは、取付部材16の幅が、側板15の厚さよりも大きいことを意味する。取付部材16は、断面コの字状の開口が、図1及び図2(a)に示すX方向に沿って、鉛直下向きになるように、端部が側板15に取り付けられている。取付部材16は、典型的には側板15に溶接接合され、側板15の一部となる。また、典型的には、取付部材16が取り付けられる部分の辺15aには、断面コの字状の一辺の幅で、断面コの字状の一辺の厚み分の深さの切り込みが形成されており、辺15aに取付部材16を取り付けたときに、断面コの字状の内面とこれに続く辺15aとが段差なく続くようになっている。取付部材16を水平に設けられた支柱Sh(図1参照)に嵌め合わせると、断面コ字状の内側の鉛直方向に延びる一方の辺と支柱とが、長さL1で実質的に接触することとなる。なお、取付部材は、断面コ字状の金属部材ではなく、図2(c)に示すように、側板15の辺15aの一部を加工して取付部材16aを形成してもよい。
【0025】
辺15aは、その上部に取り付けられた取付部材16よりも下部に、長さL1以上の長さL2を有している。ここで「長さL2」は、側板15の高さを説明するために用いたものであり、辺15aが長さL2に渡って直線的に形成されている必要はなく、長さL2の中に取付部材16や後述する突起部18が設けられていてもよい。辺15aの取付部材16よりも下部には、支柱Sv、Sh(図1参照)への荷重を取付部材16との間で分散するための突起部18が形成されている。突起部18は、その下部に、鉛直方向に延びる辺15aが残るように形成されていることが好ましい。突起部18の下部に辺15aが残っていると、この部分で支柱Sv、Shから水平方向の力を受けることができ、ボビンBからの荷重をいわゆる片持梁として受ける側板15の固定端(取付部材16及び辺15a)に生ずるモーメントを分散して受けることができる。また、突起部18の底辺18aは平らに形成されている。典型的には、突起部の底辺18aは、陳列什器10が支柱に取り付けられたときにほぼ水平になるように形成されている。これにより、鉛直方向(図1に示すV方向)の荷重を、取付部材16だけでなく突起部18を介して支柱Sv、Shに加えることができる。したがって、突起部18は、その底辺18aと取付部材16との距離が、支柱Svに形成されたスリットSt(図1参照)に引っ掛けて設けられる支柱である2つの水平バーShの間隔に適合するように間隔をあけて形成される。なお、取付部材16a(図2(c)参照)を用いる場合は、典型的には、取付部材16aを支柱SvのスリットSt(図1参照)に引っ掛けて取り付けるため、支柱Svへの取り付けの便宜上、突起部18を設ける代わりに、辺15aの上下2箇所に取付部材16aを形成するとよい。
【0026】
側板15には、その基本形状の長方形の重心より下部に、所定の間隔をあけて、平行棒13をねじで固定するための孔が形成されている。所定の間隔は、ボビンBを安定的に載置することができるように決定すると共に、ボビンBが底辺15bより下部に現れないように決定するとよい。また、側板15の、取付部材16が設けられた部分と対向する角部には、丸みが形成されている。また、辺15aに対向する側には、側板が鉛直上方に延びる突出部19が形成されている。突出部19の高さは、落下防止バー14を設置したい高さに応じて決定するとよい。突出部19には、ボビンBの落下防止用の落下防止バー14を設置するための収容溝19dが形成されている。
【0027】
ここで図4を参照して、収容溝について説明する。図4は、収容溝に水平棒が設置された態様を示す部分詳細図であり、(a)は本発明の実施の形態に係る収容溝の部分詳細図、(b)は収容溝の変形例を示す部分詳細図、(c)は水平棒の端部を示す部分詳細図である。図4(a)に示すように、収容溝19dは、落下防止バー14の断面直径よりも大きい幅を有している。収容溝19dは、取付部材16に近い方の突出部19の鉛直方向に延びる辺19aに開口を有しており、開口から水平方向に延び、さらに鉛直下向きに延びるように形成されている。
【0028】
また図4(b)に示すように、突出部19の上辺を長く形成し(最大で基本形状の長方形の底辺15bと同じ長さ)、突出部19の上辺に開口を形成してもよい。このとき、開口は、落下防止バー14の設置位置よりも水平方向において取付部材16(図1参照)に近い位置に形成される。そして、この開口と落下防止バー14の設置位置を結ぶように、収容溝19eが斜めに形成されている。
【0029】
