| 【発明の名称】 |
座 |
| 【発明者】 |
【氏名】滝沢 剛 【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内
【氏名】宮本 茂紀 【住所又は居所】東京都品川区平塚1−10−7 株式会社ミネルバ内
|
| 【要約】 |
【課題】座全体の肉厚寸法を小さく設定することが可能であり、且つ良好なクッション性を得ることができる座を提供する。
【解決手段】座板211と、この座板211の上方に取り付けられ座面を有する座クッション212とを具備するものであって、前記座板211の略中央部に肉厚方向に貫通させてなる開口部211aを形成するとともに、開口部211aの上方を被覆する位置に弾性を有する張り部材211bを設け、座クッション212を、硬質弾性材を用いて形成した硬質部2Aと、硬質弾性材より軟らかい軟質弾性材を用いて形成し且つ開口部211aに略対応する位置に設けられた軟質部2Bとを用いて構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも座板と、当該座板の上方に取り付けられ座面を有する座クッションとを具備する座であって、 前記座板が、略中央部に肉厚方向に貫通させてなる開口部又は他の領域より上面を低位置に設定した凹部を形成し、且つ前記開口部又は前記凹部の上方を被覆する位置に弾性を有する張り部材を設けたものであり、 前記座クッションが、少なくとも弾性率の異なる二種以上の弾性材を用いてなり、硬質弾性材を用いて形成した硬質部と、前記硬質弾性材より軟らかい軟質弾性材を用いて形成し且つ前記開口部又は凹部の形成箇所に略対応する位置に設けられた軟質部とを備えていることを特徴とする座。 【請求項2】 前記座クッションが、少なくとも平面視における前記硬質部と前記軟質部との境界線の近傍領域に、所定の厚み寸法内において前記硬質部の上方に前記軟質部を積層した積層部を有したものであり、当該積層部において、前記硬質部の肉厚寸法を前記境界線から座クッションの中心部に向かって漸次小さく設定するとともに、前記軟質部の肉厚寸法を前記境界線から座クッションの中心部に向かって漸次大きく設定している請求項1記載の椅子。 【請求項3】 着座者が着座した際に着座者の左右の坐骨結節が前記軟質部又は前記積層部に位置し得るように、平面視における前記硬質部と前記軟質部との境界線のうち、一側方側の境界線と他側方側の境界線との離間距離を、着座者の坐骨結節間の距離より大きく設定している請求項2記載の椅子。 【請求項4】 前記座クッションが、少なくとも前記硬質部と前記軟質部とを有する第1クッション層と、当該第1クッション層の下方に設けられ且つ前記硬質部のみからなる第2クッション層とを積層した層状のものである請求項1、2又は3記載の椅子。 【請求項5】 前記硬質部と前記軟質部とが、それぞれ硬さの異なるウレタン層より構成されている請求項1、2、3又は4記載の座。 【請求項6】 前記張り部材が、化学繊維性材を網目状にしたものである請求項1、2、3、4又は5記載の座。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、硬度の異なる弾性材を部分的に使い分けて快適な座り心地を得ることを主たる目的とした座に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、例えば比較的硬質な弾性材からなる硬質部と、硬質部の上方に配され比較的軟質な弾性材からなる軟質部とを層状に形成した座クッションを備え、着座者の臀部が軟質部に接触し得ることにより、良好な座り心地を得ることが可能な座が知られている(例えば特許文献1参照)。 【特許文献1】特開昭61−290013号公報(図3等参照) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、従来のものは、十分なクッション性を得るために軟質部の肉厚寸法をある程度大きく設定しているのが通常であり、この軟質部の下方に硬質部を配置しているため、座クッション全体の肉厚寸法が必然的に大きくなり、デザインの自由度が制約されるという不具合が生じる。一方、座クッション全体の肉厚寸法を小さく設定した場合には、軟質部の肉厚寸法も相対的に小さく設定されるため、十分なクッション性を得ることができず、良好な座り心地を得ることができないことに加え、特にこのような座クッションを有する座は、着座者の臀部を確実に支持するために座クッションの下方に平板状の座板を配するのが通例であるが、この座板を設けることにより、着座時に底着き感を伴い易く、クッション性を損なうという問題も発生する。 