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【発明の名称】 冷蔵ショーケース
【発明者】 【氏名】金井 英行
【住所又は居所】神奈川県津久井郡津久井町太井811−1 株式会社保坂製作所津久井工場内

【要約】 【課題】外枠体を金属により形成し、かつ、下枠にローラを設けた構成のスライド扉を備えた冷蔵ショーケースにおいて、気密性を向上させること。

【解決手段】低温収納室(2)の開口部(3)の下縁に沿って配置された下レール(73)にスライド扉(4)がスライド可能に支持され、スライド扉(4)の金属製の外枠体(41)の下縁を構成する下枠(45)の左右にローラ(58)が配置された冷蔵ショーケースにおいて、下レール(73)を覆う袋断面形状に形成された樹脂あるいはゴム製のシール部材(53)を、下枠(45)との間でシールした状態で、前記下枠(45)の下端に取り付け、シール部材(53)と前記下レール(73)との間には、両者間の空気の流通を抑えることのできるだけ両者が近接あるいは当接したシール部(100)を形成したことを特徴とする手段とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温収納室(2)を囲むショーケース本体(1)と、
このショーケース本体(1)に開口された開口部(3)の上下縁に沿って設けられた上レール(63)および下レール(73)と、
両レール(63)(73)に沿ってスライド可能に設けられたスライド扉(4)と、
を備え、
前記スライド扉が、金属製の外枠体(41)と、この外枠体(41)の内周を塞いで取り付けられた透明板材(42)と、前記外枠体(41)の下縁を構成する下枠(45)の左右に配置されたローラ(58)と、を備えた冷蔵ショーケースにおいて、
前記下レール(73)を覆う袋断面形状に形成された樹脂あるいはゴム製のシール部材(53)が、前記下枠(45)との間でシールされた状態で、前記下枠(45)の下端に取り付けられ、
前記シール部材(53)と前記下レール(73)との間には、両者間の空気の流通を抑えることのできるだけ両者が近接あるいは当接したシール部(100)が形成されていることを特徴とする冷蔵ショーケース。
【請求項2】
前記下枠(45)に、下端が開口した一定断面形状の収納用溝(45d)が形成され、
前記収納用溝(45d)に、前記下枠(45)を形成する金属よりも熱伝導率の低い素材で形成されたインサート部材(51)が、前記収納用溝(45d)に当接したシール状態で挿入され、
前記インサート部材(51)には、前記下レール(73)と干渉しないように下端が開口されているとともに前記ローラ(58)を挿入可能な断面積を有した装着用溝(51c)が全長に亘り形成され、
前記装着用溝(51c)には、左右両端部に前記ローラ(58)が収納され、
前記シール部材(53)は、これら左右両端部のローラ(58)の間で前記装着用溝(51c)の開口を塞いで装着されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵ショーケース。
【請求項3】
低温収納室(2)を囲むショーケース本体(1)と、
このショーケース本体(1)に開口された開口部(3)の上下縁に沿って設けられた上レール(63)および下レール(73)と、
両レール(63)(73)に沿ってスライド可能に設けられたスライド扉(4)と、
を備えた冷蔵ショーケースにおいて、
前記開口部(3)の下縁に、下側レール設置用平面(35)が形成され、
この下側レール設置用平面(35)の外側にドレン用溝(37)が形成され、
前記下レール(73)を有した下ガイドレール部材(7)が、その一部を前記ドレン用溝(37)に嵌め込んで前後移動を規制された状態で前記下側レール設置用平面(35)に載置されていることを特徴とする冷蔵ショーケース。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や飲料品などを冷蔵状態で収納して陳列する冷蔵ショーケースに関し、特に、スライド扉に関連する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や飲料品などを冷蔵状態で収納して陳列する冷蔵ショーケースとして、箱状に形成されて食品や飲料品などの陳列品を収納する低温収納室と、この低温収納室に開口されて前記陳列品を出し入れする開口部と、前記開口部の上縁ならびに下縁に沿って配設された上レールならびに下レールの間にスライド可能に支持されて前記開口部を開閉するスライド扉と、を備えたものが知られている。
また、前記スライド扉として、低温収納室内の陳列品を外部から見ることができるように、上枠・下枠・左右の縦枠からなる外枠体に、ガラスなどの透明板材が嵌め込まれたものが知られている。
このような従来の冷蔵ショーケースにあっては、良好な気密性・断熱性・耐久性・スライドスムーズ性・清掃作業性などが求められている。
【0003】
上述のような要請に応じ、従来のスライド扉において、スライドスムーズ性・強度・耐久性を確保するために、外枠体をアルミニウムなどの金属により形成し、下枠にはローラを収納したものがよく知られている。
しかしながら、このように、外枠体を金属により形成したものは、スライド扉をスライドさせたときに下枠が下レールや開口部下面と金属同士が接触することによる金属音・摩耗・破損の発生を防止するために、下枠の下端を下レールや開口部下面からある程度離しておく必要がある。このため、下枠と下レールおよび開口部下面との間に隙間が生じ、この隙間から低温収納室内の冷気が外部に漏れるという気密性の問題があるとともに、この冷気の漏れによるエネルギーロスが生じるという問題があった。
さらに、上述のように外枠体を金属で形成した構成では、外枠体の熱伝導率が高いため、低温収納室の温度が外枠体を介して外気に伝達され易く、断熱性に劣り、エネルギーロスが大きくなるという問題、ならびに、このように低温収納室の冷気により低温となった外枠体の外表面に結露が生じるという問題があった。さらに、この結露によりスライド扉を開閉する人の衣服が濡れることがあるという問題もあった。
この問題は、ローラを収納する下枠において顕著であった。すなわち、下枠は、ローラをその内部に収納するために他の枠に比べて大型に形成せざるを得ず、下枠の断面積ならびに内外表面積が大きくなる。このため、下枠を介して低温収納室から外部へ伝達される熱量が大きくなり、上記断熱性ならびに結露の問題が生じやすい。
【0004】
そこで、上述のような気密性・断熱性の問題を解決する技術として、スライド扉の外枠体を樹脂で形成し、この外枠体の下枠の側面に、前記下ガイドレールの上端縁に密着させるフィン状のシール部材を一体的に形成したものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
このように外枠体を樹脂により形成することにより、外枠体の熱伝導率が低くなり、断熱性が向上して、結露の発生を防止することができ、かつ、外枠体と一体に形成したシール部材を下ガイドレールに当接させることで、高い気密性が得られる。
【特許文献1】実用新案登録2547622号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された従来の技術にあっては、外枠体を樹脂により形成しているため、外枠体をアルミニウムなどの金属を用いた構造に比べて強度・耐久性が劣る。したがって、大型のショーケースに適用する場合のように、スライド扉を大型に形成した場合に、十分な強度・耐久性を確保するのが難しいという問題や、外枠体で支持する透明板材として、断熱性に優れた二重ガラスのように重量のあるものを用いることが難しいという問題があった。
さらに、前記従来の技術にあっては、外枠体の下枠の側面に、下ガイドレールの上端縁に密着させるフィン状のシール部材を一体的に形成しているため、たとえば使用中にガタが生じたりして扉が傾斜した場合に、下枠の外側に配置されたシール部材は、スライド扉の傾きに対して大きく上下し、シール部材と下ガイドレールとの当たりの強さを適正に保つのが難しく、摺動抵抗が大きくなってスライドがスムーズに行かなくなったり、気密性を保つのが難しくなったりするという問題もあった。
また、下枠の側面にシール部材を一体的に形成する技術は、金属により形成した下枠にそのまま適用することが困難であった。
このように、従来の技術にあっては、強度・耐久性の確保と、気密性の確保とを両立させることができなかった。
【0006】
さらに、冷蔵ショーケースにあっては、食品などを陳列することが多いことから低温収納室を清潔に保つ必要があり、良好な清掃作業性が求められていた。
しかしながら、従来の冷蔵ショーケースは、開口部の下縁に下レールが設けられており、この部分に凹凸が生じるため、低温収納室の底面に溜まったゴミなどを掃き出す際に、この凹凸が邪魔になるという問題、ならびにこの凹凸部分にゴミなどが溜まってしまうという問題があった。
この問題に関し、上記特許文献1に記載された技術は、気密性を確保するための構成でありシール部材が清掃の邪魔にならないようにはできたが、この開口部下縁の凹凸による清掃作業性の悪化を解決するものではなかった。
