| 【発明の名称】 |
食品保存庫 |
| 【発明者】 |
【氏名】稲谷 正敏 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【氏名】田中 正昭 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【氏名】尾崎 仁 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】生鮮食品の長期保存には炭酸ガスによるCA保存が主流であるが、低酸素供給装置はスペース効率が悪く、酸化劣化抑制が不十分である。
【解決手段】食品保存庫10は、冷却手段14により冷却される半密閉性の生鮮食品収納容器17と、生鮮食品収納容器17内に水素ガスを導入する水素ガス供給手段15と、生鮮食品収納容器17内の水素ガス濃度を制御する水素ガス濃度制御手段18とを有しており、生鮮食品収納容器17内の水素ガス濃度を制御し、エタノール等の水蒸気改質でできる水素ガスの還元力と呼吸抑制作用を利用することで、酸化劣化を防止し、生鮮食品の長期保存を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却手段により冷却される半密閉性の収納容器と、前記収納容器内に水素ガスを導入する水素ガス供給手段と、前記収納容器内の水素ガス濃度を制御する水素ガス濃度制御手段とを有する食品保存庫。 【請求項2】 水素ガス濃度制御手段により、収納容器内の水素ガス濃度を0.1%以上で4%以下としたことを特徴とする請求項1に記載の食品保存庫。 【請求項3】 水素ガス供給手段として、カーボン、炭化水素、アルコール、エーテルのいずれかの原料から、水蒸気を添加し改質触媒を介して熱により水素と炭酸ガスに改質する水蒸気改質器を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の食品保存庫。 【請求項4】 水蒸気改質器での原料改質後の混合ガスを、水素透過分離膜を利用し水素ガスと炭酸ガスとに分離することを特徴とした請求項3に記載の食品保存庫。 【請求項5】 水素ガス濃度制御手段は、半密閉性の収納容器の開閉を検知手段により感知した後に水素ガス供給手段を稼働させ前記水素ガス供給手段の稼働時間を調節することで水素ガスの濃度を制御するものである請求項1から4のいずれか一項に記載の食品保存庫。 【請求項6】 収納容器内に燃焼触媒を設け、水素ガス供給手段により導入される水素ガスと収納容器内の酸素とを反応させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の食品保存庫。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、野菜や果物の青果物、魚や牛や豚等の新鮮な肉を長期保存するのに、二酸化炭素等の混合ガスを冷蔵庫や冷凍庫などへ供給する食品保存庫に関するものである。 【背景技術】 【0002】 野菜や果物の青果物は、自体を維持し、新たな組織の構成に必要なエネルギーを得るため分解代謝を行うが、呼吸作用はこの分解代謝の代表的なものである。 【0003】 呼吸作用は、植物が酸素を摂取し、体内で有機物を酸化してエネルギーを遊離させ、体外に炭酸ガスと水とを排出する反応であり、収穫後も青果物の生命を維持するために呼吸作用を続ける。呼吸作用が活発なほど、体内の栄養成分は呼吸基質として消費され、体内の水分が排出され、萎れやすくなる。 【0004】 また、呼吸作用によって得られるエネルギーは、収穫後の場合は大部分が呼吸熱になって放出され、呼吸が盛んな場合は青果物自体の品温が上昇する。よって、採れたての新鮮な状態を保つ上で青果物の呼吸作用を抑えることが重要となる。 【0005】 また、魚や牛や豚の新鮮な肉もまた、酸化による劣化が見られる。例えば、まぐろ等の魚肉の鮮度は通常K値にて評価され、魚介類の筋肉中に含まれる、アデノシン三燐酸の酸化分解でアデノシン二燐酸からアデノシン一燐酸、イノシン酸、イノシン、ヒポキサンチンへと変化し、K値はイノシンとヒポキサンチンの蓄積割合で定義され、すし種としてのまぐろ肉のK値は20%以下と考えられている。 