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【発明の名称】 麺質改良剤
【発明者】 【氏名】中村 正明
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【氏名】細見 知広
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【氏名】木村 雅和
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【要約】 【課題】麺同士の結着を防止・抑制してほぐれを改善した麺類、湯伸びを抑制した麺類、冷えてもつやを有する麺類を提供する。また、これらの麺類を調製するのに有用な麺質改良剤(麺ほぐれ改良剤、湯伸び抑制剤、つや付与剤)を提供する。

【解決手段】ヒドロキシプロピルセルロース、或いは、ヒドロキシプロピルセルロースと水溶性へミセルロースを1:10〜10:1(重量比)の割合で含む麺質改良剤を、麺原料に配合するか、当該改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロピルセルロースを含むことを特徴とする麺質改良剤。
【請求項2】
さらに水溶性へミセルロースを含有し、ヒドロキシプロピルセルロースと水溶性へミセルロースとの割合が1:10〜10:1(重量比)であることを特徴とする請求項1記載の麺質改良剤。
【請求項3】
麺ほぐれ改良剤である、請求項1または2に記載する麺質改良剤。
【請求項4】
湯伸び抑制剤である、請求項1または2に記載する麺質改良剤。
【請求項5】
つや付与剤である、請求項1または2に記載する麺質改良剤。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の麺質改良剤を含む麺類。
【請求項7】
請求項3に記載する麺ほぐれ改良剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または請求項3に記載する麺ほぐれ改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする麺類のほぐれを改良する方法。
【請求項8】
請求項4に記載する湯伸び抑制剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または請求項4に記載する湯伸び抑制剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする麺類の湯伸びを抑制する方法。
【請求項9】
請求項5に記載するつや付与剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または請求項5に記載するつや付与剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする麺類のつや出し方法。
【請求項10】
請求項3に記載する麺ほぐれ改良剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または請求項3に記載する麺ほぐれ改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする、ほぐれが改良された麺類の製造方法。
【請求項11】
請求項4に記載する湯伸び抑制剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または請求項4に記載する湯伸び抑制剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする、湯伸びが抑制された麺類の製造方法。
【請求項12】
請求項5に記載するつや付与剤を麺原料に配合して麺を製造するか、または請求項5に記載するつや付与剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする、つやを有する麺類の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は麺質改良剤に関する。詳細には、本発明は、麺同士の結着を防止または抑制してほぐれを改良する作用を有する麺質改良剤(麺ほぐれ改良剤)、湯伸びを抑制する作用を有する麺質改良剤(湯伸び抑制剤)、または麺類の表面に光沢(つや)を付与する作用を有する麺質改良剤(つや付与剤)に関する。さらに本発明は麺質改良剤の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ラーメン、スパゲティー、うどん、そばなどの麺類は、米、粟、麦類等の穀類を調理加工した食品であり、水とともに加熱調理されることにより、穀類由来の澱粉が膨潤、糊化することで弾力のある好ましい食感となって広く食されている。
【0003】
しかし、これらの麺類は、保存中、特に冷蔵保存すると麺表面の澱粉の老化が進むことにより、麺同士が結着し団子状になるという傾向がある。したがって、スーパーやコンビニエンスストアなどで弁当として販売される麺類は、調理後時間が経っていることから麺同士が結着し食べ難いこと、再加熱の際、団子状になっているため混ぜ難く、作業効率が低下するなどの問題がある。一般に、これらの麺類食品は喫食前に再加熱すると多少ほぐれがよくなる傾向にあるが、夏に需要の多い冷麺やざるそばなど、喫食前に加熱を伴わず、冷して食する麺類では、保存後に麺同士が結着し、団子状になることが特に大きな問題となっている。また、外観においても、特に冷時に麺表面に光沢(つや)がなくなることが課題となっている。