【0004】 本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、座全体の肉厚寸法を小さく設定することが可能であり、且つ良好なクッション性を得ることができる座を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 すなわち、本発明の座は、少なくとも座板と、この座板の上方に取り付けられ座面を有する座クッションとを具備するものであって、前記座板が、略中央部に肉厚方向に貫通させてなる開口部又は他の領域より上面を低位置に設定した凹部を形成し、且つ前記開口部又は前記凹部の上方を被覆する位置に弾性を有する張り部材を設けたものであり、前記座クッションが、弾性率の異なる二種以上の弾性材を用いてなり、硬質弾性材を用いて形成した硬質部と、前記硬質弾性材と比べて相対的に軟らかい軟質弾性材を用いて形成し且つ前記開口部又は凹部の形成箇所に略対応する位置に設けられた軟質部とを備えていることを特徴とする。 【0006】 このようなものであれば、座板には、着座者が着座した際に臀部が位置し得る部位である中央部に張り部材を設け、座クッションには、張り部材に略対応する位置に軟質部を設けているため、着座者の荷重を受けたときに軟質部が収縮変形するとともに、この軟質部の変形に伴って張り部材も弾性変形し、底着き感を伴うことなく良好なクッション性を得ることができ、臀部の体圧分散を良くし、快適に着座することができる。しかも、座板を備えたものであるため、十分な支持強度を得ることができるのは勿論のこと、軟質部と硬質部とを部分的に使い分けて座クッションを形成しているため、必ずしも座クッションを二層状にする設計上の制約がなく、座クッションの肉厚寸法を小さく設定することも可能である。その結果、座板自体も薄手のものとすることにより、座全体の肉厚寸法を小さく仕上げることが可能となり、デザインの幅を広げることもでき、汎用性に優れたものとなる。すなわち、座全体の肉厚寸法を小さく設定しつつ、良好な座り心地を得ることができる座を提供することができる。 【0007】 硬質部と軟質部との境界が着座者に感じ取られることがなく、臀部の当たりが柔らかく快適な座り心地を実現するには、前記座クッションが、少なくとも平面視における前記硬質部と前記軟質部との境界線の近傍領域に、所定の厚み寸法内において前記硬質部の上方に前記軟質部を積層した積層部を有したものであり、この積層部において、前記硬質部の肉厚寸法を前記境界線から座クッションの中心部に向かって漸次小さく設定するとともに、前記軟質部の肉厚寸法を前記境界線から座クッションの中心部に向かって漸次大きく設定すればよい。 【0008】 特に、着座者が着座した際に着座者の左右の坐骨結節が前記軟質部又は前記積層部に位置し得るように、平面視における前記硬質部と前記軟質部との境界線のうち、一側方側の境界線と他側方側の境界線との離間距離を、着座者の坐骨結節間の距離より大きく設定していれば、坐骨結節を軟質部又は積層部で支持することとなり、軟質部及び積層部が無理なく沈み込み快適なフィット感を得ることができる。 【0009】 軟質部の過度の沈み込みを防止するには、前記座クッションを、少なくとも前記硬質部と前記軟質部とを有する第1クッション層と、この第1クッション層の下方に設けられ且つ前記硬質部のみからなる第2クッション層とを積層した層状のものとすることが望ましい。 【0010】 具体的な実施態様としては、前記硬質部と前記軟質部とが、それぞれ硬さの異なるウレタン層より構成されているものが挙げられる。 【0011】 また、前記張り部材の好適な実施態様としては、化学繊維性材を網目状にしたものが好ましい。 【発明の効果】 【0012】 以上説明したように本発明によれば、座板の略中央部に、軟質部の収縮変形に伴って弾性変形する張り部材を設けているため、着座者が着座した際に、軟質部及び張り部材が座面に凹面を形成しながら大きく沈み込み、臀部の外面にフィットして好適なクッション性を得ることができる。しかも、座板を備えたものであるため、十分な支持状態を得ることができ、この座板自体も薄手のものとすることにより、座全体を薄手に設定することもでき、設計自由度を有効に高めることができる。このように、座全体の肉厚寸法を小さく設定しつつ、厚手の座クッションを有する座と同等の良好な座り心地を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。 【0014】 本実施形態に係る座2は、例えば図1に示す椅子Xに適用される。 【0015】 先ず、この椅子Xについて説明する。 