【0006】 また、色の変化からの判断にはメト化率が重要となる。まぐろ肉や牛肉中にはミオグロビン(Mb)とへモグロビン(Hb)があり、肉色はMbに由来する。Mbは酸素の少ない条件下では暗紫色のデオキシMbとして、酸素の多いときは鮮紅色のオキシMbの形をとるが、常温あるいは凍結状態で長時間置くと褐色化する。 【0007】 これはMb分子中の鉄原子が3価の鉄に酸化されてメトMbに変化するもので、肉中の全Mb量に対するメトMb量の割合で褐色化の程度を示すことができ、これをメト化率としている。マグロ肉ではメト化率10%以下のものは光沢のある鮮紅色、30%以上ではやや褐色、さし身用としての商品価値の限界は、ほぼ50%とされる。 【0008】 通常、低温で高い炭酸ガス濃度下の環境で青果物や肉類を保管すると、呼吸作用が抑えられ、酸化が抑制されるので、生鮮食品の高鮮度貯蔵方法であるCA貯蔵では、3〜5%の高濃度炭酸ガスと5%以下の低酸素のガス環境で低温とし、品質保持期間を著しく延長することができる。 【0009】 従来、炭酸ガスボンベから炭酸ガスを食品保管庫に導入し、炭酸ガス濃度の制御をするCA保鮮庫がリンゴで効果が認められ、実用化されている。 【0010】 また、低酸素空気発生装置としては、プロパンガスを燃焼させて行う方式や、安全性の面から石炭や黒鉛の固体燃料の燃焼により発生する排気ガスを利用するものが紹介されている(特許文献1参照)。 【0011】 特許文献1に示される低酸素空気発生装置を利用した食品保存庫は、単に炭酸ガスを多く含む低酸素の混合ガスを導入するものであり、生鮮食品の酸化を抑制するには不十分である。 【0012】 そこで、その改良策として、生鮮食品が収納された食品保存庫内へ、窒素、二酸化炭素、及びエチレンの混合ガスを少量ずつ噴出する混合ガス源を設けてなる食品保存用混合ガスの供給装置が紹介されている(特許文献2参照)。 【0013】 まず、従来のCA保鮮庫の方式として特許文献2を主体に図面を参照しながら簡単に述べる。 【0014】 図6は、特許文献2に記載された従来の食品保存用混合ガスの供給装置の構成図である。 【0015】 生鮮食品の鮮度保持と変色の防止に使用する混合ガスは、窒素、二酸化炭素、エチレンを、60:39:1の割合で混合したもので、冷蔵庫や冷凍ショーケースなどの食品保存庫への供給を容易とする為、500リッター程度の容量を有する容器1内に、0.3MPa程度に加圧された状態で収容されている。 【0016】 容器1の上部には混合ガスの噴出口2が設けられていて、その噴出口2内に設けられたキャップなどを指定された位置まで回すことにより、噴出口2内に設けたれた毛管やオリフィスなどから10ml/min.程度の噴出速度で噴出できるようになっている。 【0017】 また、上記容器1内に収容された混合ガスは、空気より比重が重いことから、食品保存庫3内へ供給するに当たっては、食品保存庫3内の上部に設置しているアイスチェスト3aの近傍に容器1を設置して、噴出口2よりアイスチェスト3a内へ少量ずつ噴射する。 【0018】 以上のように構成された食品保存用混合ガスの供給装置を元にして、以下その動作について説明する。 【0019】 アイスチェスト3a内に噴出された混合ガスは、食品保存庫3内を下降しながら食品保存庫3内全体に拡散されて、混合ガスの各成分が食品保存庫3内に収納されている生鮮食品に、次のように作用する。 【0020】 1.混合ガス中の窒素は、生鮮食品周辺の空気を排除して空気中の酸素による酸化や腐敗を抑制する。 【0021】 2.混合ガス中の二酸化炭素は、植物にとって同化作用の源で、紫外線があれば同化作用が促進される。 【0022】 3.混合ガス中のエチレンは、一種の食物ホルモンであり、ごく僅か存在するだけで食物の鮮度が低下するのを防止することができる。 【特許文献1】特開昭63−219319号公報 【特許文献2】特開平2−10077号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0023】 上記従来の構成では、食品保存庫3の内容積に対して、混合ガスの容器1が必要以上に大きく、現在主流の家庭用冷蔵庫の内容積に匹敵するものであり、非常に大きな設置スペースが必要となる。 