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【発明の名称】 |
糠漬け装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】堀 克己 |
【課題】適切な掻き混ぜ手段の構築、掻き混ぜの態様の多様性、そして通気孔から漏れ出す糠床の臭い対策について検討した糠漬け装置を提供する。
【解決手段】装置本体15に収納した容器13に掻き混ぜ手段を内蔵し、この容器13内に形成した糠床17に野菜等の漬物材料を埋没させ、前記掻き混ぜ手段で糠床17を間断的に掻き混ぜて糠漬けを作る糠漬け装置1において、掻き混ぜ手段は容器13の底面中央から突出する回転軸131の上段に取り付けた外掻き混ぜ部11とこの回転軸131の下段に取り付けた内掻き混ぜ部12とからなり、外掻き混ぜ部11は半径方向外側の側縁を容器13の側面に、また下縁を糠床17の表面に倣わせた外形の部材であり、内掻き混ぜ部12は半径方向外側の側縁を容器13の側面に、また下縁を容器13の底面に倣わせた外形の部材である糠漬け装置1である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置本体に収納した容器に掻き混ぜ手段を内蔵し、該容器内に形成した糠床に野菜等の漬物材料を埋没させ、前記掻き混ぜ手段で糠床を間断的に掻き混ぜて糠漬けを作る糠漬け装置において、掻き混ぜ手段は容器の底面中央から突出する回転軸の上段に取り付けた外掻き混ぜ部と該回転軸の下段に取り付けた内掻き混ぜ部とからなり、外掻き混ぜ部は半径方向外側の側縁を容器の側面に、また下縁を糠床の表面に倣わせた外縁を有する部材であり、内掻き混ぜ部は半径方向外側の側縁を容器の側面に、また下縁を容器の底面に倣わせた外縁を有する部材であることを特徴とする糠漬け装置。 【請求項2】 外掻き混ぜ部は、下縁を糠床の内面よりわずかに突出させ、該下縁を回転方向後ろ側にしならせて糠床の表面に圧接しながら回転させる外縁を有する部材である請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項3】 外掻き混ぜ部は、下縁から一定幅で形成した薄肉部を糠床の内面よりわずかに突出させ、該薄肉部の範囲を回転方向後ろ側にしならせて糠床の表面に圧接しながら回転させる外縁を有する部材である請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項4】 外掻き混ぜ部は、半径方向外側の側縁を容器の側面よりわずかに突出させ、該側縁を回転方向後ろ側にしならせて容器の側面に圧接しながら回転させる外縁を有する部材である請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項5】 外掻き混ぜ部は、容器の側面と糠床の表面との境界周縁に向けて対応する角を突出させ、該角を含めて側縁及び下縁を回転方向後ろ側にしならせて該側縁を容器の側面に、及び下縁を糠床の表面にそれぞれ圧接しながら回転させる外縁を有する部材である請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項6】 外掻き混ぜ部は、回転軸の高さ方向に位置変更自在で該回転軸に取り付けてなる請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項7】 外掻き混ぜ部は、回転軸の回転方向に位置固定で該回転軸に着脱自在にしてなる請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項8】 内掻き混ぜ部は、順回転方向でのみ回転軸に対して係合し、逆回転方向で回転軸に対して空転するクラッチを介して該回転軸に取り付けてなり、回転軸の順回転方向で回転し、回転軸の逆回転方向で空転してなる請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項9】 内掻き混ぜ部は、回転動力の伝達機構に対して接続又は解除するクラッチを有する回転軸に取り付けてなり、該クラッチの接続により回転軸に従って回転し、該クラッチの解除により空転してなる請求項1記載の糠漬け装置。 【請求項10】 装置本体に収納した容器に掻き混ぜ手段を内蔵し、該容器内に形成した糠床に野菜等の漬物材料を埋没させ、前記掻き混ぜ手段で糠床を間断的に掻き混ぜて糠漬けを作る糠漬け装置において、掻き混ぜ手段は容器内に突出する回転軸に取り付けた内掻き混ぜ部を有し、該内掻き混ぜ部を制御部に従って回転させることにより糠床を掻き混ぜてなり、制御部による内掻き混ぜ部の回転は漬物材料を埋没させていない糠床では高速回転、漬物材料を埋没させた糠床では低速回転とし、高速回転は低速回転の1.5倍〜10倍の範囲としたことを特徴とする糠漬け装置。 【請求項11】 装置本体に収納した容器に掻き混ぜ手段を内蔵し、該容器内に形成した糠床に野菜等の漬物材料を埋没させ、前記掻き混ぜ手段で糠床を間断的に掻き混ぜて糠漬けを作る糠漬け装置において、装置本体は容器を略密閉状態で収納する容器収納部に通気孔を設けてなり、該通気孔は糠床の臭いが装置本体外に漏れ出すことを防止する消臭又は防臭フィルタを内蔵したことを特徴とする糠漬け装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、装置本体に収納した容器に掻き混ぜ手段を内蔵し、この容器内に形成した糠床に野菜等の漬物材料を埋没させ、前記掻き混ぜ手段で糠床を間断的に掻き混ぜて糠漬けを作る糠漬け装置に関する。 