【0016】 椅子Xは、図1乃至図3に示すように、ベース1と、座本体21及びこの座本体21の前端側に配される補助座22を備える座2と、座本体21を支持する本体座受31及び補助座22を支持する補助座受32を備える座支持体3と、下背もたれ部41、中背もたれ部42及び上背もたれ部43を備える背もたれ4と、背もたれ4の上端部の前面側に配されるヘッドレスト5と、座2の前端部に枢着され且つ図示しないレッグレスト部用駆動装置によって縮小されて略起立する起立状態又は伸長されて略水平な水平状態を選択的にとる伸縮可能なレッグレスト6と、ベース1の左右両端部の上端側に配した左右一対の肘掛7と、ベース1に支持される補助作業台8とを備えたものである。なお、図2以下では作図の都合上補助作業台8を省略している。 【0017】 以下、各部について説明する。 【0018】 ベース1は、金属製のベース本体11と、このベース本体11に着脱可能に取り付けられるベースカバー部12とを具備するものである。 【0019】 より具体的には、ベース本体11は、左右一対を成す左ベース部111及び右ベース部112と、これら両ベース部111、112の下端部間を連結する底ベース部113とを具備する。 【0020】 さらに詳述すると、左ベース部111は、側面視略直線状をなして伸びる下ベースパイプ111aと、この下ベースパイプ111aの上側に対向して配され側面視略部分円弧状を成す上ベースパイプ111bと、これら下ベースパイプ111aと上ベースパイプ111bとを連結する5本の上下連結パイプ111cとを具備し、本実施形態ではこれら各パイプ111a、111b、111cを角パイプを用いて形成している。右ベース部112は、左ベース部111と同様の構成であるので説明を省略する。 【0021】 底ベース部113は、両ベース部111、112の5本の上下連結パイプ111cのうち、前側から2番目と4番目の上下連結パイプ111c同士を連結する、角パイプを用いて形成した前連結ベースパイプ113a及び後連結ベースパイプ113bを具備する。なお、本実施形態では、各連結ベースパイプ113a、1113bの両端部には、平面視略コ字状をなし且つ正面視略台形状の補強部材113cを設け、補強部材113cと上下連結パイプ111cとをネジ等を用いて締結している。 【0022】 ベースカバー部12は、側面視した際に、左ベース部111または右ベース部112と略重合する外形寸法を有する木製のベースカバー部本体に布製のベースカバー部被覆部を被覆したものである。 【0023】 座2を構成する座本体21は、平面視略矩形状をなすプレート状の座板211と、座板211の上方に配されウレタン等の弾性を有する素材を用いて形成した座クッション212と、座クッション212の表面を被覆し且つ座板211の裏面側でタッカ等で留めた布製の座本体カバー部213とから構成され、座板211の裏面側の両側縁部をそれぞれ本体座受31に取り付けたものである。なお、座本体21についてのさらに詳細な説明は後述する。 【0024】 座2を構成する補助座22は、同図に示すように、平面視略矩形状をなすプレート状の補助座板221と、補助座板221の上方に配されウレタン等の弾性を有する素材を用いて形成した補助座クッション222と、補助座クッション222の表面を被覆し且つ補助座板221の裏面側でタッカ等で留めた布製の補助座カバー部223とから構成され、補助座板221の裏面を補助座受32に取り付けたものである。補助座22の前端側の下端部に、取付金具24を介してレッグレスト6を回動可能に取り付けている。本実施形態においては、補助座22の奥行き寸法を座本体21の奥行き寸法より小さく設定するとともに、補助座22の肉厚寸法を座本体21の肉厚寸法と略同一に設定している。より具体的には、補助座22の後端部における肉厚寸法を座本体21の肉厚寸法と略同一に設定するとともに、後端部から中央部に亘る領域の肉厚寸法を漸次大きくし且つ中央部から前端部に亘る領域の肉厚寸法を座本体21の肉厚寸法より若干大きく設定している。 【0025】 このような座本体21及び補助座22を備えた座2は、さらに座本体21の前端部における下端部と補助座22の後端部における上端部とを連結する図示しない連結部23を備える(図8(c)参照)。連結部23は、ウレタン等の弾性を有する素材を用いて形成した薄肉のクッション材に布製の連結カバー部を被服したものであり、この連結部23の基端部を座本体21の前端部における下端部に縫着するとともに先端部を補助座22の後端部における上端部に縫着している。基端部から先端部までの全体長を座本体21の肉厚寸法と略同一に設定した連結部23は、補助座22を、その座面を座本体21の座面を略一致させてなる第1使用位置に位置付けた場合には座本体21の前端部と補助座22の後端部との間に挟まれた起立姿勢を取り、補助座22を、その座面を座本体21の座面より低位置に位置付けてなる第2使用位置に位置付けた場合には座本体21の前端部と補助座22の後端部との間に延びた倒伏姿勢を取る(図6(b)参照)。 