| 【発明の名称】 |
γ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造法とその加工品 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥山 知子
【氏名】永安 弘宣
【氏名】塚田 陽康
【氏名】鵜澤 昌好
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カボチャにグルタミン酸を添加し、そのグルタミン酸をカボチャに内在する酵素によりγ−アミノ酪酸に変換するγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品を製造する方法において、収穫後キュアリングを行なわないカボチャを使用することを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造方法。 【請求項2】 収穫後2〜15℃好ましくは8〜12℃の低温処理を施したカボチャを使用することを特徴とする請求項1記載のγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造方法。 【請求項3】 収穫後2〜15℃好ましくは8〜12℃の温度条件で、2〜120日間好ましくは7〜14日間の低温処理を施したカボチャを使用することを特徴とする請求項1または2記載のγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造方法。 【請求項4】 請求項1,2または3記載の製造方法で製造されたγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、γ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造法とその加工品に関する。 【背景技術】 【0002】 γ−アミノ酪酸は、GABAと略称される抑制性の神経伝達物質であって血圧上昇抑制作用を有することが知られ、そのγ−アミノ酪酸高含有素材の各種食品への応用が進められている。 【0003】 特開2001−252091号公報(特許文献1)は、市場に流通しているカボチャの粉砕溶液にグルタミン酸を添加し、そのグルタミン酸を、カボチャに内在するグルタミン脱炭酸酵素、補酵素のピリドキサル燐酸等の酵素の作用によりγ−アミノ酪酸に変換させるγ−アミノ酪酸高含有素材とその製造法を開示している。 【0004】 一方、一般に市場に流通しているカボチャは、その貯蔵性を高めるためにいわゆるキュアリング(カボチャを20〜35℃、好ましくは23〜27℃で、3〜21日間、好ましくは7〜14日間保管すること)と呼ばれる処理を経てから出荷されているものである(例えば、非特許文献1又は2参照)。 【0005】 【特許文献1】特開2001−252091号公報 【非特許文献1】園芸学雑誌、1991年、第60巻、1号、p.175−181 【非特許文献2】日本調理科学会誌、1995年、第28巻、1号、p.59−64 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明者らは、特許文献1記載のものに比べ、より高品質のγ−アミノ酪酸高含有加工品と、より効率的(経済的)な製造法を開発するために鋭意研究中のところ、全く、想定外であったが、収穫後のカボチャをキュアリングを行わずに使用することにより、その目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。 【0007】 すなわち、本発明は、カボチャにグルタミン酸を添加し、そのグルタミン酸をカボチャに内在する酵素によりγ−アミノ酪酸に変換するγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品を製造する方法において、キュアリングを行なわないカボチャを使用することを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造法とその加工品に係る。 【発明の効果】 【0008】 一般にカボチャの貯蔵性を高めるために行われているキュアリングは、収穫後のカボチャを20〜35℃、好ましくは23〜27℃で、3〜21日間、好ましくは7〜14日間保管するものであるが、このキュアリングにより、カボチャ中のグルタミン脱炭酸酵素の量や補酵素のピリドキサル燐酸の量が減少し、またそれらの活性が低下すると推量されるものであるが、本発明は、キュアリングを行わないので、当然ながら、これらグルタミン脱炭酸酵素の量や補酵素のピリドキサル燐酸の量が減少することやそれらの活性が低下するのを回避でき、したがって、カボチャに添加したグルタミン酸のγ−アミノ酪酸への変換が、グルタミン脱炭酸酵素、補酵素のピリドキサル燐酸等の作用によりに効率的に行われると認められるものである。 【0009】 そしてまた、このように変換が効率的に行われることにより、所望の変換値に達するまでの反応時間を短縮し、これによって、γ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造能率を向上させ、かつ、カボチャ中の各種成分の酸化等による当該加工品の風味劣化をはじめとする品質低下の可能性を少なくする。 【0010】 すなわち、例えば、カボチャ15部に水50部を加えて粉砕し、これに、グルタミン酸1.5部を加えて攪拌するγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造において(特許文献1参照)、従来どおりキュアリング(25℃前後で7〜14日間)したカボチャを使用した場合、添加したグルタミン酸すべてをγ−アミノ酪酸に変換するのに14〜23時間要する反応時間を、キュアリングを行わないカボチャを使用する本発明によれば、7〜10時間に短縮し、γ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造能率を改善できるとともに、カボチャ中成分の酸化等によるカボチャ加工品の風味劣化等を減少させた高品質の製品を得ることができるものである。 