【背景技術】 【0002】 糠漬けは、塩、唐辛子、昆布等の調味材(旨味成分)と糠味噌とを混合し、更に水(白湯)を加えて練り込むことにより容器に糠床を形成し、この糠床に生のキュウリ、ナス、ニンジン等を漬け込んで作る。糠床は、時々掻き混ぜなければならない。近年では、手間を省略するため、予め作られた糠床(糠漬けの素)が市販されている。また、手作りに伴う管理の煩わしさを解消するほか、糠床を掻き混ぜることを嫌う人が増えたこともあって、糠床を手動又は自動で掻き混ぜる糠漬け装置が開発、提案されている。 【0003】 特許文献1は、蓋に設けた回転軸に、糠床に没入させて糠床を掻き混ぜる攪拌羽根を取り付けており、攪拌ハンドルにより手動で回転軸を回転させると、糠床に没入した前記攪拌羽根が糠床を掻き混ぜるようにした糠漬け装置を提案している。この特許文献1では、糠床の表面を均すため、回転軸に沿って昇降する均し円板を設け、この均し円盤を手動で上下動させることで、糠床の表面を略平坦に均すようにしている。 【0004】 特許文献2は、特許文献1同様、手動で回転させる回転軸を有するが、攪拌羽根が上部羽根及び下部羽根の上下に分かれ、しかも前記上部羽根及び下部羽根が回転方向に点対称な位置関係で取り付けられた糠漬け装置を提案している。この特許文献2では、上部羽根が下向き(おそらく順回転方向に上り勾配の姿勢を意味すると思われる)、下部羽根が上向き(おそらく順回転方向に下り勾配の姿勢を意味すると思われる)としたことにより、回転軸を反復回転させると糠床全体が均一に掻き混ぜられると述べている。 【0005】 特許文献3は、蓋に設けた回転軸に攪拌羽根を螺旋状に取り付け、前記回転軸をモータ駆動する糠漬け装置を提案している。また、図示は省略されているが、回転軸の自動化に伴い、吸気調整装置や温度調整装置を設けることにより、省力化が実現でき、短時間で均一かつ安定した製品=糠漬けが得られる等の効果が得られると述べている。 【0006】 【特許文献1】実全昭53-061492号公報(3頁、第1図) 【特許文献2】実全昭62-042787号公報(4頁及び5頁、第1図及び第2図) 【特許文献3】実全平02-090980号公報(5頁〜8頁、第1図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 糠漬けは、糠床中の腐敗菌、乳酸菌及び酵母が略等しく繁殖することが重要である。ここで、腐敗菌は酵母の繁殖を抑え、酵母は乳酸菌の繁殖を抑え、乳酸菌は腐敗菌の繁殖を抑える働きを有するので、三者が混在すると、互いに繁殖を抑制しあって糠漬けに適した糠床が維持される。ところが、糠床をそのまま放置しておくと、腐敗菌は糠床の表面に、乳酸菌及び酵母は糠床の底の方に住み分かれて腐敗菌及び酵母のみの繁殖を招き、糠漬けを台無しにするばかりか、糠床そのものを腐敗させてしまうことがある。糠床の管理方法として従来から見られる定期的な掻き混ぜは、腐敗菌、乳酸菌及び酵母を混在させるほか、好気性菌である酵母への酸素の供給の意味があり、また掻き混ぜ後に糠床の表面を平坦に均して押し固めるのは、嫌気性菌である乳酸菌への酸素の供給を抑制する意味がある。 【0008】 特許文献1は、攪拌羽根により糠床を掻き混ぜることができるが、均し円板は単純に糠床の表面を上方から押し固めるだけであり、十分に糠床の表面を平坦に均すことができない。また、攪拌羽根による糠床の掻き混ぜは、具体的には攪拌羽根による糠床の上方への持ち上げであり、糠味噌が容器の側面に付着してまい、これが腐敗菌のみの繁殖を助けることになり、好ましくない。特許文献1の糠漬け装置は手動であり、手作業による掻き混ぜと単純な押し固めだけを攪拌羽根及び均し円板に置き換えただけなので、例えば前記容器の側面に付着した糠味噌は別途手作業で除去できると考えられているためと思われる。裏返せば、特許文献1の構成では、機械化による糠漬けの全自動化は難しいと言える。 【0009】 特許文献2は、攪拌羽根を上下の上部羽根及び下部羽根に分けることで、より細やかな攪拌ができると考えられるが、相変わらず攪拌羽根の動力が人力である。また、糠床の表面を均して押し固める部分がないため、手作業による糠床の表面の均し及び押し固めが必要になる。この点、特許文献3は、攪拌羽根をモータ駆動とすることで省力化を図っているが、やはり糠床の表面を均して押し固める部分がないため、手作業による糠床の表面の均し及び押し固めが必要になる。 【0010】 糠漬け装置の自動化には、糠床を掻き混ぜ、前記掻き混ぜ後に糠床の表面を均して押し固めることのできる掻き混ぜ手段の自動化が問題となる。各特許文献から分かるように、糠床を掻き混ぜるだけの掻き混ぜ手段は比較的容易に見られるが、掻き混ぜ後に糠床の表面を均して押し固めるまでの機能を備えた掻き混ぜ手段は特許文献1以外に見られない。しかし、この特許文献1は、上述の通り、そのまま自動化することができない。これから、糠漬け装置の自動化を実現するにあたり、糠床を掻き混ぜ、前記掻き混ぜ後に糠床の表面を均して押し固めることのできる掻き混ぜ手段が必要になる。 【0011】 また、糠床の掻き混ぜには、漬物材料を埋没させていない段階での糠床作り作業と、漬物材料を埋没させた段階での糠漬け作業とがある。ここで、糠床作り作業は、糠漬けに直接結びつく作業ではなく、むしろ糠漬けの準備段階に係る手間は早く終了することが好ましい。これから、上記糠漬け装置の自動化に当たっては、掻き混ぜ手段による掻き混ぜの態様を選択できるようにすることが望ましい。 【0012】 更に、糠漬け装置の自動化は、漬物材料を糠床に漬け込む際や、でき上がった糠漬けを取り出す際以外、糠床が空気に触れる機会をなくしてしまう。このため、容器を略密閉状態で収納する糠漬け装置の装置本体には通気孔が必要になるが、この通気孔を通じて糠床の臭いが装置本体外に漏れ出す問題が発生する。