【0007】
本発明は、上述のスライド扉の強度・耐久性の確保、気密性の確保、スライド扉周辺の清掃作業性の確保などの問題を解決して、冷蔵ショーケースの品質向上を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、
低温収納室(2)を囲むショーケース本体(1)と、
このショーケース本体(1)に開口された開口部(3)の上下縁に沿って設けられた上レール(63)および下レール(73)と、
両レール(63)(73)に沿ってスライド可能に設けられたスライド扉(4)と、
を備え、
前記スライド扉が、金属製の外枠体(41)と、この外枠体(41)の内周を塞いで取り付けられた透明板材(42)と、前記外枠体(41)の下縁を構成する下枠(45)の左右に配置されたローラ(58)と、を備えた冷蔵ショーケースにおいて、
前記下レール(73)を覆う袋断面形状に形成された樹脂あるいはゴム製のシール部材(53)が、前記下枠(45)との間でシールされた状態で、前記下枠(45)の下端に取り付けられ、
前記シール部材(53)と前記下レール(73)との間には、両者間の空気の流通を抑えることのできるだけ両者が近接あるいは当接したシール部(100)が形成されていることを特徴とする手段とした。
【0009】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷蔵ショーケースにおいて、
前記下枠(45)に、下端が開口した一定断面形状の収納用溝(45d)が形成され、
前記収納用溝(45d)に、前記下枠(45)を形成する金属よりも熱伝導率の低い素材で形成されたインサート部材(51)が、前記収納用溝(45d)に当接したシール状態で挿入され、
前記インサート部材(51)には、前記下レール(73)と干渉しないように下端が開口されているとともに前記ローラ(58)を挿入可能な断面積を有した装着用溝(51c)が全長に亘り形成され、
前記装着用溝(51c)には、左右両端部に前記ローラ(58)が収納され、
前記シール部材(53)は、これら左右両端部のローラ(58)の間で前記装着用溝(51c)の開口を塞いで装着されていることを特徴とする構成とした。
【0010】
また、本願請求項3に記載の発明は、
低温収納室(2)を囲むショーケース本体(1)と、
このショーケース本体(1)に開口された開口部(3)の上下縁に沿って設けられた上レール(63)および下レール(73)と、
両レール(63)(73)に沿ってスライド可能に設けられたスライド扉(4)と、
を備えた冷蔵ショーケースにおいて、
前記開口部(3)の下縁に、下側レール設置用平面(35)が形成され、
この下側レール設置用平面(35)の外側にドレン用溝(37)が形成され、
前記下レール(73)を有した下ガイドレール部材(7)が、その一部を前記ドレン用溝(37)に嵌め込んで前後移動を規制された状態で前記下側レール設置用平面(35)に載置されていることを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0011】
透明板材の四周を囲む外枠体を金属で形成し、かつ、下枠にローラが設けられたスライド扉を有した冷蔵ショーケースにあっては、スライド扉の強度・耐久性・スライドスムーズ性は確保できるものの、下枠と下レールおよび開口部下面との間に隙間が生じ、冷蔵ショーケースの気密性が問題となる。
この気密性の問題に対し、請求項1に記載の冷蔵ショーケースにあっては、下レールを覆う袋断面形状に形成された樹脂あるいはゴム製のシール部材を、下枠との間でシールされた状態で下枠の下端に取り付け、さらに、このシール部材と前記下レールとの間には、両者間の空気の流通を抑えることのできるだけ両者が近接あるいは当接したシール部を形成した構成としたため、下枠下端と下レールおよび開口部下面との間に生じる隙間は、下枠と下レールの間のシール部によりその途中で絞るかあるいは閉鎖するかでき、この隙間から低温収納室内の空気が外部に漏れるのを抑制するかあるいは無くすかして高い気密性を得ることができる。なお、シール部材は、樹脂あるいはゴムを素材としているため、下レールに接触しても、金属同士の接触に比べて、音・摩耗・破損の発生を抑えることができる。
以上のように、請求項1に記載の冷蔵ショーケースにあっては、外枠体を金属で形成して強度・耐久性・スライドスムーズ性に優れたスライド扉を用いながら、スライド扉と下レールとの間において、高い気密性を得ることが可能となったという効果が得られる。
さらに、請求項1に記載の冷蔵ショーケースにあっては、スライド扉の下枠に取り付けるシール部材として、下レールを覆う袋状のシール部材を用いたため、スライド扉ならびに下レールを、直立させて取り付けた場合だけでなく、前後に傾けて取り付けた場合でも、シール部材の変位が少なく下レールとの当たり状態あるいは近接状態が変化しない。このため、スライド時の摺動抵抗ならびに気密性能が変化しないようにできるという効果が得られる。
【0012】
次に、請求項2に記載の冷蔵ショーケースにあっては、下枠の下方に開口した収納用溝に、低熱伝導率のインサート部材をシール状態で挿入し、このインサート部材の装着用溝の開口を袋断面形状のシール部材で塞いだ構成としたため、シール部材による気密効果に加えて、インサート部材を挿入したことにより金属部分である下枠を介して低温収納室内の温度が低温収納室外へ伝達されるのを抑えることができ、さらに、ローラを耐久性の高い金属性とした場合でも、このローラを介して低温収納室内の温度が低温収納室外へ伝達されるのを抑えることができ、よって、高い断熱性を得ることができる。
以上のように、請求項2に記載の冷蔵ショーケースにあっては、外枠体を金属で形成して強度・耐久性・スライドスムーズ性に優れたスライド扉を用いながらも高い気密性ならびに断熱性を得ることができるという効果が得られる。
【0013】
次に、請求項3に記載の冷蔵ショーケースにあっては、下ガイドレール部材を、開口部の下縁の下側レール設置用平面に載置しただけであるため、清掃時には、スライド扉に加えて下ガイドレール部材も開口部から取り外すことができる。
したがって、開口部の下縁に下レールの凹凸がない状態で清掃を行うことができ、この凹凸部分にゴミなどが溜まるのを防止することができる。また、取り外した下ガイドレールは、簡単に丸洗いすることができ、この下ガイドレール部材の凹凸にゴミなどが溜まるのも防止できる。
このように、請求項3に記載の冷蔵ショーケースでは、開口部の下縁部分に凹凸のない状態で清掃が可能であり、かつ、下ガイドレール部材も丸洗いが可能であるため、清掃作業性に優れ、低温収納室内を清潔に保つことができる。なお、前記下側レール設置用平面は、完全に平らな面が好ましいものであるが、上述のようにゴミが溜まらないようにする目的を達成できる範囲内において多少のでこぼこなどがあってもよい。
また、下ガイドレール部材の設置状態では、下ガイドレールの上下移動はスライド扉の重量により規制し、左右移動は開口部の左右側縁により規制し、前後移動は、ドレン用溝への嵌め込みにより規制することができる。したがって、下ガイドレール部材を下側レール設置用平面に載置しただけであっても、下ガイドレール部材が移動することが無く、スライド扉のスライドをスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の冷蔵ショーケースの要部の断面図である。この実施の形態1の冷蔵ショーケースは、請求項1〜3に記載された技術思想を全て含むもので、ショーケース本体1は、食品などを陳列する低温収納室2の背面(図において矢印R方向を後方とする)に開口部3を有している。そして、前記開口部3に、この開口部3を開閉する左右一対のスライド扉4,4がスライド可能に取り付けられている。
すなわち、前記冷蔵ショーケースは、図示は省略するが、前面がガラスや樹脂などの透明板材で覆われており、客は低温収納室2の内部を正面側から透視することができ、また、店員が背面のスライド扉4を開閉して、低温収納室2に陳列品を出し入れすることができるタイプのものである。
なお、以下に冷蔵ショーケースを説明するにあたり、左右という言葉を用いる場合、前記冷蔵ショーケースの後方、すなわち店員の視点での左右方向とし、また、前後方向に関しては、上記のように矢印Rを後方、その反対方向を前方とする。
【0015】
前記スライド扉4,4は、長方形の外枠体41,41に透明板材42,42が嵌め込まれており、前記低温収納室2に収納された食品などの収納品を透視できるようになっている。なお、本実施の形態にあっては、右側のスライド扉4が後側に配置されているものとする。
【0016】
(開口部3付近の構造について)
次に、前記ショーケース本体1の構造、特に、前記開口部3付近の構造について、図1に基づいて説明する。
前記ショーケース本体1は、ステンレスなどを素材とする複数の金属パネル1aにより中空に形成され、内部には、図示を省略した冷却装置や断熱材が設置されている。