【0026】 座支持体3を構成する本体座受31は、ベース1に支持されるとともに座本体21を支持するように左右一対に設けられたものであり、これら一対の本体座受31の前端部間及び後端部間を連結する本体座受前側連結パイプ31a及び本体座受後側連結パイプ31bによって有効な支持強度及び連結強度を有する。 【0027】 より具体的に、これら本体座受31は、それぞれ左ベース部111及び右ベース部112の内側に配されるものであり、座本体21の側縁部に沿って配されるとともに座本体21と当接してこれを支持する平面視略矩形状の本体座受鍔部311と、この本体座受鍔部311の内側縁から垂下する本体座受主部312と、この本体座受主部312の前端側に膨出し且つ側面視略三角形状を成す本体座受膨出部313と、本体座受主部312の後端部から上方に向けて突出する側面視略三角形状を成す本体座受突出部314とを具備し、これら各部を板金素材の塑性変形加工等により形成している。各本体座受膨出部313の先端部が、対面する左ベース部111又は右ベース部112の5本の上下連結パイプ111cのうち、最前の上下連結パイプ111cにスペーサ313aを介して回動可能に支持されるように構成している。 【0028】 座支持体3を構成する補助座受32は、前記補助座22の裏面に宛がわれ且つ補助座22を後述する第1使用位置(O)に位置付けた場合に座本体21の裏面側の前半部位に当接又は近接する裏当て部321と、裏当て部321の両側縁からそれぞれ垂下してなる一対の垂下片322とを板金素材の塑性変形加工等により一体に備えたものである。 【0029】 背もたれ4を構成する下背もたれ部41は、左右一対の下背もたれ縦フレーム部411と、この下背もたれ縦フレーム部411の上端部間に横架させた下背もたれ横フレームパイプ412とを具備するものである。下背もたれ縦フレーム部411は、側面視略三角形状の下背フレーム基部411aと、この下背フレーム基部411aの略中央部に支持され斜め後方に伸びる下背フレーム本体411bとを具備する。下背フレーム基部411aは、板金素材を塑性変形加工等して形成したものであって、その前端部を本体座受31の後端部に回動可能に接続している。 【0030】 背もたれ4を構成する中背もたれ部42は、左右一対の中背もたれ縦フレームパイプ421と、この中背もたれ縦フレームパイプ421の上端部間及び下端部間にそれぞれ横架させた中背もたれ上横フレームパイプ422及び中背もたれ下横フレームパイプ423とを具備するものである。 【0031】 背もたれ4を構成する上背もたれ部43は、左右一対の上背もたれ縦フレームパイプ431aと各上背もたれ縦フレームパイプ431aの上端部間を接続してなる上背もたれ上横フレームパイプ431bとを一体成形した正面視略門型をなす上背もたれフレームパイプ本体431と、各上背もたれ縦フレームパイプ431aの中央部間に横架させた上背もたれ中横フレームパイプと、この上背もたれ中横フレームパイプ432と上背もたれ上横フレームパイプ431bとを接続する一対のスライドレール433とを具備するものである。 【0032】 このような各背もたれ部41、42、43の各フレームパイプの前面側に例えばウレタン等の弾性を有する素材を用いて形成した背クッション44を配するとともに、これら各背もたれ部41、42、43を布製の背もたれカバー部45によって被覆している。 【0033】 ヘッドレスト5は、図4に示すように、上背もたれ部43のスライドレール433に取付金具55を介して取り付けられる枕ベース51と、枕ベース51の前面側に設けられるヘッドクッション52と、このヘッドクッション52を被覆する枕カバー部53と、この枕カバー部53をさらに被覆するウォッシャブルカバー部54とを備えたものである 枕ベース51は、枕ベース本体511と、この枕ベース本体511の両側端にそれぞれヒンジ51hを介して設けられ枕ベース本体511に対して所定角度範囲内で角度変化可能な一対の可動ベース体512とを備えたものであり、枕ベース本体511の両側端部に、後述する引込用ゴム紐531が引っ掛かり得る引っ掛け部511aを形成している。 【0034】 ヘッドクッション52は、枕ベース本体511に支持されるヘッドクッション本体521と、ヘッドクッション本体521の両側端部に配され可動ベース体512に支持される一対の可動クッション体522とを備えたものであり、これらヘッドクッション本体521及び可動クッション体522は、それぞれ前方に膨出した断面視略部分円弧状をなし、適宜箇所において相互を縫い合わせることにより一体的に取り付けてある。 【0035】 枕カバー部53は、背面側において前記ヘッドクッション本体521を表出させた状態でヘッドクッション52を被覆するものであり、内面側にヘッドクッション本体521及び枕ベース本体511を周回し得る引込用ゴム紐531を内面側に設けている。