図4(c)に示すように、収容溝19d、19eに設置される落下防止バー14には、その端部に、側板15の厚さよりも幅広の嵌合溝14aが軸直角方向に形成されている。ここで「軸直角方向」とは、落下防止バー14を長さが表れるように投影したときに、落下防止バー14の軸と直交する方向という意味であり、典型的には、落下防止バー14を陳列什器10に設置したときに側板15の辺が延びる方向である。嵌合溝14aは、落下防止バー14の断面円周長の約半分〜1/3の長さに渡って切り込みを入れるように形成されている。あるいは、断面円周上の全体に渡ってくぼみを形成する、いわゆるグルービング加工により形成されていてもよい。ただし、嵌合溝14aがグルービング加工により形成される場合は、収容溝19d、19eの幅をくぼみの底部の直径より大きく、かつ落下防止バー14の断面直径よりも小さくすることが好ましい。また、嵌合溝14aは落下防止バー14の少なくとも一方の端部に形成されていればよいが、両端に形成されていてもよい。嵌合溝14aに収容溝19d、19eの底部の側板15が嵌ることにより、落下防止バー14が軸方向に動くことが防止される。また、嵌合溝14aが落下防止バー14の片側だけに形成されている場合は、陳列什器10のスパン(言い換えれば平行棒13の長さ)を変更したときでも、短くした場合は嵌合溝14aが形成されていない方の落下防止バー14の端部を切断し、長くした場合は新たな落下防止バー14の片方の端部に嵌合溝14aを設けるだけでよく、対応しやすい。
【0030】
突出部19に、開口を有する収容溝19d、19eが形成されているので、落下防止バー14の着脱が容易になる。落下防止バー14の着脱が容易になると、落下防止バー14を外してボビンを陳列什器に載せることができ、ボビンを陳列什器に載せる作業を容易に行うことができる。また、突出部19に設けられた開口が、収容溝19d、19eの底部に対して上方かつ取付部材16(図1参照)に水平方向に近づく位置に設けられているため、ホースを引き出す方向とは逆の方向に開口を有していることとなり、ホースを引き出す際に落下防止バー14が外れることがほとんどない。また、収容溝19d、19eの深さを、嵌合溝14aが形成された落下防止バー14が設置される方よりも嵌合溝14aが形成されない落下防止バー14が設置される方を深くすると、落下防止バー14を水平に設置することができる。しかしながら、収容溝19d、19eの底部を半円状に形成した場合は、嵌合溝14aに側板15が嵌ることによる落下防止バー14の下降がわずかなので、両側とも同じ深さにしてもよい。落下防止バー14の両端部に嵌合溝14aが形成される場合は、同じ深さの収容溝19d、19eを形成するとよい。
【0031】
図5に示すように、側板15には、前方バー11よりも取付部材16(図1参照)から離れる位置に、表示板25(図1及び図6参照)を固定するための締結孔20が形成されている。表示板25は、片方につき2箇所で、側板15にねじで固定される。締結孔20は、表示板25の1箇所を固定するねじを通す基準孔21と、基準孔21から水平に取付部材16(図1参照)から離れる方向に設けられた調整孔22Aを有している。さらに、基準孔21と調整孔22Aとの距離rを半径とし、基準孔21を中心とする円周上であって、基準孔21の鉛直下方に調整孔22Cが、調整孔22Aと調整孔22Cとの間に調整孔22Bが設けられている。つまり調整孔は複数設けられている。なお、調整孔は2つでもよく、4つ以上であってもよい。
【0032】
図6を参照して、表示板25について説明する。表示板25は、ボビンに巻かれたホースの情報を表示するラベルLbを取り付けるための部材であり、典型的には、平行棒13(図1参照)と同じ長さを有する金属製の平板25に、透明樹脂製のホルダー25aが取り付けられて構成されている。表示板25は、長手方向Wの両端に、ラベルLbを取り付ける面25fと直交する、側板15と接する面25eを有している。この側板15と接する面25eに、側板15に固定するねじと締結されるねじ孔21p、22pが、片方につき2つ形成されている。2つのねじ孔21p、22pは、長さrを隔てて形成されている。透明樹脂製のホルダー25aは、2つの折り返しを有し、平板25に引っ掛けることができ、かつラベルLbを挟んで保持することができるように構成されている。なお、表示板25の平板は、金属以外の、例えば硬質合成樹脂であってもよい。ラベルLbには、ボビンに巻かれたホースの種類、用途及び価格等の情報が記載されている。
【0033】