【0004】
このような問題を解決するために、種々の方法が検討されている。例えば、麺類に大豆由来の水溶性ヘミセルロースを添加または表面処理することによって、ほぐれ性を改良できることが知られている(例えば、特許文献1及び2等参照)。しかしながら、本発明者らの実験によると、この方法により製造された麺類は、冷時におけるほぐれ改良効果、および光沢(つや)付与効果が低い。
【0005】
更に、麺類は、小麦粉、かんすい、食塩、及び水といった比較的簡単な原料から作られるが、そのおいしさは麺類の食感に負うところが大きい。こうした麺類の食感は、適度な硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ、滑らかさ(つるみ感)、または喉ごしの良さなどから構成されるが、調理中または調理後の麺類の湯伸びによってこれらの食感は著しく低下する。このため、湯伸びしにくい麺類が望まれており、湯伸びを抑制するための改良剤も種々検討されている。
【0006】
湯伸びやゆで伸びを抑制する方法として、例えば麺類にローカストビーンガム、キサンタンガム、タラガム等の増粘多糖類を添加する方法等が知られている(例えば、特許文献3等参照)。しかしながら、これらの方法によると、麺類にコシなどの硬さは付与できるものの、麺特有の粘弾性や滑らかさに欠ける。
【0007】
また、食感的に多くの不満があった従来の乾燥即席麺に代わって、近年、ゆで麺を乾燥しない状態で長期保存できる生麺タイプの即席麺(ロングライフ麺:LL麺)が普及している。このLL麺の食感をより生麺に近い食感に改良するために、小麦グルテンより分画されたグルテニン主成分分画物を添加したLL麺類が提案されている(例えば、特許文献4等参照)。しかしながら、水分を多く含んだ状態で保存されるLL麺は、その保存性を高めるため酸性域で加熱殺菌処理されるため、「固さ」がでにくく「ポソポソ」とした脆い食感になる傾向がある。
【0008】
他に麺質の改良方法としては、即席麺の湯戻しを改良し、かつ湯戻し時の麺のほぐれを向上するためにアラビアガムを使用する方法が提案されているが(例えば特許文献5参照)、湯戻りはよくなるものの、湯伸びは却って悪くなることがあった。
【0009】
更には、加工めん類の成形性や保存性を向上させるために、めん原料にその乾燥重量100重量部あたり0.05〜5重量部の、メトキシ基含有量が26〜33重量%であるメチルセルロースを添加する方法(例えば特許文献6)や、保水性やコシなどの食感を改良する方法としてメチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテルを麺類に配合する方法が提案されている(例えば、特許文献7)。しかし、特に問題となっている湯伸び抑制効果については検討されていない。
【特許文献1】特開2001−314161号公報
【特許文献2】特開2000−139387号公報
【特許文献3】特開平7−107934号公報
【特許文献4】特開平6−153832号公報
【特許文献5】特開平10−155445号公報
【特許文献6】特開昭57−132855号公報
【特許文献7】特開2005−218409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、麺類の品質を改良するための剤(麺質改良剤)、具体的には、麺同士が結着し団子状になるのを防止または抑制し、麺類のほぐれ性を改良する剤(麺ほぐれ改良剤)、麺類の湯伸びを抑制する剤(湯伸び抑制剤)、または麺類に光沢(つや)を付与する剤(つや付与剤)を提供することを目的とする。さらに、本発明はかかる麺質改良剤(麺ほぐれ改良剤、湯伸び抑制剤、つや付与剤)を用いることによって、麺同士が結着して団子状になるのが抑制されてほぐれ性が改良された麺類、湯伸びが抑制された麺類、または光沢(つや)のある麺類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記に挙げられた麺類の品質(麺質)を改良するべく鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシプロピルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースと水溶性へミセルロースを1:10〜10:1(重量比)の割合で含む改良剤を、麺類の原料に配合して麺類を製造するか、またはこれらを含む溶液で生麺またはゆで麺等の加熱処理麺を処理することによって、(1)麺同士が結着し団子状になるのを防止・抑制して、麺類のほぐれを改善することができること、(2)麺類に、弾力のある固さと滑らかさ(つるみ)とからなる麺テクスチャーをバランスよく付与し、且つ湯伸び抑制作用を付与することができること、ならびに(3)麺類の表面に光沢(つや)を付与することができることを見いだした。
【0012】