前記開口部3の上縁には、この開口部3の左右方向全長に亘って下方を向いた上側レール設置用平面31が形成され、この上側レール設置用平面31の前端には、前記金属パネル1aどうしを折り曲げて接合させたヘミング接合部32が下方に延びて形成されている。そして、前記上側レール設置用平面31には、前記開口部3の左右方向全幅に亘り、あるいはその一部に、薄板材から形成された固定用部材33が取り付けられている。この固定用部材33は、前記開口部3の上側レール設置用平面31に当接された基板33aと、この基板33aの前端部において引き起こされた受片33bと、前記基板33aの後端部から下方に折り曲げられた固定用片33cとを備え、この固定用片33cには挿通穴33dが開口されている。
前記開口部3の下縁には、前記上側レール設置用平面31に対向して上方を向いた下側レール設置用平面35と、この下側レール設置用平面35から一段立ち上げられて前記低温収納室2の底面と同等の高さの前側段部36と、前記下側レール設置用平面35の後端に沿って溝状に形成されて結露水を滴下させるドレン用溝37が形成されている。なお、前記ドレン用溝37の底面には、1または複数のドレン穴38が開口され、各ドレン穴38には、排水用のドレンパイプ39が接続されている。
【0017】
(上下ガイドレール部材6,7について)
次に、前記両レール設置用平面31,35に取り付けられた上ガイドレール部材6および下ガイドレール部材7について、図1に基づいて説明する。
前記上ガイドレール部材6は、金属あるいは樹脂により形成され、図示のように、平板状を成して前記開口部3の上縁である上側レール設置用平面31に沿って設けられたベース部61と、このベース部61の前端から上方に立ち上げられて後方へ折り返された係止爪62と、前記ベース部61から下方に突設されて前記ベース部61の長手方向の全長に亘って形成された前後一対の上レール63,63と、両上レール63,63の間に立設された区画立片64と、前記ベース部61の後端から下方に向かって突設された固定用立片65と、この固定用立片65から後方に突出された取付部66と、を備えている。また、前記取付部66には、ネジ8をねじ込むためのネジ穴67が形成されている。
そして、前記上ガイドレール部材6は、前記係止爪62を前記固定用部材33の受片33bに係止させるとともに、前記固定用部材33の固定用片33cの挿通穴33dに挿通させたネジ8を前記取付部66に形成されたネジ穴67にねじ込んで固定されている。
なお、前記固定用立片65は、前記上ガイドレール部材6として押出成型品を用いた場合、前記ベース部61の全幅に亘って設けられるが、押出成型品を用いない場合には、前記ベース部61の一部のみに設ける構成としてもよい。
また、前記取付部66は、前記上ガイドレール部材6として押出成型品を用いる場合、前記固定用立片65の全長に亘り形成されるが、前記ネジ穴67は、前記取付部66の所定位置のみに雌ネジを切った穴を穿って形成してもよいし、あるいは、前記取付部66の長手方向の全長に亘り溝を形成し、この溝の上下にネジに係合する複数の溝あるいは凸条を形成して、これをネジ穴67としてもよい。
【0018】
前記下ガイドレール部材7は、金属あるいは硬質樹脂により形成され、図示のように、平板状を成して前記開口部3の下縁である下側レール設置用平面35に沿って設けられたベース部71と、このベース部71から上方に突設されて前記ベース部71の長手方向の全長に亘って形成された前後一対の下レール73,73と、両下レール73,73の間に立設されたリブ74と、前記ベース部71の後端から下方に向かって延ばされたガイド部75と、を備えている。
また、前記ガイド部75は、前記ドレン用溝37の後面に沿うよう略垂直に下がった係止片75aと、この係止片75aの中間部から斜め後方に下がる傾斜面を有したガイド片75bと、を備えている。
そして、前記下ガイドレール部材7は、前記ガイド部75を前記ドレン用溝37内に嵌め込み、かつ、前記係止片75aを前記ドレン用溝37の前面に当接させて、前後方向の移動を規制された状態で下側レール設置用平面35に載置されている。
【0019】
(スライド扉4について)
次に、上記図1ならびにスライド扉4の分解斜視図である図2に基づいて、前記スライド扉4について説明する。なお、スライド扉4は、左右対称の構造であるため、図2では、左側に設置されたもののみを図示している。
【0020】
前記スライド扉4は、前述したように、外枠体41と透明板材42とを備えている。前記透明板材42は、本実施の形態では二重ガラス構造の断熱性能に優れたものを用いているが、透明板材の素材としては樹脂などガラス以外のものを用いてもよいし、また、二重構造に限らず、単層構造のもの、三重以上の複数重ねのものなどを用いてもよい。
【0021】
前記外枠体41は、金属(望ましくはアルミニウム)の押出成型品が用いられており、左右の縦枠43,43と、上下の上枠44および下枠45とにより、長方形の枠状に形成されている。なお、前記外枠体41の素材として、金属を用いる理由は、上述のように前記透明板材42が二重構造で重量があることから強度・耐久性を確保するため、ならびに高級な質感を出すためである。
さらに、本実施の形態では、美観を考慮し、客の視点から前記低温収納室2の後方に太い柱があって目障りとならないように、前記縦枠43は、前記上下枠44,45よりも細く形成している。また、本実施の形態では、左右の縦枠43,43は、同じものを左右対称の向きで使用している。
【0022】
以下、前記外枠体41を構成する縦枠43,上枠44,下枠45を順に説明する。
(縦枠43について)
まず、図2に基づき前記縦枠43について説明する。
前記縦枠43は、後板43a、前板43b、中間板43cにより、図示のような略H断面形状に形成されており、前記中間板43cと前後板43a,43bとにより囲まれた一対の凹状の溝である外側溝43dと内側溝43eを有している。なお、前記外側溝43dは、各前後板43a,43bの両端で形成された開口端縁を狭めた形状に形成されている。
さらに、前記後板43aの後面ならびに前板43bの前面には、それぞれ上下方向の全長に亘って係止溝43f,43gが形成されており、各係止溝43f,43gは、開口端縁側が僅かに狭まった形状に形成されている。
また、前記中間板43cには、下端に、前記下ガイドレール部材7の下レール73との干渉を避けるための下側逃げ溝43hが形成され、かつ、この下側逃げ溝43hの僅かに上方位置に、後述するローラ調整用ネジ9の頭部よりも大径に形成されたネジ挿通穴43jが開口され、このネジ挿通穴43jの僅かに上方の位置に、前記下枠45を固定するための下枠固定用ネジ10の雄ネジを挿通させて頭部と係合する下枠取付用穴43kが開口されている。さらに、前記中間板43cの上端部には、前記上ガイドレール部材6の上レール63との干渉を避けるための上側逃げ溝43mが形成され、この上側逃げ溝43mの僅かに下方位置に、前記上枠44を固定するための上枠固定用ネジ11の雄ネジを挿通させて頭部と係合する上枠取付用穴43nが開口されている。
【0023】
上述のように形成された前記縦枠43の内側溝43eに、前記透明板材42の左右端縁部が挿入状態でシール材52を介して固定されている(図3参照)。
さらに、前記スライド扉4の縦枠43には、取っ手部材46、吸着パッキン部材47、第1パッキン部材48、第2パッキン部材49が取り付けられている。これらの取付状態について、順に説明する。
【0024】
図2に示すように、前記取っ手部材46、吸着パッキン部材47が、前記スライド扉4の閉じきり側の縦枠43、すなわち、左側のスライド扉4の左端部に位置する縦枠43、および図示は省略しているが右側のスライド扉4の右端部に位置する縦枠43に取り付けられている。
前記取っ手部材46は、前記スライド扉4を開閉する際に手をかけるためのものであり、金属あるいは樹脂により形成され、その基端部に形成されたフランジ部46aを、上記縦枠43の後板43aの後面に形成された係止溝43fに係合させて所定の高さに取り付けられている。なお、その固定方法は、図示は省略するが、ネジを用いる方法、取っ手部材46の裏面に形成した図示を省略した突起を前記縦枠43側に形成された図示を省略した穴に係合させる方法、接着剤により接着する方法など、いずれの方法を用いてもよい。
前記吸着パッキン部材47は、軟質樹脂(具体的には、軟質PVCなど)により形成され、磁石47aを内包する基部47bと、この基部47bの前後両端縁部から突出した係合突起47c,47cと、を備えている。そして、前記吸着パッキン部材47は、前記係合突起47c,47cを、前記縦枠43の外側溝43dの内面に係止させた状態で嵌め込んで取り付けられている。
【0025】
前記第1パッキン部材48ならびに第2パッキン部材49は、前記スライド扉4,4の合わせ目側部分の横断面図である図3に示すように、前記スライド扉4の合わせ目側の縦枠43、すなわち、左側のスライド扉4の右端部に位置する縦枠43および右側のスライド扉4の左端部に位置する縦枠43に取り付けられている。
【0026】
前記第1パッキン部材48は、軟質樹脂(具体的には、軟質PVCなど)により形成され、上下方向に長い薄板状の基部48aと、この基部48aの一端から斜めに突出した薄板状のベロ部48bと、を備えている。