そして、この枕カバー部53によってヘッドクッション52及び枕ベース51を被覆した状態で、前記引込用ゴム紐531を枕ベース本体511の引っ掛け部511aに引っ掛けてヘッドクッション本体521及び枕ベース本体511に周回させるととともに、枕カバー部53の上端部及び下端部に設けた面ファスナー53fと枕ベース本体511の上端部及び下端部に設けた面ファスナー511fとを相互に留めている。 【0036】 ウォッシャブルカバー部54は、背面側において前記枕ベース本体511を表出させた状態で面ファスナー54fを利用して枕カバー部53の外面を被覆するものであり、上端部に設けた樹脂ボタン(オス)54bを、枕カバー部53の上端部に設けた樹脂ボタン(メス)53bに留めることにより枕カバー部53に取り付けている。 【0037】 このような構成を有するヘッドレスト5は、取付金具55を介して上背もたれ部43の一対のスライドレール433に取り付けられ、背もたれ4の高さ方向に沿ってスライド可能に設定されるとともに、ヘッドレスト5の両端部をヘッドレスト5の中央部に向かって内側へ折り曲げる操作力を付与することにより、可動ベース体512がヒンジ51hを利用して枕ベース本体511に対して角度変化し、この可動ベース体512の角度変化に連動して可動クッション体522がヘッドクッション本体521に対して角度変化する。このように、本実施形態のヘッドレスト5は、両側端部の角度調整を行えるように設定し、着座者の頭部を安定した状態で支持することができるようにしている。 【0038】 レッグレスト6は、互いに連動動作する先端側レッグレスト部61と基端側レッグレスト部62との2つのレッグレスト部61、62を備えたものである。そして、前記起立状態では、先端側レッグレスト部61の略全体が基端側レッグレスト部62に収容される一方、前記水平状態では、先端側レッグレスト部61の略全体が基端側レッグレスト部62から露出するように構成されている。 【0039】 肘掛7は、側面視略部分円弧状を成す肘掛本体71と、肘掛本体71の前端部及び後端部に接続され且つ前記左ベース部111及び右ベース部112の上ベースパイプ111bに支持される肘掛前支持部72と肘掛後支持部73とを具備するとともに、肘掛本体71の上端部を略覆う位置に肘掛カバー部74を設けている。なお、本実施形態では、肘掛本体71と肘掛前支持部72と肘掛後支持部73とをアルミダイキャストにより一体に形成する一方、肘掛カバー部74を木製にて形成しているが、これら各部を同一素材で形成すること等を妨げない。 【0040】 補助作業台8は、平面視略矩形状をなす薄板状の補助作業台本体81と、この補助作業台本体81の裏面に設けた補助作業台用アーム部82と、前記補助作業台本体81を水平面内で回動し得るように前記補助作業台用アーム部82を回動可能に支持し且つ右ベース部112の前端部に支持される補助作業台用支持支柱83とを具備するものである。なお、本実施形態では、補助作業台本体81の幅寸法を座本体21の幅寸法と略一致させた木製のものとしているが、各部の寸法及び素材等は実施態様に応じて適宜変更可能である。 【0041】 このような各部から構成される本実施形態に係る椅子Xは、さらに、本体座受31の後傾動作に対応して、座2と背もたれ4とを連動させながら後傾動作させる連動後傾装置Aと、補助座22の座面を座本体21の座面を略一致させてなる第1使用位置と補助座22の座面を座本体21の座面より低位置に位置付けてなる第2使用位置との間で補助座22を座本体21に対して昇降移動させるための昇降移動装置Bと、図示しない共通のアクチュエータを用いて前記レッグレスト6を回動させつつ伸長させて略水平な水平状態又は回動させつつ縮小させて略起立する起立状態にするレッグレスト部用駆動装置Cと、下背もたれ部41に対して中背もたれ部42を通常姿勢より後方に後折れさせるための背反り装置Dと、中背もたれ部42に対して上背もたれ部43を通常姿勢より前方に前折れさせるための前折れ装置Eとを具備している。 【0042】 そして、本実施形態の椅子Xは、連動後傾装置A、昇降移動装置B、レッグレスト部用駆動装置C、背反り装置D及び前折れ装置Eの中から1または複数選択して適宜動作させることにより、例えば、アップライト作業に最適とされる通常の着座姿勢(図5(a))、胡坐姿勢(図5(b))、リクライニング作業に最適とされる姿勢(図6(e))、各種ストレッチングに最適とされる姿勢(図5(c)、(d)及び図6(f))、仮眠に最適とされる姿勢(図6(g))、睡眠に最適とされる姿勢(図6(h))など着座者の様々な使用態様に対応した背角度及び座角度等を実現して、ホームワーカの知的活動を好適に支援したり、作業の合間に効果的にリフレッシュしたり、短時間での休息の効果を向上させたりすることができるようにしてある。 