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、以下の態様を有する。
項1.ヒドロキシプロピルセルロースを含むことを特徴とする麺質改良剤。
項2.さらに水溶性へミセルロースを含有し、ヒドロキシプロピルセルロースと水溶性へミセルロースとの割合が1:10〜10:1(重量比)であることを特徴とする項1記載の麺質改良剤。
項3.麺ほぐれ改良剤である、項1または2に記載する麺質改良剤。
項4.湯伸び抑制剤である、項1または2に記載する麺質改良剤。
項5.つや付与剤である、項1または2に記載する麺質改良剤。
項6.項2乃至5のいずれかに記載の麺質改良剤を含む麺類。
項7.項3に記載する麺ほぐれ改良剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または項3に記載する麺ほぐれ改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする麺類のほぐれを改良する方法。
項8.項4に記載する湯伸び抑制剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または項4に記載する湯伸び抑制剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする麺類の湯伸びを抑制する方法。
項9.項5に記載するつや付与剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または項5に記載するつや付与剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする麺類のつや出し方法。
項10.項3に記載する麺ほぐれ改良剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または項3に記載する麺ほぐれ改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする、ほぐれが改良された麺類の製造方法。
項11.項4に記載する湯伸び抑制剤を麺原料に配合して麺類を製造するか、または項4に記載する湯伸び抑制剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする、湯伸びが抑制された麺類の製造方法。
項12.項5に記載するつや付与剤を麺原料に配合して麺を製造するか、または項5に記載するつや付与剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することを特徴とする、つやを有する麺類の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の麺質改良剤(麺ほぐれ改良剤)によれば、麺同士が結着し団子状になるのを防止でき、麺類のほぐれ性を向上することができる。特に本発明の麺質改良剤(麺ほぐれ改良剤)によれば、冷えた状態または冷凍状態であっても良好なほぐれ改善効果を発揮することができる。また本発明の麺質改良剤(湯伸び抑制剤)によれば、ゆでるなどといった麺類の加熱処理中またはその後の湯伸び現象を抑制することができる。
【0014】
また、本発明の麺質改良剤によれば、麺類に適度の硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ及び滑らかさ(つるみ感)を付与することができるため、コシがあり喉ごしが良く、湯伸びがしにくい麺類を提供することができる。このため、本発明の麺質改良剤(湯伸び抑制剤)によれば、調理後すぐに食するものだけでなく、調理麺、生タイプ即席麺(以下LL麺)、冷凍麺、即席麺等の麺類においても、その製造時や保管後にも前述の食感を維持した麺類を提供することが可能となる。
【0015】
さらに本発明の麺質改良剤(つや付与剤)によれば、麺類につやを付与することができる。特に本発明の麺質改良剤(つや付与剤)によれば、麺類が温かい場合のみならず、冷えた状態であっても良好なつや出し効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明が対象とする麺類は、穀類(米、小麦、大麦、蕎麦、粟、稗等)の澱粉質を主原料として、これに加水混練して製麺したものであり、麺類の種類やその形状を特に限定するものではない。具体的には、例えば、うどん、中華麺、皮類(餃子や春巻きの皮などを含む)、和そば、素麺、冷麦、冷麺、ビーフン、はるさめ、きしめん、ヌードル、パスタ(マカロニやスパゲッティを含む)等が挙げられる。
【0017】
麺類の形態(加工の種類)も特に限定されるものではなく、生麺、ゆで麺、蒸し麺、乾麺、冷凍麺のいずれであってもよい。また、澱粉が既にα化しており、短時間の調理で食用に供することのできる即席麺であってもよい。かかる即席麺としては、加熱などのα化処理後、フライ乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥またはマイクロウェーブ乾燥等の種々の方法で乾燥調製される乾燥即席麺;冷凍即席麺;ロングライフ即席麺(LL麺)等を挙げることができる。なお、本発明でいう加熱処理麺とは、生麺に対して、ゆでる、蒸す、油ちょうする、炒める、または電磁波処理等といった、澱粉をα化する任意の加熱処理を施した麺を意味する。