また、上述の合わせ目部分において、右側のスライド扉4の左端に位置する前記縦枠43の前板43bに形成された係止溝43gには、前記第1パッキン部材48が、その基部48aを係止し、かつ前記ベロ部48bを右斜め前方に突出させた状態で取り付けられ、同じく左側のスライド扉4の右端に位置する前記縦枠43の後板43aに形成された係止溝43fには、前記第1パッキン部材48が、その基部48aを係止させ、かつ前記ベロ部48bを左斜め後方に突出させた状態で取り付けられており、左右のスライド扉4,4を全閉としたときに、両第1パッキン部材48,48のベロ部48b,48bどうしが当接するようになっている。
前記第2パッキン部材49は、前記吸着パッキン部材47の基部47bが磁石47aを内包していないものであり、前記吸着パッキン部材47と同様の基部49bと係合突起49c,49cと、を備え、前記係合突起49c,49cを、上述の合わせ目側の前記縦枠43の外側溝43dの内面に係止させた状態で嵌め込んで取り付けられている。この第2パッキン部材49は、スライド扉4を全開したときに、緩衝ならびにシールを行う。
【0027】
(上枠44および下枠45について)
次に、前記上枠44および下枠45について、上枠部分の縦断面図である図4、下枠部分の縦断面図である図5に基づいて説明する。
図4および図5に示すように、前記上枠44と下枠45は、同一のものを上下の向きを変えて使用しているもので、これら上枠44および下枠45は、金属(望ましくはアルミニウム)の押出成型品が用いられ、大きさは異なるが前記縦枠43と同様に、それぞれ後板44a,45a、前板44b,45b、中間板44c,45cにより、この中間板44c,45cを挟んで深さの異なる一対の溝44d,44e,45d,45eを有した略H断面形状に形成されている。
なお、これら一対の溝は、深い方が収納用溝44d,45d、浅い方が透明板材支持用溝44e,45eである。
前記収納用溝44d,45dには、それぞれ溝底部に一対のリブ44f,45fが立てられ、前記後板44a,45aおよび前板44b,45bの内面には、それぞれ4対の圧着用凸条44g,45gが形成され、一方、前記透明板材支持用溝44e,45eには、前記後板44a,45aおよび前板44b,45bの先端部に内側に突出した係止爪44h,45hが形成されている。
そして、前記収納用溝44d,45dには、後述するインサート部材51が装着され、前記透明板材支持用溝44e,45eには、前記透明板材42,42の端縁部が挿入状態でシール材52を介して固定されている。
【0028】
(インサート部材51について)
次に、前記上枠44および下枠45の収納用溝44d,45dに挿入されているインサート部材51について説明する。
このインサート部材51は、前記外枠体41を形成する金属よりも熱伝導率が低い硬質樹脂(具体的には、硬質PVCなど)を素材とした押出成型品であり、底板51aと両側の側板51b,51bとで囲まれた装着用溝51cを有した略凹断面形状に形成されている。
さらに、前記底板51aには、その中央部において長手方向の全長に亘り固定用孔51dが形成されている。この固定用孔51dの内周には、孔中央に向かって突出した4つの凸条51eが孔の全長に亘り形成されている。また、各側板51bの先端部には、前記インサート部材51の全長に亘って突出された2本の凸条から成る係止爪部51fが設けられている。
前記インサート部材51は、その外周を前記上枠44および下枠45の収納用溝44d,45dの前後側面に全長に亘り当接させたシール状態で、これら収納用溝44d,45dに挿入されており、前記収納用溝44d,45dに形成された圧着用凸条44g,45gに強く当接されることにより、確実な抜け止めならびにシールが成される。
【0029】
(シール部材53、スライドガイド部材54、ローラ組55について)
前記上枠44に挿入された前記インサート部材51の装着用溝51cには、シール部材53とスライドガイド部材54,54とが装着され、一方、前記下枠45に挿入された前記インサート部材51の装着用溝51cには、シール部材53とローラ組55,55が装着されている。
【0030】
まず、前記下枠45のインサート部材51における、シール部材53とローラ組55の装着構造について説明する。
前記シール部材53は、硬質樹脂(具体的には、硬質PVCなど)を素材として押出成型などにより図2および図5に示すように略U字の袋断面形状に形成され、その両先端部の外側には、2つの凸条とその凸条に挟まれた溝とから成る係合部53a,53aが形成されている。このシール部材53は、前記インサート部材51の装着用溝51cにおいて、後述するローラ組55,55が装着される左右両端部を除いた全長に亘って装着されており、図5に示すように、両先端部の係合部53a,53aを、前記インサート部材51の係止爪部51f,51fに係合させた状態で前記装着用溝51cの下端の開口を塞いで装着されている。
また、このシール部材53は、その溝部分が、図5の断面図に示すように前記下レール73の前後側面に当接あるいは近接したシール部100,100を形成する前後幅に形成されている。なお、前記下レール73は、その中間部から上端部にかけて外側面が円弧状に形成されており、このシール部100におけるシール部材53と下レール73の側面とが当接した場合に線接触となり、スライド時の抵抗にならないようになっている。
【0031】
前記ローラ組55は、前記下枠45に設けられたインサート部材51の左右両端部に装着されたもので、図2に示すように、支持部材56と可動部材57とローラ58とを備えている。
前記支持部材56は、金属板により形成され、略四角枠状の本体56aと、この本体56aと一体に枠長手方向に延びた2枚の支持板56b,56bと、前記本体56aと一体に上方に延びた取付板56cと、を備えている。また、前記本体56aを構成する垂直板には、第1ネジ用穴56dと第2ネジ用穴56eが同軸に形成されており、前記第1ネジ用穴56dは、前記ローラ調整用ネジ9をその頭部を含めて挿通させることのできる内径に形成され、前記第2ネジ用穴56eは、前記ローラ調整用ネジ9の雄ネジ部を挿通させるが頭部には引っかかる内径に形成されている。また、前記取付板56cの上端部には、後述する組付時において、前記縦枠43の下枠取付用穴43kと、前記インサート部材51の固定用孔51dと同軸となる位置に、前記下枠固定用ネジ10の雄ネジを挿通可能な第3ネジ用穴56fが形成されている。
また、前記2枚の支持板56bのそれぞれには、下端に開口された略U字状を成す第1支持用溝56gが対向して形成されている。
【0032】
前記可動部材57は、前記支持部材56の2枚の支持板56b,56bの間に挟まれており、前記支持部材56と同様に金属板により、前記支持板56bの内側に当接された2枚の支持板57bと両支持板57bを連結する垂直板57cとから成る略コの字形状に形成されている。
また、前記垂直板57cには、このローラ組55の取付部分を示す背面図である図6に示すように、前記ローラ調整用ネジ9を締結するネジ穴57dが形成され、さらに、前記2枚の支持板57bには、それぞれ図示のように斜めを向いて下端で開口された略U字形状の第2支持用溝57gが対向して形成されている。
【0033】
前記ローラ58は、合成樹脂(具体的には、モノマーキャストナイロン)製あるいは金属製のものが用いられ、図2に示すように、支持軸58aを中心に回転する。前記支持軸58aは、前記ローラ58を支持した状態で両端の小径部58bがローラ58から突出する長さに形成されているとともに、これら小径部58bは、前記第1・第2支持用溝56g,57gに挿通可能な外径に形成されている。
【0034】
上述の構成のローラ組55は、図2に示すように前記支持部材56の2枚の支持板56bの間に前記可動部材57を配置させ、かつ、図6に示すように前記ローラ調整用ネジ9の雄ネジを前記支持部材56の第2ネジ用穴56eに挿通させるとともに頭部を引っ掛けた状態で、前記可動部材57のネジ穴57dに締結させて使用するものであり、この状態で前記ローラ調整用ネジ9を回転させると、このローラ調整用ネジ9に対する前記可動部材57のネジ穴57dの締結位置が変化して、前記支持部材56に対して前記可動部材57が前記ローラ調整用ネジ9の軸方向に相対変位する構成となっている。
なお、図6に示すように、前記下枠45のインサート部材51の左右両端から少し中央寄りの位置であって、前記ローラ組55の取付時に前記支持部材56の第1支持用溝56gが配置される位置には、前記ローラ58から突出した小径部58bを通過させることができるように、インサート部材51の下端から上方に向かって切り欠いた切欠部51hが形成されている。
【0035】
次に、前記上枠44のインサート部材51に対する前記シール部材53とスライドガイド部材54の装着構造について説明する。
前記スライドガイド部材54は、合成樹脂(具体的には、モノマーキャストナイロン)を素材として押し出し成形などにより図2および図4に示すように略U字の袋断面形状に形成され、前記インサート部材51の装着用溝51cの左右両端に装着されている。
