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【発明の名称】 くさびクリアランス補償を有するヒンジ取付具
【発明者】 【氏名】ブルクハルド ベッカー

【氏名】フランツ ハーリ

【要約】 【課題】最小の構造となり、より軽量かつ取付が容易となるヒンジ取付具の提供。

【解決手段】ヒンジ取付具は、第1のリングギヤ(20)と、第2のリングギヤ(22)と、駆動ユニットとを有し、前記2つのリングギヤは、軸(24)を中心に互いに相対して回転可能であり、前記軸に中心が合わされており、駆動ユニットは、シャフト(28)と、凹部(34)と、駆動部材(32)と、くさび形片(44)と、一致面(38)と、弾性手段(50)とを備える補償ユニットと、を備えており、駆動部材は、一致面によって形成された基部を有する半径方向の切欠き(36)を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節可能な車両シート用のヒンジ取付具、より具体的には自動車シートのシートバックのためのヒンジ取付具であって、第1のリングギヤ(20)と、第2のリングギヤ(22)と、駆動ユニットとを有し、前記2つのリングギヤは、軸(24)を中心に互いに相対して回転可能であり、前記軸(24)に中心が合わされており、前記駆動ユニットは、
a)前記軸(24)に中心が合わされた、調整移動を開始するためのシャフト(28)と、b)前記軸(24)に対し距離eでオフセットされた、中心にある円形の凹部(34)と、c)前記凹部(34)に配置され、前記凹部(34)に対して嵌合(fit)し、前記軸(28)に回転可能に結合された駆動部材(32)と、d)前記シャフト(28)に接続されたくさび形片(44)と、前記くさび形片(44)と共同する、前記駆動部材(32)に形成された一致面(38)と、前記駆動部材(32)が前記くさび形片(44)の最高点に向けて押し付けられるように、前記駆動部材(32)を偏らせる、弾性手段(50)とを備える補償ユニットと、を備える、ヒンジ取付具において、
前記駆動部材(32)は、前記一致面(38)によって形成された基部を有する半径方向の切欠き(36)を有することを特徴とするヒンジ取付具。
【請求項2】
前記切欠き(36)は、前記シャフト(28)の直径に適合された幅を有することを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項3】
前記切欠き(36)は、前記シャフトおよび前記くさび形片(44)によって、実質的に完全に埋められることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項4】
前記2つのリングギヤ(20,22)は、内部リングギヤであり、前記駆動輪(driver wheel)(30)は、外側の歯面を備えることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項5】
前記2つのリングギヤ(20,22)は、異なる歯数を有し、この数歯の差が、可能な限り最小であり、前記差は、より具体的には1であることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項6】
前記2つのリングギヤ(20,22)の境界の周りに、これらを一体にし、前記一方のリングギヤ(20)を、前記他方(22)に対して回転可能にする周囲グリップを形成する、管状のクランプ(52)が設けられることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項7】
突起(48)が、前記シャフト(28)に接続され、前記突起は、前記くさび形片(44)と、2つの横ドッグとを形成し、前記横ドッグは、前記くさび形片(44)に対してそれぞれ90°オフセットされており、前記横ドッグは、前記切欠き(36)の側面に対して嵌合することを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項8】
前記突起(48)は、リングギヤ(例えば20)に対して軸方向に嵌合する、少なくとも1つの当接面を備えることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項9】
前記弾性手段(50)は、前記2つのリングギヤ(20,22)の間に配置され、または前記弾性手段(50)は、前記2つのリングギヤ(20,22)の外側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項10】