【0018】
(1)ヒドロキシプロピルセルロースを含む麺質改良剤
本発明の麺質改良剤は、ヒドロキシプロピルセルロースを含むことを特徴とする。本発明の麺質改良剤によれば、前述するように麺同士が結着し団子状になるのを防止または抑制することにより、麺類のほぐれ性を改善することができる。特にヒドロキシプロピルセルロースを含む本発明の麺質改良剤は、麺類が冷えた状態または冷凍状態にあっても良好なほぐれ性を発揮することができる点で優れている。また、本発明の麺質改良剤によれば、調理時または調理後の保存時における湯伸びを抑制することができる。中でも、乾燥即席麺において、湯伸びを抑制する効果が高い。さらに本発明の麺質改良剤によれば、麺類の表面に光沢(つや)を付与することができる。特にヒドロキシプロピルセルロースを含む本発明の麺質改良剤は、麺類が冷えた状態にあっても良好なつや出し効果発揮することができる点で優れている。
【0019】
本発明で用いられるヒドロキシプロピルセルロースは、天然に広く存在するセルロース(パルプ)を原料とし、これを水酸化ナトリウムで処理した後、プロピレンオキサイド等のエーテル化剤と反応して得られる非イオン性の水溶性セルロースエーテルである。ヒドロキシプロピルセルロースの粘度としては特に制限されないが、2重量%水溶液に調製した場合の室温(25℃)時の粘度として、1mPa・s〜100,000mPa・s程度を挙げることができる(測定条件;BL型回転粘度計、ローターNo.1〜4、回転数6rpm、25℃)
このようなヒドロキシプロピルセルロースは商業上入手することができ、例えば、ハーキュリーズ社製のクルーセル(KLUCEL:商標、以下同じ)LF、クルーセルEF、クルーセルGF、クルーセルJF(以上、いずれも商品名)などを使用することができる。
【0020】
中でも、特に、麺類のほぐれを改良する場合は、粘度の低いヒドロキシプロピルセルロースを用いることが好ましい。具体的には、2重量%水溶液に調製した場合の室温(25℃)時の粘度として30mPa・s以下、より好ましくは15mPa・s以下を有するヒドロキシプロピルセルロースを使用するのが好ましい(測定条件;BL型回転粘度計、ローターNo.1〜4、回転数6rpm、25℃)。
【0021】
一方、麺類の湯伸び抑制効果を期待する場合には、粘度の高いヒドロキシプロピルセルロースを用いることが好ましい。具体的には、2重量%水溶液に調製した場合の室温(25℃)時の粘度として100mPa・s以上、より好ましくは150mPa・s以上を有するヒドロキシプロピルセルロースを使用するのが好ましい(測定条件;BL型回転粘度計、ローターNo.1〜4、回転数6rpm、25℃)。
【0022】
また、麺類へのつや付与効果を期待する場合には、粘度の低いヒドロキシプロピルセルロースを用いることが好ましい。具体的には、2重量%水溶液に調製した場合の室温(25℃)時の粘度として15mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下を有するヒドロキシプロピルセルロースを使用するのが好ましい(測定条件;BL型回転粘度計、ローターNo.1〜4、回転数6rpm、25℃)。
【0023】
本発明の麺質改良剤は、ヒドロキシプロピルセルロースを含むものであればよく、その限りにおいてヒドロキシプロピルセルロースだけからなるものであってもよいし、他の成分を含有するものであってもよい。他の成分としては、例えば、(1)湯伸び防止効果やコシなどの食感改良効果を主目的として本発明の麺質改良剤を用いる場合、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タラガム、プルラン、ペクチン、ラムザンガム、ヒドロキシプロピルセルロース以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースが好ましい)などの増粘安定剤、または水溶性ヘミセルロースを挙げることができる。また、(2)ほぐれ効果を主目的として本発明の麺質改良剤を用いる場合、他の成分としてヒドロキシプロピルセルロース以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースが好ましい)、水溶性ヘミセルロースなどを挙げることができる。さらに(3)つや出し効果を主目的として本発明の麺質改良剤を用いる場合、他の成分としてプルラン、ヒドロキシプロピルセルロース以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースが好ましい)または水溶性ヘミセルロースを挙げることができる。かかる他の成分を含有する場合、麺質改良剤100重量%中に含まれるヒドロキシプロピルセルロースの含有量としては、(1)(2)(3)のいずれの場合でも、99〜10重量%、好ましくは99〜50重量%、より好ましくは99〜90重量%を挙げることができる。
【0024】