また、このスライドガイド部材54は、その先端部外側に前記シール部材53と同様の2つの凸条とその凸条に挟まれた溝とから成る係合部54b,54bが形成され、一方、先端部内側に向かって両者の間に前記上レール63に当接あるいは近接する一対の凸条から成る挟持部54cが形成されている。
すなわち、このスライドガイド部材54は、前記上枠44のインサート部材51の左右端部に装着された状態で、前記挟持部54cが前記上ガイドレール部材6の上レール63を図4に示すように前後で近接あるいは当接して、前記スライド扉4をスライドさせる際に、このスライド扉4の上端部分の前後方向への変位を規制しながらスライドのガイドを行うものである。
前記上枠44のインサート部材51に装着されているシール部材53は、上述した下枠45のインサート部材51に装着されたシール部材53と全く同じものを上下逆にして装着しているもので、前記スライドガイド部材54に挟まれている範囲の前記装着用溝51c全体に装着されている。なお、その装着は、前記下枠のインサート部材における装着と同様に、その係合部53a,53aを前記インサート部材51の係止爪部51fに係合させたものとなっている。
また、前記上レール63は下レール73よりも狭い幅に形成されているため、前記シール部材53と上レール63とが近接して両者の間に形成されるシール部200(図1参照)は、前記下レール73におけるシール部100よりも幅が広くなっている。なお、前記シール部材53のU字の深さは、スライド扉4を下レール73から外す際に上方への必要な移動量に応じて設定されている。
【0036】
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の冷蔵ショーケースの作用について説明する。
(組立時)
まず、スライド扉4を組み立てる手順を、図2の分解斜視図を参照しつつ説明する。
まず、上枠44ならびに下枠45に合わせて所定長さに切断したインサート部材51の装着用溝51cに、それぞれ、左右両端部を空けて、それぞれ上枠用・下枠用に合わせて所定の長さに切断したシール部材53,53を取り付ける。この場合、図5に示すように、シール部材53の先端の係合部53aを、装着用溝51cの係止爪部51fに係止させ、この装着用溝51cの開口を塞いで取り付けるものであり、この作業は、単にシール部材53を装着用溝51cに挿入させるだけであり簡単である。
【0037】
次に、上枠44に取り付けるインサート部材51の装着用溝51cの左右端部には、所定の長さに切断したスライドガイド部材54を取り付ける。この場合、図4に示すように、スライドガイド部材54の先端両外側に形成された係合部54bを、インサート部材51の装着用溝51cの係止爪部51f,51fに係止させる。
この作業も、スライドガイド部材54を装着用溝51cに挿入するだけであり、簡単である。
また、下枠45に取り付けるインサート部材51の装着用溝51cの左右両端部には、ローラ組55,55を挿入する。この作業も、ローラ組55,55を単に装着用溝51cの端から挿入するだけであり簡単である。
【0038】
次に、上述の状態、すなわち、シール部材53およびスライドガイド部材54を装着した上枠用のインサート部材51と、シール部材53およびローラ組55を装着した下枠用のインサート部材51を、それぞれ、上枠44の収納用溝44dと下枠45の収納用溝45dとに、上下の開口から押し込んで取り付ける。この押し込みにより各インサート部材51は、上下各枠44,45の圧着用凸条44g,45gにより内側に強く押され、両者の間で確実なシールが形成されるとともに、インサート部材51にあっても装着用溝51cが内側に押され、シール部材53、スライドガイド部材54、ローラ組55が強く固定されることになる。
この作業も、インサート部材51を上枠44および下枠45の上または下に開口した収納用溝44d,45dに挿入するだけであり、簡単である。
【0039】
なお、ローラ組55にあっては、上述の組付作業の前に、予め、支持部材56、可動部材57、ローラ58を組み付けておく。
この場合、支持部材56の2枚の支持板56b,56bの間に可動部材57を嵌め込み、ローラ調整用ネジ9の雄ネジを第1ネジ用穴56dから、その奥の第2ネジ用穴56eに差し込み、さらに可動部材57のネジ穴57dに締め込み結合させておく。
また、支持部材56の支持板56bに形成された第1支持用溝56gの下端の開口と、可動部材57の支持板57bに形成された第2支持用溝57gの下端の開口との位置を一致させておく。
この状態で、図6に示すようにローラ58の支持軸58aの小径部58bを両支持用溝56g,57gの下端から上方へ差し込むと、ローラ58の小径部58bが第2支持用溝57gの上側の傾斜面を押し上げ、そのカム作用により発生する分力により可動部材57が図6において右方向に移動する。そして、この移動により第2支持用溝57gの下側の傾斜面が第1支持用溝56gの下端を塞いだ状態になると、ローラ58の抜け止めが成される。この状態では、ローラ58の自重で第2支持用溝57gの下側の傾斜面を押した程度では、可動部材57は、図6において左方向に移動することはなく、抜け止め状態が維持される。
この状態がローラ組55の組付状態である。
なお、この組付状態においてローラ調整用ネジ9を回転させると可動部材57を支持部材56に対して相対移動させることができ、この相対移動によりローラ58の支持軸58aは、第2支持用溝57gの下側の傾斜面に沿って上下に移動される。すなわち、ローラ58の高さ調整を行うことができる。
これにより、スライド扉4の全閉時に、閉じきり側の縦枠43とショーケース本体1の開口部3の左右端縁との接触面(戸当たり)に隙間が生じないように調整することができる。
【0040】
次に、上述のようにインサート部材51、シール部材53、スライドガイド部材54、ローラ組55などを組み付けた状態の上枠44ならびに下枠45を縦枠43に固定する。
この際、上枠44は、上枠固定用ネジ11の雄ネジを縦枠43の上枠取付用穴43nに挿通させ、さらに上枠44に取り付けられたインサート部材51の固定用孔51dに締め込み固定させる。
この作業も、上枠44を縦枠43に対して位置決めした後、上枠固定用ネジ11を締めるだけであり簡単である。
また、下枠45は、下枠固定用ネジ10の雄ネジを、縦枠43の下枠取付用穴43kに挿通させ、さらにローラ組55の取付板56cの第3ネジ用穴56fとインサート部材51の固定用孔51dに共締めして固定する。
この作業も、下枠45を縦枠43に対して位置決めした後、下枠固定用ネジ10を締めるだけであり簡単である。
【0041】
一方、縦枠43には、取っ手部材46、吸着パッキン部材47、第1パッキン部材48、第2パッキン部材49を取り付ける。
まず、左右のスライド扉4において、全閉時に開口部3の左右端縁と当接する側の縦枠43、すなわち、右側のスライド扉4の右側の縦枠43および左側のスライド扉4の左側の縦枠43には、取っ手部材46と吸着パッキン部材47を取り付ける。
この場合、取っ手部材46は、縦枠43の前面の係止溝43fにおいて所定の高さに取り付け、吸着パッキン部材47は、縦枠43の外側溝43dの全長に亘り取り付ける。
この取付作業も、吸着パッキン部材47は、係合突起47cを外側溝43dに嵌め込むだけであり、非常に簡単である。
また、取っ手部材46も、所定の高さに配置させて、ネジやピンにより固定するか接着するだけであり、その作業は簡単である。
【0042】
また、左右のスライド扉4,4の合わせ目部分の縦枠43、すなわち、右側のスライド扉4の左側の縦枠43および左側のスライド扉4の右側の縦枠43には、第1パッキン部材48と第2パッキン部材49を取り付ける。
この場合、第1パッキン部材48は、図3に示すように、合わせ目前側の縦枠43の後面の係止溝43fと、合わせ目後側の縦枠43の前面の係止溝43gとに、その全長に亘って取り付け、第2パッキン部材49は、合わせ目の両縦枠43のそれぞれの外側溝43dに、全長に亘り取り付ける。
この取付作業も、第1パッキン部材48は、基部48aを係止溝43f,43gに嵌め込むだけであり、第2パッキン部材49も、係合突起49cを外側溝43dに嵌め込むだけで、非常に簡単である。
なお、吸着パッキン部材47は、下枠固定用ネジ10や上枠固定用ネジ11を挿通させる下枠取付用穴43kや上枠取付用穴43nを塞ぐため、縦枠43と上下枠44,45を固定させた後に取り付けを行うが、他のパッキン部材48,49や取っ手部材46は、上下枠44,45を縦枠43に固定する前に縦枠43に取り付けておいてもよい。
【0043】
(スライド時)
以上のように組み立てたスライド扉4は、図1の断面図に示すように、上枠44のシール部材53およびスライドガイド部材54を、上ガイドレール部材6の上レール63に嵌め合わせ、下枠45のローラ58を下ガイドレール部材7の下レール73に載せて使用する。
この状態でスライド扉4をスライドさせると、下枠45に取り付けたローラ58の転がりによりスライドがスムーズに成される。なお、下枠45のインサート部材51の開口部分を塞ぐシール部材53は、下レール73に当接あるいは近接しているが、仮りに当接していても、両者53,73の接触は線接触になっており、スライド時の摺動抵抗は低い。