再び図1及び図2を参照して、陳列什器10の説明を続ける。陳列什器10は、平行棒13及び表示板25の両端を、一対の側板15A、15Bで挟み、側板15の外側から内側に向かってねじを捩じ込んで組み立てられる。このとき、側板15の面が平行棒13の軸方向に対向するように配置されている。また、平行棒13の前方バー11に、回転部材24が嵌め込まれた上で、側板15が固定され、陳列什器10が組み立てられる。さらに突出部19の収容溝19dに落下防止バー14が設置される。陳列什器10の組み立ては、主にねじによって行われるので、陳列什器10を設置する店舗等で容易かつ短時間で行うことができる。
【0034】
以上のような構成を有する陳列什器10は、支柱に取り付けられる。支柱は、典型的には、複数のスリットStを有し鉛直方向に延びる複数の縦柱Svと、スリットStに引っ掛けるように設置される水平バーShを用いて構成されている。水平バーShを、縦柱Svに多数設けられたスリットStのうち任意のスリットStに引っ掛けることにより、水平バーShの高さ、ひいては水平バーShに取り付ける陳列什器10の高さを自由に変更することができる。水平バーShの奥行きは、取付部材16を嵌め込むことができる寸法になっている。支柱は、典型的には、陳列什器10を設置する店舗等にあらかじめ備えつけられている。
【0035】
陳列什器10の支柱Sv、Shへの取り付けは、取付部材16を水平バーShに引っ掛けることにより行われる。このとき突起部18の底辺18aは、別の水平バーShに載置されるようになっている。これにより、取付部材16と突起部18の底辺18aの2箇所で陳列什器10の荷重を受けて力を分散することができる。また、突起部18の下部に残された辺15aが水平バーに接触し、辺15aが水平バーShから水平方向の力を受けることにより、取付部材16にかかるモーメントが軽減される。また、陳列什器10は大きな剛性を有しているので、陳列什器10の側板15Aと側板15Bとの間に、フレーム一体型構造の陳列什器に設けられていたような補強用のセンターバーFc(図7参照)を設ける必要がない。センターバーを設ける必要がないので、陳列什器10のスパンを有効に利用することができ、図2(a)に示すような幅の異なるボビンB1、B2、B3、B4の配列及び組合せの自由度が増すこととなる。なお、支柱の縦柱Svの種類によってスリットStの間隔が異なる場合があり、陳列什器10を支柱に取り付けたときに突起部18の底辺18aが水平バーShに接触しない場合も考えられる。この場合であっても、少なくとも突起部18の下部に残された辺15aが水平バーに接触して辺15aが水平バーShから水平方向の力を受けることにより、取付部材16にかかるモーメントが軽減される。また、図2(c)に示す取付部材16aを採用した場合は、前述(段落0025参照)のように、典型的には、取付部材16aを支柱SvのスリットSt(図1参照)に引っ掛けて取り付け、このときは、辺15aが支柱Svから水平方向の力を受けることになる。この場合、取付部材16aのコの字の内面と辺15aとが直線をなすことにより、支柱Svと側板15との接触面積が大きくなり、接触部の単位面積あたりの荷重が小さくなる。
【0036】
本発明の実施の形態に係る陳列什器10によれば、一つの種類で様々な高さに自由に取り付けることができるから、多種類の在庫を確保しておく必要がない。また、従来の陳列什器のようなフレーム構造ではないので、載置するボビンの大きさに応じて取付高さを自由に調節することができ、高さのスペースを有効に利用することができる。また、側板15に表示板25を取り付けるための締結孔20として複数の調節孔22A、22B、…が形成されているので、陳列什器10をどのような高さに取り付けても表示板25を視認しやすい角度で固定することができる。例えば、陳列什器10をほぼ足元の高さに設置する場合は締結孔21、22Aを使い、胸元くらいの高さに設置するときは締結孔21、22Bを使い、ほぼ顔の高さに設置するときは締結孔21、22Cを使うというように使い分けることができる。さらに、陳列什器10を頭上に設置したいときは、表示板25の表示面の角度が適切になるように調整孔を別途設けるとよい。また、平行棒13及び表示板25の長さを変えるだけで、陳列什器10の幅(スパン)を自由かつ容易に変更することができる。さらに、部材点数を少なく、かつできるだけ共通化し、組み立てを容易にしたので、製造コスト及び運搬コストを抑えることができる。
【0037】
以上の説明では、平行棒13を構成する各バー11、12の断面形状が円形であるとして説明したが(段落0021)、これに限らず楕円形、三角形、四角形、その他の多角形であってもよく、さらに中空に限らず中実の棒であってもよい。このとき、ねじを用いて平行棒13を側板15に固定することが困難な場合は、キー、ピン、コッタなどの締結用部材を用いて固定してもよい。
【0038】