【0024】 5000リッター以上のプレハブ冷蔵庫を食品保存庫3とした場合には、混合ガス容器1の収納スペースは小さい割合となり得るが、10ml/min.での噴出速度では、食品保存庫3内をCA保鮮効果を出すための炭酸ガス5%濃度にさせるには、1000時間必要との計算となり、食品の鮮度保持効果が少ない。 【0025】 また、噴出速度を100倍に高めると、10時間で炭酸ガスが5%の濃度にできる計算となるが、500リッター容器で0.3MPa圧では16時間で噴出力が無くなり、容器の交換が必要となる。 【0026】 また、混合ガス中に含まれるエチレンは、食物ホルモンの働きがあり、トマトやりんごなど青果物によっては、鮮度を維持する効果もあるようである。 【0027】 しかし、通常、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、スイカ、にんじん、白菜、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、メロン、レタスなどの野菜は、エチレンに感じて鮮度が低下しやすいとされ、エチレンは、青果物の成熟を促進する成熟ホルモンとして働き、呼吸を促進し、収穫後の青果物の老化を早めてしまう問題がある。 【0028】 よって、家庭用冷蔵庫の様に、各種さまざまなな青果物や肉類が収納される場合には、CA保鮮効果を狙いエチレンを混合ガスに入れるのは、熟成を促進させる老化ホルモンとして働く事が多く、避けるべきであり、また、混合ガス容器を使用するにはスペースや噴出能力に問題がある。 【課題を解決するための手段】 【0029】 上記従来の課題を解決するために、本発明の食品収納庫は、冷却手段により冷却される半密閉性の収納容器と、前記収納容器内に水素ガスを導入する水素ガス供給手段と、前記収納容器内の水素ガス濃度を制御する水素ガス濃度制御手段とを有するものである。 【0030】 水素ガス供給手段としては、原料から水蒸気を添加し改質触媒を介して熱により水素と炭酸ガスに改質する水蒸気改質器を用いることができ、水蒸気改質器では適度な濃度の水素ガスと炭酸ガスが生成され、この精製ガスを収納容器に導入し、水素ガスの還元作用と、炭酸ガスと表面水分との炭酸生成反応によるpHを下げる作用を利用するのである。 【発明の効果】 【0031】 本発明の食品収納庫は、水蒸気改質器により生成される適度な濃度の炭酸ガスだけでなく、還元性を有する水素ガスを食品のCA貯蔵ガスとして利用することができ、空気中に含まれる酸素による酸化反応から食品を守り、積極的に酸化を抑制する。 【0032】 また、炭酸ガスは、表面水分との反応で炭酸生成することでpHを下げるため、殺菌効果を有し、全ての生鮮食品において鮮度の長期保持効果を発揮するものである。 【0033】 また、水蒸気改質器は、固体燃料や液化燃料から炭酸ガスと水素ガスとを生成させるために、小さなスペースで大量の混合ガスが生成可能であり、短時間にて必要濃度に達する噴出速度で長時間運転に耐え得る容量を確保できるものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0034】 請求項1に記載の食品保存庫の発明は、冷却手段により冷却される半密閉性の収納容器と、前記収納容器内に水素ガスを導入する水素ガス供給手段と、前記収納容器内の水素ガス濃度を制御する水素ガス濃度制御手段とを有するものであり、適度な濃度の水素ガスを食品収納庫内に導入することで、水素ガスの還元力を利用した酸化抑制効果が食品保存庫として生鮮食品の長期保存が可能となる。 【0035】 請求項2に記載の食品保存庫の発明は、請求項1に記載の発明における水素ガス濃度制御手段により、収納容器内の水素ガス濃度を0.1%以上で4%以下としたものであり、水素ガスは、還元力を有する為、0.1%以上であれば生鮮食品の鮮度保持効果を示し、水素ガスの爆発限界値の4%以下の濃度に抑えることにより、安全性を確保できるものである。 