また、上枠44にあっては、上枠44の左右端部のみに設けられたスライドガイド部材54が、一対の凸条で形成した挟持部54cで上ガイドレール部材6の上レール63の前後側面に近接あるいは当接状態でスライドするため、スライド扉4の上端部が前後にがたつくことがない。また、前記挟持部54cが上レール63に当接した場合でも、その当接は線接触状態であり、しかもこの線接触の長さは短いため、スライド時の摺動抵抗は低い。
このように摺動抵抗が低いことから、摺動抵抗を原因とする上下のがたつきの発生も抑えることができる。
なお、最良の実施の形態としては、前記挟持部54cが上レール63に当接しているものとする。これにより、スライド扉4の前後のがたつきを無くすことができる。
【0044】
(気密性・断熱性)
まず、スライド扉4の気密性について説明する。
両スライド扉4,4を全閉としたときには、閉じきり側の縦枠43にあっては、各吸着パッキン部材47が、その磁力によりショーケース本体1の開口部3の左右側縁に吸着して、低温収納室2の内外をシールする。このように、吸着パッキン部材47は、磁力により開口部3の側縁に吸着するため、高いシール性が得られる。
また、この全閉状態において、開口部の中央部である両スライド扉4,4の合わせ目部分にあっては、図3に示すように、両スライド扉4の縦枠43の内外に取り付けた第1パッキン部材48,48のベロ部48b,48b同士が当接して、低温収納室2の内外がシールされる。
【0045】
さらに、このスライド扉4の全閉時において、上枠44および下枠45の部分の気密性について説明する。
従来、ローラを用いてスライドを行うようにした構成では、下枠と開口部との間に大きな隙間が生じて、低温収納室2内の冷気が外部に漏れやすかった。
それに対し、本実施の形態では、上下両枠44,45の開口の広い収納用溝44d,45dのそれぞれに、熱伝導率の低い樹脂製のインサート部材51を挿入し、さらに、このインサート部材51の装着用溝51cの開口部分をシール部材53で塞いだ。
すなわち、下枠45では、図5に示すように、下枠45の収納用溝45dは、その内周にインサート部材51が当接され、両者の間は、空気の通路が塞がれたシール状態となっている。また、装着用溝51cは、シール部材53で塞がれ、インサート部材51とシール部材53との間は、空気の通路が塞がれたシール状態となっている。
さらに、シール部材53と下レール73との間には、両者が当接あるいは近接されたシール部100が形成されている。
このように、下枠45において、低温収納室2と外部とを結ぶ空気の流通可能な通路は、下枠45とインサート部材51との間、ならびにインサート部材51とシール部材53との間では、完全に塞がれ、残るシール部材53と下レール73との間は、シール部100において、完全に塞がれているか、あるいは微少な隙間しか残されていない。このため、高い気密性が得られる。
なお、シール部100が完全に閉鎖されずに微少な隙間が残されていても、このシール部材53と下レール73との間に形成される空気の流路は、シール部100において断面積が絞られているとともに、下レール73を迂回して逆U字状に曲がった形状になっているため、空気の流通抵抗が大きく、冷気の漏れは生じにくく、上記のように高い気密性が得られるものである。
したがって、最良の実施の形態としては、シール部材53と下レール73との間のシール部100は、微少な隙間が設定されているものとする。この場合、十分な気密性が得られながら、シール部材53と下レール73とが当接していないことから、スライド時の抵抗が小さく、スライドがよりスムーズに成される。
【0046】
また、上枠44も同様に、その収納用溝44dにインサート部材51を挿入し、このインサート部材51の装着用溝51cの開口をシール部材53で塞いで、このシール部材53と上レール63との間にシール部200を形成した構成としている。
したがって、上枠44においても、低温収納室2と外部とを結ぶ空気の流通可能な通路は、図1に示すように、上枠44とインサート部材51との間、ならびにインサート部材51とシール部材53との間では、完全に塞がれており、残るシール部材53と上レール63との間では、シール部200において絞られた微少な隙間しか残されていない。
このように、シール部材53と上レール63との間に残された隙間は、上レール63を迂回するようにU字断面状に折れ曲がっており、かつ、その途中にはシール部200が設けられて絞られているため、流通抵抗が大きく、高い気密性が得られる。
特に、上枠44では、このシール部材53と上レール63との隙間が、U字断面形状に形成されており、暖気に対して下方に向かう性質の冷気は、このU字の隙間の底に溜まり、ここから上方には向かいにくい。このため、上枠44におけるシール部200は、下枠45のシール部100に比べて断面積が大きくなっているにもかかわらず、高い気密性を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、スライド扉4の上下左右の四周で高い気密性が得られ、高い省エネ効果を得ることができる。
【0047】
さらに、本実施の形態では、上述したように上枠44と下枠45における上レール63と下レール73との間でシール部100,200を形成しているが、このシール状態は、スライド扉4を前後方向に傾けても、すなわち、スライド扉4が後方上向きになるように傾けて設置する場合、上下ガイドレール部材6,7も同様に傾けて設置すれば、シール部材53と上下レール63,73との間のシール部100,200の状態は、直立に設置した場合と同様の良好なシール状態が得られる。また、上述したように、下レール73の外表面を円弧形状に形成しているため、スライド扉4に対して重力が斜め方向に作用して、下レール73に対するスライド扉4の相対位置が直立状態と比較してローラ58を支点として多少傾いた場合でも、シール部材53は下レール73の円弧に沿って相対移動するためシール部100,200の状態が変化することが無く、安定したシール状態が得られる。
【0048】
次に、断熱性について説明する。
従来、外枠体を金属で形成した場合、熱伝導率が高く、低温収納室2内の温度が枠の外側面に伝達され、この外側面で放熱されるとともに、結露が発生していた。この問題は、特に、ローラを収容するために大型となり外表面積の大きな下枠において顕著であった。
それに対し、本実施の形態では、外表面積の大きな下枠45には、収納用溝45dに樹脂製で熱伝導率の低いインサート部材51を挿入し、かつ、インサート部材51の開口をシール部材53で塞いだ構成としたため、下枠45において外部に露出している後板45aへの熱の伝達は、前板45bから断面積の小さな中間板45cを介した伝達が主体となる。したがって、低温収納室2から後板45aへの低温の伝達が抑えられ、高い断熱性能が得られ、これにより、後板45aにおける結露の発生を防止することができる。
さらに、ローラ組55の支持部材56,可動部材57,ローラ58の少なくとも一部に金属などの熱伝導率の高い素材のものを用いた場合、このローラ組55を介した熱伝導が断熱性に悪影響を与えることになるが、本実施の形態では、これらローラ組55の全てをインサート部材51の装着用溝51cに収納しているため、ローラ組55による熱伝導も防止することができ、高い断熱性を得ることができる。
さらに、本実施の形態では、上述のように高い気密性・断熱性が得られるため、上枠44においても、同様の構造を用いて、部品の共用化を図っており、これによりコストダウンも達成している。
【0049】
(ローラ交換時)
次に、経年劣化などでローラ58の転動がスムーズに行えなくなった場合、ローラ58を交換する必要がある。この場合の手順について説明する。
この交換時には、まず、ローラ58の交換が必要なスライド扉4を上下ガイドレール部材6,7から外す。
次に、ローラ58をインサート部材51の装着用溝51cから引っ張り出すが、この場合、装着用溝51cに指あるいは棒状のものを差し込んで可動部材57を支持部材56の方向(図6において左方向)に押し、両者56,57の両支持用溝56g,57gの開口端の位置を一致させたところでローラ58を引き出す。
次に、新しいローラ58を装着する。この場合、支持軸58aをインサート部材51の切欠部51hから差し込むようにして新しいローラ58を装着用溝51c内へ挿入させると、その小径部58bが、両部材56,57の両支持用溝56g,57gに挿入され、さらに第2支持用溝57gの上面を押し、この押し力の分力により可動部材57が支持部材56に対して図6において右方向に移動する。この移動により、第2支持用溝57gの下面が第1支持用溝56gの開口を塞いでローラ58の抜け止め状態となったところで、ローラ交換作業を終える。
以上のように、本実施の形態では、古いローラ58を装着用溝51cから引っ張り出し、新しいローラ58を装着用溝51cへ押し込むだけで交換ができ、ローラ交換作業が容易である。
【0050】
ここで、ローラ58の高さ調整が必要な場合の位置調整作業について説明を加える。
この場合、調整が必要なローラ58の近傍の縦枠43において、下端部のネジ挿通穴43jが露出するよう、縦枠43の端面に取り付けた吸着パッキン部材47の下部を外す、あるいは、全体を上方にずらす。