これから、糠漬け装置の自動化に際し、前記通気孔から漏れ出す糠床の臭いの対策が必要である。そこで、糠漬け装置の自動化にあたり、第1に適切な掻き混ぜ手段の構築を、第2に前記掻き混ぜ手段による掻き混ぜの態様の多様性を、そして第3に通気孔から漏れ出す糠床の臭い対策について検討した。 【課題を解決するための手段】 【0013】 検討の結果開発したものが、装置本体に収納した容器に掻き混ぜ手段を内蔵し、この容器内に形成した糠床に野菜等の漬物材料を埋没させ、前記掻き混ぜ手段で糠床を間断的に掻き混ぜて糠漬けを作る糠漬け装置において、掻き混ぜ手段は容器の底面中央から突出する回転軸の上段に取り付けた外掻き混ぜ部とこの回転軸の下段に取り付けた内掻き混ぜ部とからなり、外掻き混ぜ部は半径方向外側の側縁を容器の側面に、また下縁を糠床の表面に倣わせた外形の部材であり、内掻き混ぜ部は半径方向外側の側縁を容器の側面に、また下縁を容器の底面に倣わせた外形の部材である糠漬け装置である。 【0014】 本発明の糠漬け装置は、上下に分かれた外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部から掻き混ぜ手段を構成する。内掻き混ぜ部は、容器の側面及び底面に倣わせた外形の部材であるから、糠床を半径方向内向きに容器の底面付近から掻き混ぜる。この内掻き混ぜ部は、糠床内を回転軸に従って回転(移動)していくので、どのような外形状を有していても糠床を押し上げて掻き混ぜることができ、例えばブロックや棒体でも構わない。しかし、回転軸に過大な負荷をかけることなく回転させるには、回転軸の順回転方向に向かって下り勾配を有するヘラ形状の内掻き混ぜ部が好ましい。このヘラ形状の内掻き混ぜ部は、剛性のある板材で構成するとよい。 【0015】 外掻き混ぜ部は、下縁により内掻き混ぜ部により隆起した糠床の表面を押し返し、半径方向外側の側縁により容器の側面に付着する糠味噌を削ぎ落とし、内掻き混ぜ部と相俟って糠床を掻き混ぜる。この外掻き混ぜ部は、回転軸に従って糠床の表面を回転(移動)していくので、どのような外形状を有していても、下縁が糠床の表面に、半径方向外側の側縁が容器の側面に倣っている限り、隆起した糠床をすべて下方に押し返すことができるので、例えばブロックや棒体でも構わない。しかし、糠床の表面から隆起する高さが一様でないため、確実に隆起した糠床を押し返すには、糠床の表面から起立したヘラ形状の外掻き混ぜ部が好ましい。 【0016】 また、外掻き混ぜ部が隆起した糠床を押し返す結果、下縁に倣って糠床の表面を均すことができる。これから、ヘラ形状とした外掻き混ぜ部は、可撓性又は弾性のある板材で構成し、糠床の表面に下縁を押し付けるとよい。この外掻き混ぜ部による糠床の表面の均しは、回転軸の回転方向において、内掻き混ぜ部により隆起した糠床の表面に、遅れて外掻き混ぜ部が達することから実現される。これから、内掻き混ぜ部に対して回転方向にずれた位置関係、好ましくは内掻き混ぜ部に対して外掻き混ぜ部が回転方向下流の位置関係であるとよい。 【0017】 外掻き混ぜ部は、下縁を糠床の内面よりわずかに突出させ、この下縁を回転方向後ろ側にしならせて糠床の表面に圧接しながら回転させる外形の部材から構成すると、糠床の表面を均すほか、押し固めることができる。この場合、外掻き混ぜ部を構成する部材は、可撓性又は弾性を備えた材料を用いる。より好ましくは、下縁から一定幅で形成した薄肉部を糠床の内面よりわずかに突出させ、この薄肉部の範囲を回転方向後ろ側にしならせて糠床の表面に圧接しながら回転させる外形の部材から、外掻き混ぜ部を構成するとよい。この場合、外掻き混ぜ部を構成する部材は、全体が可撓性又は弾性を備えた材料から構成してもよいし、薄肉部のみを可撓性又は弾性を備えた材料から構成してもよい。 【0018】 また、外掻き混ぜ部は、容器の側面に付着する糠味噌を削ぎ落とすため、半径方向外側の側縁を容器の側面よりわずかに突出させ、この側縁を回転方向後ろ側にしならせて容器の側面に圧接しながら回転させる外形の部材から構成するとよい。この場合、外掻き混ぜ部を構成する部材は、可撓性又は弾性を備えた材料を用いる。 【0019】 このように、外掻き混ぜ部は、半径方向外側の側縁を回転方向後ろ側にしならせて容器の側面に、下縁を回転方向後ろ側にしならせて糠床の表面に、それぞれ圧接して回転させることが望ましい。このとき、外掻き混ぜ部の側縁及び下縁が直交し、それぞれが回転方向後ろ側にしなると、容器の側面と糠床の表面との境界周縁に糠味噌が堆積する可能性がある。これから、容器の側面と糠床の表面との境界周縁に向けて対応する角を突出させ、この角を含めて側縁及び下縁を回転方向後ろ側にしならせてこの側縁を容器の側面に、及び下縁を糠床の表面にそれぞれ圧接しながら回転させる外形の部材から、外掻き混ぜ部を構成するとよい。この外掻き混ぜ部は、境界周縁に向けて突出する角は鋭角であり、側縁又は下縁の一方又は双方が傾斜又は湾曲して交差する外形を有している。この場合、外掻き混ぜ部を構成する部材は、可撓性又は弾性を備えた材料を用いる。 【0020】 外掻き混ぜ部は、回転軸の高さ方向に位置変更自在でこの回転軸に取り付けると、糠床の深さに合わせた高さ調節ができ、糠床の深さに関係なく、この糠床の表面を同じように均すことができる。また、容器内に対する糠味噌、野菜又は糠漬け等の出し入れや、容器の洗浄の便宜のため、外掻き混ぜ部を回転軸に対して着脱自在にしてもよい。この場合、回転軸に合わせて外掻き混ぜ部を回転させるため、外掻き混ぜ部は、回転軸の回転方向に位置固定でこの回転軸に着脱自在にするとよい。 【0021】 ここで、外掻き混ぜ部による糠床表面の均し又は押し固めをよりよく実現するには、内掻き混ぜ部の回転を停止させ、外掻き混ぜ部のみを回転させるとよい。