なお、麺質改良剤としてヒドロキシプロピルセルロースを用いる場合の上記効果以外の利点としては、麺類のほぐれ改善およびつや付与効果を期待して油分を添加する場合と比べて油浮きがなく低カロリーの麺類が得られることを挙げることができる。また、アレルギー疾患の患者向けにアレルゲンフリー原料から作られた麺(粟麺やキビ麺、タピオカ澱粉麺など)も数多く開発されており、このようなアレルゲンフリー原料から作られた麺に使用する場合、特に穀物や豆類に由来する水溶性ヘミセルロースを併用する場合と比べてアレルゲンフリーであるという点も上記利点として挙げることができる。
【0025】
本発明の麺質改良剤の麺類への適用方法は、当該改良剤が最終的に麺類に配合される方法であれば特に限定はされない。好ましくは、当該改良剤を麺類の原料に配合して麺類生地にそのまま練り込む方法、当該改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理する方法を挙げることができる。
【0026】
具体的には、以下の方法を例示することができる。
1.麺質改良剤を、直接あるいは水溶液に溶解或いは分散させてから麺類の原料に配合して、麺類生地に練り込む。
2.麺質改良剤を添加した水または熱湯にて麺類をゆでる。
3.ゆでるなどの任意の加熱処理をした麺類(加熱処理麺)を、麺質改良剤または麺質改良剤を水に溶解或いは分散させた溶液で表面処理する。
4.生麺または加熱処理麺を、麺質改良剤を調味液に溶解または分散させた溶液で表面処理する。
5.生麺または加熱処理麺を、麺質改良剤を溶解または分散させた油を用いて調理する。
【0027】
斯くして麺類のほぐれを改良すること(特に麺類が冷えた状態でのほぐれ改良)、麺類の湯伸びを抑制すること、または麺類につやを付与してつや出しする(特に麺類が冷えた状態でのつや出し)することが可能となる。なお、上記3および4でいう「表面処理」としては、制限されないが、塗布(被覆)、浸漬、および噴霧処理が含まれる。
【0028】
上記の処理方法の中でも、2〜5の方法は本発明の麺質改良剤を麺類の表面に付着させる方法の例示であり、特にほぐれ改良効果およびつや付与効果に有効である。1の方法は、麺質改良剤を麺類生地に練り込む方法の例示であり、特に湯伸びの抑制効果に有効である。
【0029】
本発明の麺質改良剤の麺類への添加量は、適用する麺類の種類やその製法(加工方法を含む)によって異なり、それに応じて適宜調整することができる。例えば、麺質改良剤を麺原料に配合して麺生地に練り込んで麺類を製造する場合(上記1の方法の場合)、ヒドロキシプロピルセルロース量に換算して、対粉(小麦粉などの穀物粉100重量部に対して)0.001〜5重量部程度、好ましくは、0.05〜3重量部、更に好ましくは、0.1〜2重量部となるような割合で添加することができる。
【0030】
また、麺質改良剤を用いて生麺や加熱処理麺を処理して麺類を製造する場合(上記2〜5の方法の場合)、処理液中のヒドロキシプロピルセルロースの濃度が0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%となるように麺質改良剤を用いることができる。なお、処理方法が噴霧の場合、ヒドロキシプロピルセルロースの濃度は、更に好ましくは1〜2重量%となるように麺質改良剤を用いることができる。
【0031】
(2)ヒドロキシプロピルセルロースおよび水溶性ヘミセルロースを含む麺質改良剤
本発明の麺質改良剤は、ヒドロキシプロピルセルロースに加えて水溶性ヘミセルロースを含有するものであってもよい。ヒドロキシプロピルセルロースと水溶性ヘミセルロースとを併用する場合、これらの配合割合(重量比)としては、ヒドロキシプロピルセルロース:水溶性へミセルロース=1:10〜10:1、好ましくは1:9〜9:1の割合を挙げることができる。これをヒドロキシプロピルセルロース100重量部に対する水溶性へミセルロースの割合に換算すると10〜1000重量部、好ましくは約10〜900重量部となる。当該水溶性へミセルロースの割合として、より好ましくは20〜250重量部、さらに好ましくは40〜100重量部である。
【0032】
かかる麺質改良剤によれば、ヒドロキシプロピルセルロースが有する上記の麺質改良効果(麺類のほぐれ改良効果、麺類の湯伸び抑制効果、麺類のつや付与効果)をより一層向上することができる。ヒドロキシプロピルセルロースと水溶性ヘミセルロースとを組み合わせることによって、温時のみならず、麺類が冷えた状態または冷凍状態であっても、良好にほぐれ改善効果を発揮することができる。
【0033】
本発明で用いられる水溶性ヘミセルロースは、油糧種子(大豆、パーム、椰子、コーン、綿実等)または穀類(米、小麦等)や豆類(小豆、エンドウ豆、大豆等)を原料とし、それらから通常の方法で油脂、タンパク質および澱粉質を除いた穀又は粕を用いて、それらを酸性乃至アルカリ性の条件下、好ましくは各々のタンパク質の等電点付近のpHで、好ましくは80℃以上130℃以下、より好ましくは100℃以上130℃以下で加熱分解して水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥するか、又はさらに、例えば活性炭処理、樹脂吸着処理或いはエタノール沈殿処理して疎水性物質もしくは低分子物質を除去して乾燥することによって得ることができる。
【0034】
例えば原料として大豆を用いる場合、上記油脂、タンパク質および澱粉質を除いた穀又は粕として、豆腐、豆乳及び分離大豆タンパク質を製造するときに副生するオカラを利用することができる。