次に、縦枠43のネジ挿通穴43jから工具(ドライバ)を差し込み、ローラ調整用ネジ9を回転させる。このローラ調整用ネジ9の回転により、下枠45のインサート部材51の内部において、ローラ組55の可動部材57が支持部材56に対して軸方向に移動するもので、この移動方向は、ローラ調整用ネジ9の回転方向により、図6における左右のいずれの方向にも移動する。この図6において可動部材57が右方向に移動すれば、ローラ58が持ち上がり、逆に、左方向に移動すればローラ58が下がる。
このようにして、ローラ58を所定の高さに配置した後、吸着パッキン部材47を元の状態に戻し、調整作業を終える。
【0051】
(清掃時)
冷蔵ショーケースは、使用時に、低温収納室2の底面や、下ガイドレール部材7の上にゴミや埃や水などが落ちることがある。特に、食品を扱う場合、その細かなくずが落ちて溜まりやすく、低温収納室2内を清潔に保つために清掃する必要がある。
そこで、これらを清掃する場合、本実施の形態では、左右のスライド扉4,4を開口部3から取り外し、さらに、開口部3の下縁の下側レール設置用平面35に載置している下ガイドレール部材7を取り外し、開口部3の下縁に凹凸の無い状態で、低温収納室2の底面を清掃することができる。このように、開口部3の下縁の凹凸が無くなるため、清掃の際に、この部分にゴミなどが溜まることがなく、きれいに清掃することができる。
また、下ガイドレール部材7それ自体は、外部で丸洗いができ、この下ガイドレール部材7の凹凸部分に溜まったゴミ・埃・水などを取り除くのが容易である。
このように、実施の形態の冷蔵ショーケースにあっては、清掃作業が容易であり、低温収納室内2を清潔に保つことができる。
しかも、下ガイドレール部材7は、下側レール設置用平面35に載置しただけであるから、取外作業ならびに設置作業が容易であり、この点でも清掃作業性に優れる。
なお、下ガイドレール部材7は、下側レール設置用平面35に載置しただけであるが、後端のガイド部75をドレン用溝37に嵌めているため、前後方向への移動が規制されている。また、下ガイドレール部材7の上下移動は、スライド扉4の重量により規制されており、また、下ガイドレール部材7の左右方向の移動は、開口部3の左右側縁により規制されている。このように、下ガイドレール部材7は、下側レール設置用平面35に載置しただけであるが、前後・左右・上下の移動が規制されており、スライド扉4,4のスライド時にがたつくことはない。
【0052】
(実施の形態1の効果)
<強度および耐久性>
本実施の形態の冷蔵ショーケースにあっては、スライド扉4の外枠体41を構成する左右の縦枠43,43および上枠44・下枠45を、アルミニウムなどの金属により形成したため、スライド扉4において高い強度ならびに耐久性が得られる。
【0053】
<スライドスムーズ性>
上記のように、外枠体41を金属で形成した強度の高い構成として、スライド扉4を開閉スライドさせる時に、樹脂製のものに比べて外枠体41に変形が生じ難い構成とした。
しかも、本実施の形態のスライド扉4にあっては、下枠45に左右一対のローラ58を設けて、スライド時の摺動抵抗が低い構成としている。
さらに、上枠44に左右一対の樹脂製のスライドガイド部材54を設け、このスライドガイド部材54が、上レール63を挟む構成とした。
このため、スライド扉4が前後にがたつくことがなく、スライドをスムーズに行うことができ、かつ、スライドガイド部材54は、上枠44の左右両端部のみに設けているから、スライド扉4をスライドさせたときの摺動抵抗が小さい。このように、前後のがたつきを低い摺動抵抗で抑えることができ、前後・左右・上下へのがたつきのないスムーズなスライドが達成される。
この効果は、特に、低温収納室2の陳列品の出し入れ性を良好とするためにスライド扉4を前後方向に傾けた構成において有効である。
【0054】
<気密性・断熱性・組立容易性・メンテナンス性・低コスト性>
上述のように、実施の形態のスライド扉4は、外枠体41をアルミニウムなどの金属により形成し、かつ、スライドをスムーズに行うためにローラ58を用いた構成であるにもかかわらず、すなわち、少なくとも下枠45が、ローラ58を収容するために大型となるとともに下レール73との間に大きな隙間が生じて、気密性ならびに断熱性の点で不利な構成であるにもかかわらず、気密性・断熱性を確保することができ、さらに、組立容易性・メンテナンス性・低コスト性にも優れている。
以下、これを詳細に説明する。
【0055】
・気密性・断熱性
本実施の形態1では、スライド扉4の上枠44ならびに下枠45の収納用溝44d,45dに樹脂製で熱伝導率の低いインサート部材51を収納用溝44d,45dの内周に密着させた状態で挿入し、このインサート部材51の装着用溝51cの開口を、上下レール63,73を囲うシール部材53で塞ぎ、さらに、このシール部材53と下レール73および上レール63との間には、シール部100,200を形成した構成としたため、上記実施の形態の作用で詳述したように、上下枠44,45において、上下レール63,73との間に形成される空気の流路を狭くしてあるいは塞いで、冷気の漏れを防止して高い気密性を得ることができるとともに、上下枠44,45の金属部分における熱伝導、ならびにローラ組55における熱伝導を抑制して高い断熱性を得ることができる。
したがって、省エネ効果ならびに結露防止効果を得ることができる。
【0056】
・組立容易性
本実施の形態では、スライド扉4の組立の際には、上述したように金属製で一定断面形状の縦枠43、上下枠44,45に対して、樹脂製の各部材47,48,49,51,53,54を嵌め込む作業と、金属あるいは樹脂製の取っ手部材46を位置決めして固定する作業と、ローラ組55を挿入する作業と、縦枠43に対して上下枠44,45を固定するための下枠固定用ネジ10ならびに上枠固定用ネジ11の締め込み作業で済む。
このように、気密性・断熱性・スライドスムーズ性を確保するために金属により形成された各枠43,44,45に対して樹脂製の各部材47,48,49,51,53,54を取り付けたり、ローラ組55を取り付けたりする構成でありながら、その組立作業は、ほとんどが、溝に部材を嵌め込む作業と各ネジ9,10,11を締める作業だけで済み、作業が簡単である。
【0057】
・メンテナンス性
ローラ組55のローラ58の交換は、上述したように、古いローラ58を装着用溝51cから引っ張りだし、新しいローラ58を装着用溝51cに押し込むだけで簡単に行うことができる。また、ローラ58の高さ調節は、ローラ調整用ネジ9を回転させるだけで簡単に行うことができる。
したがって、メンテナンス性に優れている。
【0058】
・低コスト性
上述したように各枠43,44,45には、一定断面形状の押出成型品を用いている。また、上枠44と下枠45、ならびに両部材に装着するインサート部材51、シール部材53は、上下で共用化を図っている。
したがって、製造用の型費を抑えて低コスト化を図ることができる。
【0059】
・清掃作業性
上述したように、下ガイドレール部材7による凹凸のない状態で低温収納室2を清掃でき、かつ、下ガイドレール部材7は、丸洗いすることができ、下ガイドレール部材7による凹凸にゴミ・埃・水などが溜まることなく、簡単にきれいに掃除することができる。
しかも、下ガイドレール部材7は、下側レール設置用平面35に載置しただけであるため、取り外し・取り付けが容易であり、清掃作業性に優れている。
【0060】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の冷蔵ショーケースについて説明する。
なお、この実施の形態2は、実施の形態1の一部に部品の追加を行っただけであるので、この追加の構成について説明し、他の実施の形態1と同様の構成については説明を省略する。
【0061】
この実施の形態2の冷蔵ショーケースは、スライド扉4の下枠45の気密性向上を図るために、前記ローラ組55を挿入する部位にあっても、前記ローラ58と干渉しない範囲において、前記ローラ組55の下側に第2シール部材253を設けたものである。
すなわち、図7に示すように、前記第2シール部材253は、前記下レール73を覆う袋断面形状、すなわちU字断面形状に形成されており、前記インサート部材51の装着用溝51cに装着したときに、前記ローラ組55の支持部材56ならびに可動部材57と干渉しないように、前記シール部材53に比べて浅いU字形状に形成されている。また、前記第2シール部材253は、前記シール部材53と同様に、前記インサート部材51の装着用溝51cの開口に装着可能なように係合部253aが形成され、かつ、図示は省略するが、前記下レール73との間にシール部100を形成するように、前記シール部材53と略同幅寸法に形成されている。なお、図5において、二点鎖線IIで示しているのが、このシール部材253の内形線である。
また、この第2シール部材253は、前記ローラ58と前記シール部材53との間にも設けてもよい。
【0062】