これから、内掻き混ぜ部は、順回転方向でのみ回転軸に対して係合し、逆回転方向で回転軸に対して空転するクラッチ(ワンウェイクラッチ等)を介してこの回転軸に取り付け、回転軸の順回転方向で回転し、回転軸の逆回転方向で空転する構成にするとよい。外掻き混ぜ部は、回転軸と一体にし、回転軸の順回転又は逆回転共に回転する構成にする。この場合、回転軸を順回転させると、外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部が共に回転して糠床を攪拌し、糠床の表面を粗く均すことができ、回転軸を逆回転させると、内掻き混ぜ部のみが空転して停止し、外掻き混ぜ部のみが回転して糠床の表面を丁寧に均し、更に押し固めることができる。 【0022】 同様に、内掻き混ぜ部は、回転動力の伝達機構に対して接続又は解除するクラッチ(電磁クラッチ等)を有する回転軸に取り付けてなり、このクラッチの接続により回転軸に従って回転し、このクラッチの解除により空転する構成にしてもよい。外掻き混ぜ部は、回転軸と一体にし、回転軸の順回転又は逆回転共に回転する構成にする。この場合、クラッチを接続して回転軸を回転させると、外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部が共に回転して糠床を攪拌し、糠床の表面を粗く均すことができ、クラッチを解除して内掻き混ぜ部を取り付けた回転軸に回転動力の伝達をやめると、外掻き混ぜ部のみが回転して糠床の表面を丁寧に均し、更に押し固めることができる。 【0023】 本発明の糠漬け装置は、上述までの掻き混ぜ手段を有することで、糠床の良好な掻き混ぜを自動化する。そこで、前記自動化の恩恵を損なわないように、掻き混ぜの態様を多様化し、糠床作りについての省力化を実現した。すなわち、同種糠漬け装置において、掻き混ぜ手段は容器内に突出する回転軸に取り付けた内掻き混ぜ部を有し、この内掻き混ぜ部を制御部に従って回転させることにより糠床を掻き混ぜる構成とし、制御部による内掻き混ぜ部の回転は漬物材料を埋没させていない糠床では高速回転、漬物材料を埋没させた糠床では低速回転とし、高速回転は低速回転の1.5倍〜10倍の範囲とした。高速回転及び低速回転は、制御部に対する操作手段のボタン操作で容易に切り換えることができる。内掻き混ぜ部と一体に回転する外掻き混ぜ部を設けた糠漬け装置では、外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部が共に低速回転及び高速回転する。 【0024】 このように自動化を進めた結果、容器を略密閉状態で収納する装置本体に通気孔を設ける必要が出てくる。そこで、装置本体に収納した容器に掻き混ぜ手段を内蔵し、この容器内に形成した糠床に野菜等の漬物材料を埋没させ、前記掻き混ぜ手段で糠床を間断的に掻き混ぜて糠漬けを作る糠漬け装置において、装置本体は容器を略密閉状態で収納する容器収納部に通気孔を設け、この通気孔は糠床の臭いが装置本体外に漏れ出すことを防止する消臭又は防臭フィルタを内蔵させた。これにより、長期間の略密閉状態にある容器に対して、通気孔を通じた空気の入れ替えを実現しながら、通気孔に内蔵した消臭又は防臭フィルタにより、糠床の臭いを装置本体外に放出させずに済むようになる。 【発明の効果】 【0025】 本発明により、糠床を掻き混ぜ、前記掻き混ぜ後に糠床の表面を均して押し固めることのできる掻き混ぜ手段を自動化した糠漬け装置を提供できる。これは、良質な糠漬けを作る効果をもたらす。具体的には、回転する外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部が恊働することによって、良好に糠床を掻き混ぜることができる。そして、内掻き混ぜ部を停止させた状態で外掻き混ぜ部のみを回転させることにより、糠床の表面を均し、更に押し固めることができる。このように、本発明による外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部の組み合わせは、糠床の攪拌に必要な掻き混ぜ、均し及び押し固めをすべて自動化する効果をもたらす。 【0026】 制御部による内掻き混ぜ部、又は外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部の低速回転及び高速回転の切替は、糠床作りに際する処理時間を短縮し、自動化された糠漬け装置の使い勝手を高める効果を有する。そして、装置本体の通気孔に内蔵する消臭又は脱臭フィルタは、容器に対する空気の入れ替えを保証しながら、糠床の臭いが装置本体外に漏れ出すことを防止し、自動化により長期間放置される可能性のある糠漬け装置が悪臭の根源にならないようにして、実際上の使用感を向上させる効果をもたらす。 【発明を実施するための最良の形態】 【0027】 以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した糠漬け装置1の垂直断面図、図2は掻き混ぜ手段を構成する外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12の位置関係を表す平面図、図3は回転軸131に設けたワンウェイクラッチ132の水平平面図、図4はワンウェイクラッチ132を内蔵するカップリング部133の水平平面図、図5はカップリング部133に装着する内掻き混ぜ部12の装着カバー部121の水平断面図、図6は外掻き混ぜ部11の平面図、図7は外掻き混ぜ部11の側面図、図8は制御部14を設定する操作パネル141の平面図であり、図9は別例の糠付け装置2の部分垂直断面図である。 