【0011】 このように、本発明は、カボチャにグルタミン酸を添加して製造するγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造能率や品質の向上に有用であり、血圧降下作用等の有用作用のあるγ−アミノ酪酸を高含有するカボチャ加工品の製造法の発展に貢献する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明は、カボチャにグルタミン酸を添加し、そのグルタミン酸をカボチャに内在する酵素によりγ−アミノ酪酸に変換するγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品を製造する方法において、キュアリングを行なわないカボチャを使用することを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造法とその加工品に係る。 【0013】 本発明に使用されるカボチャの種類に、特に制限はないが、入手性や経済性を考慮すると、実際にはセイヨウカボチャ(Cucurbita maxima Duch)が好適であると認められる。ただいずれにしても、カボチャとしては、収穫後のものをそのまま直ちに使用するか、所定の低温処理後のものを使用し、従来貯蔵性を高めるために一般的に採用されているキュアリング処理を行うことはしないことが肝要である。 【0014】 上記低温処理は、収穫後のカボチャを2〜15℃、好ましくは8〜12℃の温度条件で、2〜120日間、好ましくは、7〜14日間の期間で行なわれる。 【0015】 低温処理後、そのカボチャに水を加えカボチャ粉砕溶液を調製し、それに、グルタミン酸を添加し、pHを5.0〜6.5、好ましくは、5.6〜6.0とする。その後、グルタミン酸がカボチャに内在する酵素によりγ―アミノ酪酸に変換され、pHが6.2〜6.5になるまで、5〜30℃、好ましくは、15〜25℃の温度に保持する。 【0016】 このようにして、得られるカボチャ粉砕溶液においては、添加したグルタミン酸の殆どは、γ―アミノ酪酸に変換される。そのカボチャ粉砕溶液に加熱処理、乾燥処理を施すことにより、γ―アミノ酪酸を10%以上、好ましくは20%以上含有するγ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品を製造することができる。 【0017】 以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、これによって、本発明の範囲が制限されるものではない。 【実施例1】 【0018】 開花後約45日の適熟期に収穫されたカボチャを、直ちに10℃以下で8日間の低温保存した。その後、へた、わた、種子を除去し、フードプロセッサーで約1mm角以下に粉砕し、そのカボチャ粉砕物15部に水50部を加えてミキサーで粉砕液とした。 このカボチャ粉砕液にグルタミン酸1.5部を添加して撹拌し、室温(25±1℃)にて所要時間保持し、グルタミン酸の98%以上をγ−アミノ酪酸に変換させた。反応終了後、反応液の加熱処理を行ない、固形分を濾過した濾液にデキストリンを加えて凍結乾燥した。 上記において、最初にグルタミン酸を添加してから、その98%以上がγ−アミノ酪酸に変換されるまでにかかった時間を表1に示す。 【0019】 比較例として、開花後約45日の適熟期に収穫されたカボチャを、25℃で8日間保管するキュアリングを行った後、上記と同じように、へた、わた、種子を除去し、フードプロセッサーで約1mm角以下に粉砕し、そのカボチャ粉砕物15部に水50部を加えてミキサーで粉砕液とし、これにグルタミン酸1.5部を添加して撹拌し、室温(25±1℃)にて一定時間保持し、グルタミン酸の98%以上をγ−アミノ酪酸に変換させるとともに、反応終了後、反応液の加熱処理を行ない、固形分を濾過した濾液にデキストリンを加えて凍結乾燥した。 添加したグルタミン酸の98%以上がγ−アミノ酪酸に変換されるまでにかかった時間を表1に示す。 【0020】 【表1】
【0021】 表1から明らかなように、キュアリングを行わなず低温保存したカボチャの場合、添加したグルタミン酸がγ−アミノ酪酸に変換されるまでの時間(反応時間)は、キュアリングを行ったカボチャに比べ著しく短縮された。 【実施例2】 【0022】 開花後約45日の適熟期に収穫されたカボチャを、その収穫後10℃で8日間低温保管したものと、25℃で8日間保管するキュアリングを行ったものを、さらに、それぞれ収穫日から1ヵ月後まで10℃で保管したもの、2ヵ月後まで同じく10℃で保管したものを、実施例1と同様にして、カボチャ加工品を製造した。 これらの各場合における、添加したグルタミン酸がγ−アミノ酪酸に変換されるまでの時間(反応時間)を比較した結果を表2、3に示す。 【0023】 【表2】
【0024】 【表3】
【0025】 表2、3に示すように、反応時間は収穫後の貯蔵日数が長くなるにつれて長くなっているが、キュアリングなしの場合、キュアリングありの場合と比較して、反応時間の延長が顕著に抑制されていた。 【実施例3】 【0026】 開花後約45日の適熟期に収穫されたカボチャを、直ちに、すなわちキュアリング処理も低温保存もすることなく使用し、実施例1と同様にして、カボチャ加工品を製造した。 この場合の、添加したグルタミン酸がγ−アミノ酪酸に変換されるまでの時間(反応時間)を表4に示す。実施例1のキュアリングなしの場合と同様の反応時間の延長の抑制が認められた。 【0027】 【表4】
【産業上の利用可能性】 【0028】 このように、本発明は、γ−アミノ酪酸高含有カボチャ加工品の製造能率や品質の向上にきわめて有用であり、血圧降下作用等の有用作用のあるγ−アミノ酪酸を高含有するカボチャ加工品の製造法の発展に大きく貢献する可能性がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390002990 【氏名又は名称】株式会社ロッテ
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| 【出願日】 |
平成17年1月26日(2005.1.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062476 【弁理士】 【氏名又は名称】原田 信市
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| 【公開番号】 |
特開2006−204128(P2006−204128A) |
| 【公開日】 |
平成18年8月10日(2006.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2005−17663(P2005−17663) |
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