この実施の形態2の冷蔵ショーケースにあっては、ローラ組55の下側にも第2シール部材253を設けたため、この部位における気密性を確保して、さらに気密性を向上させることができるという効果が得られる。
なお、実施の形態2では、浅いU字断面形状の第2シール部材253は、ローラ組55の下側のみに設け、左右のローラ組55に挟まれた部分には、上枠44と共用のシール部材53を用いた例を示したが、前記下枠45においてローラ組55に挟まれた部分にも、前記第2シール部材253を用いるようにしてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の請求項に記載した発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、冷蔵ショーケースとして、低温収納室の背面に開口部が設けられて、客が前面から低温収納室内を透視し、背面の開口部に設けられたスライド扉を開閉して店員が収納品を出し入れする構造のものを示したが、開口部およびスライド扉が低温収納室の前面に設けられているものや、開口部およびスライド扉が冷蔵ショーケースの前面と背面の両方に設けられたものにも適用することができる。
また、実施の形態では、下枠において、シール部材と下枠とのシールは、インサート部材を介在させて行った例を示したが、下枠とシール部材の形状を、下枠の下端の溝にシール部材を直接シール状態で装着できる形状として、インサート部材を介在させないシール構造としてもよいし、また、インサート部材以外の部材を介在させたシール状態としてもよい。
また、実施の形態では、ローラ組は、支持部材と可動部材とを備えた例を示したが、例えば、ローラを1つの支持体で支持するような実施の形態で示したのとは異なる構成のものを用いてもよい。
また、スライドガイド部材は、少なくとも左右両端部に2つ設ければよいものであり、スライド扉が大型になった場合、上枠の中央近傍などにスライドガイド部材を追加して設定してもよい。その場合、シール部材は、スライドガイド部材が設けられている部位を除いて設けることになる。
また、実施の形態では、縦枠は、左右のものを共用化して、コスト的に有利としたが、特に、既存の汎用品を利用する場合など、左右で形状の異なるものを用いてもよい。
また、実施の形態では、下ガイドレール部材を、下側レール設置平面に載置した例を示したが、請求項1または2に記載の発明にあっては、下ガイドレール部材は、ねじあるいはピンと穴などを用いて固定する構造としてもよい。
【0064】
上記実施の形態に記載された請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ) 請求項1または2に記載の冷蔵ショーケースにおいて、
前記下枠として、透明板材を支持する上方に開口した凹形状の透明板材支持用溝と、前記下方に開口した逆凹形状の収納用溝とを有した略H断面形状の押し出し成形材を用いたことを特徴とする冷蔵ショーケース。
この構成によれば、下枠として、押出成型品を用いたため、製造コストを抑えることができるという効果を得ることができる。
(ロ)請求項1または2または上記(イ)に記載の冷蔵ショーケースにおいて、
前記外枠体の上枠として、前記下枠と同じものが上下逆にして用いられ、
前記上枠の収納用溝には、前記インサート部材が、前記収納用溝に当接したシール状態で挿入され、
前記上枠のインサート部材の装着用溝の左右両端部には、前記開口部の上縁に取り付けられた上レールに当接あるいは近接して前後方向への変位を制限しながらスライドをガイドするスライドガイド部材が挿入され、
これら両端のスライドガイド部材の間に、前記上レールを覆う袋断面形状に形成されているとともに前記上レールとの間の空気の流通を抑えることのできるだけ上レールに近接したシール部を形成した状態で前記装着用溝の開口を塞ぐシール部材が装着されていることを特徴とする冷蔵ショーケース。
この構成によれば、上枠と下枠とで部品の共用化を図ったため、製造コストを低く抑えることができ、かつ、上枠も大型となり、高い強度・耐久性が得られるという効果を奏する。
また、上枠にあっても、その収納用溝にインサート部材を挿入し、このインサート部材の装着用溝は、スライドガイド部材を設ける部位を除いてその開口をシール部材により塞いだ構成としたため、下枠との共用化により上枠として大型のものを用いても、高い気密性ならびに断熱性を得ることができる。
さらに、上枠のインサート部材の両端部に、上レールに当接あるいは近接してスライドするスライドガイド部材を設け、シール部材は上レールに近接させて直接には接しない構成としたため、スライド扉をスライドさせた時にスライド扉の上部が前後にがたつくのスライドガイド部材により抑えることができるとともに、摺動抵抗が高くなるのを抑えてスムーズなスライドが可能となるという効果が得られる。
(ハ)請求項2,上記(イ),(ロ)のいずれかに記載された冷蔵ショーケースにおいて、
前記ローラは、このローラを回転可能に支持する支持軸と、この支持軸を着脱可能に支持する支持体とから成るローラ組を構成し、
前記インサート部材の収納用溝に、前記ローラ組が挿入されていることを特徴とする冷蔵ショーケース。
この構成によれば、組付時には、ローラを支持する支持体を含めたローラ組をインサート部材に挿入すればよく、ローラの位置決めなどが容易となり、作業性に優れる。また、ローラ組にあっては、支持体に対して支持軸を着脱させてローラの交換が可能であり、交換作業性も容易とすることができる。
さらに、このようにローラの組付性・交換性に優れたローラ組を用いた構成において、ローラ組をインサート部材に挿入したため、ローラ組による熱伝導を抑えて、断熱性の向上を図ることができる。
(ニ)上記(ハ)に記載の冷蔵ショーケースにおいて、
前記収納用溝の開口に装着したときに、前記ローラを除いたローラ組の構成と干渉しない形状に形成された第2シール部材が、前記ローラと干渉しない範囲で前記ローラ組の下側で前記装着用溝の開口を塞いで装着されていることを特徴とする冷蔵ショーケース。
この構成によれば、ローラ組の下側にも第2シール部材を設けたため、この部位における気密性を確保して、さらに気密性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施の形態1の冷蔵ショーケースの要部の断面図である。
【図2】実施の形態1の冷蔵ショーケースのスライド扉を示す分解斜視図である。
【図3】実施の形態1の冷蔵ショーケースにおけるスライド扉の合わせ目部分を示す横断面図である。
【図4】実施の形態1の冷蔵ショーケースにおけるスライド扉の上枠部分を示す縦断面図である。
【図5】実施の形態1の冷蔵ショーケースにおけるスライド扉の下枠部分を示す縦断面図である。
【図6】実施の形態1のスライド扉の冷蔵ショーケースにおけるローラ組の取付部分を示す背面図である。
【図7】実施の形態2の冷蔵ショーケースの要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ショーケース本体
1a 金属パネル
2 低温収納室
3 開口部
31 上側レール設置用平面
35 下側レール設置用平面
37 ドレン用溝
38 ドレン穴
39 ドレンパイプ
4 スライド扉
6 上ガイドレール部材
63 上レール
7 下ガイドレール部材
71 ベース部
73 下レール
74 リブ
75 ガイド部
75a 係止片
75b ガイド片
41 外枠体
42 透明板材
43 縦枠
44 上枠
45 下枠
45d 収納用溝
46 取っ手部材
47 吸着パッキン部材
48 第1パッキン部材
49 第2パッキン部材
51 インサート部材
51c 装着用溝
52 シール材
53 シール部材
54 スライドガイド部材
55 ローラ組
56 支持部材
56g 第1支持用溝
57 可動部材
57g 第2支持用溝
58 ローラ
58a 支持軸
58b 小径部
100 シール部
200 シール部
253 シール部材
【出願人】 【識別番号】398059965
【氏名又は名称】株式会社保坂製作所
【住所又は居所】東京都台東区松が谷2丁目13番14号
【出願日】 平成17年2月15日(2005.2.15)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次

【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之

【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平

【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁

【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣

【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟

【公開番号】 特開2006−223350(P2006−223350A)
【公開日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願番号】 特願2005−37688(P2005−37688)