【0028】 本例の糠漬け装置1は、図1に見られるように、装置本体15に収納した容器13に外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12からなる掻き混ぜ手段を内蔵した構成である。装置本体15は、開閉自在な装置蓋151を設けた容器収納部152を有しており、容器13は前記容器収納部152に収納し、装置蓋151を閉じた状態で掻き混ぜ手段を作動させる。装置本体15は、全体のほとんどが樹脂製であるが、従動プーリ161を支持する底面のみ、十分な構造強度を確保するため、金属板で形成している。容器13は、錆びにくい琺瑯又はステンレス製の断面円形状で、洗浄等のために容器収納部152から取り出すことができ、容器収納部152に収納した状態で容器蓋134により閉蓋できる。容器蓋134は通気孔135を有し、容器13と容器収納部152との間に形成される隙間153と糠床17とを連通させている。 【0029】 容器収納部152は、容器13に倣った形状で、収納した容器13との間に隙間153を形成する。本例の容器収納部152は、上方及び下方を開放しており、上方は上記装置蓋151で閉蓋し、下方は収納した容器13の底面で閉蓋する。また、上方の開口端近傍に気密性を高めるシールリング157を装着している。このシールリング157には連通孔158を設けているが、装置蓋151を閉じることで、容器収納部152に収納した容器13は略密閉状態となり、容器収納部152の背面側(図1中左側)に設けた通気孔154を通じてのみ、空気を入れ替えることができる。本例の通気孔154には、容器に形成した糠床17の臭いが装置本体15外に漏れ出さないように、消臭フィルタ155を内蔵している。このほか、本例では恒温手段を構成する熱交換板181を容器収納部152の側面に露出させ、温度センサ182を前記隙間に設けている。 【0030】 容器13は、底面から回転軸131を突設しており、この回転軸131に外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を取り付けることで、既述した掻き混ぜ手段を構成する。回転軸131は、容器13と一体になっており、容器13の底面外側に歯車状の連結部136を露出している。容器13を容器収納部152に収納すると、前記連結部136が、開放された容器収納部152の下方に覗く従動プーリ161の上面に形成した被連結部162に噛み合うことで、従動プーリ161の回転動力が回転軸131に伝達される。 【0031】 従動プーリ161は、装置本体15の前面側(図1中右側)に内蔵した駆動源であるモータ163が回転させる駆動プーリ164とベルト165で繋がっている。モータ163の回転動力は、駆動プーリ164及び従動プーリ161の半径の大きさで定まる減速比に従って、従動プーリ161に減速して伝達される。モータ163は、操作パネル141の各スイッチより操作される制御部14に従って、作動又は停止、回転方向、そして回転速度が制御される。 【0032】 本例の糠漬け装置1は、糠床17の温度を略一定に保つため、容器収納部152及び装置蓋151に断熱材156を内蔵すると共に、恒温手段を設けている。本例の恒温手段は、容器13と容器収納部152との隙間153にある周辺空気を冷却又は加熱する熱交換板181と、前記熱交換板181を通電方向の切替により加熱又は冷却するペルチェ素子183と、ペルチェ素子183を空冷する冷却ファン184と、冷却ファン184へ外気を取り込む外気取込口185とから構成される。このペルチェ素子183への通電や通電方向の切替、冷却ファン184の作動又は停止は、容器収納部152に設けた温度センサ182に基づき、操作パネル141の温度設定スイッチ142により操作される制御部14が判断し、制御されている。 【0033】 掻き混ぜ手段について詳述する。掻き混ぜ手段は、容器13内に設けた回転軸131の上段に外掻き混ぜ部11を、同回転軸131の下段に内掻き混ぜ部12を取り付けて構成する。回転軸131は、容器13に固着したベアリング部137の中央から上方に向けて突出している。本例は、順回転方向にのみ回転軸131に係合し、逆回転方向には空転するワンウェイクラッチ132を内蔵したカップリング部133を、ベアリング部137上部に設けている。前記ワンウェイクラッチ132は、図3に見られるように、回転軸131から半径方向に付勢状態で突出した係合ピン1321と、螺旋状の周溝1322の特定位置に段差1323を設けたリング1324とからなり、順回転方向には前記段差1323に係合ピン1321が係合してリング1324を回転軸131に従って一体に回転させ、逆回転方向には係合ピン1321を没入させながら周溝1322に摺接させることでリング1324を回転軸131に対して空転させる。カップリング部133は、前記リング1324と一体に回転又は空転する。 【0034】 外掻き混ぜ部11は、図1、図6及び図7に見られるように、回転軸131に固着する外固着部111と、この外固着部111から半径方向に延びる外ヘラ支持部112と、この外ヘラ支持部112に装着した外掻き混ぜヘラ113とからなる。本例の回転軸131は、上記カップリング部133から突出する範囲で、側面に平坦な切除面1311を形成した回転方向に非対称な断面を有している。これにより、外固着部111に前記断面と等しい取付孔114を設けておくことで、回転軸131に対して特定向きでしか外固着部111を嵌め込むことができなくなり、回転軸131から特定方向を向けて外掻き混ぜヘラ113を回転軸131に取り付けることができる。回転軸131に対する外固着部111の固定は、回転軸131の切除面1311に対する押圧ネジ115の締め込みによる。 