前記駆動部材(32)および/または前記くさび形片(44)は、前記駆動輪(30)に相対して軸方向に移動可能となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【請求項11】
前記駆動部材(32)または前記くさび形片(44)は、前記駆動輪(30)に相対して移動できないように軸方向に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ取付具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に係るヒンジ取付具(hinge mounting)に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなヒンジ取付具は、本出願者の文献、独国特許第19541938号により知られている。この先行技術のヒンジ取付具においては、第1のリングギヤが、第1のヒンジアームに形成され、第2のリングギヤが、同様に、第2のヒンジアームに形成されている。リングギヤは、両方とも内部リングギヤである。駆動ギヤが、外側に歯がある円盤形の歯車として構成され、その中央の凹部に、偏心(eccentric)としても知られている駆動部材が配置されている。
【特許文献1】独国特許第19541938号
【0003】
同様のヒンジ取付具が、独国特許第3013304号により知られている。このヒンジ取付具では、凹部に一致(mate)するように湾曲する2つのくさび形片によって、クリアランスが補償されている。これらは、偏心が最大となる位置に配置される。これと対照的に、上述したヒンジ取付具においては、駆動部材が、偏心軸から最小の距離で離れた凹部の位置に対して直接嵌合(fit)する。独国特許第4437073号に係るヒンジ取付具では、湾曲するリーフスプリングが、クリアランスを補償するために設けられ、前記リーフスプリングもまた、凹部内の偏心が最大となる位置に配置されている。
【特許文献2】独国特許第3013304号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基本的に、上述したタイプのヒンジ取付具は、効率的であることが証明されており、実際に実現され活用されている。このヒンジ取付具は、電動および手動動作に適している。本発明は、先行技術のヒンジ取付具の利点を維持することを意図している。その目的は、このヒンジ取付具をさらに発展させることである。本発明の目的は、先行技術のヒンジ取付具を、最小の構造となり、より軽量かつ取り付けが容易となるように発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の機能に係るヒンジ取付具によって解決される。
【0006】
このヒンジ取付具において、偏心としても知られる駆動部材は、シャフトに横向きに押し付けることができ、ねじ山を付ける(threaded)必要はない。駆動部材は、非常に小さく構成してもよく、シャフトは、凹部の内側で、中心から大きく離れている。駆動部材は、シャフトと凹部の間に残る隙間が非常に小さくなるように、凹部の内面領域に直接近接させて配置してもよい。上述した現行の技術と比べると、凹部の直径は非常に小さい。
【0007】
本発明のヒンジ取付具は、特に、旋盤加工された円形板(lathed round plate)と呼ばれるものに適しており、これは、実体として操作または取り付けることが可能なユニットを形成し、一方で、第1のヒンジアームおよび第2のヒンジアームに接続される。
【0008】
本発明の好適な展開において、凹部は、シャフトおよびくさび形片によって、実質的に完全に埋められている。
【0009】
駆動部材の凹部が、シャフトの直径とほぼ同じ幅となることが好ましい。この配置により、小さな構造が達成される。しかしながら、基本的に、凹部をより広く形成する、および/またはシャフトに非常に小さな直径を持たせることが可能である。
【0010】
突起を、シャフトに接続することが好ましい。前記突起は、一方でくさび形片を形成し、他方で、2つの横ドッグを有し、2つの横ドッグは、くさび形片に対してそれぞれ90°オフセットされている。これらの横ドッグは、凹部の側面に対して嵌合する。これらは、駆動部材を、シャフトが回転する間、シャフトと共に回転させる。
【0011】
しかしながら、くさび面を、シャフトの外形の内側に構成することも可能である。この目的のために、シャフトをそれに応じて加工し、特に、くさび面およびドッグが配置されるサイズにする。
【0012】