【0036】 請求項3に記載の食品保存庫の発明は、請求項1または2に記載の発明における水素ガス供給手段として、カーボン、炭化水素、アルコール、エーテルのいずれかの原料から、水蒸気を添加し改質触媒を介して熱により水素と炭酸ガスに改質する水蒸気改質器を用いたものであり、水蒸気改質器により改質されたガスを利用することで、CA効果として有効な炭酸ガスも同時に生成させることができるので、炭酸ガスの食品の表面の水との反応で生成する炭酸により、pHを低下させることができ、鮮度保持効果をさらに高めることができる。 【0037】 請求項4に記載の食品保存庫の発明は、請求項3に記載の発明において、水蒸気改質器での原料改質後の混合ガスを、水素透過分離膜を利用し水素ガスと炭酸ガスとに分離するものであり、純粋な水素と炭酸ガスとを分離することにより、食品種により適正なガス濃度での保存が可能となり有効である。 【0038】 請求項5に記載の食品保存庫の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明における水素ガス濃度制御手段が、半密閉性の収納容器の開閉を検知手段により感知した後に水素ガス供給手段を稼働させ前記水素ガス供給手段の稼働時間を調節することで水素ガスの濃度を制御するものであり、収納容器の開閉を感知したときだけ水素ガス供給手段が稼動するようにしたので、確実に水素ガス濃度を制御でき、安全性が高くなる。 【0039】 請求項6に記載の食品保存庫の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、収納容器内に燃焼触媒を設け、水素ガス供給手段により導入される水素ガスと収納容器内の酸素とを反応させるものであり、収納庫内に閉じ込められた空気中の酸素と反応して水を精製するので、空気中の酸素を低下させることが出来、食品の参加を抑制することができる。 【0040】 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。 (実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1における食品保存庫の断面図、図2は、同実施の形態の食品保存庫における収納容器が開放された状態を示す断面図、図3は、同実施の形態の食品保存庫における水蒸気改質器の構成を示す断面図である。 【0041】 図1および図2において、食品保存庫10は、前面を開口した断熱箱体11と、断熱箱体11の前面開口部を開閉する断熱扉12,13と、冷却手段14と、水素ガスを発生させる水素ガス供給手段15とで構成され、食品保存庫10の庫内16には、半密閉性の生鮮食品収納容器17と、水素ガス濃度制御手段18とを備えている。 【0042】 冷却手段14は、圧縮機19と凝縮器20と膨張手段21と蒸発器22とからなる冷凍システムであり、冷凍システム内の冷媒が、圧縮機19で加圧され、凝縮器20で液化され、膨張手段21から蒸発器22内にて減圧されることにより、冷媒が蒸発し、その気化熱として、熱を蒸発器22周辺から奪うことにより、冷却される。庫内16は、庫内ファン23により、蒸発器22周辺の気体を循環することにより、冷却され、生鮮食品収納容器17は、庫内16が冷されることにより、間接的に冷却される。 【0043】 生鮮食品収納容器17は、半密閉となる開閉蓋24を有しており、開閉蓋24の生鮮食品収納容器17側には、活性炭に白金を担持した燃焼触媒25が設けてある。 【0044】 また、水素ガス濃度制御手段18は、生鮮食品収納容器17の外面部背面に取り付けたマイクロスイッチ26と食品保存庫10の庫外背面にあるタイマー機能を有する制御ボックス27とで構成されている。 【0045】 水素ガス供給手段15は、食品保存庫10の天面部に取り付けられた水蒸気改質器28と生鮮食品収納容器17の開閉蓋24とをつなぐ導入管29とからなり、水蒸気改質器28で生成された水素ガスと炭酸ガスとを収納容器17内に導入できる。 【0046】 また、生鮮食品収納容器17は、断熱扉13と一体となったコロ30付き摺動枠31に挿入自在で固定されている。