【0035】 本例の外掻き混ぜヘラ113は、上縁が水平で、半径方向外側に下り勾配の下縁から一定幅で薄肉部1131を形成し、半径方向外側の側縁を容器の側面よりわずかに突出させ、かつ容器13の側面と糠床17の表面との境界周縁に向けて対応する角1132を突出させた正面視略台形状のゴム板である。この外掻き混ぜヘラ113は、順回転又は逆回転両方に回転することから、いずれの回転でも下縁及び半径方向の側縁を回転方向後ろ側にしならせるため、垂直姿勢で外ヘラ支持部112に装着する。すなわち、この外掻き混ぜヘラ113は、回転軸131と一体に順回転又は逆回転すると、突出した角1132を中心に下縁を含む薄肉部1131と半径方向外側の側縁が回転方向後ろ側にしなり、下縁を糠床17の表面、側縁を容器13の側面にそれぞれ摺接させる。これにより、糠床17の表面は平坦に均すことができ、容器13の側面に付着した糠味噌を削ぎ落とせる。この外掻き混ぜヘラ113は、必要に応じて外ヘラ支持部112から取り外し、交換できる。 【0036】 外掻き混ぜヘラ113は、外固着部111に従って回転軸131の高さ方向に位置変更自在であるが、高さ方向に下げた場合、半径方向内側の側縁がカップリング部133に装着した内掻き混ぜ部12の装着カバー部121と干渉する可能性がある。そこで、本例では、前記装着カバー部121の範囲で外掻き混ぜヘラ113の半径方向内側の側縁に沿って切り込み1133を設け、外掻き混ぜヘラ113全体とは別に干渉範囲を回転方向後ろ側にしならせて、前記装着カバー部121との干渉を回避できるようにしている。 【0037】 内掻き混ぜ部12は、カップリング部133に装着する装着カバー部121と、この装着カバー部121から半径方向に突出させた内掻き混ぜヘラ122とからなる。装着カバー部121は、図5に見られるように、内面に形成した大小異なる突起部1211,1212を、カップリング部133に設けた対応する溝1331,1332に係合し、カップリング部133に対して常に特定位置関係で装着できるようにしている。カップリング部133は、ワンウェイクラッチ132により順回転方向では回転軸131に従って一体に回転するため、同じく回転軸131に従って一体に回転する外掻き混ぜヘラ113と常に特定の位置関係を保っている。これから、カップリング部133に対して特定位置関係で装着する装着カバー部121から突出させた内掻き混ぜヘラ122は、図2に見られるように、順回転方向において常に外掻き混ぜヘラ113と一定の位置関係、本例では180度の点対称な位置関係を保つことができる。 【0038】 本例の内掻き混ぜヘラ122は、水平な上縁と、容器の底面に倣った水平な下縁と、容器の側面に倣った半径方向外側の側縁と、装着カバー部121に対して凹んだ円弧状の半径方向内側の側縁とに囲まれた正面視略台形状のステンレス板である。この内掻き混ぜヘラ122は、回転軸131の順回転方向に向けて下り勾配を有しており、回転軸131と一体に回転する際、糠床17を底の方からすくい上げるように掻き混ぜることができる。この内掻き混ぜヘラ122は、装着カバー部121の下端にボルト123で止めているだけなので、必要に応じて装着カバー部121から取り外し、交換できる。 【0039】 制御部14を備えた本例の操作パネル141は、図8に見られるように、電源スイッチ143、温度設定スイッチ142、糠床作りスイッチ144、お試し掻き混ぜスイッチ145、タイマー設定スイッチ146、始動スイッチ147、そして停止スイッチ148を設けている。温度設定スイッチ142は、恒温手段を作動させて糠床の温度を20℃にする「標準」、恒温手段を作動させて糠床の温度を5℃にする「低温」、そして恒温手段を停止させる「切」のメニューを備える。20℃の温度設定は、通常の糠漬け状態に、5℃の温度設定は糠漬けをやめて糠床17を長期保存する場合に適している。 【0040】 糠床作りスイッチ144は、糠漬け前の糠床17を作るために外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を一定時間高速回転させる。お試し掻き混ぜスイッチ145は、各スイッチによる掻き混ぜ手段の作動を設定した状態で、試しに外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を一定時間低速回転させる。タイマー設定スイッチ146は、糠床17の掻き混ぜ間隔を1日1回とする「1」、1日2回とする「2」、そして1日3回とする「3」のメニューを備える。始動スイッチ147は、各スイッチにより設定した機能に従った外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12による糠床17の掻き混ぜを有効にするもの、停止スイッチ148は逆に無効にし、各スイッチにより設定した機能をリセットするものである。 【0041】 次に、本例の糠漬け装置1の使用手順について説明する。まず、回転軸131に外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を取り付けた容器13に糠味噌を詰め、この容器13を装置本体15の容器収納部152に収納する。容器13は容器蓋134で閉じ、そして装置蓋151を閉じて略密閉状態にする。その後、操作パネル141の糠床作りスイッチ144、始動スイッチ147の順に押し、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を順回転方向に高速回転させる。本例では、糠漬け状態での外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12の回転を低速回転とし、高速回転では外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を前記低速回転の約4倍で回転させる。