【0035】
こうして得られた水溶性ヘミセルロースは、平均分子量が数万〜数百万であり、その組成のおよそ8割以上が多糖類で、その他、粗灰分、粗タンパクおよび水分を含有している。また、構成糖としてはガラクトースが最も多く、次いでウロン酸およびアラビノース、その他キシロース、フコース、ラムノースおよびグルコースがあげられる。
【0036】
本発明で用いられる水溶性ヘミセルロースの原料としては上記のものがあげられるが、溶解性や工業性の面から、豆類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好ましい。この水溶性ヘミセルロースは商業的に入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のSM−700、SM−1200(いずれも商品名)等を挙げることができる。
【0037】
本発明の麺質改良剤は、ヒドロキシプロピルセルロースと水溶性ヘミセルロースとを1:10〜10:1(重量比)(ヒドロキシプロピルセルロース100重量部に対して水溶性ヘミセルロース10〜1000重量部)、好ましくは1:9〜9:1(重量比)(ヒドロキシプロピルセルロース100重量部に対して水溶性ヘミセルロース約10〜900重量部)の割合で含むものであればよく、その限りにおいてヒドロキシプロピルセルロースと水溶性ヘミセルロースの2成分からなるものであってもよいし、他の成分を含有するものであってもよい。他の成分としては、例えば、(1)湯伸び防止効果やコシなどの食感改良効果を主目的として本発明の麺質改良剤を用いる場合、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タラガム、プルラン、ペクチン、ラムザンガム、ヒドロキシプロピルセルロース以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースが好ましい)などの増粘安定剤を挙げることができる。また、(2)ほぐれ効果を主目的として本発明の麺質改良剤を用いる場合、他の成分としてヒドロキシプロピルセルロース以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースが好ましい)などを挙げることができる。さらに(3)つや出し効果を主目的として本発明の麺質改良剤を用いる場合、他の成分としてプルラン、ヒドロキシプロピルセルロース以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースが好ましい)を挙げることができる。
【0038】
かかる他の成分を含有する場合、麺質改良剤100重量%中に含まれるヒドロキシプロピルセルロースの含有量としては、(1)(2)(3)のいずれの場合でも、5〜90重量%、好ましくは5重量%以上90重量%未満を挙げることができる。より好ましくは25〜70重量%、より好ましくは45〜70重量%を挙げることができる。
【0039】
本発明の麺質改良剤の麺類への適用方法は、当該改良剤が最終的に麺類に配合される方法であれば特に限定はされず、前述するように、当該改良剤を麺類の原料に配合して麺類生地にそのまま練り込む方法(例えば上記1の方法)、当該改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理する方法を挙げることができる(例えば上記2〜5の方法)。
【0040】
本発明の麺質改良剤の麺類への添加量は、麺類の種類やその調製方法(加工方法を含む)によって異なり、それに応じて適宜調製することができるが、例えば、麺質改良剤を麺原料に配合して麺生地に練り込んで麺類を製造する場合(上記1の方法の場合)、ヒドロキシプロピルセルロースと水溶性ヘミセルロースの総量が、対粉(小麦粉などの穀物粉100重量部に対して)0.001〜2重量部程度、好ましくは、0.01〜1重量部、更に好ましくは、0.1〜1重量部となるような割合で添加することができる。
【0041】
また、麺質改良剤を用いて生麺や加熱処理麺を処理して麺類を製造する場合(上記2〜5の方法の場合)、処理液中のヒドロキシプロピルセルロースと水溶性ヘミセルロースの総量の濃度が0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%となるように麺質改良剤を用いることができる。
(3)麺質改良剤を用いて調製される麺類およびその製造方法
本発明は、また上記(1)および(2)の麺質改良剤を用いて調製される麺類を提供する。かかる麺類は、上記麺質改良剤を麺類の原料に配合して麺類生地にそのまま練り込むか、または当該改良剤を用いて生麺または加熱処理麺を処理することによって製造することができる。
【0042】
具体的には、以下の方法を例示することができる。
1.麺質改良剤を、直接あるいは水溶液に溶解或いは分散させてから麺類の原料に配合して、麺類生地に練り込む。
2.麺質改良剤を添加した水または熱湯にて麺類をゆでる。
3.ゆでるなどの任意の加熱処理をした麺類(加熱処理麺)を、麺質改良剤または麺質改良剤を水に溶解或いは分散させた溶液で表面処理する。
4.生麺または加熱処理麺を、麺質改良剤を調味液に溶解または分散させた溶液で表面処理する。