以上の説明では、回転部材24A、24B、…を前方バー11に設けるとして説明したが(段落0022)、後方バー12に設けてもよく、又は前方バー11と後方バー12の両方共に設けてもよい。前方バー11に設けた場合は、ホースを引き出す際に後方バー12よりも荷重がかかる前方バー11でボビンBとの摩擦抵抗を軽減させることができる。後方バー12に設けた場合は、回転部材を設けない場合に比べてボビンBとの摩擦抵抗を軽減しつつ、ホースを引き出す力が小さくなりすぎるのを防ぐことができる。前方バー11及び後方バー12に設けた場合は、ホースを引き出す力がより小さくて済む。
【0039】
以上の説明では、平行棒13の軸方向に幅を持つ断面コ字状の取付部材16の下部の辺15aに、底辺18aが平らな突起部18が形成されているとして説明したが(段落0025)、突起部18に代えて、その上部に取り付けられたものと同様の取付部材16を、同じく鉛直下向きの開口を有するように取り付けてもよい。辺15aの上下に2つの取付部材16を取り付けると、側板15が、上部の取付部材16を中心として支柱Svから離れる方向に回転することを防ぐことができる。突起部18に代えて取付部材16を設けた場合でも、上方に取り付けられた取付部材16より下部(辺15a及び/又は下部に取り付けられた取付部材16)で支柱からの力を受けるのはいうまでもない。他方、前述の説明のように突起部18とすると、陳列什器10を支柱Sv、Shに取り付けるのが容易になると共に陳列什器10のコストを削減することができる。
【0040】
以上の説明では、陳列什器10は、平行棒13及び表示板25の両端を一対の側板15A、15Bで挟むように固定して組み立てられると説明したが(段落0033)、側板15に前方バー11、後方バー12、表示板25を貫通可能な孔を形成してこれらを貫通させ、ピンなどを用いて固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態に係る陳列什器を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る陳列什器を示す図である。(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は取付部材の変形例を示す部分詳細図である。
【図3】第1の支持棒に回転部材が設置される態様を説明する部分斜視図である。
【図4】収容溝に水平棒が設置された態様を示す部分詳細図であり、(a)は本発明の実施の形態に係る収容溝の部分詳細図、(b)は収容溝の変形例を示す部分詳細図、(c)は水平棒の端部を示す部分詳細図である。
【図5】側板に形成された基準孔及び調整孔を説明する部分詳細図である。
【図6】識別表示部材の構成を説明する斜視図である。
【図7】従来のフレーム一体型構造の陳列什器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 陳列什器
11 第1の支持棒
12 第2の支持棒
13 平行棒
14 水平棒
14a 嵌合溝
15(15A、15B) 側板
15a 鉛直方向に延びる辺
16 取付部材
18 突起部
18a 底辺
19 収容溝
21 基準孔
22A、22B、22C 調整孔
24A、24B、… 回転部材
25 識別表示部材
B ボビン
Lb ラベル
Sv、Sh 支柱
【出願人】 【識別番号】596028055
【氏名又は名称】カクイチテクニカルサービス株式会社
【出願日】 平成17年2月21日(2005.2.21)
【代理人】 【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二

【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸

【識別番号】100096611
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 清

【識別番号】100098040
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 博之

【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄

【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫

【公開番号】 特開2006−223713(P2006−223713A)
【公開日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願番号】 特願2005−43634(P2005−43634)