【0043】 また、背もたれ4に、作業姿勢をサポートするためのランバーサポート装置Gを備えるようにしてもよい。 【0044】 このランバーサポート装置Gの具体的な態様としては、図7(なお、同図(a)、(b)は、それぞれはランバーサポート装置Gの平面図、正面図である)に示すように例えば、薄肉で断面視略部分円弧状を成す4枚の可動バーG1と、最下段の可動バーG1のにさらに下端側に配され且つ同図に示さない前記下背もたれ横フレームパイプ412に取り付けられるベース板G2と、隣接する可動バーG1同士の両端部及び最下端の可動バーG1とベース板G2との両端部を連結する一対のジョイント部材G3と、最上段の可動バーG1をベース板G2側に引き寄せるためのランバーサポート操作部G4と具備し、ランバーサポート操作部G4を操作して最上段の可動バーG1をベース板G2側に引き寄せることにより、4枚の可動バーG1が、同図(a)に示す矢印Gaの方向に全体的に撓んで、着座者の腰部をサポートするランバーサポートとしての機能を発揮するようにしたものが挙げられる。 【0045】 また、このとき、ランバーサポート操作部G4が、略三角形状を成すとともにベース板G2に中央部を回動可能に支持させたカム部材G41と、一端側G42aを最上段の可動バーG1に取り付けられ且つ他端側G42bをカム部材G41の一端部G41aに回動可能に支持される薄板状の可動バー引き寄せ部材G42と、ベース板G2に2箇所G2x、G2yで支持され且つ一端側にランバーサポート調整用グリップG431を備え且つ他端側でカム部材G41の他端部G41bを枢支するネジ棒G43などとを備えるようにしているが、ランバーサポート操作部G4の構成はこれに限られない。 【0046】 しかして、本実施形態に係る座2は、特に座本体21に特徴を有するものであり、以下に図8及び図9を参照して詳述する。なお、図8(a)は座2の平面図であり、同図(b)は(a)におけるA−A線断面図、同図(c)は(a)におけるB−B線断面図である。 【0047】 本実施形態に係る座本体21を構成する座板211は、合板からなる薄板状のものであり、その中央部、すなわち着座者が着座した際に臀部Hが位置し得る部位に肉厚方向に貫通させてなる開口部211aを形成し、この開口部211aの上方を被覆する位置に弾性を有する張り部材211bを設けている。なお、図8(a)では張り部材211bをパターンを付して示している。本実施形態では、座板211の肉厚寸法を15mmに設定するとともに、座板211の左右方向に沿った寸法(幅寸法)を600mm、座板211の前後方向に沿った寸法(奥行き寸法)を310mmにそれぞれ設定している。また、開口部211aは、例えば開口幅寸法を250mm、開口奥行き寸法を230mmにそれぞれ設定したものである。この開口部211aの上方を被覆する張り部材211bは、開口部211aの開口幅寸法及び開口奥行き寸法より若干大きい寸法に設定され、縁部を座板211の上面側における開口部211aの縁部にタッカ留め等により座板211に一体的に取り付けたものである。本実施形態では、張り部材211bとして、化学繊維性材を網目状にしたいわゆるバネメッシュを適用している。この張り部材211bの下方は開口空間Sとなっているため、張り部材211bが上方から荷重を受けた場合に下方に撓み変形する。 【0048】 座クッション212は、硬質弾性材を用いて形成した硬質部2A及び硬質弾性材より軟らかい軟質弾性材を用いて形成した軟質部2Bとを有する第1クッション層212aと、この第1クッション層212aの下方に設けられ且つ硬質部2Aのみからなる第2クッション層212bとを層状に重合させたものである。 【0049】 第1クッション層212a及び第2クッション層212bはそれぞれ前記座板211の平面視形状と略対応する平面視形状をなしており、第1クッション層212aの肉厚寸法を30mm、第2クッション層212bの肉厚寸法を25mmに設定し、座クッション212全体の肉厚寸法を55mmとしている。 【0050】 第1クッション層212aは、座板211に形成した開口部211aの形成箇所に略対応する部位、すなわち着座者が着座した際に臀部Hが位置し得る部位に設けた前記軟質部2Bと、この軟質部2Bの少なくとも前方及び両側方に設けた硬質部2Aとを備えたものである。なお、本実施形態では、軟質部2Bの後縁部が、開口部211aの後縁部よりも後方に延び、第1クッション層212aの後縁部を形成するように設定している。また、第1クッション層212aには、平面視における硬質部2Aと軟質部2Bとの境界線L1の近傍領域に、硬質部2Aの上方に前記軟質部2Bを積層した積層部2Cを設けている。