くさび形片が、それ自体、シャフトに固定的に接続されることが好ましい。他の可能性は、しかしながら、くさび形片を、好ましくはガイド手段において、シャフトに相対して、すなわち軸方向に移動可能に配置することである。この場合、好ましくは、ばねが設けられ、前記ばねは、弾性手段の動作を補助するか、あるいは弾性手段を完全に取り除いて、移動可能なくさび形片とシャフトの間に配置することを可能にする。
【0013】
他の有利な展開において、突起は、リングギヤに対して軸方向に嵌合する、少なくとも1つの軸方向の当接面を有する。弾性手段は、駆動部材に直接負荷をかけさせ、その結果、シャフトにも軸方向に負荷がかかる。シャフトの軸方向の移動は、当接面によって制限される。
【0014】
有利な展開の実施において、シャフトは、その2つの端の少なくとも一方において、円形以外の形となる。この円形以外の部分は、例えば、六角形のソケットとして構成してもよい。例えばはずみ車(hand-wheel)に接続された駆動部分、または駆動電気モータが、この六角形のソケットとかみ合う。シャフトは、この駆動部分に対して、小さい範囲で軸方向に移動可能である。
【0015】
本発明の他の特性および利点は、添付の特許請求の範囲、および単なる例として図面を参照して述べられる、以下の本発明の2つの実施形態の非限定的な説明を考察することによって、より明確となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ヒンジ取付具は、第1のリングギヤ20と、第2のリングギヤ22とを有する。これらは、両方とも軸(axis)24に中心が合わされており、この軸24を中心に互いに相対して回転可能である。このために、これらは、それぞれ1つの孔26を有し、この孔を通して、シャフト(shaft)28が自在に延びる。シャフト28は、軸24に中心が合わされている。
【0017】
シャフト28は、駆動ユニットの一部であり、駆動ユニットは、駆動輪(driver wheel)30と、駆動部材32と、補償ユニットとをさらに含む。駆動輪30は、外側に歯がある歯車として構成され、内側に歯がある第1のリングギヤ20および内側に歯がある第2のリングギヤ22とかみ合う。駆動輪30は、内部のリングギヤ20,22の内側で、揺動可能となるように構成されている。
【0018】
示される実施形態において、駆動輪30には、歯面が設けられており、この歯面は、2つのリングギヤ20,22に共通しており、2つのリングギヤ20,22に対して同一である。また、互いに固定的に接続された2つの異なる歯車で形成され、一方の歯車が、第1のリングギヤ20とかみ合い、他方の歯車が、第2のリングギヤ22と共同する、駆動輪30を持つことも、当然ながら可能である。駆動輪30は、凹部34を有し、凹部34は、駆動輪30の歯面に中心が合わされ、さらに円形となっている。
【0019】
この凹部34には、駆動部材32が配置されている。図面に見られるように、これは実質的にU形をしている。駆動部材32は、180°を超えて延びる外面を有し、凹部34と一致(mate)する。この外面が終わる場所で、切欠き36が始まる。切欠き36は、一致面(mating surface)38および2つの同様に形成された側面40によって定義される。一致面38は傾斜しており、くさび形片44によって形成されるくさび面42と一致する。側面40は、互いに平行に延びている。一致面38は、切欠き36の基部を形成する。
【0020】
駆動部材32の外面は、偏心軸46に中心が合わされている。前記偏心軸は、軸24に対して距離eでオフセットされている。駆動部材32は、対称面を有する。対称面は、軸24および偏心46によって定義される平面に位置する。したがって、対称面は、側面40に平行に、一致面38の正確な中心を通って延びている。駆動部材32は、駆動輪30の厚さにほぼ一致する厚さ(軸方向に測った場合)を有する。駆動部材32の外面および/または凹部34の内壁に、グリース潤滑、PTFE減摩コーティングなどの摩擦最小化手段、あるいは摩擦または玉軸受を設けてもよい。
【0021】
くさび型片44は、シャフト28に固定的に接続された突起48の一部である。この突起48は、くさび型片44だけでなく、2つの横ドッグ(lateral dog)50も形成し、これらの横ドッグは、側面40に相対して90°オフセットされており、それぞれ1つのドッグ面を形成し、前記ドッグ面は、前述の対称面と平行である。これらのドッグ50は、切欠き36の側面40に対して嵌合(fit)する。くさび面42は、一致面38に接触する。駆動部材32が軸方向に動かされると、その一致面38が、くさび面42に沿ってスライドする。その結果、駆動部材32が、移動の方向に応じて、より大きな、またはより小さな半径距離で、軸24から離れて動かされる。この移動はクリアランスを補償する。