よって、断熱扉13の開放と共にコロ30付き摺動枠31は、庫内16側面に固定されたガイドレール32を滑り円滑に摺動し、同時に収納容器17も引き出すことができ、生鮮食品収納容器17の移動により、マイクロスイッチ26が断熱扉13の開閉を感知し、生鮮食品収納容器17の開放を制御ボックス27のタイマーに伝達するように構成されている。 【0047】 なお、水蒸気改質器28には、必要に応じて運転が稼動停止できるように単独の運転スイッチ33が付いている。 【0048】 図3において、水蒸気改質器28は、水とエタノール等のアルコールの原料39が入った原料タンク部40と、液体原料を蒸発させる気化部41と、気化した気体原料を水素ガスと炭酸ガスに改質するガス改質部42と、不純物である一酸化炭素を炭酸ガスに変性させる変性部43と、冷却部44とで構成されている。 【0049】 原料タンク部40には、自在に原料注入可能であり、原料タンク40からは、マイクロポンプ45により、液体原料39が気化部41に電磁弁46を介して圧送される。 【0050】 気化部41は、原料滴下装置47と下面ヒータ48とで構成され、液体原料39が下面ヒータ47に滴下するようになっており、ガス改質部42とは貫通穴49により繋がっているので、気化した原料はガス改質部42に流れ込む構造となっている。 【0051】 ガス改質部42には、中ヒータ50をアルミナの多孔質体にルテニウムが担持された改質触媒51でサンドイッチされた構成で、同じ空洞部52に変性部43も一体化されて存在し、ガス改質部42と同じ中ヒータ50の延長上に、アルミナの多孔質体に白金を担持した変性触媒53で挟み込んである。中ヒータ50は約400℃に加熱されている。 【0052】 冷却部44は、変性部43から繋がる細管54がヒートシンク55内を蛇行する構成となっており、外気により室温近くまで冷却されるもので、冷却されたガスは、噴出口56から噴出され導入管29により収納容器17に導入される構成となっている。 【0053】 以上のように構成された食品保管庫1と水蒸気改質器28の操作と動作とその反応について以下で説明する。 【0054】 まず、食品保存庫10の電源を入れ、冷却手段14である冷却システムを運転させて、庫内16を充分冷却しておく。 【0055】 次に、断熱扉13を引き出し、生鮮食品収納容器17を開放し、生鮮食品収納容器17内に生鮮食品を収納し、断熱扉13を閉じる。生鮮食品収納容器17が庫内16の所定の位置にくると、開閉蓋24が収納容器17の開口部を塞ぎ、生鮮食品収納容器17内は半密閉状態となり、同時に生鮮食品収納容器17が所定の位置にきたことをマイクロスイッチ26が感知し、制御ボックス27内のタイマー機能がスタート状態となる。 【0056】 次に、水蒸気改質器28の運転スイッチ33を入れると、まず初めに下面ヒータ48と中ヒータ50とが加熱し始める。下面ヒータ48が200℃、中ヒータ50が400℃に安定して加熱したことを検知した後、マイクロポンプ45により原料がタンク39から気化部41に圧送を開始する。圧送速度は電磁弁45により約1ml/hrとなるように、また、圧送時間は制御ボックス27内のタイマーで2時間と設定した。 【0057】 本実施の形態1では、改質する原料33としては、水を3モルとエチルアルコールを1モル数とした混合液を選定し、原料タンク内に入れた。 【0058】 滴下装置47により、200℃に加熱された下面ヒータ48に原料が滴下すると、瞬時に蒸発し、体積膨張を起こし、気化部41から貫通穴49を通り、ガス改質部42に移動する。さらに連続して滴下と気化が繰り返されることにより、気化した原料は、気化部41より改質部42と変性部43への流れを形成する。 【0059】 400℃に加熱された改質触媒51の表面では、(化1)の反応が起こり、炭酸ガスと水素ガスとが発生する。すなわち、水3モルとエチルアルコール1モルから、2モルの炭酸ガスと6モルの水素ガスに改質されるとともに体積が2倍となる。 【0060】 【化1】