この積層部2Cは、図8(b)に示すように、硬質部2Aの肉厚寸法を前記境界線L1から第1クッション層212aの中心部に向かって漸次小さく設定するとともに、軟質部2Bの肉厚寸法を前記境界線L1から第1クッション層212aの中心に向かって漸次大きく設定することにより形成したものである。このような第1クッション層212aを断面視した場合、積層部2Cにおいて硬質部2Aと軟質部2Bとの境界線L2が第1クッション層212aの下面に対して所定角度をなしている。本実施形態では、この境界線L2の角度を45度に設定してある。なお、この境界線L2の角度は、適宜変更しても勿論構わない。ここで、着座者が着座した際に着座者の左右の坐骨結節Haが軟質部2B又は積層部2Cに位置し得るように、平面視における硬質部2Aと軟質部2Bとの境界線L1のうち、一側方側の境界線L1aと他側方側の境界線L1bとの離間距離を、着座者の坐骨結節Ha間の距離より大きく設定している(図9参照)。本実施形態では、平面視における硬質部2Aと軟質部2Bとの境界線L1のうち、一側方側の境界線L1aと他側方側の境界線L1bとの離間距離を250mmに設定してある。 【0051】 一方、第2クッション層212bは、軟質部2B及び積層部2Cを有さず、全部位を硬質部2Aのみから形成したものである。 【0052】 本実施形態において、硬質部2A及び軟質部2Bは、それぞれ硬さの相異なる略密実なウレタン層より構成され、荷重を受ける受圧領域が弾性変形することで着座時の衝撃を吸収する役割を果たす。具体的には、硬質部2Aを、所要の形状に成形した弾性率の比較的大きい(例えば密度40kg/m3)硬質ウレタン層を用いて構成し、軟質部2Bを、所要の形状に成形した弾性率の比較的小さい(例えば密度33kg/m3)軟質ウレタン層を用いて構成している。そして、第1クッション層212aは、軟質部2Bの前方及び両側方に硬質部2Aを接合したものであり、この第1クッション層212aの下面側に第2クッション層212bを接合することにより座クッション212が形成される。 【0053】 このような構成を有する座クッション212を、座板211の上面側に接着糊等を用いて取り付けている。 【0054】 なお、本実施形態では、補助座22の補助座板221には開口部を設けず、また補助座クッション222を硬質弾性材を用いて形成した硬質部2Aのみから形成している。 【0055】 このような座2に着座した場合、着座者の臀部Hが座本体21の第1クッション層212aの軟質部2Bに接触して荷重が加わることにより、この軟質部2Bが収縮変形し、これに伴って第2クッション層212bのうち第1クッション層212aの軟質部2Bに対応する硬質部2Aも収縮変形するとともに、座板211に設けた張り部材211bが開口空間Sを利用して下方に沈み込む。その結果、第1クッション層212aの軟質部2Bがより大きく収縮変形し、第1クッション層212aの硬質部2Aと共に座面に凹陥形状(いわゆるR形状)を形成する(図5、6参照)。このように、座本体212の座面が着座者の臀部Hや股の付け根部分に適切にフィットするいわゆるR形状となり、着座者は快適な座り心地を得ることができる。しかも、着座者の坐骨結節Haが第1クッション層212aの軟質部2B又は積層部2Cに緩やかに支持されるため、臀部Hの体圧分散を好適に行うことができ、図5及び図6に示す各座姿勢において良好なクッション性を得ることができる。 【0056】 このように、本実施形態に係る座2であれば、座2を構成する座本体21全体の肉厚寸法を小さく(本実施形態では略70mm)設定しつつ、弾性材の部分的な使い分けにより臀部Hを緩やかに支えるとともに、座板211に設けた張り部材211bが下方に撓み変形することにより座本体21全体のクッション性をさらに向上させることができ、底着き感を伴うことなく従来の厚手の座と同等の良好な座り心地を得ることができる。また薄手に仕上げることでデザインの幅を広げることも可能である。 【0057】 特に、第1クッション層212aの積層部2Cにおいて、硬質部2Aの肉厚寸法を平面視における硬質部2Aと軟質部2Bとの境界線L1から座クッション212の中心部に向かって漸次小さく設定するとともに、軟質部2Bの肉厚寸法を前記境界線L1から座クッション212の中心部に向かって漸次大きく設定しているため、着座した際に硬質部2Aと軟質部2Bとの境界が着座者に感じ取られることがなく、臀部Hの当たりが柔らかくなるとともに、良好なホールド感を得ることができる。 【0058】 さらに、平面視における前記硬質部2Aと前記軟質部2Bとの境界線L1のうち、一側方側の境界線L1aと他側方側の境界線L1bとの離間距離を、着座者の坐骨結節Ha間の距離より大きく設定しているので、坐骨結節Haが軟質部2B又は積層部2Cで支持されることとなり、軟質部2B及び積層部2Cが無理なく沈み込み、臀部Hの体圧分散を良くし、快適に着座することができる。 