具体的には、低速回転が5回転/分、高速回転が20回転/分である。また、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を高速回転させる時間は約5分間であり、掻き混ぜ後回転軸131を逆回転させて外掻き混ぜ部11のみを低速回転させ、糠床17の表面を均して押し固める。この糠床作りにおいて、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12の回転を途中で停めたい場合は、停止スイッチ148を押せばよい。 【0042】 こうして糠床作りを終えれば、一度装置蓋151及び容器蓋134を開いて、糠漬け材料となる野菜を糠床17に埋没させ、糠漬けの準備をする。そして、再び装置蓋151及び容器蓋134を閉じて容器13を略密閉状態にし、次にタイマー設定スイッチ146により1日当たりの掻き混ぜ回数を設定する。タイマー設定スイッチ146のメニューにより、1日当たりの掻き混ぜ回数は異なるが、いずれの場合でも、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12は順回転方向に低速回転で3分間回転させ、その後外掻き混ぜ部11のみを逆回転方向に低速回転で2分間回転させて、掻き混ぜた糠床17の表面を均し、押し固める。このタイマー設定スイッチ146の設定後、始動スイッチ147を押すことで、タイマー設定スイッチ146による設定が有効になる。 【0043】 ここで、本例の糠漬け装置1は、外掻き混ぜ部11を回転軸131の高さ方向に位置変更自在で取り付けることができるため、上記タイマー設定スイッチ146による設定を有効にする前に、外掻き混ぜ部11の高さが適切か否かを確認できることが望ましい。このため、本例の糠漬け装置1は、お試し掻き混ぜスイッチ145を押すことで、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を直ちに回転させることができるようにしている。このお試し掻き混ぜスイッチ145は、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を順回転方向に低速回転で2分間回転させ、その後外掻き混ぜ部11のみを逆回転方向に低速回転で2分間回転させて、掻き混ぜた糠床17の表面を均し、押し固める。これにより、外掻き混ぜ部11の高さが適切か否かを確認できる。タイマー設定スイッチ146による設定後、ともかく最初の1回を実行させて、外掻き混ぜ部11の高さを確認することもできる。しかし、繰り返しの調整を考慮した場合、各種スイッチと独立したお試し掻き混ぜスイッチ145を設ける意義がある。 【0044】 本例の糠漬け装置1は、上述した通り、回転軸131が順回転方向に回転する際、外掻き混ぜ部11と内掻き混ぜ部12が所定の位置関係、具体的には約180度の点対称の位置関係を保って回転する。これにより、先行して回転する内掻き混ぜ部12によって盛り上がった糠床17が、遅れてくる外掻き混ぜ部11によって押さえつけられ、両者の働きが相俟って糠床17をよく掻き混ぜることができる。このように、順回転時には、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12が恊働して糠床17を掻き混ぜる。しかし、逆回転時には、内掻き混ぜ部12がワンウェイクラッチ132の働きによって空転し、停止するため、外掻き混ぜ部11のみが回転し、容器13の側面に摺接する半径方向外側の側縁によって前記容器13の側面に付着した糠味噌を削ぎ落としながら、糠床17の表面に摺接する下縁によって前記糠床17の表面を均し、押し固めることができる。このように、本発明は働きの異なる2種類の外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を恊働させることで、良好な糠床17の維持を実現する。 【0045】 本例では、恒温手段により、糠床17の温度管理もできる。この恒温手段は、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12の回転とは無関係に作動又は停止させることができる。糠漬け状態では、通常温度設定スイッチ142の「標準」を選択する。すると、容器13と容器収納部152の隙間153にある周辺空気の温度を温度センサ182が検出し、この周辺空気の温度が目標温度20℃より低い場合は制御部14が要加熱を判断し、また周辺空気の温度が目標温度20℃より高い場合は制御部14が要冷却を判断する。加熱の場合、制御部14はペルチェ素子183に正通電して熱交換板181を加熱する。逆に冷却の場合、制御部14がペルチェ素子183に逆通電して熱交換板181を冷却する。ここで、熱交換板181を冷却すると、ペルチェ素子183の反対側が加熱されるため、冷却ファン184を作動させて前記反対側を空冷する。容器収納部152は概ね断熱材156に囲まれた略密閉状態であるため、ペルチェ素子183を利用した加熱又は冷却でも十分目標温度の維持を図ることができる。温度設定スイッチ142の「低温」を選択した場合も、温度管理の制御は前述と同様である。温度管理が不要になれば、温度設定スイッチ142で「切」を選べばよい。 【0046】 本発明の特長は、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12からなる掻き混ぜ手段を構成し、外掻き混ぜ部11及び内掻き混ぜ部12を一体に回転させて糠床17を掻き混ぜながら、その後外掻き混ぜ部11だけを回転させて、糠床17の表面を均し、押し固めることができる点にある。