変性部43では、変性触媒により不純物として生成された一酸化炭素やエチレンが、酸化され炭酸ガスや水素ガスにさらに変性されることになり、炭酸ガスと水素ガスとの純粋な混合ガスとして、冷却部44の細管54に導かれる。 【0061】 冷却部44では、外面をヒートシンク55で形成されている細管54を通過する間に冷やされた200℃の混合ガスは室温にまで冷却される。 【0062】 冷却された混合ガスは、噴出口56から導入管29に導かれ、食品保存庫10の庫内16に経て開閉蓋24より収納容器17内に拡散していく。 【0063】 拡散した水素ガスと炭酸ガスは食品表面に介在し、水素ガスは酸素の活動を抑制し、炭酸ガスは、生鮮食品表面についた水分と反応し炭酸を形成することでpHを下げ、雑菌の繁殖を抑制することで、腐敗から食品を守り長期に鮮度を維持する。 【0064】 さらに余分な水素は、開閉蓋24の収納容器17側に設置した燃焼触媒25表面で収納容器17内部の酸素と反応して、収納容器17内酸素量を低減させることで、さらに鮮度が長期に維持される。 【0065】 なお、水素ガス供給手段15である水蒸気改質器28の運転は、3時間で制御手段18である制御ボックス27内タイマーが働き、停止状態となるが、収納容器17内の水素濃度は、燃焼触媒25での反応で理論値よりも減少し、ほぼ2%を示し、そのときの炭酸ガス濃度は約2%であった。 【0066】 本発明の実施の形態1では、原料としてエチルアルコールを利用したが、エチルアルコールは殺菌剤としても使用され、食品衛生面で最も利用しやすいが、カーボンやプロパン・ブタンの炭化水素や他のアルコール系や、またはジメチルエーテルのようなエーテル系のものでも可能性はあり、エチルアルコールに限定するものではない。 【0067】 また、本実施の形態1では水素ガス供給手段15として水蒸気改質器28を採用したが、水素と炭酸ガスとが大量に効率的に生成できる機構として最も効果的ではあるが、水の電気分解で水素を生成してもよく、また、水素ガスボンベを利用して生鮮食品収納容器17内に水素ガスを導入してもさしつかえない。 【0068】 また、本実施の形態1では、燃焼触媒や変性触媒として白金を担持したものを使用したが、二酸化マンガンや酸化カルシウムのような他の酸化触媒を使用しても問題はなく、改質触媒もルテニウムを担持したものに限るものではなく、ニッケル等のほかの改質触媒を使用してもかまわない。 【0069】 また、本実施の形態1では、水素ガス濃度制御手段18として、安価で簡単な方法として、扉13の開閉を感知し、水素発生器の運転時間で水素ガス濃度制御を行ったが、庫内16に水素センサーを取り付けて制御しても差し支えない。 【0070】 (実施の形態2) 図4は本発明の実施の形態2における2段の収納容器を有する食品保存庫の断面図、図5は同実施の形態2の食品保存庫における水素透過膜を取り付けた水蒸気改質器の構成を示す断面図である。 【0071】 図4において、食品保存庫59は、前面を開口した断熱箱体11と、断熱箱体11の前面開口部を開閉する断熱扉12,13と、冷却手段14と、水素ガスを発生させる水素ガス供給手段60とで構成され、食品保存庫59の庫内16には、半密閉性の生鮮食品収納容器上61と、半密閉性の生鮮食品収納容器下62と、水素ガス濃度制御手段上63と、水素ガス濃度制御手段下64とを備えている。 【0072】 冷却手段14、半密閉性の生鮮食品収納容器上61、半密閉性の生鮮食品収納容器下62と、水素ガス濃度制御手段上63、水素ガス濃度制御手段下64との構成及び操作と動作は実施の形態1と同じであり、ここでの説明は省略する。 【0073】 ただし、生鮮食品収納容器上61は水素ガスによる保存専用庫であり、生鮮食品収納容器下62は炭酸ガスによる保存専用庫となる。 【0074】 水素ガス供給手段60は、食品保存庫59の天面部に取り付けられた水蒸気改質器65と、生鮮食品収納容器上61の開閉蓋上66とをつなぐ水素ガス導入管67と、生鮮食品収納容器下62の開閉蓋下69とをつなぐ炭酸ガス導入管70とからなり、水蒸気改質器65で生成された水素ガスと炭酸ガスとを、収納容器上下61,62内に導入できる。 【0075】 図5において、水蒸気改質器65は、水とエタノール等のアルコールの原料39が入った原料タンク部40と、液体原料を蒸発させる気化部41と、気化した気体原料を水素ガスと炭酸ガスに改質するガス改質部42と、不純物である一酸化炭素を炭酸ガスに変性させる変性部43と、水素ガス分離部71と冷却部72とで構成されている。 