【0059】 また、座クッション212を、軟質部2Bを有する第1クッション層212aと、この第1クッション層212aの下方に設けられ且つ硬質部2Aのみからなる第2クッション層212bとを積層した層状のものであるため、第1クッション層212aの軟質部2Bが過度に沈み込むことを抑制し、最適な座り心地を実現することができる。 【0060】 また、座板211の開口部211aを被覆する張り部材211bとして化学繊維性材を網目状にしたいわゆるバネメッシュを適用しているため、簡素なものでありながら荷重を受けた場合にはその弾性により有効に撓み変形し、座本体21の良好なクッション性の実現に寄与する。しかも、市販されているバネメッシュを用いれば、専用の張り部材を用いる場合と比較して、コストを抑えることができる。 【0061】 なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。 【0062】 例えば、座板の中央部に、肉厚方向に貫通させてなる前記開口部の代わりに、座板の他の領域より上面を低位置に設定した凹部を形成し、この凹部の上方を被覆する位置に張り部材を設けてもよい。このようなものであっても、張り部材が凹部の底面との間に形成された空間を利用して、荷重を受けた場合には弾性変形するため、良好なクッション性を得ることができ、前記実施形態と略同様の効果を得ることができる。 【0063】 また、座クッションを本実施形態の第1クッション層、つまり軟質部と硬質部とを有するクッション層のみから構成しても構わない。このようなものであれば、座クッションの肉厚寸法をさらに小さく設定することができ、デザイン性に富むものとなる。 【0064】 座クッションを構成する器材や、硬質部、軟質部の形状等は、上記実施形態以外にも種々の態様にて構成することができる。即ち、ウレタン以外の素材を座クッションに用いることも可能であり、あるいは、弾性率の相違する3種類以上の素材を用いて座クッションを構成することも可能である。加えて、積層部を有さない座クッションとしてもよい。 【0065】 また、張り部材は座板の開口部又は凹部を被覆し且つ弾性を有するものであればよく、例えば、板バネや板ゴム等を用いても構わない。 【0066】 また、上記実施形態に示す補助座を設けず、座本体に相当する部材のみで座を構成してもよい。 【0067】 上記実施形態に示した椅子は一例であり、他の構成を有する椅子や、あるいは車や電車のシートに本発明に係る座(特に本実施形態における座本体)を適用しても勿論構わない。その場合には、各部材の寸法や位置関係は各々の実施態様に応じて適宜変更すればよい。 【0068】 その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の寸法や素材を種々変形しても構わない。 【図面の簡単な説明】 【0069】 【図1】本発明の一実施形態に係る座を適用した椅子を示す全体斜視図。 【図2】同実施形態における椅子を一部省略して模式的に示す左側面図。 【図3】同実施形態における椅子を一部省略して模式的に示す正面図。 【図4】同実施形態におけるヘッドレストの分解斜視図。 【図5】同実施形態における椅子の使用態様を模式的に示す図。 【図6】同実施形態における椅子の他の使用態様を模式的に示す図。 【図7】同実施形態におけるランバーサポート装置を示す図。 【図8】同実施形態に係る座を示す図。 【図9】同実施形態に係る座の作用説明図。 【符号の説明】 【0070】 21…座本体 211…座板 211a…開口部 211b…張り部材 212…座クッション 212a…第1クッション層 212b…第2クッション層 2A…硬質部 2B…軟質部 2C…積層部 Ha…坐骨結節
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001351 【氏名又は名称】コクヨ株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
|
| 【出願日】 |
平成17年1月31日(2005.1.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085338 【弁理士】 【氏名又は名称】赤澤 一博
|
| 【公開番号】 |
特開2006−204704(P2006−204704A) |
| 【公開日】 |
平成18年8月10日(2006.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2005−23214(P2005−23214) |
|