5.生麺または加熱処理麺を、麺質改良剤を溶解または分散させた油を用いて調理する。
【0043】
かかる操作以外は、麺類の種類に応じて慣用の方法に従って製造することができる。なお、麺質改良剤の適用量については、(1)および(2)で説明した通りである。
【0044】
斯くして製造される本発明の麺類は、麺のほぐれ、特に冷えた状態また冷凍状態での麺のほぐれが改善されており、湯のびが抑制されてコシがあり、さらに冷えた状態でもつやを備えている。従って、本発明は、ほぐれが改良された麺類(特に冷時のほぐれが改良された麺類)を製造する方法を提供するものでもある。かかる方法は、別の角度から、麺類についてほぐれを改良する方法ということもできる。また、本発明は、湯伸びが抑制された麺類を製造する方法を提供するものでもある。かかる方法は、別の角度から、麺類について湯伸びを抑制する方法ということもできる。さらに、つやを有する麺類(特に冷時でもつやを有する麺類)を製造する方法を提供するものでもある。かかる方法は、別の角度から、麺類についてつやを出す方法ということもできる。
【0045】
本発明の麺類は、前記麺質改良剤を使用して調製されることを特徴とするが、本発明の効果に悪影響を与えない限度において、他の増粘安定剤、例えば、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タラガム、プルラン、ペクチン、ラムザンガム、ヒドロキシプロピルセルロース以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロースなど)等の多糖類系の増粘安定剤を併用して調製することもできる。また、卵白タンパク質、小麦タンパク質、血漿タンパク質、乳清タンパク質などのタンパク質系の改良剤などを併用して調製することができる。
【0046】
本発明の麺類は、前記の他に、卵白、卵黄、鶏卵(全卵)、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチンの中から選ばれる少なくとも1種または2種以上を適量併用して調製されてもよい。
【0047】
また、前記以外の麺類に使用する原料としては、例えば牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉類、ジャガイモ、人参、玉葱等の野菜類、バター、生クリーム等の乳脂肪分やラード、豚脂、牛脂等の動物油脂、植物油脂などの油脂、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳、サワークリームなどの乳原料など、公知の原料を挙げることができる。
【0048】
また、本発明の麺類は、上記1〜5のいずれかの操作を行う以外、麺類の種類に応じて常法に従って製造することができる。具体的には中華麺の場合を例にすると、小麦粉または小麦粉および他のでん粉等の原料を混合した粉末に、食塩または、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸塩等のかん水(塩類)を溶解した水溶液を混合し、ミキサーにて数分間混捏して、そぼろ状の生地を得る。このそぼろ状の生地を複合機により麺帯とし、圧延段階を繰り返した後、切刃にて切り出し麺線を得る。この製麺の際の混捏や麺帯形成時に生地を真空状態にすることもできる。以上の手順により得られた麺線をそのまま包装したり、沸騰水もしくは蒸気等にて加熱したのち、流水にて水洗冷却し包装したり、冷凍し包装したり、また加熱α化後熱風、油揚げにて乾燥を行ったりする。LL麺の様に長期保存を目的とする場合は、酸処理、包装後、蒸熱殺菌等を行う。
【実施例】
【0049】
以下に、実験例及び実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、文中、「%」は「重量%」を意味する。また、ヒドロキシプロピルセルロースに関して記載する粘度は、2重量%水溶液に調製した場合の室温(25℃)時の粘度を意味する(測定条件;BL型回転粘度計、ローターNo.1〜4、回転数6rpm、25℃)。
【0050】
実験例1:ゆで麺
20℃の水に表1に示す麺質改良剤を添加し、攪拌機にて10分間攪拌溶解して麺質改良剤含有浸漬液を準備する。市販の生タイプ中華麺(生麺)を沸騰水中にて45秒間ゆで、予め用意した氷水にて30秒間締める。十分に氷水を切った後、上記麺質改良剤含有浸漬液に30秒間浸漬し、次いで十分に浸漬液を切った後、ビニール袋に入れて一晩冷蔵保存する。翌日、冷時および熱湯を注いだ時のほぐれ及び冷時における外観(ツヤの状態)を評価した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】


【0052】
表1に示す通り、麺質改良剤としてヒドロキシプロピルセルロース(HPC)で処理して調製した麺(実施例1〜2)は、ゆで麺の結着が抑制されてほぐれ易く、特に冷時にその効果が顕著であった。また冷時におけるツヤ付与効果も良好であった。
【0053】