【0022】
弾性手段50が、駆動部材32と関連付けられている。図1に係る実施形態において、この弾性手段50は、ばね鋼板から切り出されて曲げられたほぼU形の片である。弾性手段50は、駆動部材の側面を実質的に覆って前記側面に対して嵌合し、他方で、第2のリングギヤ22に対して嵌合する。弾性手段50は、駆動部材32を、クリアランスが補償されるまで、くさび面42を横切って上向きに押し上げる。
【0023】
図1に係る実施形態において、駆動部材32は、軸方向に移動可能である。シャフト28も、軸方向に移動可能としてもよいが、これは必須ではない。実際の動作では、シャフト28は、軸方向には移動せず、突起48を形成するその当接面が、第1のリングギヤ20に対して嵌合する。この突起48は、第2のリングギヤ22に向けられる他方の当接面が、第2のリングギヤ22にも直接近接して位置するような軸方向の長さを持つように、選択してもよい。
【0024】
図面に見られるように、2つのリングギヤ20,22は、円形のブランクから、実質的に打ち抜かれる。これらは、板状またはカップ形である。これらは、軸方向の終端を提供し、また、実質的にハウジング部分の機能も果たす。
【0025】
2つのリングギヤ20,22は、周辺の境界を有する。管状クランプ52が、前記境界の周りに周囲グリップ(surrounding grip)を形成する。これは、2つのリングギヤ20,22を、それらの位置に保持し、互いに結合させてユニットを形成させる。これにより、リングギヤ20,22はどちらとも、管状クランプに対して回転可能となる。しかし、2つのリングギヤのうちの1つを、管状クランプ52に対して動かせれば十分であろう。
【0026】
短い円筒状のボルト54およびより長い植込みボルト56が、リングギヤ20,22の軸方向の外面から、軸24に平行して突出する。ヒンジアーム(図示せず)を、ここで、前記ボルトまたは植込みボルト54,56にねじ止めすることができ、円筒形のボルト54は、強度に貢献し、一方で植込みボルト56は、この構造を締め付ける機能を果たす。
【0027】
上述した第1の実施形態と対照的に、図2に示される実施形態における弾性手段50は、2つのリングギヤ20,22の内側ではなく、これらの外側に配置されている。ここで、駆動部材32の材料の厚さは、2つのリングギヤ20,22の間の領域で軸方向に移動できないような厚さである。必要であれば、前記駆動部材の軸方向の移動を防ぐために、突起またはスライド手段などの追加的な手段が、駆動部材32に関連付けられる。
【0028】
シャフト28は、対照的に、軸方向に移動可能である。ここで、弾性手段50は、ベルビル(Belleville)ばね座金または波形(corrugated)座金の形状を有する。弾性手段50は、シャフト28を軸方向に偏らせる。具体的には、シャフト28は、図2の右側に引っ張られる。この移動は、駆動部材32をさらに上方に移動させ、これは、駆動部材32が、くさびの傾斜面に沿って上にスライドすることを意味する。固定リング58が、追加的に設けられ、前記固定リングは、それが保護および保持する弾性手段50の外側に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】円形板として構成され、内側に弾性手段が設けられているヒンジ取付具の、組み立て図の形態の斜視図である。
【図2】図1に類似するが、ここでは弾性手段がリングギヤの外側に配置された実施形態の図である。
【出願人】 【識別番号】506013896
【氏名又は名称】ツェー ローブ ハンマーシュタイン ゲーエムベーハー ウント コ ケージー
【氏名又は名称原語表記】C. Rob. Hammerstein GmbH & Co. KG
【出願日】 平成18年1月12日(2006.1.12)
【代理人】 【識別番号】100104396
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 信昭

【識別番号】100132403
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 儀雄

【公開番号】 特開2006−192275(P2006−192275A)
【公開日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願番号】 特願2006−5416(P2006−5416)