【0076】 原料タンク部40、気化部41、ガス改質部42、変性部43については、実施の形態1と構成及び操作と動作と反応は同じであり、ここでの説明は省略する。 【0077】 水素ガス分離部71は、Pd箔で形成した水素ガス透過膜73が中央に形成されてあり、Pd表面で水素ガスが原子状態になり、Pd箔内を拡散することで水素ガスだけが透過することができるものである。 【0078】 冷却部72は、水素ガス分離部71から繋がる水素ガス細管74と炭酸ガス細管75が、ヒートシンク76内を蛇行する構成となっており、外気により室温近くまで冷却されるもので、冷却されたガスは、水素ガス噴出口77から噴出され、水素ガス導入管67により収納容器上61に導入され、炭酸ガス噴出口78から噴出され、炭酸ガス導入管70により収納容器下62に導入される構成となっている。 【0079】 以上のように構成することにより、生鮮食品収納容器上61では、水素ガスだけの保存ができ、水素ガスでの保存が有利な、魚や牛肉の保存を行い、生鮮食品収納容器下62では、炭酸ガスでの保存が有利な青果物を収納することにより、ガスの比率を変えた保存が可能となるものである。 【産業上の利用可能性】 【0080】 以上のように、本発明にかかる食品保存庫は、水素ガスを主体としたCA保存庫であり、従来の低酸素ガス状態とする方法や、窒素、二酸化炭素、又はエチレン等でのCA保存とは異なり、積極的に水素ガスの還元力を利用することで酸化抑制するもので、酸化抑制効果は著しく、生鮮野菜の従来以上の長期保存が可能となる。 【0081】 また、水素発生方法として水蒸気改質法を採用すれば、水素ガスと炭酸ガスが同時に発生し、非常にコンパクトな製品に仕上げることができる。 【0082】 この技術を利用すれば、産業用の各種生鮮食品のプレハブ保存庫のみならず、業務用や家庭用の冷蔵庫にも、長期生鮮食品保存機能として採用することが可能となる。さらには、生鮮食品の保存庫で無く、酸化抑制を必要とする半導体製造工程の中間部材の保管、各種化学薬品等の保管庫への展開も見込まれる。 【図面の簡単な説明】 【0083】 【図1】本発明の実施の形態1における食品保存庫の断面図 【図2】同実施の形態の食品保存庫における収納容器が開放された状態を示す断面図 【図3】同本実施の形態の食品保存庫における水蒸気改質器の構成を示す断面図 【図4】本発明の実施の形態2における食品保存庫の断面図 【図5】同実施の形態の食品保存庫における水蒸気改質器の構成を示す断面図 【図6】従来の食品保存用混合ガスの供給装置を示す概略構成図 【符号の説明】 【0084】 10,59 食品保存庫 14 冷却手段 15,60 水素ガス供給手段 17,61,62 生鮮食品収納容器 18,63,64 水素ガス濃度制御手段 25 燃焼触媒 28,65 水蒸気改質器 39 原料 51 改質触媒 73 水素分離膜
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
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| 【出願日】 |
平成17年1月7日(2005.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄
【識別番号】100103355 【弁理士】 【氏名又は名称】坂口 智康
【識別番号】100109667 【弁理士】 【氏名又は名称】内藤 浩樹
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| 【公開番号】 |
特開2006−187252(P2006−187252A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2005−2202(P2005−2202) |
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