これに対して、水溶性ヘミセルロースで処理して調製した麺(比較例1〜3)は、ほぐれ改善効果については、使用量を増すことによって効果が上昇する傾向が認められたものの、ヒドロキシプロピルセルロースを使用した実施例の麺と比べると、冷時におけるほぐれ改善効果は低く、更に冷時におけるツヤ付与効果は見られなかった。また、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)以外に、同じセルロース誘導体であるメチルセルロース(MC)で処理して調製した麺(比較例4)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)で処理して調製した麺(比較例5)については、ほぐれ改善およびツヤ付与については若干の効果がみられるものの、その効果はヒドロキシプロピルセルロースに比べて有意に劣っていた。
【0054】
実験例2:即席麺(ノンフライ麺)
10℃の水に表3に示す麺改質剤を添加し、攪拌機にて10分間攪拌溶解後、かんすい(炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム)と食塩を添加し、更に3分間攪拌した。その後20℃に水温を調整する。篩(28M)にかけた小麦粉を、万能混合機(63rpm)にて攪拌しながら、先ほど20℃に調整した溶液をゆっくりと加えた。12分間混合後、整形、複合、圧延し、#22の切刃で切る。コーンスターチをまぶし、スチーマーにて3分間蒸した後、熱風乾燥を90℃で40分間行い、成型し、常温で冷却して、即席麺(ノンフライ麺)を調製した。
【0055】
得られた即席麺を容器に入れ、沸騰させた300mlの水を上から注ぎ、4分経過後試食して、表2に記載する基準に従って湯戻りと食感を評価した。さらに4分後、再度同様に試食して、表2に記載する基準に従って湯伸び防止効果を評価した。なお、これらの評価は、モニター5人で行い、各自の評価を総合して判定した。結果を表3に示す。
【0056】
【表2】


【0057】
【表3】


【0058】
表3に示す通り、麺質改良剤としてヒドロキシプロピルセルロースを使用して調製した麺(実施例3〜5)は、弾力性、歯ごたえおよびつるみ感といった食感が良好であり、湯伸びが有意に抑制されていることが確認された。また、ヒドロキシプロピルセルロースの中でも、粘度が高いものほど、効果が良好であることが判った。
【0059】
実験例3:ゆで麺
20℃の水に表4に示す麺質改良剤を下記の濃度で添加し、攪拌機にて10分間攪拌溶解して麺質改良剤含有浸漬液を準備した。市販の生タイプ中華麺(生麺)を沸騰水中にて45秒間ゆで、予め用意した氷水にて30秒間締めた。十分に氷水を切った後、麺質改良剤含有浸漬液に30秒間浸漬し、次いで十分に浸漬液を切った後、ビニール袋に入れて一晩冷蔵保存した。翌日、冷時および熱湯を注いだ時のほぐれ及び冷時における外観(ツヤの状態)を評価した。結果を表4に合わせて示す。なお、表4中の符号は実験例1の表1と同様である。
【0060】
【表4】


【0061】
表4より、麺質改良剤としてヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を単独で使用して調製した麺(実施例6〜8)は、ほぐれ性、ツヤともに良好であり、特に冷時におけるほぐれ性が良好であった。特にヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を1〜2%の濃度で用いた麺(実施例7〜8)はより一層効果が良好であった。更に、麺質改良剤としてヒドロキシプロピルセルロース(HPC)と水溶性ヘミセルロースを併用して調製した麺(実施例9)は、冷時、熱湯注入時のいずれにおいても良好なほぐれ改善性を示した。
【0062】
実施例10:うどん
表5に示す処方に従ってうどんを調製した。具体的には、10℃の水にヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を添加し、攪拌機にて10分間撹拌溶解後、食塩を添加し、さらに3分間攪拌した。その後20℃に水温を調整した。篩にかけた小麦粉を万能混合機にて攪拌しながら、先ほど20℃に調整した溶液をゆっくりと加えた。12分間混合後、荒延、複合、圧延し、#10の切刃で切る。98℃で10分間ゆでた後、水で冷却して、ゆでうどんを調製した。得られたゆでうどんを再び8分間湯につけた。ゆでうどん調製直後と、その後8分間湯に浸漬したうどんの両者を食べ比べて、弾力、歯ごたえおよび滑らかさの変化から湯伸びの有無を評価した。その結果、湯伸びは見られず、良好な湯伸び抑制効果が認められた。
【0063】
【表5】


【出願人】 【識別番号】000175283
【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
【出願日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二

【識別番号】100076510
【弁理士】
【氏名又は名称】掛樋 悠路

【識別番号】100108084
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 睦子

【公開番号】 特開2006−311849(P2006−311849A)
【公開日】 平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願番号】 特願2005−269141(P2005−269141)