上記例は、ワンウェイクラッチ132を用い、回転軸131を順回転方向及び逆回転方向に回転を切り換えることで、前記掻き混ぜ手段の特長を実現している。図9に示す例は、この掻き混ぜ手段の特長を、内掻き混ぜ部22と伝達機構である従動プーリ261とを接続又は解除するクラッチ26により、実現している。 【0047】 図9に示す例について、上記例示(図1〜図8参照)と相違する点についてのみ、説明する。本例は、回転軸231に、この回転軸231から独立して回転できるカップリング部233を取り付けている。このカップリング部233は、回転軸231に同軸で下方に延びる中空回転筒232を有している。そして、回転軸231の下端に外掻き混ぜ部用孔付円板238、中空回転筒232の下端に内掻き混ぜ部用孔付円板239をそれぞれ設けている。従動プーリ261は、前記外掻き混ぜ部用孔付円板238又は内掻き混ぜ部用孔付円板239の各孔に挿入できる連動ピン262を突出させたピン支持板266を同軸に取り付けており、ソレノイド267が進退させるロッド268によって揺動するクランクレバー269をピン支持板266の下面に当接させて、このピン支持板266を昇降自在にしている。こうして、クラッチ26は、連動ピン262と外掻き混ぜ部用孔付円板238及び内掻き混ぜ部用孔付円板239とにより構成される。 【0048】 本例のクラッチ26は、ソレノイド267がロッド268を進出させてクランクレバー269を押し上げると、クランクレバー269によってピン支持板266が上昇し、連動ピン262が外掻き混ぜ部用孔付円板238及び内掻き混ぜ部用孔付円板239の各孔に挿入されることで連結状態となり、回転軸231及びカップリング部233を一体に従動プーリ261で回転させることができる。逆に、クラッチ26は、ソレノイド267がロッド268を後退させてクランクレバー269を引き下げると、クランクレバー269に従ってピン支持板266が下降し、連動ピン262が内掻き混ぜ部用孔付円板239の孔から引き抜かれ、外掻き混ぜ部用孔付円板238の孔のみに連動ピン262が挿入された解除状態になり、回転軸231のみを従動プーリ261によって回転させることができる。ソレノイド267の制御は、制御部24による。 【0049】 図9に示す例の糠漬け装置2は、外掻き混ぜ部21のみを回転させて糠床27の表面を均し、押し固める際、回転軸231を順回転から逆回転に反転させる必要がなく、外掻き混ぜ部21及び内掻き混ぜ部22が一体で回転させた後に続いて内掻き混ぜ部22のみを停止させ、外掻き混ぜ部21をそのまま回転させることができる。このため、外掻き混ぜ部21は一方向にしか回転しなくなり、例えば予め外掻き混ぜヘラ213を回転方向に対して傾けて外ヘラ支持部212に装着し、外掻き混ぜヘラ213の下縁を回転方向後ろ側へ常にしならせた状態にすることができ、確実な糠床27の表面の均し及び押し固めができる利点がある。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】本発明を適用した糠漬け装置の垂直断面図である。 【図2】掻き混ぜ手段を構成する外掻き混ぜ部及び内掻き混ぜ部の位置関係を表す平面図である。 【図3】回転軸に設けたワンウェイクラッチの水平平面図である。 【図4】ワンウェイクラッチを内蔵するカップリング部の水平平面図である。 【図5】カップリング部に装着する内掻き混ぜ部の装着カバー部の水平断面図である。 【図6】外掻き混ぜ部の平面図である。 【図7】外掻き混ぜ部の側面図である。 【図8】制御部を設定する操作パネルの平面図である。 【図9】別例の糠付け装置の部分垂直断面図である。 【符号の説明】 【0051】 1 糠漬け装置 11 外掻き混ぜ部 113 外掻き混ぜヘラ 1131 薄肉部 1132 角 12 内掻き混ぜ部 121 装着カバー部 122 内掻き混ぜヘラ 13 容器 131 回転軸 132 ワンウェイクラッチ 133 カップリング部 134 容器蓋 135 通気孔 136 連結部 14 制御部 141 操作パネル 15 装置本体 151 装置蓋 152 容器収納部 154 通気孔 155 消臭フィルタ 161 従動プーリ 162 被連結部 163 モータ 164 駆動プーリ 165 ベルト 17 糠床 181 熱交換板 182 温度センサ 183 ペルチェ素子 184 冷却ファン 185 外気取込口 2 糠漬け装置 21 外掻き混ぜ部 22 内掻き混ぜ部 231 回転軸 24 制御部 26 クラッチ 27 糠床
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| 【出願人】 |
【識別番号】000104065 【氏名又は名称】カーツ株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年8月18日(2004.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075960 【弁理士】 【氏名又は名称】森 廣三郎
【識別番号】100114535 【弁理士】 【氏名又は名称】森 寿夫
【識別番号】100113181 【弁理士】 【氏名又は名称】中務 茂樹
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| 【公開番号】 |
特開2006−55032(P2006−55032A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−238635(P2004−238635) |
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